JP3031883U - クレーンの補助シーブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補助シーブの格納および張り出し作業の途中
で回動中心となるピンの差し替えが不要であって、ピン
の抜き差し，ピン孔合わせという面倒な作業を伴うこと
なく、簡単に折畳作業を行うことができ、しかも、作業
時補助シーブに負荷される荷重がブームヘッドの側面に
作用することなく、剛性の小さなブームヘッドの側面を
痛めることのない補助シーブの格納装置を提供する。 【解決手段】 補助シーブブラケット１の基部一側から
ブームヘッド４の側方に延び先端部にピン孔１ｂを有す
る回動アーム１ａを突出させると共に、ブームヘッド４
の一側から外方に延び先端部にピン孔４ｂを有する回動
支持アーム４ａを突出させ、該回動支持アーム４ａのピ
ン孔４ｂと前記回動アーム１ａのピン孔１ｂに回動ピン
５を挿入して回動自在に軸支し、かつ、前記ピン孔１
ｂ，４ｂまたは前記回動ピン５の少なくとも一方に異径
部を設けて両者を遊嵌可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、トラッククレーン等において、比較的軽荷重の荷役物を対象とす る単索荷役作業ができるように、ブームの先端に折畳み自在に取り付けられるシ ングルトップと呼ばれる補助シーブ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

旋回，起伏および伸縮自在の主ブームの先端に、シングルトップと呼ばれる単 索用補助シーブを取り付けたトラッククレーンは従来公知であって、この補助シ ーブは、ブームヘッドに折畳み自在に取り付けられ、作業時はブーム先端に張り 出し、走行時はブームヘッドの側方に回動させて折畳み格納されるようになって いる。

【０００３】 この補助シーブを、ブーム先端の張り出し位置から、ブーム側方の格納位置ま で回動させて折り畳む際の回動角度を大きくとるためには、回動中心をブームヘ ッドの横幅より外側に突出させる必要がある。

【０００４】 そこで、この折畳みの際の回動中心をブームヘッドの横幅より外側に突出させ る手段としては、実公平３−５０１４５号公報，実公平７−３４０７７号公 報，特開平７−２１５６７５号公報等に記載された構造が公知である。

【０００５】 前記の実公平３−５０１４５号公報記載の構造によれば、ブームヘッドの先 端への取付位置にある補助シーブブラケットおよびブームヘッドの一側面にそれ ぞれピン孔付の突片を設け、格納の第一段階として補助シーブブラケットを一方 の取付ピン（竪ピン）を中心として一定鋭角だけ回動させ、第二段階として、前 記両突片のピン孔同士が上下に重なり合った時点で、これらの間に新たに竪ピン を挿入するとともに、第一段階の回動中心となっていた竪ピンを抜き取り、回動 中心を入れ替えてさらに側方に回動させることにより、合計で１８０°以上の回 動角度が得られるようになっている。

【０００６】 しかし、この構成によれば、格納および張り出し作業の途中で回動中心を変更 するために、回動中心となるピンの差し替えが必要であり、ピンの抜き差し，ピ ン孔合わせという面倒な作業を伴い、補助シーブの格納および張り出し作業が面 倒で手間取るという問題点があった。

【０００７】 また、前記の実公平７−３４０７７号公報およびの特開平７−２１５６７ ５号公報記載の構造によれば、補助シーブブラケットの基端部からブームヘッド の一側方に突出させた回動アームをブームヘッド一側面から側方に突出して設け た支持アームに回動自在に軸支するようになっている。

【０００８】 この構造によれば、折畳みの際の回動中心をブームヘッドの横幅より外側に突 出させて設けることができ、回動中心変更のためのピンの差し替え作業は不要で あるが、補助シーブブラケットとブームヘッドとが回動支軸となる竪軸で常時連 結されているため、作業時の荷重が、前記竪軸を介してブームヘッドの側面にも 負荷されることとなり、剛性の小さなブームヘッドの側面を痛めるおそれがある という問題点がある。

【０００９】

【この考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記従来技術の問題点を解決することを課題としてなされたもの であって、補助シーブの格納および張り出し作業の途中で回動中心となるピンの 差し替えが不要であって、ピンの抜き差し，ピン孔合わせという面倒な作業を伴 うことなく、簡単に格納および張り出し作業を行うことができ、しかも、作業時 補助シーブに負荷される荷重がブームヘッドの側面に作用することなく、剛性の 小さなブームヘッドの側面を痛めるおそれのない補助シーブの格納装置を提供し ようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】 この考案は、上記課題解決のための手段を提供するものであって、補助シーブ ２を回転自在に支持する補助シーブブラケット１の基部を、左右２本の竪方向連 結ピン３，３によってブームヘッド４の先端に分離可能に取り付け、該補助シー ブブラケット１の基部一側からブームヘッド４の側方に延び先端部にピン孔１ｂ を有する回動アーム１ａを突出させると共に、前記回動アーム１ａと同一側のブ ームヘッド４の一側から外方に延び先端部にピン孔４ｂを有する回動支持アーム ４ａを突出させ、該回動支持アーム４ａのピン孔４ｂと前記回動アーム１ａのピ ン孔１ｂに回動ピン５を挿入して回動自在に軸支し、かつ、前記ピン孔１ｂ，４ ｂまたは前記回動ピン５の少なくとも一方に異径部を設けて両者を遊嵌可能とし たことを特徴とする補助シーブ装置を考案要旨とするものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図において、１は単索ロープが通される補助シーブ２を回転自在に支持する補 助シーブブラケットであって、その基部の左右両端は、抜き差し自在の竪方向連 結ピン３，３によってブームヘッド４の先端に分離可能に連結されており、クレ ーンの荷役作業時には、図示実線で示す張り出し位置に保持されるようになって いる。

【００１０】 １ａは該補助シーブブラケット１の基部一側からブームヘッド４の側方に延び て斜め後方に突出する回動アームであって、その先端部にはピン孔１ｂが穿設さ れている。

【００１１】 ４ａは前記回動アーム１ａと同一側のブームヘッド４の一側から外方に延びて 突出する回動支持アームであって、その先端部にはピン孔４ｂが穿設されている 。

【００１２】 この回動支持アーム４ａのピン孔４ｂと前記回動アーム１ａのピン孔１ｂには 回動ピン５が挿入され、回動アーム１ａは、この回動ピン５を軸として回動自在 となっており、クレーンの走行時には、補助シーブブラケット１は図示２点鎖線 位置に折り畳まれ、固定ピン６によってブームヘッド４の一側に格納固定される ようになっている。

【００１３】 このように、回動アーム１ａは、回動支持アーム４ａに回動ピン５を軸として 回動自在に軸支されているが、前記ピン孔１ｂ，４ｂまたは前記回動ピン５の少 なくとも一方には異径部が設けられ、両者は遊嵌可能となっている。

【００１４】 図２は、回動アーム１ａのピン孔１ｂに異径部を設けた実施例を示し、該ピン 孔１ｂは長径と短径を有する長孔となっており、この長孔の短径は回動ピン４の 外径とほぼ等しく、長径は若干の遊びが生ずるようにやや長くなっている。

【００１５】 図４は、回動ピン５に異径部を設けた実施例を示し、回動ピン５には小径部５ ａが設けられており、図４（ａ）で示すように、回動ピン５を上方に引き上げ小 径部５ａで軸支したときは若干の遊びが生じ、図４（ｂ）で示すように、回動ピ ン５を押し下げたときは遊びなく軸支されるようになっている。なお、前記押し 下げを円滑に行えるように図４（ｃ）に示すように段差部にはテーパー部５ｂが 設けられている。

【００１６】 補助シーブブラケット１を、図示実線で示す張り出し位置から２点鎖線で示す 格納位置に折り畳む手順について説明すると、先ず、左右一対の連結ピン３，３ を抜いてブームヘッド４先端との連結を解除し、次いで、ブームヘッド４の一側 面に突設された回動支持アーム４ａに回動ピン５を介して軸支された回動アーム １ａを、回動ピン５を軸として前記回動アーム１ａと同一側のブームヘッド４の 一側に回動させ、固定ピン６によって格納位置に固定すればよく、また、格納位 置から張り出し作業は上記と逆手順により容易に行われる。

【００１７】 図２に示す実施例によれば、回動アーム１ａのピン孔１ｂが長孔となっている ため、補助シーブブラケット１を連結ピン３，３によりブームヘッド４の先端に 連結して張り出し位置に保持したとき、回動アーム１ａのピン孔１ｂと回動ピン ５との間には若干の遊びが生じ遊嵌状態となるので、作業姿勢時の負荷は全て連 結ピン３，３で負担することになり、回転ピン５には負荷がかからないから、回 転ピン５ないしブームヘッド４の側面の損傷を防止することができる。一方、格 納時には、回転ピン５はピン孔１ｂの一端に偏倚するのでスムーズに回動させる ことができる。

【００１８】 また、図４に示す実施例によれば、回動ピン５に小径部５ａが設けられている ため、補助シーブブラケット１を連結ピン３，３によりブームヘッド４の先端に 連結して張り出し位置に保持したとき、図４（ａ）に示すように、回動ピン５を 引き上げ小径部５ａで保持すれば、回動アーム１ａの軸支部には若干の遊びが生 じ遊嵌状態となるので、作業姿勢時の負荷は全て連結ピン３，３で負担すること になり、回転ピン５には負荷がかからないから、回転ピン５ないしブームヘッド ４の側面の損傷を防止することができる。一方、格納時には、図４（ｂ）に示す ように回動ピン５を押し下げ大径部で保持することによりスムーズに回動させる ことができる。

【００１９】

【考案の効果】

この考案によれば、補助シーブブラケット１の基部一側からブームヘッド２の 側方に延び先端部にピン孔１ｂを有する回動アーム１ａを突出させると共に、前 記回動アーム１ａと同一側のブームヘッド２の一側から外方に延び先端部にピン 孔２ｂを有する回動支持アーム２ａを突出させ、該回動支持アーム２ａのピン孔 ２ｂと前記回動アーム１ａのピン孔１ｂに回動ピン４を挿入して回動自在に軸支 し、かつ、前記ピン孔１ｂ，２ｂまたは前記回動ピン４の少なくとも一方に異径 部を設けて両者を遊嵌可能としたことにより、補助シーブの格納および張り出し 作業の途中で回動中心となるピンの差し替えが不要であって、ピンの抜き差し， ピン孔合わせという面倒な作業を伴うことなく、簡単に格納および張り出し作業 を行うことができ、しかも、作業時に補助シーブに負荷される荷重が回転ピン５ ないしブームヘッドの側面に作用することなく、剛性の小さなブームヘッドの側 面を痛めるおそれのない補助シーブの格納装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態の一例を示す平面図である。

【図２】図１のイ部拡大図であって、（ａ）は回動アー
ム先端部、（ｂ）はＢ〜断面図である。

【図３】実施の形態の一例を示す側面図である。

【図４】図３のＡ〜断面図であって、（ａ）はピン５の
引き上げ状態、（ｂ）は押し込み状態を示し、（ｃ）は
一部の拡大図である。

【符号の説明】

１ 補助シーブブラケット １ａ 回動アーム １ｂ ピン孔 ２ 補助シーブ ３ 連結ピン ４ ブームヘッド ４ａ 回動支持アーム ４ｂ ピン孔 ５ 回動ピン ６ 格納ピン

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 補助シーブ２を回転自在に支持する補助
   シーブブラケット１の基部を、左右２本の竪方向連結ピ
   ン３，３によってブームヘッド４の先端に分離可能に取
   り付け、該補助シーブブラケット１の基部一側からブー
   ムヘッド４の側方に延び先端部にピン孔１ｂを有する回
   動アーム１ａを突出させると共に、前記回動アーム１ａ
   と同一側のブームヘッド４の一側から外方に延び先端部
   にピン孔４ｂを有する回動支持アーム４ａを突出させ、
   該回動支持アーム４ａのピン孔４ｂと前記回動アーム１
   ａのピン孔１ｂに回動ピン５を挿入して回動自在に軸支
   し、かつ、前記ピン孔１ｂ，４ｂまたは前記回動ピン５
   の少なくとも一方に異径部を設けて両者を遊嵌可能とし
   たことを特徴とするクレーンの補助シーブ装置。
2. 【請求項２】 回動アーム１ａのピン孔１ｂを長孔と
   し、その短径を回動ピン５の外径とほぼ等しくしてなる
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のクレーンの補助シ
   ーブ装置。
3. 【請求項３】 回動ピン５に小径部５ａを設けてなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のクレーンの補助シー
   ブ装置。