JP3011596U - テープカッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単であり、且つ切刃が常時テープ側
に沿って押し当てられているため、容易に確実に所望長
さのテープを巻き戻して切り取ることができようにした
テープカッターを提供することにある。 【構成】 巻芯２の内周面４に短筒部材５を回動自在に
内嵌させる一方、この短筒部材５に軸体14を有する取付
枠16を固着し、この軸体14に円弧状に湾曲した添接板17
を枢着すると共に、この軸体14に設けたスプリング19(2
0)の弾発付勢によって常時添接板17をロールテープ１の
外周面11に弾圧し、この添接板17の先端に切刃22を設
け、または切刃25を形成した別体の刃板26を着脱自在に
設けた構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、巻芯に巻層された粘着テープや両面テープ等の各種ロールテープに 巻装したテープを、巻き戻して所望長さのテープに切り取るのに使用するテープ カッターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に粘着テープや接着テープ等の各種のテープは、巻芯に巻層されたロール テープとして市販されている。これらのロールテープには、従来から所望長さの テープを巻き戻して切り取るためのテープカッターが別個に付帯して販売されて いる。

【０００３】 このテープカッターが汎用されているものとしては例示するまでもなく、平板 状の金属板片の先端に切刃を形成すると共に、両側に巻層したロールテープの両 側に沿って延びる係止片を上記金属板片と一体的に形成し、この両係止片の下部 をロールテープの巻芯の内側に折り曲げることによってロールテープに取付ける ようにしたものであった。

【０００４】 しかし本考案者は上記汎用されているテープカッターは簡単・軽量で取扱性の 点では便利であるが、がたつきや正確な切断ができないという難点から、前記し たテープカッターを改良した考案のテープカッターを実願平５−５８７８号とし て出願しているものである。ところがこのテープカッターは引張りコイルバネを かなり強いバネ力を有するものを使用しないとテープの減少に伴って切刃がテー プ外周表面に密接できなくなり、またテープ外周表面と刃先とが密接しないで離 間すると所望長さを正確に切断できないという問題がある。更に構造が複雑化し 、コスト的にも高価になるという欠点が生じた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 上記したように前者の従来型のテープカッターは構造が簡単で取扱性の点では 便利であるが、がたつきや正確な切断性に欠けるという問題がある。また後者の テープカッターは上記従来型の欠点は改良されたが切刃を先端に形成した水平板 を下方からコイルスプリングでロールテープの外周面に当接させる方向に付勢す るように構成しているので強いスプリング力が必要であると同時に刃先がテープ 外周表面に密接させることが困難であり且つ構造が複雑となり、高価になるとい う欠点がある。

【０００６】 本考案は上記のような点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするとこ ろは、構成が簡単であり、且つ常に切刃が切り取るテープ側に沿って押し当てら れることにより、容易に且つ確実に所望長さのテープを巻き戻して切り取ること ができると共に切刃のがたつきのないテープカッターを提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は上記の目的を達成するために、次のような構成にしてある。 すなわち、請求項１に記載の本考案のテープカッターは、巻芯上にテープを巻層 してなるロールテープのカッターであって、上記巻芯の内周面に短筒部材を回動 自在に内嵌させる一方、ロールテープの両側面に沿う左右側枠片の内外端間に上 記短筒部材と一体的に固着した内枠片とロールテープの外周表面に沿う軸体とを 夫々連結して短筒部材と一体的にロールテープに沿って摺動可能な取付枠を形成 し、この取付枠の軸体にロールテープの外周表面に沿って円弧状に湾曲した添接 板の基端を起伏自在に枢着し、さらに、上記軸体に添接板をロールテープの外周 表面側に向かって常時弾圧するスプリングを配設すると共に添接板の先端に切刃 を設けた構成にしてある。

【０００８】 また、請求項２に記載の本考案のテープカッターは、上記請求項１の構成であ って、切刃は添接板の先端縁に形成されている構成にしてある。

【０００９】 また、請求項３に記載の本考案のテープカッターは、上記請求項１の構成であ って、切刃は添接板とは別体の刃板の先端縁に形成されてあり、この切刃を添接 板の先端部に着脱自在に装着している構成にしてある。

【００１０】

【作用】

上記のような構成からなる請求項１に記載の本考案のテープカッターでは、先 端に切刃を設けた添接板は、スプリングの弾圧によって常時ロールテープの外周 表面に沿って押し当てられることになる。そのため、添接板の先端に設けた切刃 も、切り取るテープの外面に対し適当な状態で待機し、テープを切り取る時には 切刃がテープと当接して容易にテープを切り取ることができると共に、バラつき のない所望長さのテープに切断できる。また、切刃を設けた添接板を枢着した取 付枠は、ロールテープの巻芯に回転自在に内嵌した短筒部材に固着してあり、巻 層されたテープを剥がしていく時に、テープが切刃を設けた添接板を押すことに より短筒部材が回転し、スムーズにテープカッターを移動させて所望長さのテー プを切り取ることができる。

【００１１】 また、上記のような構成からなる請求項２に記載の本考案のテープカッターで は、切刃は添接板の先端縁に一体に形成されているため、確実にテープを切り取 ることができる。

【００１２】 また、上記のような構成からなる請求項３に記載の本考案のテープカッターで は、切刃を先端に形成した別体の刃板を、添接板の先端部に着脱自在に装着する ことにより、切刃が傷んだ場合にも刃板を交換することにより、常に切れ味のよ い切刃によってテープを切り取ることができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図に基づいて説明する。 図１〜図４は本考案に係る第１実施例のテープカッターを示す図であり、図１ は斜視図、図２は側面図、図３は図１のＡ−Ａ縦断面図、図４は図３のＢ−Ｂ断 面図である。図において、１は巻芯２上にテープ３を巻層してなるロールテープ であり、このロールテープ１の巻芯２の内周面４には、短筒部材５が摺接して回 動自在になるよう内嵌してある。

【００１４】 上記のロールテープ１の両側面には、この両側面に沿うようにして左右に側枠 片６、７が設けられ、巻芯２の内周面４側に位置する左右の側枠片６、７の内外 端間には、上記短筒部材５と一体的に固着した内枠片８が設けられている。この 内枠片８には、左右の側枠片６、７の内外端を一体に固着してある。

【００１５】 また、上記左右の側枠片６、７の上端部９、10は、ロールテープ１の外周表面 11よりやや外側に突出し、この両側枠片６、７の上端部９、10には軸孔12、13が 穿設してあり、一方の側枠片６の軸孔12からボルトからなる軸体14を挿入し、軸 体14の先端をもう一方の側枠片７の軸孔13に挿通して、この軸体14の先端にナッ ト15を螺着し、軸体14を左右の側枠片６、７に横設してある。この軸体14とロー ルテープ１の外周表面11との間には多少の間隙を設けてある。

【００１６】 上記のようにしてロールテープ１の外周表面11に沿う軸体14と、左右の側枠片 ６、７と、内枠片８とを連結して形成された取付枠16は、上記短筒部材５と一体 的にロールテープ１に沿って摺動可能に設けてある。また内枠片８と短筒部材５ の内周面を接着その他の方法で固着するとよく、更に内枠片８をなくして左右の 側枠片６、７をコ字状に形成して直接短筒部材５の内周面に固着するようにして もよい。

【００１７】 上記の取付枠16の軸体14には、ロールテープ１の外周表面11に沿って円弧状に 湾曲した添接板17の基端18を起伏自在に枢着してある。更に、上記軸体14の左右 側枠片６、７寄りにはスプリング19、20が配設され、各スプリング19、20の一端 19a、20aは左右の側枠片６、７に係止され、他端19b、20bは上記添接板17の上面 21に係止され、この添接板17をロールテープ１の外周表面11側に向かって常時弾 圧するようにしてある。

【００１８】 また、添接板17の先端縁には、鋸刃状の切刃22が形成してある。更に、この添 接板17の先端縁寄りの両側には、ロールテープ１の外側面に沿って延びるように 添付片23が形成され、この添付片23はガイドの機能と添接板の横ブレを阻止する もので、この添付片23の下端部分は、ロールテープ１に摺動可能に設けた上記短 筒部材５の内面側に折り曲げてある。この折り曲げ部分は、短筒部材５の内面に 強く係止させるも、あるいは短筒部材５の内面側に隙間を以て折り曲げておくも 任意である。

【００１９】 上記のような構成からなる第１実施例のテープカッターにあっては、切刃22を 先端縁に形成した添接板17は、スプリング19、20の弾圧によって常時ロールテー プ１の外周表面11に沿って密接した状態となっている。そのため、テープ３を必 要なだけ切り取る場合、ロールテープ１の外周表面11側に位置するテープ３の端 を剥がすことにより、テープ３は添接板17の切刃22の先端に当接する。

【００２０】 この状態で更に所望長さだけテープ３を剥がしていくことにより、切刃22を形 成した添接板17は、テープ３の外周表面11を押圧しながらテープが剥離されて行 く。このことにより取付枠16を介して短筒部材５に連結された上記添接板17は、 短筒部材５がロールテープ１の巻芯２の内周面４を摺動回転することにより、テ ープ３を切刃22が当接しながら移動する。

【００２１】 上記のようにして所望の長さだけテープ３を剥がしながら貼着し、貼着終端部 で添接板17の切刃22を立てて切断すると貼着所望位置で正確に切り取ることがで きる。

【００２２】 この時、添接板17はスプリング19、20により強くロールテープ１の外周表面11 側に弾圧されているので、切刃22は常時強くテープ３の表面に当接し、正確且つ 簡単にテープ３を切り取ることができる。

【００２３】 また、ロールテープ１の巻層したテープ３を外側面には、添接板23が両側から 挟むようにして設けられているので、添接板23の位置ずれが防止され、テープ３ を添接板17の切刃22で切る時にも、切る時の横方向（或いは斜め上方向）への力 に対しても添接板17がテープ３からずれたり、変形したりするといったことがな い。

【００２４】 図５〜図９は本考案に係る第２実施例のテープカッターであり、上記第１実施 例と共通する構成部分については同一符号を付して説明を省略し、構造の異なる 部分について以下に説明する。

【００２５】 この実施例では添接板24自体には、その先端縁に切刃を設けず、切刃25は別体 の刃板26の先端縁に形成し、または粘着テープに付帯している既製の刃板を添接 板24の先端部27に着脱自在に装着するようにするとよい。

【００２６】 すなわち、上記添接板24はロールテープ１の外周表面11に沿って円弧状に湾曲 した板状の部材であり、スプリング19、20によってロールテープ１の外周表面11 に強く弾圧されている。この添接板24の先端部の両側には、突片部28を有する浅 い嵌合溝26a が形成されている、（図７）。

【００２７】 また、先端縁に切刃25を形成した刃板26は、両側に取付用の折曲片29が形成さ れていて、この刃板26を上記添接板24の先端縁に取り付ける場合には、刃板26の 先端縁の切刃25が添接板24からやや前方に突出するようにして、刃板26を添接板 24の上面に重合させ、刃板26の両取付用の折曲片29を前記した嵌合溝26a に嵌合 合致させて、上記両折曲片29を添接板24の裏側面に沿って強く折り曲げることに より簡単に取付けられる。

【００２８】 上記のような第２実施例のテープカッターにおいても、第１実施例のテープカ ッターと同様にして、テープ３を所望長さづつ正確に切って使用することができ る。

【００２９】

【考案の効果】

以上、上記説明でも明らかなように本考案の請求項１に記載のテープカッター では、先端に切刃を設けた添接板を取付枠の軸体に枢着しスプリングによってロ ールテープの外周表面側に常時弾圧すると共に、このロールテープの外周表面に 沿うように添接板を円弧状に湾曲形成してあるので、巻層されたテープ層が減少 し薄くなっても添接板はロールテープの外周表面に沿って常に強く押し当てられ 、巻芯に巻層されたテープを所望長さだけ切り取る時も、ロールテープの外周表 面と切刃の先端とが密接しているため切断し易く、且つ所望の長さにバラつきの ない位置で正確に切断できる。

【００３０】 また、上記添接板を枢着した取付枠は、ロールテープの巻芯の内周面に回動自 在に内嵌した短筒部材に固着してあるので、テープを切り取る時にも短筒部材が スムーズに回動して切刃を後退移動させることができ、テープの切り取り操作を 容易に行なうことができる。

【００３１】 また、本考案の請求項２に記載のテープカッターでは、切刃は添接板の先端縁 に一体形成してあるので、従来のように切刃が不測に動き回ったり、がたつくこ となく常時切断態勢位置に保持されているものである。

【００３２】 更に、本考案の請求項３に記載のテープカッターでは、切刃は添接板とは別体 の刃板の先端縁に形成され、この切刃を添接板の先端部に着脱自在に装着してあ るので、既製のロールテープに装着されている切刃を形成した刃板を、この添接 板の先端部に取り付けて使用することができる。また、切刃が変形したり損傷し たりした場合でも、別の切刃と交換することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る第１実施例の斜視図である。

【図２】本考案に係る第１実施例の側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ縦断面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ断面図である。

【図５】本考案に係る第２実施例の斜視図である。

【図６】本考案に係る第２実施例の側面図である。

【図７】添接板と刃板との取付方を示す説明図である。

【図８】図５のＣ−Ｃ断面図である。

【図９】図８のＤ−Ｄ断面図である。

【符号の説明】

１ ロールテープ ２ 巻芯 ３ テープ ４ 内周面 ５ 短筒部材 ６ 側枠片 ７ 側枠片 ８ 内枠片 11 外周表面 14 軸体 16 取付枠 17 添接板 18 基端 19 スプリング 20 スプリング 22 切刃 25 切刃 26 刃板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻芯２上にテープ３を巻層してなるロー
   ルテープ１のカッターであって、上記巻芯２の内周面４
   に短筒部材５を回動自在に内嵌させる一方、ロールテー
   プ１の両側面に沿う左右側枠片６、７の内外端間に上記
   短筒部材５と一体的に固着した内枠片８とロールテープ
   １の外周表面11に沿う軸体14とを夫々連結して短筒部材
   ５と一体的にロールテープ１に沿って摺動可能な取付枠
   16を形成し、この取付枠16の軸体14にロールテープ１の
   外周表面11に沿って円弧状に湾曲した添接板17の基端18
   を起伏自在に枢着し、更に、上記軸体14に添接板17をロ
   ールテープ１の外周表面11側に向かって常時弾圧するス
   プリング19(20)を配設すると共に添接板17の先端に切刃
   22を設けていることを特徴とするテープカッター。
2. 【請求項２】 切刃22は添接板17の先端縁に形成されて
   いることを特徴とする請求項１記載のテープカッター。
3. 【請求項３】 切刃25は添接板17とは別体の刃板26の先
   端縁に形成されてあり、この切刃25を添接板17の先端部
   に着脱自在に装着していることを特徴とする請求項１記
   載のテープカッター。