JPH0999639A - ノーカーボン複写紙およびこれを用いた多枚数複写伝票 - Google Patents

ノーカーボン複写紙およびこれを用いた多枚数複写伝票

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JPH0999639A
JPH0999639A JP7257634A JP25763495A JPH0999639A JP H0999639 A JPH0999639 A JP H0999639A JP 7257634 A JP7257634 A JP 7257634A JP 25763495 A JP25763495 A JP 25763495A JP H0999639 A JPH0999639 A JP H0999639A
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paper
water
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carbonless
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JP7257634A
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English (en)
Inventor
Akira Kanamori
章 金森
Fuminari Nonomura
文就 野々村
Tadashi Yoshida
正 吉田
Toshibumi Nishikubo
俊文 西久保
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザービームプリンターにおける平判印刷
でも紙詰まりが発生せず、ソーター部での収容性が良好
なノーカーボン複写紙の提供。 【解決手段】 上用紙では発色剤塗工層を塗布乾燥した
後にその反対面側に水あるいは水溶性高分子の稀薄水溶
液を塗布乾燥し、中用紙では発色剤塗工層を塗布乾燥し
た後にその反対面側に顕色剤塗工層を塗布乾燥し、下用
紙では水あるいは水溶性高分子の稀薄水溶液を塗布乾燥
した後にその反対面側に顕色剤塗工層を塗布乾燥して製
造したノーカーボン複写紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、多枚数複写伝票
に広く利用されているノーカーボン複写紙に関する。詳
しくは、従来より知られている筆記やインパクトプリン
タ−による多枚数複写機能を持ち、なおかつレーザービ
ームプリンターおよび電子複写機などに代表されるヒー
トロール定着工程を有する電子写真記録システムを利用
したプリンターあるいは複写機での印字が可能なノーカ
ーボン複写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ノーカーボン複写紙は、原紙片
側表面に電子供与性発色剤を包含したマイクロカプセル
を含有した発色剤塗工層を設けた上用紙と、原紙片側表
面に発色剤塗工層を設け、かつその反対側表面に電子受
容性顕色剤を含有した顕色剤塗工層を設けた中用紙、お
よび原紙片側表面に顕色剤塗工層を設けた下用紙があ
り、二枚複写では上用紙と下用紙を、三枚以上の複写で
は上用紙と下用紙の間に必要枚数の中用紙をはさみ、発
色剤塗工層と顕色剤塗工層が対面接触するように丁合し
て使用する。
【0003】発色剤塗工層は、マイクロカプセル、緩衝
剤、バインダーで構成されている。マイクロカプセル
は、電子供与性発色剤と呼ばれる通常は白色あるいは淡
薄色の染料を非極性溶媒で溶解し、この液滴を各種の高
分子膜で包含した数ミクロンから数十ミクロン程度の粒
子であり、筆圧あるいはタイプ圧により破壊されて内包
物が放出される。緩衝剤は、マイクロカプセルよりも若
干大きな高分子粒子あるいは無機粒子が使われ、筆圧や
タイプ圧以外の不必要な圧力や摩擦からマイクロカプセ
ルを保護し、汚染と発色のバランスを調整している。こ
のほかに各種添加剤を含む場合もあるがこれらをバイン
ダーとよばれるラテックス、ポリビニルアルコール、デ
ンプン、アクリル系樹脂などの各種の高分子が原紙に固
定化して発色剤層を構成している。
【0004】顕色剤塗工層は主に電子受容性顕色剤、填
料、バインダーで構成されている。電子受容性顕色剤は
酸性粘度鉱物などの無機酸あるいはフェノール樹脂、サ
リチル酸誘導体またはその多価金属塩などの有機酸であ
り、接触することにより電子供与性発色剤を発色させる
機能をもっている。填料はマイクロカプセル破壊時に非
極性溶媒が転移しやすいようなポーラスで吸油性に富ん
だ材料が使用され、一般には炭酸カルシウム、カオリン
などの安価な材料が使用されている。この他に、画像保
存性を向上させるために紫外線吸収剤や耐水化剤などの
各種添加剤を含む場合もあり、これらをバインダーが原
紙に固定化して顕色剤層を構成している。
【0005】これら発色剤塗工層と顕色剤塗工層が対面
接触するように丁合されたノーカーボン複写紙伝票に筆
圧あるいはタイプ圧が加わると、発色剤塗工層のマイク
ロカプセルが破壊されて内包された電子供与性発色剤が
非極性溶媒とともに放出し、対面接触した顕色剤塗工層
に転移して電子受容性顕色剤と化学反応を起こして発色
する。
【0006】この様にノーカーボン複写紙は、多枚数複
写機能を持たせるために発色剤塗工層および顕色剤塗工
層と呼ばれる少なくとも2種類の塗工層の組み合わせか
らなっており、成分組成も上述したように大きな違いが
ある。このために、上用紙、中用紙、下用紙は各々その
用紙両面の構造が非常に異なっていることが大きな特徴
である。
【0007】さて、ユーザーニーズの多用化にともない
ノーカーボン複写紙は、筆記やノンインパクトプリンタ
ーでの多枚数複写機能以外にレーザービームプリンター
での印刷適性の付与が求められている。レーザービーム
プリンターでの印刷は、多枚数伝票のフォ−マット印刷
や各々の伝票に固有の情報などの印刷に利用されてお
り、従来は凸版印刷やオフセット印刷により行われてい
たが、近年、コンピュータ機能が付加した高速なレーザ
ービームプリンターが普及するようになり注目を集めて
いる。レーザービームプリンターの長所としては、コン
ピュータ機能の付加により、DTP(デスクトップパブ
リッシング)、DP(デジタルプレス)と呼ばれるディ
スプレー上で印刷内容の作成および編集が可能であり、
製版工程をとばして印刷が行えることである。また、小
スペース化や印刷インキを使用しないために作業環境改
善などの優位性も挙げられる。
【0008】ノーカーボン複写紙の中には既にレーザー
ビームプリンターによる高速印刷が可能なものも市販さ
れているが、これらは巻取として供給されフォーム印刷
がなされる連続伝票に使用されているものの、平判印刷
の単票(枚葉)には利用されていない。この理由は、ノ
ーカーボン複写紙を平判用紙としてレーザービームプリ
ンターで印刷すると、用紙が大きくカールするためにプ
リンター内部で紙詰まりが発生したりソーター部での収
容不良が起き、極度に印刷作業効率が悪くなるからであ
る。連続用紙の場合は、このカールが紙のテンションに
より強制的に伸ばされているために印刷トラブルが起こ
らずに利用できる。もし、連続用紙同様に平判用紙でも
カール発生の問題がなくなり印刷トラブルが起こらなけ
れば単票印刷に利用でき、小ロット多品種の伝票を印刷
するには好都合である。さらに、レーザービームプリン
ターのソーター機能を使えば印刷と同時に丁合が行える
ので、コレーターと呼ばれる丁合装置も不要となり作業
効率が改善される。
【0009】しかし、前述した様にノーカーボン複写紙
は、その特性上、上用紙、中用紙、下用紙ともに各々用
紙両面の構造および性質が非常に異なるため、単に巻取
を平判用紙に断裁して使用しただけではPPC(Pla
in Paper Copy)用紙と違いレーザービー
ムプリンターでは大きなヒートカールが発生して使用す
ることができない。それゆえ、発生するヒートカールを
小さくし、ノーカーボン複写紙を平判用紙としてレーザ
ービームプリンターで印刷可能とすることへの要望は高
まっているが、現在のところノーカーボン複写紙そのも
のを改良し、このヒートカールを抑えて印刷トラブルを
防止する技術は無い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】我々が解決しようとす
る課題は、ノーカーボン複写紙に工夫を凝らすことによ
り、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−で平判用紙として印刷を
行ってもヒートカールの発生が小さく、紙詰まりやソ−
タ−部での収容不良などを起こさない印刷走行性の極め
て優れたノーカーボン複写紙を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決する
ために検討を行ったところ、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−
での印刷において用紙が大きなヒートカ−ルを起こし、
紙詰まりやソ−タ−収容不良を起こす原因は次のような
ものであることが判明した。
【0012】レ−ザ−ビ−ムプリンタ−では、感光ドラ
ム上に形成されたトナ−画像を紙面に転写し定着する工
程が存在する。定着方法はプリンターにより異なるが、
最も多く利用されている方法にヒ−トロ−ルによる加熱
圧着方式がある。この方式では、200℃程度に加熱さ
れたヒ−トロ−ルと呼ばれるロールがトナー画像の転写
された紙面を加圧し、その熱と圧力によってトナーを定
着している。ヒートカールは、用紙がヒートロールと接
触することにより接触片面側から急激な加熱乾燥を受け
て収縮し、その結果用紙表裏に収縮の差が生じるため発
生する。そして、このカールが大きな原因となって印刷
トラブルが引き起こされる。
【0013】仮にヒートロールが接触する紙面側を表面
とし、その反対面を裏面とすれば、加熱により裏面より
も表面がより大きな熱量を受けるため乾燥収縮量も大き
くなり表面側を内側にしてカールが発生する。しかし、
これはあくまでも全く均質な紙の場合であり、しかも受
ける熱量が表面側が多い場合である。実際には紙の表裏
は全く均質な構造ではなく、表面が裏面よりも加熱乾燥
による収縮率が小さい場合や、熱伝導性が非常に高くて
受ける熱量に表裏差がない場合もあり、必ずしもヒート
ロールの接触面側を内側にしてカールするとは限らな
い。
【0014】通常PPC(Plain Paper C
opy)用紙では、繊維配向や微細繊維の含有率や分布
の調整、クレー、タルクなどの填料の添加、抄紙後の乾
燥における表裏両面の同時乾燥などの方法によって紙面
表裏の収縮率の差を小さくし、レーザービームプリンタ
ーや電子複写機でのヒートカールを抑制して走行性を良
くしている。
【0015】しかし、ノーカーボン複写紙の場合には、
そう簡単にはいかない。それは、紙の繊維構造以外にさ
らに組成の異なる特殊な塗工層がカール発生に大きく影
響するためであり、PPC用紙のヒートカール防止の技
術はほとんど効果がなく、PPC用紙を原紙としてノー
カーボン複写紙を製造した場合もやはり大きなヒートカ
ールが発生し、原紙の違いによるカール改善の効果は見
られなかった。
【0016】そこで、本発明者らは、鋭意検討した結
果、発色剤塗工層および顕色剤塗工層を一定の規則のも
とに原紙に設けることを見出し、PPC用紙などの普通
紙でのヒートカール防止技術とは異なった、塗工紙、特
にノーカーボン複写紙に特有の技術を完成するに至っ
た。
【0017】すなわち、本願発明は、原紙片側表面に電
子供与性発色剤を包含したマイクロカプセルを含有する
発色剤塗工層を塗布乾燥した後にその反対側表面に水あ
るいは水溶性高分子の稀薄水溶液を塗布乾燥して製造し
たノーカーボン複写紙、原紙片側表面に電子供与性発色
剤を包含したマイクロカプセルを含有する発色剤塗工層
を塗布乾燥した後にその反対側表面に電子受容性顕色剤
を含有する顕色剤塗工層を塗布乾燥して製造したノーカ
ーボン複写紙、および原紙片側表面に水あるいは水溶性
高分子の稀薄水溶液を塗布乾燥した後にその反対側表面
に電子受容性顕色剤を含有する顕色剤塗工層を塗布乾燥
して製造したノーカーボン複写紙に関する。
【0018】本願発明において、請求項1に記載のノー
カーボン複写紙は原紙片側表面に発色剤塗工層を有する
上用紙であり、請求項2に記載のノーカーボン複写紙は
原紙片側表面に発色剤塗工層およびその反対側表面に顕
色剤塗工層を有する中用紙であり、請求項3に記載のノ
ーカーボン複写紙は原紙片側表面に顕色剤塗工層を有す
る下用紙である。
【0019】これらのノーカーボン複写紙を市販されて
いる汎用のレーザービームプリンターに使用して印刷を
行うと、ヒートカールの発生が小さいため紙詰まりやソ
ーター部での収容不良が極度に少なく、従来のノーカー
ボン複写紙に比べて印刷作業効率が非常に向上する。
【0020】また、本願発明のノーカーボン複写紙は、
凸版およびオフセットでも従来通りに印刷が行えるの
で、レーザービームプリンター専用のノーカーボン複写
紙としてだけではなくあらゆる用途に従来通り使用する
ことができる。また、それが故に本願発明以外の従来の
ノーカーボン複写紙や普通紙と組み合わせて多枚数伝票
を作製することが可能である。例えば、上用紙、中用
紙、下用紙よりなる3枚複写伝票の場合、本願発明のノ
ーカーボン複写紙にレーザービームプリンターによりフ
ォーム印刷した上用紙と、本願発明以外のノーカーボン
複写紙にオフセット印刷した中用紙と、本願発明のノー
カーボン複写紙にオフセット印刷した下用紙とを組み合
わせて3枚複写伝票を作ることができる。
【0021】さらに、本願発明のノーカーボン複写紙だ
けを使用すれば、あらかじめ所定のサイズに断裁した平
判用紙として、レーザービームプリンターによる印刷と
同時にプリンターのソーター部の丁合い機能を利用して
多枚数複写伝票を丁合いすることができる。これは、本
願発明のノーカーボン複写紙の場合、印刷直後に発生す
るヒートカールが非常に小さいことによって可能になる
特有の効果であり、従来のノーカーボン複写紙では、紙
詰まりが頻繁に起きたりソーター部での紙揃えが悪いた
めにこの作業は大変難しく実用できるものではなかっ
た。
【0022】
【発明の実施の形態】本願発明のノーカーボン複写紙を
得るには、まず上用紙の場合、原紙片側表面に電子供与
性発色剤を包含したマイクロカプセルを含有する発色剤
塗工層を塗布乾燥した後に、その反対側表面に水あるい
は水溶性高分子の稀薄水溶液を塗布乾燥することによっ
て製造できる。次に中用紙の場合は、原紙片側表面に電
子供与性発色剤を包含したマイクロカプセルを含有する
発色剤塗工層を塗布乾燥した後にその反対側表面に電子
受容性顕色剤を含有する顕色剤塗工層を塗布乾燥するこ
とによって製造できる。さらに、下用紙の場合は、原紙
片側表面に水あるいは水溶性高分子の稀薄水溶液を塗布
乾燥した後にその反対側表面に電子受容性顕色剤を含有
する顕色剤塗工層を塗布乾燥することによって製造でき
る。
【0023】本願発明に使用される塗工層の各構成成分
であるマイクロカプセル、緩衝材、顕色剤、填料、添加
材、バインダーなどの個々の材料については特に制限は
なく、さらに塗工層の塗布量や原紙の種類なども通常の
ノーカーボン複写紙において行なわれている範囲内であ
る。従って、本願発明の発色剤塗工層のマイクロカプセ
ルにはいかなる種類の膜材も使用することができる。例
えば、ポリウレタン尿素樹脂膜、ポリアミド樹脂膜、尿
素ホルムアルデヒド樹脂膜、メラミンホルムアルデヒド
樹脂膜などを挙げることができる。
【0024】また、本願発明に使用されるマイクロカプ
セルに内包される電子供与性発色剤としては、トリフェ
ニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フ
ェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、
インドリルアザフタリド系化合物、ロイコオーラミン系
化合物、スピロピラン系化合物、ローダミンラクタム系
化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化
合物などに分類されるこの分野で公知の化合物を挙げる
ことができる。
【0025】本願発明の発色剤塗工層の緩衝剤として
は、小麦、コーン、米、サゴなどの生デンプン粒、ある
いは加工デンプン粒および合成高分子樹脂粒などが挙げ
られる。
【0026】本願発明に使用される電子受容性顕色剤と
しては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイトなどの
無機個体酸類および有機顕色剤を単独あるいは混合して
使用することができる。有機顕色剤としては、通常有機
顕色剤として知られている有機酸性物質のいずれも使用
可能である。具体的に例示すると特公昭42−2014
4号に記載されているフェノールホルムアルデヒド樹
脂、フェノールアセトアルデヒド樹脂、フェノールアセ
チレン樹脂、及びこれらの多価金属塩;特公昭49−1
0856号、特公昭49−55410号、及び特公昭5
1−25174号に記載されている安息香酸、4−メチ
ル−3−ニトロ安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、
2、5−ジニトロ安息香酸、p−tert−ブチル安息
香酸、4−メチル−3−ニトロ安息香酸、サリチル酸、
m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、
3、5−ジニトロサリチル酸、5−tert−ブチルサ
リチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−メチル−5−
tert−ブチルサリチル酸、3、5−ジ−tert−
ブチルサリチル酸、3、5−ジ−tert−アミルサリ
チル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、5−シクロヘ
キシルサリチル酸、3−メチル−5−イソアミルサリチ
ル酸、5−イソアミルサリチル酸、3、5−ジ−sec
−ブチルサリチル酸、5−ノニルサリチル酸、2−ヒド
ロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチル安息香酸、5、5−メチレンジサリチル
酸、アセトアミノ安息香酸、2、4−ジヒドロキシ安息
香酸、2、5−ジヒドロキシ安息香酸、3、5−ジ−
α、α−ジメチルベンジルサリチル酸、3、5−ジ−α
−メチルベンジルサリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸、等の芳香族カルボン酸類、並
びにそれら芳香族カルボン酸と銅、鉛、マグネシウム、
亜鉛、アルミニウム、スズ、ニッケル等の金属との金属
塩;特開昭63−19486に記載されているカルボキ
シ変性テルペンフェノール樹脂の多価金属塩;特開昭4
8−8215に記載されているサリチル酸ノボラック樹
脂;特開昭62−176875、特開昭63−5309
2、特開昭63−186729等に記載されているサリ
チル酸とアルコキシキシレン、あるいはトリアルキルベ
ンゼン、およびスチレン誘導体等の化合物との共重合
物、あるいはその多価金属塩;特開昭63−13285
7に記載されているオリゴベンジル化された芳香族ヒド
ロキシカルボン酸の金属塩等を挙げることができる。
【0027】また、本願発明の填料としては、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カル
シウム、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、珪酸アルミニウム、タルク、活性白土などを単
独あるいは2種類以上併用することができる。
【0028】また、本願発明のバインダ−には例えば、
蛋白類(ゼラチン、アルブミン、カゼインなど)、デン
プン類(穀物デンプン、α化デンプン、酸化デンプン、
エ−テル化デンプン、エステル化デンプンなど)、セル
ロ−ス誘導体(カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキ
シプロピルセルロ−ス、メチルセルロ−スなど)などの
水溶性天然高分子化合物、ポリビニルアルコ−ル、アク
リルアミド変性ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、マレイ
ン酸共重合物などの水溶性合成高分子化合物を使用する
ことができる。また、ラテックスバインダ−としては、
スチレン−ブタジエン・ラテックス、アクリロニトリル
−ブタジエン・ラテックス、アクリル酸エステル・ラテ
ックス、酢酸ビニル系ラテックス、メチルメタクリレ−
ト−ブタジエン・ラテックス及びこれらのカルボキシ変
性(例えばアクリル酸)ラテックスなどを使用すること
ができる。
【0029】本願発明の発色剤塗工層の塗工、乾燥の後
に行う塗工面の反対側面への水あるいは水溶性高分子の
稀薄水溶液の塗布乾燥(以下、これを「水塗り」とい
う。)および顕色剤塗工層の塗工、乾燥の前に予め行う
塗工面の反対側面への水塗りは、本願発明のノーカーボ
ン複写紙に必須の条件である。経済的には水を塗布、乾
燥することが最も望ましいが、水の他にポリビニールア
ルコール、ラテックス、デンプンなどの水溶性高分子の
稀薄溶液を使用することもできる。ここで重要なことは
原紙を水で濡らして乾燥することであり、水溶性高分子
の種類や稀釈濃度はあまり問題ではない。しかし、ヒー
トカールの大きさに多少の影響はあるので実際には塗工
層の構成に応じてヒートカールとのバランスにより水溶
性高分子の種類および濃度を決定することが好ましく、
稀釈濃度は多くの場合1%以下程度である。
【0030】これら水溶性高分子としては例えば、蛋白
類(ゼラチン、アルブミン、カゼインなど)、デンプン
類(穀物デンプン、α化デンプン、酸化デンプン、エ−
テル化デンプン、エステル化デンプンなど)、セルロ−
ス誘導体(カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプ
ロピルセルロ−ス、メチルセルロ−スなど)などの水溶
性天然高分子化合物、ポリビニルアルコ−ル、アクリル
アミド変性ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、マレイン酸
共重合物などの水溶性合成高分子化合物を使用すること
ができる。
【0031】塗工方法としては、エアーナイフ塗工、バ
ー塗工、ロール塗工、ブレード塗工、カーテン塗工、グ
ラビア塗工などのいずれの方法も利用することができ
る。
【0032】本願発明のノーカーボン複写紙の特徴は、
発色剤塗工層および顕色剤塗工層の各構成成分や塗工量
にあるのではなく、上用紙では発色剤塗工層を原紙片側
表面に塗布、乾燥した後にその反対側表面に水あるいは
水溶性高分子の稀薄水溶液を塗布乾燥し、中用紙では原
紙片側表面に発色剤塗工層を塗布乾燥した後にその反対
側表面に顕色剤塗工層を塗布乾燥し、下用紙では原紙片
側表面に水あるいは水溶性高分子の稀薄水溶液を塗布乾
燥した後に顕色剤塗工層を塗布乾燥するといった、水塗
りを含めた塗工順序を限定することによって再構築され
た原紙繊維構造の歪と塗工層の加熱収縮率のバランスに
ある。
【0033】一般にノーカーボン複写紙において、上用
紙、中用紙、および下用紙のヒートカール挙動には大き
な差があり、その原因としては次の2つの要因が影響し
ていると考えられる。まず、発色剤塗工層と顕色剤塗工
層とにおける加熱収縮率の差であり、我々の研究による
と、炭酸カルシウム、カオリン、酸化亜鉛など無機填料
を多く含む顕色剤塗工層の方が発色剤塗工層に比べて加
熱収縮率が小さかった。さらに、水塗りだけを行った原
紙面の加熱収縮率は、顕色剤塗工層よりも大きく発色剤
塗工層よりも小さかった。
【0034】また、最終の塗工面がどの面になるかによ
って、ヒートカールの挙動は大きく影響を受ける。一般
に、塗工紙は塗工直後に非常に大きなカールを生じる。
この現象は周知の事実であり、常に塗工面側に大きなカ
ールが発生する。これは原紙が塗工液に濡れ、再び乾燥
することで繊維構造が変化するからであり、この歪を解
消あるいは矯正するために塗工面の反対面側にスチーム
ダンピングを施してこのカールを修正している。しか
し、このダンピングによって塗工直後の見かけ上のカー
ルは修正されているが、潜在化した原紙の繊維構造の歪
は完全に修正されておらず、ヒートロールとの接触によ
る急激な加熱乾燥によって塗工紙は再び塗工面側にカー
ルを生じる。つまり、最終に塗工を施した塗工面側にヒ
ートカールが発生しやすい傾向がある。ここでの塗工と
は、塗料を塗るだけではなく水塗りも含めて、原紙を水
で濡らし乾燥する工程を意味している。
【0035】極端な例であるが、ヒートカールの小さい
ノーカーボン複写紙を製造するための本願発明の技術を
わかりやすく説明すると以下のようになる。仮に塗工層
の違いおよび最終塗工面によりヒートカールに及ぼす影
響を、 発色剤塗工面のヒートカールへの影響:50mm 顕色剤塗工面のヒートカールへの影響:10mm 原紙面のヒートカールへの影響:40mm 最終塗工面のヒートカールの大きさ:20mm とすると、各々のノーカーボン複写紙のヒートカールの
大きさは表1のようになる(通常の印字面をプラスと
し、上用紙では原紙面側、中用紙、下用紙では顕色剤層
塗工面側への内側カールをプラスカールとした)。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、本願発明で規定されている塗工
順序、すなわち上用紙では発色剤塗工層を設けた後に水
塗り行なった上用紙3、中用紙では発色剤塗工層を顕色
剤塗工層より先に設けた中用紙2、下用紙では顕色剤塗
工層を設ける前に水塗りを行なった下用紙3において、
ヒートカールが小さいことが示されている。
【0038】この様に、本願発明では塗工層の影響によ
るヒートカールを相殺するように最終塗工面が決められ
ており、本願発明の塗工順序とすることによって、ヒー
トカールを小さくすることができる。これに対し最終塗
工面を逆転すると、ヒートカールはより一層強調され、
表1において本願発明と異なる塗工順序の上用紙2、中
用紙1、および下用紙2では大きな値となっている。従
って、水塗りを含めた塗工順序の限定は、ヒートカール
を小さくするための極めて効果的な手段である。
【0039】
【実施例】以下に、実施例によって本願発明をさらに詳
細に説明する。表2の発色剤塗工層と表3の顕色剤塗工
層とを組み合わせて、表4の塗工条件によりノーカーボ
ン複写紙の上用紙、中用紙、下用紙を作製した。具体的
には以下の通り行った。
【0040】<マイクロカプセルスラリーの調整> (カプセルスラリーA)アクリル系共重合体の5%水溶
液180部に尿素10部、レゾルシン10部を溶解し親
水性溶液とした。次いで電子供与性発色剤として6部の
2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソ
ペンチルアミノフルオランを120部のジアリールアル
カン系溶媒に溶解した疎水性溶液を、先に得た親水性溶
液中に激しく撹拌しながら添加し平均粒径5μの乳化液
を得た。次いで37%ホルマリン液27部をこの乳化液
に加え撹拌を続けながら55℃に昇温して3時間カプセ
ル化反応を行った後、アンモニア水溶液で中和してカプ
セルスラリーAを得た。
【0041】(カプセルスラリーB)100部のアルキ
ルナフタレン系溶媒に、電子供与性発色剤として4部の
クリスタルバイオレットラクトンを加熱溶解した。さら
に、3部のペンタエリスリトールのアルキレンオキサイ
ド付加物と4部のヘキサメチレンジイソシアネートのビ
ュレット体および4部のポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネートを添加溶解し疎水性溶液とした。次に、
10部のポリビニルアルコールを190部の水に溶解
し、この親水性溶液を激しく撹拌しながら先に得た疎水
性溶液を注ぎ平均粒径が7μmの乳化液を得た。次いで
80℃、3時間の条件でカプセル化反応を行いカプセル
スラリーBを得た。
【0042】<発色剤層塗料の調整> (発色剤層塗料CB1)水200部にデンプン粒35
部、マイクロカプセルスラリーA(25%固形分濃度に
調整)400部、40%のラテックス7.5部、10%
のポリビニルアルコール110部を順次撹はんしながら
混合し、さらに水を加えて最終的に18%濃度の発色剤
層塗料CB1を調整した。
【0043】(発色剤層塗料CB2)水200部にデン
プン粒20部、マイクロカプセルスラリーB(25%固
形分濃度に調整)400部、40%のラテックス7.5
部、10%のポリビニルアルコール110部を順次撹は
んしながら混合し、さらに水を加えて最終的に18%濃
度の発色剤層塗料CB2を調整した。
【0044】<顕色剤層塗料の調整> (顕色剤層塗料CF1)3、5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸亜鉛をサンドグラインダーにより均一に
分散して平均粒径2μmの濃度20重量%の分散液を得
た。この分散液50部、50%の軽質炭酸カルシウム分
散液200部、および水100部を混合分散し、更にバ
インダーとして、20%の酸化澱粉水溶液25部、と1
0%のポリビニルアルコール50部、40%のラテック
ス25部を加えてさらに水を加えて最終的に25%の顕
色剤層塗料CF1を調整した。
【0045】(顕色剤層塗料CF2)カルボキシ変性テ
ルペンフェノール樹脂の亜鉛塩をサンドグラインダーに
より均一に分散して平均粒径1.5μmの濃度40重量
%の分散液を得た。この分散液25部、50%の重質炭
酸カルシウム分散液40部、吸油量59ml/100g
の化学処理により生成されたカオリン凝集体の50%分
散液160部、水80部を混合分散し、さらにバインダ
ーとして、10%のポリビニルアルコール200部を加
えてさらに水を加えて最終的に25%の顕色剤層塗料C
F2を調整した。
【0046】(顕色剤層塗料CF3)平均粒径2μmの
3、5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛の2
0%分散液25部と平均粒径1.5μmのカルボキシ変
性テルペンフェノール樹脂の亜鉛塩の40%分散液1
2.5部に水50部、50%の重質炭酸カルシウム分散
液40部、吸油量59ml/100gの化学処理により
生成されたカオリン凝集体の50%分散液160部を混
合分散し、更にバインダーとして、10%のポリビニル
アルコール200部を加えてさらに水を加えて最終的に
25%の顕色剤層塗料CF3を調整した。
【0047】[実施例1]発色剤層塗料CB1を坪量6
0g/m2 の上質紙のワイヤー面にエアーナイフコータ
ーにより塗布量が4g/m2 、水分量が4〜6%となる
ように毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いで
この反対のフェルト面に水だけを発色剤塗料と同様にし
て塗布乾燥し、その後さらにワイヤー面にスチームダン
ピングを行いカール修正をしてノーカーボン上用紙を得
た。
【0048】[実施例2]発色剤層塗料CB2を坪量6
0g/m2 の上質紙のフェルト面にエアーナイフコータ
ーにより塗布量が5g/m2 、水分量が4〜6%となる
ように毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いで
この反対のワイヤー面に水だけを発色剤塗料と同様にし
て塗布乾燥し、その後さらにフェルト面にスチームダン
ピングを行いカール修正をしてノーカーボン上用紙を得
た。
【0049】[比較例1]発色剤層塗料CB1と水塗り
の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実施例1と同様
にしてノーカーボン上用紙を得た。
【0050】[比較例2]発色剤層塗料CB2と水塗り
の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実施例2と同様
にしてノーカーボン上用紙を得た。
【0051】[実施例3]発色剤層塗料CB1を坪量6
0g/m2 の上質紙のフェルト面にエアーナイフコータ
ーにより塗布量が4g/m2 、水分量が4〜6%となる
ように毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いで
この反対のワイヤー面に顕色剤層塗料CF1を同じくエ
アーナイフにより塗布量が6g/m2 、水分量が4〜6
%となるように塗布乾燥し、その後さらにフェルト面に
スチームダンピングを行いカール修正をしてノーカーボ
ン中用紙を得た。
【0052】[実施例4]発色剤層塗料CB2を坪量6
0g/m2 の上質紙のワイヤー面にエアーナイフコータ
ーにより塗布量が5g/m2 、水分量が4〜6%となる
ように毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いで
この反対のフェルト面に顕色剤層塗料CF2を同じくエ
アーナイフにより塗布量が7g/m2 、水分量が4〜6
%となるように塗布乾燥し、その後さらにワイヤー面に
スチームダンピングを行いカール修正をしてノーカーボ
ン中用紙を得た。
【0053】[実施例5]発色剤層塗料CB1を坪量6
0g/m2 の上質紙のワイヤー面にエアーナイフコータ
ーにより塗布量が4g/m2 、水分量が4〜6%となる
ように毎分100mの塗工速度で塗布乾燥した。次いで
この反対のフェルト面に顕色剤層塗料CF3を同じくエ
アーナイフにより塗布量が7g/m2 、水分量が4〜6
%となるように塗布乾燥し、その後さらにフェルト面に
スチームダンピングを行いカール修正をしてノーカーボ
ン中用紙を得た。
【0054】[比較例3]発色剤層塗料CB1と顕色剤
層塗料CF1の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実
施例3と同様にしてノーカーボン中用紙を得た。
【0055】[比較例4]発色剤層塗料CB2と顕色剤
層塗料CF2の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実
施例4と同様にしてノーカーボン中用紙を得た。
【0056】[比較例5]発色剤層塗料CB1と顕色剤
層塗料CF3の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実
施例5と同様にしてノーカーボン中用紙を得た。
【0057】[実施例6]坪量60g/m2 の上質紙の
フェルト面に予め水だけを塗布乾燥した。次いでこの反
対のワイヤー面に顕色剤層塗料CF1をエアーナイフに
より塗布量が7g/m2 、水分量が4〜6%となるよう
に塗布乾燥し、その後さらにフェルト面にスチームダン
ピングを行いカール修正をしてノーカーボン下用紙を得
た。
【0058】[実施例7]坪量60g/m2 の上質紙の
フェルト面に予め水だけを塗布乾燥した。次いでこの反
対のワイヤー面に顕色剤層塗料CF2をエアーナイフに
より塗布量が6g/m2 、水分量が4〜6%となるよう
に塗布乾燥し、その後さらにフェルト面にスチームダン
ピングを行いカール修正をしてノーカーボン下用紙を得
た。
【0059】[実施例8]坪量60g/m2 の上質紙の
ワイヤー面に予め水だけを塗布乾燥した。次いでこの反
対のフェルト面に顕色剤層塗料CF3をエアーナイフに
より塗布量が6g/m2 、水分量が4〜6%となるよう
に塗布乾燥し、その後さらにフェルト面にスチームダン
ピングを行いカール修正をしてノーカーボン下用紙を得
た。
【0060】[比較例6]水塗りと顕色剤層塗料CF1
の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実施例6と同様
にしてノーカーボン紙下用紙を得た。
【0061】[比較例7]水塗りと顕色剤層塗料CF2
の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実施例7と同様
にしてノーカーボン下用紙を得た。
【0062】[比較例8]水塗りと顕色剤層塗料CF3
の塗工乾燥する順序を逆にする以外は、実施例8と同様
にしてノーカーボン下用紙を得た。
【0063】[実施例9]実施例1で得た上用紙の原紙
面にオフセット印刷をした後にA4サイズの平判用紙に
断裁した(流れ方向を縦とした)。
【0064】[実施例10]実施例4で中用紙の顕色剤
層面にオフセット印刷をした後にA4サイズの平判用紙
に断裁した(流れ方向を縦とした)。
【0065】[実施例11]実施例7で得た下用紙の顕
色剤層面にオフセット印刷をした後にA4サイズの平判
用紙に断裁した(流れ方向を縦とした)。
【0066】<評価試験>以上の実施例、比較例で作製
した各々のノーカーボン複写紙をA4サイズの平判用紙
に断裁し(流れ方向を縦とした)、その2000枚程度
を各々単独で高速レーザービームプリンター(富士ゼロ
ックス株式会社製FX4660)により高速印刷(毎分
120枚程度)して、ヒートカールによる紙詰まりの有
無およびソータ部での紙揃え(収容性)を評価した。ま
た、実施例1、3、6および比較例1、3、6の用紙
は、高速レーザービームプリンターのソーター機能を使
って、上、中、下用紙の順序で丁合しながら印刷を行っ
た。
【0067】高速レーザービームプリンターでの評価結
果を表5に示した。評価結果より、本願発明のノーカー
ボン複写紙は、上用紙、中用紙、下用紙ともに高速レー
ザービームプリンターでの印刷において、単独でも、
上、中、下用紙の丁合を行いながらでも、紙詰まりがな
く収容性も良好であることが明らかである。
【0068】
【表2】
【表3】
【0069】
【表4】
【表5】
【0070】
【発明の効果】本願発明のノーカーボン複写紙は、発色
剤塗工層および顕色剤塗工層の形成順序を限定すること
によって、用紙表裏における加熱収縮率のバランスが極
めて良好なものとなっている。その結果、ヒートロール
による加熱圧着方式を利用したトナー定着工程を有する
レーザービームプリンターで平判用紙として印刷を行
い、ヒートロールとの接触により急激に加熱乾燥された
場合でも、ヒートカールの発生が小さく抑えられるので
紙詰まりやソーター部での収容不良を起こすことがな
く、印刷効率をはるかに向上させることができる。さら
に、本願発明のノーカーボン複写紙は、所定のサイズに
断裁した平判用紙とし、従来のノーカーボン複写紙では
不可能であったプリンターでの印刷と同時にソーター機
能による多数枚複写伝票の丁合が可能である。この様
に、本願発明のノーカーボン複写紙は、印刷走行性に優
れるとともに極めて実用性の高いノーカーボン複写紙で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西久保 俊文 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙片側表面に電子供与性発色剤を包含
    したマイクロカプセルを含有する発色剤塗工層を塗布乾
    燥した後にその反対側表面に水あるいは水溶性高分子の
    稀薄水溶液を塗布乾燥して製造したノーカーボン複写
    紙。
  2. 【請求項2】 原紙片側表面に電子供与性発色剤を包含
    したマイクロカプセルを含有する発色剤塗工層を塗布乾
    燥した後にその反対側表面に電子受容性顕色剤を含有す
    る顕色剤塗工層を塗布乾燥して製造したノーカーボン複
    写紙。
  3. 【請求項3】 原紙片側表面に水あるいは水溶性高分子
    の稀薄水溶液を塗布乾燥した後にその反対側表面に電子
    受容性顕色剤を含有する顕色剤塗工層を塗布乾燥して製
    造したノーカーボン複写紙。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2および請求項3記載
    のノーカーボン複写紙を含む多枚数複写伝票。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2および請求項3記載
    のノーカーボン複写紙をレーザービームプリンターで印
    刷し丁合した多枚数複写伝票。
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