JP3026948U - 畳 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】畳床に稲わらを使用しなくとも、わらを用いた
自然の畳を越える性能を発揮できるようにすること。 【解決手段】畳床２を、上から順に、通気性を不織布シ
ート５、不織圧縮板６、可撓性を有した薄板７、樹脂発
泡板８、および化粧部材９を積層することで形成した、
畳１。 【効果】不織圧縮板６が、不織布と同様の特性をもって
いるので、安価であるとともに、軽量であり、クッショ
ン性、吸排湿性、保温性、耐久性等の点で良好な畳を得
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、畳床に稲わらを使用しない畳の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】

わら不足等のため、畳床の心材として稲わらの代わりに発泡ポリスチレン板を 用いた畳がある。

【０００３】 しかし、畳表に近い上層側には、チップをチップ自体の油脂で押し固めて板状 にした木製ボードが用いられているため、稲わらを用いた畳に比べ、クッション 性や保温性、吸排湿性、耐久性の点で劣っている。例えば、家具の脚等により一 部に過負荷が掛かると、木製ボードに反発力はなく、陥没したままとなってしま う。また、吸湿時には、木製ボードが水分を含むことによってチップがバラバラ に分解し、角から形崩れを起こす。

【０００４】

【解決すべき課題及びそのための手段】

そこで、この考案は、稲わらを用いずとも、わら製の自然の畳を越えた性能を 有する畳の提供を課題とする。

【０００５】 そしてそのための手段は、複数の部材を積層して形成した畳床に、畳表を被覆 して形成する畳であって、上記畳床の上層側に、畳床が畳としての剛性と反発力 を発揮するように繊維を圧縮して所定厚の板状に形成した、不織圧縮板を配設し た畳であることを特徴とする。

【０００６】 また、前記不織圧縮板の下側に、畳床に腰を与えるべく可撓性を有した薄板と 、畳床を所定厚にする樹脂発泡板とを順に配設して形成した畳であるもよい。

【０００７】 さらに、不織圧縮板を保護し、その機能を保持すべく、前記不織圧縮板の表面 に、通気性を有する表シートを重合するもよい。そしてこの表シートには、不織 布シートを用いるとよい。

【０００８】 また、外観を良好にするため、前記畳床の下面に化粧部材を配設するもよい。

【０００９】 好ましくは、複数の部材を積層して形成した畳床に、畳表を被覆して形成する 畳であって、上記畳床を、通気性を有する表シートと、畳床が畳としての剛性と 反発力を発揮するように繊維を圧縮して所定厚の板状に形成した不織圧縮板と、 畳床に腰を与えるべく可撓性を有した薄板と、畳床を所定厚にする樹脂発泡板と 、シート状の化粧部材とを、上から順に配設するとともに、線状体で縫合して一 体化した畳であるとよい。

【００１０】

【作用及び効果】

上述の構成によれば、畳床の上層側に配設した不織圧縮板が、上から掛かる荷 重を支え、畳の上に接するものや畳表に対して作用を行なう。すなわち、不織圧 縮板は、あらゆる繊維の使用が可能で、これら適宜の繊維を圧縮して形成してい るので、安価であるとともに、所望のクッション性を付与でき、保温性、吸排湿 性に富み、軽量で所定の剛性も持たせることができる。例えば、反発力が大きい ので、家具の設置により荷重が掛かっても、陥没してしまうようなことはなく、 また吸湿時においても、従来のチップを用いた木製ボードの場合のように分解し て形崩れを起こすようなこともない。したがって、経済性や取扱い性を良好にし つつも、わら製の自然の畳を超越した性能を発揮することができる。

【００１１】 請求項２のように、不織圧縮板の下に薄板を配設した場合には、畳を敷設する 面が老朽化して凹凸がある場合であっても、その凹凸に影響を受けず、畳表の上 面を平面に保つことができる。また、畳が腰を有するので、畳を敷設する時に畳 の端の方をもって行なっても問題はなく、作業は容易である。

【００１２】 請求項３のように、不織圧縮板の表面に、通気性を有する表シートを重合した 場合には、不織圧縮板を摩擦等から保護できるとともに、その機能を保持するこ とができる。この場合には、請求項４のごとく不織布シートを用いると、不織布 の有する機能を発揮できるので、不織圧縮板との相乗効果を生むことができる。

【００１３】 請求項５のように、畳床の下面に樹脂シートなどの化粧部材を配設した場合に は、畳床の下面を保護し、外観を良好にすることが出来るとともに、適宜の文字 を記入することもでき、都合がよい。

【００１４】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図１は、畳１の断面を示す斜視図であり、この図に示すように畳１は、畳床２ の上に畳表３を被覆するとともに、長手方向の両縁に畳縁４を縫着している（図 ２参照）。

【００１５】 畳床２は、複数の部材を積層して形成するもので、図３に示したような各部材 からなっている。上から順に、表シートとしての不織布シート４、不織圧縮板６ 、薄板７、樹脂発泡板８、化粧部材９である。

【００１６】 不織布シート５は通気性を有するもので、下の不織圧縮板６の機能を発揮させ るとともに、保護を行なう。

【００１７】 不織圧縮板６は、畳床２が畳としての剛性と反発力を発揮するように繊維を圧 縮して形成したもので、畳床のおよそ３分の１程度の厚みに設定するとよい。こ の不織圧縮板６は、不織布と同様に、安価である、軽い、寸法安定性がよい、反 発力が大きい、通気性・保温性が良好である、等の特徴を有する。

【００１８】 薄板７は、畳床２に腰を与えるためのもので、可撓性を有している。この薄板 ７には、ベニヤの単板を用いればよく、板目が畳床２の長手方向に走るようにす ると、長さ方向に腰が強くなり、敷設の作業が容易に行なえる。

【００１９】 樹脂発泡板８は、畳床２を所定厚にするもので、ポリスチレン等を用いればよ い。

【００２０】 化粧部材９は、樹脂発泡板８の下面を保護するとともに、外観をよくしたり、 トレードマークや符号などの文字を記すためのもので、樹脂などからなるシート 材である。薄いシート材ではなく、例えば５mm程度の樹脂板であるもよく、この 場合には、その厚みの分、樹脂発泡板８の厚みを減らせばよい。

【００２１】 これら各部材５〜９は、順番に重合した後、図２に示したように線状体として の糸１０で縫って一体化する。このとき、化粧部材９があるので、縫着した状態 で糸１０が樹脂発泡板９に食込むようなことがなく、確固とした縫合状態を維持 できる。

【００２２】 上述のように構成した畳１では、畳床２の上層側に位置する不織圧縮板６が発 揮する効果を享受することができる。すなわち、不織圧縮板６は、あらゆる繊維 の使用が可能で、これら適宜の繊維を圧縮して形成しているので、安価であると ともに、所望のクッション性を付与でき、保温性、吸排湿性に富み、軽量で所定 の剛性も持たせることができる。このため、踏心地や座り心地、寝心地が良好と なる。また、例えば、反発力が大きいので、家具の設置により荷重が掛かっても 、陥没してしまうようなことはなく、さらに吸湿時においても、従来のチップを 用いた木製ボードの場合のように分解して形崩れを起こすようなこともない。し たがって、経済性や取扱い性を良好にしつつも、わら製の自然の畳を超越した性 能を発揮することができる。

【００２３】 また、不織圧縮板６の下には薄板７を配設しているので、畳１を敷設する面が 老朽化して凹凸がある場合であっても、その凹凸に影響を受けず、畳表３の上面 を平面に保つことができる。また、畳１が腰を有するので、畳１を敷設する時に 畳の端の方をもって行なっても問題はなく、作業は容易である。また、腰がある ので、フニャフニャになることはなく、持ち運びも容易であるとともに、軽量で もあるので持ち運びに際しては、わら製の畳のように手を引っ掛ける把手などを 設けずとも、容易に持ち運びができる。

【００２４】 さらに、不織圧縮板６の表面には、通気性を有する不織布シート５を重合して いるので、不織圧縮板６を保護できるとともに、不織布の有する特徴をさらに生 かした相乗効果を生むことができる。

【００２５】 さらにまた、畳床２の下面には化粧部材９を配設しているので、樹脂発泡板８ の下面を保護し、外観を良好にすることが出来るとともに、前述のごとく文字を 記入するのに都合がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】畳の断面を示す斜視図。

【図２】畳の分解斜視図。

【図３】畳床の分解斜視図。

【符号の説明】

１…畳 ２…畳床 ３…畳表 ４…畳縁 ５…不織布シート ６…不織圧縮板 ７…薄板 ８…樹脂発泡板 ９…化粧部材 １０…糸

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の部材を積層して形成した畳床に、畳
   表を被覆して形成する畳であって、上記畳床の上層側
   に、畳床が畳としての剛性と反発力を発揮するように繊
   維を圧縮して所定厚の板状に形成した、不織圧縮板を配
   設した畳。
2. 【請求項２】前記不織圧縮板の下側に、畳床に腰を与え
   るべく可撓性を有した薄板と、畳床を所定厚にする樹脂
   発泡板とを順に配設して形成した請求項１記載の畳。
3. 【請求項３】前記不織圧縮板の表面に、通気性を有する
   表シートを重合した請求項１または請求項２に記載の
   畳。
4. 【請求項４】前記表シートが不織布シートである請求項
   １から請求項３のうちのいずれか一項に記載の畳。
5. 【請求項５】前記畳床の下面に化粧部材を配設した請求
   項１から請求項５のうちのいずれか一項に記載の畳。
6. 【請求項６】複数の部材を積層して形成した畳床に、畳
   表を被覆して形成する畳であって、上記畳床を、通気性
   を有する表シートと、畳床が畳としての剛性と反発力を
   発揮するように繊維を圧縮して所定厚の板状に形成した
   不織圧縮板と、畳床に腰を与えるべく可撓性を有した薄
   板と、畳床を所定厚にする樹脂発泡板と、シート状の化
   粧部材とを、上から順に配設するとともに、線状体で縫
   合して一体化した畳。