JP3041371B2 - フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料 - Google Patents

フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料

Info

Publication number
JP3041371B2
JP3041371B2 JP3018823A JP1882391A JP3041371B2 JP 3041371 B2 JP3041371 B2 JP 3041371B2 JP 3018823 A JP3018823 A JP 3018823A JP 1882391 A JP1882391 A JP 1882391A JP 3041371 B2 JP3041371 B2 JP 3041371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acetyl
methoxy
recording material
color
methyldiphenylamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3018823A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04330077A (ja
Inventor
博 寺尾
和田小百合
松本万助
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Chemicals Inc
Original Assignee
Yamamoto Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamamoto Chemicals Inc filed Critical Yamamoto Chemicals Inc
Priority to JP3018823A priority Critical patent/JP3041371B2/ja
Publication of JPH04330077A publication Critical patent/JPH04330077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3041371B2 publication Critical patent/JP3041371B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Color Printing (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフルオラン化合
物及びこの化合物を用いる記録材料に関し、詳しくは、
電子受容性顕色剤と反応して赤味黒色乃至黒色乃至緑味
黒色に発色する2位にアシル−N−アルキルアニリノ基
を有する新規なフルオラン化合物、及びこの化合物を用
いる感圧記録材料及び感熱記録材料等の記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子供与性発色剤(以下、発色剤とい
う。)と電子受容性顕色剤(以下、顕色剤という。)と
の発色反応を利用した記録材料は、感圧記録材料及び感
熱記録材料等として既によく知られている。
【0003】例えば、感圧記録材料は、特公昭42−2
0144号等に開示されており、コンピュータ等のプリ
ンターの分野に利用されている。また、感熱記録材料
は、特公昭45−14039号等に開示されており、計
測記録計、ファクシミリ、プリンター、乗車券の自動販
売機等の広範囲の分野に利用されている。
【0004】近年、地肌白色度が高く、且つ、発色画像
の安定性が高い記録材料、特に、耐窒素酸化物性(以下
耐NOx性という)の高い記録材料に対する要求が高ま
っており、これらの要求に応えるための記録材料の改良
研究が精力的に行なわれている。例えば、特公昭56−
6875号に開示されている2−(3−トリフルオロメ
チルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランを使用
した記録材料は、かなり耐NOx性の高いものである。
しかし、このフルオラン化合物は感圧記録材料の発色剤
カプセルを製造する場合に、溶剤に対する溶解度が低い
ため、高発色剤濃度のカプセルの製造に問題がある。ま
た、耐NOx性に関しても、必ずしも十分に満足できる
ものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、記録材料の
発色剤として有用な新規フルオラン化合物及びこのフル
オラン化合物を用いた発色画像の安定性が高い、特に耐
NOx性の高い感圧記録材料及び感熱記録材料を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による新規なフル
オラン化合物は、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Ra及びRbは炭素数1〜8のア
ルキル基又は置換基を有してもよいフェニル基を示し、
また、RaとRbは結合して5員環或いは6員環のヘテ
ロ環を形成してもよい。Rcは水素原子又はメチル基を
示し、Rdは炭素数1〜12のアルキル基を示し、Re
は炭素数1〜4のアルキル基又は置換基を有してもよい
フェニル基を示す。)で表わされることを特徴とする。
【0009】本発明によるフルオラン化合物は新規物質
であり、大気中において安定な白色乃至淡色の固体で、
顕色剤と反応すると直ちに発色して、赤味黒色から緑味
黒色の色素を形成し、この色素はすぐれた保存安定性を
示す。更に、後述する実施例において、表2に示すよう
に、感圧記録剤用のカプセル化溶剤(KMC−113
(クレハ製)やSAS−296(日本石油製)等)に対
する溶解度が高いために高発色剤濃度のカプセルの製造
に適し、また、発色像の耐NOx性にもすぐれている。
従って、本発明によるフルオラン化合物は、感圧記録材
料及び感熱記録材料等の記録材料における発色剤として
極めて有用なものである。
【0010】本発明による前記一般式(I)で表わされ
るフルオラン化合物は、公知のフルオラン化合物合成法
によって合成することができる。即ち、一般式(II)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Ra及びRbは前記と同じであ
る。)で表わされるベンゾフェノン化合物と、一般式
(III)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基
を示し、Rc、Rd及びReは前記に同じである。)で
表わされるジフェニルアミン化合物とを濃硫酸のような
縮合剤の存在下に反応させ、生成した反応物を水酸化ナ
トリウム等のアルカリ水溶液で処理した後、トルエン等
の溶剤で精製することにより、白色乃至淡色の結晶とし
て得ることができる。
【0015】前記一般式(II)で示されるベンゾフェノ
ン化合物において、Ra及びRbは、好ましくは炭素数
1〜8の直鎖及び分岐アルキル基又はフェニル基であ
り、また、RaとRbは、メチレン鎖で結合した5員環
及び6員環のヘテロ環等であってもよい。
【0016】従って、かかるベンゾフェノン化合物とし
ては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−N,N−ジ
メチルアミノベンゾイル)安息香酸、2−(2−ヒドロ
キシ−4−N,N−ジエチルアミノベンゾイル)安息香
酸、2−(2−ヒドロキシ−4−N,N−ジ−n−ブチ
ルアミノベンゾイル)安息香酸、2−(2−ヒドロキシ
−4−N−メチル−N−n−オクチルアミノベンゾイ
ル)安息香酸、2−(2−ヒドロキシ−4−N−エチル
−N−sec.−ブチルアミノベンゾイル)安息香酸、2−
(2−ヒドロキシ−4−N−エチル−N−イソアミルア
ミノベンゾイル)安息香酸、2−(2−ヒドロキシ−4
−N−エチル−N−フェニルアミノベンゾイル)安息香
酸、2−(2−ヒドロキシ−4−ピペリジノベンゾイ
ル)安息香酸、2−(2−ヒドロキシ−4−ピロリジノ
ベンゾイル)安息香酸等を挙げることができる。
【0017】前記一般式(III)で表わされるジフェニル
アミン化合物において、Rdは、好ましくは炭素数1〜
8の直鎖及び分岐アルキル基であり、また、Reは、好
ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は置換基を有して
もよいフェニル基であり、更に好ましくはメチル基、エ
チル基又はフェニル基である。
【0018】従って、かかるジフェニルアミン化合物と
しては、例えば、4−メトキシ−2'−アセチル−N−メ
チルジフェニルアミン、4−メトキシ−3'−アセチル−
N−メチルジフェニルアミン、4−メトキシ−4'−アセ
チル−N−メチルジフェニルアミン、4−メトキシ−2'
−アセチル−N−エチルジフェニルアミン、4−メトキ
シ−3'−アセチル−N−エチルジフェニルアミン、4−
メトキシ−4'−アセチル−N−エチルジフェニルアミ
ン、4−メトキシ−2'−アセチル−N−n−ブチルジフ
ェニルアミン、4−メトキシ−3'−アセチル−N−n−
ブチルジフェニルアミン、4−メトキシ−4'−アセチル
−N−n−ブチルジフェニルアミン、4−メトキシ−2'
−アセチル−N−イソブチルジフェニルアミン、4−メ
トキシ−3'−アセチル−N−イソブチルジフェニルアミ
ン、4−メトキシ−4'−アセチル−N−イソブチルジフ
ェニルアミン、4−メトキシ−2'−アセチル−N−n−
オクチルジフェニルアミン、4−メトキシ−3'−アセチ
ル−N−n−オクチルジフェニルアミン、4−メトキシ
−4'−アセチル−N−n−オクチルジフェニルアミン、
4−メトキシ−2−メチル−2'−アセチル−N−メチル
ジフェニルアミン、4−メトキシ−2−メチル−3'−ア
セチル−N−メチルジフェニルアミン、4−メトキシ−
2−メチル−4'−アセチル−N−メチルジフェニルアミ
ン、4−メトキシ−2'−プロピオニル−N−メチルジフ
ェニルアミン、4−メトキシ−3'−プロピオニル−N−
メチルジフェニルアミン、4−メトキシ−4'−プロピオ
ニル−N−メチルジフェニルアミン、4−メトキシ−2'
−ベンゾイル−N−メチルジフェニルアミン、4−メト
キシ−3'−ベンゾイル−N−メチルジフェニルアミン、
4−メトキシ−4'−ベンゾイル−N−メチルジフェニル
アミン、4−ヒドロキシ−4'−アセチル−N−メチルジ
フェニルアミン、4−エトキシ−4'−アセチル−N−メ
チルジフェニルアミン等を挙げることができる。
【0019】本発明によるフルオラン化合物を感圧記録
材料に適用するには、例えば、特公昭42−20144
号等に開示されている公知の種々の方法を利用すること
ができる。
【0020】一般的には、発色剤をカプセル化溶剤に溶
解した発色剤溶液を高分子化合物を膜剤としてカプセル
化した後、上質紙、合成紙、プラスチックフィルム等の
支持体の裏面に塗布して上用紙を作製する。一方、顕色
剤を別の支持体の表面に塗布して下用紙を作製する。こ
のような上用紙と下用紙を塗布面が接触するように重ね
合わせて、筆圧或いは打圧等の圧力を加えると、加圧さ
れた部分のカプセルが破壊され、カプセル中の発色剤が
顕色剤と反応して、下用紙の表面に記録画像が形成され
る。また、支持体の表面に顕色剤を塗布すると共に、裏
面にカプセルを塗布した中用紙を上用紙と下用紙の間に
数枚挿入することにより、複数枚の複写記録を得ること
ができる。
【0021】感圧記録材料に用いる顕色剤としては、酸
性白土、サリチル酸誘導体の亜鉛塩、p−オクチルフェ
ノール樹脂の亜鉛塩、p−フェニルフェノール樹脂等が
挙げられる。特に、サリチル酸誘導体の亜鉛塩及びp−
オクチルフェノール樹脂の亜鉛塩が好ましく用いられ
る。
【0022】本発明によるフルオラン化合物を感熱記録
材料に適用するには、例えば、特公昭45−14039
号等に開示されている公知の種々の方法を利用すること
ができる。
【0023】一般的には、発色剤、顕色剤及び増感剤を
それぞれポリビニルアルコール等の水溶性高分子水溶液
と共に、アトライター、サンドミル等を用いて、薬剤の
粒径が数ミクロン以下になるように分散させる。増感剤
は、発色剤、顕色剤のいずれか、或いは両方に加えて、
同時に分散させてもよく、また、場合によっては、予め
発色剤或いは顕色剤との共融物を作製して、分散させて
もよい。
【0024】これらの分散液を混合して、必要に応じ
て、顔料、バインダー、ワックス、金属石鹸、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を加えて、感熱塗液とする。このよ
うにして得られた感熱塗液を上質紙、合成紙、プラスチ
ックフィルム等の支持体に塗布した後、カレンダー処理
にて平滑性を付与すると、感熱記録材料が得られる。
【0025】感熱塗液は、必要に応じて、発色性を向上
させるために、プラスチック顔料或いはシリカ等の断熱
剤の下塗り層を有する支持体に塗布してもよい。更に、
必要に応じて、耐水性、耐薬品性を付与するために、感
熱記録層上に水溶性高分子水溶液等で上塗り層を設ける
こともよい。
【0026】本発明によるフルオラン化合物を感圧記録
材料や感熱記録材料に用いるに際して、必要に応じ、他
の発色剤を併用することもできる。
【0027】感熱記録材料における顕色剤としては、各
種のフェノール性化合物を用いることができる。かかる
フェノール性化合物の具体例としては、例えば、2,2−
ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
ールA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−4
−メチルペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)
スルホン(ビスフェノールS)、ビスフェノールSモノ
イソプロピルエ−テル、3,3'−ジアリルビスフェノール
S、1,5−ビス(p−ヒドロキシフェニルメルカプト)
−3−オキサペンタン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールS等を挙げることができる。本発明において
は、特にビスフェノールAが好ましく用いられる。
【0028】増感剤としては、p−ベンジルビフェニ
ル、m−ターフェニル、2−ベンジルオキシナフタレ
ン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジベ
ンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、1,2−ジフ
ェノキシエタン、1,2−ジ−m−トルオキシエタン、1,
2−ジ−p−トルオキシエタン、1,4−ジフェノキシブ
タン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ナフ
トエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェ
ニル、テレフタル酸ジベンジル等を挙げることができ
る。本発明においては、特に、p−ベンジルビフェニ
ル、m−ターフェニル、2−ベンジルオキシナフタレ
ン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、1,2−ジ−m−
トルオキシエタンが好ましく用いられる。
【0029】填料としては、有機及び無機の填料が使用
できる。好ましい具体例としては、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、非晶質
シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉
末等が挙げられる。
【0030】バインダーとしては、水溶性高分子及び水
不溶性高分子が使用できる。好ましい具体例としては、
水溶性高分子として、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプ
ン類、スチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、
エチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、イソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミド等が、また、水不溶性高分子とし
て、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマル
ジョン等が挙げられる。
【0031】ワックスの好ましい具体例としては、パラ
フィンワックス、カルボキシ変性パラフィンワックス、
ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0032】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられる。好ましい具体例としては、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム等が挙げられる。
【0033】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル類が用いられる。また、紫外線吸収剤としては、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤
が用いられる。
【0034】
【実施例】以下に本発明によるフルオラン化合物を合成
するための原料物質の合成を参考例として挙げ、次い
で、本発明の実施例を挙げる。
【0035】参考例1(4−メトキシ−4'−アセチルジ
フェニルアミンの合成) 106.3gの4−N−アセチルアミノアセトフェノン、
112.2gの4−ブロモアニソール、41.5gの無水炭
酸カリウム及び3.0gのヨウ化銅を攪拌下混合し、19
5〜200℃で20時間反応させた後、室温まで冷却し
た。これに300mlのエタノールと50.5gの水酸化カ
リウムを加え、1時間還流し、加水分解した。エタノー
ルを留去し、500mlのトルエンを加えて抽出し、湯
洗、分液した後、濾過した。濾液を濃縮し、残渣にメタ
ノールを加え、析出した結晶を濾取し、乾燥して107.
9g(75%収率)の4−メトキシ−4'−アセチルジフ
ェニルアミンを融点115〜117℃の淡黄色の結晶と
して得た。
【0036】元素分析値: C H N 計算値(C1515NO2) 74.66% 6.28% 5.81% 実測値 74.71% 6.22% 5.79%
【0037】参考例2(4−メトキシ−2'−アセチルジ
フェニルアミンの合成) 2−アミノアセトフェノン27.0g、4−ヨードアニソ
ール46.8g、無水炭酸カリウム27.6g及びヨウ化銅
2.0gを混合し、攪拌下165〜170℃で40時間反
応させた。得られた反応混合物にトルエン300mlを加
えて抽出し、分液した後、濾過した。濾液を凝縮し、残
渣にメタノールを加え、析出した結晶を濾取し、乾燥し
て38.7g(80%収率)の4−メトキシ−2'−アセチ
ルジフェニルアミンを融点68〜70℃の淡黄色の結晶
として得た。
【0038】元素分析値: C H N 計算値(C1515NO2) 74.66% 6.28% 5.81% 実測値 74.69% 6.30% 5.77%
【0039】参考例3(4−メトキシ−3'−アセチルジ
フェニルアミンの合成) 参考例1において、4−N−アセチルアミノアセトフェ
ノンに代えて、3−N−アセチルアミノアセトフェノン
を用いて同様に反応を行い、79.6g(55%収率)の
4−メトキシ−3'−アセチルジフェニルアミンを融点9
9〜101℃の淡黄色の結晶として得た。
【0040】元素分析値: C H N 計算値(C1515NO2) 74.66% 6.28% 5.81% 実測値 74.79% 6.21% 5.83%
【0041】参考例4(4−メトキシ−2−メチル−4'
−アセチルジフェニルアミンの合成) 参考例1において、4−ブロモアニソールに代えて、4
−ブロモ−3−メチルアニソールを用いて同様に反応を
行い、88.9g(58%収率)の4−メトキシ−2−メ
チル−4'−アセチルジフェニルアミンを融点95〜97
℃の淡黄色の結晶として得た。
【0042】元素分析値: C H N 計算値(C1617NO2) 75.26% 6.72% 5.49% 実測値 75.15% 6.70% 5.54%
【0043】参考例5(4−メトキシ−3'−プロピオニ
ルジフェニルアミンの合成) 49.6gの4−メトキシ−N−アセチルアニリン、63.
9gの3−ブロモプロピオフェノン、20.8gの無水炭
酸カリウム及び1.5gのヨウ化銅を攪拌下混合し、18
0〜185℃で20時間反応させた後、室温まで冷却し
た。これに200mlのエタノールと25.3gの水酸化カ
リウムを加え、1時間還流し、加水分解した。エタノー
ルを留去し、300mlのトルエンを加えて抽出し、湯洗
分液した後、濾過した。濾液を濃縮し、残渣にメタノー
ルを加え、析出した結晶を濾取し、乾燥して、52.1g
(68%収率)の4−メトキシ−3'−プロピオニルフェ
ニルアミンを融点109〜111℃の淡黄白色の結晶と
して得た。
【0044】元素分析値: C H N 計算値(C1617NO2) 75.26% 6.72% 5.49% 実測値 75.31% 6.68% 5.53%
【0045】参考例6(4−メトキシ−4'−ベンゾイル
ジフェニルアミンの合成) 参考例2において、2−アミノアセトフェノンに代え
て、39.5gの4−アミノベンゾフェノンを用いて同様
に反応を行い、31.6g(52%収率)の4−メトキシ
−4'−ベンゾイルジフェニルアミンを融点134〜13
6℃の淡黄色の結晶として得た。
【0046】元素分析値: C H N 計算値(C2017NO2) 79.17% 5.66% 4.62% 実測値 78.87% 5.60% 4.58%
【0047】参考例7(4−メトキシ−4'−アセチル−
N−メチルジフェニルアミンの合成) 24.2gの4−アセチル−4'−メトキシジフェニルアミ
ン、25.8gの35%ホルマリン、84mlの6N硫酸及
び200mlのテトラヒドロフランを混合し、攪拌下10
℃以下に冷却した。この混合液中に13.2gの水素化ホ
ウ素ナトリウムを10〜15℃で徐々に添加した後、更
に25〜30℃で1時間反応させた。
【0048】次いで、反応混合物に200mlの水、12
gの水酸化ナトリウム及び500mlのトルエンを加えて
抽出し、分液し、水洗した後、濾過した。濾液を濃縮
し、残渣にメタノールを加え、析出した結晶を濾取し、
乾燥して16.3g(64%収率)の4−メトキシ−4'−
アセチル−N−メチルジフェニルアミンを融点92〜9
3℃の淡黄色の結晶として得た。
【0049】元素分析値: C H N 計算値(C1617NO2) 75.26% 6.72% 5.49% 実測値 75.35% 6.68% 5.41%
【0050】参考例8〜16(N−アルキルジフェニル
アミン類の合成) 参考例7の方法に準じ、ジフェニルアミン類とアルデヒ
ド類とから、N−アルキルジフェニルアミン類の合成を
行なった。尚、結晶化しなかった化合物は、カラムクロ
マトグラフィーにて精製した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例1(2−(4−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に9.4gの2−(2−ヒドロ
キシ−4−N,N−ジエチルアミノベンゾイル)安息香
酸を添加して溶解した。次いで、水冷下20℃以下の温
度にて、7.6gの4−メトキシ−4'−アセチル−N−メ
チルジフェニルアミンを添加した後、25〜30℃の温
度で30時間攪拌した。反応混合物を300mlの氷水に
排出し、析出物を濾取して水洗した。
【0053】次いで、濾取物を300mlのトルエンと1
00mlの10%水酸化ナトリウム水溶液と共に1時間還
流した。トルエン層を分取し、湯洗した後、濾取した。
濃縮物に100mlのメタノールを添加し、1時間還流し
て結晶化させた。結晶を濾取した後、乾燥し、10.1g
(65%収率)の2−(4−アセチル−N−メチルアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオランを融点210〜
212℃の淡黄白色の結晶として得た。本化合物の赤外
線吸収スペクトルを図1に示す。
【0054】元素分析値: C H N 計算値(C33302 4 ) 76.42% 5.84% 5.40% 実測値 76.49% 5.82% 5.38% MS(m/e):518(M)
【0055】実施例2(2−(3−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランの合成) 実施例1において、4−メトキシ−4'−アセチル−N−
メチルジフェニルアミンに代えて、7.6gの4−メトキ
シ−3'−アセチル−N−メチルジフェニルアミンを用
い、同様に反応し、処理することにより、10.4g(6
7%収率)の2−(3−アセチル−N−メチルアニリ
ノ)−6−ジエチルアミノフルオランを融点141〜1
45℃の白色粉末として得た。本化合物の赤外線吸収ス
ペクトルを図2に示す。
【0056】元素分析値: C H N 計算値(C33302 4 ) 76.42% 5.84% 5.40% 実測値 76.21% 5.80% 5.41% MS(m/e):518(M)
【0057】実施例3(2−(2−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランの合成) 実施例1において、4−メトキシ−4'−アセチル−N−
メチルジフェニルアミンに代えて、7.6gの4−メトキ
シ−2'−アセチル−N−メチルジフェニルアミンを用
い、同様に反応し、処理することにより、9.0g(58
%収率)の2−(2−アセチル−N−メチルアニリノ)
−6−ジエチルアミノフルオランを融点160〜162
℃の淡黄白色の結晶として得た。本化合物の赤外吸収ス
ペクトルを図3に示す。
【0058】 元素分析値: C H N 計算値(C33302 4 ) 76.42% 5.84% 5.40% 実測値 76.54% 5.80% 5.43% MS(m/e):518(M)
【0059】実施例4(2−(4−アセチル−N−エチ
ルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランの合成) 実施例1において、4−メトキシ−4'−アセチル−N−
メチルジフェニルアミンに代えて、8.1gの4−メトキ
シ−4'−アセチル−N−エチルジフェニルアミンを用
い、同様に反応し、処理することにより、8.6g(54
%収率)の2−(4−アセチル−N−エチルアニリノ)
−6−ジエチルアミノフルオランを融点180〜182
℃の淡黄白色の結晶として得た。
【0060】元素分析値: C H N 計算値(C34322 4 ) 76.67% 6.07% 5.26% 実測値 76.82% 6.14% 5.23% MS(m/e):532(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1760、νC
=O(アセチル)1665
【0061】実施例5(2−(4−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ランの合成) 実施例1において、4−メトキシ−4'−アセチル−N−
メチルジフェニルアミンに代えて、8.1gの4−メトキ
シ−2−メチル−4'−アセチル−N−メチルジフェニル
アミンを用い、同様に反応し、処理することにより、1
2.1g(76%収率)の2−(4−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ランを融点257〜258℃の白色粉末として得た。
【0062】元素分析値: C H N 計算値(C34322 4 ) 76.67% 6.07% 5.26% 実測値 76.79% 6.12% 5.13% MS(m/e):532(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1765、νC
=O(アセチル)1660
【0063】実施例6(2−(4−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの
合成) 実施例1において、2−(2−ヒドロキシ−4−N,N
−ジエチルアミノベンゾイル)安息香酸に代えて、11.
1gの2−(2−ヒドロキシ−4−N,N−ジ−n−ブ
チルアミノベンゾイル)安息香酸を用い、同様に反応
し、処理することにより、12.2g(71%収率)の2
−(4−アセチル−N−メチルアニリノ)−6−ジ−n
−ブチルアニリノフルオランを融点208〜210℃の
淡黄白色の結晶として得た。
【0064】元素分析値: C H N 計算値(C37382 4 ) 77.31% 6.68% 4.87% 実測値 77.36% 6.71% 4.83% MS(m/e):574(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1760、νC
=O(アセチル)1665
【0065】実施例7(2−(3−アセチル−N−n−
ブチルアニリノ)−6−ピロリジノフルオランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に9.3gの2−(2−ヒドロ
キシ−4−ピロリジノベンゾイル)安息香酸を添加して
溶解した。次いで、水冷下20℃以下の温度にて、8.9
gの4−メトキシ−3'−アセチル−N−n−ブチルジフ
ェニルアミンを添加した後、25〜30℃の温度で30
時間攪拌した。実施例1と同様に処理して、7.8g(4
7%収率)の2−(3−アセチル−N−n−ブチルアニ
リノ)−6−ピロリジノフルオランを融点131〜13
3℃の白色粉末として得た。
【0066】元素分析値: C H N 計算値(C36342 4 ) 77.38% 6.15% 5.02% 実測値 77.12% 6.09% 4.99% MS(m/e):558(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1755、νC
=O(アセチル)1675
【0067】実施例8(2−(3−アセチル−N−イソ
ブチルアニリノ)−6−ピペリジノフルオランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、9.8gの2−(2−ヒド
ロキシ−4−ピぺリジノベンゾイル)安息香酸を添加し
て溶解した。次いで、水冷下20℃以下の温度で、8.9
gの4−メトキシ−3'−アセチル−N−イソブチルジフ
ェニルアミンを添加した後、25〜30℃の温度で30
時間攪拌した。実施例1と同様に処理して、6.7g(3
9%収率)の2−(3−アセチル−N−イソブチルアニ
リノ)−6−ピペリジノフルオランを融点173〜17
5℃の白色粉末として得た。
【0068】元素分析値: C H N 計算値(C37362 4 ) 77.59% 6.35% 4.89% 実測値 77.71% 6.32% 4.87% MS(m/e):572(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1760、νC
=O(アセチル)1680
【0069】実施例9(2−(3−アセチル−N−メチ
ルアニリノ)−6−N−sec.−ブチル−N−エチルアミ
ノフルオランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、10.2gの2−(2−ヒ
ドロキシ−4−N−sec.−ブチル−N−エチルアミノベ
ンゾイル)安息香酸を添加して溶解した。次いで、水冷
下20℃以下の温度で、7.6gの4−メトキシ−3'−ア
セチル−N−メチルジフェニルアミンを添加した後、2
5〜30℃の温度で30時間攪拌した。実施例1と同様
に処理して、6.9g(42%収率)の2−(3−アセチ
ル−N−メチルアニリノ)−6−N−sec.−ブチル−N
−エチルアミノフルオランを融点133〜135℃の白
色粉末として得た。
【0070】元素分析値: C H N 計算値(C35342 4 ) 76.89% 6.28% 5.13% 実測値 76.78% 6.24% 5.11% MS(m/e):546(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1750、νC
=O(アセチル)1680
【0071】実施例10(2−(2−アセチル−N−メ
チルアニリノ)−6−N−イソアミル−N−エチルアミ
ノフルオランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、10.7gの2−(2−ヒ
ドロキシ−4−N−イソアミル−N−エチルアミノベン
ゾイル)安息香酸を添加して溶解した。次いで、水冷下
20℃以下の温度で、7.6gの4−メトキシ−2'−アセ
チル−N−メチルジフェニルアミンを添加した後、25
〜30℃の温度で30時間攪拌した。実施例1と同様に
処理して、8.1g(48%収率)の2−(2−アセチル
−N−メチルアニリノ)−6−N−イソアミル−N−エ
チルアミノフルオランを融点135〜137℃の淡黄白
色の結晶として得た。
【0072】元素分析値: C H N 計算値(C36362 4 ) 77.11% 6.48% 5.00% 実測値 77.24% 6.51% 4.98% MS(m/e):560(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1760、νC
=O(アセチル)1685
【0073】実施例11(2−(3−プロピオニル−N
−メチルアニリノ)−6−ジメチルアミノフルオランの
合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、8.6gの2−(2−ヒド
ロキシ−4−N,N−ジメチルアミノベンゾイル)安息
香酸を添加して溶解した。次いで、水冷下20℃以下の
温度で、8.1gの4−メトキシ−3’−プロピオニル−
N−メチルジフェニルアミンを添加した後、25〜30
℃の温度で30時間攪拌した。実施例1と同様に処理し
て、6.2g(41%収率)の2−(3−プロピオニル−
N−メチルアニリノ)−6−ジメチルアミノフルオラン
を融点222〜224℃の淡黄白色の結晶として得た。
【0074】元素分析値: C H N 計算値(C32282 4 ) 76.16% 5.60% 5.55% 実測値 75.98% 5.58% 5.50% MS(m/e):504(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1755、νC
=O(プロピオニル)1675
【0075】実施例12(2−(4−アセチル−N−n
−オクチルアニリノ)−6−ジメチルアミノフルオラン
の合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、8.6gの2−(2−ヒド
ロキシ−4−N,N−ジメチルアミノベンゾイル)安息
香酸を添加して溶解した。次いで、水冷下20℃以下の
温度で、10.6gの4−メトキシ−4’−アセチル−N
−n−オクチルジフェニルアミンを添加した後、25〜
30℃の温度で30時間攪拌した。実施例1と同様に処
理して、2.7g(15%収率)の2−(4−アセチル−
N−n−オクチルアニリノ)−6−ジメチルアミノフル
オランを融点94〜96℃の白色粉末として得た。
【0076】 元素分析値: C H N 計算値(C38402 4 ) 77.51% 6.86% 4.76% 実測値 77.39% 6.90% 4.74% MS(m/e):588(M) IR(1/cm):νC=O(ラクトン)1760、νC
=O(アセチル)1665
【0077】実施例13(2−(4−アセチル−N−メ
チルアニリノ)−6−N−エチル−N−フェニルアミノ
フルオランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、10.8gの2−(2−ヒ
ドロキシ−4−N−エチル−N−フェニルアミノベンゾ
イル)安息香酸を添加して溶解した。次いで、水冷下2
0℃以下の温度で、7.6gの4−メトキシ−4'−アセチ
ル−N−メチルジフェニルアミンを添加した後、25〜
30℃の温度で30時間攪拌した。実施例1と同様に処
理して、8.9g(53%収率)の2−(4−アセチル−
N−メチルアニリノ)−6−N−エチル−N−フェニル
アミノフルオランを融点179〜181℃の淡黄白色の
結晶として得た。本化合物の赤外線吸収スペクトルを図
4に示す。
【0078】元素分析値: C H N 計算値(C37302 4 ) 78.42% 5.35% 4.94% 実測値 78.53% 5.41% 4.89% MS(m/e):566(M)
【0079】実施例14(2−(4−ベンゾイル−N−
メチルアニリノ)−6−N,N−ジエチルアミノフルオ
ランの合成) 50gの濃硫酸中に攪拌下に、9.4gの2−(2−ヒド
ロキシ−4−N,N−ジエチルアミノベンゾイル)安息
香酸を添加して溶解した。次いで、水冷下20℃以下の
温度で、9.5gの4−メトキシ−4'−ベンゾイル−N−
メチルジフェニルアミンを添加した後、25〜30℃の
温度で30時間攪拌した。実施例1と同様に処理して、
12.0g(69%収率)の2−(4−ベンゾイル−N−
メチルアニリノ)−6−N,N−ジエチルアミノフルオ
ランを融点207〜209℃の白色粉末として得た。本
化合物の赤外吸収スペクトルを図5に示す。
【0080】元素分析値: C H N 計算値(C38322 4 ) 78.59% 5.57% 4.83% 実測値 78.52% 5.60% 4.80% MS(m/e):580(M)
【0081】実施例15(感圧記録材料の製造) 実施例1で合成したフルオラン化合物3gをKMC−1
13(クレハ化学製)47gに加熱下に溶解し、発色剤
溶液を調製した。一方、水100gに系変性剤5gを加
え、苛性ソーダ水溶液でpH4とし、これに上記の発色剤
溶液50gとメラミン−ホルムアルデヒド初期重合物1
0gを加えて、ホモミキサーで油滴が4ミクロンになる
まで乳化した。次いで、攪拌下60℃に加熱昇温し、更
に同温度で1時間攪拌した。室温に冷却後、25%アン
モニアでpH7.5に調節して、発色剤のカプセル分散液を
調製した。
【0082】このようにして調製した発色剤のカプセル
分散液10gに小麦澱粉2g及びラテックス1gを加え
てよく混合した後、上質紙に固型分塗布量が5g/平方
メートルとなるように塗布、乾燥し、白色の上用紙を作
製した。
【0083】実施例1628(感圧記録材料の製造) 実施例15において、発色剤として、実施例1で合成し
たフルオラン化合物に代えて、実施例2〜14で合成し
たフルオラン化合物をそれぞれ使用した以外は、実施例
15と同様の操作を行なって上用紙を作製した。
【0084】比較例1(感圧記録材料の製造) 実施例15において、発色剤として、実施例1で合成し
たフルオラン化合物に代えて、2−(3−トリフルオロ
メチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランを使
用した以外は、実施例15と同様の操作を行なって上用
紙を作製した。
【0085】実施例29(感熱記録材料の製造) 実施例2で合成したフルオラン化合物5gを2.5%ポリ
ビニルアルコール水溶液45g中で、サンドミルを用い
て平均粒径が1ミクロンになるように粉砕し、発色剤分
散液を得た。一方、顕色剤のビスフェノールA10gと
増感剤のp−ベンジルビフェニル10gを2.5%ポリビ
ニルアルコール水溶液80g中で、サンドミルを用いて
平均粒径が1ミクロンになるように粉砕し、顕色剤分散
液を得た。上記二つの分散液を混合後、炭酸カルシウム
50%水溶液30gとパラフィンワックス30%分散液
15gを添加し、よく混合して、感熱塗液を得た。
【0086】このようにして調整した感熱塗液を上質紙
上、固型分塗布量が4.5g/平方メートルとなるように
塗布、乾燥後、カレンダー処理により、感熱記録層面の
ベック平滑度が400〜500秒となるように調整し、
感熱記録材料を作製した。この感熱記録材料は、ファク
シミリで瞬時に発色し、緑黒色の安定な記録画像を与え
た。
【0087】比較例2(感熱記録材料の製造) 実施例29において、発色剤として、実施例2で合成し
たフルオラン化合物に代えて、2−(3−トリフルオロ
メチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランを使
用した以外は、実施例29と同様の操作を行なって、感
熱記録材料を作製した。
【0088】評価1 本発明によるフルオラン化合物の感圧記録用溶剤SAS
−296(日本石油製ジフェニルエタン系溶剤)に対す
る溶解度を比較物質である2−(3−トリフルオロメチ
ルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオランと共に測
定した。溶解度の測定は下記の方法に従って行なった。
【0089】約10w/w%のフルオラン化合物/溶剤
混合液をホットプレート上で110℃±2.5℃で加熱溶
解した。この溶液を共栓付三角フラスコに移し、20℃
±0.1℃の温度で48時間攪拌した。析出したフルオラ
ン化合物を濾去後、濾液1gを精秤して、100mlのメ
スフラスコに入れ、95%酢酸を加えて、全体量を10
0mlとした。
【0090】この溶液2mlを100mlのメスフラスコに
入れ、95%酢酸を加えて全体量を100mlとした。こ
の発色溶液の可視部最大吸収波長での吸光度を95%酢
酸を対照液として分光光度計で測定し、先に作成してい
た検量線より溶解したフルオラン化合物の量を求めた。
これらの結果を表2に示す。比較例の化合物は、2−
(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルア
ミノフルオランを用いた。
【0091】
【表2】
【0092】評価2 実施例1528及び比較例1により得られた上用紙を
顕色剤であるサリチル酸誘導体の亜鉛塩を塗布した下用
紙に塗布面が接触するように重ねて、ミニロールを用い
て発色試験を行なった。
【0093】次いで、発色像にNOxを暴露するJIS
L0855に記載されている方法に従って、耐NOx
堅牢度試験を行なった。但し、NOx暴露時間は30分
間とした。NOxに対する堅牢度の強弱は、NOx暴露
前後の色相変化を色差計(東京電色TC−PIII )で測
定することにより判定した。これらの結果を表3に示
す。
【0094】
【表3】
【0095】上記の測定においてΔaは赤変度を示し、
Δa=a値(曝露後)−a値(曝露前)である。Δaの
絶対値が小さい程、NOxに対して堅牢度が高いことを
意味する。
【0096】評価3 実施例29及び比較例2により得られた感熱記録材料を
東芝ファクシミリCOPIX TF370とファクステ
ストチャートNo. 1(画像電子学会)を用いて発色試験
を行なった。次いで、耐NOx堅牢度試験をNOx曝露
時間を90分間にする以外は、評価2と同様に行なっ
た。これらの結果を表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によるフルオラン化合物を発色剤として使用することに
より、NOxに対し極めて堅牢度の高い感圧記録材料及
び感熱記録材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1で合成したフルオラン化合物の赤
外線吸収スペクトルである。
【図2】は実施例2で合成したフルオラン化合物の赤外
線吸収スペクトルである。
【図3】は実施例3で合成したフルオラン化合物の赤外
線吸収スペクトルである。
【図4】は実施例13で合成したフルオラン化合物の赤
外線吸収スペクトルである。
【図5】は実施例14で合成したフルオラン化合物の赤
外線吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−209589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 493/10 B41M 5/145 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Ra及びRbは炭素数1〜8のアルキル基又は
    置換基を有してもよいフェニル基を示し、また、Raと
    Rbは結合して5員環或いは6員環のヘテロ環を形成し
    てもよい。Rcは水素原子又はメチル基を示し、Rdは
    炭素数1〜12のアルキル基を示し、Reは炭素数1〜
    4のアルキル基又は置換基を有してもよいフェニル基を
    示す。)で表わされるフルオラン化合物。
  2. 【請求項2】電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤との
    発色反応を利用した記録材料において、電子供与性発色
    剤が請求項1記載のフルオラン化合物であることを特徴
    とする記録材料。
  3. 【請求項3】記録材料が感圧記録材料である請求項2記
    載の記録材料。
  4. 【請求項4】記録材料が感熱記録材料である請求項2記
    載の記録材料。
JP3018823A 1991-02-12 1991-02-12 フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料 Expired - Lifetime JP3041371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3018823A JP3041371B2 (ja) 1991-02-12 1991-02-12 フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3018823A JP3041371B2 (ja) 1991-02-12 1991-02-12 フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04330077A JPH04330077A (ja) 1992-11-18
JP3041371B2 true JP3041371B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=11982287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3018823A Expired - Lifetime JP3041371B2 (ja) 1991-02-12 1991-02-12 フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3041371B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04330077A (ja) 1992-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2984488B2 (ja) 2−(3−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランの結晶変態、その製造方法及びこの結晶変態を含有する記録材料
JP3041371B2 (ja) フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料
JPS62243653A (ja) ジビニル化合物及びそれを使用した発色性記録材料
JPS63166588A (ja) クロメノ化合物およびクロメノ化合物を用いた感熱記録体
JPH07304972A (ja) フルオラン化合物およびこれを用いる記録材料、可逆性熱変色材料
JPH05171051A (ja) フルオラン化合物およびこれを用いた記録材料
JP2984384B2 (ja) フルオラン化合物、およびこの化合物を用いる記録材料
JP3018690B2 (ja) 感圧および感熱記録材料
JP3131061B2 (ja) スピロ(アントロン−フタリド)誘導体、その製造法及び該誘導体を含有する記録材料
JP3153639B2 (ja) 2−m−トルイジノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランの結晶変態、その製造方法及びこの結晶変態を含有する記録材料
JP2898060B2 (ja) フルオラン化合物、および該化合物を用いる記録材料
JP2924919B2 (ja) 発色性記録材料
JPS62257970A (ja) ジビニル化合物及びそれを使用した発色性記録材料
JP3306596B2 (ja) フタリド化合物及びこれを使用した記録材料
JP3091774B2 (ja) フルオラン化合物の結晶性プロパノール和物およびその製造法ならびに該結晶性プロパノール和物を含有する記録材料
JP2024035571A (ja) フルオラン二量体化合物およびこれを用いた記録材料
JPS62243652A (ja) ジビニル化合物及びそれを使用した発色性記録材料
JPH0797527A (ja) 3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4,7−ジアザフタリドの結晶及びこの結晶を含有する記録材料
JPH0517698A (ja) フルオラン化合物及びこの化合物を用いる記録材料
JPH0433888A (ja) 感熱記録材料
JP2854024B2 (ja) フルオラン化合物,および該化合物を含有する記録材料
JPH01128984A (ja) フルオラン化合物およびこれを用いた発色性記録材料
JPH0433889A (ja) 感熱記録材料
JPH0433883A (ja) 感熱記録材料
JPH04173388A (ja) フルオラン化合物および該化合物を用いる記録材料