JP3006845U - 給紙カセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリンタやファクシミリ等の給紙カセットに
おいて、給紙カセットから給送する用紙の斜送を防止
し、安定した用紙の搬送ができる構造を提供する。 【構成】 上面開口で箱状の本体（１０ａ）と、該本体
内部に回動可能に係止され用紙を載置すると共に上方に
付勢されたカセットプレートとを備えた給紙カセット
（１０）において、カセットプレート（３２）（３３）
は用紙搬送方向に対して複数に分割されているものであ
る。また、上記複数に分割されたカセットプレート（３
２）（３３）を上方に付勢する押圧部材（５２）（５
３）を複数設けたものである。また、上記複数の押圧部
材を１つに連結して押圧部材（５４）を設けたものであ
る。更に、上記押圧部材として少なくとも１つのコイル
スプリング（５５）を設け、このコイルスプリングの一
端（５５ａ）と他端（５５ｂ）とでもって上記カセット
プレートの夫々を付勢するようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複写機やプリンタやファクシミリ等の記録装置に適用される給紙カ セットに係り、更に詳しくは、用紙の斜送を防止するための構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来の給紙カセット（１）は、例えば図５に示すように、本体（１ａ）は上面 開口の箱状をしており、この本体（１ａ）の内部に用紙を持ち上げるために、押 圧部材（例えば加圧スプリング）（５）によって上方へ押圧付勢されたカセット プレート（３）が設けられており、更にこのカセットプレート（３）は本体（１ ａ）内で、回動軸を有する支持部（４）により回動可能に保持されている。 上記カセットプレート（３）上には用紙（２）が複数枚載置され、更に、該カ セットプレート（３）の上方には用紙（２）をこのカセットプレート（３）と共 に挟み込むように一対の給紙ローラ（６）が配置されている。該給紙ローラ（６ ）は図示しない軸受けなどに回動自在に支持されたローラ軸（７）に取り付けら れていて、ローラ軸（７）が回転するとそれに伴って給紙ローラ（６）も回転し 、この回転力が用紙（２）を搬送給紙するように構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来の給紙カセット（１）は、例えば部品の精度や組 立誤差などの原因によって、２つの給紙ローラ（６）のうち一方の給紙ローラ（ ６）にだけ接し、他方の給紙ローラ（６）には接しないという用紙（２）の片当 たりが発生し、一方の給紙ローラ（６）に接した側のみが送られる、いわゆる斜 送（用紙の斜め送り状態）が発生するという欠点があった。

【０００４】 上記給紙状態の動作を図６を用いて説明する。 図６（ａ）は正常な給紙状態を示す図であり、用紙（２）が押圧部材（５）で均 等に押圧され夫々の給紙ローラ（６）に圧接している。この状態で給紙ローラ（ ６）が回動すると、夫々の給紙ローラ（６）の回転力が用紙（２）に均等に加わ り、用紙（２）が斜送することなく正常に搬送される。

【０００５】 図６（ｂ）は正常でない給紙状態を示す図であり、用紙（２）が押圧部材（５ ）で押圧されているものの、このとき部品の精度や組立誤差などによって、用紙 （２）は一方の給紙ローラ（６）にしか圧接しておらず、用紙（２）の片当りが 生じている。 このため、夫々の給紙ローラ（６）が回動しても、用紙（２）の片方にのみ給 紙ローラ（６）からの回転力が加わることになり、用紙（２）が斜送してしまう という欠点があった。

【０００６】 従って、本考案は上記事情を考慮してなされたもので、給紙カセットから給送 する用紙の斜送を防止し、安定した用紙の搬送ができる給紙カセットを提供する ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記した目的を達成するために、上面開口で箱状の本体と、該本体内 部に回動可能に係止され用紙を載置すると共に上方に付勢されたカセットプレー トとを備えた給紙カセットにおいて、上記カセットプレートは用紙搬送方向に対 して複数に分割されていることを特徴とするものである。 また、上記給紙カセットにおいて、複数に分割されたカセットプレートを上方 に付勢する押圧部材を複数設けたことを特徴とするものである。 また、上記給紙カセットにおいて、複数に分割されたカセットプレートを上方 に付勢する複数の押圧部材を１つに連結して設けたことを特徴とするものである 。 更に、上記給紙カセットにおいて、複数に分割されたカセットプレートを上方 に付勢する押圧部材として少なくとも１つのコイルスプリングを設け、このコイ ルスプリングの一端と他端とでもって上記カセットプレートの夫々を付勢するよ うにしたことを特徴とするものである。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、上述した従 来例と同一部分には同一符号を付記して、ここでの説明は省略する。

【０００９】 先ず、図１及び図２は給紙カセットの第１実施例を示す図であり、図１は一部 切り欠き全体斜視図、図２は動作状態を示す断面図である。 この実施例の給紙カセット（１０）は上面開口で箱状の本体（１０ａ）内部に 、用紙（２）の搬送方向（矢印方向）に対して複数に分割されたカセットプレー ト（３２）（３３）が本体（１０ａ）底面に形成された回動軸（３４）によって 回動可能に保持されているもので、本体（１０ａ）の底面に窪みを設け、この窪 み内の壁面よりこの窪みの内部方向に所定長さの回動軸（３４）を設け、カセッ トプレート（３２）（３３）に設けた折曲部を回動軸（３４）で軸支することに より、カセットプレート（３２）（３３）は本体（１０ａ）内に回動可能に支持 されている。

【００１０】 そして、上記一対のカセットプレート（３２）（３３）は、複数設けられた押 圧部材（例えば加圧スプリング）（５２）（５３）が縦向きに配置されることに よって上方に押圧付勢されている。また、これらカセットプレート（３２）（３ ３）の上面には用紙（２）が載置され、その上方にはローラ軸（７）に回動自在 に支持された複数の給紙ローラ（６）が配置されている。

【００１１】 この実施例による給紙状態の動作を図２を用いて説明する。 通常は、図２（ａ）に示すように、用紙（２）の両端部近傍に夫々の給紙ローラ （６）が均等に圧接し、斜送することなく安定した用紙（２）の搬送ができる。 しかし、図２（ｂ）に示すように、例えば部品精度や組立誤差などによって給 紙ローラ（６）が傾いてしまった場合などでも、本実施例ではカセットプレート （３２）（３３）は夫々の押圧部材（５２）（５３）によって用紙（２）を押圧 付勢するから、用紙（２）は夫々の給紙ローラ（６）に均等な力で押圧されて給 送され、即ち、用紙（２）が夫々の給紙ローラ（６）の傾きに追従することにな る。

【００１２】 次に、図３は給紙カセットの第２実施例を示す一部切り欠き全体斜視図である 。 この実施例の給紙カセット（２０）では、上述した第１実施例で説明した複数 に分割されたカセットプレート（３２）（３３）を上方に付勢する複数の押圧部 材（例えば加圧スプリング）（５２）（５３）を、連結して押圧部材（５４）を 設けるよう構成したもので、これにより、部品点数が１つとなり、取付作業が簡 単で、組立て工程の能率が向上する等の利点がある。 尚、上記以外の構成及び効果は、上述した第１実施例と同様のため、ここでの 説明は省略する。

【００１３】 更に、図４は給紙カセットの第３実施例を示す一部切り欠き全体斜視図である 。 この実施例の給紙カセット（３０）では、複数に分割されたカセットプレート （３２）（３３）を上方に付勢する押圧部材として少なくとも１つのコイルスプ リング（５５）を設け、このコイルスプリング（５５）を横向きに配置し、その 一端（５５ａ）と他端（５５ｂ）とでもって、上記カセットプレート（３２）（ ３３）の夫々を付勢するように構成したもので、これにより、部品点数が１つと なり、取付作業が簡単で、組立て工程の能率が向上する等の利点がある。 尚、上記以外の構成及び効果は、上述した第１実施例と同様のため、ここでの 説明は省略する。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、下記の顕著な効果を奏するものである。 （１）請求項１または２の給紙カセットによれば、給紙カセットから給送する用 紙の斜送を防止し、安定した用紙の搬送ができるものである。 （２）請求項３または４の給紙カセットによれば、押圧部材の部品点数が１つと なり、取付作業が簡単で、組立て工程の能率が向上する等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の給紙カセットの第１実施例を示す一
部切り欠き全体斜視図である。

【図２】 上記給紙カセットで、（ａ）は正常に給紙さ
れる状態の断面図、（ｂ）は他の状態の断面図である。

【図３】 本考案の給紙カセットの第２実施例を示す一
部切り欠き全体斜視図である。

【図４】 本考案の給紙カセットの第３実施例を示す一
部切り欠き全体斜視図である。

【図５】 従来の給紙カセットを示す全体斜視図であ
る。

【図６】 上記従来の給紙カセットで、（ａ）は正常に
給紙されている状態の断面図、（ｂ）は正常でない状態
の断面図である。

【符号の説明】

（２） 用紙 （６） 給紙ローラ （１０）（２０）（３０） 給紙カセット （１０ａ）（２０ａ）（３０ａ） 本体 （３２）（３３） カセットプレート （５２）（５３）（５４）（５５） 押圧部材（スプリ
ング） （５５ａ） 一端 （５５ｂ） 他端

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面開口で箱状の本体と、該本体内部に
   回動可能に係止され用紙を載置すると共に上方に付勢さ
   れたカセットプレートとを備えた給紙カセットにおい
   て、上記カセットプレートは用紙搬送方向に対して複数
   に分割されていることを特徴とする給紙カセット。
2. 【請求項２】 上記請求項１記載の給紙カセットにおい
   て、複数に分割されたカセットプレートを上方に付勢す
   る押圧部材を複数設けたことを特徴とする給紙カセッ
   ト。
3. 【請求項３】 上記請求項２記載の給紙カセットにおい
   て、複数に分割されたカセットプレートを上方に付勢す
   る複数の押圧部材を１つに連結して設けたことを特徴と
   する給紙カセット。
4. 【請求項４】 上記請求項１記載の給紙カセットにおい
   て、複数に分割されたカセットプレートを上方に付勢す
   る押圧部材として少なくとも１つのコイルスプリングを
   設け、このコイルスプリングの一端と他端とでもって上
   記カセットプレートの夫々を付勢するようにしたことを
   特徴とする給紙カセット。