JPH10269630A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH10269630A
JPH10269630A JP9076048A JP7604897A JPH10269630A JP H10269630 A JPH10269630 A JP H10269630A JP 9076048 A JP9076048 A JP 9076048A JP 7604897 A JP7604897 A JP 7604897A JP H10269630 A JPH10269630 A JP H10269630A
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JP
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recording
groove
land
dielectric layer
layer
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JP9076048A
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English (en)
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Hitoshi Nobumasa
均 信正
Kunihisa Nagino
邦久 薙野
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Takeshi Arai
猛 新井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルーブとランドの記録特性差を少なくし、
また、多数の書換の繰り返しにおけるセクターの始端部
分、終端部分の劣化が少なく、なおかつ、ジッタ特性が
ランドとグルーブともに良好な書換可能相変化光記録媒
体を提供すること。 【解決手段】 基板の記録層を設けた面にスパイラル状
の案内溝が形成されており、該案内溝(グルーブ)と案
内溝間(ランド)の両方の部分の記録トラックに記録を
行う相変化型書換可能光記録媒体であって、案内溝と案
内溝間の間の傾斜部分の傾きが0.25以上0.60以
下であることを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。特に本発明は、案内溝(グルーブ)
および案内溝間(ランド)の両方の部分に記録情報の消
去、書換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記
録可能な光ディスク、光カード、光テープなどの書換可
能相変化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。
【0003】これらの光記録媒体は、テルルなどを主成
分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態の記録層に
集束したレーザー光パルスを短時間照射し、記録層を部
分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷さ
れ、固化し、アモルファス状態の記録マークが形成され
る。この記録マークの光線反射率は、結晶状態より低
く、光学的に記録信号として再生可能である。
【0004】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0005】これらの書換可能相変化型光記録媒体の記
録層の材料としては、Ge2 Sb2Te5 などの合金
(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp.on Optical Memory 1
987 p61-66)が知られている。
【0006】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形のビームによる高速のオーバーライトが可能で
ある。これらの書換可能型相変化光記録媒体として、光
ディスクが例にあげられるが、光ディスクの基板上には
あらかじめ溝が刻まれ、ランドとグルーブが形成されて
いる。このランドもしくはグルーブの平坦部にレーザー
光が集光されることにより情報信号の記録消去もしくは
再生が行われる。一般的な光ディスクにおいては、通常
ランドもしくはグルーブのどちらか一方にのみ情報信号
が記録され、他方は隣接するトラックを分離するガード
バンドとなっている。このような光ディスクの記録容量
を増加させるために、例えば、光ディスクの信号記録用
の案内溝間(基板に刻まれた凸部(以下単にランドと称
す))と、案内溝(基板に刻まれた凹部(以下単にグル
ーブと称す))の両方に信号を記録して記録容量を増加
させる技術(以下ランド・グルーブ記録と称す)は知ら
れている(特公昭63−57859号公報)。さらに、
例えば位置情報を検出するなどのために案内溝間と案内
溝を波打たせることにより(これをウォブルという)、
信頼性を向上させたり、アクセス速度を高めたり、記録
容量を増加させる技術が考案されている。
【0007】しかしながら、上述したランド・グルーブ
記録では、ランドとグルーブで記録特性が異なったり、
記録消去の繰り返し耐久性が異なる場合がある。これ
は、ランドとグルーブの光学的な違いや、ランドとグル
ーブで放熱状態が異なることなどが主な原因であると考
えられる。このようにランドとグルーブで記録感度や繰
り返し耐久性に差があると、ランドとグルーブで記録パ
ワーを変える必要があり、装置が複雑になる。
【0008】特に、従来のピットポジション記録に替わ
り高密度化が可能なマーク長記録を採用した場合には前
記の課題は、より重大なものとなってくる。この原因の
一つとして、ランドとグルーブの放熱状態が異なること
により、ランドとグルーブの記録の書換の繰り返しによ
る記録層のトラック方向および半径方向への移動の程度
に差が生じることが考えられる。このことは、さらに記
録の書換の繰り返しによるトラッキングの安定性の低下
の原因にもなっていると考えられる。
【0009】特に、ランドとグルーブをウォブルさせる
場合は、繰り返しに関して、記録膜の流動による特性低
下やトラッキングへの悪影響が著しく、ランドおよびグ
ルーブにおいて、良好な繰り返し耐久性を得るのが難し
い。
【0010】ランドとグルーブの記録特性の違いを解決
する方法として、例えば特開平7−130006号公報
では、基板上に形成された凹部の反射層の膜厚が凸部の
反射層の膜厚より厚い、あるいは、凸部の第2誘電体層
の膜厚が凹部の第2誘電体層の膜厚より厚い、等のいず
れかの手段で、ランド部とグルーブ部を同じ放熱条件と
する方法が提案されている。しかし、この方法では反射
層や誘電体層の膜厚を溝幅のオーダーで制御して製膜す
る必要があり、製作時に非常に高度な技術、装置が必要
となり、製造コストが高くなると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グル
ーブとランドの記録特性差を少なくし、また、書換の繰
り返し耐久性を改善し、さらにランドとグルーブにおけ
る書換の繰り返し耐久性の差を少なくした書換可能相変
化型光記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録層に光を
照射することによって、情報の記録、消去、再生が可能
であり、情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の
相変化により行われる光記録媒体であって、基板の記録
層を設けた面にスパイラル状の案内溝が形成されてお
り、該案内溝(以下グルーブと呼ぶ)と案内溝間(以下
ランドと呼ぶ)の両方の部分に記録を行い、かつグルー
ブとランドの間の傾斜部分の傾きが0.15以上1.8
以下であることを特徴とする光記録媒体に関するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体の案内溝と案
内溝間の間の傾斜部分の傾きは0.15以上1.8以下
とするものである。ここで、案内溝と案内溝間の傾斜部
分の傾きは、第1図に示すとおり、溝の底から10%の
位置と溝の頂部から10%の位置の間での傾きy/xを
指す。
【0014】ランドとグルーブの放熱状態の違いについ
ては次のように考えられる。例えば、基板上に第1保護
層、記録層、第2保護層、反射層をこの順に形成して用
いる場合、グルーブに信号を記録する時には、レーザー
光で照射されたグルーブ上の記録層が時間とともに昇温
し、やがて融点を越えて融解する。その後レーザー光の
照射が終わると融解された部分が冷却され、アモルファ
スとなる。反射層の熱伝導率が記録層の熱伝導率に比
べ、非常に大きいために、記録層からの放熱は第2の保
護層を介して反射層へ熱流として拡散する。次に、ラン
ドに信号を記録する時は、ランドはレーザー光投入側に
対して反対側に凸になっているためランドの両端からの
反射層への熱拡散は、上方向だけでなく、斜め上方へも
行われる。すなわちランドではグルーブよりも熱拡散が
起きやすいために、記録層が昇温しにくく、また融解後
の冷却速度は大きい。この記録層の昇温、冷却過程の差
が光ディスクのランドとグルーブにおける記録特性の差
および繰り返し耐久性の差の原因と考えられる。
【0015】上述したように、ランドとグルーブでは幾
何学的関係が異なるため、ランドの方が放熱が大きく、
ランドとグルーブに同じように記録した場合、ランドの
方がマークが小さくなったり、不鮮明になる傾向がある
という問題がある。そこで、発明者らはランドにおける
斜め上方向への熱拡散を小さくするために、ランドとグ
ルーブの間の傾斜を大きくすることを見出した。こうす
ることにより、ランドとグルーブの幾何学的熱拡散の差
を小さくできるが、その効果を得るためには、この傾き
は0.15以上であることが必要である。また、通常、
基板はスタンパーと称する溝を形成した型を用いて加
圧、成形して作製するが、成形時の離型が良好で、機械
特性が良好な基板が得られることから、1.8以下であ
ることが必要である。好ましくは0.25以上1.0以
下であり、製造上のマージン等を考慮すると、0.3以
上、0.7以下がより好ましい。このように、傾斜角度
を成型時の離型に問題にならない程度に大きくすること
により、クロスイレーズ耐久性も向上できる。
【0016】また、ランドとグルーブにおける書換の繰
り返しによる記録層の流動がトラッキングを乱す原因と
考えられるが、グルーブとランドがウォブルしている場
合はこの現象がさらに増幅されるため、ウォブルの幅
は、ウォブルの信号が検出できる範囲で小さい方が好ま
しく、グルーブおよびランドの幅の1%以上、10%以
下が好ましい。より好ましくは2%以上、8%以下であ
る。
【0017】また、本発明の記録媒体では、グルーブと
ランドの間の傾斜部の幅がトラックピッチの25%以下
であると、グルーブが矩形状に近くなり、傾斜部分で記
録した際の熱を遮断し、クロスイレーズ耐久性が向上す
るので好ましい。ただし、グルーブとランドの間の傾斜
部の幅がトラックピッチの3%未満の場合、傾斜角が大
きすぎる場合と同様、基板成形の際、スタンパーから基
板を剥離しにくくなる。すなわち、グルーブとランドの
間の傾斜部の幅は3%以上、25%以下が好ましい。
【0018】さらに、本発明の光記録媒体では、クロス
トークを減少させて、ランドとグルーブの記録特性差を
小さくできる点から、グルーブ深さを再生光の波長の1
/7以上1/5以下の光路長とすることが好ましい。グ
ルーブ深さが再生光の波長の1/7未満もしくは1/5
を越える光路長の場合は、クロストークが大きくなり、
正確な再生が困難になる。
【0019】さらにまた、本発明のトラックピッチ(T
p)(μm)は、クロスイレーズを小さくすることと、
高密度記録の観点から Tp=a・λ/NA(λは記録再生光波長(μm)、N
Aはレンズ開口数) 0.9≦a≦1.5 の範囲におさめることが好ましい。また、トラックピッ
チに対するランドおよびグルーブの平坦部の割合は、ラ
ンドとグルーブの再生信号の振幅差を少なくすることか
ら、0.4以上、0.6以下が好ましい。結局、トラッ
クピッチがλ/NA以上、1.5λ/NA以下であり、
ランドとグルーブの平坦部の割合を0.4以上、0.6
以下であることにより、高密度記録で、ランドとグルー
ブの記録特性をそろえることができることから好まし
い。
【0020】本発明の光記録媒体の構成部材の代表的な
層構成は、例えば、透明基板/第1誘電体層/第2誘電
体層/記録層/第3誘電体層/反射層の積層体を部材と
して構成するものである。但しこれに限定するものでは
なく、第1誘電体層と第2誘電体層が同じ材料であって
もかまわない。
【0021】また、ランドとグルーブの熱的環境の違い
による再生信号の違いを補正するためと、さらに、ウォ
ブルしたランドやグルーブで記録消去の繰り返しを行う
時にウォブルによる流動の悪化、トラッキングの悪化を
防ぐため、さらにまた、再生信号振幅を大きく取る点
や、クロスイレーズの発生を防いだり、クロストークを
低減するために、予め記録層におけるランドの幅とグル
ーブの幅、記録マークの幅を、(Wag−Ww)/2≦Wm
g≦Wag−Ww、および、(Wal−Ww)/2≦Wml≦Wa
l−Wwとすることが好ましい。
【0022】ただし、記録層におけるグルーブの幅:W
ag(μm)、記録層におけるランドの幅:Wal(μm)、
ランドおよびグルーブのウォブル幅:Ww(μm)、グル
ーブに記録された記録マークの幅:Wmg(μm)、ラン
ドに記録された記録マークの幅:Wml(μm)、であ
る。ウォブルの幅とランドおよびグルーブの幅およびラ
ンドとグルーブに記録された記録マークの幅の関係を第
2図に示す。記録マークがこの上記範囲内であると、書
換の繰り返しによる消し残りや流動がウォブルの影響を
受けにくく、好ましい。再生時の信号強度も考慮する
と、より好ましくは 0.5×(Wag−Ww)≦Wmg≦0.9×(Wag−Ww) および 0.5×(Wal−Ww)≦Wml≦0.9×(Wal−Ww) である。
【0023】本発明の光記録媒体において、基板と記録
層の間の誘電体層は、熱伝導率、硬度、ヤング率、ある
いは記録層に対するぬれ性、拡散性、などの、主として
記録層との関係から適切な材料が選択される。一方、こ
の選択された誘電体の特性が、基板との関係では必ずし
も適切ではない場合がある。そのため、基板と記録層の
間の誘電体層を基板側と記録層側とで異なった材料によ
る第1誘電体層と第2誘電体層による2層構成とするこ
とにより、ランド・グルーブ記録の記録書換繰り返しに
おけるランドとグルーブの始終端の劣化およびジッタの
悪化がおこりにくく、また、ランドとグルーブでこれら
の特性に差が生じにくくなるように改良するように構成
できる。
【0024】記録層の熱負荷を少なくすることと、基板
への熱ダメージを小さくすることから、第1誘電体層あ
るいは第2誘電体層の熱伝導率が、第3誘電体層の熱伝
導率以上であることが好ましい。このように設計するこ
とにより、記録層からの熱拡散による放熱があり、上述
したランドとグルーブの幾何学的関係によるランドとグ
ルーブの記録層からの放熱状態の違いを小さくできる。
また、第1誘電体層の熱伝導率が大きい場合、感度をあ
まり下げることなく基板側に熱拡散による放熱があるこ
とから、より好ましい。
【0025】さらに、入射光を取り込みやすくするため
に、第1誘電体層は記録光波長において実質的に透明で
あり、かつその屈折率は第2誘電体層の屈折率よりも小
さいことが好ましい。
【0026】このような第1誘電体層の材料としては、
例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫
化物、金属セレン化物などの金属化合物、およびその混
合物である。 高硬度層の材質としては、より具体的に
は、例えば、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、N
b、In、Sn、Pbなどの金属の酸化物の薄膜(例え
ばSiOx (1≦x≦2)、Al23、TiO2 、Ta
25、Nb23、MgO、SrTiO3 、ITOな
ど)、光学ガラス(例えば、BK7など)、Si、A
l、Ge、Ti、Zr、Ta、Nbなどの窒化物の薄膜
(例えばSi3 4 、AlNなど)、Si、Ti、Z
r、Hfなどの炭化物の薄膜及びこれらの化合物の混合
物の膜が好ましい。また、これらに炭素、SiCなどの
炭化物、MgF2などのフッ化物を混合したものも、膜
の残留応力が小さいことから好ましい。
【0027】膜形成速度、材料コスト、実用性などを鑑
みると、SiOx (1≦x≦2)、GeOx (1≦x≦
2)、 Ta25-x(0≦x≦1)、Al23-x(0≦
x≦1)、TiO2-x (0≦x≦1)、Ta25-x(0
≦x≦1)、ZrO2-x (0≦x≦1)、Nb2
5-x(0≦x≦1)、Si34-x(0≦x≦1)、 Al
x(0.5≦x≦1)、光学ガラスなどがより好まし
い。
【0028】本発明の第1誘電体層を形成する時は、こ
れらの1種あるいは2種以上を同時蒸着して形成した
り、あるいは、一つのターゲットとして蒸着してもかま
わない。
【0029】膜形成速度、材料コスト、実用性などを鑑
みると、基板保護層は、反応性スパッタリング法により
成膜することが好ましい。特に、金属ターゲットとDC
電源を用い、反応性スパッタリング法を行って、上記の
基板保護層を成膜すれば、装置の価格を安くでき、なお
かつ、成膜速度を早くできるのでさらに好ましい。
【0030】本発明の第1、第2および第3誘電体層に
は、記録時に基板、記録層などが熱によって変形し、記
録特性が劣化することを防止する効果と、光学的な干渉
効果により、再生時の信号コントラストを改善する効果
とがある。
【0031】ディスクの光学的な設計を容易にする点か
ら、第1誘電体層の屈折率、第2誘電体層の屈折率の少
なくともどちらかが、1.6以上であり、第3誘電体層
の屈折率と第1誘電体層の屈折率の差が、−0.2以
上、0.2以下、もしくは、第3誘電体層の屈折率と第
2誘電体層の屈折率の差が、−0.2以上、0.2以下
であることが好ましい。
【0032】第2誘電体層の材質としては、ZnSの薄
膜、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、Nb、I
n、Sn、Pbなどの金属の酸化物の薄膜、Si、A
l、Ge、Ti、Zr、Ta、Nbなどの窒化物の薄
膜、Si、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜及びこ
れらの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高いことから好
ましい。また、これらに炭素、SiCなどの炭化物、M
gF2 などのフッ化物を混合したものも、膜の残留応力
が小さいことから好ましい。特に、記録光波長において
実質的に透明であり、かつその屈折率が、透明基板の屈
折率より大きく、記録層の屈折率より小さい、ZnSと
SiO2 の混合物からなる膜を用いることが好ましい。
また、光を吸収し、記録、消去に効率的に熱エネルギー
として用いることができることから、透明でない材料か
ら形成されることも好ましい。例えば、ZnSとSiO
2 と炭素の混合物は、膜の残留応力が小さいこと、記
録、消去の繰り返しによっても、記録感度、キャリア対
ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化が起きにくいこ
とからも好ましい。
【0033】第1誘電体層の厚さは、10nm以上であ
ることが望ましい。10nmよりも薄い場合、第1誘電
体層にクラック等が生じることがあり、かえって繰り返
し耐久性に対して悪影響をおよぼす場合がある。記録の
書換の繰り返しに対して第1誘電体層の十分な効果を得
るためには20nm以上が好ましく、より好ましくは3
0nm以上である。コストおよび、後述する第1誘電体
層および第2誘電体層の厚さの和の好ましい範囲から、
第1誘電体層の厚さは100nm以下が望ましく、光学
設計の点から、50nm以下が好ましい。より好ましく
は45nm以下である。
【0034】第1誘電体層と第2誘電体層の厚さは、光
学的な条件により決められるが、両者の和は、およそ1
0nm〜500nmである。基板や記録層から剥離し難
く、クラックなどの欠陥が生じ難いことから、50〜4
00nmが好ましい。
【0035】本発明の第3誘電体層の材質は、第1誘電
体層や第2誘電体層の材料としてあげたものと同様のも
のでも良いし、異種の材料であってもよい。例えば、第
3誘電体層の材質は、ZnS、SiO2 、酸化アルミニ
ウム、窒化シリコン、ZrC、ZnSeなどの金属硫化
物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属セレン
化物の金属化合物、およびその混合物である。また、こ
れら透明な材料でもよいが、透明でない材料から形成さ
れることが好ましい。この層で光を吸収し、記録、消去
に効率的に熱エネルギーとして用いることができる。
【0036】第3誘電体層の具体的な材料としては、Z
nSの薄膜、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、N
b、In、Sn、Pbなどの金属の酸化物の薄膜、S
i、Al、Ge、Ti、Zr、Ta、Nなどの窒化物の
薄膜、Si、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜及び
これらの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高いことから
好ましい。また、これらに炭素、SiCなどの炭化物、
MgF2 などのフッ化物を混合したものも、膜の残留応
力が小さいことから好ましい。特にZnSとSiO2
混合膜あるいはZnSとSiO2 と炭素の混合物は、繰
り返しによる記録特性の低下が起きにくいことから好ま
しい。
【0037】第3誘電体層の厚さは、3nm以上50n
m以下が必要である。第3誘電体層の厚さが上記より薄
いと、クラック等の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下
するために好ましくない。また、第3誘電体層の厚さ
が、上記より厚いと記録層の冷却度が低くなるために好
ましくない。第3誘電体層の厚さは記録層の冷却に関
し、より直接的に影響が大きく、より良好な消去特性
や、繰り返し耐久性を得るために、また、特にマーク長
記録の場合に良好な記録・消去特性を得るために、30
nm以下がより効果的である。
【0038】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、In−Se合金、Ge−Sb−Te合
金、In−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合
金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−
Sb−Te合金、Ag−Ge−Sb−Te合金、Al−
Ge−Sb−Te合金、Si−Ge−Sb−Te合金、
V−Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合
金、V−Ag−In−Sb−Te合金、Pd−Nb−G
e−Sb−Te合金などがある。
【0039】特にGe−Sb−Te合金、Pd−Ge−
Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−
Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te
合金は、消去時間が短く、かつ多数回の記録、消去の繰
り返しが可能であり、C/N、消去率などの記録特性に
優れることから好ましい。
【0040】本発明の記録層の厚さとしては、5nm以
上40nm以下であることが好ましい。記録層の厚さが
上記よりも薄い場合は、繰返しオーバーライトによる記
録特性の劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記より
も厚い場合は、繰返しオーバーライトによる記録層の移
動が起りやすくジッタが悪化が激しくなる。特に、マー
ク長記録を採用する場合は、ピットポジション記録の場
合に比べ、記録、消去による記録層の移動が起こりやす
く、これを防ぐため、記録時の記録層の冷却をより大き
くする必要があり、記録層の厚さは、好ましくは10n
m〜35nm、より好ましくは10nm〜24nmであ
る。
【0041】反射層の材質としては、光反射性を有する
金属、合金、および金属と金属化合物の混合物などがあ
げられる。金属としては、Al、Au、Ag、Cuなど
の高反射率の金属、合金としてはこれらを主成分として
80原子%以上含有し、Ti、Te、Cr、Hfなどの
添加元素を含む合金、金属化合物としては、Al、Si
などの金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物な
どの金属化合物が好ましい。
【0042】Al、Auなどの金属、及びこれらを主成
分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高く
できることから好ましい。前述の合金の例として、Al
にSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、
Nb、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5原子
%以下、0.5原子%以上加えたもの、あるいは、Au
にCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくと
も1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加え
たものなどがある。特に、材料の価格が安くできること
から、Alを主成分とする合金が好ましい。
【0043】とりわけ、Al合金としては、耐腐食性が
良好なことから、AlにTi、Cr、Ta、Hf、Z
r、Mn、Pdから選ばれる少なくとも1種以上の金属
を合計で5原子%以下0.5原子%以上添加した合金あ
るいは、Alに合計で5原子%以下のSiとMnを加え
た合金が好ましい。
【0044】特に、耐腐食性、熱安定性が高く、ヒロッ
クなどの発生が起り難いことから反射層を、添加元素を
合計で3原子%未満、0.5原子%以上含む、Al−H
f−Pd合金、Al−Hf合金、Al−Ti合金、Al
−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al−Ta合金、
Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のいずれ
かのAlを主成分とする合金で構成することが好まし
い。
【0045】反射層の厚さとしては、通常、おおむね1
0nm以上300nm以下である。記録感度を高く、再
生信号強度が大きくできることから20nm以上200
nm以下が好ましい。
【0046】また、高線速、高密度化にともない、オー
バーライト時にオーバーライト前の記録膜の状態が結晶
相か非晶相かにより、記録マーク歪みが生じるが、この
ような場合は、記録膜が結晶相の場合と非晶相の場合の
光吸収量差を調整することを主な目的として、反射層と
第3誘電体層の間に光を一部吸収したり、透過させたり
できる層厚さで、Ti、Zr、Hf、Cr、Ta、M
o、Mn、W、Nb、Rh、Ni、Fe、Pt、Os、
Co、Zn、Pd、Siやこれらの合金、Ti、Nb、
MoあるいはTeを必須とする高融点の炭化物、酸化
物、ホウ化物、窒化物、およびこれらの混合物などから
なる吸収量補正層を形成することが好ましい。
【0047】記録感度が高く、高速でシングルビーム・
オーバーライトが可能であり、かつ消去率が大きく消去
特性が良好であり、かつ、記録の書換の繰り返しによる
記録の始終端の劣化が少なく、ジッタ悪化が少ないこと
から、次のごとく、光記録媒体の主要部を構成すること
が好ましい。
【0048】すなわち、第1誘電体層がSiOx (1≦
x≦2)やSiOx を主成分とする誘電体層や、その
他、酸化物、窒化物、炭化物の単一膜や混合膜を用い、
第2誘電体層がSiO2 の混合比が15〜35モル%の
ZnSとSiO2 の混合膜あるいはZnSとSiO2
炭素の混合膜やGeOx (1≦x≦2)などであり、か
つ記録層としてGe、Sb、Teの元素を少なくとも含
む合金を用い、かつ、第2誘電体層がSiO2 の混合比
が15〜35モル%のZnSとSiO2 の混合膜あるい
はZnSとSiO2 と炭素の混合膜であり、第2誘電体
層の厚さを3nm以上50nm以下で構成し、かつ記録
層の厚さを5nm以上40nm以下で構成し、かつ記録
層の組成が次式で表される範囲にあることが好ましい。
【0049】 (Mx Sby Te1-x-y1-z (Te0.5 Ge0.5z 0≦x≦0.05 0.35≦y≦0.65 0.2≦z≦0.5 ここで、Mはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバ
ルトから選ばれる少なくとも1種の金属、Sbはアンチ
モン、Teはテルル、Geはゲルマニウムを表す。ま
た、x、y、zおよび数字は、各元素の原子数比(各元
素のモル比)を表す。また、上記構成の第2誘電体層上
に、反射層としてAl合金を、厚さ20nm〜200n
mで構成することが好ましい。
【0050】本発明の基板の材料としては、透明な各種
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこり、基
板の傷などの影響をさける目的で、透明基板を用い、集
束した光ビームで基板側から記録を行なうことが好まし
く、この様な透明基板材料としては、ガラス、ポリカー
ボネート、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられ
る。
【0051】特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小
さく、成形が容易であることからポリカーボネート樹
脂、アモルファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。ま
た耐熱性が要求される場合には、エポキシ樹脂が好まし
い。
【0052】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビ−ムで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。基板はフレキシブルなもの
であっても良いし、リジッドなものであっても良い。フ
レキシブルな基板は、テープ状、シート状、カ−ド状で
使用する。リジッドな基板は、カード状、あるいはディ
スク状で使用する。また、これらの基板は、記録層など
を形成した後、2枚の基板を用いて、エアーサンドイッ
チ構造、エアーインシデント構造、密着張合せ構造とし
てもよい。
【0053】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0054】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。
【0055】記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
【0056】また、記録マーク形成時は光強度を高く、
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射により書換
を行う1ビーム・オーバーライトは、書換の所要時間が
短くなることから好ましい。
【0057】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。高硬度層、第1誘電体層、記録層、第2誘
電体層、反射層などを基板上に形成する方法としては、
真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法などがあげられる。特
に組成、膜厚のコントロールが容易であることから、ス
パッタリング法が好ましい。
【0058】形成する記録層などの厚さの制御は、水晶
振動子膜厚計などで、堆積状態をモニタリングすること
で、容易に行える。
【0059】記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させる
ことが好ましく、さらに公転を組合わせることが、より
好ましい。
【0060】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2 、ZnS−SiO2 、などの
誘電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを必
要に応じて設けてもよい。また、基板にはハブなどを必
要に応じて設けてもよい。さらにまた、反射層を形成し
た後、あるいはさらに前述の樹脂保護層を形成した後、
2枚の基板を対向して、接着剤で張り合わせてもよい。
記録層は、実際に記録を行なう前に、予めレーザ光、キ
セノンフラッシュランプなどの光を照射し、結晶化させ
ておくことが好ましい。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
また、ジッタはタイムインターバルアナライザにより測
定した。記録領域部の始終端の劣化距離(波形の潰れ)
はオシロスコープにより観察した。
【0062】記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚
は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。また各層の
厚さは、走査型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察
することにより測定した。
【0063】(実施例1)厚さ0.6mm、直径12c
mで案内溝と案内溝間の間の傾斜が0.6であり、トラ
ックピッチ1.48μm、基板のグルーブの半値幅が
0.77μm、基板のランドの半値幅が0.71μmであ
り、基板のグルーブ深さが72nm、ランドとグルーブの
傾斜部分の幅が0.096μm、ウォブルの幅が0.0
3μmであるスパイラルグルーブ付きポリカーボネート
製基板を毎分30回転で回転させながら、高周波スパッ
タ法により、誘電体層、記録層、反射層を形成した。
【0064】まず、真空容器内を1×10-3Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス零囲気中でSiO
2 ターゲットをスパッタし、基板上に40nmの第1誘
電体層を形成した。さらに、SiO2 を20mol%添
加したZnSをスパッタし、基板上に膜厚100nmの
第2誘電体層を形成した。
【0065】SiO2 の屈折率は1.5であり、第1誘
電体層であるZnS・SiO2 の熱伝導率は2.1であ
る。
【0066】続いて、Ge、Sb、Teからなる合金タ
ーゲットをスパッタして、厚さ20nmの記録層を形成
した。さらにSiO2 を20mol%添加したZnSの
第3誘電体層を15nm形成し、この上に、Al−Hf
− Pd合金をスパッタして膜厚120nmの反射層を
形成し、本発明の光記録媒体を得た。
【0067】SiO2 の熱伝導率は9W/mKであり、
第3誘電体層であるZnS・SiO2 の熱伝導率は1W
/mKである。
【0068】この光記録媒体に波長830nmの半導体
レーザのビームでディスク全面の記録層を結晶化し初期
化した。
【0069】次に、ランドとグルーブに、それぞれ線速
度6m/秒の条件で、対物レンズの開口数0.6、半導
体レーザの波長680nmの光学ヘッドを使用して、8
/16変調のランダムパターンをマーク長記録によって
10回オーバーライトした。
【0070】この時、記録レーザー波形は、マルチパル
スを用いた。また、この時のウィンドウ幅は、34ns
とした。また、記録パワー、消去パワーはそれぞれ、1
0.0mW、4.5mWとした。
【0071】なお、オーバーライトの際にはデータ群
(記録マーク)の書き始めと、書き終わりを、ディスク
上の一つの点に固定した。また、データの書き始め部分
と、書き終わり部分の間の距離は、1cmとし、この部
分のみをオーバーライトした。
【0072】この時、ランドとグルーブのジッタを測定
したところ、いずれもウインドウ幅の7%と実用上十分
小さいことが確認できた。
【0073】さらに、ランドとグルーブに同様の条件で
10万回オーバーライトした。10万回オーバーライト
後の、データの書き始め部分と、書き終わり部分の波形
の潰れを観察したところ、それぞれ、ランドでは4μ
m、1μm、グルーブでは3μm、1μmであり、実用
上問題がないと確認できた。また、ランドとグルーブの
10万回オーバーライトした部分のジッタを測定したと
ころ、いずれもウインドウ幅の9%と実用上十分小さい
と確認できた。
【0074】なお、このディスクをSEMと平面および
断面TEMにより記録層の位置における形状を測定した
ところ、ウォブルの幅は0.03μm、グルーブの半値
幅は0.75μm、ランドの半値幅は0.73μm、グル
ーブにおける記録マークの幅は0.62μm、ランドに
おける記録マークの幅は0.63μmであった。
【0075】(実施例2、3)基板として、表1に示す
形状のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板
を用いた以外は、実施例1と同様にしてディスクを作製
した。
【0076】実施例1と同様に記録特性の評価を行った
ところ、表1に示す結果が得られた。ランドとグルーブ
の10回オーバーライト後のジッタ、10万回オーバー
ライト後のジッタ、いずれも実用上十分小さいと確認で
きた。
【0077】(比較例1)第1誘電体層を省き、さら
に、案内溝と案内溝間の間の傾斜部分の傾きが0.1で
ある他は、実施例1と同様のディスクを得た。実施例1
と同様な測定を行ったところ、10回オーバーライト後
のランドのジッタが11%と大きく、さらに、10万回
オーバーライト後のジッタはランドおよびグルーブとも
に15%以上と大きくなった。
【0078】(比較例2)基板として、表1に示す形状
のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を用
いた以外は、実施例1と同様にしてディスクを作製し
た。実施例1と同様な測定を行ったところ、10回オー
バーライト後のランドのジッタが12%と大きく、さら
に、10万回オーバーライト後のジッタはランドおよび
グルーブともに15%以上と大きくなった。
【0079】(比較例3)基板として、表1に示す形状
のスパイラルグルーブ付きポリカーボネート製基板を用
いた以外は、実施例1と同様にしてディスクを作製し
た。基板の機械特性が悪く、記録特性の測定ができなか
った。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、以下の効
果が得られた。
【0082】(1)グルーブとランドの記録特性差を小
さくできる。
【0083】(2)多数回の記録、消去を行ってもジッ
タの悪化やセクター始端部分、終端部分の劣化が大き
く、かつグルーブとランドの繰り返し耐久性の差を小さ
くできる。
【0084】(3)スパッタ法により、容易に製作でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による光記録媒体の断面概略図を示す
【図2】 本発明による光記録媒体の平面概略図を示す
【符号の説明】
1 反射層 2 第3誘電体層 3 記録層 4 第2誘電体層 5 第1誘電体層 6 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 猛 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録層に光を照射することによって、情
    報の記録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消
    去が、非晶相と結晶相の間の相変化により行われる光記
    録媒体であって、基板の記録層を設けた面にスパイラル
    状の案内溝が形成されており、該案内溝(以下グルーブ
    と呼ぶ)と案内溝間(以下ランドと呼ぶ)の両方の部分
    に記録を行い、かつグルーブとランドの間の傾斜部分の
    傾きが0.15以上1.8以下であることを特徴とする
    光記録媒体。
  2. 【請求項2】 グルーブとランドがウォブルされてお
    り、かつ該ウォブルの幅がそれぞれ該グルーブおよび該
    ランドの幅の1%以上、10%以下であることを特徴と
    する請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 グルーブとランドの傾斜部分の幅が、ト
    ラックピッチの3%以上、25%以下であることを特徴
    とする請求項1または2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 グルーブの溝深さが再生光の波長の1/
    7以上、1/5以下の光路長であることを特徴とする請
    求項1または2記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 トラックピッチをTp(μm)、記録層
    におけるグルーブの幅をWag(μm)、および記録層に
    おけるランドの幅をWal(μm)レンズの開口数をN
    A、再生波長をλ(μm)としたとき、これらが下記の
    式の関係にあることを特徴とする請求項1または2記載
    の光記録媒体。 Tp=a・λ/NA ここで、0.9≦a≦1.5 Wag=Tp・b ここで、0.2≦b≦0.6 Wal=Tp・c ここで、0.2≦c≦0.6
  6. 【請求項6】 記録層におけるグルーブの幅をWag(μ
    m)、記録層におけるランドの幅をWal(μm)、グルー
    ブおよびランドのウォブル幅をWw(μm)、さらにグル
    ーブに記録された記録マークの幅をWmg(μm)、ラン
    ドに記録された記録マークの幅をWml(μm)としたと
    き、(Wag−Ww)/2≦Wmg≦Wag−Ww、(Wal−W
    w)/2≦Wml≦Wal−Ww、かつ、0.8≦Wal/Wag
    ≦1.2であることを特徴とする請求項2記載の光記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 基板上に少なくとも第1誘電体層、第2
    誘電体層、記録層、第3誘電体層および反射層をこの順
    に有し、かつ第3誘電体層の厚さが3nm以上50nm
    以下であることを特徴とする請求項1、2、6いずれか
    に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 第1誘電体層あるいは第2誘電体層の熱
    伝導率が第3誘電体層の熱伝導率以上であることを特徴
    とする請求項7記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 第1誘電体層の屈折率が第2誘電体層の
    屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項7記載の光
    記録媒体。
  10. 【請求項10】 第1誘電体層の厚さが10nm以上で
    あることを特徴とする請求項7記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 記録消去に用いるレーザー波長におけ
    る第1誘電体層の屈折率、もしくは、第2誘電体層の屈
    折率の少なくともどちらかが1.6以上であることを特
    徴とする請求項7記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 記録消去に用いるレーザー波長にお
    ける第3誘電体層の屈折率と第1誘電体層の屈折率の差
    が、−0.2以上、0.2以下、もしくは、第3誘電体
    層の屈折率と第2誘電体層の屈折率の差が、−0.2以
    上、0.2以下であることを特徴とする請求項7記載の
    光記録媒体。
  13. 【請求項13】 記録層の厚さが5nm以上40nm以
    下であることを特徴とする請求項7記載の光記録媒体。
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WO2005117005A1 (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Ricoh Company, Ltd. 多層情報記録媒体、情報記録装置、および情報再生装置

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005117005A1 (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Ricoh Company, Ltd. 多層情報記録媒体、情報記録装置、および情報再生装置
JP2006012383A (ja) * 2004-05-25 2006-01-12 Ricoh Co Ltd 多層情報記録媒体および情報記録装置ならびに情報再生装置
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