JP3023563U - 簡易型ハウス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡易で狭小なスペースに設置することが
でき、同室内で脱衣と浴湯，衣類の洗濯及び乾燥を同時
に行なうことのできる簡易型ハウスを提供する。 【解決手段】側壁に出入口用ドア８を有するパネル組立
て式の簡易型ハウスの室内にシャワーユニット５を設置
し、他の室内空間を、仕切壁１１によって、脱衣可能な
広さを有し、洗濯機を設置した脱衣及び洗濯用空間Ｓ
と、洗濯した衣類を載置等でき、乾燥用ヒータを設置し
た乾燥用空間Ｄとに区画し、仕切壁１１には双方の空間
に出入り可能なように開閉扉１１ａを設け、給湯器６及
び灯油タンク１５を室外に取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、土木・建設工事等の屋外の作業現場に設置し、作業者の脱衣と浴湯 ，衣類の洗濯及び乾燥を一か所で同時に行なうことのできる簡易型ハウスに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

工事現場には、仮設事務所に隣接させて給排水所が設けられており、作業者は 、ここで顔や手足を洗うようにしていた。また、作業着等の衣類が汚れたときに は、給排水所に設置された洗濯機を使用して洗い、これを事務所内等に設けたフ ックや紐に吊るして干すようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

作業による汚れが比較的小さい場合、作業者は給排水所で汚れを落とし、その まま電車や車で自宅に戻り、入浴して体を清潔に保つことができる。しかし、汚 れが大きい場合は汚れたまま電車や車に乗るには不潔感があり、仮設事務所に寝 泊まりする場合にも顔や手足を洗うのみでは体を清潔に保てないため衛生的でな く、とりわけ、発汗量の多い夏季にはこのことが顕著であった。 また、梅雨時等には、洗濯した衣類が乾燥せず、衣類を濡れたまま着用しなけ ればならないことが多く、さらに、事務所内に干すことから、事務所内に湿気が 充満し易かった。

【０００４】 これら不具合は、給排水所にレンタル式のシャワールームユニットを設置する と共に脱衣所を設け、或いは屋根付きの物干し場を設置することで解消可能であ るが、駐車場や仮設事務所の設置スペースさえ不足する都会の工事現場において は、このような衛生設備を個別に設置することは困難な場合が多かった。

【０００５】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、構造が簡易で狭小なスペースに設置することができ 、同室内で脱衣と浴湯，衣類の洗濯及び乾燥を同時に行なうことのできる簡易型 ハウスを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決しようとするたの手段】

上記課題を解決するため、複数枚のパネル板を組み合わせて形成される本考案 の簡易型ハウスは、側壁に出入口用ドアを設け、室内にシャワーユニットを設置 すると共に、当該室内を、少なくとも一人が脱衣可能であり、且つ洗濯機を設置 できる広さの脱衣及び洗濯用空間と、衣類、タオル等を吊下、載置でき、且つ乾 燥用ヒータを設置できる広さの乾燥用空間とに画成したことを特徴としてなるも のである。 上記脱衣及び洗濯用空間は、シャワーユニットと乾燥用空間との間に画成する ことが好ましく、また、乾燥用空間は、壁やカーテン等の仕切体により画成する ことが好ましい。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の好適な一実施形態について図面を参照して説明する。 図１は本例ハウスの正面図、図２は本例ハウスの内部平面図、図３は本例ハウ ス内の鳥瞰図である。 本例の簡易型ハウスは、土台１の上に床パネルを敷設して形成した床部２と、 床部２の縁部に立て並べた間柱３ａ，３ａ，・・・間に壁パネルを嵌め入れて形 成した周囲四方の側壁３，３，３，３と、各側壁３の上端で天井パネルを支持し て形成した天井４とで囲われて形成された気密性のある部屋の隅部に、浴湯のた めのシャワーユニット５を設置し、当該部屋内の他の空間を、脱衣及び衣類の洗 濯を行なう脱衣及び洗濯用空間Ｓと、洗濯した衣類を乾燥させるための乾燥用空 間Ｄとに画成して形成したものである。

【０００８】 シャワーユニット５は、周壁５ａとシャワーパン５ｂとが防水仕様で一体成形 されたユニット式のものであり、床部２から一段上がった位置に配置されたジャ バラ式の開閉扉５ｃからユニット内に出入りできるようになっている。シャワー ユニット５のシャワーヘッド５ｄには、図示されない配水管路を介して、ハウス 外面に取付けられた給湯器６の温水又は水が供給され、シャワーパン５ｂの排水 路はハウス外部に連通させてある。符号５ｅはシャワーユニット５の換気扇、７ はシャワーユニット５の前面部に設置した、すのこである。

【０００９】 脱衣及び洗濯用空間Ｓは、シャワーユニット５と乾燥用空間Ｄとの間に画成さ れており、当該空間の正面側の側壁３の略中央部にハウス内に出入りするための 把手付きの開閉ドア８と開閉自在の窓９を取り付けると共に、反対側の側壁３の 室内面に衣類洗濯用の洗濯機１０を設置し、当該空間内で少なくとも一人の利用 者が脱衣又は更衣可能な広さに設けてある。

【００１０】 上記洗濯機１０は、床部２に載置された洗濯機パン（図示せず）の上に設置さ れ、シャワーユニット５と同じく、図示されない配水管路を介して給排水を行な うようになっている。

【００１１】 一方、乾燥用空間Ｄは、脱衣及び洗濯用空間Ｓとの間に設置した仕切壁１１に より、高い乾燥効率が得られるように脱衣及び洗濯用空間Ｓと比較して十分に狭 く画成され、乾燥用ヒータ１２と洗濯した衣類やタオル等を掛止するためのパイ プ１３とを空間内に設置し、側壁３に換気扇１４を取り付けて設けてある。

【００１２】 上記ヒータ１２は、ハウス外面に取付けられた灯油タンク１５により稼働する ものであるが、これに代えて、電気或いは温水によって稼働するヒータ式換気乾 燥機を用いることもできる。また、ヒータ１２の上方に、履物等を乾燥させるた めの棚を設置するのは任意である。

【００１３】 また、仕切壁１１にはスライド式の開閉扉１１ａが取り付けられていて、両空 間Ｓ，Ｄ間の出入りを自由に行えると共に、当該開閉扉１１ａを閉めた状態で乾 燥用空間Ｄが高い密閉性を維持できるようになっている。 乾燥用空間Ｄ内で十分な乾燥度が得られれば、仕切壁１１の代わりに、カーテ ンやパネル等の適宜形状の仕切体を設置してもよい。

【００１４】 なお、ハウス内及びシャワーユニット５内には、夜間でも利用可能なように採 光用ランプが設置されており、これらランプのスイッチや、給湯器６，洗濯機１ ０，ヒータ１２等の電源線が接続するコンセントも適宜な位置に設けてある。

【００１５】 本例の簡易型ハウスは、床部、側壁、天井を構成する複数のパネル板を組み合 わせて適宜な工法で形成することができ、任意の場所に容易に組立て・設置し、 或いは工場で組立てた後に運搬して適宜な場所に設置可能なものである。ハウス 外側の適宜な位置には、浴湯及び洗濯用の水を取り入れ・排出するための給排水 口と、電気機器稼働のための電力供給口及びブレーカーとが各々一括して設けて あり、ハウス組立後、これらに外部からの供給路を接続することにより利用でき るようになっている。

【００１６】 本例のハウスは、パネル板の組み合わせにより全体の大きさを自在に設定する ことができるが、高さ２３７０ｍｍ、幅４０００ｍｍ、奥行き２０００ｍｍ程度 であれば、ハウス内にシャワーユニット５と洗濯機１０を設置するスペースと、 利用にあたり不便さを感じさせない必要最小限の広さの脱衣及び洗濯用空間Ｓと 乾燥用空間Ｄとを確保できる。

【００１７】 本例の簡易型ハウスは以上の如く構成されているので、構造が簡易であり、狭 小なスペースに容易に設置し、或いは適宜な場所に移動させて利用することがで きるので、脱衣と浴湯，衣類の洗濯及び乾燥のために、各個別に専用スペースを 設ける必要がなく、工事現場の狭いスペースを効率的に利用することができる。

【００１８】 そして、利用者は、ハウス内でいつでも浴湯が可能であり、また、これと同時 に、汚れた衣類を洗濯し、これを短時間で乾燥させることができるので、作業中 、降雨により衣類が濡れたときや泥がはねる等してひどく汚れたとき、或いは現 場に宿直するとき等にも、体と衣類の汚れを落としてきれいにし、身の回りを清 潔に保つことができる。

【００１９】 脱衣及び洗濯用空間Ｓは、ハウスの入り口に面しており、両側にシャワーユニ ット５と乾燥用空間Ｄが設けてあるので、一人の利用者が浴湯中に、他の利用者 が衣類の洗濯や取り込み等を行え、ハウス内で行なう脱衣，浴湯，衣類の洗濯及 び乾燥の各行為を、多数の利用者が効率良く進めることが可能である。

【００２０】 また、脱衣及び洗濯用空間Ｓは窓９を開けて、乾燥用空間Ｄは換気扇１４を回 転させて、それぞれ室内空気の換気を行なうことができるので、室内に湿気がこ もらずカビの発生を防止し、室内を衛生的に維持管理することができる。

【００２１】 なお、本考案の簡易型ハウスは、工事現場の他に、キャンプ場等の屋外のレジ ャーやスポーツ等でも利用が可能である。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように、本考案の簡易型ハウスによれば、構造が簡易であり、工事現場 の狭小なスペースに容易に設置し、或いは適宜な場所に移動させて利用すること ができる。

【００２３】 ハウス内でいつでも浴湯が可能であり、また、同時に、汚れた衣類を洗濯し、 これを短時間で乾燥させることができるので、利用者は、体と衣類の汚れを本考 案のハウスを利用して迅速に落とし、身の回りを清潔に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の簡易型ハウスの一実施例の正面図であ
る。

【図２】図１の簡易型ハウスの内部平面図である。

【図３】図１の簡易型ハウス内の鳥瞰図である。

【符号の説明】

1 土台 2 床部 3 側壁 4 天井 5 シャワーユニット 6 給湯器 7 すのこ 8 開閉ドア 9 窓 10 洗濯機 11 仕切壁 12 ヒータ 13 パイプ 14 換気扇 15 灯油タンク

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚のパネル板を組み合わせて形成さ
   れる簡易型ハウスであって、側壁に出入口用ドアを設
   け、室内にシャワーユニットを設置すると共に、当該室
   内を、少なくとも一人が脱衣可能であり、且つ洗濯機を
   設置できる広さの脱衣及び洗濯用空間と、衣類、タオル
   等を吊下、載置でき、且つ乾燥用ヒータを設置できる広
   さの乾燥用空間とに画成したことを特徴とする簡易型ハ
   ウス。
2. 【請求項２】 脱衣及び洗濯用空間は、シャワーユニッ
   トと乾燥用空間との間に画成されたことを特徴とする請
   求項１に記載の簡易型ハウス。
3. 【請求項３】 乾燥用空間は、壁やカーテン等の仕切体
   により画成されたことを特徴とする請求項１又は２に記
   載の簡易型ハウス。