JP2887535B2 - 鋼中介在物の無害化方法 - Google Patents
鋼中介在物の無害化方法Info
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Description
法に関し、具体的にはアルミニウムキルド鋼のアルミナ
系介在物を製品欠陥につながらない形態に制御する方法
に関する。
においては、アルミナ系介在物起因のスリバーあるいは
ブローホールと呼ばれる製品欠陥が大きな問題となって
いる。さらに、同じアルミナ系介在物に起因して連続鋳
造におけるノズル閉塞という操業上のトラブルも引き起
こしている。そこで、アルミナ系介在物の低減と共に、
アルミナの形態そのものを抜本的に変える形態制御法が
種々検討されている。後者に関する代表的なものとし
て、例えば特開昭58−154447号公報に見られる
ような溶鋼内へのCa合金添加法が提案されている。
47号公報で示されている方法は、Caを添加すること
により鋼中アルミナを低融点のカルシウムアルミネート
にしてアルミナのクラスタリングによる肥大化を防ぐ方
法であるが、この方法によると介在物そのものが液体に
なるため介在物同士の合体がアルミナクラスター程では
ないが比較的容易に起こり、凝固工程までに分離除去で
きずに残った大型の介在物が製品欠陥につながるケース
がある。さらに、液状となった介在物は取鍋、タンディ
ッシュあるいは浸漬ノズルの内面に付着し、耐火物構成
成分と融合して耐火物を溶損せしめるという新たな問題
を引き起こしている。特に、連続鋳造における浸漬ノズ
ルの溶損は、多連鋳化を阻害し、生産性の低下をもたら
すために大きな弊害になっていた。したがって、耐火物
溶損を起こさずに、アルミナ系介在物の形態を製品欠陥
にならない小さなサイズのものに制御する方法が強く望
まれていた。
ろは、下記のとおりである。 (1) Alキルド鋼の溶製に際し、溶鋼中に0.1k
g/T −Steel 以上の金属Mgを添加し、鋼中に存在す
るアルミナ系介在物をAl2 O3 −MgO系介在物に形
態制御し鋼中に微細分散させることを特徴とするアルミ
ナ系介在物のクラスターに起因する製品欠陥を防止する
と共に、鋳造時のノズル閉塞を防止する鋼中介在物の無
害化方法。
g−Al合金、金属Mgとコークスの混合品の1種もし
くは2種以上を使用することを特徴とする前項1記載の
鋼中介在物の無害化方法。
ルミナ系介在物の形態を制御する方法として、上記の理
由から、低融点の介在物にするのではなく、逆に高融点
を維持した形にすることを考えた。そこで、Alより脱
酸力が強く(すなわちアルミナの一部を還元し複合酸化
物を作り得るもの)、しかも生成する複合酸化物の融点
が溶鋼温度よりも高い脱酸剤を探した結果、金属Mgが
その条件を満たすことを突きとめた。
加について実験を重ねた結果、金属Mgを0.1kg/
T −Steel 以上添加することにより、溶鋼内のアルミナ
は全て高融点のMgO−Al2 O3 系介在物に形態制御
できることが判明し、さらにこのMgO−Al2 O3 系
介在物は、アルミナのように大型化せず、大半は10ミ
クロン以下、最大でも50ミクロン程度の微小なサイズ
のまま溶鋼内に分散することを見出した。これは、生成
したMgO−Al2 O3 系介在物が、上述したように高
融点であり、溶鋼内では固体であることから、液体のカ
ルシウムアルミネートのように介在物同士の合体がな
く、さらに固体アルミナのように焼結する(単一成分で
あることおよびアルミナの特性によるものと考えられ
る)性質もないためである。このような効果は、Mgの
酸化物であるMgOの添加では得られず、あくまで金属
Mgがアルミナの一部を還元することによって初めて生
ずるものである。
アルミナの形態制御法の製品品質および操業性、特に浸
漬ノズルの閉塞状況に及ぼす影響を見るために実験およ
び調査を行なった結果、図1に示すように、溶鋼1To
n当たり0.1kg以上の金属Mgを添加することによ
り、アルミキルド鋼の冷延板のスリバー疵が大幅に低減
すると共に、鋳造中の浸漬ノズルの閉塞も解消されるこ
と確認した。この際、本実験で生成した介在物を詳細に
調査した結果、金属Mgが0.1kg/T −Steel 未満
の添加量では浴内のアルミナがMgO−Al2 O3 に完
全に変化しきれず、一部のアルミナが単体の状態で残存
していることが分かった。したがって、0.1kg/k
g/T−Steel 未満の添加では、この残存アルミナによ
る弊害が残るため、前述の課題を解決するための完全な
形態制御を行うためには、金属Mgを0.1kg/T −
Steel 以上添加することがポイントとなる。
かにMg−Al等のMg合金あるいは金属Mgとコーク
スの混合品であるMg−Cokeを用いてもよい。もち
ろん、これらの2種以上を複合して使用しても同様の効
果が得られる。また、金属Mgの添加方法としては、M
gの蒸気圧が極めて高いことから、浴深部に添加する必
要があり、その目的のためには粉体の形でインジェクシ
ョンする方法が望ましい。Mg源の添加時期は、溶鋼を
Alで脱酸した後であり、アルミナ形態制御の信頼度を
より完璧にする観点からは、出鋼中あるいは取鍋で脱酸
した場合についてはアルミナ浮上のためのArバブリン
グ時間をより長く保ち、スラグ改質による(FeO+M
nO)の低減を徹底しておくのが望ましい。また、RH
やDHのような脱ガス設備を使ってAl脱酸する場合
は、Al脱酸後の還流時間をできるだけ長く保ちスラグ
も上記と同様徹底改質しておくのが望ましい。
0.14〜0.17%,T.Al=0.04〜0.06
% 2. 溶鋼量 340T 3. 金属Mgの添加方法 取鍋に出鋼した溶鋼にAlを投入して脱酸し、スラグに
もAlを散布してスラグ改質を行ったあと、取鍋インジ
ェクション装置の浸漬ランスから各種金属Mg源の粉体
を浴深部に吹き込んでアルミナの形態制御を行った。
eel 以上の添加原単位で金属Mgを添加した本発明例で
は、比較例で示すような従来問題となっていた冷延板の
スリバー疵と鋳造中の浸漬ノズルの閉塞のいずれの問題
も解決できている。
溶製段階で溶鋼中に金属Mgを添加することにより、ア
ルミナ系介在物による製品欠陥が大幅に低減でき、さら
には鋳造時の浸漬ノズルの閉塞の問題も解消されるた
め、製品歩留りの向上と製造コストの両面からの極めて
大きなコストメリットが得られ、本発明がこの種の産業
分野にもたらす効果は大きい。
加原単位と、冷延板のスリバー疵発生率および鋳造中の
浸漬ノズルの閉塞率を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Alキルド鋼の溶製に際し、溶鋼中に
0.1kg/T −Steel 以上の金属Mgを添加して、鋼
中に存在するアルミナ系介在物をAl2 O3 −MgO系
介在物に形態制御し鋼中に微細分散させることを特徴と
するアルミナ系介在物のクラスターに起因する製品欠陥
を防止すると共に、鋳造時のノズル閉塞を防止する鋼中
介在物の無害化方法。 - 【請求項2】 金属Mg源として、金属Mg、Mg−A
l合金、金属Mgとコークスの混合品の1種もしくは2
種以上を使用することを特徴とする請求項1記載の鋼中
介在物の無害化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10023391A JP2887535B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 鋼中介在物の無害化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10023391A JP2887535B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 鋼中介在物の無害化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04333359A JPH04333359A (ja) | 1992-11-20 |
JP2887535B2 true JP2887535B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=14268556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10023391A Expired - Fee Related JP2887535B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 鋼中介在物の無害化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2887535B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2792234B1 (fr) * | 1999-04-15 | 2001-06-01 | Lorraine Laminage | Traitement pour ameliorer la coulabilite d'acier calme a l'aluminium coule en continu |
-
1991
- 1991-05-02 JP JP10023391A patent/JP2887535B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04333359A (ja) | 1992-11-20 |
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