JP3029011B2 - ノーカーボン複写紙 - Google Patents

ノーカーボン複写紙

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JP3029011B2 JP7239723A JP23972395A JP3029011B2 JP 3029011 B2 JP3029011 B2 JP 3029011B2 JP 7239723 A JP7239723 A JP 7239723A JP 23972395 A JP23972395 A JP 23972395A JP 3029011 B2 JP3029011 B2 JP 3029011B2
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章 金森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、多枚数複写伝票
に広く利用されているノーカーボン複写紙に関する。さ
らに詳しくは、従来より知られている筆記やインパクト
プリンタ−による多枚数複写機能を持ち、なおかつレー
ザービームプリンターおよび電子複写機などに代表され
るヒートロール定着工程を有する電子写真記録システム
を利用したプリンターあるいは複写機での印字が可能な
ノーカーボン複写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ノーカーボン複写紙は、原紙に
発色剤層を塗布した上用紙と、発色剤層およびその反対
面に顕色剤層を塗布した中用紙、および顕色剤層を塗布
した下用紙があり、二枚複写では上用紙と下用紙を、三
枚以上の複写では上用紙と下用紙の間に必要枚数の中用
紙をはさみ、発色剤層と顕色剤層が接触するように丁合
して使用する。
【0003】発色剤層は、主にマイクロカプセル、緩衝
剤、バインダーで構成されている。マイクロカプセル
は、発色剤と呼ばれるロイコ染料を非極性溶媒で溶解
し、この液滴を各種の高分子膜で包含した数ミクロンか
ら数十ミクロン程度の粒子であり、筆圧あるいはタイプ
圧により破壊されて内包物が放出される。緩衝剤は、マ
イクロカプセルよりも若干大きな高分子粒子あるいは無
機粒子が使われ、筆圧やタイプ圧以外の不必要な圧力や
摩擦からマイクロカプセルを保護し、汚染と発色のバラ
ンスを調整している。このほかに各種添加材を含む場合
もあるがこれらをバインダーとよばれるラテックス、ポ
リビニルアルコール、デンプン、アクリル系樹脂などの
各種の高分子が原紙に固定化して発色剤層を構成してい
る。
【0004】顕色剤層は主に顕色剤、填料、バインダー
で構成されている。顕色剤は酸性粘土鉱物などの無機酸
あるいはフェノール樹脂、サリチル酸誘導体またはその
多価金属塩などの有機酸であり、発色剤であるロイコ染
料を発色させる機能をもっている。填料はマイクロカプ
セル破壊時に非極性溶媒が転移しやすいようなポーラス
で吸油性に富んだ材料が使用され、一般には炭酸カルシ
ウム、カオリンなどの安価な材料が使用されている。こ
の他に、画像保存性を向上させるために紫外線吸収剤や
耐水化剤などの各種添加剤を含む場合もあり、これらを
バインダーが原紙に固定化して顕色剤層を構成してい
る。
【0005】これら発色剤層と顕色剤層が接触するよう
に丁合されたノーカーボン複写紙伝票に筆圧あるいはタ
イプ圧が加わると、発色剤層のマイクロカプセルが破壊
されて内包されたロイコ染料が非極性溶媒とともに放出
し、対面接触した顕色剤層に転移して顕色剤と化学反応
を起こして発色する。この様にノーカーボン複写紙は、
多枚数複写機能を持たせるために発色剤層および顕色剤
層と呼ばれる少なくとも2種類の特殊な塗工層の組み合
わせで構成されており、塗工表面の物性は一般上質紙あ
るいはPPC(Plain Paper Copy)用
紙などとは非常に異なっている。
【0006】さて、ユーザーニーズの多用化にともない
ノーカーボン複写紙は、筆記やノンインパクトプリンタ
ーでの多枚数複写機能以外にレーザービームプリンター
での印刷適性の付与が求められている。レーザービーム
プリンターでの印刷は、多枚数伝票のフォ−マット印刷
や各々の伝票に固有の情報などのプレ印刷に利用されて
おり、従来は凸版印刷やオフセット印刷により行われて
いたが、近年、コンピュータ機能が付加した非常に高速
なレーザービームプリンターが普及するようになり注目
を集めている。レーザービームプリンターの長所として
は、コンピュータ機能の付加により、DTP(デスクト
ップパブリッシング)、DP(デジタルプレス)と呼ば
れるディスプレー上で印刷内容の作成および編集が可能
であり、製版工程をとばして印刷が行えることである。
また、小スペース化や印刷インキを使用しないために作
業環境改善などの優位性も挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ノーカーボン複写紙の
なかには、レーザービームプリンターによる高速印刷が
可能なものも市販されているが、これらは巻き取りとし
て供給されてフォーム印刷がなされる連続伝票に使用さ
れているものの、平判印刷の単票(枚葉)には利用され
ていない。従来のノーカーボン複写紙は連続フォーム用
紙として使用しているために、カールや静電気が発生し
てもそのことが原因でジャムトラブルや収容不良などの
印刷トラブルにつながらず利用することができた。しか
し、これを断裁して平判用紙としてレーザービームプリ
ンターにより印刷を行うと、その特殊な塗工層が原因で
大きな静電気が発生し、プリンター内部での紙詰まり、
感光ドラムへの付着、ソーター部での収容不良などのト
ラブルが発生して極度に作業効率が悪くなる。
【0008】そこで本願発明では、従来の多枚数複写機
能はもちろん、オフセット印刷などによるプレ印刷や減
感インキ印刷に必要なピック強度(表面強度)を持ち、
なおかつ平判用紙としてレーザービームプリンターで印
刷を行っても静電気の発生が非常に少なく印刷走行性に
優れたノーカーボン複写紙を提供することを課題とし
た。
【0009】
【問題を解決するための手段】我々は、上記の問題を解
決するために鋭意検討を行った結果、レーザービームプ
リンターでの印字面に当たる顕色剤層塗工面あるいは発
色剤層塗工面の表面抵抗率が1.0×1011オーム以下
のノーカーボン複写紙では、印刷時に発生する静電気が
少なく、またこの条件を満たすノーカーボン複写紙は、
顕色剤層あるいは発色剤層に塗布量にして0.1g/m
2 から1.0g/m2 のポリスチレンスルホン酸のナト
リウム塩あるいはアンモニウム塩を含有することによっ
て得られることを見出し本願発明を完成した。
【0010】本願発明における表面抵抗率とは、日本工
業規格JIS P8111に記載の試験用紙の前処理を
行った10センチ四方のノーカーボン複写紙の顕色剤層
塗工面を日本工業規格JIS K6911に記載の表面
抵抗率の測定方法に従って測定した値を意味する。な
お、測定装置には横川ヒューレットパーッカード社製の
4329A HIGH RESISTANCE METER とヒューレットパッカー
ド社製の16008A RESISTIVITY CELL を使用した。
【0011】この測定方法に従って、従来のノーカーボ
ン複写紙の顕色剤層塗工面の表面抵抗率を測定すると、
中用紙では7〜9×1012オーム、下用紙では2〜4×
1012オームと非常に高く、その平判用紙(A4サイ
ズ)を高速レーザービームプリンターにより印刷すると
静電気が発生し、紙詰まり、コーナー折れ、重送、ソー
ター部での収容不良が発生した。
【0012】そこで、表面抵抗率を下げるために、最も
安価でかつ顕色性能に悪影響を及ぼさないものとして無
機電解質である塩化ナトリウムを顕色剤層塗料に添加し
たが、塗布量が0.5g/m2 では表面抵抗率が1.6
×1011オームと効果が少なく、さらに塗布量を増やし
て0.9g/m2 にしたところ1.4×1011オームで
あって、塗布量の増加に比べてほとんど表面抵抗率の低
下が見られなかった。しかも、添加量が増えるに従い有
機顕色剤では塗工層面に凝集物が現れ、塗工層の状態が
非常に悪くなった。そこで、導電性が高い導電剤として
各種のカチオン性の導電剤を添加したところ、有効量の
導電剤を顕色剤塗料液に添加した場合顕色剤塗料液の凝
集が観察され、塗工することができなかった。
【0013】次いで、多くのアニオン性導電剤を顕色剤
塗料に添加し試みたところ、表面抵抗率を下げることが
できた。しかし、アニオン性導電剤による表面抵抗率の
低下度はあまり大きくなく、所望の1×1011オーム以
下の抵抗率になるように添加量を増加させると発色が低
下する傾向がある。そこで、添加量ができるだけ少量で
所望の表面抵抗率が得られるものについて検討を進めた
結果、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩あるいは
アンモニウム塩がこの条件に合致した。すなわち、顕色
剤層にポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩、ポリスチ
レンスルホン酸アンモニウム塩のいずれか、あるいはこ
れらを併用して塗布量にして0.1g/m2 から1.0
g/m2 程度になるように添加すると表面抵抗が1.0
×1011オーム以下まで低下し、このようなノーカーボ
ン複写紙はレーザービームプリンターでの印刷において
トラブル発生頻度が極端に少く、さらに表面強度も非常
に高いことがわかった。
【0014】顕色剤層への添加方法としては、通常行わ
れている塗料液調整の後に所定量のポリスチレンスルホ
ン酸誘導体をこの塗液に溶解して、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、ロールコーター、ブレードコータ
ー、カーテンコーター、グラビアコーターなどにより原
紙に塗工することができる。
【0015】また、本願発明では、発色剤塗工層面側に
印字が必要なノーカーボン複写紙の場合も、上記の顕色
剤塗工層と同様にして発色剤塗工層の表面抵抗が1.0
×1011オーム以下となるようにすることができる。特
に中用紙などの両面に塗工層を設けたノーカーボン複写
紙では、両塗工層にポリスチレンスルホン酸誘導体を添
加することで一方の塗工層に添加するだけよりもさらに
表面抵抗率が低下する相乗効果がある。
【0016】本願発明に使用できるポリスチレンスルホ
ン酸ナトリウム塩およびアンモニウム塩は各々を単独で
あるいは混合して使用するが、その他の導電材料と併用
して使用することもできる。
【0017】本願発明に使用される顕色剤としては、酸
性白土、活性白土、アタパルジャイトなどの無機固体酸
類および有機顕色剤を単独あるいは混合して使用するこ
とができる。有機顕色剤としては、通常有機顕色剤とし
て知られている有機酸性物質のいずれも使用可能であ
る。具体的に例示すると特公昭42−20144号に記
載されているフェノールホルムアルデヒド樹脂、フェノ
ールアセトアルデヒド樹脂、フェノールアセチレン樹
脂、及びこれらの多価金属塩;特公昭49−10856
号、特公昭49−55410号、及び特公昭51−25
174号に記載されている安息香酸、4−メチル−3−
ニトロ安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、2、5−
ジニトロ安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、4
−メチル−3−ニトロ安息香酸、サリチル酸、m−ヒド
ロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、3、5−ジ
ニトロサリチル酸、5−tert−ブチルサリチル酸、
3−フェニルサリチル酸、3−メチル−5−tert−
ブチルサリチル酸、3、5−ジ−tert−ブチルサリ
チル酸、3、5−ジ−tert−アミルサリチル酸、3
−シクロヘキシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリ
チル酸、3−メチル−5−イソアミルサリチル酸、5−
イソアミルサリチル酸、3、5−ジ−sec−ブチルサ
リチル酸、5−ノニルサリチル酸、2−ヒドロキシ−3
−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チル安息香酸、5、5−メチレンジサリチル酸、アセト
アミノ安息香酸、2、4−ジヒドロキシ安息香酸、2、
5−ジヒドロキシ安息香酸、3、5−ジ−α、α−ジメ
チルベンジルサリチル酸、3、5−ジ−α−メチルベン
ジルサリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2
−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸、等の芳香族カルボン酸類、並びにそれら芳
香族カルボン酸と銅、鉛、マグネシウム、亜鉛、アルミ
ニウム、スズ、ニッケル等の金属との金属塩;特開昭6
3−19486に記載されているカルボキシ変性テルペ
ンフェノール樹脂の多価金属塩;特開昭48−8215
に記載されているサリチル酸ノボラック樹脂;特開昭6
2−176875、特開昭63−53092、特開昭6
3−186729等に記載されているサリチル酸とアル
コキシキシレン、あるいはトリアルキルベンゼン、およ
びスチレン誘導体等の化合物との共重合物、あるいはそ
の多価金属塩;特開昭63−132857に記載されて
いるオリゴベンジル化された芳香族ヒドロキシカルボン
酸の金属塩等を挙げることができる。
【0018】これらの顕色剤はいずれも本願発明で使用
することができるが、サリチル酸誘導体あるいはその多
価金属塩が特に有効であった。本願発明のノーカーボン
複写紙は、単票(枚葉)紙としてヒートロール定着工程
を有するプリンターあるいは複写機で使用するものであ
り、従来のインパクトプリンターでの使用とは異なっ
て、ノーカーボン複写紙表面は定着工程で200℃とい
う高温にさらされる。そして、このような高温下でも発
色性に変化がなく、表面の軟化が少ないという点、およ
び表面抵抗率が比較的低くなるという点から、顕色剤と
してサリチル酸誘導体あるいはその多価金属塩が適して
いると考えられる。
【0019】また、本願発明の填料としては、炭酸カル
シウム、カオリン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、珪酸アルミニウム、タルク、活性白土などを単独
あるいは2種類以上併用することができる。本願発明で
はこれらのうち特に炭酸カルシウムあるいはカオリンを
用いると、平滑性やインク受理性、塗工適性などに優れ
たものが得られる。
【0020】また、本願発明のバインダ−には例えば、
蛋白類(ゼラチン、アルブミン、カゼインなど)、セン
プン類(穀物デンプン、α化デンプン、酸化デンプン、
エ−テル化デンプン、エステル化デンプンなど)、セル
ロ−ス誘導体(カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキ
シプロピルセルロ−ス、メチルセルロ−スなど)などの
水溶性天然高分子化合物、ポリビニルアルコ−ル、アク
リルアミド変性ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、マレイ
ン酸共重合物などの水溶性合成高分子化合物を使用する
ことができる。また、ラテックスバインダ−としては、
スチレン−ブタジエン・ラテックス、アクリロニトリル
−ブタジエン・ラテックス、アクリル酸エステル・ラテ
ックス、酢酸ビニル系ラテックス、メチルメタクリレ−
ト−ブタジエン・ラテックス及びこれらのカルボキシ変
性(例えばアクリル酸)ラテックスなどを使用すること
ができる。
【0021】また、本願発明の発色剤層のマイクロカプ
セルにはいかなる種類の膜材も使用することができる。
例えば、ポリウレタン尿素樹脂膜、ポリアミド樹脂膜、
尿素ホルムアルデヒド樹脂膜、メラミンホルムアルデヒ
ド樹脂膜などを挙げることができる。マイクロカプセル
に内包される発色剤としては、トリフェニルメタンフタ
リド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系
化合物、インドリルフタリド系化合物、インドリルアザ
フタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、スピロ
ピラン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフ
ェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物などに分類
されるこの分野で公知の化合物を挙げることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本願発明のノーカーボン複写紙
は、例えば顕色剤層を塗布した下用紙を例にとると、顕
色剤分散液に填料およびバインダーを加えて顕色剤層塗
料を調整し、さらにポリスチレンスルホン酸ナトリウム
塩あるいはポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩を塗
布量にして0.1g/m2 から1.0g/m2 含有され
るように添加して、これを原紙に塗布乾燥することによ
って製造される。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩
あるいはポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩の含有
量は、塗布量にして0.1g/m2 以下ではその効果が
極端に薄れ、また、1.0g/m2 以上加えてもほとん
どその効果に変化はないので、前記の範囲内が最適含有
量である。また本願発明においては、顕色剤としてサリ
チル酸誘導体あるいはその多価金属塩が好ましく用いら
れ、填料としては炭酸カルシウムあるいはカオリンが好
ましく用いられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例に従ってノーカー
ボン複写紙を作成し、表面抵抗率の測定、高速レーザー
ビームプリンターでの印刷試験およびプリュフバウ印刷
適性試験機による塗工層のピック強度試験を行った。 (カプセルスラリーの調整)アクリル系共重合体の5%
水溶液180部に尿素10部、レゾルシン10部を溶解
し親水性溶液とした。次いで電子供与性発色剤として4
部のクリスタルバイオレットラクトンを120部のジア
リールアルカン系溶媒に溶解した疎水性溶液を、先に得
た親水性溶液中に激しく撹拌しながら添加し平均粒径5
μの乳化液を得た。次いで37%ホルマリン液27部を
この乳化液に加え撹拌を続けながら55℃に昇温して3
時間カプセル化反応を行った後、アンモニア水溶液で中
和してカプセルスラリーを得た。 (発色剤層標準塗料の調整)水200部にデンプン粒3
5部、マイクロカプセルスラリー(25%固形分濃度に
調整)400部、40%のラテックス7.5部、10%
のポリビニルアルコール110部を順次撹はんしながら
混合し、さらに水を加えて最終的に18%濃度の発色剤
層標準塗料を調整した。 (顕色剤層標準塗料の調整)3、5−ジ(α−メチルベ
ンジル)サリチル酸亜鉛をサンドグラインダーにより均
一に分散して平均粒径2μmの濃度20重量%の分散液
を得た。この分散液50部、50%の重質炭酸カルシウ
ム分散液40部、吸油量59ml/100gの化学処理
により生成されたカオリン凝集体の50%分散液160
部を混合分散し、更にバインダーとして、10%のポリ
ビニルアルコール250部を加えて顕色剤層標準塗料を
調整した。
【0024】[実施例1]顕色剤層標準塗料にポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム塩を乾燥重量にして5部添加
し、さらに水を加えて塗料濃度を25%に調整して顕色
剤層塗料とした。坪量60g/m2 の上質紙のワイヤー
面に予め水だけを塗布乾燥した。次いでこの反対のフェ
ルト面に顕色剤層塗料をエアーナイフコーターにより塗
布量が約7g/m2 、水分量が4〜6%となるように毎
分100mの塗工速度で塗布乾燥し、その後さらにワイ
ヤー面にスチームダンピングを行いカール修正をしてノ
ーカーボン下用紙を得た。塗布量の実測値は6.7g/
2 であり、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの塗布
量計算値は0.24g/m2 となった。
【0025】[実施例2]ポリスチレンスルホン酸ナト
リウム塩の添加量を10部にした以外は実施例1と同様
にして下用紙を作成した。塗布量の実測値は6.6g/
2 であり、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの塗布
量計算値は0.46g/m2 となった。
【0026】[実施例3]ポリスチレンスルホン酸ナト
リウム塩の添加量を15部にした以外は実施例1と同様
にして下用紙を作成した。塗布量の実測値は6.5g/
2 であり、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの塗布
量計算値は0.65g/m2 となった。
【0027】[実施例4]ポリスチレンスルホン酸ナト
リウム塩の添加量を20部にした以外は実施例1と同様
にして下用紙を作成した。塗布量の実測値は6.5g/
2 であり、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの塗布
量計算値は0.84g/m2 となった。
【0028】[実施例5]発色剤層標準塗料を坪量60
g/m2 の上質紙のワイヤー面にエアーナイフコーター
により塗布量が4g/m2 、水分量が4〜6%となるよ
うに毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いでこ
の反対のフェルト面に実施例2で調整した顕色剤層塗料
(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩を10部配合)
を同じくエアーナイフにより塗布量が7g/m2 、水分
量が4〜6%となるように毎分100mの塗工速度で塗
布乾燥し、その後さらにワイヤー面にスチームダンピン
グを行いカール修正をしてノーカーボン中用紙を得た。
顕色剤層の塗布量は、6.6g/m2 であり、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウムの塗布量計算値は0.46g
/m2 となった。
【0029】[実施例6]顕色剤層標準塗料にポリスチ
レンスルホン酸アンモニウム塩を乾燥重量にして10部
添加し、さらに水を加えて塗料濃度を25%に調整して
顕色剤層塗料とした。坪量60g/m2 の上質紙のワイ
ヤー面に予め水だけを塗布乾燥した。次いでこの反対の
フェルト面に顕色剤層塗料をエアーナイフコーターによ
り塗布量が約7g/m2 、水分量が4〜6%となるよう
に毎分100mの塗工速度で塗布乾燥し、その後さらに
ワイヤー面にスチームダンピングを行いカール修正をし
てノーカーボン下用紙を得た。塗布量の実測値は6.8
g/m2 であり、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの
塗布量計算値は0.47g/m2 となった。
【0030】[実施例7]発色剤層標準塗料にポリスル
ホン酸ナトリウム塩を乾燥重量にして10部添加し、さ
らに水を加えて塗料濃度を18%に調整して発色剤層塗
料とした。発色剤層塗料を坪量60g/m22 上質紙の
ワイヤー面にエアーナイフコーターにより塗布量が4g
/m2 、水分量が4〜6%となるように毎分100mの
塗工速度で塗布乾燥した。次いでこの反対のフェルト面
に水を塗布乾燥し、その後さらにワイヤー面にスチーム
ダンピングを行いカール修正をしてノーカーボン上用紙
を得た。塗布量の実測値は3.5g/m2 であり、ポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム塩の塗布量計算値は、
0.22g/m2 となった。
【0031】[比較例1]顕色剤層標準塗料に水を加え
て塗料濃度を25%に調整して顕色剤層塗料とした。坪
量60g/m2 の上質紙のワイヤー面に予め水だけを塗
布乾燥した。次いでこの反対のフェルト面に顕色剤層塗
料をエアーナイフコーターにより塗布量が約7g/
2 、水分量が4〜6%となるように毎分100mの塗
工速度で塗布乾燥し、その後さらにワイヤー面にスチー
ムダンピングを行いカール修正をしてノーカーボン下用
紙を得た。塗布量の実測値は6.7g/m2 であった。
【0032】[比較例2]発色剤層塗料を坪量60g/
2 の上質紙のワイヤー面にエアーナイフコーターによ
り塗布量が4g/m2 、水分量が4〜6%となるように
毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いでこの反
対のフェルト面に比較例1で調整した顕色剤層塗料(ポ
リスチレンスルホン酸ナトリウム塩無配合)を同じくエ
アーナイフにより塗布量が7g/m2 、水分量が4〜6
%となるように毎分100mの塗工速度で塗布乾燥し、
その後さらにワイヤー面にスチームダンピングを行いカ
ール修正をしてノーカーボン中用紙を得た。
【0033】[比較例3]発色剤層標準塗料を坪量60
g/m2 の上質紙のワイヤー面にエアーナイフコーター
により塗布量が4g/m2 、水分量が4〜6%となるよ
うに毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いでこ
の反対のフェルト面に水を塗布乾燥し、その後さらにワ
イヤー面にスチームダンピングを行いカール修正をして
ノーカーボン上用紙を得た。塗布量は、3.5g/m2
であった。
【0034】[比較例4]顕色剤層標準塗料に予め水に
溶解した塩化ナトリウ水溶液を乾燥重量にして10部添
加し、さらに水を加えて塗料濃度を25%に調整して顕
色剤層塗料とした。坪量60g/m2 の上質紙のワイヤ
ー面に予め水だけを塗布乾燥した。次いでこの反対のフ
ェルト面に顕色剤層塗料をエアーナイフコーターにより
塗布量が約7g/m2 、水分量が4〜6%となるように
毎分100mの塗工速度で塗布乾燥し、その後さらにワ
イヤー面にスチームダンピングを行いカール修正をして
ノーカーボン下用紙を得た。塗布量の実測値は6.9g
/m2 であり、塩化ナトリウムの塗布量計算値は0.4
8g/m2 となった。
【0035】[比較例5]塩化ナトリウムの添加量を2
0部にした以外は比較例4と同様にして下用紙を作成し
た。塗布量の実測値は7.0g/m2 であり、塩化ナト
リウムの塗布量計算値は0.90g/m2 となった。塗
工層面の状態が非常に悪く、凝集物のようなものが観察
された。
【0036】<表面抵抗率の測定>実施例および比較例
のノーカーボン複写紙を約10センチ四方に切りとり、
温度20℃、湿度65%に管理された試験室で24時間
調湿した後に、同試験室内でYHP 4329A HIGT RESISTANC
E METER およびHP 16008A RESISTIVITY CELLを使用して
顕色剤層塗工面の表面抵抗率を測定した。測定結果を表
1に示した。この測定結果より、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウムを添加した本願発明の実施例1〜7では、
顕色剤層の表面抵抗率が1×1011オーム以下であるこ
とがわかる。 <高速レーザービームプリンター印刷試験>実施例およ
び比較例のノーカーボン複写紙をA4サイズの平判に断
裁し、500枚程度を高速レーザービームプリンタ(日
立工機社製H−6286)により印刷試験を行った。評
価結果を表2に示した。本願発明の実施例1〜7では印
刷トラブルの発生がなかった。 <ピック強度>印刷適性試験機(Prufbau社製)
を使用して顕色剤層塗工面のドライおよびウェットピッ
クの強さを目視により比較した。試験結果を表3に示し
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本願発明のノーカボン複写紙は、顕色剤
塗工層あるいは発色剤塗工層にポリスチレンスルホン酸
ナトリウム塩あるいはポリスチレンスルホン酸アンモニ
ウム塩を塗布量にして0.1g/m2 から1.0g/m
2 含有することにより、ノーカーボン複写紙に特有の多
枚数複写機能や印刷時に重要となる塗工面の状態や表面
強度を劣化させることなく、従来は非常に大きかった塗
工層表面の電気抵抗を低くすることが可能になった。従
って、印刷時における静電気の発生が非常に少なくなる
ために、平判用紙としてレーザービームプリンターで使
用した時にも紙詰まり、感光ドラムへの付着、重送、ソ
ーター部での収容性不良などのトラブル発生が極端に少
なくなり、印刷作業の効率が格段に向上した。また、塗
工面の表面強度が高いためオフセット印刷においても印
刷適性が極めて良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−172345(JP,A) 特開 昭59−124887(JP,A) 特開 平6−286312(JP,A) 特開 昭64−34782(JP,A) 特開 平4−224992(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/124 - 5/165

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、主成分として顕色剤を含有する
    顕色剤塗工層あるいは主成分として発色剤を包含したマ
    イクロカプセルを含有する発色剤塗工層を有するノーカ
    ーボン複写紙において、該顕色剤塗工層あるいは該発色
    剤塗工層が、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩ある
    いはポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩を塗布量に
    して0.1g/m 2 から1.0g/m 2 含有し、かつJI
    S−P8111に従って前処理した該顕色剤塗工層面あ
    るいは該発色剤塗工層面の表面抵抗率がJIS−K69
    11の試験方法により測定したとき1.0×1011オー
    ム以下であるノーカーボン複写紙。
  2. 【請求項2】該顕色剤塗工層が、顕色剤としてサリチル
    酸誘導体あるいはその多価金属塩を含有し、かつ填料と
    して炭酸カルシウムあるいはカオリンを含有する請求項
    記載のノーカーボン複写紙。
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