JP3073924U - ダブルウォールカートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 内壁がズレ動くことがなく、しかも２重壁の
組立精度と縁の強度並びにコーナ部折り曲げ精度を向上
したダブルウォールカートンを提案する。 【解決手段】 隣接する外側板２，３間に４５度折線９
を備えたコーナ片１０を一体的に設け、一方の相対する
一対の内側板６，６の先端に押さえフラップ１１を連設
し、また他方の相対する一対の内側板７，７の先端に押
さえフラップ１２を連設し、さらに押さえフラップ１２
の両端部に端部かぎ形片１６を内側板７，７側に突き出
るように形成させ、かつ内側板7との境界線上にコーナ
切込み１7を設けるとともに、端部かぎ形片１６の突出
寸法を縁板５の幅とほぼ同じ寸法に形成し、箱の組立時
に端部かぎ形片１６を起立させた外側板の基部に突き当
て、かつコーナ切込み１7により内側板６に形成した肩
部に、突起１３を係止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する利用分野】

本考案は、枠付き折箱或いは縁付き折箱とも呼ばれているダブルウォールカー トンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この包装容器は、手組み方式によって１枚のブランクを折り曲げて容器本体と ２重側壁を容易に組み立てることができる利点がある。図７（ａ）〜（ｃ）は、 一般的なダブルウォールカートンの構造を示したものである。この包装箱は、矩 形底板を中心としてその四辺に外側壁イ、ロと縁片と内側壁イ’、ロ’とが形成 され、また隣接する外側壁間に４５度の折線を備えたコーナ片を設け、さらに隣 接する内側壁間には、何れか一方の内側壁端部にコーナ片を連接し、また内側壁 の下端に押さえフラップを連設したものである。この包装箱は、組立式の本体と 底板の４辺に設けた外側壁と縁片と内側壁とで内外側壁間に空間を有する２重側 壁を組み立て得るようにしたものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、この種の包装箱は、素材（板紙）がもつ弾力に抗するように内側に 内側壁を折込むものであるから、その内側壁が材料の弾力で跳ね上がりやすいと いう欠点がある。

【０００４】 この欠点を改良する目的で、従来、図８のように前記内側壁２４，２４に係止 突起２６，２６を設け、この係止突起２６を対応する他方の内側壁に設けた切り 込み２７に挿入することにより、隣接する内側壁相互を止着するものが知られて いるが、内側壁が内側からの圧力でズレ動きやすく、不安定である。そのため係 止突起２６と切り込み２７との係合が解除されやすいという問題がある。

【０００５】 一方、２重側壁を有する包装箱において、 内側壁の下端に連接した押さえフラップを図7の（ｄ）のように内側に巻き 込んでフラップを接着剤により底板に固定したもの、 内側壁２５の適所に図８の（ｂ）のように、コ字状切込２８を形成して位置 決め突起２９を設け、この位置決め突起２９を２重側壁の間に折り曲げることに より、内側壁が押されてもズレ動くことがないように保持した技術が提案されて いる。 また底板に係合穴を形成して内側壁の下端に形成した係合突起を前記の係合 穴に嵌合させて内側壁のズレを防止するものも提案されている。

【０００６】 しかるに、の形式の箱は押さえフラップを側壁の内側に巻き込む作業、該フ ラップに糊付けする作業や底板の所定位置に押さえフラップを貼りつける作業が 煩雑である。 の形式の箱は内側壁に穴が開く、 の形式のものでは底板に穴が開くために箱の強度を損なわれ、穴が開いている と体裁が悪い、商品のイメージダウンとなるなどの理由によって、ユーザーに嫌 われている。

【０００７】 本考案は上記課題を解決しようとしてなされたものであって、手組み方式によ って１枚のブランクを折り曲げて容器本体と２重側壁を容易に組み立てることが できる利点を生かしながら、内壁や底板にユーザーに嫌われる穴を開けることな く、また押さえフラップを側壁の内側に巻き込むなどの手間をかけずに、内壁が ズレ動くことがないように安定させことができる点に特色があり、しかも２重壁 の組立精度と縁の強度並びにコーナ部折り曲げ精度を向上したダブルウォールカ ートンを提案することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は以下の構成を採用した。すなわち、 （1）請求項1のダブルウオールカートンは、矩形底板１を中心として一方の相対 向する２辺に外側板２，２を設け、その外側に縁板４，４と、両端に係止突起１ ３を設けた内側板６，６を順次延設し、他方の相対向する２辺に外側板３，３を 設け、その外側に縁板５，５と、両端にフラップ８を有した内側板７，７を順次 延設し、隣接する外側板２，３間に４５度折線９を備えたコーナ片１０を一体的 に設け、一方の相対する一対の内側板６，６の先端に押さえフラップ１１を連設 し、また他方の相対する一対の内側板７，７の先端に押さえフラップ１２を連設 し、さらに該押さえフラップ１２の両端部に端部かぎ形片１６を前記内側板７， ７側に突き出るように形成させ、かつ隣接する内側板７との境界線上にコーナ切 込み１７を設けるとともに、前記端部かぎ形片１６の突出寸法を縁板５の幅とほ ぼ同じ寸法に形成し、箱の組立時に端部かぎ形片１６を起立させた外側板の基部 に突き当て、かつコーナ切込み１７により内側板６に形成した肩部に、前記内側 板７の両端部の係止突起１３を係止するようにしたことを特徴とする。

【０００９】 （2）請求項２のダブルウオールカートンは、押さえフラップ１１の両端部の係 止突起１４と内側板６の両端に設けた係止突起１３とがなす境界線上にほぼＹ形 をなす切込み１５を設けたことを特徴とする。

【００１０】 （3）請求項３のダブルウオールカートンは、端部かぎ形片１６と対置するよう に、縁板５にアングル片１８が一体に形成され、また縁板５の幅とほぼ同寸に形 成した補助フラップ１９をコーナ片１０と一体に形成したことを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。 図１は本考案の一実施例を示した展開図であって、一例として板紙を素材として 図示のような形状に打ち抜かれたブランクシートより形成される。

【００１２】 図１において、符号１はブランクシートの中央部に折罫（折線）を介して区画 形成した矩形状底板、２，２，３，３は矩形底板１を中心としてその四辺に折線 を介して連設した外側板、４，４，５，５は前記外側板の外側に折線を介して連 設した小許の幅の縁板である。６，６，７，７は前記縁板の外側に折線を介して 連設した内側板、符号８で示すものは一方の内側板８の両端に一体に連接したフ ラップである。

【００１３】 また隣接する外側板２と３の間にはそれぞれ一体のコーナ片１０を設けるとと もに、このコーナ片１０は底板１の４隅を起点とする４５度の折線９を備えてい る。また符号１１及び１２で示すように一対の内側板６，６または７，７の先端 に、押さえフラップを連設する。符号１３は内側板６，６の両端に設けた係止突 起である。符号１４は押さえフラップ１１の両端に設けた係止突起である。同図 に示すように、押さえフラップ１１の両端部の係止突起１３と内側板６の両端部 の係止突起１４との境界線上にはＹ形をなすように切込み１５を設けている。

【００１４】 図２が図１中、Ａ部の拡大図であって、符号１６で示したものは、押さえフラ ップ１２の両端に一体に設けた端部かぎ形片である。この端部かぎ形片１６は、 内側板７，７側に突き出るように形成させ、かつ内側板７，７との境界線上に、 コーナ切込１７を形成させるのである。ちなみに前記端部かぎ形片１５の突出寸 法ｍは、縁板５の幅ｎとほぼ同じ寸法に形成させて、後述するように、箱の組立 時に端部かぎ形片１５を起立させた外側板７の基部に突き当てた後、コーナ切込 み１７により形成される内側板７の肩部に突起１３、１４を係止することができ るようになっている。

【００１５】 またこの実施例では、縁板５の両端部において端部かぎ形片１６と対置するよ うに、アングル片１８が一体に形成され、またフラップ８とコーナ片１０との間 に、縁板５の幅とほぼ同じ幅に形成した補助フラップ１９をコーナ片１０と一体 に形成されている。

【００１６】 このように構成されている本考案のダブルウォールカートンを組立てるには、 底板の長辺側の内外側板３，７を底板１に対して立ち上げた後、内側板７を箱の 内側に折り曲げる。しかるのち、押さえフラップ１２を内側板７の外側に直角に 折り曲げ、かつ端部かぎ形片１６を底板より起立させた外側板３の基部に突き当 てる（図４）。

【００１７】 次に、４５度の折線９に沿ってコーナ片１０を２つ折りにしながら、他方の相 対する一対の外側板２、内側板６を立ち上げる。その際、フラップ８を外側板２ の内側に折り曲げ、かつアングル片１８の上に補助フラップ１９を重ねてから、 底板の短辺側の内側板６と押さえフラップ１１を箱の内側に折り曲げ、さらに押 さえフラップ１１を内側板６の外側に向けて直角に折り曲げる。しかるのち、コ ーナ切込み1７に対して係止突起１３、１４を挿入し、前記コーナ切込み１7によ り形成される内側板７の肩部に突起１３、１４を係止する（図５）。

【００１８】 本考案によれば図４のように、押さえフラップ１２の端部かぎ形片１６を外側 板３の基部に突き当てるようにしたので、内側板７に対し内側からの圧力が掛か っても内側にズレ動くことがないため、コーナ切込み１７と突起１３、１４との 係合は確実になり、コーナの組立状態を安定する。また本考案によれば、突起１ ３、１４間にほぼＹ形をなす切込み１５が設けられているので、組立に際して、 前記突起１３と１４は容易に屈曲するので、コーナ切込み１７への挿入が楽にで きる。挿入後は、前記のように内側板７が内側にズレ動くことがないために内側 に折り込んだ内側板が反発力でむやみに起きあがることがない。また、箱の４隅 部がきれいに折り曲る。このような組み立て途中の状態が図４に、完成状態が図 ５と図６に示されている。

【００１９】 なお接着剤ｇを用いて、予め内側板７を底板１に接着しておくことができる。 この場合も、端部かぎ形片１６を底板より起立させた外側板３の基部に突き当て るようにしたときは押さえフラップ１２を底板１に精度よく一直線状に貼着する ことができる。

【００２０】 またコーナ片１０を内側板２に予め固定してもよい。このようにした場合、図 ３の平面図に示すように、内外側板３，７を底板１の上に折り畳むことができる とともに、また組立時にはワンタッチで内外側板３、７を起こすと同時に内側板 ２を起立させることができるので組立作業を容易になる。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、押さえフラップ１２の両端に端部かぎ形片 １６を一体に設け、組立時に端部かぎ形片１６を外側板の基部に突き当て、かつ コーナ切込み１７により内側板に形成した肩部に突起１３を係止する構成である ため、内壁や底板に穴を開けることなく、また押さえフラップを巻き込むなどの 手間をかけずに、２重側壁を簡単に組み立てることができる。とくに、端部かぎ 形片１６を設けたことにより、内側壁が内側に押されてもズレ動くことがないの で、内外側壁間隔を安定させることができる。よって、内側に折り込んだ内側板 が確実の固定されて跳ね上がることがなく、内外側壁の組立状態が強固に保持で き、かつ２重側壁の組立精度が高まるという効果がある。

【００２２】 さらに、内側板の両端に設けたフラップ８とコーナ片１０との間に、縁板５の 幅とほぼ同じ大きさに形成した補助フラップ１９をコーナ片１０と一体に形成し たため、縁の丈夫なダブルウォールカートンを提供できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示した展開図である。

【図２】図１におけるＡ部の拡大図である。

【図３】組立途中の平面図である。

【図４】要部の組立途中を示した部分斜視図である。

【図５】要部の組立完成状態の部分斜視図である。

【図６】要部の組立完成状態の部分断面図である。

【図７】ダブルウォールカートンの従来例を示した説明
図である。

【図８】ダブルウォールカートンの他の従来例を示す組
み立て図及びその組立途中を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ 底板 ２，３ 外側板 ４，５ 縁板 ６，７ 内側板 ８ フラップ １０ コーナ片 １１、１２ 押さえフラップ １３，１４ 係止突起 １５ Ｙ形の切り込み １６ 端部かぎ形片 １７ コーナ切込 １８ アングル片 １９ 補助フラップ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形底板(１)を中心として、一方の相対
   向する２辺に外側板(２，２)を設け、その外側に縁板
   (４，４)と、両端に係止突起（１３）を設けた内側板
   (６，６)を順次延設し、他方の相対向する２辺に外側板
   (３，３)を設け、その外側に縁板(５，５)と、両端にフ
   ラップ（８）を有した内側板(７，７)を順次延設し、 隣接する外側板(２，３)間に４５度折線(９)を備えたコ
   ーナ片(１０)を一体的に設け、一方の相対する一対の内
   側板(６，６)の先端に押さえフラップ(１１)を連設し、
   また他方の相対する一対の内側板(７，７)の先端に押さ
   えフラップ(１２)を連設し、さらに該押さえフラップ
   (１２)の両端部に端部かぎ形片(１６)を前記内側板側に
   突き出るように形成させ、かつ隣接する内側板との境界
   線上にコーナ切込み(１７)を設けるとともに、前記端部
   かぎ形片(１６)の突出寸法を縁板(５)の幅とほぼ同じ寸
   法に形成し、箱の組立時に端部かぎ形片(１６)を起立さ
   せた外側板の基部に突き当て、かつ前記コーナ切込み
   (１７)により前記内側板(７)に形成された肩部に、前記
   内側板（６）の両端部の係止突起(１３)を係止するよう
   にしたことを特徴とするダブルウォールカートン。
2. 【請求項２】 押さえフラップ（１１）の両端部の係止
   突起(１４)と内側板(６)の両端に設けた係止突起(１３)
   とがなす境界線上にほぼＹ形をなす切込み(１５)を設け
   たことを特徴とする請求項１に記載のダブルウォールカ
   ートン。
3. 【請求項３】 端部かぎ形片(１６)と対置するように、
   縁板(５)にアングル片(１８)が一体に形成され、また縁
   板（５）の幅とほぼ同じ幅に形成した補助フラップ(１
   ９)をコーナ片(１０)に形成したことを特徴とする請求
   項１又は２のいずれかに記載のダブルウォールカート
   ン。