JP2975290B2 - アパタイト−チタン系複合材料、その製造方法およびその複合材料用組成物 - Google Patents
アパタイト−チタン系複合材料、その製造方法およびその複合材料用組成物Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アパタイト−チタ
ン系複合材料、その製造方法およびその製造に用いる組
成物に関する。
ン系複合材料、その製造方法およびその製造に用いる組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属基体の表面にハイドロキシアパタイ
ト被覆層を設けた複合材料は、機械的強度が大きく、生
体親和性に優れ、化学的に安定であるため、人工骨、人
工歯根などの生体インプラント材料として提案されてい
る。
ト被覆層を設けた複合材料は、機械的強度が大きく、生
体親和性に優れ、化学的に安定であるため、人工骨、人
工歯根などの生体インプラント材料として提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属基体としてチタン
を用いると、軽量の複合材料が得られる。しかし、チタ
ンとハイドロキシアパタイトとは接合しにくいので、該
複合材料を生体インプラント材料として利用するために
は、金属基体と被覆層との接着強度を高めなければなら
ない。
を用いると、軽量の複合材料が得られる。しかし、チタ
ンとハイドロキシアパタイトとは接合しにくいので、該
複合材料を生体インプラント材料として利用するために
は、金属基体と被覆層との接着強度を高めなければなら
ない。
【0004】発明者は、ハイドロキシアパタイト粉末に
チタン粉末をバインダーとして混合し、この混合粉末を
チタン基体表面に焼結させることを試みたところ、ハイ
ドロキシアパタイトが分解してしまい、生体インプラン
ト材料として利用できない複合材料になった。他方、プ
ラズマ溶射法による生体親和性セラミックスの皮膜は、
チタン基体が複雑な形状でも形成可能であるが、この基
体との密着性(付着力)が悪いという問題がある。
チタン粉末をバインダーとして混合し、この混合粉末を
チタン基体表面に焼結させることを試みたところ、ハイ
ドロキシアパタイトが分解してしまい、生体インプラン
ト材料として利用できない複合材料になった。他方、プ
ラズマ溶射法による生体親和性セラミックスの皮膜は、
チタン基体が複雑な形状でも形成可能であるが、この基
体との密着性(付着力)が悪いという問題がある。
【0005】本発明の課題は、チタン基体と被覆層との
強固な接合が得られ、生体インプラント材料としての利
用が可能なアパタイト−チタン系複合材料を提供するこ
とである。本発明の別の課題は、チタン基体と被覆層と
の強固な接合が得られ、生体インプラント材料としての
利用が可能なアパタイト−チタン系複合材料を製造する
方法を提供することである。
強固な接合が得られ、生体インプラント材料としての利
用が可能なアパタイト−チタン系複合材料を提供するこ
とである。本発明の別の課題は、チタン基体と被覆層と
の強固な接合が得られ、生体インプラント材料としての
利用が可能なアパタイト−チタン系複合材料を製造する
方法を提供することである。
【0006】本発明のさらに別の課題は、チタン基体と
被覆層との強固な接合が得られ、生体インプラント材料
としての利用が可能なアパタイト−チタン系複合材料を
製造するのに用いる組成物を提供することである。
被覆層との強固な接合が得られ、生体インプラント材料
としての利用が可能なアパタイト−チタン系複合材料を
製造するのに用いる組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアパタイト−チ
タン系複合材料は、チタン基体と、前記チタン基体表面
に設けられた被覆層とを備えている。前記被覆層は、チ
タンになじみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイド
ロキシアパタイトの分解温度よりも低い融点を有する合
金と、ハイドロキシアパタイト粒子とを含む。前記チタ
ン基体内の前記被覆層との界面側には、チタンになじみ
易い金属元素が分散している。前記被覆層では表層の方
が前記ハイドロキシアパタイト粒子に富んでいる。
タン系複合材料は、チタン基体と、前記チタン基体表面
に設けられた被覆層とを備えている。前記被覆層は、チ
タンになじみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイド
ロキシアパタイトの分解温度よりも低い融点を有する合
金と、ハイドロキシアパタイト粒子とを含む。前記チタ
ン基体内の前記被覆層との界面側には、チタンになじみ
易い金属元素が分散している。前記被覆層では表層の方
が前記ハイドロキシアパタイト粒子に富んでいる。
【0008】本発明のアパタイト−チタン系複合材料で
は、前記合金は、たとえば、銀パラジウム合金および銀
白金合金からなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。本発明のアパタイト−チタン系複合材料では、前記
チタン基体は、たとえば、純チタンおよびチタン合金か
らなる群から選ばれる少なくとも1つである。本発明の
アパタイト−チタン系複合材料では、前記合金の量は、
たとえば、前記合金と前記ハイドロキシアパタイト粒子
との合計重量に対して5〜70重量%である。
は、前記合金は、たとえば、銀パラジウム合金および銀
白金合金からなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。本発明のアパタイト−チタン系複合材料では、前記
チタン基体は、たとえば、純チタンおよびチタン合金か
らなる群から選ばれる少なくとも1つである。本発明の
アパタイト−チタン系複合材料では、前記合金の量は、
たとえば、前記合金と前記ハイドロキシアパタイト粒子
との合計重量に対して5〜70重量%である。
【0009】本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法は、合金粉末とハイドロキシアパタイト粉末と
の混合粉末を、チタン基体に接触させた状態で、前記合
金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温度
よりも低い温度に加熱する工程を含む。前記合金粉末
は、チタンになじみ易い金属元素を合金元素の1つと
し、ハイドロキシアパタイトの分解温度よりも低い融点
を有する。
製造方法は、合金粉末とハイドロキシアパタイト粉末と
の混合粉末を、チタン基体に接触させた状態で、前記合
金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温度
よりも低い温度に加熱する工程を含む。前記合金粉末
は、チタンになじみ易い金属元素を合金元素の1つと
し、ハイドロキシアパタイトの分解温度よりも低い融点
を有する。
【0010】本発明のアパタイト−チタン系複合材料用
組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末と、チタンにな
じみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシア
パタイトの分解温度よりも低い融点を有する合金粉末と
を含み、チタン基体表面に焼付け膜を形成するための組
成物である。本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法、および本発明のアパタイト−チタン系複合材
料用組成物では、前記合金粉末は、たとえば、銀パラジ
ウム合金(以下、Ag−Pd合金とも言う)および銀白
金合金(以下、Ag−Pt合金とも言う)からなる群か
ら選ばれる少なくとも1つである。
組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末と、チタンにな
じみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシア
パタイトの分解温度よりも低い融点を有する合金粉末と
を含み、チタン基体表面に焼付け膜を形成するための組
成物である。本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法、および本発明のアパタイト−チタン系複合材
料用組成物では、前記合金粉末は、たとえば、銀パラジ
ウム合金(以下、Ag−Pd合金とも言う)および銀白
金合金(以下、Ag−Pt合金とも言う)からなる群か
ら選ばれる少なくとも1つである。
【0011】本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法、および本発明のアパタイト−チタン系複合材
料用組成物では、前記チタン基体は、たとえば、純チタ
ンおよびチタン合金からなる群から選ばれる少なくとも
1つである。本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法、および本発明のアパタイト−チタン系複合材
料用組成物では、前記合金粉末の量は、たとえば、前記
合金粉末と前記ハイドロキシアパタイト粉末との合計重
量に対して5〜70重量%である。
製造方法、および本発明のアパタイト−チタン系複合材
料用組成物では、前記チタン基体は、たとえば、純チタ
ンおよびチタン合金からなる群から選ばれる少なくとも
1つである。本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法、および本発明のアパタイト−チタン系複合材
料用組成物では、前記合金粉末の量は、たとえば、前記
合金粉末と前記ハイドロキシアパタイト粉末との合計重
量に対して5〜70重量%である。
【0012】
〔本発明のアパタイト−チタン系複合材料〕本発明のア
パタイト−チタン系複合材料は、チタン基体と、前記チ
タン基体表面に設けられた被覆層とを備えている。チタ
ン基体は、純チタン、チタン合金(代表例として、重量
%でTi−6%Al−4%Vなどのチタン合金が挙げら
れる)などが挙げられる。チタン基体は、所望の形状を
有する成形体がよい。複合材料が生体インプラント材料
として使用される場合には、チタン基体は、たとえば、
円柱、円筒、円板、不定形など、生体の包埋部位に応じ
た形状を有する。チタン基体は、予め所望の表面処理、
たとえば、表面研磨、アルコール洗浄などを施しておい
てもよい。
パタイト−チタン系複合材料は、チタン基体と、前記チ
タン基体表面に設けられた被覆層とを備えている。チタ
ン基体は、純チタン、チタン合金(代表例として、重量
%でTi−6%Al−4%Vなどのチタン合金が挙げら
れる)などが挙げられる。チタン基体は、所望の形状を
有する成形体がよい。複合材料が生体インプラント材料
として使用される場合には、チタン基体は、たとえば、
円柱、円筒、円板、不定形など、生体の包埋部位に応じ
た形状を有する。チタン基体は、予め所望の表面処理、
たとえば、表面研磨、アルコール洗浄などを施しておい
てもよい。
【0013】被覆層は、チタンになじみ易い金属元素を
合金元素の1つとしハイドロキシアパタイトの分解温度
よりも低い融点を有する合金と、ハイドロキシアパタイ
ト粒子とを含む。被覆層を構成する前記合金は、チタン
になじみ易い金属元素を含み、ハイドロキシアパタイト
の分解温度よりも低い融点を有するものであり、たとえ
ば、銀パラジウム合金および銀白金合金からなる群から
選ばれる少なくとも1つである。Ag−Pd合金および
Ag−Pt合金がいずれもチタンよりも低い融点を有
し、PdおよびPtがAgよりもチタンになじみ易い金
属元素であるため、銀パラジウム合金あるいは銀白金合
金が好ましい。銀パラジウム合金としては、ハイドロキ
シアパタイトの安定領域である1300℃以下の融点を
有する、Ag含有量42原子%以下、0原子%超のもの
が使用される。
合金元素の1つとしハイドロキシアパタイトの分解温度
よりも低い融点を有する合金と、ハイドロキシアパタイ
ト粒子とを含む。被覆層を構成する前記合金は、チタン
になじみ易い金属元素を含み、ハイドロキシアパタイト
の分解温度よりも低い融点を有するものであり、たとえ
ば、銀パラジウム合金および銀白金合金からなる群から
選ばれる少なくとも1つである。Ag−Pd合金および
Ag−Pt合金がいずれもチタンよりも低い融点を有
し、PdおよびPtがAgよりもチタンになじみ易い金
属元素であるため、銀パラジウム合金あるいは銀白金合
金が好ましい。銀パラジウム合金としては、ハイドロキ
シアパタイトの安定領域である1300℃以下の融点を
有する、Ag含有量42原子%以下、0原子%超のもの
が使用される。
【0014】チタンになじみ易い金属元素とは、この金
属元素を含む合金を、チタン基体に接触させた状態で、
前記合金の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温
度よりも低い温度に加熱したときにその金属元素が合金
からチタン基体中に拡散することができるものを言う。
ハイドロキシアパタイト粒子は、長期間の骨組織埋植に
よる被覆層の剥離を防ぐ目的で、この層を薄くすること
が可能であるという利点を考慮すると、粒度10μm以
下のものが好ましく、密着性の良い被覆層を形成すると
いう利点を考慮すると、粒度1μm以下のものがより好
ましい。
属元素を含む合金を、チタン基体に接触させた状態で、
前記合金の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温
度よりも低い温度に加熱したときにその金属元素が合金
からチタン基体中に拡散することができるものを言う。
ハイドロキシアパタイト粒子は、長期間の骨組織埋植に
よる被覆層の剥離を防ぐ目的で、この層を薄くすること
が可能であるという利点を考慮すると、粒度10μm以
下のものが好ましく、密着性の良い被覆層を形成すると
いう利点を考慮すると、粒度1μm以下のものがより好
ましい。
【0015】被覆層を構成する前記合金の量は、たとえ
ば、前記合金と前記ハイドロキシアパタイト粒子との合
計重量に対して5〜70重量%である。合金の量がこの
範囲内であると、被覆層の密着性が良く、しかも、骨親
和性または骨伝導能が良いという利点があり、前記範囲
を上回ると、骨親和性または骨伝導能が低下するおそれ
があり、前記範囲を下回ると、被覆層の密着性が悪くな
るおそれがある。チタン基体表面がハイドロキシアパタ
イトで傾斜機能的に複合化するという利点があるという
点からは、前記合金の量は10〜50重量%であること
が好ましい。
ば、前記合金と前記ハイドロキシアパタイト粒子との合
計重量に対して5〜70重量%である。合金の量がこの
範囲内であると、被覆層の密着性が良く、しかも、骨親
和性または骨伝導能が良いという利点があり、前記範囲
を上回ると、骨親和性または骨伝導能が低下するおそれ
があり、前記範囲を下回ると、被覆層の密着性が悪くな
るおそれがある。チタン基体表面がハイドロキシアパタ
イトで傾斜機能的に複合化するという利点があるという
点からは、前記合金の量は10〜50重量%であること
が好ましい。
【0016】被覆層の厚さは、生体親和性を考慮する
と、たとえば、10〜500μmであり、被覆層の密着
性と長期間の骨組織埋植においてこの層の剥離がないと
いう利点があるという点からは、被覆層の厚さは10〜
100μmが好ましい。チタン基体内の被覆層との界面
側には、チタンになじみ易い金属元素が分散している。
すなわち、チタンになじみ易い金属元素がチタン基体内
の被覆層との界面側と被覆層との両方に含まれている。
このため、チタン基体と被覆層との界面での強固な接合
が得られる。
と、たとえば、10〜500μmであり、被覆層の密着
性と長期間の骨組織埋植においてこの層の剥離がないと
いう利点があるという点からは、被覆層の厚さは10〜
100μmが好ましい。チタン基体内の被覆層との界面
側には、チタンになじみ易い金属元素が分散している。
すなわち、チタンになじみ易い金属元素がチタン基体内
の被覆層との界面側と被覆層との両方に含まれている。
このため、チタン基体と被覆層との界面での強固な接合
が得られる。
【0017】被覆層では表層の方がハイドロキシアパタ
イト粒子に富んでいる。すなわち、被覆層を構成する合
金がハイドロキシアパタイト粒子を包み込んでおり、ハ
イドロキシアパタイトの濃度が表層にいくほど高くなっ
ている。このため、チタン基体の表面がハイドロキシア
パタイトで傾斜機能的に複合化されている。本発明のア
パタイト−チタン系複合材料は、たとえば、本発明の組
成物を用いて本発明の製造方法により作ることができ
る。 〔本発明の、アパタイト−チタン系複合材料の製造方法
およびアパタイト−チタン系複合材料用組成物〕本発明
のアパタイト−チタン系複合材料の製造方法は、合金粉
末とハイドロキシアパタイト粉末との混合粉末を、チタ
ン基体に接触させた状態で、合金粉末の融点以上でハイ
ドロキシアパタイトの分解温度よりも低い温度に加熱す
る工程を含む。合金粉末は、チタンになじみ易い金属元
素を合金元素の1つとし、ハイドロキシアパタイトの分
解温度よりも低い融点を有する。
イト粒子に富んでいる。すなわち、被覆層を構成する合
金がハイドロキシアパタイト粒子を包み込んでおり、ハ
イドロキシアパタイトの濃度が表層にいくほど高くなっ
ている。このため、チタン基体の表面がハイドロキシア
パタイトで傾斜機能的に複合化されている。本発明のア
パタイト−チタン系複合材料は、たとえば、本発明の組
成物を用いて本発明の製造方法により作ることができ
る。 〔本発明の、アパタイト−チタン系複合材料の製造方法
およびアパタイト−チタン系複合材料用組成物〕本発明
のアパタイト−チタン系複合材料の製造方法は、合金粉
末とハイドロキシアパタイト粉末との混合粉末を、チタ
ン基体に接触させた状態で、合金粉末の融点以上でハイ
ドロキシアパタイトの分解温度よりも低い温度に加熱す
る工程を含む。合金粉末は、チタンになじみ易い金属元
素を合金元素の1つとし、ハイドロキシアパタイトの分
解温度よりも低い融点を有する。
【0018】混合粉末をチタン基体に接触させた状態で
合金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温
度よりも低い温度に加熱することにより、合金粉末が熔
化し、合金中のチタンになじみ易い金属元素がチタン基
体の被覆層との界面側に拡散する。このため、チタン基
体と被覆層との界面での強固な接合が得られる。また、
合金がハイドロキシアパタイト粒子を包み込み、ハイド
ロキシアパタイトの濃度がチタン基体との界面よりも表
層にいくほど高くなる。このため、被覆層では表層の方
がハイドロキシアパタイト粒子に富んでおり、チタン基
体の表面がハイドロキシアパタイトで傾斜機能的に複合
化されうる。
合金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温
度よりも低い温度に加熱することにより、合金粉末が熔
化し、合金中のチタンになじみ易い金属元素がチタン基
体の被覆層との界面側に拡散する。このため、チタン基
体と被覆層との界面での強固な接合が得られる。また、
合金がハイドロキシアパタイト粒子を包み込み、ハイド
ロキシアパタイトの濃度がチタン基体との界面よりも表
層にいくほど高くなる。このため、被覆層では表層の方
がハイドロキシアパタイト粒子に富んでおり、チタン基
体の表面がハイドロキシアパタイトで傾斜機能的に複合
化されうる。
【0019】本発明のアパタイト−チタン系複合材料用
組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末と、チタンにな
じみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシア
パタイトの分解温度よりも低い融点を有する合金粉末と
を含み、チタン基体表面に焼付け膜を形成するための組
成物である。本発明の方法において、混合粉末をチタン
基体に接触させた状態で加熱するときの条件は、合金粉
末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温度より
も低い温度に加熱するのであれば温度の制限は特にな
い。加熱の昇温速度は、たとえば、5〜10℃/minで
ある。合金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの
分解温度よりも低い温度に昇温したら、その温度で焼成
を行う。焼成時間は、たとえば、10〜60分間であ
る。加熱、焼成するときの雰囲気は、真空中あるいは不
活性ガス雰囲気である。焼成後、焼成物を炉内での自然
冷却などにより冷却する。
組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末と、チタンにな
じみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシア
パタイトの分解温度よりも低い融点を有する合金粉末と
を含み、チタン基体表面に焼付け膜を形成するための組
成物である。本発明の方法において、混合粉末をチタン
基体に接触させた状態で加熱するときの条件は、合金粉
末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温度より
も低い温度に加熱するのであれば温度の制限は特にな
い。加熱の昇温速度は、たとえば、5〜10℃/minで
ある。合金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの
分解温度よりも低い温度に昇温したら、その温度で焼成
を行う。焼成時間は、たとえば、10〜60分間であ
る。加熱、焼成するときの雰囲気は、真空中あるいは不
活性ガス雰囲気である。焼成後、焼成物を炉内での自然
冷却などにより冷却する。
【0020】本発明の方法に用いるチタン基体は、その
内部の被覆層との界面側にチタンになじみ易い金属元素
が分散している必要がないこと以外は、本発明の複合材
料におけるチタン基体と同じであり、すでに説明したの
で、ここでは説明を省略する。混合粉末は、加圧プレス
により所望の形状に成形された圧粉体であってもよい。
また、チタン基体の形状に関わらずその表面全体に混合
粉末を接触させるためには、Ar雰囲気高温中で気相ス
プレーにより、混合粉末を基体表面に吹き付けるという
方法を採ることができる。
内部の被覆層との界面側にチタンになじみ易い金属元素
が分散している必要がないこと以外は、本発明の複合材
料におけるチタン基体と同じであり、すでに説明したの
で、ここでは説明を省略する。混合粉末は、加圧プレス
により所望の形状に成形された圧粉体であってもよい。
また、チタン基体の形状に関わらずその表面全体に混合
粉末を接触させるためには、Ar雰囲気高温中で気相ス
プレーにより、混合粉末を基体表面に吹き付けるという
方法を採ることができる。
【0021】合金粉末の合金の種類は、たとえば、本発
明の複合材料における、被覆層を構成する合金と同じで
あり、すでに説明したので、ここでは説明を省略する。
合金粉末は、被覆層の密着性が良いという利点を考慮す
ると、粒度0.1〜10μmのものが好ましく、薄い被
覆層を形成させるという利点を考慮すると、粒度0.1
〜2μmのものがより好ましい。
明の複合材料における、被覆層を構成する合金と同じで
あり、すでに説明したので、ここでは説明を省略する。
合金粉末は、被覆層の密着性が良いという利点を考慮す
ると、粒度0.1〜10μmのものが好ましく、薄い被
覆層を形成させるという利点を考慮すると、粒度0.1
〜2μmのものがより好ましい。
【0022】ハイドロキシアパタイト粉末は、被覆層の
密着性が良いという利点を考慮すると、粒度0.1〜1
0μmのものが好ましく、薄い被覆層を形成させるとい
う利点を考慮すると、粒度0.1〜5μmのものがより
好ましい。合金粉末の量は、たとえば、合金粉末とハイ
ドロキシアパタイト粉末との合計重量に対して5〜70
重量%である。合金粉末の量がこの範囲内であると、被
覆層の密着性が良く、しかも、骨親和性または骨伝導能
が良いという利点があり、前記範囲を上回ると、骨親和
性または骨伝導能が低下するおそれがあり、前記範囲を
下回ると、被覆層の密着性が悪くなるおそれがある。チ
タン基体の表面がハイドロキシアパタイトで傾斜機能的
に複合化するという利点があるという点からは、前記合
金粉末の量は10〜50重量%であることが好ましい。
密着性が良いという利点を考慮すると、粒度0.1〜1
0μmのものが好ましく、薄い被覆層を形成させるとい
う利点を考慮すると、粒度0.1〜5μmのものがより
好ましい。合金粉末の量は、たとえば、合金粉末とハイ
ドロキシアパタイト粉末との合計重量に対して5〜70
重量%である。合金粉末の量がこの範囲内であると、被
覆層の密着性が良く、しかも、骨親和性または骨伝導能
が良いという利点があり、前記範囲を上回ると、骨親和
性または骨伝導能が低下するおそれがあり、前記範囲を
下回ると、被覆層の密着性が悪くなるおそれがある。チ
タン基体の表面がハイドロキシアパタイトで傾斜機能的
に複合化するという利点があるという点からは、前記合
金粉末の量は10〜50重量%であることが好ましい。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例および比較
例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1)チタン板(JIS第1種、縦12mm×横1
2mm、厚さ約3mmの板)の表面を研磨した後、エタノー
ルで洗浄した。アパタイト(新田ゼラチン株式会社製ハ
イドロキシアパタイト、牛骨を仮焼して粉砕したもの、
商品名HAp−SU、比表面積5m2/g)粉末とAg
−Pd合金粉末(合金組成Ag70重量%・Pd30重
量%、融点約1150℃、粒度0.5〜2.0μm)と
を50:50の体積比で混合した混合粉末を金型に入
れ、1軸加圧プレスで98MPaの圧力をかけて直径1
2mm、厚さ約1mmの円板に成形した。この円板を上記の
とおりエタノールで洗浄したチタン板の上にちょうど重
ね合わせ、Ar雰囲気中で10℃/minの速度で120
0℃まで昇温し、1200℃で30分間保持した。その
後、炉内で自然放冷した。得られたテストピースをエポ
キシ樹脂中に埋入した後、チタン板の端から6mmの位置
で2等分し、切断面を研磨した後、EPMA(電子プロ
ーブX線マイクロアナライザー(electron probe X-ray
microanalyzer ))で断面の元素組成を分析した。組
成像(反射電子像)と、EPMA分析の、Ti,Pd,
Ag,Ca,Pの特性X線イメージ像とを図1に示し
た。テストピースのX線回折パターンを図2に示した。
図2中、(a)〜(e)は、図4のアパタイト−チタン
系複合材料の模式図中、複合材料表面からの各領域
(a)〜(e)にそれぞれ対応する。なお、図4では、
複合体を円柱として示しその側周面表面から円柱の軸心
に向かって領域(a)〜(e)としたが、実施例1で得
られた複合材料では、円板の上面表面から厚み方向の中
央に向かって領域(a)〜(e)が設定される。
例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1)チタン板(JIS第1種、縦12mm×横1
2mm、厚さ約3mmの板)の表面を研磨した後、エタノー
ルで洗浄した。アパタイト(新田ゼラチン株式会社製ハ
イドロキシアパタイト、牛骨を仮焼して粉砕したもの、
商品名HAp−SU、比表面積5m2/g)粉末とAg
−Pd合金粉末(合金組成Ag70重量%・Pd30重
量%、融点約1150℃、粒度0.5〜2.0μm)と
を50:50の体積比で混合した混合粉末を金型に入
れ、1軸加圧プレスで98MPaの圧力をかけて直径1
2mm、厚さ約1mmの円板に成形した。この円板を上記の
とおりエタノールで洗浄したチタン板の上にちょうど重
ね合わせ、Ar雰囲気中で10℃/minの速度で120
0℃まで昇温し、1200℃で30分間保持した。その
後、炉内で自然放冷した。得られたテストピースをエポ
キシ樹脂中に埋入した後、チタン板の端から6mmの位置
で2等分し、切断面を研磨した後、EPMA(電子プロ
ーブX線マイクロアナライザー(electron probe X-ray
microanalyzer ))で断面の元素組成を分析した。組
成像(反射電子像)と、EPMA分析の、Ti,Pd,
Ag,Ca,Pの特性X線イメージ像とを図1に示し
た。テストピースのX線回折パターンを図2に示した。
図2中、(a)〜(e)は、図4のアパタイト−チタン
系複合材料の模式図中、複合材料表面からの各領域
(a)〜(e)にそれぞれ対応する。なお、図4では、
複合体を円柱として示しその側周面表面から円柱の軸心
に向かって領域(a)〜(e)としたが、実施例1で得
られた複合材料では、円板の上面表面から厚み方向の中
央に向かって領域(a)〜(e)が設定される。
【0024】(実施例2)Ar雰囲気中で10℃/min
の速度で1250℃まで昇温し、1250℃で30分間
保持したこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。組
成像(反射電子像)と、EPMA分析の、Ti,Pd,
Ag,Ca,Pの特性X線イメージ像とを図3に示し
た。
の速度で1250℃まで昇温し、1250℃で30分間
保持したこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。組
成像(反射電子像)と、EPMA分析の、Ti,Pd,
Ag,Ca,Pの特性X線イメージ像とを図3に示し
た。
【0025】図1と3にそれぞれ見るように、合金中の
PdはTi側へ拡散しており、合金中のAgはTi表面
上に残りアパタイト(HAp)粒子を包み込んでいる。
また、CaとP共に表層の方が高くなっている。このこ
とは、図2のX線回折パターンのピークからも裏付けら
れる。1250℃で焼成した場合は1200℃で焼成し
た場合より、PdはTi中に少し深く拡散しており、C
aとP共に表層の方に多く凝集している。
PdはTi側へ拡散しており、合金中のAgはTi表面
上に残りアパタイト(HAp)粒子を包み込んでいる。
また、CaとP共に表層の方が高くなっている。このこ
とは、図2のX線回折パターンのピークからも裏付けら
れる。1250℃で焼成した場合は1200℃で焼成し
た場合より、PdはTi中に少し深く拡散しており、C
aとP共に表層の方に多く凝集している。
【0026】以上の実施例の結果から、次の結論が得ら
れる。 ・銀パラジウム合金中のパラジウム成分のチタン側への
拡散が認められ、界面での強固な接合が得られた。 ・銀成分がアパタイトを包み込んでおり、アパタイトの
濃度は表層にいくほど高くなることが認められた。 ・金属チタンを芯材とし、表面をアパタイトでコートし
た生体活性複合インプラント材料の製造が可能となっ
た。
れる。 ・銀パラジウム合金中のパラジウム成分のチタン側への
拡散が認められ、界面での強固な接合が得られた。 ・銀成分がアパタイトを包み込んでおり、アパタイトの
濃度は表層にいくほど高くなることが認められた。 ・金属チタンを芯材とし、表面をアパタイトでコートし
た生体活性複合インプラント材料の製造が可能となっ
た。
【0027】(実施例3)アパタイト粉末とAg−Pt
合金粉末(合金組成:Ag70重量%・Pt30重量
%、融点約1165℃、粒度0.5〜2.0μm)との
混合粉末を用いた以外は、実施例2の操作を行い、テス
トピースを作製した。 (比較例1)アパタイト粉末とTiH2粉末とを50:
50の体積比で混合した混合粉体を用いた以外は、実施
例1の操作を行い、テストピースを作製した。
合金粉末(合金組成:Ag70重量%・Pt30重量
%、融点約1165℃、粒度0.5〜2.0μm)との
混合粉末を用いた以外は、実施例2の操作を行い、テス
トピースを作製した。 (比較例1)アパタイト粉末とTiH2粉末とを50:
50の体積比で混合した混合粉体を用いた以外は、実施
例1の操作を行い、テストピースを作製した。
【0028】(比較例2)アパタイト粉末とTiH2粉
末とを50:50の体積比で混合した混合粉体を用いた
以外は、実施例2の操作を行い、テストピースを作製し
た。実施例1〜3および比較例1〜2で得られたテスト
ピースを用いて、手による被覆層の剥離テストを行っ
た。また、耐久試験として、テストピースをトリス緩衝
溶液中で37℃、21日間浸漬後、手による被覆層の剥
離テストを行った。剥離テストは、テストピースを指の
爪で引っかいたときに、被覆層が剥がれなかった(○)
か、被覆層が簡単に剥がれた(×)か、あるいは、緩衝
溶液中で剥がれていた(××)かで評価した。これらの
結果を表1に示す。
末とを50:50の体積比で混合した混合粉体を用いた
以外は、実施例2の操作を行い、テストピースを作製し
た。実施例1〜3および比較例1〜2で得られたテスト
ピースを用いて、手による被覆層の剥離テストを行っ
た。また、耐久試験として、テストピースをトリス緩衝
溶液中で37℃、21日間浸漬後、手による被覆層の剥
離テストを行った。剥離テストは、テストピースを指の
爪で引っかいたときに、被覆層が剥がれなかった(○)
か、被覆層が簡単に剥がれた(×)か、あるいは、緩衝
溶液中で剥がれていた(××)かで評価した。これらの
結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示される結果から、本発明のチタン
−アパタイト系複合材料は、チタン基体と被覆層との強
固な接合および密着性が得られ、しかも、接合の劣化が
認められなかった。以上のことより、本発明の複合材料
は、チタン基体の表面がハイドロキシアパタイトで傾斜
機能的に複合化されているため、チタン基体と前記被覆
層とが強固に接合していることが判明した。
−アパタイト系複合材料は、チタン基体と被覆層との強
固な接合および密着性が得られ、しかも、接合の劣化が
認められなかった。以上のことより、本発明の複合材料
は、チタン基体の表面がハイドロキシアパタイトで傾斜
機能的に複合化されているため、チタン基体と前記被覆
層とが強固に接合していることが判明した。
【0031】上記の実施例では、チタン板と、合金粉末
およびアパタイト粉末の混合粉末の成形体とを重ね合わ
せて焼成したが、実際のインプラント材料では、複雑な
形状を有するため、合金粉末およびアパタイト粉末の混
合粉末を高温Ar雰囲気中で気相スプレーによりチタン
基体表面に吹き付けることになる。
およびアパタイト粉末の混合粉末の成形体とを重ね合わ
せて焼成したが、実際のインプラント材料では、複雑な
形状を有するため、合金粉末およびアパタイト粉末の混
合粉末を高温Ar雰囲気中で気相スプレーによりチタン
基体表面に吹き付けることになる。
【0032】
【発明の効果】本発明のチタン−アパタイト系複合材料
は、チタン基体と前記チタン基体表面に設けられた被覆
層とを備えており、前記被覆層が、チタンになじみ易い
金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシアパタイト
の分解温度よりも低い融点を有する合金と、ハイドロキ
シアパタイト粒子とを含み、前記チタン基体内の前記被
覆層との界面側にチタンになじみ易い金属元素が分散す
るとともに、前記被覆層では表層の方が前記ハイドロキ
シアパタイト粒子に富んでいるので、チタン基体と被覆
層との強固な接合が得られ、生体インプラント材料とし
ての利用が可能である。
は、チタン基体と前記チタン基体表面に設けられた被覆
層とを備えており、前記被覆層が、チタンになじみ易い
金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシアパタイト
の分解温度よりも低い融点を有する合金と、ハイドロキ
シアパタイト粒子とを含み、前記チタン基体内の前記被
覆層との界面側にチタンになじみ易い金属元素が分散す
るとともに、前記被覆層では表層の方が前記ハイドロキ
シアパタイト粒子に富んでいるので、チタン基体と被覆
層との強固な接合が得られ、生体インプラント材料とし
ての利用が可能である。
【0033】本発明のアパタイト−チタン系複合材料の
製造方法は、チタンになじみ易い金属元素を合金元素の
1つとしハイドロキシアパタイトの分解温度よりも低い
融点を有する合金粉末とハイドロキシアパタイト粉末と
の混合粉末を、チタン基体に接触させた状態で、前記合
金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温度
よりも低い温度に加熱する工程を含むので、チタン基体
と被覆層との強固な接合が得られ、生体インプラント材
料としての利用が可能なアパタイト−チタン系複合材料
を製造することができる。
製造方法は、チタンになじみ易い金属元素を合金元素の
1つとしハイドロキシアパタイトの分解温度よりも低い
融点を有する合金粉末とハイドロキシアパタイト粉末と
の混合粉末を、チタン基体に接触させた状態で、前記合
金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解温度
よりも低い温度に加熱する工程を含むので、チタン基体
と被覆層との強固な接合が得られ、生体インプラント材
料としての利用が可能なアパタイト−チタン系複合材料
を製造することができる。
【0034】本発明のアパタイト−チタン系複合材料用
組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末と、チタンにな
じみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシア
パタイトの分解温度よりも低い融点を有する合金粉末と
を含み、チタン基体表面に焼付け膜を形成するためのも
のであるので、チタン基体と被覆層との強固な接合が得
られ、生体インプラント材料としての利用が可能なアパ
タイト−チタン系複合材料を製造するのに用いることが
できる。
組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末と、チタンにな
じみ易い金属元素を合金元素の1つとしハイドロキシア
パタイトの分解温度よりも低い融点を有する合金粉末と
を含み、チタン基体表面に焼付け膜を形成するためのも
のであるので、チタン基体と被覆層との強固な接合が得
られ、生体インプラント材料としての利用が可能なアパ
タイト−チタン系複合材料を製造するのに用いることが
できる。
【図1】実施例1で得られた複合材料の元素の分布を示
す、反射電子像と特性X線イメージ像。
す、反射電子像と特性X線イメージ像。
【図2】実施例1で得られた複合材料のX線回折パター
ン。
ン。
【図3】実施例2で得られた複合材料の元素の分布を示
す、反射電子像と特性X線イメージ像。
す、反射電子像と特性X線イメージ像。
【図4】アパタイト−チタン系複合材料のインプラント
としての模式図。
としての模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 1/05 C22C 1/05 Z C23C 30/00 C23C 30/00 C (72)発明者 市古 忠利 愛知県知立市内幸町加藤31−6 (56)参考文献 特開 平1−52471(JP,A) 特開 平5−32518(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 24/08
Claims (11)
- 【請求項1】チタン基体と、 前記チタン基体表面に設けられた被覆層とを備え、 前記被覆層が、チタンになじみ易い金属元素を合金元素
の1つとしハイドロキシアパタイトの分解温度よりも低
い融点を有する合金と、ハイドロキシアパタイト粒子と
を含み、 前記チタン基体内の前記被覆層との界面側にチタンにな
じみ易い金属元素が分散するとともに、 前記被覆層では表層の方が前記ハイドロキシアパタイト
粒子に富んでいる、 アパタイト−チタン系複合材料。 - 【請求項2】前記被覆層の前記合金が、銀パラジウム合
金および銀白金合金からなる群から選ばれる少なくとも
1つである、請求項1に記載の複合材料。 - 【請求項3】前記チタン基体が、純チタンおよびチタン
合金からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請
求項1に記載の複合材料。 - 【請求項4】前記合金の量が、前記合金と前記ハイドロ
キシアパタイト粒子との合計重量に対して5〜70重量
%である、請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料。 - 【請求項5】チタンになじみ易い金属元素を合金元素の
1つとして、ハイドロキシアパタイトの分解温度よりも
低い融点を有する合金粉末とハイドロキシアパタイト粉
末との混合粉末を、チタン基体に接触させた状態で、前
記合金粉末の融点以上でハイドロキシアパタイトの分解
温度よりも低い温度に加熱する工程を含む、アパタイト
−チタン系複合材料の製造方法。 - 【請求項6】前記合金粉末が、銀パラジウム合金および
銀白金合金からなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る、請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】前記チタン基体が、純チタンおよびチタン
合金からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請
求項5に記載の方法。 - 【請求項8】前記合金粉末の量が、前記合金粉末と前記
ハイドロキシアパタイト粉末との合計重量に対して5〜
70重量%である、請求項5〜7のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項9】ハイドロキシアパタイト粉末と、銀パラジ
ウム合金および銀白金合金からなる群から選ばれる少な
くとも1つの合金粉末とを含み、チタン基体表面に焼付
け膜を形成するためのアパタイト−チタン系複合材料用
組成物。 - 【請求項10】前記チタン基体が、純チタンおよびチタ
ン合金からなる群から選ばれる少なくとも1つである、
請求項9に記載の組成物。 - 【請求項11】前記合金粉末の量が、前記合金粉末と前
記ハイドロキシアパタイト粉末との合計重量に対して5
〜70重量%である、請求項9〜10のいずれかに記載
の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7242061A JP2975290B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | アパタイト−チタン系複合材料、その製造方法およびその複合材料用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7242061A JP2975290B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | アパタイト−チタン系複合材料、その製造方法およびその複合材料用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0995787A JPH0995787A (ja) | 1997-04-08 |
JP2975290B2 true JP2975290B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=17083707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7242061A Expired - Fee Related JP2975290B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | アパタイト−チタン系複合材料、その製造方法およびその複合材料用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2975290B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5242062B2 (ja) * | 2007-02-09 | 2013-07-24 | 田中貴金属工業株式会社 | ハイドロキシアパタイト粒子分散金属膜及びその形成方法 |
JP6466839B2 (ja) | 2013-07-03 | 2019-02-06 | 株式会社小糸製作所 | 複合材料および複合材料の製造方法 |
JP6280877B2 (ja) * | 2015-01-23 | 2018-02-14 | 尾池工業株式会社 | バイオセンサ、及びその製造方法 |
WO2019082160A1 (pt) * | 2017-10-26 | 2019-05-02 | Universidade Do Minho | Implante dentário com gradiente funcional e respetivo processo para sua obtenção |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP7242061A patent/JP2975290B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0995787A (ja) | 1997-04-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |