JP3008410B2 - 積層セラミックコンデンサ用誘電体磁器組成物 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ用誘電体磁器組成物

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JP3008410B2 JP1156505A JP15650589A JP3008410B2 JP 3008410 B2 JP3008410 B2 JP 3008410B2 JP 1156505 A JP1156505 A JP 1156505A JP 15650589 A JP15650589 A JP 15650589A JP 3008410 B2 JP3008410 B2 JP 3008410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、誘電率、絶縁抵抗、絶縁破壊電圧が高く、
良好度Qに優れ、静電容量温度係数が小さく、チップ立
ちの発生を抑制することのできる積層セラミックコンデ
ンサ用誘電体磁器組成物に関するものである。
従来の技術 従来から誘電率、絶縁抵抗が高く、良好度Qにすぐ
れ、静電容量温度係数が小さい誘電体磁器組成物として
下記のような系が知られている。
BaO−TiO2−Nd2O3系 BaO−TiO2−Sm2O3系 発明が解決しようとする課題 しかし、これらの組成は、例えば0.09BaO−0.55TiO2
−0.36NdO3/2の組成比からなる誘電体材料を使用し、円
板形磁器コンデンサを作製すると、絶縁抵抗の平均値:
8.0×1012Ω、絶縁破壊強度の平均値:30kv/mmであり、
満足のできる値ではない。また、この誘電体磁器の密度
は、5.6g/cm3であるが、一般に長さL3.2×幅W1.6mm以下
の積層セラミックコンデンサのリフローはんだ付け、特
にベーパーリフローはんだ付けでは、チップ立ち(通
常、ツームストーン現象、マンハッタン現象と呼ばれて
いる。)が発生しやすく、このチップ立ちを防ぐため誘
電体磁器の密度をより大きくしなければならないという
課題があった。
課題を解決するための手段 そこで本発明の積層セラミックコンデンサ用誘電体磁
器組成物は、一般式xBaO−y{(TiO2(1-m)(SnO2
}−zReO3/2(ただし、x+y+z=1.00、0.01≦m
≦0.20、Reは、La,Pr,Nd,Smから選ばれる一種類以上の
希土類元素。)と表した時、x,y,zが以下の表に示す各
点a,b,c,d,e,fで囲まれるモル比の範囲からなる主成分1
00重量部に対し、副成分としてV2O5を0.005〜1.000重量
部含有したものである。
作用 この構成によると、誘電体磁器組成物中の4価のTiお
よびSnの一部を5価のVで置換することにより生じた陽
イオン空孔で、焼成時の酸素欠陥によるe-を補償し、Ti
O2が還元されるのを抑制できる。従って積層セラミック
コンデンサを作製する場合、誘電体層中のTiとPd等の内
部電極を形成する金属との化合物の生成を防止でき、誘
電体層と内部電極の界面の密着性が向上するため、静電
容量とQ値が大きく、そのバラツキが小さい積層セラミ
ックコンデンサを得ることができる。
また従来の誘電体磁器組成物は、焼成時に還元された
TiO2が冷却過程である程度再酸化されるが、誘電体層の
内部、及び各結晶粒子の内側は再酸化されにくく酸素欠
乏状態のまま残る。この酸素欠乏が電気伝導に寄与し、
誘電体磁器組成物の絶縁抵抗、絶縁破壊強度を劣化させ
る。本発明の誘電体磁器組成物は、4価のTi及びSnの一
部を5価のVで置換することにより生じた陽イオン空孔
で、焼成時の酸素欠陥によるe-を補償する。
従って絶縁抵抗、絶縁破壊強度が従来よりも向上した
積層セラミックコンデンサを得ることができる。
さらにTiの一部をSnで置換することにより、誘電体磁
器組成物の密度が向上するため、積層セラミックコンデ
ンサにした場合、チップ立ちの発生を抑制することがで
きる。
実施例 以下に、本発明を具体的実施例により説明する。
(実施例1) 出発原料には化学的に高純度のBaCo3,TiO2,SnO2,La2O
3,Pr6O11,Nd2O3,Sm2O3およびV2O5粉末を下記の第1表に
示す組成比になるように秤量し、めのうボールを備えた
ゴム内張りのボールミルに純水とともに入れ、湿式混合
後、脱水乾燥した。この乾燥粉末を高アルミナ質のルツ
ボに入れ、空気中で1100℃にて2時間仮焼した。この仮
焼粉末を、めのうボールを備えたゴム内張りのボールミ
ルに純水とともに入れ、湿式粉砕後、脱水乾燥した。こ
の粉砕粉末に、有機バインダーを加え、均質とした後、
32メッシュのふるいを通して整粒し、金型と油圧プレス
を用いて成形圧力1ton/cm2で直径15mm、厚み0.4mmに成
形した。次いで、成形円板をジルコニア粉末を敷いたア
ルミナ質のサヤに入れ、空気中にて下記の第1表に示す
温度で2時間焼成し、第1表に示す組成比の誘電体磁器
を得た。
このようにして得られた誘電体磁器円板は、厚みと直
径と重量を測定し、重量を厚みと直径より算出した体積
で除算し、誘電体磁器の密度とした。
また、誘電率、良好度Q、静電容量温度係数測定用試
料は、誘電体磁器円板の両面全体に銀電極を焼き付け、
絶縁抵抗、絶縁破壊強度測定用試料は、誘電体磁器円板
の外周より内側に1mmの幅で銀電極のない部分を設け、
銀電極を焼き付けた。そして、誘電率、良好度Q、静電
容量温度係数は、YHP社製デジタルLCRメータのモデル42
75Aを使用し、測定温度20℃、測定電圧1.0Vrms、測定周
波数1MHzでの測定より求めた。なお、静電容量温度係数
は、20℃と85℃の静電容量を測定し、次式により求め
た。
TC=(C−Co)/Co×1/65×106 TC:静電容量温度係数(ppm/℃) Co:20℃での静電容量(pF) C :85℃での静電容量(pF) また、誘電率は次式より求めた。
K=143.8×Co×t/D2 K :誘電率 Co:20℃での静電容量(pF) D :誘電体磁器の直径(mm) t :誘電体磁器の厚み(mm) さらに、絶縁抵抗は、YHP社製HRメータのモデル4329A
を使用し、測定電圧50V.D.C.、測定時間1分間による測
定より求めた。
そして、絶縁破壊強度は、菊水電子工業(株)製高電
圧電源PHS35K−3形を使用し、試料をシリコンオイル中
に入れ、昇圧速度50V/secにより求めた絶縁破壊電圧を
誘電体厚みで除算し、1mm当たりの絶縁破壊強度とし
た。
試験条件を第1表に併せて示し、試験結果を下記の第
2表に示す。
また第1図は本発明にかかる組成物の主成分の組成範
囲を示す三元図であり、主成分の組成範囲を限定した理
由を第1図を参照しながら説明する。すなわち、A領域
では焼結が著しく困難である。また、B領域では良好度
Qが低下し実用的でなくなる。さらに、C,D領域では静
電容量温度係数がマイナス側に大きくなりすぎて実用的
でなくなる。そして、E領域では静電容量温度係数がプ
ラス方向に移行するが、誘電率が小さく実用的でなくな
る。また、ReをLa,Pr,Nd,Smから選ぶことにより、La,P
r,Nd,Smの順で誘電率を大きく下げることなく、静電容
量温度係数をプラス方向に移行することが可能であり、
La,Pr,Nd,Smの1種あるいは組合せにより静電容量温度
係数の調節が可能である。
また、TiO2をSnO2で置換することにより、誘電率、良
好度Q、静電容量温度係数、絶縁抵抗、絶縁破壊強度の
値を大きく変えることなく、誘電体磁器の密度を大きく
する効果を有し、その置換率mが0.01未満では置換効果
はなく、一方0.20を越えると誘電率、良好度Qが低下
し、静電容量温度係数もマイナス側に大きくなりすぎ実
用的でなくなる。
また、主成分に対し、副成分V2O5を含有することによ
り、絶縁抵抗、絶縁破壊強度が向上する効果を有し、V2
O5の含有量が主成分100重量部に対し、0.005重量部未満
はそれほど絶縁破壊強度が大きくなく、この発明の範囲
から除外した。一方、V2O5の含有量が主成分に対し、1.
000重量部を越えると良好度Q、絶縁抵抗が低下し実用
的でなくなる。
なお、実施例における誘電体磁器の作製方法では、Ba
CO3,TiO2,SnO2,La2O3,Pr6O11,Nd2O3,Sm2O3およびV2O5
使用したが、この方法に限定されるものではなく、所望
の組成比になるようにBaTiO3などの化合物、あるいは炭
酸塩、水酸化物など空気中での加熱により、BaO,TiO2,S
nO2,La2O3,Pr6O11,Nd2O3,Sm2O3およびV2O5となる化合物
を使用しても実施例と同程度の特性を得ることができ
る。
また、主成分をあらかじめ仮焼し、副成分を添加して
も実施例と同程度の特性を得ることができる。
また、上述の基本組成のほかに、SiO2,MnO2,Fe2O3,Zn
Oなど一般にフラックスと考えられている塩類、酸化物
などを、特性を損なわない範囲で加えることもできる。
発明の効果 以上本発明によると、誘電体磁器組成物中の4価のTi
およびSnの一部を5価のVで置換することにより生じた
陽イオン空孔で、焼成時の酸素欠陥によるe-を補償し、
TiO2が還元されるのを抑制できる。従って積層セラミッ
クコンデンサを作製する場合、誘電体層中のTiとPd等の
内部電極を形成する金属との化合物の生成を防止でき、
誘電体層と内部電極の界面の密着性が向上するため、静
電容量とQ値が大きく、そのバラツキが小さい積層セラ
ミックコンデンサを得ることができる。
また従来の誘電体磁器組成物は、焼成時に還元された
TiO2が冷却過程である程度再酸化されるが、誘電体層の
内部、及び各結晶粒子の内側は再酸化されにくく酸素欠
乏状態のまま残る。この酸素欠乏が電気伝導に寄与し、
誘電体磁器組成物の絶縁抵抗、絶縁破壊強度を劣化させ
る。本発明の誘電体磁器組成物は、4価のTi及びSnの一
部を5価のVで置換することにより生じた陽イオン空孔
で、焼成時の酸素欠陥によるe-を補償する。
従って絶縁抵抗、絶縁破壊強度が従来よりも向上した
積層セラミックコンデンサを得ることができる。
さらにTiの一部をSnで置換することにより、誘電体磁
器組成物の密度が向上するため、積層セラミックコンデ
ンサにした場合、チップ立ちの発生を抑制することがで
き、実装性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる組成物の主成分の組成範囲を説
明する三元図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式xBaO−y{(TiO2(1-m)(SnO2
    }−zReO3/2と表した時(ただし、x+y+z=1.0
    0、0.01≦m≦0.20、Reは、La,Pr,Nd,Smから選ばれる少
    なくとも一種類以上の希土類元素。)、x,y,zが以下の
    表に示す各点a,b,c,d,e,fで囲まれるモル比の範囲から
    なる主成分100重量部に対し、副成分としてV2O5を0.005
    〜1.000重量部含有したことを特徴とする積層セラミッ
    クコンデンサ用誘電体磁器組成物。
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