JP3026804U

JP3026804U - 免震建造物

Info

Publication number: JP3026804U
Application number: JP1995011906U
Authority: JP
Inventors: 正道新田
Original assignee: 正道新田
Priority date: 1995-10-13
Filing date: 1995-10-13
Publication date: 1996-07-23
Anticipated expiration: 2001-10-13

Abstract

(57)【要約】【課題】地震による低層建造物の揺れや被害を減少す
る。【解決手段】低層建物２の土台５とべた基礎１との間
に、少なくとも横揺れを吸収緩和する免震装置６を設置
する。免震装置６は、基礎１上に固定する複数個の支承
部７、各支承部７の上端の滑り面７ａ上に載せる滑り板
９、該滑り板９どうしを連結する梁部材１０、該滑り板
９の上に立設する支持脚１３、滑り板９を水平方向に引
っ張るコイルバネ１１とからなって、支持脚１３の上端
部を土台受け１４に結合し、この土台受け１４の上に土
台５を固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は木造住宅、プレハブ住宅、アパート、その他の低層建物の免震建造物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、木造住宅では、一般に上部構造物の土台は基礎とアンカーボルトなどで固定されていて、地震による水平荷重は木造わく組壁のせん断抵抗で支え、これによる反力を土台、基礎を通じて地盤に伝えるものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、上記した低層建物の構造では大地震による上部構造物の揺れや被害を充分に免れることができなかった。

【０００４】本考案の目的は、地震による低層建物の上部構造物の揺れや被害の減少を図ることのできる免震建造物を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、低層建物２の土台５とべた基礎１との間に、少なくとも横揺れを吸収緩和する免震装置６を設置するとともに、該免震装置６のメンテナンスの作業空間Ｓを形成してあることを特徴とする。具体的には、免震装置６は、図３のようにゴム２１と鋼板２２を交互に重ね合わせた高減衰多段積層ゴム２０からなり、高減衰多段積層ゴム２０・２０どうしは土台受け１４で連結し、この土台受け１４の上に上記土台５を固定する。または免震装置６は、図１のように基礎１上に固定する複数個の支承部７、各支承部７の上端の滑り面７ａ上に載せる滑り板９、該滑り板９どうしを連結する梁部材１０、該滑り板９の上に立設する支持脚１３、および滑り板９を水平方向に引っ張るコイルバネ１１とからなって、各支持脚１３の上端部を土台受け１４に結合し、この土台受け１４の上に上記土台５を固定する。

【０００６】

【作用】

地震動が地盤から低層建物２の上部構造物に伝達するのを免震装置６で低減できる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

（第１実施例）図１および図２は本考案の第１実施例を示す。図１および図２において、１はべた基礎、２は木造住宅などの低層建物、３は低層建物２の１階の床、４は低層建物２の柱、５は低層建物２の土台、６はべた基礎１と低層建物２の土台５との間に設置した免震装置である。免震装置６は、上端に滑り面７ａを有する高さ可変自在な支承部７を多数個任意間隔をおいてべた基礎１上に並べて固定する。各支承部７の滑り面７ａ上に鋼板などからなる滑り板９を載せる。支承部７の滑り面７ａと接触する滑り板９の下面には低摩擦抵抗のコーティングが施されている。滑り板９どうしは互いに梁部材１０で強固に連結する。各滑り板９の上には高さ可変自在な支持脚１３を立設し、この支持脚１３はこれの上端を形鋼からなる土台受け１４に結合して該土台受け１４を水平に支持する。梁部材１０で連結された滑り板９の全ては四方に多数のコイルバネ１１で引っ張られる。各コイルバネ１１は一端をべた基礎１上に固定したバネ受け１２に、他端を梁部材１０にそれぞれ係止することによって、地震時に滑り板９および土台受け１４を原点位置に戻す働きをする。土台受け１４の上に低層建物２の土台５をボルトなどで結合することによって低層建物２の全重量を免震装置６で支持する。べた基礎１の側壁１ａの上端部と土台受け１４の周囲との間には土台受け１４の水平移動を許容する間隙Ａを設けている。その間隙Ａの上方は土台５から張り出した外周目隠し壁１５で覆っている。べた基礎１と土台５との間には免震装置６のメンテナンス時の作業空間Ｓを確保できるように、土台受け１４はべた基礎１から充分な高さＨ（例えば、７５０〜８００mm）に設定している。

【０００８】これによれば、地震の横揺れにより、免震装置６の支承部７の滑り面７ａと滑り板９との間に、その間の摩擦力以上の水平力が加わると、滑りが発生する。この滑り摩擦によって地震エネルギーを吸収して減衰するため、低層建物２の揺れを低減できる。

【０００９】（第２実施例）図３および図４は本考案の第２実施例を示す。この実施例は上記実施例とは免震装置６の機構を異にする以外は上記実施例と同様である。ここでの免震装置６は多段積層ゴム２０をべた基礎１の上に柱４の直下に位置するよう配置固定する。各多段積層ゴム２０はゴム２１と鋼板２２を交互に重ね合わせて加硫接着してなる高減衰多段積層ゴムであり、多段積層ゴム２０どうしは形鋼からなる土台受け１４で連結される。これによれば、地震時、高減衰多段積層ゴム２０の水平変位や鉛直変位によって地震エネルギーを吸収し、低層建物２の横揺れや縦揺れを低減できる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、基礎１と低層建物２の土台５との間に、少なくとも横揺れを吸収緩和する免震装置６を設置してあるので、地震動が地盤から低層建物２に伝達するのを免震装置６で低減でき、低層建物２の揺れや被害を減少できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の免震建造物の基礎部分の納まり状
態を示す概略断面図である。

【図２】第１実施例の免震建造物の免震装置の配置例を
示す平面図である。

【図３】第２実施例の免震建造物の基礎部分の納まり状
態を示す概略断面図である。

【図４】第２実施例の免震建造物の免震装置の配置例を
示す平面図である。

【符号の説明】

１べた基礎２低層建物５土台６免震装置７支承部９滑り板１０梁部材１１コイルバネ１３支持脚１４土台受け２０高減衰多段積層ゴム２１ゴム２２鋼板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】低層建物２の土台５と基礎１との間に、
少なくとも横揺れを吸収緩和する免震装置６を設置して
あることを特徴とする免震建造物。
【請求項２】低層建物２の土台５とべた基礎１との間
に、少なくとも横揺れを吸収緩和する免震装置６を設置
するとともに、該免震装置６のメンテナンスの作業空間
Ｓを形成してあることを特徴とする免震建造物。
【請求項３】免震装置６が、基礎１上に固定する複数
個の支承部７、各支承部７の上端の滑り面７ａ上に載せ
る滑り板９、該滑り板９どうしを連結する梁部材１０、
該滑り板９の上に立設する支持脚１３、および滑り板９
を水平方向に引っ張るコイルバネ１１とからなって、各
支持脚１３の上端部を土台受け１４に結合し、この土台
受け１４の上に上記土台５を固定した請求項１又は２記
載の免震建造物。
【請求項４】免震装置６がゴム２１と鋼板２２を交互
に重ね合わせた高減衰多段積層ゴム２０からなり、高減
衰多段積層ゴム２０・２０どうしは土台受け１４で連結
し、この土台受け１４の上に上記土台５を固定した請求
項１又は２記載の免震建造物。