JP3000784B2 - 表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラント - Google Patents
表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラントInfo
- Publication number
- JP3000784B2 JP3000784B2 JP4073331A JP7333192A JP3000784B2 JP 3000784 B2 JP3000784 B2 JP 3000784B2 JP 4073331 A JP4073331 A JP 4073331A JP 7333192 A JP7333192 A JP 7333192A JP 3000784 B2 JP3000784 B2 JP 3000784B2
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- Japan
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- hydroxyapatite
- based sintered
- sintered alloy
- coated
- implant
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- Dental Prosthetics (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、ヒドロキシアパタイ
ト溶射層の密着性を向上せしめた表面被覆Ｔｉ基焼結合
金製インプラントに関するものである。
ト溶射層の密着性を向上せしめた表面被覆Ｔｉ基焼結合
金製インプラントに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、人工歯根や人工関節などのインプ
ラントが、例えば特開昭５８−３９５３３号公報に記載
される通り、純Ｔｉや、重量％でＴｉ−６％Ａｌ−４％
Ｖの代表組成を有するＴｉ合金を溶製し、精密鋳造する
か、あるいは熱間鍛造などにより所定形状とし、これの
表面を生体親和性のすぐれたヒドロキシアパタイトの溶
射層で被覆することにより製造されることは良く知られ
ている。
ラントが、例えば特開昭５８−３９５３３号公報に記載
される通り、純Ｔｉや、重量％でＴｉ−６％Ａｌ−４％
Ｖの代表組成を有するＴｉ合金を溶製し、精密鋳造する
か、あるいは熱間鍛造などにより所定形状とし、これの
表面を生体親和性のすぐれたヒドロキシアパタイトの溶
射層で被覆することにより製造されることは良く知られ
ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の表面被
覆ＴｉおよびＴｉ合金製インプラントにおいては、Ｔｉ
およびＴｉ合金基体の表面に対するヒドロキシアパタイ
ト溶射層の密着性が十分でないために、苛酷な使用環境
下では前記溶射層に剥離が発生し易く、信頼性の点で問
題がある。
覆ＴｉおよびＴｉ合金製インプラントにおいては、Ｔｉ
およびＴｉ合金基体の表面に対するヒドロキシアパタイ
ト溶射層の密着性が十分でないために、苛酷な使用環境
下では前記溶射層に剥離が発生し易く、信頼性の点で問
題がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記従来インプラントにおける
ヒドロキシアパタイト溶射層の密着性を向上させるべく
研究を行なった結果、原料粉末としてＴｉ粉末またはＴ
ｉ合金粉末を用い、これに０．５〜５重量％の割合でヒ
ドロキシアパタイト粉末を混合し、この混合粉末から形
成した所定形状の成形体を焼結することにより製造した
Ｔｉ基焼結合金基体の表面に、ヒドロキシアパタイトの
溶射層を形成すると、この溶射層は前記基体の素地に分
散分布するヒドロキシアパタイトによって密着性が著し
く向上するようになるという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、上記従来インプラントにおける
ヒドロキシアパタイト溶射層の密着性を向上させるべく
研究を行なった結果、原料粉末としてＴｉ粉末またはＴ
ｉ合金粉末を用い、これに０．５〜５重量％の割合でヒ
ドロキシアパタイト粉末を混合し、この混合粉末から形
成した所定形状の成形体を焼結することにより製造した
Ｔｉ基焼結合金基体の表面に、ヒドロキシアパタイトの
溶射層を形成すると、この溶射層は前記基体の素地に分
散分布するヒドロキシアパタイトによって密着性が著し
く向上するようになるという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、ＴｉまたはＴｉ合金の素地に、
ヒドロキシアパタイトが０．５〜５重量％の割合で分散
した組織を有するＴｉ基焼結合金基体の表面を、ヒドロ
キシアパタイトの溶射層で被覆してなる表面被覆Ｔｉ基
焼結合金製インプラントに特徴を有するものである。
なされたものであって、ＴｉまたはＴｉ合金の素地に、
ヒドロキシアパタイトが０．５〜５重量％の割合で分散
した組織を有するＴｉ基焼結合金基体の表面を、ヒドロ
キシアパタイトの溶射層で被覆してなる表面被覆Ｔｉ基
焼結合金製インプラントに特徴を有するものである。
【０００６】なお、この発明の表面被覆Ｔｉ基焼結合金
製インプラントを構成するＴｉ基焼結合金基体における
ヒドロキシアパタイトの含有割合を０．５〜５重量％に
限定したのは、その含有割合が０．５重量％未満では、
ヒドロキシアパタイト溶射層に所望のすぐれた密着性を
確保することができず、一方その含有割合が５重量％を
越えると強度が急激に低下するようになるという理由に
もとづくものである。
製インプラントを構成するＴｉ基焼結合金基体における
ヒドロキシアパタイトの含有割合を０．５〜５重量％に
限定したのは、その含有割合が０．５重量％未満では、
ヒドロキシアパタイト溶射層に所望のすぐれた密着性を
確保することができず、一方その含有割合が５重量％を
越えると強度が急激に低下するようになるという理由に
もとづくものである。
【０００７】
【実施例】つぎに、この発明の表面被覆Ｔｉ基焼結合金
製インプラントを実施例により具体的に説明する。原料
粉末として、平均粒径：２２μｍの純Ｔｉ粉末、同２５
μｍのＴｉ−６％Ａｌ−４％Ｖの代表組成（以上重量
％、以下％は重量％を示す）を有するＴｉ合金粉末、お
よび同１５μｍのヒドロキシアパタイト粉末を用意し、
これら原料粉末を表１に示される配合割合に配合し、真
空乾燥器で、１００℃に２４時間保持の条件で乾燥した
後、回転式ロッキングミキサーで３時間混合し、この混
合物を１５０℃に加熱して１２％のアクリルレジンを加
え、この温度で５時間混練した後、造粒機でペレットと
し、これを射出成形機にて直径：１２mmφ×長さ：８０
mmの成形体とし、ついでこの成形体を１気圧のＡｒ雰囲
気中、６００℃まで徐々に昇温してバインダーとしての
前記アクリルレジンを除去し、引続いて９５０℃に昇温
し、この温度に２時間保持して焼結し、これを直径：
３．２mm×長さ：２５mmの寸法に仕上げ、さらにこれの
表面に、ブラスト装置にて、１００番のアルミナ（Ａｌ
2 Ｏ3 ）粉末を用いてグリッドブラスト処理を施した
後、プラズマ溶射装置にて、電流：４５０Ａ、電圧：３
３Ｖ、Ａｒ＋Ｈｅガス流量：２０ｌ／min の条件で、平
均粒径：２０μｍのヒドロキシアパタイト粉末を溶射し
て、平均層厚：５０μｍのヒドロキシアパタイト溶射層
を被覆形成することにより本発明表面被覆Ｔｉ基焼結合
金製インプラント（以下、本発明被覆インプラントとい
う）１〜８、並びに基体を構成するＴｉ基焼結合金にお
けるヒドロキシアパタイトの含有割合がこの発明の範囲
から外れた比較表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラント
（以下、比較被覆インプラントという）１〜６をそれぞ
れ製造した。
製インプラントを実施例により具体的に説明する。原料
粉末として、平均粒径：２２μｍの純Ｔｉ粉末、同２５
μｍのＴｉ−６％Ａｌ−４％Ｖの代表組成（以上重量
％、以下％は重量％を示す）を有するＴｉ合金粉末、お
よび同１５μｍのヒドロキシアパタイト粉末を用意し、
これら原料粉末を表１に示される配合割合に配合し、真
空乾燥器で、１００℃に２４時間保持の条件で乾燥した
後、回転式ロッキングミキサーで３時間混合し、この混
合物を１５０℃に加熱して１２％のアクリルレジンを加
え、この温度で５時間混練した後、造粒機でペレットと
し、これを射出成形機にて直径：１２mmφ×長さ：８０
mmの成形体とし、ついでこの成形体を１気圧のＡｒ雰囲
気中、６００℃まで徐々に昇温してバインダーとしての
前記アクリルレジンを除去し、引続いて９５０℃に昇温
し、この温度に２時間保持して焼結し、これを直径：
３．２mm×長さ：２５mmの寸法に仕上げ、さらにこれの
表面に、ブラスト装置にて、１００番のアルミナ（Ａｌ
2 Ｏ3 ）粉末を用いてグリッドブラスト処理を施した
後、プラズマ溶射装置にて、電流：４５０Ａ、電圧：３
３Ｖ、Ａｒ＋Ｈｅガス流量：２０ｌ／min の条件で、平
均粒径：２０μｍのヒドロキシアパタイト粉末を溶射し
て、平均層厚：５０μｍのヒドロキシアパタイト溶射層
を被覆形成することにより本発明表面被覆Ｔｉ基焼結合
金製インプラント（以下、本発明被覆インプラントとい
う）１〜８、並びに基体を構成するＴｉ基焼結合金にお
けるヒドロキシアパタイトの含有割合がこの発明の範囲
から外れた比較表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラント
（以下、比較被覆インプラントという）１〜６をそれぞ
れ製造した。
【０００８】
【表１】
【０００９】つぎに、この結果得られた各種の被覆イン
プラントについて、強度を評価する目的で引張強さを測
定し、さらに溶射層の基体表面に対する密着性を評価す
る目的で、接着剤としてエポキシ樹脂を用いて被覆イン
プラントを母材に接着し、この母材と被覆インプラント
をそれぞれ治具にピンにて取付け、この状態で被覆イン
プラントを構成する基体と溶射層間の剪断強度を測定し
た。これらの測定結果を表１に示した。
プラントについて、強度を評価する目的で引張強さを測
定し、さらに溶射層の基体表面に対する密着性を評価す
る目的で、接着剤としてエポキシ樹脂を用いて被覆イン
プラントを母材に接着し、この母材と被覆インプラント
をそれぞれ治具にピンにて取付け、この状態で被覆イン
プラントを構成する基体と溶射層間の剪断強度を測定し
た。これらの測定結果を表１に示した。
【００１０】
【発明の効果】表１に示される結果から、本発明被覆イ
ンプラント１〜８は、従来被覆インプラントに相当す
る、すなわち基体がヒドロキシアパタイトを含有しない
比較被覆インプラント１および４に比して、実用上問題
のない程度の強度低下で、ヒドロキシアパタイト溶射層
が一段とすぐれた密着性を示し、また比較被覆インプラ
ント２および３、さらに５および６に見られるように、
基体におけるヒドロキシアパタイトの含有量が５％を越
えると、強度低下が著しいことが明らかである。
ンプラント１〜８は、従来被覆インプラントに相当す
る、すなわち基体がヒドロキシアパタイトを含有しない
比較被覆インプラント１および４に比して、実用上問題
のない程度の強度低下で、ヒドロキシアパタイト溶射層
が一段とすぐれた密着性を示し、また比較被覆インプラ
ント２および３、さらに５および６に見られるように、
基体におけるヒドロキシアパタイトの含有量が５％を越
えると、強度低下が著しいことが明らかである。
【００１１】上述のように、この発明の表面被覆Ｔｉ基
焼結合金製インプラントは、基体素地に分散分布するヒ
ドロキシアパタイトによって、実用上全く問題のない程
度の強度低下を伴うが、基体表面に対するヒドロキシア
パタイト溶射層の密着性が著しく向上し、苛酷な条件下
での実用にもヒドロキシアパタイト溶射層に剥離の発生
がなく、信頼性のきわめて高いものである。
焼結合金製インプラントは、基体素地に分散分布するヒ
ドロキシアパタイトによって、実用上全く問題のない程
度の強度低下を伴うが、基体表面に対するヒドロキシア
パタイト溶射層の密着性が著しく向上し、苛酷な条件下
での実用にもヒドロキシアパタイト溶射層に剥離の発生
がなく、信頼性のきわめて高いものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｃ２３Ｃ 4/10 (72)発明者 佐平 健彰 埼玉県大宮市北袋町１−297 三菱マテ リアル株式会社 中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61L 27/00 A61K 6/00 - 6/06
Claims (1)
- 【請求項１】 ＴｉまたはＴｉ合金の素地に、ヒドロキ
シアパタイトが０．５〜５重量％の割合で分散した組織
を有するＴｉ基焼結合金基体の表面を、ヒドロキシアパ
タイトの溶射層で被覆してなる表面被覆Ｔｉ基焼結合金
製インプラント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4073331A JP3000784B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4073331A JP3000784B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05228207A JPH05228207A (ja) | 1993-09-07 |
| JP3000784B2 true JP3000784B2 (ja) | 2000-01-17 |
Family
ID=13515082
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4073331A Expired - Lifetime JP3000784B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 表面被覆Ｔｉ基焼結合金製インプラント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3000784B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5806466B2 (ja) | 2008-01-28 | 2015-11-10 | バイオメット・３アイ・エルエルシー | 親水性を向上させたインプラント表面 |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP4073331A patent/JP3000784B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05228207A (ja) | 1993-09-07 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991012 |