JP3032579U - 磁気テープ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で部品点数が少なく、製作費を安
くすること。 【解決手段】 シャーシ１３上に、ローディング時に起
こされてテープカセット１から引き出した磁気テープＴ
にテンションをかけるためのテンションレバー１２と、
早送り及び巻き戻しなどの停止時に供給リール台２に急
ブレーキをかけて磁気テープＴが弛むのを防止するため
のブレーキレバー１６と、そのテンションレバー１２及
びブレーキレバー１６を操作するためのモード切換えレ
バー１９とが設けられた磁気テープ装置において、アン
ローディング時に、モード切換えレバー１９を操作して
ブレーキレバー１６を回動させることにより、該ブレー
キレバー１６をテンションレバー１２に係合させて、該
テンションレバー１２を強制的に回動するように構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、磁気テープに記録や再生または消去を行うための磁気テープ装置に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の磁気テープ装置の一例を図５に基づいて説明すると、１はテープカセ ット、２はテープカセット１の供給リールに係合する供給リール台、３はテープ カセット１の巻き取りリールに係合する巻き取りリール台、４はテープカセット １から磁気テープＴを引き出してヘッドシリンダ５に巻き付けるための可動テー プガイドポスト、６は全幅消去ヘッド、７は音声消去ヘッド、８は音声・コント ロールヘッド、９は固定テープガイドポスト、１０はキャプスタン、１１は磁気 テープＴを介してキャプスタン１０に圧接離間するピンチローラ、１２は基端部 近傍がシャーシ１３に枢支軸１４を介して矢印ａまたはｂ方向に正逆回転可能に 枢支されたテンションレバーであって、その先端部にテンションポスト１５が立 設されている。１６は中央部がシャーシ１３に枢支軸１７を介して矢印ｃまたは ｄ方向に正逆回転可能に枢支されたブレーキレバーであって、その先端部にブレ ーキシュー１６ａが設けられており、そのブレーキシュー１６ａを供給リール台 ２の円形部２ａに向けて付勢するブレーキばね１８がブレーキレバー１６の基端 部に係合されている。

【０００３】 １９はモード切換えレバーであって、その長手方向に沿って形成した長孔１９ ａをシャーシ１３に突設した突起部１３ａに嵌合させることにより、矢印ｅまた はｆ方向に往復移動可能に構成されており、該モード切換えレバー１９のテンシ ョン用カム２０とテンションレバー１２の基端部１２ａとがテンション機構２１ を介して連動連結され、そのモード切換えレバー１９のブレーキ用カム２２とブ レーキレバー１６の先端部側とがブレーキ補助板２３を介して連動連結されてい る。

【０００４】 前記テンション機構２１は、シャーシ１３に枢支軸２４ａを介して揺動可能に 枢支され、その一端部に突設した係合ピン２４ｂがテンション用カム２０に係合 された揺動レバー２４と、該揺動レバー２４を付勢して前記係合ピン２４ｂをカ ム２０に押し付ける押し付けばね２５と、テンションレバー１２の基端部１２ａ と揺動レバー２４の他端部との間に張設された連結ばね２６と、該連結ばね２６ 内に嵌入されてその一端部が係止リング２７により連結ばね２６に係止された押 上げ杆２８と、連結ばね２６及び押上げ杆２８をガイドするガイド枠２９とから 構成されている。

【０００５】 前記ブレーキ補助板２３は、その中央部がシャーシ１３に枢支軸３０を介して 揺動可能に枢支されると共に、その一端部に突設した係合ピン３１がブレーキ用 カム２２に係合され、且つ、その他端部に突設した連結ピン３２がブレーキレバ ー１６の先端部側に形成した凹部に係合されている。

【０００６】 なお、３３は供給リール台２の円形部２ａに半周巻かれたバンドブレーキであ って、その両端部がシャーシ１３とテンションレバー１２とにそれぞれ係止され ている。また、３４は、シャーシ１３に枢支軸３４ａを介して揺動可能に枢支さ れたアンローディング用ブレーキ部材であって、その中央部に突設した係合ピン ３５がモード切換えレバー１９のカム溝３６に係合され、そのブレーキ部材３４ の先端部３４ｂをバンドブレーキ３３を介して供給リール台２の円形部２ａに向 けて付勢するためのばね３７がブレーキ部材３４の基端部に係合されている。

【０００７】 上記構成において、ローディング時には、図５実線に示すように、モード切換 えレバー１９を矢印ｅ方向に移動させることにより、テンション機構２１の連結 ばね２６によりテンションレバー１２の基端部１２ａが引っ張られて、該テンシ ョンレバー１２が矢印ａ方向に起こされる。これによって、テンションポスト１ ５をテープカセット１から引き出された磁気テープＴに押しつけて、該磁気テー プＴにバックテンションをかけると共に、バンドブレーキ３３を緊張させて円形 部２ａに接触させることにより、供給リール台２にブレーキをかけて、磁気テー プＴが弛まないようになっている。

【０００８】 次に、例えば早送り及び巻き戻し状態から停止釦を押すことにより、モード切 換えレバー１９が矢印ｆ方向に１ピッチ分移動され、図５に仮想線で示すように 、ハーフローディング状態となり、ブレーキ補助板２３の係合ピン３１がブレー キ用カム２２の凹部に入り込んで、ブレーキレバー１６が矢印ｃ方向に回転され 、これにより、ブレーキシュー１６ａが供給リール台２の円形部２ａに圧接され て、該供給リール２を急停止させ、磁気テープＴが弛むのを防止するようになっ ている。

【０００９】 アンローディング時には、図６に示すように、モード切換えレバー１９が矢印 ｆ方向に２ピッチ分移動されることにより、テンション機構２１の押上げ杆２８ によりテンションレバー１２の基端部１２ａが押し上げられて、該テンションレ バー１２が矢印ｂ方向に倒され、磁気テープＴがテープカセット１内に戻される 。なお、それと同時に、ブレーキシュー１６ａが供給リール台２の円形部２ａか ら離間された状態で、ブレーキ部材３４の先端部３４ｂがブレーキバンド３３を 介して供給リール台２の円形部２ａに圧接されて、磁気テープＴが弛むのを防止 する。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の構成では、テンション機構２１が揺動レバー２４、押し付けばね２ ５、連結ばね２６、係止リング２７、押上げ杆２８及びガイド枠２９などからな り、構造が複雑で部品点数が多く、製作費が高くつく。

【００１１】 本考案は、上記従来の欠点に鑑み、構造が簡単で部品点数が少なく、製作費を 安くすることができる磁気テープ装置を提供することを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、請求項１記載の考案は、テープカセットを係合させ るための供給リール台と巻き取りリール台とを設けたシャーシ上に、ローディン グ時に起こされて前記テープカセットから引き出した磁気テープにテンションを かけるためのテンションレバーと、早送り及び巻き戻しなどの停止時に前記供給 リール台に急ブレーキをかけて磁気テープが弛むのを防止するためのブレーキレ バーと、前記テンションレバー及びブレーキレバーを操作するためのモード切換 えレバーとが設けられた磁気テープ装置において、アンローディング時に、モー ド切換えレバーを操作してブレーキレバーを回動させることにより、該ブレーキ レバーをテンションレバーに係合させて、該テンションレバーを強制的に回動す るように構成したことを特徴としている。

【００１３】 上記構成において、ローディング時には、テンションレバーを起こすことによ り、磁気テープにテンションをかけて、該磁気テープを所定の緊張状態で走行さ せることができる。

【００１４】 次に、例えば早送り及び巻き戻し状態から停止釦を押すと、モード切換えレバ ーの操作によりハーフローディング状態となり、ブレーキレバーにより供給リー ル台に急ブレーキをかけて、該供給リール台を急停止させ、磁気テープが弛むの を防止する。

【００１５】 アンローディング時には、モード切換えレバーを操作して、ブレーキレバーを 回動させることにより、該ブレーキレバーをテンションレバーに係合させて、そ のテンションレバーを強制的に回動することができる。

【００１６】 この場合、アンローディング時にブレーキレバーを利用してテンションレバー を回動することができ、従来のテンション機構のテンションレバーを回動するた めの部品（係止リング及び押上げ杆など）が不要であって、部品点数が少なくな り、製作費を安くすることができる。

【００１７】 請求項２の考案は、前記テンションレバーの基端部に被係合部が形成されると 共に、該被係合部に対向して前記ブレーキレバーに係合部が形成され、且つ、前 記モード切換えレバーに前記係合部を被係合部に係合させるための操作部が形成 されていることを特徴としている。

【００１８】 上記構成によれば、従来のテンションレバー、ブレーキレバー及びモード切換 えレバーに若干の加工を施すだけでよいから、構造がほとんど複雑にならず、製 作費を安くおさえることができる。

【００１９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１及び図２は本考案 の実施の一形態である磁気テープ装置を示すものであって、テンションレバー１ ２の基端部１２ａ側にブレーキレバー１６に向けて延びる突起部（被係合部）４ ０が一体形成されると共に、該突起部４０に対向してブレーキレバー１６の基端 部に略Ｌ字状の突起部（係合部）４１が一体形成され、且つ、モード切換えレバ ー１９のブレーキ用カム２２に、両突起部４０，４１どうしを係合させるための 凸部（操作部）２２ａが形成されている。上記以外の構成は図５及び図６に示す 従来例とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する 。

【００２０】 上記構成において、ローディング時には、図１に示すように、従来と同様に、 モード切換えレバー１９を矢印ｅ方向に移動させることにより、テンションレバ ー１２が矢印ａ方向に起こされ、磁気テープＴにバックテンションをかけると共 に、バンドブレーキ３３により供給リール台２にブレーキをかけ、また、ブレー キレバー１６が矢印ｃ方向に回動され、ブレーキシュー１６ａが供給リール台２ の円形部２ａから離間されている。

【００２１】 この状態では、両突起部４０，４１が互いに非係合状態で接近している。

【００２２】 次に、例えば早送り及び巻き戻し状態から停止釦を押すと、モード切換えレバ ー１９が矢印ｆ方向に１ピッチ分移動され、図３に示すように、従来と同様に、 ハーフローディング状態となり、ブレーキ補助板２３の係合ピン３１がブレーキ 用カム２２の凹部に入り込んで、ブレーキレバー１６が矢印ｃ方向に回転され、 これにより、ブレーキシュー１６ａが供給リール台２の円形部２ａに圧接されて 、該供給リール台２を急停止させ、磁気テープＴが弛むのを防止する。

【００２３】 この状態では、両突起部４０，４１が互いに非係合状態で若干離間している。

【００２４】 アンローディング時には、図４に示すように、モード切換えレバー１９が矢印 ｆ方向に２ピッチ分移動されることにより、テンション機構２１の連結ばね２６ が弛むと共に、ブレーキ用カム２２の凸部２２ａに係合ピン３１が係合して、ブ レーキ補助板２３を介してブレーキレバー１６が矢印ｄ方向に回動され、ブレー キレバー１６側の突起部４１がテンションレバー１２側の突起部４０に当接して 、その突起部４０を押し上げるため、テンションレバー１２が矢印ｂ方向に強制 的に倒される。また、従来と同様に、ブレーキ部材３４の先端部３４ｂがブレー キバンド３３を介して供給リール台２の円形部２ａに圧接されて、磁気テープＴ が弛むのを防止する。

【００２５】 この場合、従来のテンション機構２１の係止リング２７及び押上げ杆２８など のテンションレバー１２を回動するための部品（図５参照）が不要となり、その 不要となった分だけ部品点数が少なくなり、製作費を安くすることができる。

【００２６】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、アンローディング時にブレーキレバーを利用し てテンションレバーを回動することができ、従来のテンション機構のテンション レバーを回動するための部品（係止リング及び押上げ杆など）が不要であって、 部品点数が少なくなり、製作費を安くすることができる。

【００２７】 請求項２記載の考案によれば、従来のテンションレバー、ブレーキレバー及び モード切換えレバーに若干の加工を施すだけでよいから、構造がほとんど複雑に ならず、製作費を安くおさえることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一形態である磁気テープ装置の
ローディング時における概略平面図である。

【図２】同要部の分解斜視図である。

【図３】同急ブレーキをかけた状態の概略平面図であ
る。

【図４】同アンローディング時における概略平面図であ
る。

【図５】従来例のローディング時における概略平面図で
ある。

【図６】同アンローディング時における概略平面図であ
る。

【符号の説明】

１ テープカセット ２ 供給リール台 ３ 巻き取りリール台 １２ テンションレバー １３ シャーシ １６ ブレーキレバー １９ モード切換えレバー ２０ テンション用カム ２２ 急ブレーキ用カム ２２ａ ブレーキ用カムの凸部（操作部） ４０ テンションレバー側突起部（被係合部） ４１ ブレーキレバー側突起部（係合部）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テープカセットを係合させるための供給
   リール台と巻き取りリール台とを設けたシャーシ上に、
   ローディング時に起こされて前記テープカセットから引
   き出した磁気テープにテンションをかけるためのテンシ
   ョンレバーと、早送り及び巻き戻しなどの停止時に前記
   供給リール台に急ブレーキをかけて磁気テープが弛むの
   を防止するためのブレーキレバーと、前記テンションレ
   バー及びブレーキレバーを操作するためのモード切換え
   レバーとが設けられた磁気テープ装置において、アンロ
   ーディング時に、モード切換えレバーを操作してブレー
   キレバーを回動させることにより、該ブレーキレバーを
   テンションレバーに係合させて、該テンションレバーを
   強制的に回動するように構成したことを特徴とする磁気
   テープ装置。
2. 【請求項２】 前記テンションレバーの基端部に被係合
   部が形成されると共に、該被係合部に対向して前記ブレ
   ーキレバーに係合部が形成され、且つ、前記モード切換
   えレバーに前記係合部を被係合部に係合させるための操
   作部が形成されていることを特徴とする請求項１記載の
   磁気テープ装置。