JPH11339316A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11339316A
JPH11339316A JP10214534A JP21453498A JPH11339316A JP H11339316 A JPH11339316 A JP H11339316A JP 10214534 A JP10214534 A JP 10214534A JP 21453498 A JP21453498 A JP 21453498A JP H11339316 A JPH11339316 A JP H11339316A
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Japan
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nitride
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erasing
recording medium
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Application number
JP10214534A
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English (en)
Inventor
Hideo Nakakuki
英夫 中久喜
Kunihisa Nagino
邦久 薙野
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Hitoshi Nobumasa
均 信正
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジッタ特性の悪化、セクター記録の開始端、
終了端の記録波形の劣化、信号の振幅の低下、バースト
欠陥の発生などの繰り返しオーバーライトによる劣化が
少なく、保存耐久性に優れ、高線速、高密度の記録条件
においても良好な消去特性が得られる書換可能相変化光
記録媒体を提供すること。 【解決手段】 基板上に少なくとも記録層および反射層
がこの順で積層されている光記録媒体であって、記録層
に接するようにその片側もしくは両側に窒化物よりなる
層を設けたことを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変化型
光記録媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。
【0004】これらの光記録媒体は、テルルなどを主成
分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態の記録層に
集束したレーザー光パルスを短時間照射し、記録層を部
分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷さ
れ、固化し、アモルファス状態の記録マークが形成され
る。この記録マークの光線反射率は、結晶状態より低
く、光学的に記録信号として再生可能である。
【0005】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0006】これらの書換可能相変化型光記録媒体の記
録層の材料としては、Ge2 Sb2Te5 などの合金
(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp.on Optical Memory 1
987 p61-66)が知られている。
【0007】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
それぞれ1層ずつ設け、記録時に記録層に変形、開口が
発生することを防いでいる。さらに、光ビーム入射方向
と反対側の誘電体層に、光反射性のAlなどの金属反射
層を積層して設け、光学的な干渉効果により再生時の信
号コントラストを改善する技術が知られている。
【0008】前述の従来の書換可能相変化型光記録媒体
における課題は、以下のようなものである。
【0009】すなわち、従来のディスク構造では、オー
バーライトの繰り返しに伴い、ジッタ特性の悪化、セク
ター記録の開始端、終了端の記録波形の劣化、信号の振
幅の低下(コントラストの低下)などが生じる。この原
因として記録層の物質移動による記録層の膜厚の変化
や、保護層中の硫黄が記録層中に拡散し光学特性に変化
をもたらすことなどが考えられている。また、保護層の
クラックの成長によるバースト欠陥が生じることもあ
る。
【0010】また、すでに信号が記録してあるディスク
を長時間放置した後オーバーライトを行うと(以降オー
バーライトシェルフと呼ぶ)、ジッタ特性が悪化しエラ
ーとなってしまう問題があった。このためディスクの保
存耐久性に難点があった。
【0011】さらには、より一層の高密度化、高速化が
求められる中で、相変化型光記録媒体においても高密度
化や高速化が検討されているが、これに伴い消去特性の
低下という問題が生じる。このことがマーク長記録にお
いては安定した記録、再生の障害となり、高密度化、高
線速化の達成を困難にしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
にジッタ特性の悪化、セクターの始終端劣化、コントラ
ストの低下、バースト欠陥の発生などの、繰り返しオー
バーライトによる劣化が少ないこと、第2にオーバーラ
イトシェルフ特性に優れていること、第3に高線速、高
密度の記録条件においても消去特性が良好であることを
特徴とする書換可能相変化型光記録媒体を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された記録層に光を照射することによって、情報の記
録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消去が、
非晶相と結晶相の間の相変化により行われ、基板上に少
なくとも記録層および反射層がこの順で積層されている
光記録媒体であって、記録層に接するようにその両側も
しくは片側に窒化物よりなる層を設けたことを特徴とす
る光記録媒体に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明が解決しようとする課題で
ある繰り返しオーバーライトによる劣化、すなわちジッ
タ特性の悪化、セクタ始終端の劣化、振幅の低下は記録
層材料の物質移動や、誘電体層中の硫黄の記録層中への
拡散などが原因であると考えられている。また、オーバ
ーライトシェルフ特性の悪化は、消去特性の劣化が原因
である。これは、記録マーク(非晶層)を長時間放置す
ることにより、原子配列等の状態が変化するか、もしく
は誘電体層と記録層が反応するなどの理由が考えられ
る。さらにまた、高線速化、高密度化を実現するにあた
り、消去特性の低下という問題が生じるのは、記録層が
結晶化温度以上に保持される時間が短くなることなどが
原因であると考えられる。
【0015】本発明者らは鋭意実験を行うことにより、
窒化物層を記録層に接するように設けると、繰り返しオ
ーバーライトによる劣化、オーバーライトシェルフ特性
の悪化、高線速、高密度における消去特性の低下などの
問題が改良できることを見出した。
【0016】すなわち、本発明の光記録媒体の構成部材
の代表的な層構成は、透明基板上に第1誘電体層、窒化
物層、記録層、第2誘電体層、反射層をこの順に積層し
たものである。但しこれに限定するものではない。
【0017】本発明の光記録媒体では、窒化物層を記録
層に接して形成する必要がある。これには以下のような
効果がある。
【0018】第1に、記録層の物質移動を抑制し、また
誘電体層から記録層への硫黄の拡散を防ぐことにより繰
り返しオーバーライトによる劣化を改良することができ
る。第2に、オーバーライトシェルフ特性の悪化を改良
できる。これは、長時間放置しても、記録マーク(非晶
質)の原子配列が変化したり誘電体層と記録層が反応し
たりすることを防ぐ効果があるためであると考えられ
る。
【0019】第3に、高線速、高密度の記録条件におけ
る消去特性の低下を改善する。これは窒化物層が結晶化
を促進し、記録層が短時間で結晶化できるようになるた
めであると考えられる。
【0020】窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化
ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化チタン等が好まし
く、これらの材料を2種以上含む混合物でも良い。ただ
し硫化物は含まないことが好ましい。また、より好まし
い材料としては窒化アルミニウム、窒化ゲルマニウムが
挙げられ、他の材料との混合物であっても良いが、良好
な特性を得るためには60mol%以上の割合でこれら
の材料を含んでいることが好ましい。
【0021】窒化物層の厚さとしては、剥離しがたいこ
とや光学的な条件を考慮して、0.5nm以上300n
m以下が好ましい。生産性や成膜の容易さの点から、よ
り好ましくは1nm以上10nm以下である。
【0022】第1誘電体層の材質としては、記録光波長
において実質的に透明であり、かつその屈折率が、透明
基板の屈折率より大きく、記録層の屈折率より小さいも
のが好ましい。具体的にはZnSの薄膜、Si、Ge、
Ti、Zr、Ta、Nb、などの金属の酸化物の薄膜、
Si、Geなどの窒化物の薄膜、Zr、Hfなどの窒化
物の薄膜、およびこれらの化合物の混合物の膜が耐熱性
が高いことから好ましい。特に、ZnSとSiO2の混
合物からなる膜は、繰り返しオーバーライトによる劣化
が起きにくいことから好ましい。特に、ZnSとSiO
2 と炭素の混合物は、膜の残留応力が小さいこと、記
録、消去の繰り返しによっても、記録感度、キャリア対
ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化が起きにくいこ
とからも好ましい。膜の厚さは光学的な条件や生産性の
点から、10〜500nmが好ましい。
【0023】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、Ge−Te合金、In−Se合金、Ge
−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Pd−Ge
−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb
−Ge−Sb−Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合
金、Co−Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−
Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−G
e−Sb−Te合金、Ag−Pd−Ge−Sb−Te合
金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金などがある。
【0024】特にGe−Sb−Te合金、Pd−Ge−
Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Nb−
Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te
合金は、消去時間が短く、かつ多数回の記録、消去の繰
り返しが可能であり、キャリア対ノイズ比(C/N)、
消去率などの記録特性に優れることから好ましい。
【0025】本発明の記録層の厚さとしては、5nm以
上40nm以下であることが好ましい。記録層の厚さが
上記よりも薄い場合は、繰返しオーバーライトによる記
録特性の劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記より
も厚い場合は、繰返しオーバーライトによる記録層の移
動が起りやすくジッタが悪化が激しくなる。特に、マー
ク長記録を採用する場合は、ピットポジション記録の場
合に比べ、記録、消去による記録層の移動が起こりやす
く、これを防ぐため、記録時の記録層の冷却をより大き
くする必要があり、記録層の厚さは10nm〜35nm
がより好ましく、キャリア対ノイズ比(C/N)、消去
率などの記録特性に優れることから、より好ましくは1
0nm〜24nmである。
【0026】本発明の第2誘電体層の材質は、第1誘電
体層の材料としてあげたものと同様のものでも良いし、
異種の材料であってもよい。厚さは、3nm以上50n
m以下が好ましい。第2誘電体層の厚さが上記より薄い
と、クラック等の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下す
るために好ましくない。また、第2誘電体層の厚さが、
上記より厚いと記録層の冷却度が低くなるために好まし
くない。第2誘電体層の厚さは記録層の冷却に関し、よ
り直接的に影響が大きく、より良好な消去特性や、繰り
返し耐久性を得るために、また、特にマーク長記録の場
合に良好な記録・消去特性を得るために、30nm以下
がより効果的である。光を吸収し、記録、消去に効率的
に熱エネルギーとして用いることができることから、透
明でない材料から形成されることも好ましい。例えば、
ZnSとSiO2 と炭素の混合物は、膜の残留応力が
小さいこと、記録、消去の繰り返しによっても、記録感
度、キャリア対ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化
が起きにくいことからも好ましい。
【0027】反射層の材質としては、光反射性を有する
金属、合金、および金属と金属化合物の混合物などがあ
げられる。具体的には、Al、Au、Ag、Cuなどの
高反射率の金属や、それを主成分とした合金、Al、S
iなどの窒化物、酸化物、カルコゲン化物などの金属化
合物が好ましい。Al、Auなどの金属、及びこれらを
主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を
高くできることから特に好ましい。反射層の厚さとして
は、通常、おおむね10nm以上300nm以下であ
る。記録感度を高く、再生信号強度が大きくできること
から30nm以上200nm以下が好ましい。
【0028】本発明の基板の材料としては、透明な各種
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこり、基
板の傷などの影響をさける目的で、透明基板を用い、集
束した光ビームで基板側から記録を行なうことが好まし
く、この様な透明基板材料としては、ガラス、ポリカー
ボネート、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられ
る。特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小さく、成
形が容易であることからポリカーボネート樹脂、アモル
ファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。また耐熱性が
要求される場合には、エポキシ樹脂が好ましい。
【0029】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビ−ムで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。
【0030】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。第1誘電体層、窒化物層、記録層、第2誘
電体層、反射層などを基板上に形成する方法としては、
真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法などがあげられる。特
に組成、膜厚のコントロールが容易であることから、ス
パッタリング法が好ましい。形成する記録層などの厚さ
の制御は、水晶振動子膜厚計などで、堆積状態をモニタ
リングすることで、容易に行える。
【0031】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2 、ZnSとSiO2 の混合物
などの誘電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層な
どを必要に応じて設けてもよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0033】(分析,測定方法)反射層、記録層の組成
は、ICP発光分析(セイコー電子工業(株)製)によ
り確認した。
【0034】記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚
は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。また各層の
厚さは、走査型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察
することにより測定した。
【0035】スパッタリングにより成膜した光記録媒体
は、記録を行う前にあらかじめ波長830nmの半導体
レーザのビームでディスク全面の記録層を結晶化し初期
化した。
【0036】次に、記録トラックに線速度6m/秒の条
件で、対物レンズの開口数0.6、半導体レーザの波長
680nmの光学ヘッドを有する光ディスク評価装置を
使用して、8/16変調のランダムパターンをマーク長
記録によって10万回オーバーライトした。この時、記
録レーザー波形は、マルチパルスを用いた。また、この
時のウィンドウ幅は、34nsとした。記録パワー、消
去パワーは各ディスクで最適なパワーにした。
【0037】なお、オーバーライトの際にはデータ群
(記録マーク)の書き始めと書き終わりを、ディスク上
の一つの点に固定した。また、データの書き始め部分と
書き終わり部分の間の距離は1cmとし、この部分のみ
をオーバーライトした。
【0038】ジッタはタイムインターバルアナライザに
より測定した。記録領域部の始終端の劣化距離(波形の
潰れ)、信号波形の振幅の低下、バースト欠陥の有無は
オシロスコープにより観察した。
【0039】続いて別のトラックに1回記録を行いその
時のバイトエラーレートを測定し、その状態のまま80
℃の乾燥オーブンに100時間放置した。この後同じ部
分のバイトエラーレートを測定し、さらにこの部分を1
回オーバーライトし再度バイトエラーレートを測定する
ことによって、オーバーライトシェルフ特性を評価し
た。
【0040】また、消去特性については、対物レンズの
開口数0.6、半導体レーザーの波長638nmの光学
ヘッドを有する光ディスク評価装置を使用して、記録ト
ラックに次の条件で記録を行い評価した。
【0041】(条件a)線速度6m/秒で、記録周波数f
1=1.1MHz(長記録マーク)で10回記録を行
い、f2=4.9MHz(短記録マーク)で1回オーバ
ーライトを行った。デューティ50%、ウィンドウ幅は
34nsとした。短記録マークをオーバーライトする前
後の長記録マークの信号のキャリアの比を消去率、短記
録マークのキャリアとオーバーライトされたあとの長記
録マークのキャリアの比を有効消去率として、バンド幅
30kHzの条件でスペクトラムアナライザーにより測
定した。
【0042】(条件b)線速度9m/秒で、記録周波数f
3=2.4MHz(長記録マーク)で10回記録を行
い、f4=10.6MHz(短記録マーク)で1回オー
バーライトを行った。デューティ50%、ウィンドウ幅
は16nsとした。(条件a)の時と同様にして、消去
率、有効消去率を測定した。
【0043】(条件a)、(条件b)いずれの場合も長記録
マーク、短記録マークの長さはそれぞれウィンドウ幅の
13倍、3倍であり、(条件b)の場合の記録の線密度は
(条件a)の場合の約1.5倍になっている。また、記録
パワー、消去パワーは各ディスクで最適なパワーにし
た。
【0044】(実施例1)毎分30回転で回転させてい
る、厚さ0.6mm、直径12cm、1.48μmピッ
チの案内溝付きのポリカーボネート製基板(ランド幅
0.74μm、グルーブ幅0.74μm)上に、以下の
スパッタリング成膜を行った。
【0045】まず、真空容器内を1×10-3Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス零囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚95nmの第1誘電体層を形成した。次に窒化ア
ルミニウムをスパッタし、厚さ5nmの窒化物層を形成
した。続いて、Ge、Sb、Teからなる合金ターゲッ
トをスパッタして、厚さ20nmの記録層を得た。さら
に第2誘電体層として第1誘電体層と同じZnS・Si
2を16nm形成し、この上にAl−Hf−Pd合金
をスパッタして膜厚150nmの反射層を形成し、本発
明の光記録媒体を得た。
【0046】10万回オーバーライト後の、データの書
き始め部分と、書き終わり部分の波形の潰れを観察した
ところ、それぞれ、10μm、5μmであり実用上問題
がないと確認できた。さらに、この部分のジッタを測定
したところ、ウインドウ幅の11%と実用上十分小さい
と確認できた。信号の振幅は、10回オーバーライト後
の信号の振幅と比べてほとんど変化がなく、バースト欠
陥も見られなかった。
【0047】また、このディスクに1回記録を行った時
のバイトエラーレートは4.0×10-5であった。乾燥
オーブンに放置した後再度同じ部分を測定したところ、
3.5×10-5でほとんど変化がなかった。この部分を
1回オーバーライトしてバイトエラーレートを測定した
ところ、4.5×10-5でほとんど変化が無く、良好な
オーバーライトシェルフ特性を示した。この時のジッタ
はウインドウ幅の9%と良好な値であった。
【0048】さらに、1.2μmピッチ(ランド幅0.
6μm、グルーブ幅0.6μm)のポリカーボネート基
板上に上と同様のスパッタリング成膜を行い、消去特性
を評価した。
【0049】(条件a)での消去率を測定したところ4
2dB、有効消去率は32dBであった。次いで(条件
b)での消去率を測定したところ39dB、有効消去率
は27dBであり、高線速、高密度の記録条件下におい
ても実用上十分な消去特性が得られた。
【0050】(実施例2)窒化物層として窒化ゲルマニ
ウムを5nm形成した他は、実施例1と同様のディスク
を作製した。
【0051】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後の書き始め部分と書き終わり部
分の波形の潰れは、それぞれ、5μm、10μmであり
実用上十分小さいと確認できた。 また、この部分のジ
ッタは、ウィンドウ幅の11%と実用上十分に小さいと
確認できた。信号の振幅は10回オーバーライト後の信
号の振幅と比べてほとんど変化がなく、バースト欠陥も
発生しなかった。
【0052】また、このディスクに1回記録を行った時
のバイトエラーレートは5.0×10-5であった。実施
例1と同様の条件で乾燥オーブンに放置した後再度同じ
部分を測定したところ、4.2×10-5でほとんど変化
がなかった。この部分を1回オーバーライトしてバイト
エラーレートを測定したところ、5.3×10-5であり
ほとんど変化が無く、良好なオーバーライトシェルフ特
性を示した。この時のジッタはウインドウ幅の10%と
良好な値であった。
【0053】実施例1と同様にして(条件a)での消去
率を測定したところ40dB、有効消去率は30dBで
あった。次いで(条件b)での消去率を測定したところ
37dB、有効消去率は26dBであり、いずれの条件
においても実用上十分な消去特性が得られた。
【0054】(実施例3)窒化物層として窒化シリコン
を5nm形成した他は、実施例1と同様のディスクを作
製した。
【0055】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後の書き始め部分と書き終わり部
分の波形の潰れは、それぞれ、10μm、5μmであり
実用上十分小さいと確認できた。 また、この部分のジ
ッタは、ウィンドウ幅の11%と実用上十分に小さいと
確認できた。信号の振幅は10回オーバーライト後の振
幅の約90%で実用上問題ないレベルである。また、バ
ースト欠陥も発生しなかった。
【0056】また、このディスクに1回記録を行った時
のバイトエラーレートは3.5×10-5であった。実施
例1と同様の条件で乾燥オーブンに放置した後再度同じ
部分を測定したところ、4.0×10-5でほとんど変化
がなかった。この部分を1回オーバーライトしてバイト
エラーレートを測定したところ、4.5×10-5であり
ほとんど変化が無く、良好なオーバーライトシェルフ特
性を示した。この時のジッタはウインドウ幅の10%と
良好な値であった。
【0057】実施例1と同様にして(条件a)での消去
率を測定したところ38dB、有効消去率は25dBで
あった。次いで(条件b)での消去率を測定したところ
35dB、有効消去率は22dBであり、いずれの条件
においても実用上十分な消去特性が得られた。
【0058】(実施例4)窒化物層として窒化チタンを
5nm形成した他は、実施例1と同様のディスクを作製
した。
【0059】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後の書き始め部分と書き終わり部
分の波形の潰れは、それぞれ、10μm、12μmであ
り実用上十分小さいと確認できた。 また、この部分の
ジッタは、ウィンドウ幅の11%と実用上十分に小さい
と確認できた。信号の振幅は10回オーバーライト後の
振幅の約90%で実用上問題ないレベルである。また、
バースト欠陥も発生しなかった。
【0060】また、このディスクに1回記録を行った時
のバイトエラーレートは5.0×10-5であった。実施
例1と同様の条件で乾燥オーブンに放置した後再度同じ
部分を測定したところ、4.2×10-5でほとんど変化
がなかった。この部分を1回オーバーライトしてバイト
エラーレートを測定したところ、5.3×10-5であり
ほとんど変化が無く、良好なオーバーライトシェルフ特
性を示した。この時のジッタはウインドウ幅の10%と
良好な値であった。
【0061】実施例1と同様にして(条件a)での消去
率を測定したところ37dB、有効消去率は28dBで
あった。次いで(条件b)での消去率を測定したところ
35dB、有効消去率は22dBであり、いずれの条件
においても実用上十分な消去特性が得られた。
【0062】(実施例5)窒化物層として窒化ゲルマニ
ウムを5nm形成し、第2保護層のかわりに窒化ゲルマ
ニウム層を20nmを設けた他は、実施例1と同様のデ
ィスクを作製した。
【0063】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後の書き始め部分と書き終わり部
分の波形の潰れは、それぞれ、14μm、15μmであ
り実用上十分小さいと確認できた。 また、この部分の
ジッタは、ウィンドウ幅の12%と実用上十分に小さい
と確認できた。信号の振幅は10回オーバーライト後の
振幅の約90%で実用上問題ないレベルである。また、
バースト欠陥も発生しなかった。
【0064】また、このディスクに1回記録を行った時
のバイトエラーレートは5.3×10-5であった。実施
例1と同様の条件で乾燥オーブンに放置した後再度同じ
部分を測定したところ、4.5×10-5でほとんど変化
がなかった。この部分を1回オーバーライトしてバイト
エラーレートを測定したところ、6.0×10-5であり
ほとんど変化が無く、良好なオーバーライトシェルフ特
性を示した。この時のジッタはウインドウ幅の10%と
良好な値であった。
【0065】実施例1と同様にして(条件a)での消去
率を測定したところ40dB、有効消去率は32dBで
あった。次いで(条件b)での消去率を測定したところ
38dB、有効消去率は28dBであり、いずれの条件
においても実用上十分な消去特性が得られた。
【0066】(比較例1)窒化物層を省いた他は、実施
例1と同様のディスクを得た。
【0067】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後のジッタはウィンドウ幅の14
%と大きく、さらに、書き始め部分と、書き終わり部分
の波形の潰れを観察したところ、それぞれ200μm、
50μmと大きく、正確なデータの再生が困難であるこ
とがわかった。また、信号の振幅は10回オーバーライ
ト後の振幅の75%であり、コントラストが低下してい
た。
【0068】また、このディスクに1回記録を行った時
のバイトエラーレートは4.0×10-5であった。実施
例1と同様の条件で乾燥オーブンに放置した後再度同じ
部分を測定したところ、3.5×10-5でほとんど変化
がなかったが、この部分を1回オーバーライトしてバイ
トエラーレートを測定したところエラーとなり、バイト
エラーレートが測れないほどオーバーライトシェルフ特
性が劣化していた。エラーの原因はジッタの悪化による
もので、この時のジッタはウインドウ幅の18%程度で
あった。
【0069】実施例1と同様にして(条件a)での消去
率を測定したところ38dB、有効消去率は24dBで
あり、消去特性は良好であった。しかし、(条件b)で
の消去率を測定したところ28dB、有効消去率は14
dBであり、高線速、高密度の記録条件では消去特性が
低下した。
【0070】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、以下の効
果が得られた。
【0071】(1) 多数回の記録・消去を行っても信号
の振幅の低下が少ない。
【0072】(2) 多数回の記録・消去を行ってもセク
ター始端部分、終端部分の劣化が少ない。(3) 多数回
の記録・消去を行っても良好なジッタ特性を得ることが
できる。
【0073】(4) 多数回の記録・消去を行ってもバー
スト欠陥が発生しない。
【0074】(5) 保存耐久性が良好である。
【0075】(6) 高線速、高密度の記録条件でも、良
好な消去特性を得ることができる。
【0076】(7) スパッタ法により容易に製作でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 信正 均 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録層に光を照射することによって、情
    報の記録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消
    去が、非晶相と結晶相の間の相変化により行われ、基板
    上に少なくとも記録層および反射層がこの順で積層され
    ている光記録媒体であって、記録層に接するようにその
    片側もしくは両側に窒化物よりなる層を設けたことを特
    徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 窒化物よりなる層を基板と記録層の間に
    設けたことを特徴とする請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板と記録層の間、記録層と反射層の間
    の少なくとも一方に、ZnSとSiO2を含む誘電体層
    を設けたことを特徴とする請求項1の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 窒化物よりなる層の平均膜厚が、0.5
    nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項
    1の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 窒化物よりなる層が、窒化アルミニウ
    ム、窒化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化チタンから
    選ばれた1種または1種以上を主成分とする混合物であ
    ることを特徴とする請求項1の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 窒化物よりなる層が、窒化アルミニウム
    を主成分とする混合物であることを特徴とする請求項1
    の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 窒化物よりなる層が、窒化ゲルマニウム
    を主成分とする混合物であることを特徴とする請求項1
    の光記録媒体。
JP10214534A 1997-07-29 1998-07-29 光記録媒体 Pending JPH11339316A (ja)

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Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20339497 1997-07-29
JP8131298 1998-03-27
JP10-81313 1998-03-27
JP8131398 1998-03-27
JP9-203394 1998-03-27
JP10-81312 1998-03-27
JP10214534A JPH11339316A (ja) 1997-07-29 1998-07-29 光記録媒体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060338B2 (en) 2003-06-26 2006-06-13 Hitachi Maxell, Ltd. Phase-change optical recording medium

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