JPH11353707A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11353707A
JPH11353707A JP10160233A JP16023398A JPH11353707A JP H11353707 A JPH11353707 A JP H11353707A JP 10160233 A JP10160233 A JP 10160233A JP 16023398 A JP16023398 A JP 16023398A JP H11353707 A JPH11353707 A JP H11353707A
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JP
Japan
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recording
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layer
recording medium
optical recording
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JP10160233A
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English (en)
Inventor
Tomoya Yamaho
智也 山舗
Takao Amioka
孝夫 網岡
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クロス消去の発生と、繰り返し記録時の振幅低
下を改善し、高密度かつ繰り返し耐久性に優れた光記録
媒体を提供する。 【解決手段】基板上に少なくとも、第1保護層、記録
層、第2保護層がこの順番に積層され、該記録層に光を
照射することによって、情報の記録、消去、再生が可能
であり、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の
相変化により行われる光記録媒体であって、前記第1保
護層もしくは前記第2保護層が、ZnOx(0.5≦x
<1)を50mol%以上含むことを特徴とする光記録
媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。特に、本発明は、記録情報の消去、
書換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可
能な光ディスクなどの書換可能な相変化型光記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の書換可能相変化光記録媒体の技術
は、以下の如きものである。
【0003】上記光記録媒体は、テルルを主成分とする
記録層を有し、記録時は、結晶状態の記録層に集中した
レーザ光パルスを短時間照射し、記録層を部分的に溶融
する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、
アモルファス状態の記録マークが形成される。この記録
マークの光線反射率は、結晶状態より低く、光学的に記
録信号として再生可能である。また、消去時には、記録
マーク部分にレーザ光を照射し、記録層の融点以下、結
晶化温度以上の温度に加熱することによって、アモルフ
ァス状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に
戻す。これらの書換可能相変化型光記録媒体の記録層と
しては、Ge2Sb2Te5などの合金(N.Yamada etal.Pr
oc.Int.Symp.on Optical Memory 1987 p61-66)が知られ
ている。
【0004】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する保護層を設
け、記録時に記録層に変形、開口が発生することを防い
でいる。さらに、光ビーム入射方向と反対側の保護層
に、光反射性のAl等の金属反射層を積層して設け、光
学的な干渉効果により再生時の信号コントラストを改善
するとともに、冷却効果により、非晶状態の記録マーク
の形成を容易にし、かつ消去特性、繰返し特性を改善す
る技術が知られている。
【0005】上述した文献にも示されているように、保
護層の材料としては、ZnSとSiO2の混合体が用い
られることが極めて多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、相変化
記録媒体の高密度記録対応化に伴い、ZnS−SiO2
など従来の保護層を使用した場合には、オーバーライト
による繰り返し記録時の信号劣化の問題が指摘されてい
る(例えば、N. Yamada et al. Technical Digest Join
t MORIS/ISOM 97 1997 p.294)。また、記録密度の上昇
に伴い、トラックピッチが、使用する光ヘッドのビーム
スポット径に対して、狭くなってきている。トラックピ
ッチが狭くなると、隣接トラックの信号が消去されてし
まうという問題が発生する。上記の2点が、本発明が解
決しようとする課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下の構成からなる。すなわち、「基板上
に少なくとも、第1保護層、記録層、第2保護層がこの
順番に積層され、該記録層に光を照射することによっ
て、情報の記録、消去、再生が可能であり、情報の記録
及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変化により行われ
る光記録媒体であって、前記第1保護層もしくは前記第
2保護層が、ZnOx(0.5≦x<1)を50mol
%以上含むことを特徴とする光記録媒体。」である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において言う基板とは、特
に限定するものではないが、例えば、透明な各種の合成
樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこりや基板の傷
などの影響を避ける目的で、透明基板を用い、収束した
光ビームで基板側から記録を行うこととなる。このよう
な透明基板としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリ
メチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられる。特に、光学
的複屈折が小さく、吸湿性が小さく、成形が容易である
ことからポリカーボネート樹脂、アモルファス・ポリオ
レフィン樹脂が好ましい。また、耐熱性が要求される場
合にはエポキシ樹脂が好ましい。
【0009】基板はフレキシブルなものでもよいし、リ
ジッドなものでもよい。フレキシブルな基板は、テープ
状、シート状、カード状で使用する。リジッドな基板
は、カード状あるいはディスク状で使用する。また、こ
れらの基板は、記録層などを形成した後、2枚の基板を
用いて、エアーサンドイッチ構造、エアーインシデント
構造、密着貼り合わせ構造としてもよい。
【0010】基板の厚さは、特に限定するものではない
が、0.01mm以上5mm以下が実用的である。0.
01mm未満では、基板側から収束した光ビームで記録
する場合でも、ごみの影響を受けやすくなり、5mm以
上では、対物レンズの開口数を大きくすることが困難と
なり、照射光ビームスポットサイズが大きくなるため、
記録密度をあげることが困難となる。
【0011】本発明において言う記録層とは、光の照射
によって、結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことが
できる材料からなる層のことを指す。例えば、以下のよ
うな順序で結晶相と非晶相の相変化を繰り返すことがで
きるもののことを指す。例えば、以下のような方法によ
り相変化を繰り返すものが上げられる。即ち、情報記録
時は、集中したレーザ光パルスを短時間照射し、記録層
を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷
され、固化し、アモルファス状態の記録マークが形成さ
れる。また、消去時には、記録マーク部分にレーザ光を
照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加
熱することによって、アモルファス状態の記録マークを
結晶化し、もとの未記録状態に戻す。記録層の材料の組
成、構成については、特に限定するものではないが、Pd
-Ge-Sb-Te合金、Nb-Ge-Sb-Te合金、Pd-Nb-Ge-Sb-Te合
金、Ni-Ge-Sb-Te合金、Ge-Sb-Te合金、Co-Ge-Sb-Te合
金、In-Sb-Te合金、Ag-In-Sb-Te合金、In-Se合金などが
ある。
【0012】特にPd-Ge-Sb-Te合金、 Nb-Ge-Sb-Te合
金、Pd-Nb-Ge-Sb-Te合金は、消去時間が短く、かつ多数
回の記録消去の繰り返しが可能であり、C/N、消去率
などの記録特性に優れていることから好ましく、とりわ
けPd-Nb-Ge-Sb-Te合金が、前述の特性に優れることから
好ましい。
【0013】また、本発明において言う第1保護層、第
2保護層とは、上記記録層を挟む層のことを指す。記録
層を、保持することにより記録消去再生機能を維持する
ことを目的とする。
【0014】本発明者らは、保護層に要求される特性に
ついて注目し、特に、相変化記録媒体において高密度記
録を行う際に問題となる、繰り返し記録時の信号劣化と
クロス消去の発生について注目した。特に、記録層への
他元素の拡散を防ぎ、それと同時にクロス消去特性を改
善するために、記録層からの熱拡散を促す作用を持つ保
護層材料について、鋭意検討を重ねた。
【0015】その結果、その具体的な方法として、上記
した保護層材料を使用することにより、従来の保護膜材
料が満足できなかった、上記2点の問題を同時に解決す
るにいたった。
【0016】本発明においては、保護層の成分が、少な
くとも50mol%以上、ZnOx(0.5≦x<1)
を含む。このZnOx以外に、その他の構成材料を含ん
でもよいことは言うまでもない。
【0017】ZnOx中のO成分は、好ましくは0.8
≦x<1がよい。雰囲気中での酸化等の影響を受けて、
屈折率や消衰係数の変化が生じたり、熱伝導特性が変化
する恐れが生じるためである。
【0018】また、ZnOxの他に、アルミニウムを含
むことにより、クロス消去特性が改善され好ましい。ア
ルミニウムの含有量が20atom%を越えると、消去
率が低下し、その結果、繰り返し記録特性が悪化するの
で、添加量は20atom%以下が好ましい。
【0019】また、ZnOxの他に、窒素を含むことに
より、繰り返し記録特性が改善され好ましい。窒素の含
有量が20atm%を越えると、消去率、クロス消去特
性が悪化するので、添加量は20atm%以下が好まし
い。Nを含有させることにより、主成分となるZnOx
の結晶状態を変化させることができ、保護層材料の硬度
を調節することによって、記録膜中での応力の発生など
の、機械的な変形を防ぐことが可能となるからである。
【0020】アルミニウムと窒素を同時に含むと、クロ
ス消去特性と繰り返し記録特性が同時に改善され好まし
い。
【0021】保護層中への、ZnOx膜及びアルミニウ
ム、もしくは、窒素の添加方法については、特に限定す
るものではないが、例えば、スパッタリング法を用いた
場合には、スパッタリングターゲットとして、ZnOと
Al23を別々に用意し、同時スパッタリング法によっ
て、作製してもよいし、あるいは1個のターゲット中に
2つの成分を混合したものを使用して作製してもよい。
また、Nの添加には、スパッタリングガスとして一般的
に用いられるArにNを添加して作製することが、簡便
である。
【0022】本発明の光記録媒体の構成部材の代表的な
層構成については、例えば、透明基板/第1保護層/記
録層/第2保護層/反射層の積層体を部材として構成す
るものがあげられるが、これに限定するものではない。
例えば、第1、2保護層はZnOxの成分量が異なる多
層膜構造でもよいし、ZnOxに含有させる他の元素成
分の濃度、種類を変化させてもかまわない。また、いわ
ゆる吸収量補正層を追加する等して、さらに多層化を図
っても良い。
【0023】また、第1保護層の厚さは、光学的な条件
によって決められるが、通常、約50nm〜500nm
である。基板や記録層から剥離し難く、クラックなどの
欠陥が生じ難いことから、50nm〜400nmが好ま
しい。特に記録層の非晶状態と結晶状態の光吸収量差が
小さくできることから、第1保護層の厚さは、次式を満
たすような設定値とすることが望ましい。
【0024】 Nλ/4−0.2λ≦nd1≦Nλ/4+0.2λ ここで、Nは、1、3、及び5から選ばれる整数であ
り、λは記録に用いる波長、nは第1保護層の屈折率
(実部)、d1は第1保護層の厚さである。
【0025】また、記録層の厚さとしては、10nm以
上30nm以下であることが好ましい。記録層の厚さが
上記よりも薄い場合には、繰返しオーバーライトによる
記録特性の劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記よ
りも厚い場合には、繰返しオーバーライトによる記録層
の移動が起りやすくジッタが悪くなる。特に記録、消去
感度が高く、多数回の記録消去が可能である、記録マー
ク形状が均一であることから、10nm以上20nm以
下とすることが好ましい。
【0026】第2保護層の厚さは、1nm以上50nm
以下であることが、記録の書換の繰返しによる劣化が少
ないことから好ましい。耐久性と記録時の記録層の冷却
度を考慮すると、好ましくは5nm以上であり、記録消
去時の記録層の冷却度と、非晶状態の光吸収量が結晶状
態の光吸収量よりも大きくなってしまわないことを考慮
すると、好ましくは40nm以下であればよい。
【0027】また、本発明においていう反射層とは、特
に限定するものではないが、例えば、光反射性を有する
金属、合金、および金属と金属化合物の混合物などがあ
げられる。金属としては、Al、Au、Ag、Cuなど
の高反射率の金属、合金としてはこれらを主成分として
80原子%以上含有し、Ti、Te、Cr、Hfなどの
添加元素を含む合金、金属化合物としては、Al、Si
などの金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物な
どの金属化合物が好ましい。
【0028】Al、Auなどの金属、及びこれらを主成
分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高く
できることから好ましい。前述の合金の例として、Al
にSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、
Nb、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5原子
%以下、0.5原子%以上加えたもの、あるいは、Au
にCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくと
も1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加え
たものなどがある。特に、材料の加工が安くできること
から、Alを主成分とする合金が好ましい。
【0029】とりわけ、Al合金としては、耐腐蝕性が
良好なことから、AlにTi、Cr、Ta、Hf、Z
r、Mn、Pdから選ばれる少なくとも1種以上の金属
を合計で5原子%以下0.5原子%以上添加した合金あ
るいは、Alに合計で5原子%以下のSiとMnを加え
た合金が好ましい。
【0030】特に、耐腐蝕性、熱安定性が高く、ヒロッ
クなどの発生が起り難いことから反射層を、添加元素を
合計で3原子%未満、0.5原子%以上含む、Al−H
f−Pd合金、Al−Hf合金、Al−Ti合金、Al
−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al−Ta合金、
Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のいずれ
のAlを主成分とする合金で構成することが好ましい。
【0031】反射層の膜厚は、十分な反射特性を得られ
ると同時に、記録膜で発生した余剰熱を急速に拡散させ
るに十分な放熱作用をもつのに十分であれば、特に限定
されないが、上記したAl合金の例では、30nm〜2
00nmの範囲であればよい。
【0032】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザ光、ストロボ光の如き高強度の光源であ
り、特に半導体レーザ光は、光源が小型化できること、
消費電力が小さいこと、変調が容易であることから好ま
しい。
【0033】記録は結晶状態の記録層にレーザ光パルス
などを照射することでアモルファスの記録マークを形成
して行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の
記録マークを形成してもよい。消去時は、レーザ光照射
によってアモルファスの記録マークを結晶化するか、若
しくは、結晶状態の記録マークをアモルファス化するこ
とで行うことができる。記録速度を高速化することがで
き、かつ記録層の変形が発生しにくいことから、記録時
はアモルファスの記録マークを形成し、消去時は結晶化
を行う方法が好ましい。
【0034】また、記録マーク形成時は光強度を強く、
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射によって書
換を行う1ビームオーバーライト方式は、書換の所要時
間が短くなることから好ましい。また、記録マークのジ
ッタ特性を向上させることを目的に、記録マーク形成時
の光強度を強めた直後に、急激に光強度を下げる記録方
法、いわゆるオフパルス法などの記録補償が一般的に知
られているが、こうした記録方式を適宜仕様することも
好ましい。
【0035】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。
【0036】吸収量補正層、記録層、反射層などを基板
状に形成する方法としては、真空中での薄膜形成法、例
えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法などがあげられる。特に、組成、膜厚のコントロ
ールが容易であることから、スパッタリング法が好まし
い。
【0037】記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させる
ことが好ましく、さらに公転を組み合わせることがより
好ましい。
【0038】
【実施例】以下、本発明について、実施例により説明す
る。但し、本発明は以下の実施例により限定されるもの
ではない。
【0039】但し、保護層、記録層、反射層の組成は、
ICP発光分析(セイコー電子工業(株)製)により確
認した。また、RBS法によって、窒素や酸素の存在量
を測定した。
【0040】また、C/N及び消去率(記録後と消去後
の再生キャリア信号強度の差)は、スペクトラムアナラ
イザにより測定した。クロス消去特性についても、スペ
クトラムアナライザを用いて行った。
【0041】(実施例1)厚さ0.6mm、直径120
mm、1.2μmピッチ(ランド0.6μm、グルーブ
0.6μm)、溝深さ71nmのスパイラルグルーブ付
ポリカーボネート製基板を40rpmで回転させなが
ら、高周波スパッタ法により、相変化記録媒体を作製し
た。
【0042】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でZnO
をスパッタし、基板上に膜屈折率2.0(波長680n
m)の厚さ210nmの第1保護層を形成した。ZnO
xのO含有量はx=0.98であった。続いて、Pd、
Nb、Ge、Sb、Teからなる合金ターゲットをスパ
ッタして、組成Pd0.3Nb0.5Ge18.5Sb26.7Te54
(原子%)の膜厚20nmの記録層を形成した。さら
に、第1保護層と同じ材質の第2保護層を10nm形成
し、この上に膜厚80nmの反射層を形成した。反射層
材質としては、Hf0.02Pd0.002Al0.978であった。
【0043】さらに、これらの光記録媒体を真空容器よ
り取り出した後、この吸収量補正層上にアクリル系紫外
線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線照射により硬化さ
せて、膜厚10μmの樹脂層を形成し、さらに同一構成
の光記録媒体とホットメルト接着剤で、貼り合せて、本
発明の光記録媒体を得た。貼り合わせ後、バルクイレー
ザー((株)シバソク製)にて初期化を行い、記録層を
結晶化した。
【0044】次に、保護層をスパッタする際にスパッタ
ガス圧を変化させた以外は上記と同様にして、保護層の
ZnOx膜の組成が、それぞれx=0.33、0.5
2、0.84である光記録媒体を得た。
【0045】これらの光記録媒体を線速12m/s(半
径40mm地点で回転数約2900rpm)にて回転さ
せ、対物レンズの開口数0.6、半導体レーザの波長6
80nmの光学ヘッドを使用して、記録消去特性評価実
験を行った。この時の、ビームスポット径をナイフエッ
ジ法にて測定したところ、0.94μmφの真円状であ
った。信号の変調方式は(1−7)RLLを使用した。
まず、2T信号を周波数13.4MHz(信号duty
=50%)で、ピークパワー7〜15mW、ボトムパワ
ー3〜8mWの各条件に変調した半導体レーザ光で10
回オーバーライトした後、再生パワー1mWの半導体レ
ーザ光を照射してバンド幅30kHzの条件でC/Nを
測定した。
【0046】次に、8T信号すなわち3.35MHz
(信号duty=50%)を10回記録し、このあとで
13.4MHzの2T信号をオーバーライトして8T記
録信号の消去率を測定した。消去率は、8T信号の2T
オーバーライト前後でのキャリア変化量で定義した。
【0047】上記の実験をランド及びグルーブの各トラ
ックで行った。次に、それぞれのトラックにおいて、最
適パワーを設定し、クロス消去特性を評価した。
【0048】クロス消去特性の評価方法は以下の通り行
った。まず、中心トラックに、7T信号(周波数約3.
8MHz)を10回記録する。この状態で、7T信号の
キャリア値をスペクトラムアナライザーで測定する。次
に、両隣のトラックに8T信号を1回ずつ記録し、再
度、中央トラックに戻って、7Tキャリア値を再度測定
する。この時、 クロス消去率(dB)=(最初に測定したキャリア値)
−(両隣トラック記録後のキャリア値) と、定義する。
【0049】また、繰り返し記録特性の評価も行った。
繰り返し記録特性評価は以下のように行った。まず、
(1−7)RLL信号のランダム信号を作製した。2T
〜8T信号までが出現する信号列とした。初回から、ラ
ンダム信号を書き始め、10万回までオーバーライトを
加えた後、8T信号を1回記録し、その時のRF信号成
分の大きさを、初回に1回だけ8T記録したときの振幅
を1としたときの相対大きさを評価した。すなわち、 (X回記録での振幅低下量)=(X回記録後の8T振幅
の大きさ)/(1回8T記録後の8T振幅大きさ) とした。上記の指標に応じて、ディスク評価を行った結
果、表1、表2に示すような結果を得た。
【0050】x=0.33のディスクでは、クロス消
去、振幅低下ともに悪かった。特に、振幅低下が激し
い。次に、x=0.52のディスクでは、クロス消去、
振幅低下ともに、特性が改善されてきている。次に、x
=0.84、x=0.98のディスクでは、クロス消
去、振幅低下ともに、さらに、特性が改善されてきてい
る。これらの測定結果から、ZnOx中の、O含有量と
しては、0.5≦x<1であれば、クロス消去、振幅低
下ともに良好な特性を得られることがわかった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】(実施例2)ZnOとAl23を同時スパ
ッタして、ZnOxとアルミニウム(Al)を含む保護
層を作製した以外は、実施例1と同様にして、光記録媒
体を作製し、評価した。Alの元素量をICP発光分析
により測定した結果、保護層中のAl含有量として3.
0atom%、5.0atom%、11.5atom
%、24atom%の4水準の保護層組成の光記録媒体
を得た。ZnOxのO含有量は、すべてx=0.98で
あった。評価結果を表3、表4に示す Al成分を加えていくことにより、クロス消去特性が改
善されていくことがわかる。同時に、Al含有量として
20atom%を越えると、消去率が低下し、その結
果、繰り返し記録特性が悪化することがわかった。すな
わち、Al含有量として、20atom%以下を加える
ことにより、熱伝導特性が変化し、クロス消去特性と繰
り返し記録特性を改善することができることがわかっ
た。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】(実施例3)スパッタガスの中に、窒素を
混合することにより、窒素を含有させた保護層を作製し
た以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製
し、評価した。保護層中の窒素の含有量を、RBS法に
より測定した結果、11atom%、23atom%の
2水準の保護層組成の光記録媒体を得た。ZnOxのO
含有量はすべてx=0.98であった。評価結果を、表
5、表6に示す。
【0057】窒素を含有させることにより、消去率、ク
ロス消去特性が徐々に悪化するが、繰り返しによる振幅
低下が改善されていくことがわかる。これより、20a
tom%以下の窒素を含有させることによって、優れた
繰り返し記録特性を達成できることがわかった。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】(実施例4)ZnOx(x=0.98)に
Alを8.0atom%、窒素を10atom%含有さ
せた保護層を作製した以外は、実施例1と同様にして、
光記録媒体を作製し、評価した。評価結果を、表7、表
8に示す。
【0061】Alを加えることにより、クロス消去特性
を押さえ、さらに窒素を加えることにより、繰り返し時
の信号劣化を防止することができた。
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】(比較例1)ZnS−SiO2を保護層と
して使用した以外は実施例1と同様にして、光記録媒体
を作製し、評価した。その結果、表9、表10のような
結果を得た。クロス消去および繰り返し記録特性の悪化
が見られた。
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
【発明の効果】本発明により、相変化記録媒体におい
て、高密度記録時の問題である、クロス消去の発生と、
繰り返し記録時の振幅低下を改善し、高密度かつ繰り返
し耐久性に優れた光記録媒体を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも、第1保護層、記録
    層、第2保護層がこの順番に積層され、該記録層に光を
    照射することによって、情報の記録、消去、再生が可能
    であり、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の
    相変化により行われる光記録媒体であって、前記第1保
    護層もしくは前記第2保護層が、ZnOx(0.5≦x
    <1)を50mol%以上含むことを特徴とする光記録
    媒体。
  2. 【請求項2】前記第1保護層もしくは前記第2保護層中
    に、アルミニウムを20atom%以下含むことを特徴
    とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】前記第1保護層もしくは前記第2保護層中
    に、窒素を20atom%以下含むことを特徴とする請
    求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】前記第1保護層もしくは前記第2保護層中
    に、アルミニウム20atom%以下および窒素20a
    tom%以下を同時に含むことを特徴とする請求項1記
    載の光記録媒体。
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