JP3007031B2 - 両開き扉の係止装置 - Google Patents

両開き扉の係止装置

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JP3007031B2
JP3007031B2 JP8048694A JP4869496A JP3007031B2 JP 3007031 B2 JP3007031 B2 JP 3007031B2 JP 8048694 A JP8048694 A JP 8048694A JP 4869496 A JP4869496 A JP 4869496A JP 3007031 B2 JP3007031 B2 JP 3007031B2
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孝久 武田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家具その他のキャビ
ネット等に用いられる両開き扉(観音開き扉)を閉じ状
態に係止する、両開き扉の係止装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、戸
棚、本棚、食器棚その他のキャビネットにおいて、両開
き扉を採用したものがある。このような両開き扉では、
スプリングキャッチ、ローラーキャッチ又はマグネット
キャッチを両開き扉の戸先に取り付けて、所定の係止力
で扉を仮係止することが行われている。人手によりつま
みやハンドルを引けば、容易に仮係止が外れて扉を開放
でき、内容物の収納や取り出しができるようになってい
る。使用には便利であるが、扉を固定することができな
いので、例えば地震などで強い振動を受けると、扉が開
放するおそれがある。
【0003】そこで、各扉をキャビネット本体に対して
個別に又は一括してロックする機構を備えたものがある
が(例えば、特公昭59−22873号公報、実公昭5
9−26065号公報参照)、開閉のたびにいちいちロ
ック操作やロック解除操作をしなければならず、取り扱
いが非常に面倒であった。また、使用者がロック操作を
忘れる場合もあり、このような場合には、両扉ともがロ
ックされていないので、地震による振動を受けると、両
扉は簡単に開いてしまう。
【0004】他方、十分なロックが行えない既存の両開
き扉に対して、後付けで容易に取り付けることのできる
係止装置が要望されていた。そこで、本発明の目的は、
操作性が良く、且つ地震による振動を受けても簡単には
開かず、しかも既存の設備にも容易に適用することがで
きる、両開き扉の係止装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、先閉じ扉を上板又は下板に所定の係止
力で係止する仮係止部材と、後閉じ扉の閉じ動作に連動
して上記仮係止部材を係止状態にロックするロック部材
と、このロック部材を所定の付勢力でロック解除姿勢に
付勢する付勢部材とを備え、上記仮係止部材、ロック部
材及び付勢部材を先閉じ扉に取り付け可能であって且
つ箱体及び蓋体が組み合わされたユニット本体に支持し
て、一体的なユニットを構成しており、上記仮係止部材
は、上下動自在に上記ユニット本体によって支持される
と共に仮係止する方向へ弾性付勢されており、上記ロッ
ク部材は、ユニット本体の箱体の一対の軸支持部と蓋体
の一対の軸支持部によって挟持されて支持される、上下
方向に沿う軸の回りに回動自在に支持されており、回動
することにより、上記ロック解除姿勢と上記仮係止部材
に係合するロック姿勢とに姿勢変化し、 上記ロック部材
は、互いに略直交する操作板とロック板とを有し、 後閉
じ扉の戸先がロック部材の操作板を押してロック部材を
回動させることに伴って、ロック板が仮係止部材の凹部
に嵌め合わされることにより仮係止部材の上下動を阻止
するようにしてあることを特徴とするものである。
【0006】上記構成では、後閉じ扉を閉じると、この
後閉じ扉に係合されたロック部材が仮係止部材を係止状
態にロックする結果、先閉じ扉が閉じ状態に自動的にロ
ックされることになる。このように両扉が閉じられた状
態で先閉じ扉がロックされているので、仮にこの状態で
地震による振動を受けたとしても、両扉の何れもがロッ
クされていない場合のように簡単に開いてしまうような
ことがない。
【0007】また、本発明の係止装置を、後閉じ扉を上
板、下板及び先閉じ扉の少なくとも一つに対してロック
する機構を有する両開き扉に適用すれば、後閉じ扉をロ
ックするだけで、両扉をロックできる機能を容易に達成
することができる。換言すると、上記のような後閉じ扉
をロックする機構を有する両開き扉に対して、後付けで
設置することにより、両扉の簡便且つ確実なロックを達
成することができる。そして、このようにロック機構を
有する場合において、仮に、後閉じ扉をロックすること
を使用者が忘れていた場合でも、先閉じ扉が自動的にロ
ックされているので、両扉が不要に開いてしまうことが
ない。
【0008】一方、後閉じ扉を開放すると、この後閉じ
扉とロック部材との係合が解かれることにより、ロック
部材が付勢部材によってロック解除姿勢に変位される結
果、自動的に先閉じ扉のロックが解除され、仮係止状態
となる。なお、後閉じ扉をロックする機構を持たない両
開き扉に対しては、後閉じ扉をロックする機構と共に後
付けで設置することができるが、上記ロックする機構は
必ずしも設けなくても、上述したように、両扉の閉じ状
態維持にかなりの効果が期待できる。
【0009】ここで、所定の係止力で仮係止するとは、
人間が手により扉を容易に開放することができる程度の
係止力であって、しかも、通常の扉の取付精度において
扉が自動的に開いてしまうことがない程度の係止力で係
止することを意味する。上記仮係止部材は、上板又は下
板に形成した係合部に係合するものであっても良いし、
上板又は下板に取り付けた係合部材に係合するものであ
っても良い。係合部材であれば、既存の設備に後付けで
容易に設置することができる。
【0010】上記ロック部材は、後閉じ扉と直接係合し
ても良いし、後閉じ扉に設けた当て部材を介して間接的
に係合しても良い。また、上記ロック部材は一つの部材
で構成されることが、構造を簡単にし且つ製造コストを
安価にするうえで好ましいが、これに限られるものでは
なく、仮係止部材をロックする部分と、後閉じ扉に係合
する部分とを別部材としてロック部材を構成することも
できる。この場合、上記係合する部分が後閉じ扉に係合
して上記ロックする部分をロック位置に変位させるため
の操作部材として機能することになる。
【0011】また、本発明では、上記仮係止部材、ロッ
ク部材及び付勢部材を先閉じ扉に取付可能な支持体に支
持して、一体的なユニットを構成したので、取付作業が
非常に簡単になる。また、既存の扉にも、後付けで容易
に取り付けることができる。さらに、ユニットは扉の内
側に取り付けるようにすることが、邪魔にならないので
好ましい。
【0012】また、本発明では、上記仮係止部材は、上
下動自在に上記ユニット本体によって支持されると共に
仮係止する方向へ弾性付勢されており、上記ロック部材
は、ユニット本体の箱体の一対の軸支持部と蓋体の一対
の軸支持部によって挟持されて支持される、上下方向に
沿う軸の回りに回動自在に支持されており、回動するこ
とにより、上記ロック解除姿勢と上記仮係止部材に係合
するロック姿勢とに姿勢変化する。したがって、ロック
部材が仮係止部材から受ける力は、ロック部材の回転軸
線に平行な方向に作用するので、この力は、ロック部材
をロック解除方向へ回動させるモーメントを発生させな
い。したがって、ロックが確実である。なお、仮係止部
材が弾性付勢されているとは、弾性付勢部材の弾性反発
力を仮係止部材に及ぼすことを意味し、弾性反発力を及
ぼすことのできる弾性付勢部材としては、圧縮コイルば
ねや板ばねを例示することができる。また、仮係止部材
自身を板ばねで構成しても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を添付図面を参
照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態に係る両
開き扉の係止装置の分解斜視図であり、同図を参照し
て、本両開き扉の係止装置A(以下、単に係止装置Aと
いう)は、両開き扉1,2のうち、先に閉じられる先閉
じ扉1の内面1aの上部及び下部の少なくとも一方に取
り付けられるユニット3と、扉が取り付けられるキャビ
ネット4の上板5及び下板6の少なくとも一方に取り付
けられる係合部材7とを備えている。
【0014】本実施形態では、ユニット3が先閉じ扉1
の内面1aの下部に取り付けられ、且つ係合部材7が下
板6に取り付けられる場合に則して説明する。図2を参
照して、上記ユニット3は、裏面の開放した箱体81
と、この箱体81の裏面を覆うように組み合わされる蓋
体82とで構成された、支持体としてのユニット本体8
を備えている。このユニット本体8は、その四隅を貫通
するねじ14によって先閉じ扉1の内面1aに固定され
る。箱体81及び蓋体82は合成樹脂製である。
【0015】図2及び図4(a)〜(c)に示すよう
に、上記ユニット本体8は、上記係合部材7と所定の係
止力で係合可能な合成樹脂製の仮係止部材9を、上下動
自在に支持している。この仮係止部材9は、箱体81と
蓋板82とを組み合わせたユニット本体8の下面に形成
された開口(図示せず)を通して、一部を下方へ露出さ
せている。仮係止部材9は矩形板状をしており、その下
端9aは、丸みを帯びた先細り状とされている。また、
仮係止部材9の段部9dが箱体81の段部81cと係合
することにより、仮係止部材9がユニット本体8から下
方へ脱落するのを阻止するストッパ機能が達成されてい
る。
【0016】上記係合部材7は、合成樹脂製であり、仮
係止部材9の下端9aを嵌めることのできる溝7aと、
この溝7aの両側に配置される一対の凸部7b,7cと
を有している。係合部材7は一対のねじ15によって下
板6に固定されている。仮係止部材9は、図4(c)に
示すように係合部材7の溝7aに係合する下方姿勢(仮
係止姿勢)と、図4(b)に示すように係合を解除する
ための上方姿勢とに変位自在である。
【0017】上記ユニット本体8は、仮係止部材9を上
記の下方姿勢に付勢する弾性付勢部材としての圧縮コイ
ルばね10を収容している。この圧縮コイルばね10
は、仮係止部材9の上端面に形成された凹部9bとユニ
ット本体8の上面部との間に介在して、仮係止部材9を
係合部材7側へ弾性付勢し、その付勢力によって図4
(c)に示すように仮係止部材9と係合部材7とを係合
させ、仮係止状態とする。このように、圧縮コイルばね
10、仮係止部材9及び係合部材7が協働して、先閉じ
扉1を閉じ状態に所定の係止力で仮係止することができ
る。ここで、所定の係止力とは、人間が手により扉を容
易に開放することができる程度の係止力であって、しか
も、通常の扉の取付精度において扉1,2が自動的に開
いてしまうことがない程度の係止力であり、圧縮コイル
ばね10の付勢力を所要に設定することにより得られ
る。
【0018】仮係止部材9の下端9aを先細り状として
形成される傾斜面は、図4(a)及び(b)に示すよう
に手前側の凸部7bと接触することにより、仮係止部材
9を押し上げるためのカム面として機能している。係合
部材7としては、扉の開き方向への移動を抑制するよう
に仮係止部材9の下端9aと係合すれば十分であるの
で、手前側の凸部7bのみを残して反対側の凸部7cを
廃止しても良い(即ち、溝部7aを廃止しても良い)
が、地震等では扉の開き方向及び閉じ方向の双方向の揺
れを止めることが扉の開放を阻止するうえで効果的であ
るので、溝部7aを有していることが好ましい。
【0019】図2、図3(a)〜(c)並びに図5
(a)及び(b)を参照して、仮係止部材9は、その蓋
体82側の面に、後述するロック部材12のロック板1
2bを係合させるための凹部9cを有している。ロック
部材12は、後閉じ扉2の閉じ動作に連動して上記仮係
止部材9を係止状態にロックするべく、ユニット本体8
に取り付けられている。具体的には、ロック部材12
は、箱体81の一対の軸支持部81aと蓋体82の一対
の軸支持部82aとによって支持される、上下方向に沿
う回転軸線としての軸16の回りに、回転自在に支持さ
れている。また、このロック部材12は、付勢手段とし
てのねじりコイルばね13によって、ロックを解除する
姿勢に付勢されている。ロック部材12は、合成樹脂か
らなり、上記軸16を貫通させる筒状部12aと、この
筒状部12aから径方向に延びる一対の羽根状のロック
板12b及び操作板12cとを有している。ロック板1
2bと操作板12cは、互いに略直交している。
【0020】ロック部材12は、図5(a)に示すよう
に、ロック部12bが仮係止部材9の凹部9cに進入し
て仮係止部材9の上下動を阻止するロック姿勢と、図5
(b)に示すように、ロック部12bが凹部9cから退
避して仮係止部材9の上下動を許容するロック解除姿勢
に変位自在である。ロック部材12の筒状部12aの途
中部には、図2に示すように、切欠部12dが形成さ
れ、上記のねじりコイルばね13のコイル状部分は、図
5(a)及び(b)に示すように、軸16を挿通させた
状態でこの切欠部12dに収容される。そして、ねじり
コイルばね13の一端部13aは、ロック板12bに形
成した凹溝12eに収容されると共に、他端部13b
は、箱体81の凹溝81bに収容され、ロック部材12
をロック解除姿勢に(図5(a)において時計回りに)
回転付勢する。
【0021】ロック部材12のロック姿勢では、図5
(a)に示すように、操作板12cが先閉じ扉1の内面
1aよりも外側に突出するようになっており、この突出
した操作板12cが、次いで閉じられる後閉じ扉2の内
面2aと図5(b)に示すように係合して、ロック部材
12がロック姿勢に回転変位され、仮係止部材9がロッ
クされるようになっている。
【0022】次いで、本実施形態の動作について説明す
る。まず、先閉じ扉1を閉じると、この仮係止部材9
が、圧縮コイルばね10を撓ませながら図3(a)及び
図4(b)に示すように一旦上方へ退避した後、図3
(b)及び図4(c)に示すように下方へ進出して、溝
部7aに係合する。これにより、先閉じ扉1は、圧縮コ
イルばね10による所定の係止力で、閉じ状態に仮係止
される。この状態では、図3(b)に示すように、ロッ
ク部材12はねじりコイルばね13によって付勢されて
ロック解除姿勢にある。
【0023】次いで、図5(a)に示す状態から図5
(b)に示す状態へと、後閉じ扉2を閉じると、この閉
じ動作の完了直前に、後閉じ扉2の戸先がロック部材1
2の操作板12cを押してロック部材12を回動させ、
これに伴い、図3(c)及び図5(b)に示すように、
ロック部材12のロック板12bが仮係止部材9の凹部
9cに嵌め合わされる。これにより、仮係止部材12の
上方への移動が確実に阻止され、先閉じ扉1が閉じ状態
にロックされる。この状態で、先閉じ扉1がロックされ
ているので、両扉ともにロックがかかっていない場合と
比較して、地震による振動での開放を、より確実に抑制
できる。
【0024】一方、後閉じ扉2を開放すると、この後閉
じ扉2とロック部材12との係合が解かれることによ
り、ロック部材12がねじりコイルばね10によってロ
ック解除姿勢に変位される結果、自動的に先閉じ扉1の
ロックが解除され、再び仮係止状態となる。以上説明し
たように、本実施形態によれば、後閉じ扉2を閉じると
自動的に先閉じ扉1が閉じ状態にロックされる。したが
って、両扉ともにロックがかかっていない場合と比較し
て、地震による振動での開放を、より確実に抑制でき
る。しかも、後閉じ扉2を開閉するだけで、先閉じ扉1
のロック及びロック解除を自動的に達成できるので、非
常に操作性が良い。
【0025】また、本実施形態では、先閉じ扉1のロッ
ク状態を後閉じ扉2の閉じ状態に依存させるという関係
を単に設定するものであるから、既存の扉に対して容易
に後付けで設置して扉の開放抑制を図ることができる。
さらに、本実施形態の係止装置Aを、後閉じ扉2をロッ
クする機構(このロック機構は、後閉じ扉を上板、下板
及び先閉じ扉の少なくとも一つにロックするものであれ
ば良い)を有する両開き扉に適用した場合に、下記の利
点がある。即ち、後閉じ扉2をロックするだけで両扉
1,2をロックできる機能を達成でき、開放防止をより
実効あるものとすることができる。また、この場合にお
いて、仮に、使用者が後閉じ扉2のロックをし忘れた場
合でも、上記のように先閉じ扉1がロックされているの
で、地震による振動を受けても簡単には開かないことに
なる。
【0026】さらに、本実施形態では、特に、上記仮係
止部材9、ロック部材12及びねじりコイルばね13
を、先閉じ扉1に一体的に取付可能なユニット3として
構成したので、取付作業が非常に簡単になり、また、既
存の扉にも後付けでより容易に取り付けることができ
る。また、上下動自在な仮係止部材9を、上下方向に沿
う軸16の回りに回動自在なロック部材12によってロ
ックするようにしたので、ロック部材12が仮係止部材
9から受ける上方への力は、ロック部材12の回転軸線
である軸16に平行な方向に作用する結果、この上方へ
の力は、ロック部材12をロック解除方向へ回動させる
モーメントを発生させない。したがって、ロックが確実
である。これに対して、仮に、ロック部材の回動軸線が
水平方向に沿う場合には、ロック部材が仮係止部材から
受ける力が、ロック部材を回動させるモーメントを発生
させ、ロックが不確実となるおそれがある。
【0027】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、例えば、係合部材7をなくして、仮係止
部材9と係合する溝を上板5や下板6に直接設けても良
いが、係合部材7であれば、既存の設備に容易に後付け
で設置できる。後閉じ扉をロックする機構を持たない両
開き扉に対しては、後閉じ扉をロックする機構と共に既
存の設備に後付けで設置することができるが、上記ロッ
クする機構は必ずしも設けなくても、上述したように、
両扉の閉じ状態維持にかなりの効果が期待できる。
【0028】上記ロック部材12は、後閉じ扉2と直接
係合しても良いし、後閉じ扉2に設けた当て部材(図示
せず)を介して間接的に係合しても良い。また、上記ロ
ック部材12は一つの部材で構成されることが、構造を
簡単にし且つ製造コストを安価にするうえで好ましい
が、これに限られるものではなく、仮係止部材をロック
する部分と、後閉じ扉に係合する部分とを別部材として
ロック部材を構成することもできる。この場合、上記係
合する部分が、後閉じ扉に係合して上記ロックする部分
をロック位置に変位させるための操作部材として機能す
ることになる。
【0029】その他、本発明の範囲で種々の変更を施す
ことができる。
【0030】
【発明の効果】本発明では、後閉じ扉を閉じると自動的
に先閉じ扉が閉じ状態にロックされるので、両扉ともに
ロックがかかっていない場合と比較して、地震による振
動での開放を、より確実に抑制できる。しかも、後閉じ
扉を開閉するだけで、先閉じ扉のロック及びロック解除
を自動的に達成できるので、非常に操作性が良い。
【0031】また、本発明は、先閉じ扉のロック状態を
後閉じ扉の閉じ状態に依存させるという関係を単に設定
するものであるから、既存の扉に対して容易に後付けで
設置して扉の開放抑制を図ることができる。さらに、本
発明の係止装置を、後閉じ扉をロックする機構を有する
両開き扉に適用すれば、後閉じ扉をロックするだけで両
扉をロックできる機能を達成でき、開放防止をより実効
あるものとすることができる。また、この場合におい
て、仮に、使用者が後閉じ扉のロックをし忘れた場合で
も、上記のように先閉じ扉がロックされているので、地
震による振動を受けても簡単には開かない。
【0032】特に、上記仮係止部材、ロック部材及び付
勢部材を先閉じ扉に取付可能なユニット本体に支持し
て、一体的なユニットを構成したので、取付作業が非常
に簡単になり、また、既存の扉にも後付けでより容易に
取り付けることができる。また、上下動自在な仮係止部
材を、上下方向に沿う軸線の回りに回動自在なロック部
材によりロックするので、ロック部材が仮係止部材から
受ける力は、ロック部材の回転軸線に平行な方向に作用
し、この力は、ロック部材をロック解除方向へ回動させ
るモーメントを発生させない。したがって、ロックが確
実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての両開き扉の係止装
置とこれが装着されたキャビネットとを示す概略斜視図
である。
【図2】上記係止装置の分解斜視図である。
【図3】(a),(b)及び(c)はそれぞれ係止装置
の動作を示すべく、ユニットの蓋体を取り去った状態の
斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は仮係止部材が係合部材に係止
される前後の状態を順次に示す係止装置の概略側面図で
ある。
【図5】(a)及び(b)はロック解除状態とロック状
態とをそれぞれ示す係止装置及び扉の断面図である。
【符号の説明】
1 先閉じ扉 1a 内面 2 後閉じ扉 3 ユニット 5 上板 6 下板 7 係合部材 8 ユニット本体(支持体) 9 仮係止部材 12 ロック部材 13 ねじりコイルばね(付勢部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−109000(JP,U) 実開 昭49−45999(JP,U) 実開 昭59−94562(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05C 7/02 - 7/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先閉じ扉を上板又は下板に所定の係止力で
    係止する仮係止部材と、後閉じ扉の閉じ動作に連動して
    上記仮係止部材を係止状態にロックするロック部材と、
    このロック部材を所定の付勢力でロック解除姿勢に付勢
    する付勢部材とを備え、 上記仮係止部材、ロック部材及び付勢部材を先閉じ扉
    に取り付け可能であって且つ箱体及び蓋体が組み合わさ
    れたユニット本体に支持して、一体的なユニットを構成
    しており、 上記仮係止部材は、上下動自在に上記ユニット本体によ
    って支持されると共に仮係止する方向へ弾性付勢されて
    おり、 上記ロック部材は、ユニット本体の箱体の一対の軸支持
    部と蓋体の一対の軸支持部によって挟持されて支持され
    る、上下方向に沿う軸の回りに回動自在に支持されてお
    り、回動することにより、上記ロック解除姿勢と上記仮
    係止部材に係合するロック姿勢とに姿勢変化し、 上記ロック部材は、互いに略直交する操作板とロック板
    とを有し、 後閉じ扉の戸先がロック部材の操作板を押してロック部
    材を回動させることに伴って、ロック板が仮係止部材の
    凹部に嵌め合わされることにより仮係止部材の上下動を
    阻止するようにしてある ことを特徴とする両開き扉の係
    止装置。
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