JPH065437U - プランター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 花や野菜の世話や水やりが毎日できなくて
も、肥料の補給や水やりが簡単に行え、花や野菜を良好
に育てることができるプランターを提供する。 【構成】 プランター本体１内に仕切り板８を取付け、
水を溜めるプランター本体１内下部と培養土１４を入れ
るプランター本体１内上部とに二分する。プランター本
体１の一隅にプランター本体１内下部に通じる給水管５
を設け、その給水管５に近接してオーバーフロー穴６と
栓付きの排水口７とを設ける。仕切り板８に適数の吸水
材１０をその上端側が仕切り板８上に露出し、下端側が
仕切り板８を貫いて下方に垂れ下る状態で分散して設
け、その上から仕切り板８に給水マット１１を敷き詰め
る。プランター本体１内上部に入れた培養土１４に、プ
ランター本体１内下部の水を、毛管現象により、吸水材
１０から給水マット１１を介して少しずつ供給し、培養
土１４の湿度を一定に保つ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ベランダなどの限られた狭い場所で植物を栽培するために使用する プランターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のプランターは洋風植木鉢とも称され、通常、合成樹脂製又は白色セメン ト製の箱型の容器で、底部に吸排水用の透孔が設けられている。またプランター は従来から大きさ（容量）や形状、色彩等に関し、多種多様なものが提供されて いる。

【０００３】 上記のプランターは、いろいろな種類の中から設置場所等に応じて適当なもの を選べ、しかも合成樹脂製のものは比較的軽量で取り扱いやすいことから、会社 や公共施設、公園等で広く用いられている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

会社や公共施設、公園にプランターを設置した場合、花や野菜の世話や水やり が毎日できないという問題点があった。また、比較的大きなプランターを用いて 家庭菜園を個人で作る場合、肥料の補給や水やりあるいはプランターの移動を個 人で行うのが著しく面倒であるという問題点もあった。

【０００５】 そこで本考案は前記事情に基いて成されたものであり、肥料の補給や水やりが 簡単に行え、花や野菜の世話や水やりが毎日できなくても、花や野菜を良好に育 てることができるプランターを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案によるプランターは、プランター本体の周壁 の内周側中間部に全周にわたり段部を形成し、プランター本体の内底面全体に段 部より僅かに低いリブを分散して設け、プランター本体の一隅に上方に突出して プランター本体内下部に通じる給水管を設け、周壁の給水管に近接する箇所にリ ブとほぼ同じ高さのオーバーフロー穴とプランター本体内の底部に通じる栓付き の排水口とを夫々設け、プランター本体内のリブ全体にわたって仕切り板を段部 とほぼ面一で接する状態で載せ、仕切り板に該仕切り板を上下に貫く吸水性の高 い適数の吸水材を分散して設け、吸水材の下端側を仕切り板の下方に垂れ下げ、 上端側を仕切り板の上面とほぼ面一に成し、その上から仕切り板に吸水性に優れ た給水マットを敷き詰めてあることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案によるプランターでは、プランター本体が仕切り板で上下に二分され、 プランター本体の一隅の給水管からプランター本体内下部に給水され、またオー バーフロー穴から余分な水が排出され、さらに必要に応じて栓付きの排水口から プランター本体内下部に溜めた水を全部抜き取れるようになっている。

【０００８】 またプランター本体内下部に溜めた水が、毛管現象により、仕切り板を上下に 貫いて垂れ下がる吸水材の下端側から仕切り板上でほぼ面一となる吸水材の上端 側に吸い上げられ、さらにその上に敷き詰められた給水マットに供給され、プラ ンター本体内上部に入れる培養土を適度に湿った状態に保つ。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案によるプランターについて図面を参照しつつ具体的に説明する。 図示の本案プランターは、平坦な箱型のプランター本体１と、プランター本体１ 内に組み込んで上下二段に分ける仕切り板８、仕切り板８を上下に貫く適数の吸 水材１０、及び仕切り板８の上に敷く給水マット１１からなる。

【００１０】 プランター本体１は、軽くて丈夫な発泡プラスチックを使用し、周壁２の内周 側中間部に段部３を全周にわたって形成し、平坦な内底面全体に段部３より僅か に低いリブ４を分散して設けたものである。この実施例のリブ４は相対向する周 壁２から互い違いに櫛歯状に延び、また途中で直交方向にも分岐しているが、プ ランター本体１内に注水した場合に、リブ４の間を流れてプランター本体１内に まんべんに水が満たされるものであれば、リブ４の形状や配置は適宜変更可能で ある。

【００１１】 またプランター本体１には、隅角の厚肉部１３の段部３上からプランター本体 １内底部に通じる給水孔１２を設け、その給水孔１２に給水管５を上方に突出す る状態で嵌合し、周壁２の給水管５に近接する箇所にリブ４とほぼ同じ高さのオ ーバーフロー穴６とプランター本体１内の底部に通じる栓付きの排水口７とをそ れぞれ設けてある。

【００１２】 仕切り板８は、軽くて丈夫で適度の弾力性を有する発泡プラスチック（発泡ス チロール）の板材を用い、段部３より下方でプランター本体１内に丁度嵌まる概 ね長方形状と成し、隅角の厚肉部１３に対応する箇所に切欠部１５を設け、中央 部分に二本の切目９を広い間隔で平行に形成したもので、この仕切り板８をプラ ンター本体１内のリブ４全体にわたって載せれば、段部３とほぼ面一で内接し、 プランター本体１内を上下に仕切ることができる。

【００１３】 この実施例の吸水材１０はシート状で可撓性が有り、吸水性及び耐久性に優れ た織布等を用い、仕切り板８の各切目９に途中まで挿通し、下端側を仕切り板８ の下に垂れ下げ、上端側を仕切り板８の上に広げ、プランター本体１内下部に溜 った水を各吸水材１０で毛管現象により仕切り板８の上側へ少しずつ吸上げるも のである。

【００１４】 尚、吸水材１０は吸水性及び耐久性に優れた織布等で適宜太さの中実の棒状又 は筒状に形成し、仕切り板８に複数の透孔を分散して設け、各透孔に吸水材１０ を挿通し、吸水材１０の上端側に透孔より太径の鍔を設けるなどして仕切り板８ の上面側に露出してほぼ面一になるように取付け、下端側を仕切り板８の下面側 に垂れ下げるようにしてもよい。

【００１５】 給水マット１１は、不織布等の吸水性及び耐久性に優れた素材を用い、仕切り 板８とほぼ同じ大きさ及び形状に形成し、吸水材１０を部分的に広げた仕切り板 ８の上に全面的に敷き詰め、吸水材１０で吸上げた水を給水マット１１で仕切り 板８全体に広げるものである。

【００１６】 本案プランターは上記の如く構成されるもので、実際の使用に際し、まずプラ ンター本体１のリブ４上に仕切り板８を載せ、仕切り板８の各切目９にそれぞれ シート状の吸水材１０を途中まで挿通し、吸水材１０の下端側を仕切り板８の下 面側に垂れ下げ、上端側を仕切り板８の上に広げ、その上から仕切り板８に給水 マット１１を全面的に敷き詰める。

【００１７】 そしてプランター本体１内上部、即ち給水マット１１の上に土壌改良剤を混合 した培養土１４をプランター本体１からこぼれない程度に入れ、培養土１４に花 や野菜などを植え、給水管５からプランター本体１内下部に水を、オーバーフロ ー穴６から溢れ出るまで入れる。ここで、培養土１４には栽培する植物等に応じ て適当なものを使用する。

【００１８】 するとプランター本体１内下部に溜まった水が吸水材１０から給水マット１１ を通じて培養土１４に少しづつしみ出す。上記実施例のプランターではプランタ ー本体１下部内に約７０リットルの水を溜めることができるので、しばらくの間 水やりをしなくても、プランター（培養土１４）に植えた花や野菜は培養土１４ から水や栄養分を吸収して順調に成育する。

【００１９】 尚、普段はプランター本体１内下部に雨水等を貯水しているが、夏や雨の少な い時には給水管５から水を入れ、オーバーフロー穴６から溢れ出たら補水を止め る。またプランターを移動する時には、排水口７の栓を外してプランター本体１ 内下部の水を全部排出すれば、上記実施例のプランターの場合、約７０リットル 分の水の重量が軽減されるので、プランターの移動が著しく容易になる。さらに 尚、給水管５やオーバーフロー穴６及び排水口７を近接して設けたのは、一カ所 で給排水等を手際良く管理するためである。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によるプランターは、プランター本体内を仕切り板で 上下に仕切り、プランター本体の一隅に設けた給水管からプランター本体内下部 に給水し、その水を吸水材を介して仕切り板上の給水マットに少しずつ供給する ものであるから、プランター本体内上部に培養土を入れ、プランター本体内下部 に充分に水を溜めておけば、しばらく給水しなくても、給水マットからの水分で 培養土を常に適度に湿った状態に保つことができる。

【００２１】 また本案プランターには仕切り板とほぼ同じ高さのオーバーフロー穴を設けて あるので、プランター本体内上部の培養土が必要以上に濡れることがない。さら にプランター本体内底部にほぼ等しい高さに栓付きの排水口を設けてあるので、 栓を開けて排水口からプランター本体内下部に溜めた水を抜けば、その分重量を 軽減でき、移動も容易になる。

【００２２】 従って本案プランターは、水やり等の手間暇をあまりかけなくても、培養土を 常に適度に湿った状態に保ち、花や野菜を立派に育てることができ、また移動も 容易で、毎日の世話が困難な会社や公共施設、公園に設置するプランター、ある いは家庭菜園用プランターとして最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるプランターの一実施例を示す分解
斜視図である。

【図２】本案プランターのプランター本体の要部平面図
である。

【図３】本案プランターの要部縦断面図である。

【符号の説明】

１ プランター本体 ２ 周壁 ３ 段部 ４ リブ ５ 給水管 ６ オーバーフロー穴 ７ 排水口 ８ 仕切り板 １０ 吸水材 １１ 給水マット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プランター本体（１）の周壁（２）の内
   周側中間部に全周にわたり段部（３）を形成し、プラン
   ター本体（１）の内底面全体に段部（３）より僅かに低
   いリブ（４）を分散して設け、プランター本体（１）の
   一隅に上方に突出してプランター本体（１）内底部に通
   じる給水管（５）を設け、周壁（２）の給水管（５）に
   近接する箇所にリブ（４）とほぼ同じ高さのオーバーフ
   ロー穴（６）とプランター本体（１）内の底部に通じる
   栓付きの排水口（７）とを夫々設け、プランター本体
   （１）内のリブ（４）全体にわたって仕切り板（８）を
   段部（３）とほぼ面一で接する状態で載せ、仕切り板
   （８）に該仕切り板（８）を上下に貫く吸水性の高い適
   数の吸水材（１０）を分散して設け、吸水材（１０）の
   下端側を仕切り板（８）の下方に垂れ下げ、上端側を仕
   切り板（８）とほぼ面一に成し、その上から仕切り板
   （８）に吸水性に優れた給水マット（１１）を敷き詰め
   てあることを特徴とするプランター。