JP2999843B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2999843B2
JP2999843B2 JP3080733A JP8073391A JP2999843B2 JP 2999843 B2 JP2999843 B2 JP 2999843B2 JP 3080733 A JP3080733 A JP 3080733A JP 8073391 A JP8073391 A JP 8073391A JP 2999843 B2 JP2999843 B2 JP 2999843B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、詳
しくは、特定の有機ホスフェートの金属塩もしくは塩
性塩を顕色剤として含有してなる感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】感熱記
録体は、通常無色ないし淡色の発色性物質と熱の作用を
受けると発色性物質を発色させる顕色剤とを、隔離され
た状態で増感剤、バインダー及びその他の添加剤ととも
に、紙、合成紙、プラスチックフィルムもしくはシート
などの支持体表面に塗布することにより製造されてい
る。そして、記録装置において、この記録体にサーマル
ヘッドや熱ペンなどの発熱素子が接触した時に、発色性
物質と顕色剤が反応して黒色などに発色して記録され
る。而してかかる記録体は、他の記録体に比較して現像
や定着などの煩雑な処理を施すことがなく、比較的簡単
な装置でしかも短時間で記録が得られること、騒音の発
生が少ないことや環境汚染が少ないこと、コストが安い
ことなどの利点があるために、図書、文書などの複写ば
かりでなく、各種計測用記録紙、コンピューター、ファ
クシミリ、テレックス、乗車券自動販売機、プリペイド
カード、ラベルなどの記録材料として広く使用されてい
る。
【0003】従来、発色性物質を熱的に発色させる顕色
剤としては、各種の酸性物質が提案されており、特にフ
ェノール系の化合物、例えば、ビスフェノール−A、p
−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4,4’−シ
クロヘキシリデンジフェノール、1,1,3−トリス
(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−6’−メチル
フェニル) ブタンなど、あるいは有機カルボン酸誘導体
が単独であるいは数種類組み合わせて用いられている。
しかしながら、これらの酸性物質を用いた場合には、発
色感度がまだ充分とはいえず、色むらや色もどりが生じ
たり、あるいは保存中に変色を生じたりする欠点があっ
た。
【0004】そこで発色性物質、顕色剤に第三物質であ
る増感剤を使用して、高感度化を達成しようとする試み
がなされてきた。例えば、4−ベンジルオキシビフェニ
ル、ジメチルフタレート、ステアリン酸アミド、安息香
酸フェニルなどを併用することも提案され、これによっ
て発色感度はある程度改善されるものの、まだ充分とは
いえず、色むらや色もどりを起こし、さらにその改良が
望まれていた。
【0005】また、これらの感熱記録材料を塩化ビニル
製の袋に保存したり、塩化ビニル製のデスクマットと接
触したりした場合、あるいは感熱記録材料に手で触れた
りした場合に、塩化ビニル中の可塑剤が移行したり又は
手指の油分により発色部が消色する問題があった。
【0006】感熱記録材料の表面に、可塑剤、油分の浸
透しない被膜を形成させることも提案されているが、コ
ストアップとなる上にオーバーコート層に印刷を施すこ
とが困難となる欠点もあり、実用的な方法とは言い難い
ものであった。
【0007】このため、特開昭59−14989号公報
にはヒドロキシフェニルホスフィン誘導体が、また特開
昭62−90284号公報には特定のホスホネ−ト誘導
体を他の顕色剤と併用する事が提案され、高感度で耐油
性の改善がなされたが、これらの顕色剤などを使用した
場合は、高温保存時での消色が大きく、また耐水性が不
充分で非印字部のカブリが大きいという欠点があり、こ
れらの改善が望まれていた。
【0008】また、特開平2−310084号公報には
特定の有機ホスフェ−ト誘導体を添加する事で、保存性
を改良するにおよんだが、フェノール化合物などを顕色
剤として用いる事が不可欠であり、さらに高度な保存性
を目指す必要があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の現
状に鑑み、発色感度に優れるばかりでなく、色むらや色
もどりがなく、また可塑剤、油分に接触しても消色する
ことのない感熱記録材料を得るために鋭意検討を重ねた
結果、特定の有機ホスフェートの金属塩もしくは塩基性
塩を顕色剤として使用することにより印字スピードに優
れ、発色感度も著しく優れ、しかも耐溶剤性や保存安定
性をも著しく改良することを見い出し本発明に到達し
た。
【0010】すなわち、本発明は、通常無色ないし淡色
の発色性物質と熱時に該発色性物質を発色させる顕色剤
とを含有する発色層を設けた感熱記録材料において、顕
色剤として、次の一般式化2で表される特定の有機ホス
フェートの金属塩もしくは塩基性塩を含むことを特徴と
する感熱記録材料を提供するものである。
【0011】
【化2】
【0012】以下、本発明の感熱記録材料についてさら
に詳細に説明する。
【0013】本発明で用いられる上記一般式化2(化1
と同じ)で表される有機ホスフェートの金属塩もしく
基性塩の中で、X 、Y 及びZ で示されるハロゲン原子
としては、例えばフッ素原子、塩素原子及び臭素原子が
挙げられる。
【0014】また、アルキル基としては、例えばメチ
ル、エチル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、第
三ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコン
チルなどが挙げられ、アリール基としては、フェニル、
トリル、キシリル、エチルフェニル、ブチルフェニル、
第三ブチルフェニル、第三アミルフェニル、クロロフェ
ニル、ヒドロキシフェニルなどが挙げられる。
【0015】従って、本発明で用いられる上記一般式化
2で表される有機ホスフェートの金属塩もしくは塩基性
塩の代表例としては、次の化3〜化19に示す化合物が
挙げられる。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】本発明に用いられる、上記化2で表される
有機ホスフェートの金属塩もしくは塩基性塩の合成法は
特に限定されないが、例えば以下に示した合成例に準じ
た方法で合成することができる。
【0034】合成例1 4−(p−メチルフェニルスルホニルフェニル)−1,
2−ホスフェ−ト亜鉛塩(No. 14化合物、化16) の合
【0035】3,4−ジヒドロキシフェニル−4−メチ
ルフェニルスルフォン52.9g、オキシ塩化リン3
1.3gをジオキサン100mlに溶解した。水分との接
触を防ぎながらトリエチルアミン42.4gを30〜4
0℃でゆっくりと滴下した。さらに30℃で3時間撹拌
した後、副生したトリエチルアミン塩酸塩をろ別除去し
た。ろ液を脱溶媒して得た粘稠な液体を徐々に蒸留水3
00ml中に流し込み白色の結晶を得た。これに10%水
酸化ナトリウム水溶液80gを加え、更にpHが8〜9
になるまでアルカリ水溶液を加えた。1時間撹拌後、4
−(p−メチルフェニルスルホニルフェニル)−1,2
−ホスフェ−トナトリウム塩の白色結晶53.4gを得
た(収率 76.6%)。
【0036】このナトリウム塩10gを用い、蒸留水−
イソプロパノ−ル(1:1)100ml中に溶解し、塩化
亜鉛1.9gを添加して反応させ、目的の白色結晶9.
8gを得た。
【0037】得られた目的物の亜鉛及びリン含量を測定
した。その結果を以下に示す。 Zn含量 9.11%(理論量9.13%) P含量 8.67%(理論量8.65%)
【0038】同様の操作により、塩化マグネシウム及び
塩化ニッケルを用いそれぞれマグネシウム塩(No. 15化
合物、化17)及びニッケル塩(No. 13化合物、化1
5)を得た。
【0039】得られた目的物の金属及びリン含量を測定
した。その結果を以下に示す。 Mg塩: Mg含量 3.57%(理論量3.60%) P含量 9.19%(理論量9.17%) Ni塩 Ni含量 8.26%(理論量8.27%) P含量 8.73%(理論量8.73%)
【0040】合成例2 4−(エトキシカルボキシフェニル)−1,2−ホスフ
ェ−ト亜鉛塩(NO.7、化9)の合成
【0041】プロトカテキュ酸エチルエステル18.2
g、オキシ塩化リン10.73gをジオキサン100ml
に溶解した。水分との接触を防ぎながらトリエチルアミ
ン14.9gを30〜40℃でゆっくりと滴下した。さ
らに30℃で3時間撹拌した後、副生したトリエチルア
ミン塩酸塩をろ別除去した。ろ液を脱溶剤して得た粘稠
な液体を蒸留水100mlに少しずつ流し込み白色の結晶
を得た。これに10%水酸化ナトリウム水溶液30gを
加え、さらにpHが8〜9になるまでアルカリ水溶液を
加えた。1時間撹拌して4−(エトキシカルボキシフェ
ニル)−1,2−ホスフェ−トのナトリウム塩の白色結
晶13.4gを得た(収率;76.5%)。
【0042】このナトリウム塩10gを用い、蒸留水−
イソプロパノ−ル(1:1)100ml中に溶解し、塩化
亜鉛2.8gを添加して、目的物の白色の結晶8.5g
を得た。
【0043】赤外分光分析の結果、得られた反応生成物
は次の特性吸収を有しており、目的物であることを確認
した。
【0044】2980cm-1、1710cm-1、161
0cm-1、1500cm-1、1300cm-1、1100
cm-1、1090cm-1、1010cm-1、980cm
-1、760cm-1
【0045】また、金属(Zn)及びリン含量を測定し
た。その結果を以下に示す。 Zn含量 11.81%(理論量11.85%) P含量 11.24%(理論量11.23%)
【0046】本発明の感熱記録材料の発色感度を高める
ために、各種の増感剤が併用できる。これらの増感剤と
しては、例えば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン
酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ベヘニン
酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸ドデシルエステル亜
鉛塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸アルミニウムなどの金属有機酸塩、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチロールアミド、
ステアロイル尿素、アセトアニリド、アセト酢酸アニリ
ド、安息香酸ステアリルアミド、エチレンビスステアリ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスオクチル酸アミドなど
のアミド化合物、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェ
ニル)エタン、m−ターフェニル、1,2−ビス(3−
メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、
p−ベンジルオキシビフェニル、ジフェニルカーボネー
ト、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ジベン
ジルオキザレート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカ
ルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカ
ルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカ
ルボン酸フェニル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカ
ルボン酸アニリド、メチレンジベンゾエート、1,4−
ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、2−ベンジ
ロキシナフタレン、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジ
ル、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、4
−メチルフェノキシ−p−ビフェニルなどが挙げられ、
特に、アミド化合物及び/又は金属有機酸塩がその効果
が大きく好ましい。
【0047】また、本発明で顕色剤として用いられる有
機ホスフェートの金属塩もしくは塩基性塩とともに、従
来公知の顕色剤を併用することもできる。本発明の有機
ホスフェートの金属塩もしくは塩基性塩は、保存安定性
を改良する効果にも優れているので、他の顕色剤を併用
した場合にも色もどり、変色などの問題を起こさない効
果を奏するものである。
【0048】これらの従来公知の顕色剤としては、例え
ば、p−オクチルフェノール、p−第三ブチルフェノー
ル、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフ
ェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オ
クチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニ
ル、ビスフェノール−A、1,1−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、2,2−ビス−(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)スル
ホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)ブタン、ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル
チオ)エトキシ〕メタン、4−(4−イソプロポキシベ
ンゼンスルホニル)フェノール、4−ヒドロキシフタル
酸ジメチルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
酢酸ブチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸などのフェノール
類もしくは有機カルボン酸などが挙げられる。
【0049】本発明において使用される通常無色ないし
淡色の発色性物質としては各種の染料が周知であり、一
般の感熱記録紙などに用いられているものであれば特に
制限を受けない。
【0050】これらの染料(発色性物質)の具体例を挙
げると、トリアリールメタン系化合物;例えば、3,
3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチ
ルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクト
ン)、3−(p−ジメチルアミノフェニル)3−(2−
フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−
インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3
−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメ
チルアミノフタリドなど、ジフェニルメタン系化合
物;例えば、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒ
ドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロ
フェニルロイコオーラミンなどのN−ハロフェニルロイ
コオーラミンなど、キサンテン系化合物;例えば、ロ
ーダミン−β−アニリノラクタム、3−ジエチルアミノ
−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチ
ルアミノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−エチルトリルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシ
ルメチルアニリノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−γ−クロロ
プロピルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−イ
ソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロルフェニル)
アミノフルオランなど、チアジン系化合物;例えば、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイ
ルロイコメチレンブルーなど、スピロ系化合物;例え
ば、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピ
ロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラ
ン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロ
ピランなどが挙げられ、また、これらの染料は数種類を
混合して用いることもできる。
【0051】本発明で用いられる有機ホスフェートの
属塩もしくは塩基性塩及び上記発色性無色染料は、通
常、ボールミル、アトライザー、サンドグラインダーな
どの磨砕機あるいは適当な乳化装置により微粒化され、
目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
【0052】この塗液には、通常、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
ポリアクリルアミド重合体、澱粉類、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体などの結合剤、カオ
リン、シリカ、珪藻土、タルク、二酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなど
の充填剤が配合されるが、この他にステアリン酸カルシ
ウムなどの金属石けん類、ワックス類、光安定剤、耐水
化剤、分散剤、消泡剤、充填剤などを必要に応じて使用
することができる。
【0053】この塗液を紙あるいはフィルム類に塗布す
ることによって目的とする感熱記録材料が得られる。
【0054】本発明で用いられる前記有機ホスフェー
金属塩もしく塩基性塩の使用量は、要求される性能
及び記録適性、併用される他の添加剤の種類及び使用量
によっても変わるため、特に限定されるものではない
が、通常、発色性染料1部に対して0.1〜10部を使
用する。
【0055】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によっ
て制限を受けるものではない。
【0056】実施例1 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン20g及び10%ポリビニ
ルアルコール水溶液100gを充分に磨砕して染料分散
液 (A液)を得た。
【0057】試料化合物(表1参照)20g及び10%
ポリビニルアルコール水溶液100gを充分に磨砕して
顕色剤分散液 (B液)を得た。
【0058】1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニ
ル)エタン20g及び10%ポリビニルアルコール水溶
液100gを充分に磨砕して増感剤分散液 (C液)を得
た。
【0059】A液、B液、C液及び微粉末状シリカを重
量比1:2:2:0.5の割合で混合し、充分に分散さ
せて塗液を得た。
【0060】この塗液を50g/m2 の基紙上に厚さ3
2μmで塗布し、乾燥して感熱記録材料を得た。
【0061】得られた感熱紙を用い、感熱印字装置(T
H−PMD:株式会社大倉電機製)を用いてパルス幅
0.7 msec で印字した記録像の発色濃度をマクベス濃
度計(マクベス社製RD−933型)により測定した。
【0062】また、この発色させた感熱紙を60℃、乾
燥の条件下で5時間及び40℃、相対湿度90%の条件
下で24時間保存し、地肌及び発色部の濃度変化を測定
し、保存安定性を測定した。
【0063】さらに、発色部にジオクチルフタレートを
スタンプした後、60℃、乾燥の条件下で4時間保存
し、その濃度変化を測定し、耐可塑剤性を評価した。
【0064】尚、比較例1として、上記実施例1の試料
化合物の代わりに化20の類似化合物1、化21の類似
化合物2及びビスフェノール−Aを用いてそれぞれ感熱
記録材料を得た。これらの感熱記録材料についても実施
例1と同様に測定し、それらの結果を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【化20】
【0067】
【化21】
【0068】実施例2 3−ジブチルアミノ−7−(2−クロルフェニル)アミ
ノフルオラン20g及び10%ポリビニルアルコール水
溶液100gを充分に磨砕して染料分散液 (A液)を得
た。
【0069】ビスフェノールA20g及び10%ポリビ
ニルアルコール水溶液100gを充分に磨砕して顕色剤
分散液(B液)を得た。
【0070】ステアリン酸アミド20gを10%ポリビ
ニルアルコール水溶液100gとともにボールミル中で
磨砕し、増感剤分散液(C液)を得た。
【0071】試料化合物(表2)20gを10%ポリビ
チルアルコール水溶液100gとともに、ボールミル中
で磨砕し、顕色剤分散液(D液)を得た。
【0072】A液、B液、C液、D液及び微粉末状シリ
カを1:2:2:0.4:0.5の重量比で混合し、混
合液200gに対し炭酸カルシウム50gを添加し、分
散させて塗液を得た。この塗液を用い、実施例1と同様
にして感熱記録紙を作り、同様な試験を行った。
【0073】尚、比較例2として、上記実施例2の試料
化合物の代わりに化22の類似化合物3、化23の類似
化合物4及び化24の類似化合物5を用いてそれぞれ感
熱記録材料を得た。これらの感熱記録材料についても実
施例2と同様に測定し、それらの結果を表2に示した。
【0074】
【表2】
【0075】
【化22】
【0076】
【化23】
【0077】
【化24】
【0078】表1及び表2の結果から、本発明の特定の
有機ホスフェートの金属塩もしくは塩基性塩を用いた感
熱記録材料は発色感度に優れているばかりでなく保存安
定性及び耐可塑剤性にも著しく優れている。
【0079】これに対し、有機ホスフェート化合物であ
っても、本発明以外の従来の誘導体の場合は顕色剤とし
て充分な効果を示さず、また、保存安定性を改善する効
果も極めて少なく、本発明の特定の有機ホスフェートの
金属塩もしくは塩基性塩を用いたことによる効果が極め
て特異的なものであることが明らかである。
【0080】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、発色感度に優
れるばかりでなく、色むらや色もどりがなく、また可塑
剤、油分に接触しても消色することのないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原 真樹 埼玉県浦和市白幡五丁目2番13号 旭電 化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−310084(JP,A) 特開 平2−36989(JP,A) 特開 平4−224996(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/30 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通常無色ないし淡色の発色性物質と、熱
    時に該発色性物質を発色させる顕色剤とを含有する発色
    層を設けた感熱記録材料において、顕色剤として次の一
    般式化1で表される有機ホスフェートの金属塩もしく
    基性塩を含有させたことを特徴とする感熱記録材料。 【化1】
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