JP3019597U - 磁気テープ装置におけるテープテンション機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で部品点数が少なく、製作費を安
くすること 【構成】 モード切換えレバー１９のカム１９ｂとテー
プテンションレバー１２の基端部１２ａとの間に設けら
れるテープテンション機構２０が、機枠１３に移動可能
に支持され、その一端部２８ａが前記カム１９ａに係合
され、その他端部２８ｂが前記テープテンションレバー
１２の基端部１２ａに係合される連結杆２８と、前記テ
ープテンションレバー１２の基端部１２ａを前記連結杆
２８の他端部２８ｂに向けて付勢する連結ばね２９とを
有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気テープに記録や再生または消去を行うための磁気テープ装置に おけるテープテンション機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の磁気テープ装置の一例を図７に基づいて説明すると、１はテープカセ ット、２はテープカセット１の供給リールに係合する供給リール台、３はテープ カセット１の巻き取りリールに係合する巻き取りリール台、４はテープカセット １から磁気テープＴを引き出してヘッドシリンダ５に巻き付けるための可動テー プガイドポスト、６は全幅消去ヘッド、７は音声消去ヘッド、８は音声・コント ロールヘッド、９は固定テープガイドポスト、１０キャプスタン、１１は磁気テ ープＴを介してキャプスタン１０に圧接離間するピンチローラ、１２は基端部近 傍が機枠１３に枢支軸１４を介して矢印ａまたはｂ方向に正逆回転可能に枢支さ れたテープテンションレバーであって、その先端部にテープテンションポスト１ ５が立設されている。１６は供給リール台２の円形部２ａに半周巻かれたブレー キバンドであって、その両端部が係止部材１７，１８を介して機枠１３とテープ テンションレバー１２とにそれぞれ係止されている。１９はモード切換えレバー であって、その長手方向に沿って形成した長孔１９ａを機枠１３に突設した突起 部１３ａに嵌合させることにより、矢印ｃまたはｄ方向に往復移動可能に構成さ れており、該モード切換えレバー１９のカム１９ｂとテープテンションレバー１ ２の基端部１２ａとがテープテンション機構２０を介して連動連結されている。

【０００３】 従来、前記テープテンション機構２０は、機枠１３に枢支軸２１ａを介して揺 動可能に枢支され、その一端部に突設した係合ピン２１ｂがカム１９ｂに係合す る揺動レバー２１と、該揺動レバー２１を付勢して前記係合ピン２１ｂをカム１ ９ｂに押し付ける押し付けばね２２と、テープテンションレバー１２の基端部１ ２ａと揺動レバー２１の他端部との間に張設された連結ばね２３と、該連結ばね ２３内に嵌入されてその一端部が係止リング２４により連結ばね２３に係止され た連結杆２５と、連結ばね２３及び連結杆２５とをガイドするガイド枠２６とか ら構成されている。

【０００４】 上記構成において、録画、再生、再生コマ送り、再生早送りのモードでは、図 ７実線に示すように、モード切換えレバー１９を往動ｃさせる。これにより、テ ープテンション機構２０の連結ばね２３によりテープテンションレバー１２の基 端部１２ａが引っ張られて、該テープテンションレバー１２が正転ａされ、ブレ ーキバンド１６を供給リール台２の円形部２ａに圧接させると共に、テープテン ションポスト１５を磁気テープＴに圧接させ、また、ピンチローラ１１を磁気テ ープＴを介してキャプスタン１０に圧接させており、この状態で、キャプスタン １０及び巻き取りリール台３を回転駆動して磁気テープＴを巻き取り方向ｅに走 行させると、テープテンションポスト１５により磁気テープＴにテープテンショ ンがかけられると共に、ブレーキバンド１６により供給リール台２にバックテン ションがかけられて、磁気テープＴを弛まないように円滑に走行させることがで きる。

【０００５】 また、再生巻き戻し、巻き戻し、早送り、停止、電源オフ、テープ取り出しの モードでは、図７仮想線に示すように、モード切換えレバー１９を復動ｄさせる 。これにより、テープテンション機構２０の連結杆２５によりテープテンション レバー１２の基端部１２ａが押し上げられて、該テープテンションレバー１２が 逆転ｂされ、テープテンションポスト１５を磁気テープＴから離間させると共に 、ブレーキバンド１６を供給リール台２の円形部２ａから離間させて、磁気テー プＴにテープテンションがかからないようにすることができる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の構成では、テープテンション機構２０が揺動レバー２１、押し付け ばね２２、連結ばね２３、連結杆２５及びガイド枠２６などからなり、構造が複 雑で部品点数が多く、製作費が高くつく。

【０００７】 本考案は、上記従来の欠点に鑑み、構造が簡単で部品点数が少なく、製作費を 安くすることができる磁気テープ装置におけるテープテンション機構を提供する ことを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、モード切換えレバーを操作することによ り、該モード切換えレバーのカムに係合するテープテンション機構を介してテー プテンションレバーを正逆回転させ、これにより、該テープテンションレバーの 先端部に設けたテープテンションポストを磁気テープに圧接または離間させると 共に、テープテンションレバーに連結したブレーキバンドを供給リール台に圧接 または離間させるようにした磁気テープ装置において、前記テープテンション機 構は、機枠に移動可能に支持され、その一端部が前記カムに係合され、その他端 部が前記テープテンションレバーの基端部に係合された連結杆と、前記テープテ ンションレバーの基端部を前記連結杆の他端部に向けて付勢する連結ばねとを有 することを特徴としている。

【０００９】

【作用】

上記構成において、録画、再生、再生コマ送り、再生早送りのモードでは、モ ード切換えレバーを適宜切り換えて、テープテンション機構の連結ばねによりテ ープテンションレバーの基端部を引っ張ってテープテンションレバーを正転させ る。これにより、ブレーキバンドを供給リール台に圧接させると共に、テープテ ンションポストを磁気テープに圧接させ、この状態で、キャプスタン及び巻き取 りリール台を回転駆動して磁気テープを巻き取り方向に走行させると、テープテ ンションポストにより磁気テープにテープテンションがかけられると共に、供給 リール台にバックテンションがかけられ、磁気テープを弛まないように円滑に走 行させることができる。

【００１０】 また、再生巻き戻し、巻き戻し、早送り、停止、電源オフ、テープ取り出しの モードでは、モード切換えレバーを適宜切り換えて、テープテンション機構の連 結杆によりテープテンションレバーの基端部を押し上げ、該テープテンションレ バーを逆転させる。これにより、テープテンションポストを磁気テープから離間 させると共に、ブレーキバンドを供給リール台から離間させて、磁気テープにテ ープテンションがかからないようにすることができる。

【００１１】 この場合、テープテンション機構が連結杆と連結ばねとからなり、構造が簡単 で部品点数が少なく、製作費を安くすることができる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案の一実施例で あるテープテンション機構２０を備えた磁気テープ装置を示すものであって、そ のテープテンション機構２０は、図２にも示すように、機枠１３の下方に配設さ れた略Ｌ字状の連結杆２８と連結ばね２９とを有し、その連結杆２８は、一端部 に突設した係合ピン２８ａが機枠１３の長孔３０ａを通ってモード切換えレバー １９のカム１９ｂに係合され、その他端部２８ｂがテープテンションレバー１２ の基端部１２ａに機枠１３の貫通孔３０ｂを通って係合され、その中間部に突設 した突起部２８ｃが機枠１３の長孔３０ｃに嵌合されることにより、モード切換 えレバー１９の移動方向ｃ，ｄとは略直交する方向ｇ，ｈに沿って移動可能に構 成されている。また、前記連結ばね２９は、テープテンションレバー１２の基端 部１２ａを前記連結杆２８の他端部２８ｂに向けて付勢するものである。更に、 前記カム１９ｂは高位部１９Ａ、傾斜部１９Ｂ、低位部１９Ｃ、傾斜部１９Ｄ及 び中位部１９Ｅから形成されている。上記以外の構成で図７に示す従来例と同一 部分には同一符号を付してその説明を省略する。

【００１３】 上記構成において、録画、再生、再生コマ送り、再生早送りのモードでは、図 １に示すように、カム１９ｂの低位部１９Ｃを係合ピン２８ａに係合させる。こ れにより、連結杆２８が矢印ｈ方向に移動し、連結ばね２９によりテープテンシ ョンレバー１２の基端部１２ａが引っ張られて、該テープテンションレバー１２ が正転ａされ、ブレーキバンド１６を供給リール台２に圧接させると共に、テー プテンションポスト１５を磁気テープＴに圧接させることができ、この状態で、 キャプスタン１０及び巻き取りリール台３を回転駆動して磁気テープＴを巻き取 り方向ｅに走行させると、テープテンションポスト１５により磁気テープＴにテ ープテンションがかけられると共に、供給リール台２にバックテンションがかけ られ、磁気テープＴを弛まないように円滑に走行させることができる。

【００１４】 停止モードでは、図３に示すように、モード切換えレバー１９を復動ｄさせて 、カム１９ｂの傾斜部１９Ｂの中央を係合ピン２８ａに係合させる。これにより 、連結杆２８が矢印ｇ方向に移動し、該連結杆２８によりテープテンションレバ ー１２の基端部１２ａが押し上げられて、該テープテンションレバー１２が逆転 ｂされ、テープテンションポスト１５を磁気テープＴから離間させると共に、ブ レーキバンド１６を供給リール台２の円形部２ａから離間させて、磁気テープＴ にテープテンションがかからないようにすることができる。

【００１５】 再生巻き戻しモードでは、図４に示すように、モード切換えレバー１９を往動 ｃさせて、カム１９ｂの中位部１９Ｅを係合ピン２８ａに係合させる。これによ り、連結杆２８が矢印ｇ方向に移動し、該連結杆２８によりテープテンションレ バー１２の基端部１２ａが押し上げられて、該テープテンションレバー１２が逆 転ｂされ、テープテンションポスト１５を磁気テープＴから離間させると共に、 ブレーキバンド１６を供給リール台２の円形部２ａから離間させて、磁気テープ Ｔにテープテンションがかからないようにすることができる。

【００１６】 巻き戻し及び早送りのモードでは、図５に示すように、モード切換えレバー１ ９を復動ｄさせて、カム１９ｂの傾斜部１９Ｂの上端を係合ピン２８ａに係合さ せる。これにより、連結杆２８が矢印ｇ方向に移動し、該連結杆２８によりテー プテンションレバー１２の基端部１２ａが押し上げられて、該テープテンション レバー１２が逆転ｂされ、テープテンションポスト１５を磁気テープＴから離間 させると共に、ブレーキバンド１６を供給リール台２の円形部２ａから離間させ て、磁気テープＴにテープテンションがかからないようにすることができる。

【００１７】 電源オフ及びテープ取り出しのモードでは、図６に示すように、モード切換え レバー１９を復動ｄさせて、カム１９ｂの高位部１９Ａを係合ピン２８ａに係合 させる。これにより、連結杆２８が矢印ｇ方向に移動し、該連結杆２８によりテ ープテンションレバー１２の基端部１２ａが押し上げられて、該テープテンショ ンレバー１２が逆転ｂされ、テープテンションポスト１５を磁気テープＴから離 間させると共に、ブレーキバンド１６を供給リール台２の円形部２ａから離間さ せ、磁気テープＴがテープカセット１内に戻される。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、テープテンション機構が連結杆と連結ばねとからなり、構造 が簡単で部品点数が少なく、製作費を安くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるテープテンション機構
を備えた磁気テープ装置の録画、再生、再生コマ送り、
再生早送りのモードにおける概略平面図である。

【図２】同要部の分解斜視図である。

【図３】同停止モードにおける概略平面図である。

【図４】同再生巻き戻しモードにおける概略平面図であ
る。

【図５】同巻き戻し、早送りのモードにおける概略平面
図である。

【図６】同電源オフ、テープ取り出しのモードにおける
概略平面図である。

【図７】従来例を示す概略平面図である。

【符号の説明】

２ 供給リール台 １３ 機枠 １２ テープテンションレバー １５ テープテンションポスト １６ ブレーキバンド １９ モード切換えレバー １９ｂ カム ２０ テープテンション機構 ２８ 連結杆 ２９ 連結ばね Ｔ 磁気テープ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モード切換えレバーを操作することによ
   り、該モード切換えレバーのカムに係合するテープテン
   ション機構を介してテープテンションレバーを正逆回転
   させ、これにより、該テープテンションレバーの先端部
   に設けたテープテンションポストを磁気テープに圧接ま
   たは離間させると共に、テープテンションレバーに連結
   したブレーキバンドを供給リール台に圧接または離間さ
   せるようにした磁気テープ装置において、前記テープテ
   ンション機構は、機枠に移動可能に支持され、その一端
   部が前記カムに係合され、その他端部が前記テープテン
   ションレバーの基端部に係合された連結杆と、前記テー
   プテンションレバーの基端部を前記連結杆の他端部に向
   けて付勢する連結ばねとを有することを特徴とする磁気
   テープ装置におけるテープテンション機構。