JP2998487B2 - シリンダヘッドの位置決めおよびクランプ方法 - Google Patents

シリンダヘッドの位置決めおよびクランプ方法

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JP2998487B2
JP2998487B2 JP8873793A JP8873793A JP2998487B2 JP 2998487 B2 JP2998487 B2 JP 2998487B2 JP 8873793 A JP8873793 A JP 8873793A JP 8873793 A JP8873793 A JP 8873793A JP 2998487 B2 JP2998487 B2 JP 2998487B2
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石 義 政 白
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダヘッドに面削
りや孔明け、ねじ立てなどの機械加工を施すに際して、
シリンダヘッドを加工ステーション内の所定の位置に位
置決めしたのちクランプするのに利用されるシリンダヘ
ッドの位置決めおよびクランプ方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッドのばり取りや孔明け加工
などを行う場合には、図1に示すシリンダヘッドWの上
面側の3か所を水平方向位置決め証Hとし、同じく上面
側の気筒間区画部W D を前後方向位置決め証Lとし、一
方の側面2か所左右方向位置決め証Cとしてこれら
を基準にして位置決めを行い、クランプ固定を行うよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このとき、シリンダヘ
ッドWの上面側の水平方向位置決め証Hを上向きに位置
させて位置決めおよびクランプすることがその後の機械
加工上望ましいわけであるが、そうすると良好な位置決
め精度が得られないので、現状では、水平方向位置決め
証Hを横向きあるいは下向きにして位置決めおよびクラ
ンプをしており、その結果、シリンダヘッドWをクラン
プ治具とともに反転させる機構が必要となり、装置が複
雑となったり、機械加工可能な位置が限定されてしまっ
たりするという問題点があって、この点の改善が機械加
工の設備上の課題となっていた。
【0004】
【発明の目的】本発明は、従来の機械加工における上記
課題に着目してなされたもので、シリンダヘッド上面側
水平方向位置決め証を上向きに位置させた姿勢のまま
で精度よく位置決めしそしてクランプすることができる
シリンダヘッドの位置決めおよびクランプ方法を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるシリンダ
ヘッドの位置決めおよびクランプ方法は、気筒数の応じ
た気筒間区画部を有するシリンダヘッドの位置決めおよ
びクランプを行うに際し、シリンダヘッドの上面側の複
数個所を水平方向位置決め証Hとして用いると共にシリ
ンダヘッドの側面側の複数個所を左右方向位置決め証C
として用い、さらに、シリンダヘッドの気筒間区画部を
前後方向位置決め証Lとして用い、加工ステーションに
搬入されたシリンダヘッドをフローティング構造のシリ
ンダヘッド受けユニットにより傾動自在に支持したの
ち、前記加工ステーションに昇降可能に取付けられ
シリンダヘッドの上面側の水平方向位置決め証に当
て前記シリンダヘッドの水平方向位置を矯正する水
平方向位置決め手段を備えた昇降クランプユニットを前
記水平方向位置決め手段が前記シリンダヘッドの水平方
向位置決め証Hに当接するまで下降させて当該シリンダ
ヘッドを水平方向に移動可能な程度に押圧し、この状態
で当該シリンダヘッド前後方向位置決め証Lおよび左
右方向位置決め証Cでそれぞれシリンダヘッドの前後方
向および左右方向の位置決めおよびクランプを行うと共
に、前記昇降クランプユニットの押圧力を増すこと
シリンダヘッドを最終的にクランプする構成とし、
の場合に、前記昇降クランプユニットに設けた前後方向
位置決め手段を前記シリンダヘッドの上面側前後方向
位置決め証に係合させて当該シリンダヘッドの前後方
向の位置決めおよびクランプを行う構成としたり、前記
シリンダヘッドの側面左右方向位置決め証を前記加
工ステーションに設けた左右方向位置決め手段に押付
て当該シリンダヘッドの左右方向の位置決めおよびクラ
ンプを行う構成としたことを特徴としており、シリンダ
ヘッドの位置決めおよびクランプ方法におけるこのよう
な構成を前述した従来の課題を解決するための手段とし
ている。
【0006】
【発明の作用】本発明に係わるシリンダヘッドの位置決
めおよびクランプ方法においては、シリンダヘッド
リンダヘッド受けユニットによってフローティング状態
に支持すると共に、水平方向位置決め手段を備えた昇降
クランプユニットを下降させることによって前記水平方
向位置決め手段をシリンダヘッドの上面側の水平方向位
置決め証Hに押し当ててシリンダヘッド姿勢を水平に矯
正したのち、前記昇降クランプユニットの押圧力をいっ
たん軽減することにより当該シリンダヘッドを水平方向
に移動できる程度に押圧した状態とし、この状態で当該
シリンダヘッド前後方向位置決め証Lおよび左右方向
位置決め証Cでそれぞれシリンダヘッドの前後方向およ
び左右方向の位置を修正してクランプするとともに前記
昇降クランプユニットの押圧力を高めることによって当
シリンダヘッドを最終的にクランプするようにしてい
る。 したがって、シリンダヘッドは前記水平方向位置
決め証Hを上に向けた状態で正確に位置決めされるの
で、シリンダヘッドの上面側からの機械加工の自由度お
よび精度が大幅に向上することになる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0008】図2ないし図7は、本発明に係わるシリン
ダヘッドの位置決めおよびクランプ方法の一実施例を説
明するためのものであって、図2および図3は本発明方
法を適用したドリルステーションの一例を示すものであ
る。
【0009】図に示すドリルステーション1(加工ステ
ーション)は、基盤2上に、ワークとしてのシリンダヘ
ッドWを搬送するためのローラコンベア4と、前記シリ
ンダヘッドWをフローティング状態に支持するシリンダ
ヘッド受けユニット5を備えており、前記ローラコンベ
ア4の左右の架台上には、シリンダヘッドWの左右方向
位置決め証C,C(図1参照)に当接する接触子6aを
備えた2基(図6参照)の左右位置決めユニット6(左
右方向位置決め手段)と、シリンダヘッドWの前記左右
方向位置決め証C,Cを前記左右位置決めユニット6,
6の接触子6a,6aにそれぞれ押付けることによって
シリンダヘッドWの左右位置を矯正しながらこの状態に
当該シリンダヘッドWをクランプするクランプシリンダ
7が設けてある。 なお、前記左右位置決めユニット6
は、シリンダヘッドの大きさに応じて接触子6aの位置
を変更できるようにシリンダ構造となっているが、同一
シリンダヘッドの加工に際しては接触子6aの位置を固
定して使用するものである。
【0010】ドリルステーション1の支柱3には、昇降
クランプユニット8が上下動可能に支持されており、当
該支柱3に固定されたシリンダ9の作動によって昇降す
るようになっているとともに、ドリルユニット10が図
の上方側において図示しないシリンダによって上下動可
能に支持されている。
【0011】さらに、前記支柱3には、当該支柱3に固
定された梁材11を介して、ストッパ用シリンダ12が
設けてあって、該シリンダ12のシリンダロッド12a
の先端には前記ローラコンベア4によって搬送されて来
シリンダヘッドWを所定の停止位置に停止させるため
のストッパ13が取付けてあり、前記シリンダ12の作
動によって昇降するようになっている。
【0012】前記昇降クランプユニット8の下端側に
は、当該クランプユニット8の下降作動に基づいて、前
シリンダヘッドWに設けた3か所の水平方向位置決め
証H(図1参照)に当接することによってシリンダヘッ
Wの水平方向位置を矯正する3本の位置決めピン14
と、同じくシリンダヘッドWに設けた前後方向位置決め
証L(図1参照)に係合することにより当該シリンダヘ
ッドWの前後方向位置を矯正する前後位置決めユニット
15(前後方向位置決め手段)が設けてある。
【0013】前記シリンダヘッド受けユニット5は、図
4(a)および(b)に示すように、ベースプレート1
6に設けた軸受16aによりコの字状の支持プレート1
7を若干の範囲で回動可能に軸支したものであって、前
記支持プレート17の上端部17aがローラコンベア4
の搬送ローラ4aの間に位置するように配設され、搬送
ローラ4aの下降によって前記上端部17aが搬送ロー
ラ4aより上に突出するようにしてある。 すなわち、
シリンダヘッドWはローラコンベア4によってドリルス
テーション1に搬入されたのち、ローラコンベア4の搬
送ローラ4aの下降によって当該シリンダヘッド受けユ
ニット5に受け渡されるが、このときシリンダヘッド
は前後に傾動する支持プレート17の幅の狭い上端部1
7a上に支持されることになるので、左右方向(幅方
向)にも傾動することができ、当該シリンダヘッドWが
前後左右いずれの方向にも傾動自在な状態となるように
してある。
【0014】また、前後位置決めユニット15は、図5
に示すように、軸15aを介して交差状に組み合わされ
た2枚の位置決めプレート18,19を備えたものであ
って、開閉用シリンダ20の作動によって位置決めプレ
ート18,19が軸15aを中心に回動して図中矢印方
向に開閉するようになっており、位置決めおよびクラン
プ時以外はシリンダヘッドWの搬送のじゃまにならない
ように開くようになっている。 一方、位置決めに際し
ては、昇降クランプユニット8の下降作動に伴って下降
したのち、前記シリンダ20の押出し作動によって位置
決めプレート18,19が図5に示すように閉じ、これ
によって前記2枚の位置決めプレート18,19のいず
れかがシリンダヘッドWの前後方向位置決め証L(図1
参照)に当接してシリンダヘッドWを前後方向のいずれ
かに移動させることによってシリンダヘッドWを前後方
向の所定の位置に導くことができるようになっている。
【0015】以下に、上記構造のドリルステーション1
シリンダヘッドWを搬入し所定の位置にクランプする
手順について説明する。
【0016】まず、図1に示すシリンダヘッドWを図に
示すままの姿勢で、図示しないリフタによってドリルス
テーション1に設けたローラコンベア4の搬送ローラ4
a上に載置し、搬送ローラ4aの回転により所定のクラ
ンプ位置近傍、すなわちシリンダヘッド受けユニット5
の直上位置まで搬送すると、図6に示すように、前記ス
トッパ用シリンダ12aの押出し作動によって下降位置
にあるストッパ13に当接することによって、当該シリ
ンダヘッドWが停止する。
【0017】次に、前記ローラコンベア4の搬送ローラ
4aを下降させ、前記シリンダヘッドWをシリンダヘッ
受けユニット5の支持プレート17上に載置し直すこ
とによって当該シリンダヘッドWを前後左右いずれの方
向にも傾動自在な状態に保持する。
【0018】そして次に、昇降クランプユニット8を下
降させ、該クランプユニット8の3本の位置決めピン1
4によってシリンダヘッドWの水平方向位置決め証Hを
押圧し、当該シリンダヘッドの水平位置を矯正する。
このとき、シリンダヘッドWは、前述のようにシリンダ
ヘッド受けユニット5により傾動自在な状態に支持され
ているので、前記水平方向位置決め証Hが3本の位置決
めピン14にそれぞれ当接して水平状態となるまで姿勢
を変えることができる。
【0019】そして、この状態で前記昇降クランプユニ
ット8による押圧力を低減させることにより、シリンダ
ヘッドWが水平状態を維持したまま(水平方向位置決め
証Hが3本の位置決めピン14にことごとく当接した状
態)で前後および左右方向に移動できるようにし、図7
に示すように、前後位置決めユニット15の開閉用シリ
ンダ20を押出し作動することによって前記位置決めプ
レート18,19を閉じ(図5参照)、シリンダヘッド
Wの前後方向位置決め証Lを両位置決めプレート18,
19の間に係合させて当該シリンダヘッドWの前後方向
位置を矯正するとともに、クランプシリンダ7を押出し
作動することによってシリンダヘッドWの左右方向位置
決め証C,Cを左右位置決めユニット6,6の接触子6
a,6aにそれぞれ押付け、当該シリンダヘッドWの左
右方向位置を矯正する。
【0020】以上により、シリンダヘッドWは水平方
向,前後方向および左右方向の所定の位置に位置決めさ
れたので、最後に前記昇降クランプユニット8に押圧力
を加えることによって、シリンダヘッドWを最終的にク
ランプ固定し、ドリルユニット10を下降させて当該
リンダヘッドWに孔明け加工等を施す。
【0021】孔明け加工等が終了したら、開閉用シリン
ダ20を引込み作動することによって前後位置決めユニ
ット15の位置決めプレート18,19を開き、クラン
プシリンダ7を引込み作動させるとともに、昇降クラン
プユニット8を上昇させて、シリンダヘッドWのクラン
プ状態を解除し、ローラコンベア4の搬送ローラ4aを
上昇させると共に、ストッパ用シリンダ12を引込み作
動させることによって前記ストッパ13を上昇させて、
当該シリンダヘッドWを次工程に搬送する。そして、前
記ストッパ13は、シリンダヘッドWが通過すると再び
降下し、次のシリンダヘッドの搬送に備える。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる
リンダヘッドの位置決めおよびクランプ方法は、上記構
成としたことにより、上向き姿勢で搬入されたシリンダ
ヘッドを加工ステーション内の所定の位置にそのままの
姿勢に正しく位置決めおよびクランプすることができる
ので、シリンダヘッドの反転機構や反転操作が不要とな
り、シリンダヘッドに対する機械加工の自由度が広がる
と共に、高い加工精度が得られるという非常に優れた効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダヘッドの各位置決め証の位置を示す斜
視図である。
【図2】本発明に係わるシリンダヘッドの位置決めおよ
びクランプ方法を適用したドリルステーションの概略正
面図である。
【図3】図2に示したドリルステーションの概略側面図
である。
【図4】(a)および(b)は図3に示したドリルステ
ーションのシリンダヘッド受けユニットの構造を示すそ
れぞれ上面図および正面図である。
【図5】図3に示したドリルステーションの前後位置決
めユニットの形状および位置合わせ機構を示す説明図で
ある。
【図6】図3に示したドリルステーションにおけるシリ
ンダヘッドの位置決め要領を示す平面図である。
【図7】図3に示したドリルステーションにおけるシリ
ンダヘッドの位置決め要領を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ドリルステーション(加工ステーション) 5 シリンダヘッド受けユニット 6 左右位置決めユニット(左右方向位置決め手段) 8 昇降クランプユニット 14 位置決めピン(水平方向位置決め手段) 15 前後位置決めユニット(前後方向位置決め手段)W シ リンダヘッ D シリンダヘッドの気筒間区画部 H シリンダヘッドの水平方向位置決め証 C シリンダヘッドの左右方向位置決め証 L シリンダヘッドの前後方向位置決め証
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 3/18 B23Q 3/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒数に応じた気筒間区画部を有するシ
    リンダヘッドの位置決めおよびクランプを行うに際し、
    シリンダヘッドの上面側の複数個所を水平方向位置決め
    証Hとして用いると共にシリンダヘッドの側面側の複数
    個所を左右方向位置決め証Cとして用い、さらに、シリ
    ンダヘッドの気筒間区画部を前後方向位置決め証Lとし
    て用い、加工ステーションに搬入されたシリンダヘッド
    をフローティング構造のシリンダヘッド受けユニットに
    より傾動自在に支持したのち、前記加工ステーションに
    昇降可能に取付けられ前記シリンダヘッドの上面側
    平方向位置決め証に当接前記シリンダヘッド
    水平方向位置を矯正する水平方向位置決め手段を備えた
    昇降クランプユニットを前記水平方向位置決め手段が
    記シリンダヘッドの水平方向位置決め証Hに当接するま
    で下降させて当該シリンダヘッドを水平方向に移動可能
    な程度に押圧し、この状態で当該シリンダヘッド前後
    方向位置決め証Lおよび左右方向位置決め証Cでそれぞ
    れシリンダヘッドの前後方向および左右方向の位置決め
    およびクランプを行うと共に、前記昇降クランプユニッ
    トの押圧力を増すこと当該シリンダヘッドを最終的に
    クランプすることを特徴とするシリンダヘッドの位置決
    めおよびクランプ方法。
  2. 【請求項2】 前記昇降クランプユニットに設けた前後
    方向位置決め手段を前記シリンダヘッドの上面側前後
    方向位置決め証に係合させて当該シリンダヘッドの前
    後方向の位置決めおよびクランプを行うことを特徴とす
    る請求項1記載のシリンダヘッドの位置決めおよびク
    ランプ方法。
  3. 【請求項3】 前記シリンダヘッドの側面左右方向位
    置決め証を前記加工ステーションに設けた左右方向位
    置決め手段に押付けて当該シリンダヘッドの左右方向の
    位置決めおよびクランプを行うことを特徴とする請求項
    または記載のシリンダヘッドの位置決めおよびク
    ランプ方法。
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CN104526395A (zh) * 2014-11-28 2015-04-22 芜湖银星汽车零部件有限公司 一种前悬支架夹具
KR102573756B1 (ko) * 2022-09-30 2023-09-06 주식회사 디에스티 실린더 헤드용 드릴 가공 전용장치

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