JP4368586B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相変化型光ディスクに関するものであり、DVD+RW等に応用される。
【0002】
【従来の技術】
DVD−ROMドライブによる再生互換性の高い相変化光記録媒体としては、例えば、相変化記録膜に記録される記録マークからの信号特性が良好であると同時に、案内溝に入力されているウォブル情報を低い誤り率で読み出すために必要な書き換え型光ディスクに用いられる多層記録膜の光学特性や基板の光学特性および基板に形成される案内溝の形状を規定したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、高速記録や下位互換性までは考慮されていなかった。
そこで、良好な高速記録を達成する手段として、記録層組成を高速記録に適した組成に限定したものに、例えば、{(AaBbCc)1−dDd}1−eEe(Aは、Agおよび/またはAuであり、Bは、Sbおよび/またはBiであり、Cは、Teおよび/またはSeであり、Dは、Inであるか、InならびにAlおよび/またはPであり、Eは、Si、Ge、SnおよびPbから選択される少なくとも1種の元素。)で表わされる主成分を含有する記録層を有する光記録媒体が提案されており(例えば、特許文献2参照。)、また、消去が、非晶質部または溶融部と周辺結晶部との境界からの結晶成長によって進行するGe、Sb、Teを主成分とする記録層を有する光記録媒体が提案されており(例えば、特許文献3参照。)、また、記録層をGa,Sb,Teとして組成範囲を限定した光記録媒体が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0003】
また、主に結晶化促進を目的とした層を記録層に接するように設けたものとして、例えば、ZnOを主成分とする保護層とし、記録層をAgInSbTe+Geとし、ZnOにより結晶化速度を向上させる光記録媒体が提案されており(例えば、特許文献5参照。)、また、結晶化促進層としてSi3N4層を下部保護層側に設けることが提案されており(例えば、特許文献6参照。)、また、下部保護層側に特に酸化ジルコニウムを主成分とする酸化物層を設けることが提案されており(例えば、特許文献7参照。)、また、記録層が{(Ge0.5Te0.5)x(Sb0.4Te0.6)1−x}1−y−zSbyAzからなり、記録層に接する接触層が炭化物か酸化物、特にAl2O3である光記録媒体が提案されており(例えば、特許文献8参照。)、また、Ag、In、Te、Ge、Sbよりなる物質を主成分とする記録層と酸化物系、窒化物系、硫化物系または炭化物系の材料からなる界面制御層を交互に複数積層することにより、界面で核形成を促進し、高速消去を行なえるため、高速記録が可能となることが提案されている(例えば、特許文献9参照。)。
また、反射層としてAgまたはAg合金を用いた光記録媒体及び記録方法が提案されている(例えば、特許文献10及び11参照。)。
しかし、これらはいずれの場合も記録層の結晶化速度を向上させることにより良好な高速記録を行なうものであり、これだけでは、本発明のように、高速記録が可能で、かつ、下位互換性を有する記録媒体は達成できない。
【0004】
また、上部保護層を2層化し、記録層と接する側にZnS、SiO2、Taの混合物から成る保護層を用いることにより、光吸収、および蓄熱効果が高いことにより、高線速、あるいは低線速から高線速までの広い線速で良好なオーバーライト特性を示す光記録媒体が提案されている(例えば、特許文献12参照。)が、下位互換性までは考慮されていない。
また、レーザー光のCW照射により反射率がハイレベルからローレベルに転移する線速(転移線速)範囲が8〜30m/s、記録線速が1.2〜30m/sである光記録媒体であり、(記録線速)≦(転移線速)と調整することにより各記録線速に対応できることが提案されている(例えば、特許文献13参照。)が、これも下位互換性までは考慮されていない。
【0005】
さらに、4倍速記録が可能で、かつ、1−2.4Xの下位互換性がある媒体に関する提案としては以下のものがある。
例えば、基板上に少なくとも記録層と反射層を有し、CAV記録が可能な記録線速範囲以上の記録線速範囲を持ち、反射率低下線速(転移線速)が記録可能な線速範囲内にあり、反射率低下線速が最高記録線速の0.5倍以上の線速であり、反射率低下線速は3〜20m/sであり、Pe/Ppを、反射率低下線速より遅い線速で記録するときには0.4以上、転移線速より速い線速で記録するときには0.4以下とすることが提案されている(例えば、特許文献14参照。)。
また、基板上に保護層、相変化記録層、保護層、反射層からなり、再結晶化上限速度(転移線速)Vcuが最高記録線速Vmaxと最低記録線速Vminの間にあって、Vcuが(Vmax+Vmin)/2<Vcu<{(Vmax+Vmin)/2}+3であり、反射層がAgの場合の硫化防止層(SiC、または、Siを8nm以下)、下部界面層(下部保護層と記録層との間にZrO2、TiO2、SiO2からなる混合物とY2O3、MgOのいずれかを含む、膜厚1〜4nm)、記録層組成(0<Ag≦1、0<In≦3、65<Sb≦75、15<Te<25、2<Ge≦5)、記録パルス波形等を限定することが提案されている(例えば、特許文献15参照。)。
また、AgInSbTeGeの組成比を限定し、再結晶化限界速度(転移線速)をRCv、記録線速最高速度をRmaxvとしたとき、3.5(m/s)<Rmaxv−RCv<5(m/s)であり、上部保護層側に酸化物層(特に酸化ジルコニウムと酸化チタンからなる)を設けることにより、初期化線速は再結晶化限界速度より0〜2m/s遅いことを特徴とする光記録媒体が提案されている(例えば、特許文献16参照。)。
また、記録層としてAg,In,Sb,Te,Geを用い、かつ、酸化物からなる界面層を設けた構成で、各層の材料や膜厚、初期化の状態、転移線速を規定することが提案されている(例えば、特許文献17参照。)。
しかし、本発明では界面層を用いない構成で下位互換性を実現できる。
【0006】
DVD+RWは相変化型光記録媒体の一種で、DVD−ROMと互換性の高い繰り返し記録可能な媒体であり、「DVD+RW 4.7Gbytes Basic Format Specifications System Description」に規格化され、動画の記録媒体やパーソナルコンピュータの外部記憶媒体として実用化されている。
相変化型光記録媒体は基板上の記録層薄膜にレーザー光を照射して記録層を加熱し、記録層構造を結晶と非晶質間で相変化させることによりディスク反射率を変えて情報を記録・消去するものである。通常は未記録状態を高反射率の結晶相とし、これに低反射率の非晶質相からなるマークと高反射率の結晶相からなるスペースを形成することにより情報を記録する。マークとスペースを繰り返し記録する方法として、DVD+RWで使用されている方式を図1、2に示した。
レーザーパワーをピークパワーPp、消去パワーPe、バイアスパワーPb(Pp>Pe>Pb)の3値に変調した記録パルス波形を用いる。PpとPbからなるパルス列を照射されると記録層は溶融と急冷を繰り返し非晶質マークが形成される。Peが照射されると記録層は徐冷され、スペースが形成される。DVD+RWでは、図1中に示したdTtop、Ttop、Tmp、dTeraの4つのパラメータにより記録パルス波形が決められる。Tは基準クロックであり、PpとPbからなるパルス列の先頭と後端の間のパルス列は、マルチパルスと呼ばれ、1T周期で設けられている。
【0007】
DVD+RWは、現在、1〜2.4倍速(3.49〜8.44m/s)で記録再生が可能であるが、大容量のデータを扱うことから、より高速で記録再生が可能な媒体が求められている。高速で記録可能な媒体は、前述の特許文献2乃至9に示したように、一般的には記録層組成の調整や、主に結晶化促進を目的とした層を記録層に接するように設けるなどして、記録層の結晶化速度を速めることにより達成できる。しかし、記録層の結晶化速度を速くした場合には、より高い記録パワーを用いるか、あるいは、1T周期のマルチパルスから逸脱した記録パルス波形を用いるかしないと、良好な記録はできない。したがって、このような媒体に現在普及している1−2.4倍速で記録可能なドライブ(記録パワーの最大値15mW)で記録を行なおうとしてもパワー不足で記録が行なえないという不具合を生じる。記録パルス波形の大幅な変更もファームウェアでは対応できない。
【0008】
そこで、DVD−ROMとの互換性が高く、少なくとも4倍速(14m/s)で良好な繰り返し記録が可能であって、かつ、1倍速から2.4倍速では記録パワー15mW以下で、1T周期のマルチパルスを用いた記録パルス波形で良好な記録が可能な媒体を形成するためには、前述の特許文献14乃至17にあるように結晶化速度を適当な値に調整した媒体を用いると下位互換性は確保しやすくなる。
しかし、本発明者らがさらに保存安定性についても詳細な検討をしたところ、初期化後、室温で1〜2週間程度放置すると、4倍速記録の記録特性が劣化する場合があることがわかった。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−237096号公報(第2頁第1欄第1行目〜第37行目の特許請求の範囲)
【特許文献2】
特許第3150267号公報(第1頁第1欄第2行目〜第2欄第7行目の請求項1)
【特許文献3】
特開2001−56958号公報(第2頁第1欄第2行目〜第13行目の請求項1,2)
【特許文献4】
特開2002−96560号公報(第2頁第1欄第2行目〜第12行目の請求項1)
【特許文献5】
特開2002−237095号公報(第2頁第1欄第2行目〜第15行目の請求項1乃至3)
【特許文献6】
特開平6−195747号公報(第2頁第1欄第1行目〜第7行目の特許請求の範囲)
【特許文献7】
特開平11−339314号公報(第2頁第1欄第2行目〜第8行目の請求項1、第2頁第1欄第17行目〜第18行目の請求項4)
【特許文献8】
特開2001−167475号公報(第2頁第1欄第25行目〜第2欄第7行目の請求項3)
【特許文献9】
特開2002−222543号公報(第2頁第1欄第2行目〜第6行目の請求項1、第2頁第1欄第16行目〜第22行目の請求項4)
【特許文献10】
特開2002−100075号公報(第2頁第1欄第2行目〜第12行目の請求項1)
【特許文献11】
特開2002−237088号公報(第2頁第1欄第2行目〜第19行目の請求項1)
【特許文献12】
特開2002−190138号公報(第2頁第1欄第2行目〜第7行目の請求項1)
【特許文献13】
特開2002−245663号公報(第2頁第1欄第2行目〜第10行目の請求項1)
【特許文献14】
特願2002−220385号(請求項1乃至5)
【特許文献15】
特願2002−201667号(請求項1乃至4)
【特許文献16】
特願2002−268073号(請求項1乃至12)
【特許文献17】
特願2002−304678号(特許請求の範囲)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、DVD−ROMとの互換性が高く、保存安定性に優れ、少なくとも4倍速(14m/s)で良好な繰り返し記録が可能であって、かつ、1倍速から2.4倍速では記録パワー15mW以下で、1T周期のマルチパルスを用いた記録パルス波形で良好な記録が可能な媒体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、記録層が形成される基板には、トラッキングのための案内溝が設けられるが、DVD−ROMとの互換性を有するためには、トラックピッチは0.74±0.03μmとDVD+RW規格に定められている。さらに、案内溝は周期的に蛇行しており、蛇行の位相を180°反転することによりアドレスやメディアの情報を組み込めるように、DVD+RW規格に定められている。
蛇行溝から読み出されるウォブル情報のキャリア・ノイズの振幅は、実際の蛇行溝の振幅を15〜40nm、より好ましくは20〜40nmにした場合に良好な結果を与える。これ以下の場合にはキャリアの量が小さくなりすぎ、結果として位相反転により蛇行溝に刻まれたアドレス情報やメディア情報の読み出し誤り率が大きくなってしまう。また、これよりも大きい場合には、隣接する蛇行溝からの干渉を受け取ることによって、ノイズ成分が大きくなってきて、結果として情報の読み取り誤り率が高くなってしまう。さらに、スタンパの作成時、つまり露光工程において変調素子の負荷が大きくなり、メディア全周に渡って安定した溝が形成できなくなる恐れもある。
溝の深さは22〜35nmがよく、より好ましくは24〜30nmがよい。これより小さい場合には、記録装置が案内溝を判定するプッシュプル信号が小さくなりすぎるために、安定したサーボ特性が得られず、トラッキングができなくなってしまう。これより大きい場合には反射率が低下し、さらに、ジッター、変調度も悪くなってしまう。
溝の幅は0.17〜0.30μmが良く、好ましくは0.20〜0.28μmがよい。これより小さい場合には反射率低下が起こり、大きすぎる場合にはデータサーチ時にトラッククロス信号が小さくなりすぎ、サーチがうまくできない不具合を生ずる。
【0012】
上述の形状の蛇行溝を有する透明基板上に、ZnSとSiO2の混合物からなる下部保護層、Ge,Ga,Sb,Teの混合物からなる記録層、ZnSとSiO2の混合物からなる上部保護層、SiあるいはSiCからなる硫化防止層、AgまたはAg合金からなる反射層がこの順に形成され、記録層と下部保護層との間、あるいは記録層と上部保護層との間のどちらか一方、あるいは両方に酸化物からなる界面層を設けた構成とし、さらには、各層の構成材料や厚さを規定することにより、4倍速で良好な繰り返し記録特性が可能であり、かつ、DVDの1倍速から2.4倍速を記録できる現行のドライブでの記録、即ち、1倍速から2.4倍速では記録パワー15mW以下で、1T周期のマルチパルスを用いた記録パルス波形で良好な記録が可能な媒体を形成することができる。
【0013】
透明基板は、耐熱性、耐衝撃性、低吸水性などの点から、ポリカーボネートが良い。屈折率は1.5〜1.65が良く、これより高い場合はディスク全体の反射率低下が起こり、低い場合には反射率の増加により変調度が不足してしまう。
また、複屈折に関しては50nm以下が良く、高い場合はディスク全体の反射率低下が起こる。特にディスク半径方向に分布がある場合には、反射率も同様な分布を示すようになるため、なるべく小さい値であることが必要である。
厚さに関しては、0.59〜0.62mmが良く、この範囲を超えるとピックアップのフォーカス性能に問題を生じる。また、薄すぎると記録再生装置のクランプの甘さから回転数が不安定になる問題も生じる。さらには、円周方向の厚さムラがこの範囲を超える場合には、信号強度が周内で変動してしまう問題も生じる。
【0014】
高速で繰り返し記録を行なう場合、非晶質マークを高速結晶化する必要がある。このため、記録層の組成を調整することにより、結晶化速度を速くする。
結晶化速度が速い方が高速消去には有利であるが、マルチパルスによって非晶質マークを形成する際に、再結晶化が進みやすいために充分な大きさのマークが形成できなくなってしまう。これを回避するためには、ピークパワーを照射する時間とバイアスパワーを照射する時間の合計を1Tとする1T周期のパルスストラテジではなく、周期を1Tより大きくすることによりバイアスパワーを照射する時間を充分長くして再結晶化領域をなるべく小さくする、また、高パワーのパルスを短時間照射して冷却時間を充分長くとれるようにすることなどによって、記録可能である。
同じ媒体、即ち結晶化速度の速い記録層を用いた媒体を低速で記録する場合にも、結晶化速度が遅い記録層を用いた媒体に低速で記録する場合と同様のパワーやストラテジを用いると、やはり再結晶化により大きなマークが形成できず、変調度が小さくなってしまうため、マルチパルスの周期を変更する、あるいは、記録パワーを高くする等の変更が必要になる。しかし、これらは現在商品化され、使用されている1−2.4倍速記録用のドライブでは対応が不可能であり、下位互換は実現できない。
【0015】
下位互換性を実現するためには結晶化速度に上限が課せられる。そこで、記録層の組成比の調整により結晶化速度を変えて下位互換性を評価した。ただし、結晶化速度は直接測定することは困難であるため、代用特性として以下に説明する転移線速と呼ぶ値を用いた。
記録媒体を一定線速で回転させ、ピックアップでトラッキングしながら連続光を1周に渡って照射した後、反射率を測定する。照射する連続光のパワーを一定とし、回転線速を変えて同じ測定をすると、線速が遅い場合には反射率が高いが、ある線速以上になると反射率が低下し始める。この時の反射率が低下し始める線速を転移線速と呼ぶ。この様子を図3に示した。
図3の媒体は、次のような構成のものである。
下部保護層:ZnS−SiO2 67nm厚、
記録層:AgInSbTeGe 14nm厚(Ag1、In1、Ge4、Sb74、Te20原子%)、
上部保護層:ZnS−SiO2 12nm厚、
硫化防止層:Si 4nm厚、
反射層:Ag 140nm厚。
ここでは、線速に対して反射率がほぼ一定の部分と、線速に対して反射率が低下していく部分に直線を引き、これらの交点を転移線速と決めた。転移線速より遅い線速では、記録層は結晶状態であり、転移線速より速くなると非晶質層が形成され始めることを示している。この転移線速は記録層の結晶化速度の他、照射する連続光のパワー、媒体を形成する各層の膜厚によって決まる。
【0016】
一般的に、同じ記録パルス波形を用いて記録した場合は、転移線速が速くなると変調度は小さくなる傾向にある。これは、図5に示したように、パルス列を照射して非晶質マークを形成する際、先頭パルスのPpの照射により記録層が溶融し、Pbに変調されることにより急冷されるので、溶融領域が非晶質相となる。冷却される際、結晶相と接しているところから一部は結晶化する(図5(a)参照)。次に、2番目のパルスのPpの照射により記録層が溶融するが、このとき、先頭パルスにより既に形成されていた非晶質部分も加熱され、結晶相と接している部分からさらに結晶化してしまうため、非晶質部分は小さくなる(図5(b)参照)。このような過程を経てマークが形成されるが、再結晶化部分は転移線速が速い場合、即ち、結晶化速度が速いと大きくなる。従って、同じ記録パルス波形を照射した場合、溶融領域や冷却速度は同じであったとしても形成されるマークは小さくなってしまう。このため、転移線速が速い記録層を用いた場合には変調度が小さくなってしまう(図5(c)参照)。
【0017】
また、変調度は、Ppが小さい場合や記録線速が速い場合も小さくなる傾向がある。これは、どちらの場合も記録層の加熱が不充分なため溶融領域が小さく、大きなマークが形成できないためである。DVD+RW規格ver.1.1の規格に則れば、最適化されたPpに0.85を乗じたパワーでも良好な記録(ジッター9%以下、変調度60%以上等)ができなければならない。そこで、下位互換性の評価として、15mWに0.85を乗じた値である12.8mWをPpとして2.4倍速で記録した場合の変調度と転移線速の関係を調べた。結果を図4に示す。
図4の媒体は、次のような構成のものである。
下部保護層:ZnS−SiO2 65nm厚、
記録層:GeGaSbTe 15nm厚(Ge3〜5、Ga2〜3、Sb72〜75、Te20〜21原子%)、
上部保護層:ZnS−SiO2 10nm厚、
硫化防止層:Si 4nm厚、
反射層:Ag 140nm厚。
この転移線速の値は、波長656nm、対物レンズのNA0.65のピックアップを用いて、盤面でのパワー11mWの連続光を照射することにより測定した値である。図4からは、転移線速が約10m/s以下の場合に、変調度が60%以上になることがわかる。したがって、下位互換性を確保するためには転移線速は10m/s以下にすることがことが好ましい。変調度は、転移線速以外にも層構成や記録層組成比、記録パルス波形によっても多少変わってくることを考慮しても、上限は11m/s程度と考えられる。
下位互換性の点から10〜11m/s程度に転移線速の上限が決まると、高速で良好な繰り返し記録を行なうのは困難になり、繰り返し記録回数が多くなるにつれてジッターが上昇してしまう。
本発明では、媒体を構成する各層の材料と膜厚、さらに初期化条件を特定することにより11mWの連続光の照射で測定した転移線速が、少なくとも8m/s以上、より好ましくは9m/s以上であれば4倍速で良好な記録が可能な媒体を形成することができた。
【0018】
下部保護層、および、上部保護層としては耐熱性等の保護膜としての機能の他、屈折率が高いこと、断熱性が高いことから、膜厚の調整により入射光を効率的に利用できるモル比が8:2近傍のZnSとSiO2の混合物を用いる。下部保護層としては、膜厚は40〜220nm、より好ましくは、40〜80nmとする。これは、主として反射率から決められる値である。この範囲内で、充分な反射率と記録感度を両立できる膜厚を選ぶ。これより薄い場合には耐熱性が悪く、基板へ与えるダメージが大きくなってしまい、繰り返し記録によるジッター上昇が大きくなってしまう。厚いと反射率が高くなり過ぎて記録感度が低下してしまう。上部保護層としては膜厚2〜20nm、より好ましくは8〜14nmとする。これは主として熱伝導から決められる値である。上部保護層の上にさらに反射層が設けられているため、記録層で吸収された熱は上部保護層を通じて反射層へ拡散して冷却される。したがって、薄すぎると熱拡散が速過ぎて記録層は充分昇温されず、記録感度が低下してしまう。厚すぎると冷却速度が不足するため非晶質マークが形成されにくくなる。
【0019】
記録層はSb−Teのδ相に相当する組成を母相として、Ge、Gaを添加した材料を用いる。Sb−Te2元系は、平衡状態においてSb:Teが83:17〜63:37の範囲内にδ相と呼ばれる均一相を形成することが知られている(G.Ghosh,J. Phase Equilibria,15(3),349-360(1994))。おおよそこのδ相を形成する範囲内にある組成比のSb−Teは繰り返し記録特性に優れた材料であり、SbとTeの比を変えることにより結晶化速度を制御することができる。δ相を形成できる範囲内にあるSb−Te2元系を母相とし、これに保存耐久性の向上、結晶化速度の調整、変調度の向上等の目的で、Ge、Gaを添加する。SbとTeの比、および、添加元素の種類と量により結晶化速度を速くすることができる。これらの組成比により結晶化速度(≒転移線速)、繰り返し記録特性、保存安定性が決まる。
本発明者らが、下位互換性を有する4倍速記録に適した記録層として種々検討したところ、以下のような組成の範囲内に限定された。母相のSb−Teの原子比率Sb/(Sb+Te)は0.74〜0.79とする。これより小さいと結晶化速度が遅く4X記録で充分な繰り返し記録ができない。これより大きいと保存安定性と良好な記録特性との両立が困難になる。さらに、保存安定性向上のために、Ge、Gaが合計で4原子%以上、より好ましくは5原子%以上添加されている必要がある。しかし、添加量が多すぎると初期化が困難となり、低いジッターでの記録ができなくなるので、添加量は合計で10原子%以下とする。1原子あたりの保存安定性への寄与はGeの方が高いが、Geのみで保存安定性の向上を図るよりは、Gaを同時に入れた方がより保存安定性は向上し、かつ、光学特性も変化するため記録感度も向上する。また、Geは添加することにより、結晶化速度を遅くするが、Gaは速くするという作用も持つ。したがって、添加物の組成比は結晶化速度も考慮して決める必要がある。保存安定性、初期化の容易性、記録特性、結晶化速度の点から下位互換性を有する4倍速記録に適した添加物の組成範囲は、原子比で、0.02≦Ge≦0.06、0.02≦Ga≦0.06とする。各々、少なすぎると効果が現れず、また、多すぎると繰り返し記録特性が悪かった。
【0020】
記録層の膜厚は、8nmより薄いと変調度が小さく、また、再生光安定性も低下してしまうため8nm以上とし、22nmより厚いと繰り返し記録によるジッターの上昇が大きいため、22nm以下とする。より、好ましくは13〜16nmとすると、特に繰り返し記録耐久性が向上した。
【0021】
反射層としては従来Alを主成分とした合金が使用されている。Alは反射率が高く、熱伝導率も高いことに加え、ディスク化した場合の経時安定性にも優れている。しかし、記録層材料の結晶化速度が速い場合には、反射層として従来よく使用されているAl合金を用いたディスクでは、記録マークが細くなりやすく、充分な変調度を有する記録を行なうことは困難な場合があった。この理由としては、結晶化速度が速いと記録時に溶融領域の再結晶化領域が大きくなってしまい、形成される非晶質領域が小さくなってしまうことが挙げられる。再結晶化領域を小さくするためには、上部保護層を薄くして急冷構造とすればよいが、単純に上部保護層を薄くしただけでは、記録層が充分に昇温されず、溶融領域が小さくなってしまうため、再結晶化領域を小さくできたとしても、結局、形成される非晶質領域は小さくなってしまう。しかし、波長650〜670nmにおける屈折率(n+ik)のn、k共にAlより小さい金属を反射層に用いると、記録層の吸収率は向上し、変調度も大きくすることができる。n、k共にAlより小さい金属としてはAu、Ag、Cu、及びそれらを主成分とした合金が挙げられる。ここで、主成分とするとは、90原子%以上含有することを意味し、好ましくは95原子%以上である。
これらの純金属の場合のλ=660nmにおけるスパッタ膜の屈折率の実測値、及び、熱伝導率の文献値(バルク)の値を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
Au、Ag、Cuは同時にいずれもAlより熱伝導率が高いことがわかる。したがって、これらを反射層として用いると、記録層の光吸収率を向上させて、記録層の温度を上昇させて溶融領域を大きくする効果があるのと同時に、冷却速度も向上させるため冷却時の再結晶化領域が小さくなり、Al合金を用いた場合よりも大きな非晶質領域を形成することが可能になる。記録マークの変調度は光学的な変調度とマークの大きさによって決まり、光学的な変調度が大きく、マークが大きい程大きくなる。したがって、記録層として、結晶化速度が速い材料を用いて、高線速記録を行なう場合でも上記反射層を用いれば、吸収率が大きく冷却速度が速いことから大きな記録マークが形成でき、また、結晶と非晶質の反射率差も大きいことから変調度の大きい記録が可能になる。
【0024】
Au、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金の中でも、特に、Ag及びAg合金は比較的安価であり、また、同様に安価なCuおよびCu合金に比べて酸化しにくいため、経時安定性に優れた媒体を形成することができ、反射層として好ましい。ただし、硫化には弱いため、上部保護層にSを含むような材料を用いる場合には、硫化防止層が必要となる。硫化防止層に要求される性質としては、Sを含まないこと、Sを透過しないこと等が挙げられる。本発明者らは、種々の酸化膜や窒化膜等を硫化防止層として形成し、記録特性や保存信頼性の評価を行なったところ、SiC、Si又はそれらのいずれかを主成分とする材料が優れた機能を持つことがわかった。ここで、主成分とするとは、材料中にSiC又はSiを90mol%以上含有することを意味し、好ましくは95mol%以上である。
【0025】
硫化防止層の膜厚は3〜22nmとすることが好ましい。3nm以上あれば、スパッタにより形成された膜がほぼ均一になるので硫化防止機能を発揮するが、これよりも薄いと、部分的に欠陥を生じる確率が急に高くなってしまう。また、22nmを超えると膜厚の増加と共に反射率が低下してしまうし、成膜速度は大きく見積もっても記録層と同程度であるため、記録層よりも膜厚が厚いと生産効率が落ちてしまうことから、最大でも記録層の膜厚を超えないようにすることが望ましく、結局好ましい上限は22nmとなる。
【0026】
反射層の膜厚は90nm以上であれば透過光がほとんどなくなり、光を効率的に利用できるので、90nm以上とする。膜厚は厚い程冷却速度が速くなり、結晶化速度の速い記録層を使用する場合には有利であるが、200nm以下で冷却速度は飽和し、200nmより厚くしても記録特性に変化がなく、成膜に時間がかかるだけなので、200nm以下とすることが好ましい。
【0027】
上述のような膜を基板上に順次形成した後、反射層上に有機保護膜をスピンコートにより形成する。この状態で、あるいは更に貼り合わせ工程を経た後、初期化工程を経て媒体として使用される。貼り合わせは、有機保護膜を介して基板と同じ大きさで通常は材質も同じである板を接着する工程である。
初期化は1×(数10〜数100)μm程度に成形された1〜2W程度のレーザー光を照射して、成膜直後は非晶質状態である記録層を結晶化する工程である。このとき、照射するレーザー光のパワーや線速、送り速度によって記録層の結晶状態は変化し、反射率も異なる。初期化直後の反射率が異なる場合でも繰り返し記録すると、スペース部、即ち、結晶部の反射率は次第にある値に近づいていく。
【0028】
図6に初期化条件が異なり、未記録部の反射率が異なる媒体に、4倍速で繰り返し記録を行なった場合のアイパターンの上部の反射率Itopの変化の様子を示した。繰り返し記録10回程度で反射率は飽和する。繰り返し記録回数が少ない場合にはスペース部に初期の結晶相が残っているが、繰り返し記録回数が増えてくるに従い、一度非晶質マークが形成された後に新たに形成された結晶相が増えてくるからである。数100回から1000回程度にかけてやや低下する場合もあるが、これは繰り返し記録による何らかの劣化によるものである。
【0029】
繰り返し記録特性は初期化条件によっても異なり、初期結晶相を比較的低い反射率にした方が繰り返し記録特性が良い場合がある。しかし、本発明者らが検討した結果、反射率の低い結晶相は、初期化後、室温で1〜2週間程度放置すると、4倍速記録の記録特性が劣化し、ジッターが大きくなってしまうことがわかった。1倍速、2.4倍速で記録した場合にはこのような経時変化は見られなかった。4倍速記録の場合も比較的高いパワーで記録した場合には劣化が少なかったので、1倍速、2.4倍速の場合の記録では充分なパワーで記録できているためと考えられる。比較的低パワーで記録した場合の記録特性が劣化する理由は明らかではないが、未記録部の反射率が低い状態は、結晶状態の安定性が悪く状態変化を起こしやすいと考えられる。なお、未記録部の反射率が充分高い場合でも記録層組成が適切でない場合などには記録特性が劣化する場合もあったが、少なくとも、未記録部の反射率を充分高くしておかないと、劣化を防ぐことはできなかった。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。いずれの場合も、直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μm、溝幅0.25μm、溝深さ25nm、約820kHzの周期で蛇行している案内溝付きポリカーボネートディスク基板上に下部保護層、記録層、上部保護層、硫化防止層、反射層をこの順番にスパッタにより成膜し、さらに、反射層上にスピンコートにより形成された有機保護膜を介して直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネートディスクを接着したものをビーム径1×75μm、波長810nmの半導体レーザービームにより初期化したものを試料として用いた。
評価は、基板側から波長656nm、NA0.65のレーザー光を照射し、線密度0.267μm/bit、1T周期のマルチパルスを用いた記録パルス波形によりEFM+変調方式でランダムパターンを繰り返し記録することにより行なった。
【0031】
[実施例1]
下部保護層として(ZnS)80mol%(SiO2)20mol%を65nm、記録層としてGe3Ga3Sb72Te22を15nm、上部保護層として(ZnS)80mol%(SiO2)20mol%を12nm、硫化防止層としてSiを4nm、反射層としてAgを140nm形成したディスクを初期化した。初期化はパワー1000mW、線速8m/s、送り20μm/rで実施した。このとき、未記録部の反射率は21.0%であった。11mWの連続光を照射して調べた転移線速は9.4m/sであった。
図7に4倍速記録特性を示す。図中のnは記録回数を示している。Ppが17mW近傍では繰り返し記録1000回までジッターがおおよそ9%以下に納まっており、良好な繰り返し記録特性を示している。また、初回記録から繰り返し記録10回まで反射率変化はほとんどなかった。
図8には、2.4X記録特性を示す。Ppが15mW以下でもジッターは充分低く、下位互換性を有する4X記録媒体を形成することができた。モジュレーションもPp13mWで65%以上と充分に高かった。
初期化して2週間経過した後、再び4倍速の繰り返し記録特性を評価したが、ジッターの差は0.5%以下であった。80℃85%RH保存試験におけるアーカイバル特性も調べたが、400時間までほとんど劣化がみられなかった。
【0032】
[実施例2]
記録層としてGe4Ga2Sb73Te21を15nmとした以外は全て実施例1と同じディスクを形成し、パワー1200mW、線速9m/s、送り20μm/rで初期化した。このとき、未記録部の反射率は19.9%であった。11mWの連続光を照射して調べた転移線速は10.0m/sであった。
図9に4倍速記録特性を示す。Ppが17mW近傍では繰り返し記録1000回までジッターがおおよそ9%以下に納まっており、良好な繰り返し記録特性を示している。また、初回記録から繰り返し記録10回まで反射率変化はほとんどなかった。
図10には、2.4X記録特性を示す。Ppが15mW以下でもジッターは充分低く、下位互換性を有する4X記録媒体を形成することができた。モジュレーションもPp13mWで60%以上と充分に高かった。
初期化して2週間経過した後、再び4倍速の繰り返し記録特性を評価したが、ジッターの差は0.5%以下であった。80℃85%RH保存試験におけるアーカイバル特性も調べたが、400時間までほとんど劣化がみられなかった。
【0033】
[実施例3]
硫化防止層としてSiCを4nmとした以外は全て実施例1と同じディスクを形成し、パワー1000mW、線速8m/s、送り20μm/rで初期化した。このとき、未記録部の反射率は21.4%であった。11mWの連続光を照射して調べた転移線速は9.4m/sであった。
4倍速、および、2.4倍速記録特性は実施例1とほぼ同様の結果が得られ、下位互換性を有する4X記録媒体を形成することができた。初回記録から繰り返し記録10回まで反射率変化はほとんどなかった。
初期化して2週間経過した後の4倍速の繰り返し記録特性、および、80℃85%RH保存試験におけるアーカイバル特性も問題なかった。
【0034】
[実施例4]
下部保護層として(ZnS)80mol%(SiO2)20mol%を50nm、記録層としてGe3Ga3Sb72Te22を12nmとした他は実施例1と同じ構成のディスクを形成し、初期化はパワー1000mW、線速8m/s、送り20μm/rで実施した。このとき、未記録部の反射率は20.2%であった。11mWの連続光を照射して調べた転移線速は9.4m/sであった。
4倍速、および、2.4倍速記録特性は実施例1と比較すると、繰り返し記録1000回におけるジッターの値がやや大きい傾向があるものの、実施例1とほぼ同様の結果が得られ、下位互換性を有する4X記録媒体を形成することができた。初回記録から繰り返し記録10回まで反射率変化はほとんどなかった。
初期化して2週間経過した後、再び4倍速の繰り返し記録特性を評価したが、ジッターの差は0.5%以下であった。80℃85%RH保存試験におけるアーカイバル特性も調べたが、400時間までほとんど劣化がみられなかった。
【0035】
[比較例1]
記録層として、Ag0.7In2.6Sb71.5Te20.9Ge4.3を15nmとした以外は全て実施例1と同じディスクを形成し、パワー1000mW、線速8m/s、送り20μm/rで初期化した。未記録部の反射率は19.6%であった。11mWの連続光を照射して調べた転移線速は9.3m/sであった。
図11に4倍速記録特性を、図12に2.4倍速記録特性を示す。図中のnは記録回数を示している。4倍速でも2.4倍速でも初回は充分にジッターが低いが、繰り返し記録によるジッターの上昇が大きくなってしまった。
また、初期化して2週間経過した後の4倍速の繰り返し記録特性、および、80℃85%RH保存試験におけるアーカイバル特性には問題なかった。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明により、DVD−ROMとの互換性が高く、保存安定性に優れ、少なくとも4倍速(14m/s)で良好な繰り返し記録が可能であって、かつ、1倍速から2.4倍速では記録パワー15mW以下で、1T周期のマルチパルスを用いた記録パルス波形で良好な記録が可能な媒体を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVD+RWで使用されているマークとスペースを繰り返し記録する方法を説明する図である。
【図2】DVD+RWで使用されているマークとスペースを繰り返し記録する方法を説明する図である。
【図3】線速と反射率の関係を示した図である。
【図4】転移線速と変調度の関係を示した図である。
【図5】転移線速と変調度の関係を説明するための図である。
【図6】繰り返し記録回数とItopの関係を示した図である。
【図7】実施例1における4倍速記録特性を示した図である。
【図8】実施例1における2.4X記録特性を示した図である。
【図9】実施例2における4倍速記録特性を示した図である。
【図10】実施例2における2.4X記録特性を示した図である。
【図11】比較例1における4倍速記録特性を示した図である。
【図12】比較例1における2.4X記録特性を示した図である。
Claims (4)
- 透明基板上に、下部保護層、Ge,Ga,Sb,Teのみからなる記録層、上部保護層、反射層がこの順、又は逆順に形成され、波長660nm±10nm、NA0.65のピックアップヘッドを用いてパワー11±1mWの連続光を照射することにより計測した転移線速が8〜11m/sの範囲にあり、前記下部保護層は、ZnSとSiO 2 の混合物で、かつ厚さが50〜65nmであり、前記記録層の組成比Ge a ,Ga b ,Sb c ,Te d が、
a=3〜4
b=3〜2
c=72〜73
d=22〜21
但し、a+b+c+d=100であることを特徴とする光記録媒体。 - 前記上部保護層がZnSとSiO2の混合物からなることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記反射層がAgあるいはAg合金からなり、上部保護層との間にSiあるいはSiCからなる硫化防止層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- 未記録状態の反射率Rbと繰り返し記録10回後のスペース部の反射率Raの差ΔR=|Rb−Ra|が3%以内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光記録媒体。
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