JPH09286175A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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Publication number
JPH09286175A
JPH09286175A JP8101360A JP10136096A JPH09286175A JP H09286175 A JPH09286175 A JP H09286175A JP 8101360 A JP8101360 A JP 8101360A JP 10136096 A JP10136096 A JP 10136096A JP H09286175 A JPH09286175 A JP H09286175A
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JP
Japan
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film
recording
recording medium
optical recording
layer
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Application number
JP8101360A
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English (en)
Inventor
Sukenobu Mizuno
裕宜 水野
Haruo Kunitomo
晴男 国友
Michikazu Horie
通和 堀江
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性及び信頼性に優れ、樹脂基板の熱
変形の少ない、相変化型記録膜を有する高密度追記型光
ディスクを提供する。 【解決手段】 透明基板上に、誘電体保護膜を介して相
変化型記録膜を形成し、さらに、反射膜を積層した追記
型光記録媒体において、記録膜の組成をInxSbyS
nz(5≦x≦25、45≦y≦80、10≦z≦3
8、x+y+z=100)とし、記録膜の膜厚を10n
m以上40nm以下とし、反射膜をAlを主成分とする
合金とし、かつ反射膜の膜厚を20〜200nmとした
ことを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体に関す
る。詳しくは、相変化型の記録層を有する追記型(ライ
トワンス型)の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増大にともない、高密度
でかつ高速に大量のデータの記録・再生ができる記録媒
体が求められているが、光ディスクはまさにこうした用
途に応えるものとして市販され、利用されている。しか
し、CPUの処理速度のさらなる向上や周辺機器及びソ
フトウェア等の整備・発展を受けて、膨大な画像情報や
音声信号を自由自在に取り扱う環境が整い、さらに、イ
ンターネットに代表される広域情報通信網を経由して、
世界中の有用かつ膨大な情報のやり取りを瞬時にしかも
簡便に行うことのできるシステムが高度に構築されつつ
ある今日、情報記録媒体に対する高容量化、高密度化へ
のニーズはますます高まっているのが現状である。
【0003】これに呼応するように光ディスクにおいて
も、デジタル変調技術及びデータ圧縮技術の進歩とも歩
調をあわせて、さらに高密度・高容量化された新規光デ
ィスクが次々と市場に投入されている。光ディスクを、
ユーザーのデータ操作の観点から大別すると、再生専用
型(リードオンリー型)、追記型(ライトワンス型)、
書換可能型(リライタブル型)の3種類に分類できる。
【0004】このうちユーザー自らが情報の記録を行う
ことのできるディスクは、追記型と書換可能型である。
書換可能型は、情報の記録及び再生のみならず消去して
再記録することも可能であることから、繰り返し情報を
書き換える用途に適している。一方、追記型は、必要に
応じて情報の記録再生は可能であるが、消去再記録はで
きない。
【0005】このことは、一見短所としてとられるが、
むしろ、一度記録した情報は消去できないという長所で
もある。したがって、長期保管の必要な重要ファイルの
保存には、書換可能型よりも好適な光ディスクとして使
用できる。特に、改ざんされてはならない公文書用の保
存ファイルには追記型光ディスクでなければならない。
【0006】追記型光ディスクには、相変化型、穴あけ
型、バブル(変形)型などがある。このうち相変化型
は、穴あけ型やバブル型と異なり、記録層の変形を記録
原理としていないため、記録マークの周縁部にリムと呼
ばれる盛り上がりが形成されることがなく、記録マーク
形状を歪めることなく容易に微小化できるので、高密度
化に有利である。
【0007】また、マーク始端と後端に対応して0又は
1のビット情報をのせるマークエッジ記録では、特にマ
ークのエッジ部分に生じる歪みが正確な情報の記録再生
にとって大敵であり、記録層の変形を伴わない相変化型
は適しているといえる。この場合においては、基板の耐
熱性にも考慮した膜構成をとることが肝要である。
【0008】すなわち、レーザー照射によって記録層を
瞬時に昇温・結晶化して記録マークを形成する際に、樹
脂などの比較的ガラス転移温度の低い基板を用いると、
基板自身が熱による変形を起こし、これが原因となって
記録マーク形状が歪んだり、リムが形成されるため、相
変化型の長所が阻害されてしまう恐れがある。このよう
な記録時の基板の好ましからざる熱変形は、熱保護層や
放熱層の導入によって解決することができる。
【0009】穴あけ型及びバブル型の追記型光ディスク
では、記録層の物理的形状変化を阻害するような保護層
や接着剤を用いることができないが、相変化型では問題
なく使用することができ、層構成の設計の自由度が大き
く、有利である。特公平4−22437号公報には、1
回だけ書込可能な記録要素に含まれる光学記録層とし
て、Sb−Sn、In−Sb、In−Sb−Sn合金の
組成範囲が広範に記載されている。
【0010】記録層は単独の結晶状態だけを形成し、記
録層を通じて結晶状態は同じであるとされている。この
2元系又は3元系の組成の範囲外の組成からなる記録層
の遷移温度は明細書の記載からも明らかなように、80
℃以上という程度で未記録状態が記録状態に遷移してし
まうことがあり、耐熱性、クロストーク性等に問題を生
じる恐れが有り、特に公文書などの決して改ざんされて
はならない高信頼性、高保存安定性を要求される追記型
光ディスクとしては、不十分なものであった。
【0011】また、使用することのできる支持体とし
て、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリカーボネート、ガラス板、金属板が記載さ
れているが、樹脂基板を用いる場合の、基板の耐熱性に
対する層構成の工夫、例えば、記録層の合金の好適組成
範囲、熱保護層や放熱層の導入等、相変化型の特徴であ
る変形や歪みのない記録マーク形成に実用上不可欠な点
について、考察と実験のいずれの面でもいっさい触れら
れていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】すなわち(a)樹脂基
板の軟化点と同程度以上の遷移温度をもつ記録層のみを
規定することによる記録マークの保存安定性及び追記型
光ディスクの信頼性向上、(b)樹脂基板の低耐熱性に
よる記録時の好ましからざる熱変形を防ぐために不可欠
な記録層の組成、熱保護層、放熱層の導入、(c)高密
度化の手段であるマークエッジ記録に適した低ジッタ
(記録マークのゆらぎの少ない)のディスクであるため
に必要な層構成、以上3つの要素を同時に満たすような
In−Sb−Snの3元系の高密度追記型光ディスクは
未だ従来技術によっては提供されていない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するもので、その要旨は、透明基板上に、誘電体保護
膜を介して相変化型記録膜を形成し、さらに、反射膜を
積層した追記型光記録媒体において、記録膜の組成をI
nxSbySnz(5≦x≦25、45≦y≦80、10
≦z≦38、x+y+z=100)とし、記録膜の膜厚
を10nm以上40nm以下とし、反射膜をAlを主成
分とする合金とし、かつ反射膜の膜厚を20〜200n
mとしたことを特徴とする光記録媒体に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明に用いる透明基板としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボ
ネート等の透明樹脂基板、透明なガラス板等が挙げら
れ、特に、透明樹脂基板が好適に用いられる。
【0015】基板には誘電体保護膜が設けられる。本発
明の誘電体層に用いる誘電体としては、種々の組合せが
可能であり、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的
強度、密着性等に留意して決定される。一般的には透明
性が高く高融点であるMg、Ca、Sr、Y、La、C
e、Ho、Er、Yb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Zn、Al、Si、Ge、Pb等の酸化物、硫化
物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物等
を用いることができ、これらを組み合わせてもよい。
【0016】あるいは、ZnS又はZnSeのうち少な
くとも一種と、上記化合物のうちの少なくとも一種を含
む混合膜を用いても良好な記録特性および経時安定性が
得られる。この場合、金属化合物の含量が5〜40at
%であると、記録したディスクの保存安定性に特に優れ
る。
【0017】このうち特に好ましくはZnSとSiO2
の組合せであり、この場合、SiO2が5〜40mol
%であることが好ましい。また、酸化タンタル、あるい
は酸化タンタルと硫化タンタルの混合物も特に好まし
い。誘電体保護膜の上には、InxSbySnz(5≦
x≦25、45≦y≦80、10≦z≦38、x+y+
z=100)の組成を有する相変化型記録膜が設けられ
る。
【0018】この組成を図1に示す、頂点をabcde
fとする多角形の線上及び内部の組成範囲が本発明の追
記型光ディスクの記録層組成に対応している。この多角
形の定義の範囲外の合金組成からなる記録層は、成膜直
後に結晶質であるか、結晶化速度が遅すぎて実用上役に
立たないか、あるいは結晶化温度、すなわち遷移温度が
100℃未満のために光ディスクの保存安定性保証の点
で不適当であるかのいずれかである。
【0019】例えば、辺a−fの外側の領域において
は、記録層が室温で自然に結晶化する傾向がある。この
ような記録層は非晶質から結晶質への記録を行うことが
できない。辺a−bの外側の組成では、スパッタリング
成膜を行なうと、成膜直後に記録層がしばしば結晶状態
となってしまい記録できなかった。
【0020】また、この辺a−bの外側の組成で、成膜
直後に非晶質となり記録可能し得るディスクが得られて
も、温度80℃、湿度80%の高温多湿下に保持する加
速劣化試験を行なうと、わずか2、3日で記録マーク形
状の劣化が生じた。辺b−c、辺c−d、辺d−e、辺
e−fの外側の領域でも同様に、室温で簡単に腐食され
たり、非晶質が不安定で容易に結晶化される傾向が見ら
れた。
【0021】本発明の記録層は、必ずしも単独の結晶状
態を形成するとは限らない。図3にガラス上にスパッタ
リング成膜した本発明の記録膜を熱アニールした時のX
線回折グラフを示した。図3において、150℃までの
昇温では、SbSnのピークのみ観測できるが、さらに
昇温するとInSbのピークも観測される。
【0022】すなわち、昇温温度によって、異なる結晶
状態を形成する。通常のレーザーの強度分布はガウシア
ン分布にしたがうことが知られており、このレーザーを
用いて本発明の追記型光ディスクに記録を行った場合、
記録マークの結晶状態は空間分布的に不均一となる。特
公平4−22437号公報の教示によれば、記録層は単
独の結晶状態だけを形成することができ、記録化層を通
じて結晶状態は同じであると記載されており、本発明の
記録層の特徴とは異なっている。
【0023】記録層としては遷移温度が高いことと、記
録マークの保存安定性が重要であるため、図2に示すよ
うに頂点をghijとする四角形の線上及び内部の組成
範囲に記録層組成が存在することがさらに好ましい。こ
れは記録膜の組成が、Inα(Sb100-βSnβ)100-
α(但し、10≦α≦20、15≦β≦35)を満足す
ることを意味する。
【0024】記録層は10〜40nmの厚さに成膜する
ことが特に望ましい。この膜厚よりも厚すぎても薄すぎ
ても記録マークのCN比(搬送波対雑音比)が不十分と
なったり、記録パワーの許容幅(マージン)の低下を招
くことがある。反射膜としては、Alを主成分すなわち
最大構成成分とする金属材料を適用することができる。
【0025】特に、記録感度や安定性を考慮すると、A
lとTi又はAlとTaの合金であることが望ましい。
反射膜の膜厚が20nmから200nmの範囲内におい
て、放熱層としての適切な効果があることを確認した。
特に、反射膜中のTi又はTaの含有量が0.5at%
から10at%であることが望ましく、このときディス
クの反射率のロスが小さく、かつ耐ヒロック性、耐腐食
性に優れる。
【0026】本発明の光記録媒体の層構成は、透明基板
上に誘電体保護膜、相変化型記録膜、反射膜を設けたも
のであり、これに加えて必要に応じて各層間に誘電体層
等を設けてもよい。ディスクの作成法としては、あらか
じめトラッキングのためのグルーブを形成した透明樹脂
やガラスなどの基板ディスクにマグネトロンDCスパッ
タリング、マグネトロンRFスパッタリングなどの通常
の光学薄膜を形成する方法で作成できるが、本特許はデ
ィスクの作成方法そのものによって制限を受けるもので
はない。
【0027】金属反射膜の上に保護のために樹脂層を設
けるのが好ましい、通常は紫外線硬化樹脂を塗布又はス
ピンコートした後硬化して形成することが望ましい。ま
た、同様にして透明基板の光入射側に保護層として透明
な樹脂層、通常は紫外線硬化樹脂層を形成することも望
ましい。ディスクは片面のみを利用した単板仕様として
使用できるほか、2枚のディスクを記録層側の面を向い
合わせにして貼り合わせることにより容量を倍増するこ
とができる。
【0028】これはレーザー照射側と反対側に磁石を必
要とする光磁気型ディスクではできない重要な特徴であ
る。本発明の光ディスクの記録・再生は対物レンズで集
光したレーザービームを使用し、回転する光ディスクの
基板側から照射する。記録時にはパルス状に変調したレ
ーザービームを回転するディスクに照射し、記録層を非
晶質状態から結晶状態に相変化させたビットを形成し、
記録状態とする。
【0029】再生時には記録時のレーザーパワーよりも
低いパワーのレーザー光を回転するディスクに照射す
る。このとき、再生直前の記録層の相状態を変化させて
はならない。反射光の強度変化をフォトディテクタで検
知して、記録又は未記録状態を判定することにより再生
を行なう。
【0030】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り実施例に
限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で用い
たディスク基板にはあらかじめトラッキング用の案内溝
が形成されている。
【0031】参考例1 SbとSnの組成比を70:30(原子比)に固定し、
これにInの含有量を変化させたスパッタリング用ター
ゲットを3種類用意した。用意したターゲットの組成比
In:Sb:Snをこの順序で以下に示す。 ターゲットA(20:56:24)、ターゲットB(1
5:60:25)、ターゲットC(10:63:2
7)。
【0032】これらのターゲットをそれぞれ用いて、ス
ライドガラス上に膜厚300nmで成膜を行った。成膜
したスライドガラスを元のターゲットの記号に対応させ
てそれぞれ、A、B、Cと呼ぶことにする。次に、スラ
イドガラスの成膜面と反対側の面にヒーターを取り付
け、昇温速度0.5℃/秒で加熱し、反射率が大きく変
化する温度(遷移温度)をモニターした。
【0033】結果を図4、図5(白丸でプロット)に示
した。A、B、Cともに遷移温度は128℃以上と高
い。また、AおよびBでは、昇温温度の上昇につれて反
射率の変動が見られた。この膜をX線回折により分析し
たところ、遷移温度近傍ではSbSn結晶のみが析出
し、さらに昇温することによってInSb結晶も合わせ
て析出することがわかった。
【0034】実施例1 基板ディスクの材料にはポリカーボネート(波長780
nmのレーザー光に対して屈折率1.56)を用いた。
記録層はInとSbとSnを主成分とする材料を用い、
組成比はIn:Sb:Snをおよそ15:60:25
(原子比)とした。
【0035】下部誘電体保護膜はZnSとSiO2
(4:1モル比)の混合物とした。反射層にはAlにT
aを2.5mol%を含有する材料を用いた。全ての薄
膜はスパッタリングにより下部誘電体保護膜/記録膜/
反射膜の順に成膜した。各層の膜厚を変えて成膜した結
果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表中の変調度は次のように定義した。ガラ
ス基板上に同じ層構成の膜を積層し、基板側から波長7
80nmのレーザーを結晶化が生じない程度のパワーで
照射した時の反射率をRa、記録膜の遷移温度プラス約
20℃まで昇温して結晶化させた後の反射率をRcとし
たときに、(Rc−Ra)/Rcを変調度とした。
【0038】記録についてはディスクのトラック上に高
パワーのレーザーの収束ビームを照射して、記録層を非
晶質から結晶質に変化させ、その結果生じた結晶化記録
マークからの反射光量の変化によって、記録マークの検
出を行う。ディスクを線速度10m/sで回転させ、7
80nmの半導体レーザー光を開口数0.55の対物レ
ンズで記録膜上に集光し、プッシュプル方式でトラッキ
ング制御を行いながら信号の記録、再生を行った。
【0039】再生パワーは1.5mWとした。記録周波
数は6MHzとし、レーザーのパルス幅は62.5ns
とした。記録レーザーパルスはLowを1.5mW、H
ighを記録パワーとし、2mWから12mWまで1m
Wきざみで変化させた。記録マークのCN比の測定は、
解像帯域幅を30kHzとしてスペクトラムアナライザ
ーで測定した。
【0040】記録マークのジッタ測定は、再生信号をA
Cカップリングした後、適当なハイパスフィルターを通
し、DCスライス法によってタイムインターバルアナラ
イザーに入力してマークジッタを測定した。表1にCN
比の最大値、CN比が50dB以上となる記録パワーの
範囲(パワーマージン)、マークジッタの最小値を示し
た。高いCN比、低いジッタ、記録パワーマージンが広
く、記録再生特性に優れたディスクが得られている。
【0041】参考例2 参考例1の比較用として、SbとSnの組成比を70:
30(原子比)に固定したスパッタリング用ターゲット
を用意した。これをターゲットDと呼ぶことにし、スラ
イドガラス上に膜厚300nmで成膜を行い、これをD
と呼ぶことにする。次に、参考例1と同様にして遷移温
度を測定した。結果を図4、図5(黒丸でプロット)中
に示した。Dの遷移温度は78℃と低く、実施例1の膜
に比べて熱安定性が低い。
【0042】比較例1 下部誘電体保護膜、反射膜がいずれもないことと、記録
膜の膜厚が異なること以外においては、実施例1と同様
にして成膜と測定を行った。測定結果を表2にまとめ
た。実施例1と比べてCN比が低く、ジッタが大きい。
CN比が50dB以上となる記録パワーマージンが存在
しない。
【0043】
【表2】
【0044】比較例2 下部誘電体保護膜、反射膜がいずれもなく、記録膜上に
誘電体保護膜を設けた構成とし、各層の膜厚が異なるこ
と以外においては、実施例1と同様にして成膜と測定を
行った。測定結果を表3にまとめた。
【0045】実施例1と比べてCN比が低く、ジッタが
大きい。CN比が50dB以上となる記録パワーマージ
ンがせまく、さらにパワーをかけていくと一旦CN比が
落ち込んだ後に再上昇し、記録モードが相変化モードか
ら変形モードに変わるような振舞いを示した。
【0046】
【表3】
【0047】比較例3 反射膜がなく、上部誘電体保護膜があり、各層の膜厚が
異なること以外においては、実施例1と同様にして成膜
と測定を行った。測定結果を表4にまとめた。スライド
ガラスの反射率変化の大小を示す指標である変調度の値
が大きいにもかかわらず、ディスク特性は実施例1と比
べて著しく劣っている。
【0048】すなわち、CN比が低く、ジッタが大き
い。CN比が50dB以上となる記録パワーマージンが
せまく、さらにパワーをかけていくと一旦CN比が落ち
込んだ後に再上昇し、記録モードが相変化モードから変
形モードに変わるような振舞いを示した。
【0049】
【表4】
【0050】比較例4 反射膜がなく、各層の膜厚が異なること以外において
は、実施例1と同様にして成膜と測定を行った。測定結
果を表5にまとめた。スライドガラスの反射率変化の大
小を示す指標である変調度の値が比較的大きいにもかか
わらず、ディスク特性は実施例1と比べて著しく劣って
いる。
【0051】すなわち、CN比が低く、ジッタが大き
い。CN比が50dB以上となる記録パワーマージンが
存在しない。
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、樹脂基板の軟化
点と同程度以上の高い遷移温度をもつ記録層のみを規定
しているので、結晶状態からなる記録マーク形状の保存
安定性に優れる。結晶状態は必ずしも単独の結晶状態か
らなっておらず、温度に依存して異なる成長結晶を含
む。すなわち、ガウシアンの強度分布を有する通常のレ
ーザーを照射して記録を行った場合、記録マークの結晶
状態は空間分布的に必然的に不均一となるため、記録層
を通じて結晶状態が同じである特徴をもつ媒体とは異な
る。樹脂基板の低耐熱性による記録時の好ましからざる
熱変形を防ぐために適当な熱保護層と放熱層の膜厚を規
定することで、実施例によりその効果を例証した。ま
た、全体のディスクの層構成を規定することで、高密度
化の手段であるマークエッジ記録に適した低ジッタ(記
録マークのゆらぎの少ない)の高密度ディスクを得るこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の記録膜の組成範囲を示す説明
図である。
【図2】 図2は本発明のより好適な記録膜の組成範囲
を示す説明図である。
【図3】 図3は本発明の記録膜のアニール前後におけ
るX線回折の一例を示す図である。
【図4】 図4は本発明の第1の実施例と第1の比較例
における温度と反射率の関係を示した図である。
【図5】 図5は本発明の第1の実施例と第1の比較例
における記録層組成と遷移温度の関係を示した図であ
る。
【符号の簡単な説明】 A スライドAの遷移温度変化、及び温度と反射率の関
係を示すグラフ B スライドBの遷移温度変化、及び温度と反射率の関
係を示すグラフ C スライドCの遷移温度変化、及び温度と反射率の関
係を示すグラフ D スライドDの遷移温度変化、及び温度と反射率の関
係を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/24 511 8721−5D G11B 7/24 511 534 8721−5D 534N // C23C 14/58 C23C 14/58 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、誘電体保護膜を介して相
    変化型記録膜を形成し、さらに、反射膜を積層した追記
    型光記録媒体において、記録膜の組成をInxSbyS
    nz(5≦x≦25、45≦y≦80、10≦z≦3
    8、x+y+z=100)とし、記録膜の膜厚を10n
    m以上40nm以下とし、反射膜をAlを主成分とする
    合金とし、かつ反射膜の膜厚を20〜200nmとした
    ことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録膜の組成が次式、Inα(Sb100-
    βSnβ)100-α(但し、10≦α≦20、15≦β≦
    35)を満足することを特徴とする請求項1記載の光記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 誘電体保護膜が、ZnSとSiO2混合
    膜であり、SiO2の含量が5〜40mol%であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 誘電体保護膜が、酸化タンタルであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 誘電体保護膜が、硫化タンタルと酸化タ
    ンタルの混合膜であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 透明基板が、樹脂基板である請求項1乃
    至5のいずれかに記載の光記録媒体。
JP8101360A 1996-04-23 1996-04-23 光記録媒体 Pending JPH09286175A (ja)

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JP8101360A JPH09286175A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 光記録媒体

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JP8101360A JPH09286175A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 光記録媒体

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