JP3026669U - 紙 箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原紙打ち抜き金型の低価格化を図ると共に、
組み立ての簡易化を実現したトムソン型による紙箱を得
る。 【解決手段】 長辺側側面部２、短辺側側面部３、上蓋
部４、底蓋部５、補助蓋部６および貼り合わせ部７から
なる打ち抜き原紙１を作成し、短辺側側面部３に設けた
挿入穴８からステープラーの固定側脚部を挿入して、底
蓋部５と補助蓋部６をステープル止めすることにより紙
箱を組み立てるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、小物物品の包装に利用されるトムソン型による紙箱に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来のトムソン型による紙箱は、その底部で周囲４辺からの延長端部を絡め合 わせて組み立てる構造となっているのが普通であり、絡め合わせのみで接着剤や 治工具なしに組み立てられることを特長としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、紙箱の底部を必要最小限に堅固にするためには強い絡め合わせが必要 となり、絡め具合を強くすると組み立てに時間が掛かると云う矛盾が生じていた 。

【０００４】 従来から上記矛盾を軽減するために、上記延長端部の形状が種々工夫されてい るが、組み立て易くするための曲線部分と外れ難くするための鉤部分は不可欠で 形状が複雑となり、製造時の原紙打ち抜き金型の高額化が避けられなかった。 また、紙箱の底部を必要最小限に強くするためには、４辺の延長端部各部の充 分な重なりが必要となるため組み立てに時間が掛かり、組み立て時間の短縮が困 難であった。

【０００５】 この考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、 原紙打ち抜き金型の低価格化が可能であると共に組み立てが容易な紙箱を提供す ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の請求項１に係る紙箱は、ステープルで結合する底面に連なる両側面 の下部に接してステープラーの固定側脚部を挿入できる穴を設けたものである。

【０００７】 この考案の請求項２に係る紙箱は、ステープルで結合する底面に連なる両側面 の下部に接してステープラーの固定側脚部を挿入できるコの字形切り込みを設け たものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、この考案をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。な お、図において同一符号はそれぞれ同一または相当する部分を示す。

【０００９】 実施の形態１． 図１はこの考案に係る紙箱の実施の形態１を示す外観斜視図、図２はその展開 図である。図において、１は打ち抜き原紙であり、例えば厚手のコート紙などを トムソン型を用いて打ち抜いて形成されている。この打ち抜き原紙１は、長辺側 側面部２、短辺側側面部３、上蓋部４、長辺側側面部２の延長端部である底蓋部 ５、短辺側側面部３の延長端部である補助蓋部６および貼り合わせ部７からなり 、両短辺側側面部３の下部には補助蓋部６に接して挿入穴８がそれぞれ設けられ ている。この挿入穴８は、ステープラーの固定側脚部を挿入できる大きさに形成 されている。なお、図２に示す一点鎖線は、型押しなどによりすべて内曲げにな るように付けられた折り型である。

【００１０】 このように打ち抜き形成された打ち抜き原紙１は、筒状に折り曲げて貼り合わ せ部７にて接着などで固定し、対角を押さえて板状にして出荷する。使用者は筒 状に戻した上で両補助蓋部６を折り曲げ、次いでその上に重ねて両底蓋部５を先 端で突き合わせるように折り曲げて、挿入穴８からステープラー（図示せず）の 固定側脚部を挿入し、図１に示すように各々の補助蓋部６を両底蓋部５にステー プル９で止めて固定することにより紙箱が出来上がる。

【００１１】 このようにトムソン型を用いて形成した紙箱の底面は、Ａ式ダンボール箱のよ うに短辺側側面部３を折り曲げて補助蓋部６とし、その上から長辺側側面部２を 短辺の中央で突き合わせとなるように折り曲げて底蓋部５としているので、原紙 打ち抜き金型は直線刃型のみで形成できる利点がある。 また、短辺側の補助蓋部６の長さ寸法を長辺側の底蓋部５のそれと合わせてい るので、材料取りと金型費用で更なる改善ができる。

【００１２】 なお、ステープラーの固定側脚部を挿入する挿入穴８は、紙箱の大きさにより ステープル９の品番が決められるので、使用するステープラーより少し大きい目 に設定すればよい。

【００１３】 実施の形態２． 図３はこの考案に係る紙箱の実施の形態２を示す展開図である。図１および図 ２に示した実施の形態１と異なるところは、挿入穴８に代えてコの字形の切り込 み１０を設けた点である。この切り込み１０は、両短辺側側面部３の補助蓋部６ との境界に沿った水平切り込みと、この水平切り込みの両端から垂直に伸びる垂 直切り込みとからなり、垂直切り込みの終端間には水平切り込みと平行に折り型 が付けられている。切り込み１０の大きさは、挿入穴８の場合と同様の考え方で 決定される。

【００１４】 このように打ち抜き形成された打ち抜き原紙１は、実施の形態１の場合と同様 に、筒状に折り曲げて貼り合わせ部７にて接着などで固定し、対角を押さえて板 状にして出荷する。使用者は筒状に戻した上で両補助蓋部６を折り曲げ、次いで その上に重ねて両底蓋部５を先端で突き合わせるように折り曲げ、切り込み１０ をステープラーの固定側脚部で押すことにより紙箱の内方に押し上げて固定側脚 部を挿入し、図１と同様に各々の補助蓋部６を両底蓋部５にステープル９で止め て固定することにより紙箱が出来上がる。なお、紙箱の完成後、切り込み１０を 短辺側側面部３と同一面になるように押し戻せば、不要な穴がない状態に復元で きる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の請求項１あるいは請求項２に係る紙箱によれば、原紙打ち抜き金型 は直線刃型のみで形成できるので、金型費用が安くなる効果がある。 また、使用時の組み立ては４辺を折り曲げてステープル止めの単純な作業で完 成できるので、組み立て費用も安価になる。

【００１６】 また、この考案の請求項１に係る紙箱によれば、包装封緘後でも挿入穴から収 納物が確認できるので、特に同一形状で色違いのある物品の包装に便利である。

【００１７】 また、この考案の請求項２に係る紙箱によれば、収納物を見せたくない場合ま たは露出が不都合な物品の包装に便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案に係る紙箱の実施の形態１を示す外
観斜視図である。

【図２】 この考案に係る紙箱の実施の形態１を示す展
開図である。

【図３】 この考案に係る紙箱の実施の形態２を示す展
開図である。

【符号の説明】

１： 打ち抜き原紙 ２： 長辺側側
面部 ３： 短辺側側面部 ４： 上蓋部 ５： 底蓋部 ６： 補助蓋部 ７： 貼り合わせ部 ８： 挿入穴 ９： ステープル １０： 切り込み

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステープルで結合する底面に連なる両側
   面の下部に接してステープラーの固定側脚部を挿入でき
   る穴を設けた紙箱。
2. 【請求項２】 ステープルで結合する底面に連なる両側
   面の下部に接してステープラーの固定側脚部を挿入でき
   るコの字形切り込みを設けた紙箱。