JP3038533U - 保存容器用蓋体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純操作での着脱が可能となり、挿嵌部の封
止力を可撓性部材の弾性力のみに依存せずに確実に封止
することができ、しかも長期的に封止力を得ることがで
きる保存容器用蓋体構造を提供する。 【解決手段】 蓋体３の中空枠体１１内にあって中央基
部より半径方向に突出する複数の腕１２を有し、先端に
挿嵌部１０の内周壁に形成された凹溝１３に係合保持す
る係合突起１４を形成し、各腕１２の所定位置に折曲可
能な切欠き１５を形成した押圧体１６とで構成されるの
で、挿嵌部の封止を可撓性部材の弾性力のみに依存せず
に確実に封止することができる。また押圧体１６の中央
基部に天板６を挿通した端部を天板６に係止するようツ
マミ部１７を立設しているので、ツマミ１７を押し引き
する簡単な操作で蓋体３の着脱を容易に行うことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、保存容器用蓋体構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、食品等を収納する容器には蓋体が使用されているが、食品の保存性 、液体の漏れ防止、食品衛生上の点から蓋体を封止構造にした保存容器が多く使 用されている。 例えば、図６に示す保存容器０１の蓋体０２は、上部蓋体０３と前記上部蓋体 ０３の端部に装着されるシール部材０６とから成り、上部蓋体０３は、樹脂によ り成形され外周に環状段差部０４を形成した挿嵌部０５を有し、上部に形成され た一対の凹部０７ａ、０７ｂ内に没入配設されて支持軸０８ａ、０８ｂにより揺 動可能に枢支され、Ｌ字形に形成された一対の操作レバー０９ａ、０９ｂから成 る操作機構を有している。

【０００３】 シール部材０６は、樹脂性の可撓性部材で皿状に一体成形され、上部蓋体０３ の挿嵌部０５外周に形成された環状溝０１０に弾力的に装着すべく上部内周縁を 内側に折曲した係止部０１１を有し、外周に容器０１２の開口部に挿嵌すべく環 状突起０１３を備えた円筒状の挿嵌部０１４を形成し、前記上部蓋体０３の底部 が封止されるよう形成され、底部中央には円盤状の当接部材０１５が装着されて いる。

【０００４】 このように構成された蓋体０２は、やはり樹脂等で成形され側面には取手Ｔが 取り付けられた透明な容器０１２の開口部に封止挿嵌されて使用される。 このように構成された蓋体０２を容器０１２から外す場合は、図中、中心線Ｃ Ｌの右側に示されるように、一対の操作レバー０９ａ、０９ｂの先端を摘んで内 側に押圧し、支持軸０８ａ、０８ｂを中心に内側に揺動させると、操作レバー０ ９ａ、０９ｂの下端Ｌがシール部材０６底部の中央を当接部材０１５を介して押 圧し、下方に押し下げられるため挿嵌部０１４が縮径されて容器内壁に対する押 圧力が低下し封止力が解除され、このまま操作レバー０９ａ、０９ｂを摘んで蓋 体０３を取外すことができる。

【０００５】 再び蓋体０３を容器０１２の開口部に挿嵌して封止する場合は、中心線ＣＬの 左側に示されるように、蓋体０３の操作レバー０９ａ、０９ｂを摘んで挿嵌部０ １４を縮径させた状態で開口内部に挿嵌し、操作レバー０９ａ、０９ｂを離すと シール部材０６の復帰弾力により操作レバー０９ａ、０９ｂは元の位置に戻り、 挿嵌部０１４が拡径されて容器０１２の開口端部を封止することができる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このように構成された従来の保存容器用蓋体０３は、これを容 器０１２の開口部へ挿嵌する際、挿嵌部０１４を拡径させて内壁を押圧する付勢 力が可撓性を有するシール部材０６の復帰弾力のみに依存されているため、長期 的には材質の劣化や伸びが生じて弾性力が弱まり、封止力が低下する問題点を有 している。また、蓋体０３を開閉操作する操作レバー０９ａ、０９ｂから成る操 作機構は部品点数も多く構造も複雑なため組立作業が困難となる問題点を有して いる。

【０００７】 本考案は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、 単純操作での着脱が可能となり、挿嵌部の封止力を可撓性部材の弾性力のみに依 存せずに確実に封止することができ、しかも長期的に封止力を得ることができる 保存容器用蓋体構造提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を構成するための本考案の要旨とするところは、 １ 容器の開口端部に挿嵌し前記容器の内壁を押圧して封止保持する蓋体であっ て、前記蓋体は、可撓性の部材で形成され、外周に前記開口端部との当接部を備 え前記容器の開口部に挿嵌される筒状の挿嵌部と、前記挿嵌部の底部に一体的に 形成される底板と、前記挿嵌部の上部に一体的に形成される天板を有する中空枠 体と、前記中空枠体内にあって中央基部より半径方向に突出する複数の腕を有し 前記腕の先端に前記挿嵌部の内周壁に形成された凹溝に係合保持するロック部を 形成すると共に前記腕の所定位置に上下に折曲する折曲部を形成した押圧体と、 前記押圧体の中央基部より立設し前記天板を挿通した端部に膨出部を設けて前記 膨出部を前記天板に係止したツマミ部とで構成することを特徴としている。

【０００９】 この特徴により、ツマミ部の押し引き操作のみで着脱ができるので操作が容易 となり、押圧体が中央基部より半径方向に突出する複数の腕を有し先端に前記挿 嵌部の内周壁に形成された凹溝に係合保持するロック部を形成し、所定位置に折 曲部が形成されているので、挿嵌部の封止力を可撓性部材の弾性力のみに依存せ ずに確実に封止することができ、しかも長期的な封止力を得ることができる。 ２ 前記押圧体は、前記各腕のロック部を各腕の先端上部に前記凹溝と係合可能 な係合突起で形成し、前記ツマミ部の引き上げによる各腕の屈曲動作で前記各腕 を水平状態に拡径して前記挿嵌部を膨出させると共に前記係合突起が前記凹溝と 係合して水平状態を保持し前記蓋体を封止状態にすることを特徴としている。

【００１０】 この特徴により、各腕のロック部を各腕の先端上部に前記凹溝と係合可能な係 合突起で形成し、前記ツマミ部の押し下げによる各腕の屈曲動作で前記各腕を水 平状態に拡径して前記挿嵌部を膨出させると共に、前記係合突起が前記凹溝と係 合されるので、容器内壁に垂直な作用力として働くため押圧力が拡大し、拡径し た水平状態のまま維持されるため蓋体を封止状態に保持することができる。 ３ 前記押圧体は、板状に形成され、前記折曲部が前記各腕の所定位置に一部が 薄肉となる切り欠きで形成して成ることを特徴としている。

【００１１】 この特徴により、各腕の所定位置に一部が薄肉となる切り欠きを設けて折曲部 が形成されているので、複数の各腕が一定位置の折曲部から折曲されるためツマ ミ部の押し引きによる容器内壁へ均等な押圧力または開放力が作用し、特に確実 な密閉性を確保することができる。 ４ 前記蓋体は、上面周囲に前記容器の底部を受け入れる凹部を形成して前記容 器が移動不能に支持される着座部を形成し、前記着座部中央を更に陥没させて前 記ツマミ部が着座部位置より没入するよう構成したことを特徴としている。

【００１２】 この特徴により、蓋体の上面周囲に前記容器の底部を受け入れる凹部を形成し て前記容器が移動不能に支持される着座部が形成され、また着座部中央を更に球 面状に陥没させて前記ツマミ部が着座部位置より没入する位置になるように構成 されているので、容器を安定した状態で積み重ねることができため、容器の収納 スペースを削減することができ、スペースの有効利用を図ることができる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、実施の形態を挙げ図面に基づいて本考案を説明する。図１、図２および 図３は本考案の一実施形態としての保存容器用蓋体構造を示している。図１およ び図２は蓋体の断面図を示し、図３は図１のＡ−Ａ断面図を示している。 図１〜図３に示すように、１は円筒状に形成された保存容器を示し、保存容器 １は、容器２と、前記容器２の開口部に装着される蓋体３から成り、蓋体３は、 主に外周に容器２の開口端部との当接部５を備え、容器２の開口部に挿嵌される 円筒状の挿嵌部１０、前記挿嵌部１０の底部に一体的に形成される底板９、前記 挿嵌部１０の上部に一体的に形成される天板６とを有する中空枠体１１と、前記 中空枠体１１内にあって中央基部より半径方向に突出する複数の腕１２を有し、 前記腕１２の先端に挿嵌部１０の内周壁に形成された凹溝１３に係合保持するロ ック部としての係合突起１４を形成すると共に、前記腕１２の所定位置に上下に 折曲する折曲部となる切欠き１５を形成した押圧体１６と、前記押圧体１６の中 央基部より立設し天板６を挿通した端部を膨出させて前記膨出部を天板６に係止 したツマミ部１７とで構成されている。

【００１４】 さらに詳しくは、中空枠体１１は、主に可撓性の樹脂（例えばＡＢＳ樹脂）で 形成され、上部に天板６を形成し外周に容器２の開口端部との当接部となすべく 内側にシール部材４を内装した環状段差部５を有し、底部が開口する内筒７を形 成した上部枠体８と、前記内筒７の外周に液密に装着されて上部枠体８と一体的 に構成され外周に容器２の開口部に挿嵌する挿嵌部１０を形成したシール性を有 する樹脂性（例えばＥＶＡ樹脂）の底板９とで構成されている。

【００１５】 また、押圧体１６は、中空枠体１１内にあって底板９上に支持され中央基部よ り半径方向に突出する板状の腕１２の先端に前記挿嵌部１０の内周壁底部と内筒 ７の下端で形成される凹溝１３に係合保持する係合突起１４を形成し、所定位置 （基部との接続部）には一部が薄肉となる折曲可能な切欠き１５が形成されてい る。そして押圧体１６の中央に取付けられるツマミ部１７は、押圧体１６基部の 底面中央の凹部に装着されたシール部材１９を底面から挿通したビス２０により 螺着される。

【００１６】 さらに上部蓋体８は、上面に容器２の底部２１を受け入れるべく着座部となる 凹部２３を形成して前記容器２が移動不能に支持されるように構成され、前記着 座部２２の中央を更に陥没させて形成された球面状の凹部２３にはツマミ部１７ が着座部２２の位置より下に没入するよう構成されている。なお容器２は、主に 透明なガラスまたは樹脂で形成されるが、これら材料の他、陶器や金属またはア ルミニウム等の非鉄金属等で構成することもできる。

【００１７】 次に、保存容器用蓋体の着脱操作につき説明する。図２には容器の開口部に装 着された蓋体３の封止状態が開放された状態が示されており、この状態から蓋体 ３を封止する場合は、蓋体３のツマミ部１７を下方に押圧する。 この押圧動作により、押圧体１６の中央基部は下方へ移動し、切欠き１４より 折曲傾斜している複数の板状の腕１２は、傾斜状態から水平状態に変化して半径 方向に拡径され、容器２の開口部内壁に対し挿嵌部１０を内側より突張り押圧付 勢する。これと同時に各腕１２先端に形成されたロック部である係合突起１４は 、垂直に揺動して凹溝１３内に係止されて腕１２が水平状態のまま保持され、容 器２の開口部は挿嵌部１０により図１に示すように封止保持される。

【００１８】 尚、複数の腕１２を有する押圧体１６は、底面が底板９で支持され、ツマミ部 １７の膨出部が球面状の凹部２３に係止されているのでこれ以上下方に押し下げ られることはない。 このように、ツマミ部１７を押し下げるだけの極めて簡単な操作で蓋体３を封 止装着することができる。また、押圧体１１が半径方向に突出する複数の腕の先 端に挿嵌部１０内周壁の凹溝１３に係合保持する係合突起１４を形成し、中間部 が折曲可能に形成されているので、挿嵌部１０の封止力を可撓性部材の弾性力の みに依存せずに確実に封止することができ、しかも長期的に封止力を得ることが できる。

【００１９】 次に、蓋体３を開放操作する場合は、図１に示される状態において、蓋体３の 上部を押さえた状態でツマミ部１７を上方に引き上げる。ツマミ部１７が引き上 げられると、押圧体１６は上方に移動して複数の腕１２は切欠き１５から折曲さ れる。この折曲により腕１２は水平状態から切欠き１５より傾斜して行き、今ま で凹溝１３に係合保持されていた係合突起１４は、図２に示すように各腕１２の 揺動により凹溝１３との係合が屈曲状態となり、蓋体３の挿嵌部１０は容器２の 開口部から離脱可能な状態となる。このように、蓋体３の封止状態を開放させる 場合は、ツマミ部１７を引き上げる操作だけで簡単に開放させることができる。

【００２０】 図５は、容器が蓋体により封止されている状態の保存用容器の斜視図を示し、 蓋体３の天板６に着座部となる凹部２３が形成されており、着座部２２の中央を 更に陥没させて形成された球面状の凹部２３にツマミ部１７が着座部２２の位置 より下に没入するよう構成することにより、図４に示すように多数の容器１を上 部に重ねることができる。このように、容器を積み重ねることができるため一度 に多数の容器を持ち運ぶことができ、また容器の収納スペースを削減することが できるためスペースの有効利用を図ることができる。

【００２１】 以上、本考案の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれ ら実施形態に限られるものではなく、例えば、容器および蓋体は円筒状に限らず 多角形に形成しても良く、本考案の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加が あっても本考案に含まれる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案にかかる保存容器用蓋体構造によれば、ツマミ部の押し引き操作のみで 着脱ができるので操作が容易となり、押圧体が中央基部より半径方向に突出する 複数の腕を有し、前記腕の先端に前記挿嵌部の内周壁に形成された凹溝に係合保 持するロック部が形成され、所定位置に上下に折曲する折曲部が形成されている ので、押圧体の各腕の水平方向への拡径作用で容器の開口部が挿嵌部により内方 から均等な押圧力により押圧され、挿嵌部の押圧力を可撓性部材の弾性力のみに 依存せずに確実に封止することができ、ロック部により長期的に封止力を保持す ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態としての保存容器用蓋体構
造を示し、封止状態を示す断面図である。

【図２】本考案の一実施形態としての保存容器用蓋体構
造を示し、開放状態を示す断面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】保存容器を重ねた状態を示す断面図である。

【図５】本考案の保存容器の斜視図である。

【図６】従来の保存容器を示す断面図である。

【主要部分の符号の説明】

１ 保存容器 ２ 容器 ３ 蓋体 ５ 当接部 ９ 底板 １０ 挿嵌部 １１ 中空枠体 １２ 腕 １４ 係合突起（ロック部） １５ 切欠き（折曲部） １６ 押圧体 １７ ツマミ部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器の開口端部に挿嵌し前記容器の内壁
   を押圧して封止保持する蓋体であって、 前記蓋体は、可撓性の部材で形成され、外周に前記開口
   端部との当接部を備え前記容器の開口部に挿嵌される筒
   状の挿嵌部と、前記挿嵌部の底部に一体的に形成される
   底板と、前記挿嵌部の上部に一体的に形成される天板を
   有する中空枠体と、前記中空枠体内にあって中央基部よ
   り半径方向に突出する複数の腕を有し前記腕の先端に前
   記挿嵌部の内周壁に形成された凹溝に係合保持するロッ
   ク部を形成すると共に前記腕の所定位置に上下に折曲す
   る折曲部を形成した押圧体と、前記押圧体の中央基部よ
   り立設し前記天板を挿通した端部に膨出部を設けて前記
   膨出部を前記天板に係止したツマミ部とで構成すること
   を特徴とする保存容器用蓋体構造。
2. 【請求項２】 前記押圧体は、前記各腕のロック部を各
   腕の先端上部に前記凹溝と係合可能な係合突起で形成
   し、前記ツマミ部の押し下げによる各腕の屈曲動作で前
   記各腕を水平状態に拡径して前記挿嵌部を膨出させると
   共に前記係合突起が前記凹溝と係合して水平状態を保持
   し前記蓋体を封止状態にすることを特徴とする請求項１
   記載の保存容器用蓋体構造。
3. 【請求項３】 前記押圧体は、板状に形成され、前記折
   曲部が前記各腕の所定位置に一部が薄肉となる切り欠き
   で形成して成る請求項１記載の保存容器用蓋体構造。
4. 【請求項４】 前記蓋体は、上面周囲に前記容器の底部
   を受け入れる凹部を形成して前記容器が移動不能に支持
   される着座部を形成し、前記着座部中央を更に陥没させ
   て前記ツマミ部が着座部位置より没入するよう構成した
   ことを特徴とする請求項１記載の保存容器用蓋体構造。