JP3015969U - 植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植木鉢内の草花、草木等に対し、必要とする
水分を外部から吸水式に栽培用土壌を介して供給し、内
外の通気性の向上によって生育を大きく促進し、根の進
入一体化によって根張りをしっかりしたものとする。 【構成】 栽培用土壌Ｅ等を収納する凹部２を有する植
木鉢本体１を透水性のある天然石を素材として形成す
る。植木鉢本体１と一体の脚部３における表面に露出の
吸水小孔を水容器Ｓ内の水に浸漬して配置する。また、
栽培用土壌Ｅ等を収納する凹部２を有する非透水性素材
による植木鉢本体の底部に、透水性のある天然石を素材
として形成した吸水部材を貫挿配置し、この吸水部材の
形成素材における表面に露出の吸水小孔を、植木鉢本体
下方に配置した水容器Ｓ内の水中に浸漬配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、盆栽等の植生した草花、草木等に対する水の供給を円滑にし、し かも、水やり作業の長期に亙る中断をも可能にし、また、その根張りをしっかり とさせて安定した育成を行なえるようにした植木鉢に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、盆栽等として各種の草花、草木等を植木鉢に植生して栽培するとき 、適当な養分と水とを定期的に供給しており、特に水の供給量、供給部位、供給 時期等によっては根腐れが生じたり、枯れたりするから、水やりは極めて重要な 作業である。また、植木鉢内であっても栽培用土壌内に根がしっかりと張ってい る状態にないと栽培用土壌内からの水、養分の吸収が円滑にならないから、育成 が安定せず、病虫害の発生の要因ともなるのである。そして、しっかりとした根 張り状態となるには、水ばかりでなく、空気も必要であり、植木鉢内の栽培土壌 内には適当な空隙が存在することが望ましいものである。

【０００３】 こうした点を解消すべく、例えば植木鉢本体の底部に貯水槽部を区画形成し、 布、綿材等の適宜な給水部材によって植木鉢本体内に水を供給するもの、植木鉢 上に配した散水口を外部からの制御によって開放して水を供給するもの等が提供 されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、叙上のような従来の水の供給方法、装置によると、給水部材方式に よるものは貯水槽部と植木鉢本体内の栽培用土壌との間に確実に給水部材が接触 状態で接触配置されなければならないにも拘らず、この給水部材が可撓性のもの であるために接触配置するためのセットが面倒であった。また、散水制御方式に よるものは装置的に極めて複雑で大掛かりなものとなるから、簡単には設置でき ず、その保守点検も容易ではないのである。

【０００５】 そこで、この考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、 植木鉢を形成する素材自体を吸水性ある天然石を使用することで必要とする水分 を外部から吸水式に栽培用土壌を介して草花、草木等に供給でき、しかも、定期 的な水やり作業が不要となることで長期に亙って放置することも可能であり、ま た、内外の通気性の向上によって生育を大きく促進させることができるばかりで なく、根の進入一体化によって根張りをしっかりしたものとさせ、安定して育生 できるようにした植木鉢を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、この考案にあっては、栽培用土壌Ｅ等が収納さ れる凹部２を有する植木鉢本体１を透水性のある天然石を素材として形成し、こ の形成素材における表面に露出の吸水小孔が水容器Ｓ内の水中に浸漬されて配置 されるようになっていることを特徴とし、更には、水内への浸漬部分が、植木鉢 本体１と一体状の吸水性ある脚部３として構成することができる。

【０００７】 また、栽培用土壌Ｅ等が収納される凹部２を有する植木鉢本体１１，２１の底 部に、透水性のある天然石を素材として形成された吸水部材１２，２３を貫挿配 置し、この吸水部材１２，２３の形成素材における表面に露出の吸水小孔が、植 木鉢本体１１，２１下方に配置されている水容器Ｓ内の水中に浸漬されて配置さ れるようになっていることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

この考案に係る植木鉢にあって、植木鉢本体１あるいは吸水部材１２，２３の 形成素材表面における吸水小孔が露出された状態で、その露出部分が水中に浸漬 配置されることで、吸水小孔による毛細管現象によって水分を吸収し、自身に浸 透された水分を植木鉢本体１内の栽培用土壌Ｅに供給し、これを湿潤させる。

【０００９】 このとき、形成素材の吸水小孔は水分を吸収するとき、それを浄化して不要な 成分を濾過し、栽培用土壌Ｅに供給する。

【００１０】 一方、形成素材の吸水小孔は、植木鉢本体１内外を通気させ、植木鉢本体１の 凹部２に収納されている栽培用土壌Ｅ内における微生物を育成し、腐敗菌を浄化 させ、栽培用土壌Ｅ中における好適な根張り環境を形成する。

【００１１】 更に、栽培用土壌Ｅ内における根が成長するとき、植木鉢本体１、吸水部材１ ２，２３面に到達すると、吸水小孔内に進入し、これら１，１２，２３と一体状 となって、しっかりした根張り状態を形成させ、草花、草木等を安定させる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明するに、図において示される符 号１は各種の草花、草木等のための栽培用土壌Ｅ等が収納される凹部２を有する 器状に形成された植木鉢本体であり、この植木鉢本体１は透水性のある天然石を 素材として形成され、外部に存在する水を吸水して凹部２に収納されている栽培 用土壌Ｅに供給するようになっている。すなわち、植木鉢本体１の形成素材は、 毛細管現象を生じさせる連続した吸水小孔が無数に形成されており、原石を採石 して所定形状に成型してもその内外に露出される吸水小孔を通じて外部の水分が 内部に浸入し、栽培用土壌Ｅを湿潤させるものとなっている。この考案において 使用される天然石材は、例えばインドネシア、インド等で産出されるものであり 、採石後に所定の形状に成型される。

【００１３】 図１、図２にあっての植木鉢本体１は、これ１自体の下部に脚部３を一体形成 してあるもので、図示例における脚部３は、ほぼ立方体状に成型した植木鉢本体 １の底部に相互に直交するＶ字形の溝を切削することで、底面の四隅にほぼ四角 錘状にして形成されたものである。特に、この脚部３表面における吸水小孔は完 全に露出されているものとされており、図２に示すように少なくとも脚部３自体 は水中に浸漬状態にして配置使用されるものとしてある。

【００１４】 なお、植木鉢本体１、更には脚部３自体は、図例のように形成される場合に限 らず、断面が円形、三角形、矩形その他の多角形、更には動物、植物、建造物そ の他の具象物を模したもの等を問わないものであり、その形状等は任意に選定で きるものである。

【００１５】 更に、植木鉢本体１ないし脚部３には、その表面に非吸水性素材による被膜４ を形成することができる。この被膜４は、例えば塗布、吹付け、焼付けその他で 塗料、顔料、樹脂膜等によって天然石素材そのままの色彩が表現されるように透 明に、あるいは他の色彩に着色処理するもので、ただ、植木鉢本体１ないし脚部 ３の一部は被膜４処理を施さない吸水面として露出させたままとするのである。

【００１６】 このような脚部３が植木鉢本体１と一体化されたものは、例えば図１、図２に 示すように、水が収容されている適当な皿体その他の水容器Ｓ内に脚部３が浸漬 された状態にしてセットしておくことで使用される。

【００１７】 また、図３に示される実施例においては、大理石、陶磁器、合成樹脂その他の 非透水性素材によって形成されている植木鉢本体１１における底部に、透水性の ある天然石を素材として形成された吸水部材１２を貫挿配置し、植木鉢本体１１ が載置セットされる適当な水容器Ｓ内の水中に吸水部材１２を浸漬したものであ る。

【００１８】 すなわち、水容器Ｓ上に載置セットされる植木鉢本体１１内に収容される栽培 用土壌Ｅに対して、水容器Ｓ内の水が、植木鉢本体１１底部に貫挿配置した吸水 部材１２を介して接触するようにしたものである。なお、吸水部材１２自体は、 先の実施例における植木鉢本体１の形成素材と全く同一のものであり、その吸水 小孔の毛細管現象によって吸水した水を栽培用土壌Ｅに供給するようになってい る。

【００１９】 更に、図４に示される実施例においては、同様に非透水性素材によって形成さ れている植木鉢本体２１における底部に、この底部に設けた支持部２２下面に当 接する透水性のある天然石を素材として形成された支柱となる吸水部材２３を貫 挿配置し、適当な水容器Ｓ内の水に吸水部材２３を浸漬したものである。

【００２０】 すなわち、支柱となる吸水部材に２３によって植木鉢本体２１を水容器Ｓ上で 支持し、植木鉢本体２１内に収容される栽培用土壌Ｅに対して、水容器Ｓ内の水 が、吸水部材２３を介して接触するようにしたものであり、吸水部材２３は先の 実施例における植木鉢本体１の形成素材と全く同一のものである。

【００２１】 このように、毛細管現象によって水を吸水する透水性ある天然石を素材として 、これ自体を植木鉢本体１としたり、吸水部材１２，２３としたりする場合に限 らず、要は、水に対して直接的あるいは間接的にでも接触する栽培用土壌Ｅに水 を供給するようになっている構造のものとされれば足りるものである。

【００２２】 これの使用に際し、表面に吸水小孔が露出された状態で、その露出部分が水中 に浸漬されるように配置されればよく、図１、図２に示すように脚部３が水容器 Ｓ内の水中に浸漬されたり、図３に示すように浸透性機能を発揮するよう吸水部 材１２が、また、図４に示すように更には支柱を兼ねる吸水部材２３が同様に水 容器Ｓ内の水中に浸漬されることとなるのである。そして、透水性ある素材によ って水が栽培用土壌Ｅに供給され、栽培用土壌Ｅを湿潤させるのである。

【００２３】

【考案の効果】

この考案は以上のように、植木鉢本体１、その脚部３、吸水部材１２，２３等 の植木鉢を形成する素材自体が吸水性ある天然石であることで、これが水中に浸 漬されていればその水分を吸水して栽培用土壌Ｅを介して草花、草木等に供給で き、しかも、その供給量は素材自体が備える独特の吸水能力によって自然に調整 されるから定期的な水やり作業が不要となり、ひいては長期に亙って放置するこ とも可能である。また、素材自体が備えている多数の吸水小孔が内外の通気性を 向上させて生育を大きく促進させることができるばかりでなく、栽培する草花、 草木等の根が素材自体の吸水小孔内に進入してこれとの一体化によって根張りを しっかりしたものとさせ、安定して育生できるものである。

【００２４】 すなわち、これはこの考案において、透水性ある天然石材によって成型された 植木鉢本体１あるいは吸水部材１２，２３の形成素材表面における吸水小孔が露 出された状態で、その露出部分が水中に浸漬配置されることとしたからであり、 これによって、栽培用土壌Ｅに対する直接の給水作業によらずに栽培用土壌Ｅを 確実に湿潤でき、草花、草木等のそれ自身によって邪魔されずに水やりを行なう ことができる。

【００２５】 また、透水性ある天然石である形成素材の吸水小孔は水分を吸収するとき、そ れを浄化するから不要な成分を濾過でき、例えば雑排水等の汚染された水であっ ても利用でき、水の有効利用を促進できるものである。更には、吸水小孔自体は 植木鉢本体１内外での空気流通を図り、植木鉢本体１内おける栽培用土壌Ｅ中の 微生物を育成し、腐敗菌を浄化させ、栽培用土壌Ｅ中には好適な根張り環境を形 成することができる。

【００２６】 しかも、栽培用土壌Ｅ内における草花、草木等の根が成長するとき、植木鉢本 体１、吸水部材１２，２３面位置に到達すると、その根毛が吸水小孔内に進入す ることになってこれら１，１２，２３と一体状となり、その結果、しっかりした 根張り状態を形成させて草花、草木の生育状態を安定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例における使用状態の斜視図
である。

【図２】同じく断面図である。

【図３】他の実施例における断面図である。

【図４】更に他の実施例における断面図である。

【符号の説明】

Ｅ…栽培用土壌 Ｓ…水容器 １…植木鉢本体 ２…凹部 ３…脚部 ４…被膜 １１…植木鉢本体 １２…吸水部材 ２１…植木鉢本体 ２２…支持部 ２３…吸水部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 栽培用土壌等が収納される凹部を有する
   植木鉢本体を透水性のある天然石を素材として形成し、
   この形成素材における表面に露出の吸水小孔が水容器内
   の水中に浸漬されて配置されるようになっていることを
   特徴とする植木鉢。
2. 【請求項２】 水中への浸漬部分が、植木鉢本体と一体
   状の吸水性ある脚部としてある請求項１記載の植木鉢。
3. 【請求項３】 栽培用土壌等が収納される凹部を有する
   植木鉢本体を透水性のある天然石を素材として形成し、
   この形成素材における表面に露出の吸水小孔が水容器内
   の水中に浸漬されて配置され、また、水中への浸漬部分
   は植木鉢本体と一体状の吸水性ある脚部としてあること
   を特徴とする植木鉢。
4. 【請求項４】 栽培用土壌等が収納される凹部を有する
   植木鉢本体の底部に、透水性のある天然石を素材として
   形成された吸水部材を貫挿配置し、この吸水部材の形成
   素材における表面に露出の吸水小孔が、植木鉢本体下方
   に配置されている水容器内の水中に浸漬されて配置され
   るようになっていることを特徴とする植木鉢。