JPH04214245A - 光ディスク媒体 - Google Patents

光ディスク媒体

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JPH04214245A
JPH04214245A JP2409731A JP40973190A JPH04214245A JP H04214245 A JPH04214245 A JP H04214245A JP 2409731 A JP2409731 A JP 2409731A JP 40973190 A JP40973190 A JP 40973190A JP H04214245 A JPH04214245 A JP H04214245A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基板上に相分離によ
って光学的性質が変化する記録層を設け、光、熱等の手
段によりこの記録層の光学的性質を変化させて情報の記
録・再生、又は記録・再生・消去を行う光ディスク媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学的記録方法として、従来より記録情
報の書換ができない記録・再生タイプと、この書換がで
きる記録・再生・消去タイプとがあり、前者の記録・再
生タイプとして穴開け方式とバブル方式とが知られてい
る。そして、この穴開け方式とは、光記録媒体の記録層
面へレーザ光等を照射し、その照射部位の記録層を融解
させて基板面を露出させる方式であり、この開口部と非
開口部との反射率の違いを利用して情報の記録・再生を
行う方法であり、また、バブル方式とは、レーザ光を照
射して基板の一部を加熱し、基板側から発生するガスの
圧力を利用して照射部位にバブルを形成する方式であり
、このバブルの形成部位と非形成部位との反射率の違い
を利用して情報の記録・再生を行う方法である。
【0003】一方、記録情報の書換ができる後者の記録
・再生・消去タイプとは、光、熱等の手段により記録層
の光学的性質を可逆的に変化させ、その光学的性質の変
化を利用して情報の記録・再生・消去を行う方式で、具
体化された方法として相転移方式と光磁気方式とが知ら
れている。そして、この相転移方式とは、結晶状態にあ
る記録層の一部に高出力の円形状レーザスポットを照射
し、高温急速加熱処理と急速冷却処理とを施し、これに
よってその照射部位を結晶状態からアモルファス状態へ
変化させ、この結晶状態にある部位とアモルファス状態
にある部位の反射率の差を利用して情報の記録・再生を
行うと共に、上記記録層の記録部位に低出力のレーザス
ポットを照射し、比較的ゆっくりした低温加熱処理と冷
却処理とを施すことにより照射部位をアモルファス状態
から記録前の結晶状態へ変化させて情報の消去を行う方
法であり、また、光磁気方式とは、磁性材料により構成
された記録層に所定方向の磁界をかけた状態でレーザス
ポットを照射し、その照射部位の磁化方向を反転させる
ことでそのカー回転角を変化させ、このカー回転角の変
化を利用して情報の記録・再生を行うと共に、記録時と
は磁界の方向に反転させた状態で記録層の記録部位にレ
ーザスポットを照射し、その照射部位の磁化方向を記録
前の状態に戻して情報の消去を行う方法である。
【0004】しかしながら、これら従来の光学的記録方
法には、以下に示すような問題点があった。すなわち、
記録・再生タイプの穴開け方式やバブル方式においては
、記録層に形成された開口部やバブルの形状及び記録層
自体が経時的に変化し易く、記録情報の保存安定性に欠
けるほか、記録情報の書換もできないという問題があっ
た。また、記録・再生・消去タイプの相転移方式には、
上述したように結晶質−アモルファス間の相転移に伴う
光学的性質の変化を利用して情報の記録・再生・消去を
行う方式のため、アモルファス状態にある記録層の結晶
化に時間を要し、上方の書換速度が遅くなるほか、エネ
ルギーレベルの異なる結晶質領域とアモルファス領域が
並存しているため、準安定状態にあるアモルファス領域
が経時的に結晶化され易く、上記穴開け方式等と同様に
その記録情報の保存安定性に欠けるという問題があった
。そして、光磁気方式は、上述したようにカー回転角の
変化を検出して記録情報を再生する方式であるが、その
回転角が小さいために必要とするC/N比を確保するこ
とが難しく、また、記録層が酸化を受け易いTbやFe
等の材料を含んでいるため、これらが経時的に酸化され
、記録情報の保存安定性に欠けるという問題があった。
【0005】そこで、本発明者らは、先に、新たな記録
方式として相分離の原理を利用した記録方式を提案した
(特願平2−169,710 号出願)。この記録方式
は、基板上に相分離によって光学的性質が変化する記録
層を設け、この記録層に対して光、熱等の手段によりバ
イノーダル分解又はスピノーダル分解を生起させ、これ
によって選択的に相分離を起こさせ、この相分離をした
部位と相分離をしていない部位との間における光学的性
質の差を利用して情報の記録・再生、又は記録・再生・
消去を行うもので、記録や書換の時間を短縮することが
でき、また、記録情報を長期間に亘って安定的に保存で
き、しかも、C/N比の向上も図れるという利点がある
【0006】しかしながら、この新たな相分離による記
録方式について研究を進める過程で、レーザによる書込
み時に若干の問題が存在することが判明した。すなわち
、例えばポリカーボネート基板上に酸化テルル(TeO
1.7)からなる約1,000Åの記録層を形成した媒
体を使用し、この媒体を1,800rpm の速度で回
転させ、これに出力10mW、周波数3.7MHz の
レーザビームを照射してその照射部位にバイノーダル分
解を誘起させ、相分離させて情報の書込みを行った場合
、このレーザ書込み時にレーザ出力の変動があると、記
録層に穴が開いてしまうという問題が生じた。
【0007】本発明者は、この問題の原因について検討
した結果、レーザビームによる書込み時に所定のC/N
比を確保できる最低のレーザ出力と記録層に穴開きが発
生し始めるレーザ出力との間の差、すなわちレーザ書込
み時の出力マージンが僅かに約1.5mW程度の範囲し
かなく、レーザ出力の変動、媒体の感度むらを考慮する
と実用上マージンが小さい。そして、この書込み時に記
録層に穴開きが生じる原因については、記録層に情報を
書込む際の一旦溶融した記録材料が再度凝固する過程で
、この溶融した記録材料の表面張力が作用しているもの
と考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
以上のような観点に基づいて先に提案した相分離による
記録方式の問題点を解決すべく鋭意研究をした結果、基
板上に設けられる記録層の少なくとも上下何れか一方に
この記録層を形成する記録材料より融点が高くかつ記録
材料溶融物に対して高い濡れ性を有する保護層を設ける
ことにより、一旦溶融した記録材料が再度凝固する過程
で生じるこの記録材料溶融物の表面張力による穴開きの
減少を可及的に抑制できることを見出し、本発明に到達
した。
【0009】従って、本発明の目的は、レーザビームに
より情報を書き込む際において所定のC/N比を確保で
き、かつ、記録層に穴開きが発生しない、レーザ書込み
時の出力マージンが大きく、レーザビームによる情報の
記録や書換が容易である光ディスク媒体を提供すること
にある。
【0010】また、本発明の他の目的は、比較的高いレ
ーザ出力を使用して情報の記録や書換を行うことができ
、これによって比較的大きいC/N比を達成することに
より相分離による記録部位と非記録部位との間の反射光
のコントラストを大きくすることができる光ディスク媒
体を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、
比較的高いレーザ出力を使用して情報の記録や書換を行
うことができ、これによって記録速度や書換速度の向上
を図ることができる光ディスク媒体を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
板上に相分離によって光学的性質が変化する記録層を設
け、光、熱等の手段によりこの記録層の光学的性質を変
化させて情報の記録・再生、又は記録・再生・消去を行
う光ディスク媒体において、上記記録層の少なくとも上
下何れか一方に金属の酸化物、窒化物及び弗化物から選
ばれた少なくとも1種の化合物からなり、記録層を形成
する記録材料より融点が高くかつ記録材料溶融物に対し
て高い濡れ性を有する保護層を設けた光ディスク媒体で
ある。
【0012】本発明において、光ディスク媒体の基板を
形成する基板材料や基板上に設けられる記録層を形成す
る記録材料については、特に制限されるものではなく、
基板材料については従来公知のものを使用でき、また、
記録材料については先に提案した特願平2−169,7
10 号明細書記載のものを使用することができる。例
えば、基板材料としては、ガラス、光透過性のアクリル
、ポリカーボネート、エポキシ等の光透過性材料や、ア
ルミニウム等の金属材料を挙げることができる。また、
記録材料としては、それが光、熱等の手段で相分離を起
こすものであり、具体的には、PbTe−GeTe 混
合系、Au−Pt 混合系、Au−Ni 混合系、Pb
S−PbTe混合系、GeSe2−GeSe混合系、A
s−Ge−Te混合系等の合金や、Li2O−SiO2
 混合系、Na2O−SiO2 混合系、BaO−Si
O2混合系、Al2O3−SiO2混合系、 B2O3
−SiO2混合系、Li2O−B2O3 混合系、Na
2O−B2O3 混合系、K2O−B2O3混合系、R
b2O−B2O3 混合系、Cs2O−B2O3 混合
系、PbO−B2O3混合系等の酸化物−酸化物混合系
材料や、ZrO2−ThO2混合系、CaO−SiO2
混合系、B2O3−PbO混合系、B2O3−V2O5
 混合系、SnO2−TiO2 混合系、NiO−Co
O 混合系、Al2O3−Cr2O3 混合系、SiO
2−Al2O3混合系、ZnWO4−MnWO4 混合
系、CaWO4−NaSm(WO4)2混合系、CaW
O4−Sm2(WO4)3 混合系、MnMoO4−Z
nMoO4 混合系、Fe2TiO4−Fe3O4 混
合系、Ca3Cr2Si3O12−Ca3Fe2Si3
O12 混合系、65MgSiO3/35FeSiO3
−CaSiO3混合系、LiAl5O8−LiFe5O
8 混合系、NaAlSi3O8−KAlSi3O8混
合系、Na2O−B2O3−SiO2混合系等の酸化物
−酸化物混合系材料や、LiCl−NaCl 混合系、
KCl−NaCl混合系、CsCl−TlCl 混合系
、CaCl2−MnCl2 混合系、CaCl2−Sr
Cl2 混合系、LiBr−AgBr 混合系、AgB
r−NaBr 混合系、KBr−NaBr混合系、Tl
Br−CsBr混合系、KI−NaI混合系、NaI−
CaI2混合系、(GaI2)2−NaGaI4混合系
、(GaI2)2−KGaI4 混合系、(GaI2)
2−RbGaI4混合系、GaAlI4−Ga2I4混
合系等のハロゲン化物−ハロゲン化物混合系材料や、 
CeOn 系、Bi−Bi2O3混合系、CaCO3−
MnCO3 混合系等の酸化物やハロゲン化物等の不定
比化合物や、更にはバイノーダル分解又はスピノーダル
分解を引起こす『ポリマーアロイ』と称されるポリマー
ブレンドや、ミクロ相分離を引起こすランダム共重合体
、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体
、並びに定序性高分子等の有機系材料を挙げることがで
きる。
【0013】また、本発明で保護層として使用される保
護材料としては、それが記録層を形成する記録材料より
融点が高くかつ記録材料溶融物に対して高い濡れ性を有
する層を形成できるものであり、種々の金属の酸化物、
窒化物及び弗化物から選択される。この目的で使用でき
る金属としては、Al、Si、Sc、Ti、Cr、V 
、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Y 、Zr、
Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、In、S
n、Sb、Te、Ta、W 、Re、Os、Ir、Pt
、Au、Pb、Bi、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb、
Lu等を挙げることができ、これらの保護材料により形
成される保護層が更に相分離を引き起こすのを防止する
ため、これらの金属は完全に酸化、窒化あるいは弗化さ
れているものがよい。
【0014】この様な保護材料で形成される保護層は、
基板上に設けられる記録層の少なくとも上下何れか一方
に設けられるが、具体的には、記録層の下にアンダーレ
イヤーとして、また、記録層の上にトップレイヤーとし
て、更にはこの記録層を間に挟んでサンドイッチ状に形
成する。そして、この保護層の厚さについては、この保
護層が記録層を形成する記録材料の溶融物に対してその
表面張力を低減させ、この記録材料溶融物が高い濡れ性
を発揮できればよく、特に限定されるものではないが、
通常1〜100nm程度、好ましくは5〜20nm程度
がよい。この保護層の厚さが1nmより薄いと不連続膜
になるという問題があり、また、100nmより厚いと
、単に記録材料溶融物に対する高い濡れ性を発揮すると
いう観点からは問題はないが、熱収支が低くなり感度が
低下するという点で問題が生じる。なお、この保護層は
、基板が樹脂材料で形成されている場合、保護材料とし
て例えばSiO2、ZrO2、ZnS 等の熱伝導性に
優れたものを選択し、この保護材料で形成された保護層
を基板と記録層との間に記録層のアンダーレイヤーとし
て設けることにより、レーザビームの照射により発生し
た熱が記録層から基板に伝達される際にこの熱が基板の
一部に集中的に伝達するのを防止し、これによって基板
の熱的損傷を防止する熱干渉層としての機能も発揮させ
ることができる。
【0015】なお、本発明の光ディスク媒体については
、記録層やその上にトップレイヤーとして設けられる保
護層の表面を更に保護する目的で、例えば紫外線硬化樹
脂、アクリル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の保
護膜を設けてもよく、また、記録層からの反射光量を高
める目的でこの記録層上にZnS 等の高屈折率層を設
けてもよい。
【0016】本発明の光ディスク媒体を製造する方法に
ついては、従来公知の手法を採用することができ、例え
ば基板上に記録材料を被着させて記録層を形成したり、
保護材料を被着させて保護層を形成するための手段とし
て、熱蒸着法、イオンプレーティング法、反応性スパッ
タリング法、化学的気相成長法(CVD) 、イオン支
援蒸着法(IAD) 、分子線エピタキシ法(MBE)
等や、共重合体等を基板上で直接重合反応させて被着さ
せる方法や、共重合体等を溶解した2次化合物を適宜手
段で基板上に塗布して被着させる方法等を挙げることが
できる。
【0017】
【作用】本発明によれば、記録層の少なくとも上下何れ
か一方に形成され、この記録層を構成する記録材料より
融点が高く、かつ、記録材料溶融物に対して優れた濡れ
性を示す保護層を有するので、レーザビームにより情報
を記録しあるいは書き換える際に、記録層のレーザ照射
部位が溶融しても、記録層に接する上記保護層が溶融し
た記録材料溶融物の表面張力を緩和し、この記録材料溶
融物が再び凝固する際に穴開きが生じるのを可及的に抑
制するものと考えられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
の光ディスク媒体を具体的に説明する。
【0019】実施例1 第1図に本発明の実施例に係る光ディスク媒体が示され
ている。この光ディスク媒体は、厚さ1.2mm、直径
5インチ1/4(ISO 標準)の耐熱性プラスチック
(ポリカーボネート)基板(1) と、この基板(1)
 の上にスパッタリング法により設けられた厚さ約10
0ÅのSiO2(融点:1,500℃)からなる保護層
(3) と、この保護層(3) の上に高周波イオンプ
レーティング法により形成されたTeO1.7からなる
厚さ1,000Åの記録層(2) とで構成されている
【0020】この様な光ディスク媒体について、これを
1,800rpmで回転させ、この状態で出力10mW
、周波数3.7MHz のレーザビームを記録層(2)
 の記録領域に照射し、記録層(2) の照射部位にバ
イノーダル分解を引き起こさせ、この照射部位に選択的
な相分離を起こさせることでその部位の反射率を変化さ
せ、情報の書込みを行った。
【0021】次に、この光ディスク媒体を1,800r
pm で回転させ、この状態で記録層(2) に出力1
mWのレーザビームを照射し、その反射ビームを受光素
子により読取り、記録情報の再生を行った。この時の再
生信号のC/N比は55dBであった。
【0022】また、この光ディスク媒体について、これ
を1,800rpm で回転させ、周波数3.7MHz
 のレーザビームを記録層(2) の記録領域に照射し
、C/Nのレーザー出力依存性を測定した。結果は第2
図に示す通りであり、相分離はレーザ出力4.5mW付
近から始まり、レーザ出力8.5mW付近でJIS基準
のC/N比45dBに達し、レーザ出力10mW付近で
上限のC/N比55dBに達した。また、記録層(2)
 のレーザ照射部位を光学顕微鏡により調べた結果、相
分離を起こした全領域で穴開きの現象は観察されなかっ
た。
【0023】なお、この実施例のTeO1.7からなる
記録層(2)が相分離を起こす理由について、本発明者
は以下のように考察した。すなわち、記録層(2) を
XPSにより分析した結果、その酸素組成は1.7であ
った。また、透過電子顕微鏡により観察した結果、 a
s−depo膜及びマーク部が共にTeO2の正方晶系
であることが判明した。これらのことから、この実施例
のTeO1.7からなる記録層(2) における相分離
は、多結晶不定比化合物TeO1.75 がバイノーダ
ル線に沿って組成分離しているものと考えられる。従っ
て、上記の記録層(2) を構成するTeO1.7の状
態図は第3図に示す通りであり、また、その時の自由エ
ネルギー状態図は第4図に示すとおりであり、第3図の
状態図の不混和領域温度に加熱冷却することにより相分
離が生起する。
【0024】実施例2 第5図に本発明の他の実施例に係る光ディスク媒体が示
されている。この光ディスク媒体は、上記実施例1の場
合と同じポリカーボネート基板(1) と、この基板(
1) の上に高周波イオンプレーティング法により形成
されたTeO1.7からなる厚さ1,000Åの記録層
(2) と、更にこの記録層(2) の上にスパッタリ
ング法により設けられた厚さ約100ÅのSiO2から
なる保護層(3) とで構成されている。
【0025】この様な光ディスク媒体について、実施例
1と同様に、レーザビームを記録層(2) の記録領域
に照射し、記録層(2) の照射部位にバイノーダル分
解を引き起こさせて情報の書込みを行った。
【0026】次に、上記実施例1と同様に、記録層(2
) に出力1mWのレーザビームを照射し、その反射ビ
ームを受光素子により読取り、記録情報の再生を行った
。この時の再生信号のC/N比は63dBであった。
【0027】また、この光ディスク媒体について、上記
実施例1と同様に、C/N比のレーザ出力依存性を測定
した。結果は第6図に示す通りであり、相分離は全域で
起こり、レーザ出力8.0mW付近でC/N比45dB
に達し、レーザ出力10mW付近で上限のC/N比63
dBに達した。また、記録層(2) のレーザ照射部位
を光学顕微鏡により調べた結果、相分離を起こした全領
域で穴開きの現象は観察されなかった。
【0028】実施例3 第7図に本発明の他の実施例に係る光ディスク媒体が示
されている。この光ディスク媒体は、上記実施例1の場
合と同じポリカーボネート基板(1) と、この基板(
1) の上にスパッタリング法で設けられた厚さ約10
0ÅのSiO2からなる保護層(3a)と、この保護層
(3a)上に高周波イオンプレーティング法で形成され
たTeO1.7からなる厚さ1,000Åの記録層(2
) と、更にこの記録層(2) の上にスパッタリング
法により設けられた厚さ約100ÅのSiO2からなる
保護層(3b)とで構成されている。
【0029】この様な光ディスク媒体について、実施例
1と同様に、レーザビームを記録層(2) の記録領域
に照射し、記録層(2) の照射部位にバイノーダル分
解を引き起こさせて情報の書込みを行った。次に、上記
実施例1と同様に、記録層(2) に出力1mWのレー
ザビームを照射し、その反射ビームを受光素子により読
取り、記録情報の再生を行った。この時の再生信号のC
/N比は60dBであった。
【0030】また、この光ディスク媒体について、上記
実施例1と同様に、C/N比のレーザ出力依存性を測定
した。結果は第8図に示す通りであり、相分離は全域で
起こり、レーザ出力8.2mW付近でC/N比45dB
に達し、レーザ出力10mW付近で上限のC/N比60
dBに達した。また、記録層(2) のレーザ照射部位
を光学顕微鏡により調べた結果、相分離を起こした全領
域で穴開きの現象は観察されなかった。
【0031】比較例1 第9図に示すように、保護層(3) を設けなかった以
外は、上記実施例1と全く同様にして光ディスク媒体を
調製し、上記実施例1と同様に、C/N比のレーザ出力
依存性を測定した。結果は、再生信号のC/N比が53
dBであり、また、レーザ出力とC/N比の関係は第1
0図に示す通りであり、相分離はレーザ出力10mW以
上で起こっており、それ以上では穴が開いていることが
光学顕微鏡で確認できた。また、C/N比はレーザ出力
8.5mW以上で45dBを越えた。この結果、JIS
基準のC/N比45dBを達成でき、しかも、穴開き現
象のないレーザ出力領域は8.5〜10mWまでの僅か
1.5mWの範囲にすぎないことが判明した。
【0032】〔発明の効果〕 本発明の光ディスク媒体は、レーザビームにより情報を
書き込む際において所定のC/N比を確保でき、かつ、
記録層に穴開きが発生しない、レーザ書込み時の出力マ
ージンが大きくてレーザビームによる情報の記録や書換
が容易であり、比較的高いレーザ出力を使用して情報の
記録や書換を行うことができ、これによって比較的大き
なC/N比を達成でき、記録部位と非記録部位との間の
反射光のコントラストを大きくすることができるほか、
記録速度や書換速度の向上を図ることができる。また、
バイノーダル分解又はスピノーダル分解による相分離に
よって生じた光学的性質の変化は、長期間に亘って安定
であり、記録情報を長期間に亘って安定的に保存するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光ディスク媒体の断面説
明図である。
【図2】第1図の光ディスク媒体における記録層のレー
ザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【図3】記録層を構成するTeO1.7の状態図である
【図4】記録層を構成するTeO1.7の自由エネルギ
ー状態図である。
【図5】他の実施例に係る光ディスク媒体の断面説明図
である。
【図6】第5図の光ディスク媒体における記録層のレー
ザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【図7】他の実施例に係る光ディスク媒体の断面説明図
である。
【図8】第7図の光ディスク媒体における記録層のレー
ザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【図9】比較例の光ディスク媒体の断面説明図である。
【図10】第9図の光ディスク媒体における記録層のレ
ーザ出力−C/N比の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1  基板 2  記録層 3  保護層 3a  保護層 3b  保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基板上に相分離によって光学的性質が
    変化する記録層を設け、光、熱等の手段によりこの記録
    層の光学的性質を変化させて情報の記録・再生、又は記
    録・再生・消去を行う光ディスク媒体において、上記記
    録層の少なくとも上下何れか一方に金属の酸化物、窒化
    物及び弗化物から選ばれた少なくとも1種の化合物から
    なり、記録層を形成する記録材料より融点が高くかつ記
    録材料溶融物に対して高い濡れ性を有する保護層を設け
    たことを特徴とする光ディスク媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019235226A1 (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 株式会社神戸製鋼所 記録層、光情報記録媒体及びスパッタリングターゲット
JP2019215948A (ja) * 2018-06-07 2019-12-19 株式会社神戸製鋼所 記録層、光情報記録媒体及びスパッタリングターゲット

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