JP3026412U - 中皿付開閉容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 持ち運び時において中皿内に収容された被収
容物が中皿から飛び出さない中皿付開閉容器を提供する
こと。 【解決手段】 容器本体１と蓋体２の一辺を回動自在に
軸着して二つ割れ構造にし、前記容器本体１に複数の連
結棒４を介して複数の中皿３を取り付け、閉蓋時には中
皿３が重箱状に積み重なって容器内部に収容され、且
つ、開蓋時には中皿３が平行な階段状となって容器内部
から突出した状態となる中皿付開閉容器において、蓋体
２に中皿用蓋部２０を具備させると共に容器本体１にス
トッパ１０を形成し、容器の閉蓋時では、中皿用蓋部２
０により最上の中皿３が閉蓋され、且つ、中皿用蓋部２
０とストッパ１０とにより複数の中皿３が積み重なり状
態で挟持されているようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、釣り具、裁縫道具、家庭用医薬品、工具、玩具類等を収容するた めに使用される中皿付開閉容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

中皿付開閉容器としては、例えば、容器本体に蓋体の一辺を回動自在に軸着し て二つ割れ構造にし、閉蓋時には中皿が重箱状に積み重なり、開蓋時にはこれの 動作に伴って中皿が平行な階段状となって容器内部から突出した状態となるよう にしたものがある。ここで、この種の容器では、蓋体の開閉動作に伴って中皿を 前記の如く移動させるため、容器本体に複数の連結棒を介して中皿を取り付ける と共に前記取り付け態様を中皿が容器本体に対して平行移動するような平行クラ ンク機構を構成するものとしてある。

【０００３】 したがって、容器本体を下にして蓋体の開閉動作を行うと、開閉途中のどの状 態においても中皿の水平姿勢が維持され、中皿に収容された被収容物が中皿から こぼれ落ちるようなことはなく、非常に都合がよい。

【０００４】 しかしながら、上記平行運動機構は、容器本体、中皿、連結棒相互との繋ぎ部 分が所謂ヒンジ結合であると共にこれらヒンジ結合を多数必要とすることから、 容器本体に対する中皿のガタ付きが必然的に大きくなってしまう。このことは容 器が合成樹脂で構成される場合には特に顕著である。したがって、持ち運び時に おいて、重箱状に積み重なっている中皿相互間に隙間ができて、この隙間から中 皿内の被収容物が飛び出してしまうという問題があった。

【０００５】 なお、蓋体又はこれに付加された部材が中皿の蓋として機能する容器の場合に は、蓋体等と中皿との間に隙間ができ、この隙間から中皿内の被収容物が飛び出 してしまういう問題が発生する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案では、持ち運び時において中皿内に収容された被収容物が中 皿から飛び出さない中皿付開閉容器を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案では、容器本体１と蓋体２の一辺を回動自在に軸着して二 つ割れ構造にし、前記容器本体１に複数の連結棒４を介して中皿３を取り付け、 閉蓋時には中皿３が水平状態になって容器内部に収容され、且つ、開蓋時には中 皿３が容器内部から突出した状態となる中皿付開閉容器において、蓋体２に中皿 用蓋部２０を具備させると共に容器本体１にストッパ１０を形成し、容器の閉蓋 時では、中皿用蓋部２０により中皿３が閉蓋され、且つ、中皿用蓋部２０とスト ッパ１０とにより中皿３が挟持されているようにした。

【０００８】 この中皿付開閉容器では、容器の閉蓋時では、中皿用蓋部２０により中皿３が 閉じられ、且つ、中皿用蓋部２０とストッパ１０とにより中皿３が挟持されてい ることから、中皿３、連結棒４、容器本体１相互の繋ぎ部分にガタ付きがあった としても、中皿用蓋部２０と中皿３との間に隙間ができることは防止される。し たがって、持ち運び時において中皿３内に収容された被収容物が中皿３から飛び 出すようなことはない。

【０００９】 請求項２記載の考案では、容器本体１と蓋体２の一辺を回動自在に軸着して二 つ割れ構造にし、前記容器本体１に複数の連結棒４を介して複数の中皿３を取り 付け、閉蓋時には中皿３が重箱状に積み重なって容器内部に収容され、且つ、開 蓋時には中皿３が平行な階段状となって容器内部から突出した状態となる中皿付 開閉容器において、蓋体２に中皿用蓋部２０を具備させると共に容器本体１にス トッパ１０を形成し、容器の閉蓋時では、中皿用蓋部２０により最上の中皿３が 閉蓋され、且つ、中皿用蓋部２０とストッパ１０とにより複数の中皿３が積み重 なり状態で挟持されているようにした。

【００１０】 この中皿付開閉容器では、容器の閉蓋時では、中皿用蓋部２０により最上の中 皿３が閉じられ、且つ、中皿用蓋部２０とストッパ１０とにより複数の中皿３が 積み重なり状態で挟持されていることから、中皿３、連結棒４、容器本体１相互 の繋ぎ部分にガタ付きがあったとしても、中皿用蓋部２０と中皿３との間、及び 中皿３，３相互間に隙間ができることは防止される。したがって、持ち運び時に おいて中皿３内に収容された被収容物が中皿３から飛び出すようなことはない。

【００１１】 請求項３記載の考案では、上記した中皿付開閉容器に関して、中皿用蓋部２０ が、蓋体２における上壁２ａの一部と前記蓋体２の上壁２ａの内面に設けた枠体 ２０ａとから構成されており、閉蓋状態では、前記枠体２０ａの下端と中皿３の 前後両側壁の上端とがほぼ全域で当接するようにしている。したがって、中皿用 蓋部２０を容易に形成することができることになる。

【００１２】 請求項４記載の考案では、上記した中皿付開閉容器に関して、ストッパ１０の 上端に溝部１０ａを設け、中皿３の底壁下面に垂下片３０を設け、閉蓋状態では 、垂下片３０が溝部１０ａに嵌入されるようにしている。したがって、中皿３が 適正位置で確実に位置決めされる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態を図面に従って説明する。

【００１４】 この中皿付開閉容器は、図１に示すように、容器本体１と蓋体２の一辺を回動 自在に軸着して二つ割れ構造にし、図１や図２に示すように、閉蓋時には二枚の 中皿３が重箱状に積み重なり、開蓋動作に伴って中皿３，３が平行な階段状とな って容器内部から突出した状態となるようにしたものである。

【００１５】 容器本体１はプラスチックにより構成してあり、図１や図２に示すように平面 視長方形状の比較的深いものとすると共に、これの前壁の内面中央部分に、上端 部分に溝部１０ａを有する板状のストッパ１０，１０を形成させてある。

【００１６】 蓋体２はプラスチックにより構成してあり、図１や図２に示すように、全体形 状が容器本体１とほぼ同様の平面視長方形状の比較的深いものとしてある。また 、図２や図３に示すように、この蓋体２の上壁２ａ部分には把手Ｔが回動自在に 取り付けられており、前記把手Ｔが倒れた状態では上壁２ａに形成した凹部分１ １に没入させ得るようになっている。さらに、この蓋体２における上壁２ａの内 面には図２〜図４に示すように、容器閉蓋時おいて上側の中皿３の前後両側壁と 全域で当接する長方形状の枠体２０ａを形成してあり、上壁２ａと枠体２０ａと により上側の中皿３が全閉状態となるようにしてある。すなわち、この実施形態 では、蓋体２の上壁２ａの一部と枠体２０ａとにより課題を解決するための手段 の欄に記載した中皿用蓋部２０を構成している。

【００１７】 二枚の中皿３は、図１に示すように、中仕切りを有するプラスチック製の浅い 皿で構成してあり、平面視長方形状に形成すると共に中仕切りの態様を被収容物 に応じてそれぞれ異なったものとしてある。なお、下側の中皿３の底壁最前位置 には、図２に示すように、容器の閉蓋時においてストッパ１０の溝部１０ａに嵌 入される垂下片３０を具備させてある。

【００１８】 そして、上記した二枚の中皿３は、図１に示すように、連結棒４ａ，４ｂ，４ ｃを介して容器本体１に取り付けてあり、その取り付け態様は各中皿３が容器本 体１に対して平行移動するような平行クランク機構を構成するものとしてある。

【００１９】 また、下側の中皿３は、図１に示すように、その後部を連結棒５，５を介して 蓋体２に取り付けてあり、この連結棒５により容器の開蓋動作に伴って中皿３， ３が平行な階段状となって容器内部から突出せしめられ、また、蓋体２が全開状 態にあるときにおいて中皿３，３の垂れ下がりが防止されるようになっている。

【００２０】 したがって、容器本体１を下にして蓋体２の開閉動作を行うと、全開・全閉・ 開閉途中のどの状態においても中皿３，３の平行姿勢が維持され、中皿３，３に 収容された被収容物が中皿３からこぼれ落ちるようなことはない。

【００２１】 なお、図２に示す符号６は蓋体２を閉めたときに、蓋体２が開かないように係 止するバックルである。

【００２２】 この中皿付開閉容器は上記のような構成であることから閉蓋状態では、図２に 示すように、上側の中皿３の開放部は蓋体２の上壁２ａの一部と枠体２０ａによ り、下側の中皿３の開放部は上側の中皿３の底壁により、それぞれ閉蓋され、こ の状態において、二枚の中皿３，３は積み重った状態で枠体２０ａとストッパ１ ０により挟持される。従って、容器本体１、中皿３，３、連結棒４ａ，４ｂ，４ ｃ相互の繋ぎ部分にガタ付きがあったとしても、枠体２０ａと中皿３との間、及 び中皿３，３相互間に隙間ができることは防止される。これにより、持ち運び時 において中皿３，３内に収容された被収容物が中皿３から飛び出すようなことは ない。

【００２３】 ここで、容器本体１を載置面に置いて蓋体２を１８０°開くと、図１に示すよ うに、蓋体２の上壁２ａが前記載置面に接触して安定状態（蓋体２及び中皿３， ３が容器本体１に対して片持ち状態ではなくなる）となり、中皿３，３が平行な 階段状となって容器内部から突出した状態となる。

【００２４】 なお、上記した実施形態にかえて中皿３を一枚とした場合、容器の閉蓋状態に おいて枠体２０ａと中皿３との間に隙間が形成されることが防止できる。

【００２５】 また、上記実施形態では蓋体２の上壁２ａの一部と枠体２０ａにより中皿用蓋 部２０を構成させているが、これに限定されるものではない。要するに、中皿用 蓋部２０は中皿３の開放部を閉じる機能と、ストッパ１０との関係で中皿３を挟 持する機能を有するものであればよいのである。

【００２６】 更に、上記実施形態ではストッパ１０を溝部１０ａを有する板状のものとして あるが、形状、形成位置ともにこれに限定されるものではない。要するに、中皿 用蓋部２０との関係で中皿３を挟持する機能を有するものであればよいのである 。

【００２７】

【考案の効果】

この考案は上記構成を有するものであるから以下の効果を奏する。

【００２８】 請求項１又は２記載の考案の中皿付開閉容器では、持ち運び時において中皿内 に収容された被収容物が中皿から飛び出さない。

【００２９】 更に、請求項３記載の考案の中皿付開閉容器では中皿用蓋部を容易に形成する ことができ、請求項４記載の考案の中皿付開閉容器では中皿３が適正位置で確実 に位置決めされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施形態を示す中皿付開閉容器を開
蓋状態にした際の斜視図。

【図２】前記中皿付開閉容器の断面図。

【図３】前記中皿付開閉容器の断面であって、図２と直
角方向の断面図。

【図４】前記中皿付開閉容器を開蓋状態にした際の平面
図。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 蓋体 ２ａ 上壁 ３ 中皿 ４ 連結棒 １０ ストッパ １０ａ 溝部 ２０ 中皿用蓋部 ２０ａ 枠体 ３０ 垂下片

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体（１）と蓋体（２）の一辺を回
   動自在に軸着して二つ割れ構造にし、前記容器本体
   （１）に複数の連結棒（４）を介して中皿（３）を取り
   付け、閉蓋時には中皿（３）が水平状態になって容器内
   部に収容され、且つ、開蓋時には中皿（３）が容器内部
   から突出した状態となる中皿付開閉容器において、蓋体
   （２）に中皿用蓋部（２０）を具備させると共に容器本
   体（１）にストッパ（１０）を形成し、容器の閉蓋時で
   は、中皿用蓋部（２０）により中皿（３）が閉蓋され、
   且つ、中皿用蓋部（２０）とストッパ（１０）とにより
   中皿（３）が挟持されていることを特長とする中皿付開
   閉容器。
2. 【請求項２】 容器本体（１）と蓋体（２）の一辺を回
   動自在に軸着して二つ割れ構造にし、前記容器本体
   （１）に複数の連結棒（４）を介して複数の中皿（３）
   を取り付け、閉蓋時には中皿（３）が重箱状に積み重な
   って容器内部に収容され、且つ、開蓋時には中皿（３）
   が平行な階段状となって容器内部から突出した状態とな
   る中皿付開閉容器において、蓋体（２）に中皿用蓋部
   （２０）を具備させると共に容器本体（１）にストッパ
   （１０）を形成し、容器の閉蓋時では、中皿用蓋部（２
   ０）により最上の中皿（３）が閉蓋され、且つ、中皿用
   蓋部（２０）とストッパ（１０）とにより複数の中皿
   （３）が積み重なり状態で挟持されていることを特長と
   する中皿付開閉容器。
3. 【請求項３】 中皿用蓋部（２０）が、蓋体（２）にお
   ける上壁（２ａ）の一部と前記蓋体（２）の上壁（２
   ａ）の内面に設けた枠体（２０ａ）とから構成されてお
   り、閉蓋状態では、前記枠体（２０ａ）の下端と中皿
   （３）の前後両側壁の上端とがほぼ全域で当接するよう
   にしてあることを特長とする請求項１又は２記載の中皿
   付開閉容器。
4. 【請求項４】 ストッパ（１０）の上端に溝部（１０
   ａ）を設け、中皿（３）の底壁下面に垂下片（３０）を
   設け、閉蓋状態では、垂下片（３０）が溝部（１０ａ）
   に嵌入されるようにしてあることを特長とする請求項１
   乃至３記載のいずれかに記載の中皿付開閉容器。