JP3073740U - 磁気テープ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローディング時にソフトブレーキを適正にか
けること。 【解決手段】 供給リール台２に半周巻いたバンドブレ
ーキ１６の両端部がテンションレバー１２とシャーシ１
３とにそれぞれ係止され、モード切換レバー１９のカム
部２１に係合するカムレバー２２とテンションレバー１
２の基端部１２ｃとが連結ばね２３により連結されてお
り、アンローディング状態で連結ばね２３を圧縮して弾
性変形させ、その弾性変形による付勢力でテンションレ
バー１２に設けた押さえ部１２ｂによりバンドブレーキ
１６を供給リール台２にソフトに押し付けるようにした
磁気テープ装置において、前記連結ばね２３が、コイル
部２３Ａと、該コイル部２３Ａに一体形成した直線部２
３Ｂとからなっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、磁気テープに記録や再生または消去を行うための磁気テープ装置に 関し、特に、ローディング時にソフトブレーキを適正にかけてテープカセットか ら磁気テープが余分に引き出されないようにするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、磁気テープ装置の技術として特開平１０−１４３９４８号公報などに記 載したものがあり、その一例を図７に基づいて説明すると、１はテープカセット 、２はテープカセット１の供給リールに係合する供給リール台、３はテープカセ ット１の巻き取りリールに係合する巻き取りリール台、４はテープカセット１か ら磁気テープＴを引き出してヘッドシリンダ５に巻き付けるための可動テープガ イドポスト、６は全幅消去ヘッド、７は音声消去ヘッド、８は音声・コントロー ルヘッド、９は固定テープガイドポスト、１０はキャプスタン、１１は磁気テー プＴを介してキャプスタン１０に圧接離間するピンチローラ、１２は基端部近傍 がシャーシ１３に枢支軸１４を介して矢印ａまたはｂ方向に正逆回動可能に枢支 されたテンションレバーであって、その先端部にテンションポスト１５が立設さ れている。１６は供給リール台２の円形部２ａに半周巻かれたバンドブレーキで あって、その両端部がテンションレバー１２の係止部１２ａとシャーシ１３上の 係止部材１７とにそれぞれ係止されている。また、バンドブレーキ１６に対向し てテンションレバー１２に押さえ部１２ｂが設けられている。

【０００３】 １９はモード切換レバーであって、矢印ｃ，ｄ方向に往復移動可能に形成され ており、テンション用カム部２１などが形成されている。また、シャーシ１３に 枢支軸２２ａを介して回動可能に枢支されたカムレバー２２の一端部に突設した カムピン２２ｂが前記カム部２１に係合されると共に、該カムレバー２２の他端 部２２ｃとテンションレバー１２の基端部１２ｃとが連結ばね２３を介して連結 されている。なお、２４はカムピン２２ｂをカム部２１に押し付けるための引っ 張りばねである。

【０００４】 上記構成において、図７に実線で示すアンローディング状態では、連結ばね２ ３を圧縮して弾性変形させ、その弾性変形による付勢力でテンションレバー１２ を矢印ｂ方向に回動させることにより、押さえ部１２ｂをバンドブレーキ１６に 緩く押し付けて、該バンドブレーキ１６を供給リール台２の円形部２ａにソフト に接触させており、これによって、アンローディング状態からローディング状態 に切り換え、可動テープガイドポスト４を移動させて磁気テープＴをヘッドシリ ンダ５に巻き付ける際に（図７仮想線参照）、テープカセット１から引き出され る磁気テープＴにソフトブレーキがかけられ、その磁気テープＴがテープカセッ ト１から余分に引き出されないようにしている。

【０００５】 次に、モード切換レバー１９を矢印ｃ方向に移動させて再生モードに切り換え ると、カム部２１によりカムピン２２ｂを介してカムレバー２２を回動させるこ とにより、連結ばね２３を引っ張ってテンションレバー１２を矢印ａ方向に回動 させ、テンションポスト１５を磁気テープＴに押しつけて、その磁気テープＴに テンションを付加し、次に、巻き取りリール台３を回転させて磁気テープＴを巻 き取ることにより、その磁気テープＴに記録されている情報を再生する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記構成では、連結ばね２３の全体がコイル状に形成されて側方に自由に弾性 変形可能であるため、アンローディング状態で連結ばね２３を圧縮してソフトブ レーキをかけたときに、図８に仮想線で示すように、連結ばね２３がシャーシ１ ３から離れるように側方に逃げて、その弾性変形による付勢力がテンションレバ ー１２に充分に付加されないことがあり、これによって、ソフトブレーキが不充 分になって、ローディング時に、テープカセット１から磁気テープＴが余分に引 き出される虞れがある。

【０００７】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みて、ローディング時にソフトブレーキを適 正にかけることができるようにした磁気テープ装置を提供することを目的として いる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、請求項１記載の考案は、供給リール台に半周巻いた バンドブレーキの両端部がテンションレバーとシャーシとにそれぞれ係止され、 モード切換レバーのカム部に係合するカムレバーと前記テンションレバーとが連 結ばねにより連結されており、アンローディング状態で前記連結ばねを圧縮して 弾性変形させ、その弾性変形による付勢力で前記テンションレバーに設けた押さ え部により前記バンドブレーキを供給リール台にソフトに押し付けるようにした 磁気テープ装置において、前記連結ばねが、コイル部と、該コイル部に一体形成 した直線部とからなることを特徴としている。

【０００９】 上記構成によれば、アンローディング状態で連結ばねのコイル部を圧縮したと きに、該コイル部が弾性変形して側方に逃げるのを直線部により阻止するので、 前記コイル部の弾性変形で生じる付勢力をテンションレバーに確実に伝達し、該 テンションレバーの押さえ部によりバンドブレーキを介して供給リール台にソフ トブレーキを適正にかけることができ、これによって、ローディング時に、磁気 テープがテープカセットから余分に引き出されないようにすることができる。

【００１０】 請求項２記載の考案は、請求項１記載の考案において、前記直線部が前記連結 ばねの端部に設けられていることを特徴としている。

【００１１】 上記構成によれば、連結ばねの端部に設けた直線部により該連結ばねのコイル 部が弾性変形して側方に逃げるのを確実に阻止することができる。

【００１２】 請求項３記載の考案は、請求項２記載の考案において、前記直線部が前記カム レバーに連結されると共に、前記コイル部が前記テンションレバーに連結されて いることを特徴としている。

【００１３】 上記構成によれば、アンローディング状態でカムレバーから直線部を介してコ イル部に圧縮力を伝えて、該コイル部を弾性変形させ、その弾性変形により生じ る付勢力を直接的にテンションレバーに伝達することができる。

【００１４】 請求項４記載の考案は、請求項１記載の考案において、前記直線部が連結ばね の中央部に設けられていることを特徴としている。

【００１５】 上記構成によれば、連結ばねの弾性変形しやすい中央部にその弾性変形を阻止 する直線部が設けられているので、アンローディング状態で連結ばねのコイル部 が弾性変形して側方に逃げるのを阻止し、該コイル部の弾性変形より生じる付勢 力をテンションレバーに確実に伝達することができる。

【００１６】 請求項５記載の考案は、請求項１から４のいずれかに記載の考案において、前 記直線部が前記シャーシに当接または近接して配置されていることを特徴として いる。

【００１７】 上記構成によれば、直線部がシャーシに当接または近接して配置されているの で、コイル部もアンローディング状態で前記シャーシに近接または当接した状態 で弾性変形され、従来のようにコイル部がシャーシから離れて側方に逃げる虞れ がなく、そのコイル部の弾性変形で生じる付勢力をテンションレバーに確実に伝 達することができる。

【００１８】

【考案の実施の形態】

図１〜図５は本考案の実施の一形態である磁気テープ装置を示すものであって 、連結ばね２３が、コイル部２３Ａと、該コイル部２３Ａに一体形成した直線部 ２３Ｂとからなり、コイル部２３Ａのリング状端部２３ａがテンションレバー１ ２の基端部１２ｃに連結されると共に、直線部２３Ｂのリング状端部２３ｂがカ ムレバー２２の他端部２２ｃに連結され、直線部２３Ｂがシャーシ１３に当接ま たは近接して配置されている。なお、図３中、１３ａはテンションレバー１２の 基端部１２ｃを挿通するためにシャーシ１３に貫設した貫通孔である。上記以外 の構成は図７及び図８に示す従来例とほぼ同一であるから、同一部分に同一符号 を付してその説明を省略する。

【００１９】 上記構成において、図１〜図３に示すアンローディング状態では、カムレバー ２２のカムピン２２ｂが長孔状カム部２１の下段部２１ａに係合しているため、 カムレバー２２が矢印ｆ方向に回動され、連結ばね２３が圧縮力を受けて、コイ ル部２３Ａを弾性変形させ、その弾性変形による付勢力でテンションレバー１２ を矢印ｂ方向に回動させることにより、押さえ部１２ｂをバンドブレーキ１６に 緩く押し付けて、該バンドブレーキ１６を供給リール台２の円形部２ａにソフト に接触させており、これによって、アンローディング状態からローディング状態 に切り換え、可動テープガイドポスト４を移動させて磁気テープＴをヘッドシリ ンダ５に巻き付ける際に（図４参照）、テープカセット１から引き出される磁気 テープＴにソフトブレーキが適正にかけられ、その磁気テープＴがテープカセッ ト１から余分に引き出されないようにしている。

【００２０】 次に、モード切換レバー１９のラック部１９ａに噛合するピニオン２５を回転 させて、該モード切換レバー１９を矢印ｃ方向に移動させて再生モードに切り換 えると、図４及び図５に示すように、カムレバー２２のカムピン２２ｂがカム部 ２１の上段部２１ｂに係合されて、カムレバー２２を矢印ｅ方向に回動させるこ とにより、連結ばね２３を引っ張ってテンションレバー１２を矢印ａ方向に回動 させ、テンションポスト１５を磁気テープＴに押しつけて、その磁気テープＴに テンションを付加し、次に、巻き取りリール台３を回転させて磁気テープＴを巻 き取ることにより、その磁気テープＴに記録されている情報を再生する。

【００２１】 上記構成によれば、アンローディング状態でコイル部２３Ａを圧縮したときに 、該コイル部２３Ａが弾性変形して側方に逃げるのを直線部２３Ｂにより阻止す るので、コイル部２３Ａの弾性変形で生じる付勢力をテンションレバー１２に確 実に伝達し、該テンションレバー１２の押さえ部１２ｂによりバンドブレーキ１ ６を介して供給リール台２にソフトブレーキを適正にかけることができ、これに よって、ローディング時に、磁気テープＴがテープカセット１から余分に引き出 されないようにすることができる。

【００２２】 図２に示すように、直線部２３Ｂがカムレバー２２の他端部２２ｃに連結され ると共に、コイル部２３Ａがテンションレバー１２の基端部１２ｃに連結されて いるので、アンローディング状態でカムレバー２２から直線部２３Ｂを介してコ イル部２３Ａに圧縮力を伝えて、該コイル部２３Ａを弾性変形させ、その弾性変 形により生じる付勢力を直接的にテンションレバー１２に伝達することができる 。

【００２３】 図３に示すように、前記直線部２３Ｂがシャーシ１３に当接または近接して配 置されているので、コイル部２３Ａもアンローディング状態でシャーシ１３に近 接または当接した状態で弾性変形され、従来のようにコイル部２３Ａがシャーシ １３から離れて側方に逃げる虞れがなく、そのコイル部２３Ａの弾性変形で生じ る付勢力をテンションレバー１２に確実に伝達することができる。

【００２４】 図６は本考案の実施の他の形態である磁気テープ装置の要部を示すものであっ て、直線部２３Ｂが連結ばね２３の中央部に設けられ、該直線部２３Ｂの両端に 一対のコイル部２３Ａが一体形成されている。上記以外の構成は図１〜図５に示 す実施の一形態とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を 省略する。

【００２５】 上記構成によれば、連結ばね２３の弾性変形しやすい中央部にその弾性変形を 阻止する直線部２３Ｂが設けられているので、アンローディング状態でコイル部 ２３Ａが弾性変形して側方に逃げるのを阻止し、該コイル部２３Ａの弾性変形よ り生じる付勢力をテンションレバー１２に確実に伝達することができる。

【００２６】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、連結ばねが、弾性変形可能なコイル部と、弾性 変形を阻止する直線部とからなっており、アンローディング状態で連結ばねのコ イル部を圧縮したときに、該コイル部が弾性変形して側方に逃げるのを直線部に より阻止するので、前記コイル部の弾性変形で生じる付勢力をテンションレバー に確実に伝達し、該テンションレバーの押さえ部によりバンドブレーキを介して 供給リール台にソフトブレーキを適正にかけることができ、これによって、ロー ディング時に、磁気テープがテープカセットから余分に引き出されないようにす ることができる。

【００２７】 請求項２記載の考案によれば、連結ばねの端部に設けた直線部により該連結ば ねのコイル部が弾性変形して側方に逃げるのを確実に阻止することができる。

【００２８】 請求項３記載の考案によれば、アンローディング状態でカムレバーから直線部 を介してコイル部に圧縮力を伝えて、該コイル部を弾性変形させ、その弾性変形 により生じる付勢力を直接的にテンションレバーに伝達することができる。

【００２９】 請求項４記載の考案によれば、連結ばねの弾性変形しやすい中央部にその弾性 変形を阻止する直線部が設けられているので、アンローディング状態で連結ばね のコイル部が弾性変形して側方に逃げるのを阻止し、該コイル部の弾性変形より 生じる付勢力をテンションレバーに確実に伝達することができる。

【００３０】 請求項５記載の考案によれば、直線部がシャーシに当接または近接して配置さ れているので、コイル部もアンローディング状態で前記シャーシに近接または当 接した状態で弾性変形され、従来のようにコイル部がシャーシから離れて側方に 逃げる虞れがなく、そのコイル部の弾性変形で生じる付勢力をテンションレバー に確実に伝達することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施の一形態である磁気テープ装置
のアンローディング状態の概略平面図である。

【図２】 同状態の要部の拡大裏面図である。

【図３】 同要部の拡大縦断面図である。

【図４】 同再生モードにおける概略平面図である。

【図５】 同再生モードにおける要部の拡大裏面図であ
る。

【図６】 本考案の実施の他の形態である磁気テープ装
置のアンローディング状態の要部の拡大裏面図である。

【図７】 従来例を示す概略平面図である。

【図８】 同要部の拡大縦断面図である。

【符号の説明】

２ 供給リール台 １２ テンションレバー １２ｂ テンションレバーの押さえ部 １２ｃ テンションレバーの基端部 １３ シャーシ １６ バンドブレーキ １９ モード切換レバー ２１ カム部 ２２ カムレバー ２２ｂ カムピン ２２ｃ カムレバーの他端部 ２３ 連結ばね ２３Ａ コイル部 ２３Ｂ 直線部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 供給リール台に半周巻いたバンドブレー
   キの両端部がテンションレバーとシャーシとにそれぞれ
   係止され、モード切換レバーのカム部に係合するカムレ
   バーと前記テンションレバーとが連結ばねにより連結さ
   れており、アンローディング状態で前記連結ばねを圧縮
   して弾性変形させ、その弾性変形による付勢力で前記テ
   ンションレバーに設けた押さえ部により前記バンドブレ
   ーキを供給リール台にソフトに押し付けるようにした磁
   気テープ装置において、前記連結ばねが、コイル部と、
   該コイル部に一体形成した直線部とからなることを特徴
   とする磁気テープ装置。
2. 【請求項２】 前記直線部が前記連結ばねの端部に設け
   られていることを特徴とする請求項１記載の磁気テープ
   装置。
3. 【請求項３】 前記直線部が前記カムレバーに連結され
   ると共に、前記コイル部が前記テンションレバーに連結
   されていることを特徴とする請求項２記載の磁気テープ
   装置。
4. 【請求項４】 前記直線部が連結ばねの中央部に設けら
   れていることを特徴とする請求項１記載の磁気テープ装
   置。
5. 【請求項５】 前記直線部が前記シャーシに当接または
   近接して配置されていることを特徴とする請求項１から
   ４のいずれかに記載の磁気テープ装置。