JP2998211B2 - 光ディスク媒体 - Google Patents

光ディスク媒体

Info

Publication number
JP2998211B2
JP2998211B2 JP2409731A JP40973190A JP2998211B2 JP 2998211 B2 JP2998211 B2 JP 2998211B2 JP 2409731 A JP2409731 A JP 2409731A JP 40973190 A JP40973190 A JP 40973190A JP 2998211 B2 JP2998211 B2 JP 2998211B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording layer
mixed system
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2409731A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04214245A (ja
Inventor
広則 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2409731A priority Critical patent/JP2998211B2/ja
Publication of JPH04214245A publication Critical patent/JPH04214245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2998211B2 publication Critical patent/JP2998211B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基板上に相分離によ
って光学的性質が変化する記録層を設け、光、熱等の手
段によりこの記録層の光学的性質を変化させて情報の記
録・再生、又は記録・再生・消去を行う光ディスク媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学的記録方法として、従来より記録情
報の書換ができない記録・再生タイプと、この書換がで
きる記録・再生・消去タイプとがあり、前者の記録・再
生タイプとして穴開け方式とバブル方式とが知られてい
る。そして、この穴開け方式とは、光記録媒体の記録層
面へレーザ光等を照射し、その照射部位の記録層を融解
させて基板面を露出させる方式であり、この開口部と非
開口部との反射率の違いを利用して情報の記録・再生を
行う方法であり、また、バブル方式とは、レーザ光を照
射して基板の一部を加熱し、基板側から発生するガスの
圧力を利用して照射部位にバブルを形成する方式であ
り、このバブルの形成部位と非形成部位との反射率の違
いを利用して情報の記録・再生を行う方法である。
【0003】一方、記録情報の書換ができる後者の記録
・再生・消去タイプとは、光、熱等の手段により記録層
の光学的性質を可逆的に変化させ、その光学的性質の変
化を利用して情報の記録・再生・消去を行う方式で、具
体化された方法として相転移方式と光磁気方式とが知ら
れている。そして、この相転移方式とは、結晶状態にあ
る記録層の一部に高出力の円形状レーザスポットを照射
し、高温急速加熱処理と急速冷却処理とを施し、これに
よってその照射部位を結晶状態からアモルファス状態へ
変化させ、この結晶状態にある部位とアモルファス状態
にある部位の反射率の差を利用して情報の記録・再生を
行うと共に、上記記録層の記録部位に低出力のレーザス
ポットを照射し、比較的ゆっくりした低温加熱処理と冷
却処理とを施すことにより照射部位をアモルファス状態
から記録前の結晶状態へ変化させて情報の消去を行う方
法であり、また、光磁気方式とは、磁性材料により構成
された記録層に所定方向の磁界をかけた状態でレーザス
ポットを照射し、その照射部位の磁化方向を反転させる
ことでそのカー回転角を変化させ、このカー回転角の変
化を利用して情報の記録・再生を行うと共に、記録時と
は磁界の方向に反転させた状態で記録層の記録部位にレ
ーザスポットを照射し、その照射部位の磁化方向を記録
前の状態に戻して情報の消去を行う方法である。
【0004】しかしながら、これら従来の光学的記録方
法には、以下に示すような問題点があった。すなわち、
記録・再生タイプの穴開け方式やバブル方式において
は、記録層に形成された開口部やバブルの形状及び記録
層自体が経時的に変化し易く、記録情報の保存安定性に
欠けるほか、記録情報の書換もできないという問題があ
った。また、記録・再生・消去タイプの相転移方式に
は、上述したように結晶質−アモルファス間の相転移に
伴う光学的性質の変化を利用して情報の記録・再生・消
去を行う方式のため、アモルファス状態にある記録層の
結晶化に時間を要し、上方の書換速度が遅くなるほか、
エネルギーレベルの異なる結晶質領域とアモルファス領
域が並存しているため、準安定状態にあるアモルファス
領域が経時的に結晶化され易く、上記穴開け方式等と同
様にその記録情報の保存安定性に欠けるという問題があ
った。そして、光磁気方式は、上述したようにカー回転
角の変化を検出して記録情報を再生する方式であるが、
その回転角が小さいために必要とするC/N比を確保す
ることが難しく、また、記録層が酸化を受け易いTbやFe
等の材料を含んでいるため、これらが経時的に酸化さ
れ、記録情報の保存安定性に欠けるという問題があっ
た。
【0005】そこで、本発明者らは、先に、新たな記録
方式として相分離の原理を利用した記録方式を提案した
(特願平2-169,710 号出願)。この記録方式は、基板上
に相分離によって光学的性質が変化する記録層を設け、
この記録層に対して光、熱等の手段によりバイノーダル
分解又はスピノーダル分解を生起させ、これによって選
択的に相分離を起こさせ、この相分離をした部位と相分
離をしていない部位との間における光学的性質の差を利
用して情報の記録・再生、又は記録・再生・消去を行う
もので、記録や書換の時間を短縮することができ、ま
た、記録情報を長期間に亘って安定的に保存でき、しか
も、C/N比の向上も図れるという利点がある。
【0006】しかしながら、この新たな相分離による記
録方式について研究を進める過程で、レーザによる書込
み時に若干の問題が存在することが判明した。すなわ
ち、例えばポリカーボネート基板上に酸化テルル(TeO
1.7)からなる約1,000Åの記録層を形成した媒体
を使用し、この媒体を1,800rpm の速度で回転さ
せ、これに出力10mW、周波数3.7MHz のレーザビー
ムを照射してその照射部位にバイノーダル分解を誘起さ
せ、相分離させて情報の書込みを行った場合、このレー
ザ書込み時にレーザ出力の変動があると、記録層に穴が
開いてしまうという問題が生じた。
【0007】本発明者は、この問題の原因について検討
した結果、レーザビームによる書込み時に所定のC/N
比を確保できる最低のレーザ出力と記録層に穴開きが発
生し始めるレーザ出力との間の差、すなわちレーザ書込
み時の出力マージンが僅かに約1.5mW程度の範囲しか
なく、レーザ出力の変動、媒体の感度むらを考慮すると
実用上マージンが小さい。そして、この書込み時に記録
層に穴開きが生じる原因については、記録層に情報を書
込む際の一旦溶融した記録材料が再度凝固する過程で、
この溶融した記録材料の表面張力が作用しているものと
考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
以上のような観点に基づいて先に提案した相分離による
記録方式の問題点を解決すべく鋭意研究をした結果、基
板上に設けられる記録層の少なくとも上下何れか一方に
この記録層を形成する記録材料より融点が高くかつ記録
材料溶融物に対して高い濡れ性を有する保護層を設ける
ことにより、一旦溶融した記録材料が再度凝固する過程
で生じるこの記録材料溶融物の表面張力による穴開きの
減少を可及的に抑制できることを見出し、本発明に到達
した。
【0009】従って、本発明の目的は、レーザビームに
より情報を書き込む際において所定のC/N比を確保で
き、かつ、記録層に穴開きが発生しない、レーザ書込み
時の出力マージンが大きく、レーザビームによる情報の
記録や書換が容易である光ディスク媒体を提供すること
にある。
【0010】また、本発明の他の目的は、比較的高いレ
ーザ出力を使用して情報の記録や書換を行うことがで
き、これによって比較的大きいC/N比を達成すること
により相分離による記録部位と非記録部位との間の反射
光のコントラストを大きくすることができる光ディスク
媒体を提供することにある。更に、本発明の他の目的
は、比較的高いレーザ出力を使用して情報の記録や書換
を行うことができ、これによって記録速度や書換速度の
向上を図ることができる光ディスク媒体を提供すること
にある。
【0011】すなわち、本発明は、基板上に相分離によ
って光学的性質が変化する記録層を設け、光、熱等の手
段によりこの記録層の光学的性質を変化させて情報の記
録・再生、又は記録・再生・消去を行う光ディスク媒体
において、上記記録層の少なくとも上下何れか一方に金
属の酸化物、窒化物及び弗化物から選ばれた少なくとも
1種の化合物からなり、記録層を形成する記録材料より
融点が高くかつ記録材料溶融物に対して高い濡れ性を有
する1〜10nm厚の保護層を設けた光ディスク媒体で
ある。
【0012】本発明において、光ディスク媒体の基板を
形成する基板材料や基板上に設けられる記録層を形成す
る記録材料については、特に制限されるものではなく、
基板材料については従来公知のものを使用でき、また、
記録材料については先に提案した特願平2-169,710 号明
細書記載のものを使用することができる。例えば、基板
材料としては、ガラス、光透過性のアクリル、ポリカー
ボネート、エポキシ等の光透過性材料や、アルミニウム
等の金属材料を挙げることができる。また、記録材料と
しては、それが光、熱等の手段で相分離を起こすもので
あり、具体的には、PbTe-GeTe 混合系、Au-Pt 混合系、
Au-Ni 混合系、PbS-PbTe混合系、GeSe2-GeSe混合系、As
-Ge-Te混合系等の合金や、Li2O-SiO2 混合系、Na2O-SiO
2 混合系、BaO-SiO2混合系、Al2O3-SiO2混合系、 B2O3-
SiO2混合系、Li2O-B2O3 混合系、Na2O-B2O3 混合系、K2
O-B2O3混合系、Rb2O-B2O3 混合系、Cs2O-B2O3 混合系、
PbO-B2O3混合系等の酸化物−酸化物混合系材料や、ZrO2
-ThO2混合系、CaO-SiO2混合系、B2O3-PbO混合系、B2O3-
V2O5 混合系、SnO2-TiO2 混合系、NiO-CoO 混合系、Al2
O3-Cr2O3 混合系、SiO2-Al2O3混合系、ZnWO4-MnWO4
合系、CaWO4-NaSm(WO4)2混合系、CaWO4-Sm2(WO4)3 混合
系、MnMoO4-ZnMoO4 混合系、Fe2TiO4-Fe3O4 混合系、Ca
3Cr2Si3O12-Ca3Fe2Si3O12 混合系、65MgSiO3/35FeSiO3-
CaSiO3混合系、LiAl5O8-LiFe5O8 混合系、NaAlSi3O8-KA
lSi3O8混合系、Na2O-B2O3-SiO2混合系等の酸化物−酸化
物混合系材料や、LiCl-NaCl 混合系、KCl-NaCl混合系、
CsCl-TlCl 混合系、CaCl2-MnCl2 混合系、CaCl2-SrCl2
混合系、LiBr-AgBr 混合系、AgBr-NaBr 混合系、KBr-Na
Br混合系、TlBr-CsBr混合系、KI-NaI混合系、NaI-CaI2
混合系、(GaI2)2-NaGaI4混合系、(GaI2)2-KGaI4 混合
系、(GaI2)2-RbGaI4混合系、GaAlI4-Ga2I4混合系等のハ
ロゲン化物−ハロゲン化物混合系材料や、 CeOn 系、Bi
-Bi2O3混合系、CaCO3-MnCO3 混合系等の酸化物やハロゲ
ン化物等の不定比化合物や、更にはバイノーダル分解又
はスピノーダル分解を引起こす『ポリマーアロイ』と称
されるポリマーブレンドや、ミクロ相分離を引起こすラ
ンダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グ
ラフト共重合体、並びに定序性高分子等の有機系材料を
挙げることができる。
【0013】また、本発明で保護層として使用される保
護材料としては、それが記録層を形成する記録材料より
融点が高くかつ記録材料溶融物に対して高い濡れ性を有
する層を形成できるものであり、種々の金属の酸化物、
窒化物及び弗化物から選択される。この目的で使用でき
る金属としては、Al、Si、Sc、Ti、Cr、V 、Mn、Co、N
i、Cu、Zn、Ge、Y 、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
g、In、Sn、Sb、Te、Ta、W 、Re、Os、Ir、Pt、Au、P
b、Bi、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb、Lu等を挙げることがで
き、これらの保護材料により形成される保護層が更に相
分離を引き起こすのを防止するため、これらの金属は完
全に酸化、窒化あるいは弗化されているものがよい。
【0014】この様な保護材料で形成される保護層は、
基板上に設けられる記録層の少なくとも上下何れか一方
に設けられるが、具体的には、記録層の下にアンダーレ
イヤーとして、また、記録層の上にトップレイヤーとし
て、更にはこの記録層を間に挟んでサンドイッチ状に形
成する。そして、この保護層の厚さについては、この保
護層が記録層を形成する記録材料の溶融物に対してその
表面張力を低減させ、この記録材料溶融物が高い濡れ性
を発揮できることから、1〜10nmとする。この厚さ
が1nmより薄いと不連続膜になるという問題があり、
また、10nmより厚いと、単に記録材料溶融物に対す
る高い濡れ性を発揮するという観点からは問題はない
が、熱収支が低くなり感度が低下するという点で問題が
生じる。なお、この保護層は、基板が樹脂材料で形成さ
れている場合、保護材料として例えばSiO2、ZrO2、ZnS
等の熱伝導性に優れたものを選択し、この保護材料で形
成された保護層を基板と記録層との間に記録層のアンダ
ーレイヤーとして設けることにより、レーザビームの照
射により発生した熱が記録層から基板に伝達される際に
この熱が基板の一部に集中的に伝達するのを防止し、こ
れによって基板の熱的損傷を防止する熱干渉層としての
機能も発揮させることができる。
【0015】なお、本発明の光ディスク媒体について
は、記録層やその上にトップレイヤーとして設けられる
保護層の表面を更に保護する目的で、例えば紫外線硬化
樹脂、アクリル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の
保護膜を設けてもよく、また、記録層からの反射光量を
高める目的でこの記録層上にZnS 等の高屈折率層を設け
てもよい。
【0016】本発明の光ディスク媒体を製造する方法に
ついては、従来公知の手法を採用することができ、例え
ば基板上に記録材料を被着させて記録層を形成したり、
保護材料を被着させて保護層を形成するための手段とし
て、熱蒸着法、イオンプレーティング法、反応性スパッ
タリング法、化学的気相成長法(CVD) 、イオン支援蒸着
法(IAD) 、分子線エピタキシ法(MBE)等や、共重合体等
を基板上で直接重合反応させて被着させる方法や、共重
合体等を溶解した2次化合物を適宜手段で基板上に塗布
して被着させる方法等を挙げることができる。
【0017】本発明によれば、記録層の少なくとも上下
何れか一方に形成され、この記録層を構成する記録材料
より融点が高く、かつ、記録材料溶融物に対して高い濡
れ性を示す1〜10nm厚の保護層を有するので、レー
ザビームにより情報を記録しあるいは書き換える際に、
記録層のレーザ照射部位が溶融しても、記録層に接する
上記保護層が溶融した記録材料溶融物の表面張力を緩和
し、この記録材料溶融物が再び凝固する際に穴開きが生
じるのを可及的に抑制するものと考えられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
の光ディスク媒体を具体的に説明する。
【0019】実施例1 第1図に本発明の実施例に係る光ディスク媒体が示され
ている。この光ディスク媒体は、厚さ1.2mm、直径5
インチ1/4(ISO 標準)の耐熱性プラスチック(ポリカー
ボネート)基板(1) と、この基板(1) の上にスパッタリ
ング法により設けられた厚さ約100ÅのSiO2(融点:
1,500℃)からなる保護層(3) と、この保護層(3) の上
に高周波イオンプレーティング法により形成されたTeO
1.7からなる厚さ1,000Åの記録層(2) とで構成さ
れている。
【0020】この様な光ディスク媒体について、これを
1,800rpmで回転させ、この状態で出力10mW、周
波数3.7MHz のレーザビームを記録層(2) の記録領域
に照射し、記録層(2) の照射部位にバイノーダル分解を
引き起こさせ、この照射部位に選択的な相分離を起こさ
せることでその部位の反射率を変化させ、情報の書込み
を行った。
【0021】次に、この光ディスク媒体を1,800rp
m で回転させ、この状態で記録層(2) に出力1mWのレー
ザビームを照射し、その反射ビームを受光素子により読
取り、記録情報の再生を行った。この時の再生信号のC
/N比は55dBであった。
【0022】また、この光ディスク媒体について、これ
を1,800rpm で回転させ、周波数3.7MHz のレー
ザビームを記録層(2) の記録領域に照射し、C/Nのレ
ーザー出力依存性を測定した。結果は第2図に示す通り
であり、相分離はレーザ出力4.5mW付近から始まり、
レーザ出力8.5mW付近でJIS基準のC/N比45dB
に達し、レーザ出力10mW付近で上限のC/N比55dB
に達した。また、記録層(2) のレーザ照射部位を光学顕
微鏡により調べた結果、相分離を起こした全領域で穴開
きの現象は観察されなかった。
【0023】なお、この実施例のTeO1.7からなる記録層
(2)が相分離を起こす理由について、本発明者は以下の
ように考察した。すなわち、記録層(2) をXPSにより
分析した結果、その酸素組成は1.7であった。また、
透過電子顕微鏡により観察した結果、 as-depo膜及びマ
ーク部が共にTeO2の正方晶系であることが判明した。こ
れらのことから、この実施例のTeO1.7からなる記録層
(2) における相分離は、多結晶不定比化合物TeO1.75
バイノーダル線に沿って組成分離しているものと考えら
れる。従って、上記の記録層(2) を構成するTeO1.7の状
態図は第3図に示す通りであり、また、その時の自由エ
ネルギー状態図は第4図に示すとおりであり、第3図の
状態図の不混和領域温度に加熱冷却することにより相分
離が生起する。
【0024】実施例2 第5図に本発明の他の実施例に係る光ディスク媒体が示
されている。この光ディスク媒体は、上記実施例1の場
合と同じポリカーボネート基板(1) と、この基板(1) の
上に高周波イオンプレーティング法により形成されたTe
O1.7からなる厚さ1,000Åの記録層(2) と、更にこ
の記録層(2) の上にスパッタリング法により設けられた
厚さ約100ÅのSiO2からなる保護層(3) とで構成され
ている。
【0025】この様な光ディスク媒体について、実施例
1と同様に、レーザビームを記録層(2) の記録領域に照
射し、記録層(2) の照射部位にバイノーダル分解を引き
起こさせて情報の書込みを行った。
【0026】次に、上記実施例1と同様に、記録層(2)
に出力1mWのレーザビームを照射し、その反射ビームを
受光素子により読取り、記録情報の再生を行った。この
時の再生信号のC/N比は63dBであった。
【0027】また、この光ディスク媒体について、上記
実施例1と同様に、C/N比のレーザ出力依存性を測定
した。結果は第6図に示す通りであり、相分離は全域で
起こり、レーザ出力8.0mW付近でC/N比45dBに達
し、レーザ出力10mW付近で上限のC/N比63dBに達
した。また、記録層(2) のレーザ照射部位を光学顕微鏡
により調べた結果、相分離を起こした全領域で穴開きの
現象は観察されなかった。
【0028】実施例3 第7図に本発明の他の実施例に係る光ディスク媒体が示
されている。この光ディスク媒体は、上記実施例1の場
合と同じポリカーボネート基板(1) と、この基板(1) の
上にスパッタリング法で設けられた厚さ約100ÅのSi
O2からなる保護層(3a)と、この保護層(3a)上に高周波イ
オンプレーティング法で形成されたTeO1.7からなる厚さ
1,000Åの記録層(2) と、更にこの記録層(2) の上
にスパッタリング法により設けられた厚さ約100Åの
SiO2からなる保護層(3b)とで構成されている。
【0029】この様な光ディスク媒体について、実施例
1と同様に、レーザビームを記録層(2) の記録領域に照
射し、記録層(2) の照射部位にバイノーダル分解を引き
起こさせて情報の書込みを行った。次に、上記実施例1
と同様に、記録層(2) に出力1mWのレーザビームを照射
し、その反射ビームを受光素子により読取り、記録情報
の再生を行った。この時の再生信号のC/N比は60dB
であった。
【0030】また、この光ディスク媒体について、上記
実施例1と同様に、C/N比のレーザ出力依存性を測定
した。結果は第8図に示す通りであり、相分離は全域で
起こり、レーザ出力8.2mW付近でC/N比45dBに達
し、レーザ出力10mW付近で上限のC/N比60dBに達
した。また、記録層(2) のレーザ照射部位を光学顕微鏡
により調べた結果、相分離を起こした全領域で穴開きの
現象は観察されなかった。
【0031】比較例1 第9図に示すように、保護層(3) を設けなかった以外
は、上記実施例1と全く同様にして光ディスク媒体を調
製し、上記実施例1と同様に、C/N比のレーザ出力依
存性を測定した。結果は、再生信号のC/N比が53dB
であり、また、レーザ出力とC/N比の関係は第10図
に示す通りであり、相分離はレーザ出力10mW以上で起
こっており、それ以上では穴が開いていることが光学顕
微鏡で確認できた。また、C/N比はレーザ出力8.5
mW以上で45dBを越えた。この結果、JIS基準のC/
N比45dBを達成でき、しかも、穴開き現象のないレー
ザ出力領域は8.5〜10mWまでの僅か1.5mWの範囲
にすぎないことが判明した。
【0032】〔発明の効果〕 本発明の光ディスク媒体は、レーザビームにより情報を
書き込む際において所定のC/N比を確保でき、かつ、
記録層に穴開きが発生しない、レーザ書込み時の出力マ
ージンが大きくてレーザビームによる情報の記録や書換
が容易であり、比較的高いレーザ出力を使用して情報の
記録や書換を行うことができ、これによって比較的大き
なC/N比を達成でき、記録部位と非記録部位との間の
反射光のコントラストを大きくすることができるほか、
記録速度や書換速度の向上を図ることができる。また、
バイノーダル分解又はスピノーダル分解による相分離に
よって生じた光学的性質の変化は、長期間に亘って安定
であり、記録情報を長期間に亘って安定的に保存するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光ディスク媒体の断面説
明図である。
【図2】第1図の光ディスク媒体における記録層のレー
ザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【図3】記録層を構成するTeO1.7の状態図である。
【図4】記録層を構成するTeO1.7の自由エネルギー状態
図である。
【図5】他の実施例に係る光ディスク媒体の断面説明図
である。
【図6】第5図の光ディスク媒体における記録層のレー
ザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【図7】他の実施例に係る光ディスク媒体の断面説明図
である。
【図8】第7図の光ディスク媒体における記録層のレー
ザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【図9】比較例の光ディスク媒体の断面説明図である。
【図10】第9図の光ディスク媒体における記録層のレ
ーザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 保護層 3a 保護層 3b 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に相分離によって光学的性質が変化
    する記録層を設け、光、熱等の手段によりこの記録層の
    光学的性質を変化させて情報の記録・再生、又は記録・
    再生・消去を行う光ディスク媒体において、上記記録層
    の少なくとも上下何れか一方に金属の酸化物、窒化物及
    び弗化物から選ばれた少なくとも1種の化合物からな
    り、記録層を形成する記録材料より融点が高くかつ記録
    材料溶融物に対して高い濡れ性を有する1〜10nm厚
    保護層を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
JP2409731A 1990-12-11 1990-12-11 光ディスク媒体 Expired - Lifetime JP2998211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2409731A JP2998211B2 (ja) 1990-12-11 1990-12-11 光ディスク媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2409731A JP2998211B2 (ja) 1990-12-11 1990-12-11 光ディスク媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04214245A JPH04214245A (ja) 1992-08-05
JP2998211B2 true JP2998211B2 (ja) 2000-01-11

Family

ID=18519022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2409731A Expired - Lifetime JP2998211B2 (ja) 1990-12-11 1990-12-11 光ディスク媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2998211B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019235226A1 (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 株式会社神戸製鋼所 記録層、光情報記録媒体及びスパッタリングターゲット
JP6661000B2 (ja) * 2018-06-07 2020-03-11 株式会社神戸製鋼所 記録層、光情報記録媒体及びスパッタリングターゲット

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04214245A (ja) 1992-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE36383E (en) Optical recording medium and production process for the medium
JP2512087B2 (ja) 光記録媒体および光記録方法
US6958180B2 (en) Phase change optical recording medium
TW200534273A (en) Optical information recording medium, and manufacturing method, recording method, and recording apparatus thereof
JPH08153339A (ja) 光ディスク
JPH05286249A (ja) 情報記録用媒体
JPH09286175A (ja) 光記録媒体
JP3810462B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2998211B2 (ja) 光ディスク媒体
JP4272934B2 (ja) 相変化型光記録媒体
JPH11339311A (ja) 光学情報記録媒体およびその記録再生方法
JP4141652B2 (ja) 相変化光記録媒体
JP4109011B2 (ja) 光記録媒体
JP4104128B2 (ja) 光記録媒体
JP2982449B2 (ja) 光記録媒体
JP4998224B2 (ja) 光学的情報記録媒体
JP2982186B2 (ja) 光記録媒体
JP2003191638A (ja) 光学記録媒体
JP2803315B2 (ja) 光記録媒体
JP3971198B2 (ja) 光記録媒体
JP4368586B2 (ja) 光記録媒体
JPS60179953A (ja) 光デイスク媒体
JP2004017394A (ja) 光記録媒体
JPH11306597A (ja) 光学的情報記録媒体及びその製造方法
JPH0471895A (ja) 情報記録媒体