JP3007645B2 - 腸内有害酵素の活性抑制剤 - Google Patents

腸内有害酵素の活性抑制剤

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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、トウモロコシ外皮から得られた食物繊維を
主成分とする、腸内の有害物質の生成に関与する腸内有
害酵素の活性抑制剤に関する。
「従来の技術」 ヒトの腸内には、約100種、約100兆個の微生物が常在
し、ヒトにとって有益または有害な種々の代謝を行なっ
ているといわれ、腸内細菌が、宿主であるヒトの健康の
維持に及ぼす影響が注目されている。
一方、植物の細胞壁を構成するセルロース、ヘミセル
ロース、リグニン、ペクチン質、植物ガム等の食物繊維
(ダイエタリー・ファイバー)は、ヒトの消化酵素によ
って消化を受けない食物中の難消化成分であるが、近
年、その有益な生理活性効果が注目され、食物繊維を強
化した食品、飲料により日常の食生活での不足を補う傾
向にある。
食物繊維の摂取による生理活性効果の一つとして、ヒ
トの腸内細菌の構成、代謝に及ぼす効果があるとされ、
例えば、コンニャクマンナンやトウモロコシ外皮の水溶
性多糖類が、整腸効果を有する腸内のビフィズス菌の増
殖をもたらし、整腸剤として作用するという報告(特開
昭63−165325号)等、多数の報告がある。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、食物繊維が、ヒトの腸内細菌の構成、
代謝に及ぼす効果については、一致した結論は得られて
いない。
本発明者らは、食物繊維がヒトの腸内細菌の構成、代
謝に及ぼす効果について鋭意研究を行なった結果、トウ
モロコシ外皮由来の食物繊維、特にその中に含まれる水
溶性多糖類は、ヒトの腸内細菌叢の構成、ビフィズス菌
の菌数には変化を及ぼさないが、腸内細菌由来の有害な
代謝活性を有する酵素であって、発癌に関与していると
考えられている酵素であるβ−グルクロニダーゼ、β−
グルコシダーゼ、ニトロレダクターゼの活性を抑制し、
有害物質であるアンモニア、インドール、スカトール、
p−クレゾール、フェノール、ポリアミン類等の腸内腐
敗産物を減少させることを見出し、本発明を完成するに
至った。
したがって、本発明の目的は、ヒトの腸内細菌叢の構
成やビフィズス菌等の細菌数に変化を及ぼすのではな
く、上記腸内有害酵素の活性を抑制し、上記腸内腐敗産
物(有害物質)を減少させる作用を有する、腸内有害酵
素の活性抑制剤を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 本発明の腸内有害酵素の活性抑制剤は、トウモロコシ
外皮から得られた食物繊維、又はこの食物繊維からアル
カリ抽出されたヘミセルロース、又はこのヘミセルロー
スを更に酵素分解したヘミセルロースの部分分解物を主
成分とするものである。
本発明の腸内有害酵素の活性抑制剤は、トウモロコシ
をウエットミリング(湿式製造法)又はドライミリング
(乾式製造法)により処理する際に生産分離されるトウ
モロコシ外皮から各種の方法によって調製することがで
きる。
本発明の好ましい態様の一つとしては、上記トウモロ
コシ外皮から澱粉質、蛋白質、脂質、無機質等を除去
し、腸内において水溶性多糖類が溶出されやすくした物
質が挙げられる。
本発明の更に好ましい態様としては、上記のようにト
ウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、脂質、無機質等を
除去した後、これをアルカリ抽出して得られた、ヘミセ
ルロースを主成分とする物質が挙げられる。
本発明の更に好ましい態様としては、上記アルカリ抽
出して得られた物質を、更にキシラナーゼで処理して得
られた、ヘミセルロースの部分分解物を主成分とする物
質が挙げられる。
以下、これらの物質の調製方法について、更に詳細に
説明する。
まず、トウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、脂質、
無機質等を除去する方法としては、酵素処理、化学的処
理、物理的処理などを採用することができ、また、これ
らを組み合わせて処理してもよい。
酵素処理としては、例えばα−アミラーゼ、グルコア
ミラーゼ等の澱粉分解酵素、プロテアーゼ等の蛋白分解
酵素、リパーゼ等の脂質分解酵素、セルラーゼ等の繊維
素分解酵素を、pH3〜9、温度30〜100℃の条件下で作用
させて処理する方法などが挙げられる。また、化学的処
理としては、原料に鉱酸、有機酸などの水溶液を添加
し、pH2〜5の条件下に加熱する方法や、食品用界面活
性剤を添加し、pH3〜8の条件下に熱処理する方法など
が挙げられる。更に、物理的処理としては、例えば原料
をホモジナイザー、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕した
後、篩別する方法などが挙げられる。
こうして得られた腸内有害酵素の活性抑制剤は、ヘミ
セルロースを主成分とする水溶性多糖類を有効成分とし
て含有するほか、水に不溶性のセルロースも含有する
が、上記処理を施すことにより、水溶性多糖類が溶出し
やすくなるので、これを摂取した場合、消化器官滞留時
間内に、水溶性多糖類が溶出され、腸内有害酵素の活性
を抑制し、腸内腐敗産物の生成を抑制する。
次に、上記処理物質を更にアルカリ抽出する方法は、
公知の方法で行なうことができる。例えば、上記処理物
質を、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアル
カリ水溶液に懸濁させ、所定の温度及び時間で処理すれ
ばよい。好ましい一例としては、上記処理物質100重量
部に、水酸化カルシウム0.8重量部、水1000重量部を加
え、125℃にて15分間処理する。こうしてアルカリ処理
した後、例えば遠心分離して固液分離し、必要に応じて
清澄濾過することによって、抽出液を得ることができ
る。
上記抽出液は、中和して未精製のまま用いることがで
きるが、更に精製処理を施してもよい。例えば、上記抽
出液を中和して蛋白を沈殿させ、再び固液分離して液部
のみを取り出し、これを透析して脱塩し、更にアルコー
ル沈殿させて沈殿物を採取し、この沈殿物を水に溶解さ
せた後、凍結乾燥することにより、ヘミセルロース含有
量が80%以上の物質を得ることができる。また、上記抽
出液を中和した後、例えば活性炭で脱色処理し、更に膜
処理して精製することもできる。
このようにして得られた腸内有害酵素の活性抑制剤
は、水溶性多糖類であるヘミセルロースの純度が高めら
れるので、より優れた腸内有害酵素の活性抑制効果が期
待できる。また、水溶性であるから各種の飲料などにも
添加することができる。
次に、上記アルカリ抽出して得られた物質を更にキシ
ラナーゼで処理する方法は、まず、上記アルカリ抽出液
を、好ましくは50〜60℃に冷却し、必要に応じて硫酸、
塩酸等でpHを調整した後、キシラナーゼを添加して反応
させる。キシラナーゼの添加量は、抽出液の固形分1gあ
たりに対して0.001〜10単位程度が好ましく、反応時間
は、3〜96時間程度が好ましい。なお、キシラナーゼの
力価の測定は、トウモロコシよりアルカリで抽出したヘ
ミセルロースを基質として、pH7、60℃の反応条件下
で、1分間に1マイクロモルのキシロースに相当する還
元糖を生成する酵素量を1単位として行なった。
本発明で用いるキシラナーゼは、糖化型のものより液
化型のもののほうが好ましく、カビ起源のものでも、バ
クテリヤ起源のものでも使用できるが、バクテリヤ起源
のキシラナーゼの方が純度が高いのでより好ましい。
また、キシラナーゼは、作用至適pHが、酸性のものか
らアルカリ性のものまであり、必要に応じてpHを調整す
ることによりいずれも使用可能であるが、抽出物のpHが
アルカリ性であることから、アルカリ側に至適pHを有す
るアルカリキシラナーゼがより好ましい。このようなア
ルカリキシラナーゼとしては、例えば特公昭50−13357
号に記載されたキシラナーゼが挙げられる。
このアルカリキシラナーゼは、通常のキシラナーゼが
pH4〜5の酸性側に至適pHがあるのに対して、中性〜ア
ルカリ性まで作用pH範囲が広いので、アルカリ抽出後に
pH調整を必要としないか、わずかな酸の使用ですむ。ま
た、耐熱性も強いので使いやすい。
なお、本発明においては、上記のような通常のキシラ
ナーゼ、アルカリキシラナーゼの他に、キシラナーゼを
含有する市販のセルラーゼを単独又は上記キシラナーゼ
と併用して用いることもできる。例えばゼネンコ社製の
セルラーゼなどにおいては、キシラナーゼとしての活性
も認められるため、本発明のキシラナーゼとして使用す
ることが可能である。
こうしてアルカリ抽出液にキシラナーゼを反応させて
得られた反応液は、例えば加熱して酵素を失活させた
後、遠心分離等により固液分離し、必要に応じて清澄濾
過し、更に、脱色、脱塩処理し、濃縮、乾燥して、ヘミ
セルロースを主成分とする水溶性食物繊維を得ることが
できる。
また、トウモロコシ外皮からアルカリ処理して得られ
た抽出液を、固液分離し、必要に応じて清澄濾過した
後、pH調整してキシラナーゼで処理し、酵素失活、脱
色、脱塩処理し、濃縮、乾燥することもできる。
前述の、アルカリ処理後、すぐキシラナーゼで処理す
る方法は、反応液の粘度が低くなるので、固液分離以下
の作業が容易になり、高粘度の抽出液が効率良く回収さ
れる利点があり、また、後述の、固液分離後、キシラナ
ーゼで処理する方法は、pH調整が容易であり、酵素量も
少なくてよいという利点がある。
こうして得られた腸内有害酵素の活性抑制剤は、ヘミ
セルロースの部分分解物を主成分とし、前記のアルカリ
抽出しただけの物質に比べて、水に溶解させたとき低粘
度である。そのため、飲料等に混合したときに粘度上昇
が抑えられ、飲み心地等が良好に保たれるという利点が
得られる。
上記のようにして得られた本発明の腸内有害酵素の活
性抑制剤は、そのまま経口投与する、食品、飲料に混ぜ
て投与する等の方法で、ヒトに投与することができる。
後述する実施例によれば、1人当たり1日に10g程度、
経口投与すれば、顕著な腸内有害酵素の活性抑制効果が
得られることがわかる。
「作用」 本発明の腸内有害酵素の活性抑制剤は、とうもろこし
外皮に由来する水溶性多糖類を有効成分として含有する
ものであり、この物質を経口投与すると、後述の実施例
に示されるように、優れた腸内有害酵素の活性抑制効果
が得られることがわかった。
すなわち、本発明の腸内有害酵素の活性抑制剤を経口
投与することにより、腸内細菌由来の有害な代謝活性を
有する酵素であって、発ガンに関与していると考えられ
ているβ−グルクロニダーゼ、β−グルコシダーゼ、ニ
トロレダクターゼの活性が抑制され、有害物質であるア
ンモニア、インドール、スカトール、p−クレゾール、
フェノール、ポリアミン類等の腸内腐敗産物が減少し、
発ガンなどの各種病気に対する予防効果が期待される。
この腸内有害酵素の活性抑制効果について更に詳しく
説明すると、例えば、食物として摂取したタンパク質
は、アミノ酸に分解されて吸収されるが、その一部は腸
内細菌によって、アンモニタ、インドール、スカトー
ル、p−クレゾール、フェノール、ポリアミン類等の腐
敗産物となる。これらはからだに有毒であり、通常は肝
臓で解毒されるが、肝硬変などで肝機能が低下した場合
には、肝性昏睡をおこしたりする。
また、食物や薬物として腸内に入ってきた毒物、及び
腸内細菌によって生成された毒物は、吸収されると、肝
臓でグルクロン酸抱合体として解毒され、一部は尿中
に、一部は胆汁と一緒に腸内に排泄される。ところが、
大腸菌、ウェルッシュ菌、一部のバクテロイデスなどの
腸内細菌が生成するβ−グルクロニダーゼは、前記グル
クロン酸抱合体の抱合を解いてしまうという作用を有
し、このため、発ガン物質、助発ガン物質などの毒物の
排泄がわるくなるといわれている。
また、ソテツの実に含まれるサイカシンというグルコ
シド(配糖体)は、大腸菌、腸球菌、乳酸桿菌、クロス
トリジウムなどの腸内細菌の生成するβ−グルコシダー
ゼによって加水分解され、発ガン性のあるメチルアゾキ
シメタノールとなり、これが腸管から吸収されて組織中
でジアゾメタンとなり、強い発ガン作用を示すことが知
られている。サイカシンの他にもいろいろな配糖体が広
く植物に分布しているので、腸内細菌の生成するβ−グ
ルコシダーゼは、発ガンに関与していると考えられてい
る。同様に、腸内細菌の生成するニトロレダクターゼも
発ガンに関与していると考えられている。
本発明の腸内有害酵素の活性抑制剤は、上記のような
腸内の有害酵素の活性を抑制し、有害物質を減少させる
作用を有しており、それによって発ガンなどの各種の病
気に対する予防効果が期待される。このような腸内有害
酵素の活性抑制効果は、特開昭63−165325号に示される
ようなビフィズス菌増加による整腸効果とは異なるもの
である。
また、本発明の腸内有害酵素の活性抑制剤は、天然物
であるトウモロコシから得られたものであるため、合成
化学薬品などにおける副作用の心配は全くなく、例えば
そのまま健康飲料、健康食品として、あるいは各種の飲
料、食品中に添加するなど、幅広く利用することができ
る。
「実施例」 トウモロコシのウエットミリングにより分離生産され
たトウモロコシ外皮の水分散液(固形分10%)300部を
ホモジナイザーを用いて1分間処理した後、48メッシュ
篩を用いて水洗篩別し、篩上の残渣を回収して本発明品
を得た。この処理物のNDFは86.4%で、ヘミセルロース
の溶出率は13.56%であった。
実施例2 トウモロコシのウエットミリングにより分離生成され
たトウモロコシ外皮の水分散液をホモジナイザーを用い
て処理した後、48メッシュ篩を用いて水洗篩別し、篩上
の残渣を採取した。この残渣100重量部に、0.5M水酸化
ナトリウム溶液500重量部を加え、室温で一夜振とうし
て抽出処理した。得られた抽出物を遠心分離(4000rp
m、10分間)し、上澄液を氷酢酸で中和し、活性炭で脱
色した後、真空エバポレーターでBx濃度15まで濃縮し、
これをドラムドライヤー(蒸気圧2kg/cm2)で乾燥して
本発明品を得た。
実施例3 トウモロコシ外皮100重量部に、水1000重量部、水酸
化カルシウム1重量部を加え、85℃で3時間加熱した
後、60℃まで冷却し、硫酸を添加してpHを7に調整し、
次いで、アルキルキシラナーゼを反応液の固形分1g当り
0.01単位添加し、48時間反応させた。なお、アルカリキ
シラナーゼは、特公昭50−13357号に記載されたものを
同様に調製して用いた。次に、90℃で30分間加熱して酵
素を失活させた後、固液分離し、清澄濾過、脱色、脱塩
を行なって精製し、スプレードライヤーで乾燥して粉末
を得た。
実験例1 健康成人9名に、実施例2で得られた本発明品1日10
g(1日3回)を10日間投与し、投与前2回、投与中2
回、投与後2回の計6回糞便を採取し、糞便菌叢、酵素
活性、アンモニア含量を測定した。その結果を第1表に
示す。
なお、糞便菌叢の解析は、光岡の方法(「腸内菌の世
界−嫌気性の分離と同定」、叢文社、1980)、糞便酵素
活性の測定は、Rowlandの方法(Food and Chemicals To
xicology 21.1983.p25−29)、腐敗産物の測定は,ガス
クロマトグラフィーによる方法(Bifidobacteria Micro
flora 5,1986,p37−50),糞便中アンモニア含量の測定
は、「アンモニア−テストワコー」(商品名、和光純薬
工業(株)製)を使用して行なった。
このように、ヒトに実施例2で得られた腸内有害酵素
の活性抑制剤を投与すると、発ガンに関与すると考えら
れている有害酵素であるβ−グルクロニダーゼ、β−グ
ルコシダーゼ、ニトロレダクターゼの活性が低下し、ア
ンモニア含量が減少していることが分かる。なお、ビフ
ィズス菌の菌数には影響を及ぼさないこともわかる。
実験例2 健康成人8名に、実施例1で得られた腸内有害酵素の
活性抑制剤1日18gを10日間投与し、投与前、投与中の
糞便を採取し、実験例1と同様の方法で、糞便菌叢、糞
便酵素活性、糞便腐敗産物(フェノール、インドール、
p−グレゾール、スカトール、ポリアミン類)を測定し
た。その結果を第2表に示す。
なお、比較のため、実施例1で得られた物質から水溶
性多糖類を抽出除去した水不溶性の残渣を1日5g、10日
間、健康成人6名に投与し、投与前、投与中の糞便を採
取して、糞便菌叢、糞便酵素活性、アンモニア含量を測
定した。その結果を第3表に示す。
第2表の結果から、ヒトに実施例1の腸内有害酵素の
活性抑制剤を投与すると、発ガンに関与すると考えられ
る有害酵素の活性が低下し、糞便腐敗産物が減少してい
ることが分かる。一方、ビフィズス菌の菌数には影響が
認められないことがわかる。
また、第3表の結果から、ヒトに、水溶性多糖類を抽
出除去した水溶性の残渣からなる比較例品を投与して
も、発ガンに関与すると考えられる有害酵素の活性低下
及びアンモニアの減少は認められない。
すなわち、トウモロコシ外皮に由来する水溶性多糖類
が、腸内有害酵素の活性抑制し、有害物質の生成を減少
させる効果を有することがわかる。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明の腸内有害酵素の活性抑
制剤は、発ガンに関与する有害酵素であると考えられて
いるβ−グルクロニダーゼ、β−グルコシダーゼ、ニト
ロレダクターゼの活性を低下させ、アンモニア、インド
ール、スカトール、p−クレゾール、フェノール、ポリ
アミン類等の腸内腐敗産物を減少させる効果を有し、発
ガンなどの各種病気の予防効果が期待される。また、本
発明の腸内有害酵素の活性抑制剤は、天然物であるトウ
モロコシから得られるものであり、合成化学薬品などに
おける副作用の心配は全くない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−79575(JP,A) 特開 昭63−165325(JP,A) 特開 平2−13356(JP,A) 特開 平2−100644(JP,A) 特開 平3−139266(JP,A) 特開 平3−175951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A61K 31/715 A23L 1/052 A23L 1/308

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、脂
    質、無機質等を除去して得られた食物繊維を主成分とす
    る、腸内有害酵素の活性抑制剤。
  2. 【請求項2】トウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、脂
    質、無機質等を除去し、この処理物をアルカリ抽出して
    得られたヘミセルロースを主成分とする、腸内有害酵素
    の活性抑制剤。
  3. 【請求項3】トウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、脂
    質、無機質等を除去し、この処理物をアルカリ抽出し、
    更にキシラナーゼで処理して得られたヘミセルロースの
    部分分解物を主成分とする、腸内有害酵素の活性抑制
    剤。
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