JP3032547U - 縦列型垂直循環式駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な地形の敷地であっても問題なく設置で
きる縦列型駐車装置を提供すること。 【解決手段】 トラバーサを利用して、奥側の駐車装置
の入出庫位置を自由に決定できるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、複数の駐車装置が縦列に設置された垂直循環機械式駐車装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、大都市のビルの谷間などに設置される縦列型駐車装置１は、図２に示す ように、駐車設備への車両乗入方向両側が道路２に面する場合が多く、前列及び 後列駐車装置の全てにつきケージ欠除部を各々少なくとも１つ有して、駐車設備 内を自動車３が一直線に通り抜けてゆけるように構成されるのが一般的である。

【０００３】 即ち、例えば図３に示すように、前列駐車装置４及び後列駐車装置５の床には それぞれピット４ａ，５ａが掘ってあり、各上下スプロケット４ｂ，４ｃ，５ｂ ，５ｃに無端状に巻き掛けられた主務チェン４ｄ，５ｄに取付けられたケージ４ ｅ，５ｅが最下位置に到達した際には、ケージ４ｅ，５ｅが各ピット４ａ，５ａ に嵌入して、ケージ床が地上床６と同一レベルになるようになっており、ピット ４ａ，５ａにはそれぞれ昇降床４ｆ，５ｆが設けられて、自動車３が通過するた めの車路を自由に構成できるようにもなっている。

【０００４】 つまり、前列駐車装置４内を自動車３が通過する場合は、出入口７にケージ欠 除部を位置させ、昇降床４ｆを上昇させて地上床６と同一レベルにする一方、後 列駐車装置５内を自動車３が通過する場合は、出入口８にケージ欠除部を位置さ せ、昇降床５ｆを上昇させて地上床６と同一レベルにする。

【０００５】 また、各ケージ４ｅ，５ｅに入出庫させる場合は、該当ケージを出入口７，８ に着床させるものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 しかし、このような縦列型駐車装置の場合、前列駐車装置４と後列駐車装置５ との中心線が一直線上に並んでいなければならず、図４に示すような特殊な形状 の土地には従来の縦列型駐車装置は設置できなかった。

【０００７】 本考案は、上記の点に鑑みなされたもので、特殊な形状の土地のために、各駐 車装置の中心線が左右にずれても不都合の生じない縦列型駐車装置を提供するこ とを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、 （１）所定のピッチでケージが循環する駐車装置を複数組み縦列に配置し、各駐 車装置の下部に設けられたピット内をトラバーサが移動する縦列型駐車装 置において、各駐車装置は各々中心線が所定寸法左右にずらして配置され 、トラバーサには昇降装置を備える。 （２）スプロケットに巻き掛けられた主務チェンを介してケージを循環させる駐 車装置が複数組み縦列に配置され、各駐車装置の下部に設けられたピット 内をトラバーサが移動する縦列型駐車装置において、各駐車装置は各々中 心線がスプロケットの半径を超えない程度に左右にずらして配置し、トラ バーサには昇降装置を備える。 ものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案は、後列駐車装置のケージへの自動車の入出庫を後列駐車装置の中心線 上以外でも行えるようにするものである。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について、図面を用いて説明する。 図１は本考案の一実施例を示す平面図、図５は図１の側面図、図６は図１にお けるＡ−Ａ線矢視図、図７はトラバーサの詳細図である。

【００１１】 図中、図２乃至図４と同一符号のものは同一のものを示すが、５’は本考案に 係る後列駐車装置で、図１のような特殊な地形に合わせて、中心線Ｑが前列駐車 装置４’の中心線Ｐよりも左方向に所定寸法ずらして配置されている。通常出入 口７に面する前列駐車装置４’は自動車３を旋回できるように後列駐車装置５’ よりも幅広く構成される。

【００１２】 １０は前列駐車装置４’と後列駐車装置５’とに亘って一連に形成されたピッ ト１１内に移動自在に設けられたトラバーサで、ピット１１内の長手方向に敷設 されたレール１１ａ上を車輪１０ａを介して、両駐車装置４’，５’間を往復移 動する。

【００１３】 １２はトラバーサ１０に設けられた旋回装置で、自動車３を載せるパレット９ を旋回させる。

【００１４】 １３は同じくトラバーサ１０に設けられた昇降装置で、自動車３を載せるパレ ット９を昇降させる。

【００１５】 このトラバーサ１０は前列駐車装置４’と後列駐車装置５’間を飽くまで直線 移動するだけであるが、後列駐車装置５’のケージ５’ｅに自動車３を入出庫さ せる場合は、図６に示すように、ケージ５’ｅを最下位置よりも多少ずらした位 置，即ち前列駐車装置４’の中心線Ｐの延長線とケージ５’ｅの中心線が一致す る位置に停止させる。

【００１６】 この時には、ケージ５’ｅの床のレベルは少し高くなるが、この高さはトラバ ーサ１０の昇降装置１３により吸収する。

【００１７】 つまり、自動車３が載っているパレット９のレベルを昇降装置１３により地上 床６のレベルよりも押し上げて、ケージ５’ｅまでトラバーサ１０を移動させ、 ケージ５’ｅの枠上に載置するようにする。（当然前列駐車装置４’側のケージ ５’ｅの床枠は切欠かれているため、支障なくトラバーサ１０は後列駐車装置５ ’内に移動できる。）

【００１８】 要するに、トラバーサ１０の昇降装置１３によりパレット９の高さ調整を自由 自在にできるため、後列駐車装置５’の中心線上以外の地点でも自動車の入出庫 が可能となる。

【００１９】 なお、この実施例ではパレットを介在させて自動車を入出庫させる装置につい て詳しく説明したが、これはケージの床とトラバーサとがパレットを介在させず に直接自動車のみを受け渡しできるくし歯構造を有する周知の駐車装置であって もよく、実施例に限定されない。また、本考案は３列，４列など、要するに２列 以上の縦列型駐車装置にも適用できるものである。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、特殊な地形により複数列の駐車装置の各中 心線を一致させることができない場合でも円滑な入出庫動作が可能な縦列型駐車 装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面図である。

【図２】縦列型駐車装置の一例を示す平面図である。

【図３】図２の側面図である。

【図４】従来の縦列型駐車装置の問題点を説明する説明
図である。

【図５】図１の側面図である。

【図６】図１におけるＡ−Ａ線矢視図である。

【図７】図５におけるトラバーサの詳細図である。

【符号の説明】

１ 縦列型駐車装置 ３ 自動車 ４，４’ 前列駐車装置 ５，５’ 後列駐車装置 ４ｅ，４’ｅ 前列駐車装置４のケージ ５ｅ，５’ｅ 後列駐車装置５のケージ ４ａ，５ａ，１１ ピット １０ トラバーサ ４ｂ，５ｂ スプロケット １３ 昇降装置 Ｐ 前列駐車装置４’の中心線 Ｑ 後列駐車装置５’の中心線

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定のピッチでケージが循環する駐車装
   置を複数組み縦列に配置し、該各駐車装置の下部に設け
   られたピット内をトラバーサが移動する縦列型駐車装置
   において、該各駐車装置は各々中心線が所定寸法左右に
   ずらして配置され、前記トラバーサには昇降装置を備え
   ていることを特徴とする縦列型垂直循環式駐車装置。
2. 【請求項２】 スプロケットに巻き掛けられた主務チェ
   ンを介してケージを循環させる駐車装置が複数組み縦列
   に配置され、該各駐車装置の下部に設けられたピット内
   をトラバーサが移動する縦列型駐車装置において、該各
   駐車装置は各々中心線が前記スプロケットの半径を越え
   ない程度に左右にずらして配置し、前記トラバーサには
   昇降装置を備えていることを特徴とする縦列型垂直循環
   式駐車装置。
3. 【請求項３】 前記ケージにはパレットが着脱自在に設
   けられ、該パレットが前記トラバーサにより搬送される
   ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の縦列型
   垂直循環式駐車装置。
4. 【請求項４】 前記ケージ及び前記トラバーサは自動車
   を直接受け渡しするくし歯構造であることを特徴とする
   請求項１又は請求項２に記載の縦列型垂直循環式駐車装
   置。