JPH04106953U

JPH04106953U - フラワー・ポツト

Info

Publication number: JPH04106953U
Application number: JP1420991U
Authority: JP
Inventors: 秀夫高橋
Original assignee: 株式会社岡部建材店
Priority date: 1991-02-21
Filing date: 1991-02-21
Publication date: 1992-09-16

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、公園等において使用する比較的大
型のフラワー・ポットに関し、水やりに要する時間と手
間を省力化してその管理を容易且つ確実になし、しかも
養土が雑菌等によって不衛生になって植物の育成に支障
をきたしたり、臭気の発生を防止し、さらには養土内に
虫が侵入するのを防止することを目的とする。【構成】本考案は、ポット本体１の底部内に所望の深
さｈの貯水部３を設け、またポット本体１の側面には貯
水部３の内部と外部とが連通するオーバー・フロー孔２
を設けた構成により、貯水部３に溜めた水Ｗが、上方に
設けた養土Ｙ内に毛細管現象によって滲渡り、植物Ｓに
給水が行われる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えば公園、屋外体育施設、工場等のロビーに敷設して使用に供する比較的大型のフラワー・ポットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば公園、屋外体育施設、工場、さらにはホテルまたは喫茶店のロビー等に敷設するフラワー・ポットとしては、コンクリート等によって直径が例えば８０ｃｍ以上もある数個の環状の側塊部品と底塊部品とを順次、重積みして大型の略円筒型に形成されるものや単に円錐台形状や有底の略箱型に一体形成するという、比較的大型のものがあった。

【０００３】そのほか、植物を植栽して運搬に便なるようになした比較的、小型の家庭や園芸施設において使用するフラワー・ポットには、素焼きや陶磁器製の略円錐台形状に形成されたものやプラスチックを成型材料として種々な形状で種々な色彩を附して成型したものがあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで植物は光合成により造作される澱粉を栄養として発育するものであり、この澱粉を合成するのには日照等の光を必要とする。そのほか植物の生育には水や窒素、燐酸、カリ等の三大栄養素が必要不可欠である。

【０００５】しかし、比較的大型のコンクリート製の上記従来のフラワー・ポットや素焼き、陶磁器、プラスチック等の比較的小型の上記従来のフラワー・ポットは、何れもポット本体内に収容した養土に対して上面から灌水を行うものであった。従って季節によって多少、異なるが、灌水に要する時間と気配りとが面倒で多くの手間がかかっていた。

【０００６】しかも従来は、養土に対して上面からの灌水が行われるので、養土の上面に置いた肥料が灌水によって可溶したり、または雑菌、腐敗菌等によって汚れて不衛生になるので、養土が植物の根の発育に支障をきたしたり、肥料が腐敗することによって臭気を漂わせることもあった。

【０００７】また従来のフラワー・ポットには、水抜のための通水孔が通常、その底部に設けられているので、この通水孔からナメクジや虫がポット内に侵入することによって折角、発育した植物の根等を食い荒らすことになっていた。

【０００８】そこで本考案は、植物の発育に必要な灌水に要する時間と気配りとを一掃してその手間を省略して水やりの管理を容易且つ確実になし、しかも養土が雑菌等によって汚れて不衛生になるのを防止して植物の根の発育に支障をきたすことなく臭気の発生が防止され、さらには虫等が養土内に侵入するのを防止することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記点に鑑みてなされたものであり、ポット本体の底部内に所望の深さの貯水部を設けるとともに前記ポット本体の側面には前記貯水部の内部と外部とが連通する適宜数個のオーバー・フロー孔を設けるという手段を採用した。

【００１０】

【作用】

ポット本体の底部内に設けた所定深さの貯水部に溜めた水が、その上方に設けた養土内に下方から毛細管現象によって滲渡ることにより養土の上面から灌水することなく、養土内に植栽された根に給水が行われる。

【００１１】

【実施例】

以下、図１乃至図３に従って載置式にフラワー・ポットに適用した本考案の一実施例を説明する。図１、図２、図３において、１は有底のポット本体であり、このポット本体１は例えばコンクリート、プラスチックによって成型したり、または粘土を素焼きにしたり、陶磁器を用いる等の適宜材料によってその外形が略円錐台形、矩形、六角形、八角形等の適宜形状の箱形に成型され、その側面には貯留される必要量以上の水を排水するためのオーバー・フロー孔２が適宜数個開設されている。

【００１２】図３において１ａは前記ポット本体１の内側面の略全面に形成された凹凸面であり、この凹凸面１ａは前記ポット本体１内に収容する養土Ｙ相互の通気を充分にはかって根の発育を促すものである。

【００１３】３は前記ポット本体１の底部内に一体に設けた所望の深さｈの貯水部であり、この貯水部３内には植物Ｓの生育に必要な例えば、前記オーバー・フロー孔２等から補給される新鮮で所望量の水Ｗが貯留される。そして貯水部３をポット本体１と一体に設けたのはポット本体１を運搬する時に貯水部３がポット本体１と一体に水洩れを生ぜずに運搬できるとともに保管にも便利であり、さらには成型にも容易でコストが低廉になる等の利点があるからである。

【００１４】前記オーバー・フロー孔２は、ポット本体１の底部の側面に内部と外部とが連通するように、ポット本体１の大小の大きさの相違に応じてその大きさや設置個数が決定され、しかもポット本体１内に植える植物Ｓの植栽量や植物Ｓが好水性か嫌水性であるか否かによって所望の深さｈの貯水量を得るためにポット本体１の底面から所望の高さの個所に設置される。

【００１５】またこのオーバー・フロー孔２は必要に応じて虫の侵入を阻止するための防虫網が張設され、またポット本体１の外部からホースの口部を挿入することによって水Ｗを補給し易くするために、図３に示すように断面が内方よりも外方への開口度が広く形成され、しかもその正面形状は図１に示すように略半円形、円、楕円、四角、六角、八角等の適宜形状に形成されてその形状は限定されない。

【００１６】図１および図３において４は前記多孔板５を載置するために、ポット本体１内の前記オーバー・フロー孔２の下縁２ａより僅かに下面位置またはオーバー・フロー孔２の設置付近に設けられた係止手段であり、この係止手段４はポット本体１の略中心に向かってポット本体１の側壁面に突設した環状の、または間欠的に設けられた突起であってもよく、図には示さないが多孔板５の外側縁に突設した突起が嵌脱自在になる凹部をポット本体１の側壁面の内側に形成してもよい。

【００１７】図１および図３において前記多孔板５はその上面にシート状物６を、さらにその上面に養土Ｙを夫々載置するとともに該シート状物６および養土Ｙに前記貯水部３内に貯留された水Ｗが毛細管現象によって浸透し易くするように、その全面に多数の孔５ａが開設されて例えばプラスチックや粘土を素焼きしたり、有孔鉄板に塗装する等した耐蝕性を有する材料によって形成される。

【００１８】前記シート状物６は前記貯水部３からの水Ｗが毛細管現象によって上方に向かって浸透するために、柔軟性と含水性を有する所望厚みの不織布、布等の織布が使用され、このシート状物６には貯水部３内に貯留される水Ｗの腐敗を防止したり、水の浄化を行うために防腐剤７、殺菌剤、浄化作用を有する鉱石、イオン交換樹脂等が固定される。ここに固定とは防腐剤が粒状である場合には接着剤によって接着したり、また液状である場合にはシート状物６に含浸することをいう。

【００１９】８は貯水部３内の水Ｗが減った場合にポット本体１内に水Ｗを補給するために上水道の蛇口等に接続される給水管であり、この給水管８の前記貯水部３の設置個所には貯水部３内に溜まる水Ｗの量が一杯になった時に閉弁され、且つ貯水部３内の水の量が少量になって貯水部３内に溜められた水Ｗの水位が低下した場合には開弁して給水が行われるか、または貯水部３内の水Ｗの残存量をセンサーにより検知し、そしてこのセンサーの検知にもとずいて電気的に開閉する電磁弁を設けることによって自動的に貯水部３への給水を行うようにして残存量を加減する。

【００２０】さらに９は養土Ｙを収容するための養土収容部であり、この養土収容部９は多孔板５およびこの上面に載置されたシート状物６とによってポット本体１内を前記貯水部３に対して上下に区画する。

【００２１】本考案の一実施例は以上の構成からなり、植物Ｓをポット本体１内に植込んで育成するのには、先ずポット本体１の底部内に設けた貯水部３内に新鮮な水Ｗを入れる。この際、所望の深さｈに受入れられる必要量以上の水Ｗはポット本体１の側面に設けた適宜数個のオーバー・フロー孔２からポット本体１の外部に溢れ出る。従って植物Ｓに生育に必要な所望量の水Ｗはポット本体１内の貯水部３内に貯留される。

【００２２】次いでポット本体１内に中心方向に向けて設けた係止手段４の上面に多孔板５を載置した後にその多孔板５の上面にさらに不織布、織布等の柔軟性があり、含水性のシート状物６を載置し、さらに該シート状物６の上面には従来と同様の植栽方法により養土Ｙを使用して植物Ｓを植栽する（図２参照）。

【００２３】このようにしてポット本体１の貯水部３内に貯留された所望量の水Ｗは多孔板５に設けた多数の孔５ａを通じてその多孔板５の上面に設けたシート状物６に毛細管現象によって浸透されてさらにその上方の養土Ｙおよび該養土Ｙ相互間の間隙内に滲渡り、養土Ｙに植栽されている植物Ｓの根に供給される。従って植物Ｓは従来の灌水方法のように上面から養土Ｙに対して灌水することがなくても、充分に生育に必要な量の水分を確保できる。

【００２４】しかもポット本体１の下底部内に設けた貯水部３内に貯水される水Ｗに水溶性の肥料を混合するようにすれば、植物に水Ｗとともに必要な種類、量の肥料を供給することもできる。

【００２５】この場合、シート状物６には防腐剤７、殺菌剤、浄化剤等が適宜固定手段によって固定されているので、貯水部３内に貯留されている水Ｗは腐食が防止されたり、殺菌されたり、浄化されて植物Ｓの根には常時、新鮮な水Ｗが毛細管現象により供給される。従って養土Ｙには上面から灌水する場合とは異なって過剰な水分が供給されることがないので、根腐れが生ずるのが防止されて植物Ｓを健全に育成することができる。

【００２６】また図３に示すように、ポット本体１の内側面には略全面に凹凸面１ａが形成されているので、養土Ｙとの間に間隙Ｋがあいて養土Ｙ内の通気性が確保されるため、養土Ｙ内に存在する雑菌、腐敗菌が繁殖するのが防止でき、養土Ｙ内を常時、衛生的に維持できるとともに肥料等が腐敗する時に発生する臭気を防止することができる。

【００２７】そして経時の使用によって貯水部３内に収容する水Ｗの量が減った場合には、図１および図２に示すように、ポット本体１の側面に設けた適宜数個のオーバー・フロー孔２内にホースの口部を挿入してホースの口部から貯水部３内に水Ｗを補給したり、または貯水部３内に貯留される水Ｗの水位が下がってフロート弁Ｆ等が開かれると、給水管８を通して貯水部３内に新鮮な水Ｗが補給される。このため、貯水部３内に貯留された水Ｗにより、養土Ｙの上方から灌水するのを忘れたとしても貯水部３内に貯留された水Ｗが植物Ｓに供給されることにより、水枯れによって枯死することが防止できる。

【００２８】なお貯水部３内に溜水されている水Ｗの量の減りはオーバー・フロー孔２を通じて貯水部３内を覗き見ることによって外部から伺い知れる。

【００２９】図４は本考案のほかの実施例を示すものである。この実施例においては特にポット本体１の略下半部を土中Ｄ内に埋込むようにする半埋込式のフラワー・ポットに使用する時に最適であり、またこの実施例ではポット本体１の外側に回転可能の排出口１０ａを有する側面略Ｌ字形の連通パイプ１０を回転自在に設ける構成により、給水管８に設けたフロート弁Ｆや電磁弁が故障して貯水部３内への給水が止まらなくなった場合に、側面略Ｌ字形の回転可能の連通パイプ１０の排出口１０ａからポット本体１内の過剰な水Ｗを排水する。

【００３０】しかもポット本体１を数個、接続した場合に、連通パイプ１０の排出口１０ａを図４の実線に示す位置から想像線に示す位置に９０度、回動し、そしてこの連通パイプ１０を介して相互に接続したポット本体１の貯水部３相互間に水Ｗを移送することにより、多数のポット本体１に溜める水Ｗの管理を集中的に管理できる点が前記実施例とは異なる。

【００３１】また図５は本考案の第３実施例であり、この実施例においてはポット本体１の底面にポット本体１を回転自在とするターンテーブル２０をボールベアリング等の軸受部品２１を介して設ける構成によって日照の方向に合わせてポット本体１を回転することにより植物Ｓに偏りなく太陽等の光線を照射するようにして全体的に平均した光合成を促すことによって植物Ｓの発育を助長するとともにポット本体１の設置位置を変化することによって植物Ｓの鑑賞位置を変更するのに役立つ点が前記実施例とは異なる。

【００３２】そのほか上記実施例においては説明は省略したが、ポット本体１の移動運搬を簡便になすために、ポット本体１の側面に吊具を係合するためのフックを設けたり、または吊具を係合するためのワイヤーを挿通する所要数個の孔をポット本体１に設けることによりポット本体１の移動および運搬を容易になすことができる。

【００３３】またポット本体１をキャスター付の基台の上面に載置することによってポット本体１の移動を容易になしてもよい。

【００３４】

【考案の効果】

本考案は以上のように、植物の発育に必要な灌水に要する時間と気配りとを一掃してその手間を省略できるので、水やりの管理を容易且つ確実にでき、しかも養土が雑菌等によって汚れて不衛生になるのを防止することにより植物の根の発育に支障をきたしたり、腐敗時に発生する臭気の発生が防止され、さらには虫等がポット本体から養土内に侵入するのが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例を示す分解斜面図であ
る。

【図２】図２は同じく図１の使用状態を示す断面図であ
る。

【図３】図３は同じく一部を切欠いた拡大断面図であ
る。

【図４】図４は本考案の第２実施例を示す断面図であ
る。

【図５】図５は本考案の第３実施例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ポット本体２オーバー・フロー孔３貯水部４係止手段５多孔板５ａ孔６シート状物８給水管９養土収容部１０連通パイプＰポンプＹ養土

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ポット本体の底部内に所望の深さの貯水
部を設けるとともに前記ポット本体の側面には前記貯水
部の内部と外部とが連通する適宜数個のオーバー・フロ
ー孔を設けたことを特徴とするフラワー・ポット。
【請求項２】前記ポット本体内の前記オーバー・フロ
ー孔の付近に係止手段を設け、該係止手段に多孔板を係
合載置し、該多孔板の上面には防腐剤、イオン交換樹脂
等の薬剤を固定したシート状物を載置するとともに該シ
ート状物の上方に養土収容部を設けたことを特徴とする
請求項１に記載のフラワー・ポット。
【請求項３】ポット本体の内側面に凹凸面を設けて通
気性を確保することを特徴とする請求項１に記載のフラ
ワー・ポット。
【請求項４】前記ポット本体の前記貯水部の外側に必
要に応じて連通パイプを設けることを特徴とする請求項
１または請求項２に記載のフラワー・ポット。
【請求項５】ポット本体の底部の下面にターン・テー
ブルを設けてポット本体を回転自在にしたことを特徴と
する請求項１に記載のフラワー・ポット。
【請求項６】前記ポット本体が土面等に対して載置式
であることを特徴とする請求項１に記載のフラワー・ポ
ット。
【請求項７】前記ポット本体が土面等に対して埋込式
であることを特徴とする請求項１に記載のフラワー・ポ
ット。