JP3004657B2 - 高アルミニウム含有鋼の鋳造用パウダー及び鋳造法 - Google Patents
高アルミニウム含有鋼の鋳造用パウダー及び鋳造法Info
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Description
よび鋳造用に関する。
止と鋳型と鋳造シェルとの間の潤滑のために、CaO,SiO2
を主成分とする母剤と粘度及び融点を調整するNa2O,K
2O,Al2O3,NaF,KF,AlF3などの溶媒剤とからなる鋳造用パ
ウダーが使用されている。
続鋳造すると、溶鋼中のAlが鋳造用パウダー中のSiO2と
反応して酸化され、Al2O3となって鋳造用パウダーに吸
収され、鋳造中に鋳造用パウダーが変質して高融点の2C
aO・Al2O3・SiO2が析出し、鋳片表面性状が著しく劣化
し、ひいては鋳造用パウダーの潤滑不良によるブレーク
アウトなどの鋳造事故が発生する。また、鋳造中は鋳型
内鋳造用パウダーよりNaF,Na2CO3による白煙が激しく発
生し、湯面監視など鋳造作業が不可となる場合もある。
解決するために、特公昭63−56019号には高アルミニウ
ム含有鋼におけるAlが鋳造用パウダー中のSiO2によって
酸化による汚染を防止するために、SiO2を7.0重量%以
下に規制することが開示されている。しかしながら、上
記公報に開示されている鋳造用パウダーでは、Al2O3の
生成を抑制することはできるが、鋳造用パウダーの粘性
が極めて不安定であり、鋳造用パウダーの均一流入が不
良となる。
ニウム含有鋼の連続鋳造における鋳造用パウダーによる
潤滑性能を改善するために、BaOを8〜40重量%含み、C
aO+SiO2+BaOの含有量が60〜80重量%であり、CaO/SiO
2が0.3〜0.6、融点800〜900℃として鋳造用パウダー中
のSiO2を多くしてAl2O3吸収時の物性を安定化させるこ
と、さらに、これにLi2Oを1〜10重量%含有せしめたも
のが開示されている。ところが、この鋳造用パウダー
は、鋳造用パウダー中にSiO2が多く含まれているため、
鋼中のAlの酸化消耗が大きく、また塩基度CaO/SiO2が低
いため、脱酸生成物によるAl2O3の吸収能が小さいこと
から、溶鋼中にAl2O3が滞留し表面欠陥の原因となる。
さらには、鋳造用パウダー中のSiO2と鋼中のAlとの反応
により、鋳造用パウダー中のAl2O3が増加し、鋳造中に
鋳造用パウダーが変質して鋳片表面性状を劣化させると
共に、ひいては潤滑不良に伴うブレークアウトなどの鋳
込事故が発生する。
ミニウム鋼の鋳造に際しての問題点を解決すべく、鋳造
用パウダーによる溶鋼中のAlの酸化を抑制し、さらに溶
鋼中のAlの酸化により生成したAl2O3が鋳造用パウダー
中に吸収されることによる鋳造用パウダー潤滑機能の低
下による鋳造事故および表面欠陥を防止する鋳造用パウ
ダー及び鋳造法を提供することにある。
上の高アルミニウム含有鋼の鋳造に際して使用する鋳造
用パウダーにおいて、鋼中のAl含有量が2重量%以上、
4.5重量未満のときは鋳造パウダー中のSiO2含有量を10
〜20重量%とし、鋼中のAl含有量が4.5重量%以上、9
重量%以下のときは、 10重量%≦(SiO2)重量%≦90[Al]重量% の条件を充足するように鋳造用パウダー中のSiO2含有量
を調整添加し、SiO2以外の成分として、Al2O3を15重量
%以下含有し、CaOを20〜40重量%、Na2Oを5〜10重量
%、F(-)を5〜15重量%、およびMgOを10重量%以下含
有し、且つBaO,TiO2,MnO,SrO,B2O3,Li2Oの一種以上を適
量添加してなり、溶融温度が800℃〜1250℃の範囲にあ
ることを特徴とする高アルミニウム含有鋼鋳造用パウダ
ーである。
ルミニウム含有鋼を鋳造するにあたって、請求項1記載
の鋳造用パウダーを使用するとともに、浸漬ノズルの吐
出口の角度を水平に対して下向きにすることを特徴とす
る高アルミニウム含有鋼の鋳造法である。
高アルミニウム含有鋼の鋳造試験を行った結果、前記特
開昭61−186155号に開示されているように鋳造用パウダ
ーの変質は、溶鋼中の[Al]と鋳造用パウダー中の(Si
O2)が、 3(SiO2)+4[Al]→2(Al2O3)+3[Si] の反応のためにAlO3が生じることが原因であることを確
認した。すなわち、溶鋼中のAlと鋳造用パウダー中の
(SiO2)が反応して、Al2O3が生成し、鋳造用パウダー
中のAl2O3が増加すると、高融点の2CaO・Al2O3・SiO2が
析出して溶融温度が著しく高くなり潤滑機能を失い、鋳
片の表面欠陥が発生し、場合によってはブレークアウト
を起こすことを確認した。
ダーの溶融温度が1250℃を超えると鋳片の表面欠陥が発
生することを見いだした。
調査するため、第1表に示す組成を有する鋳造用パウダ
ー中のAl2O3の含有量を増量変化せしめたときの溶融温
度を調査し、第2図の結果を得、鋳造用パウダー中のAl
2O3の含有量が略29重量%になると潤滑機能を失う溶融
温度1250℃に至ることを見いだした。
造用パウダーの(SiO2)の反応による鋳造用パウダー中
のSiO2の減量ΔSiO2は、鋳造用パウダー中に初期から含
有されている(SiO2)の量と溶鋼中の[Al]を積算した
数値と相関があり、 溶鋼中[Al]×鋳造用パウダー中(SiO2)≦0.9×10
-2 の範囲では、安定な鋳造操業と欠陥のない鋳片が得られ
ることを見いだした。
初期に含まれるSiO2含有量を第1図A,B,C,Dの範囲内に
規定することにより安定な鋳造操業と欠陥のない鋳片が
得られることを見いだした。
4.5重量%の未満のときは、鋳造用パウダー中のSiO2含
有量を10〜20重量%とし、鋼中のAl含有量が4.5重量%
以上、9重量%以下のときは、(SiO2)重量%≦90/〔A
l〕重量%の条件を充足するように鋳造用パウダー中のS
iO2含有量を調整添加することによって、鋳造用パウダ
ーの溶融温度を1250℃以下に維持でき潤滑性が保たれ
る。鋳造中に鋳造用パウダーの中のAl2O3の含有量が上
昇した後も溶融温度が低く維持できるので、鋳造事故及
び表面性状の劣化を防止できる。10重量%未満では、鋳
造時のSiO2の還元によりスラグの潤滑性が維持されず、
20重量%を超えるとSiO2の還元量が多くなり鋼の汚染が
大きくなる。
抑える必要があるが、この鋳造用パウダー中のAl2O3の
含有量のうち、脱酸過程で生成したAl2O3が鋳造用パウ
ダー中に吸収される量は10〜15重量%あるため、初期の
Al2O3の含有量は略15重量%以下に抑えるものである。
めに、20〜40重量%配合できる。20重量%未満では鋳造
用パウダー物性のうち、とくに所定の粘度を得ることが
できなくなり、40重量%を超えると鋳造用パウダーのガ
ラス性を維持することができず潤滑不良となり好ましく
ない。
性を調整するために5重量%以上配合が必要である。し
かし、鋳造用パウダーの鋳造内への添加の際の白煙発生
は鋳造用パウダー中のNa2Oに起因するものであり、その
含有量を10重量%以下に規定することで、鋳造用パウダ
ーによる鋳造操業性が改善でき白煙の発生は防止され
る。
調整のために弗化物として5〜15重量%配合される。し
かしながら、15重量%を超えると弗化物のガス化、およ
び浸漬ノズルなどの耐火物の溶損が大きくなる。
を調整するために10重量%以下配合できる。しかしなが
ら、その配合量が10重量%を超えると、鋳造中にAl2O3
の濃化により高融点物質のスピネルMgO.Al2O3が多量に
生成し、スラグの潤滑性が低下する。
TiO2,MnO,SrO,B2O3,Li2Oを適量添加することも可能であ
る。
造に使用する際しては、浸漬ノズルを水平に対し下向き
にすることによって、上記の作用を顕著にすることがで
きる。
平を含む)と、該ノズル吐出孔からの溶融は、下向き流
と上向き流のうち上向き流が強くなり、この上向き流の
ために溶鋼と鋳造用パウダーの接触する機会が増えてメ
ニスカス部で鋳造用パウダー中のSiO2により該鋼中のAl
を多量に消失することによってAl2O3系介在物も増え
る。
融反転流により、溶融表面温度が上がり鋳造用パウダー
中のNa2Oが分解し、白煙が多量発生する。
ル付近に渦流が発生し、溶融した鋳造用パウダーが鋳片
内へ巻き込まれる。
を下向きにするものであり、浸漬ノズルの吐出口の指向
角度を水平位置に対して下向きとして下向き流を強化す
ることによって、白煙の発生は相当に低減できる。ま
た、Al2O3系介在物の生成が抑制でき、これらの巻き込
みも制御できる。
度は15゜以上とすることが好ましい。
0×1030mmのスラブを第2表に示す配合組成を有する鋳
造用パウダーを用いて、1500℃において連続鋳造した。
比較のために、同表の比較例の配合組成を有する鋳造用
パウダーを使用に供した。
またスラブの凝集もなく操業でき、表面性状も改善さ
れ、従来のものと比べて歩留も著しく向上した。
金的欠陥の少ない表面状態に優れた鋳造物が得られる。
い。
ことによって生産性が向上する。
在物の生成を抑制し、生成したAl2O3を鋳造用パウダー
が吸収するためAl2O3系介在物に起因する地疵の発生を
なくすことができる。
3図は本発明の組成範囲による作用を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】Al含有量が2重量%以上の高アルミニウム
含有鋼の鋳造に際して使用する鋳造用パウダーにおい
て、鋼中のAl含有量が2重量%以上、4.5重量未満のと
きは鋳造用パウダー中のSiO2含有量を10〜20重量%と
し、鋼中のAl含有量が4.5重量%以上、9重量%以下の
ときは、 10重量%≦(SiO2)重量%≦90[Al]重量% の条件を充足するように鋳造用パウダー中のSiO2含有量
を調整添加し、SiO2以外の成分として、Al2O3を15重量
%以下含有し、CaOを20〜40重量%、Na2Oを5〜10重量
%、F(-)を5〜15重量%、およびMgOを10重量%以下含
有し、且つBaO,TiO2,MnO,SrO,B2O3,Li2Oの一種以上を適
量添加してなり、溶融温度が800℃〜1250℃の範囲にあ
ることを特徴とする高アルミニウム含有鋼鋳造用パウダ
ー。 - 【請求項2】Al含有量が2重量%以上の高アルミニウム
含有鋼を鋳造するにあたって、請求項1記載の鋳造用パ
ウダーを使用するとともに、浸漬ノズルの吐出口の角度
を水平に対して下向きにすることを特徴とする高アルミ
ニウム含有鋼の鋳造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1209894A JP3004657B2 (ja) | 1989-08-14 | 1989-08-14 | 高アルミニウム含有鋼の鋳造用パウダー及び鋳造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1209894A JP3004657B2 (ja) | 1989-08-14 | 1989-08-14 | 高アルミニウム含有鋼の鋳造用パウダー及び鋳造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0377753A JPH0377753A (ja) | 1991-04-03 |
JP3004657B2 true JP3004657B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=16580410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1209894A Expired - Lifetime JP3004657B2 (ja) | 1989-08-14 | 1989-08-14 | 高アルミニウム含有鋼の鋳造用パウダー及び鋳造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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KR20150033733A (ko) * | 2010-01-21 | 2015-04-01 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 강의 연속 주조용 몰드 파우더 |
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-
1989
- 1989-08-14 JP JP1209894A patent/JP3004657B2/ja not_active Expired - Lifetime
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