JP2995995B2 - 波形記憶装置 - Google Patents

波形記憶装置

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JP2995995B2 JP4068592A JP6859292A JP2995995B2 JP 2995995 B2 JP2995995 B2 JP 2995995B2 JP 4068592 A JP4068592 A JP 4068592A JP 6859292 A JP6859292 A JP 6859292A JP 2995995 B2 JP2995995 B2 JP 2995995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波形記録装置に関し、
特にデジタルオシロスコープ等における大容量に渡る記
憶された波形データの操作を容易に行うことを可能とし
た波形記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルオシロスコープ等の波形記憶装
置においては、観測した電気信号等のアナログデータを
デジタル化して記憶し、その記憶したデータを読み出し
演算処理する等のデータの加工をして再び記憶する。こ
のため、実際の現象発生後であっても、これらの記憶し
た波形データに基づいて波形を再生し且つ観測すること
ができるのことが波形記憶装置の特徴である。この特徴
により予測しにくい波形あるいは、高速かつ長時間に渡
る現象の観測等が可能となる。従って、波形記憶装置の
性能としてより容量の大きい記憶領域を有すること(い
わゆるレコード長が長いもの)が望まれる。しかし、こ
の記憶可能な領域が増大するにしたがって、記憶された
波形データのすべてを画面上に表示しようとすると一画
面(一フレーム)に納まらないため波形の中から特に注
目したいデータ変化部分を探す操作の容易性ということ
が問題とされてくる。このデータ変化の探索の方法とし
て従来からあるものには、一旦波形データを時間軸に沿
って拡大して表示し、その表示画面を波形データ全体に
渡ってスクロールし、データ変化の注目したい部分を探
す、あるいはデータ処理の段階で、演算処理等を用いて
データ変化の注目したい部分のでパターンを探す等があ
るが、これらの方法では、探索のための操作性が悪く実
用に適していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、格納された
記憶領域からデータ変化の注目したい部分のでパターン
を読み出す際に、操作性がよくないまたは演算処理に時
間が係るといった問題があった。よって、本発明の目的
は、記憶された波形データのうちデータ変化の注目した
い部分を画面上で短時間の処理で観測可能にすることに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力した信号
をデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換器と、
前記アナログ/デジタル変換器からの波形データを格納
する第1の波形メモリと、前記第1の波形メモリからの
波形データのうち選択されたものを格納する第2の波形
メモリと、前記第1の波形メモリおよび第2の波形メモ
リにおける読込と書込みの制御を行うメモリアクセス制
御手段と、基準値または基準となる論理パターンを設定
するトリガ条件設定部と、第1の波形メモリから読みだ
される波形データの個数及び画面上の表示における時間
軸の設定などを行う水平軸条件設定部と、前記第1の波
形メモリに記憶されている波形データを入力し、前記ト
リガ条件設定部において設定された基準値または基準と
なる論理パターンと比較し、トリガ信号を出力するデジ
タルトリガ回路と、前記デジタルトリガ回路からのトリ
ガ信号と水平軸条件設定部からの信号を入力し、第1の
波形メモリから第2の波形メモリに格納する波形データ
の転送の制御を行うデータ転送制御回路と、第1の波形
メモリからの波形データと第2の波形メモリからの波形
データを選択して出力するデータマルチプレクサとを設
け、前記第1の波形メモリから第2の波形メモリへのデ
ータ転送と表示を第1の波形メモリの全記憶領域、又は
部分領域に渡って繰り返し行うことを特徴とする波形記
憶装置である。
【0005】
【作用】波形データをデジタル的に順次再生する際に、
リアルタイムで信号が入力し観測している動作と同一の
信号処理をするから、リアルタイムでの信号観測時と同
一のトリガレベル等の操作を行うことで、記憶更新停止
後も波形データからデータ変化の注目したい部分のでパ
ターンを読み出すことが可能になる。
【0006】
【実施例】以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例の基本的構成図である。図におい
て1はアナログ/デジタル変換器(以下、AD変換器と
呼ぶ)で、入力した信号をアナログからデジタルに変換
する。2,5は波形メモリである。波形メモリ2はAD
変換器1からの波形データを格納する。波形メモリ5
は、波形メモリ2からの波形データのうちデータ転送制
御回路4等で選択されたものを格納する。3はデジタル
トリガ回路で波形メモリ2に格納されている波形データ
を入力し、トリガ条件設定部10において設定された基
準値または基準となる論理パターンと比較しトリガ信号
を出力する。データ転送制御回路4はデジタルトリガ回
路からのトリガ信号と水平軸条件設定部からの信号を入
力し、波形メモリ2から波形メモリ5に格納する波形デ
ータの転送の制御を行う。6はメモリアクセス制御手段
で波形メモリ2および波形メモリ5における読込と書込
みの制御を行う。7はデータマルチプレクサで波形メモ
リ2からの波形データと波形メモリ5からの波形データ
を選択して出力する。データマルチプレクサ7から出力
データは波形表示制御回路8で表示データに変換され表
示装置9にて表示される。10はトリガ条件設定部で基
準値または基準となる論理パターンを設定する。11は
水平軸条件設定部で、波形メモリ2から読みだされる波
形データの個数及び画面上の表示における時間軸の設定
などを行う。なお、図1の構成図には通常のデジタルオ
シロスコープ等に設けられている入力アナログ信号aに
よる実際のトリガ信号を発生するようないわゆるタイム
ベース回路あるいは、CPU(マイクロプロセッサ)等
は省略してある。
【0007】ここで図1に於ける各地点の信号の説明を
する。aは入力アナログ信号、bはデジタルデータ信号
で入力アナログ信号aがAD変換されたものである。c
は波形メモリ2から出力される波形データのデータ信号
である。dはデジタルトリガ信号でデータ信号cによる
ものである。eは転送読出制御信号で、波形メモリ2の
データの内必要な部分を波形メモリ5に転送するための
読出の制御を行う信号である。fは転送書込み制御信号
で、波形メモリ2のデータの内必要な部分を波形メモリ
5に転送するための書込みの制御を行う信号である。g
は波形メモリ2への書込み読出制御信号、hは波形メモ
リ5への読出制御信号である。iは波形メモリ5からの
データ信号、jは波形メモリ2もしくは5からのデータ
信号でデータマルチプレクサ7により選択されたもので
ある。kはビデオ信号、lはトリガ条件設定信号、mは
水平軸条件設定信号である。なお、転送読出制御信号e
と波形メモリ2への書込み読出制御信号g、あるいは、
波形メモリ5への読出制御信号hと転送書込み制御信号
fは同時に出力されることはない。
【0008】このような構成の動作を説明する。まず基
本動作を説明する。入力アナログ信号aはAD変換器1
でアナログ/デジタル変換され、このデータbはメモリ
アクセス制御手段6に制御され順次波形データ2に記憶
される。上述したようにアナログ/デジタル変換動作お
よびメモリアクセス制御手段6の制御に必要なタイミン
グ信号を発生させる為の回路すなわちタイムベースは省
略してある。またメモリアクセス制御手段6への書込み
制御のきっかけとなる現実のトリガ信号及びそのトリガ
回路も省略してある。次に入力アナログ信号を更新しつ
つ画面表示を行う通常の動作について説明する。このと
きは、まず波形メモリ2に記憶された波形データはメモ
リアクセス制御手段6からの制御に基づいてデータcと
して順次読みだされ、データマルチプレクサ7を経て波
形表示制御回路8により表示に必要な処理(データ圧
縮,補間等)及びビデオ信号等の表示信号kに変換さ
れ、表示器9に送られ波形として表示される。
【0009】ここで本発明に係る波形メモリ2のデータ
の更新が停止した状態からの動作を説明する。波形メモ
リ2への記憶動作が停止された後、データ転送制御回路
4からの転送読みだし制御信号eに従ってにより波形メ
モリ2のデータが順次読みだされる。デジタルトリガ回
路3には波形メモリ2からのデータcが入力され、設定
されたトリガ条件に従って、トリガ信号dを発生する。
トリガ条件の例は以下のようなものである。トリガの種
類であるトリガモードには、オートトリガ(データの値
に係わらず強制的にトリガをかけるもの)、ノーマルト
リガ(データの値に基づいてそのデータが入力される限
りトリガをかけるもの)、シングルショット(その条件
のデータが入力されたら、その1回に限りトリガをかけ
るもの)がある。また、トリガのきっかけとなる信号の
種類であるトリガソースには、波形メモリ2に記憶され
たデータそのものの値あるいはそのデータによる論理パ
ターン等がある。またこのトリガのための基準の値であ
るトリガレベルあるいは論理パターンもしくは、トリガ
にたいしどのデータを用いるかという設定に関するトリ
ガディレイ又はホールドオフタイムといったことも設定
されている。これらは、CPUからの指令によって水平
軸条件設定部11に設定される。
【0010】また、波形メモリ2のデータの更新が停止
した状態から波形メモリ2のデータを強制的に読みだし
疑似的に実際に信号が入力されている状態にして、デジ
タルトリガ回路によってトリガをかける動作について説
明する。この状態による概念図を図2に示す。データ転
送制御回路4はトリガ信号dに従ってデータ信号cを所
定の長さに渡って第2のメモリに転送する。所定の長さ
とはトリガポジションすなわちプリ・ポストトリガとデ
ータ長によって決定される。具体的に説明すると、デー
タ転送制御回路4で行うデータ読み出し等の制御は、水
平軸条件設定部11によって設定される水平軸条件すな
わちデジタルオシロスコープでのtime/div,トリガポ
ジションに従ってデータ信号cから図2に示す表示画面
区域のような所定のデータを切り出して転送する制御を
実行する。図2に示す表示画面区域のような所定のデー
タは波形メモリ5に記憶される。このデータはメモリア
クセス制御手段6から波形メモリ5に出力される読出制
御信号hの制御信号によって読みだされ波形メモリ5か
ら出力するデータ信号iとなる。さらに、マルチプレク
サ7を介して波形表示制御回路8へ入力される。波形表
示制御回路8では表示に必要なデータ処理すなわち水平
軸のtime/divの設定に従ったデータ数の圧縮もしくは
補間等の演算処理を行った後、表示信号としての波形デ
ータを表示装置9に表示する。
【0011】さらに、この所定のデータを画面に表示す
るための一連のシーケンスを図3を用いて具体的に説明
を行う。は波形メモリ5の転送ゲートであり、は表
示処理タイミングである。データ転送制御回路4からの
転送読みだし制御信号eに従ってにより波形メモリ2の
データが順次読み出されているが、このときは波形メモ
リ2の先頭アドレス(これは物理的アドレスあるいは論
理アドレスであってもよい。)から順次読み出しが行わ
れている。図3のcに示されるように、この読み出しは
最終アドレスまで行われたらまた先頭アドレスから読み
出しが始まる。このとき、設定されたトリガポジション
により「*」の位置でトリガ信号dの立ち上がりが発生
する。この例では、波形メモリ2のデータうち先頭アド
レスに近いほうのデータによるトリガ点T1,T3で転送
ゲートを発生する。このゲート幅は、水平軸条件設定
部11によって設定されるtime/divによって定まるも
のである。例えば現実の入力信号のサンプルレートが1
00MHzサンプリングである場合、1[マイクロ−秒/
div]とすると入力しなければならないゲート幅は(1
[マイクロ−秒]/10[ナノ−秒])×10div=1
000という計算に基づき、1000データ分必要となる。
すなわち図3のデータcのうち長方形で囲まれた部分に
は1000データあることになる。このデータは1回目,2
回目..と繰り返して波形メモリ5に入力される。これ
らの各々の1000データ分のデータはに示す処理タイミ
ングで表示のための演算処理がされる。この表示処理中
に発生したトリガ点T2,T4でのトリガ信号dは無視さ
れる。また、波形メモリ5への転送ゲートで定められた
波形データが、入力データの更新を止めた時点、或いは
再開した時点、若しくはその1000データ分のデータを表
示する時点で画面上に不連続点が生じる場合には演算に
よりその不連続点は画面に表示させない等のマスク処理
を行う。これは画面表示用のデータの専用メモリ等での
データに基づいて行われる。具体的には、400ドット
の画面を表示させるにあたって、デジタルトリガにより
得られた一画面分のデータが400ドット以下であるこ
とを、アドレスから判断してマスクする。
【0012】その他の実施例について説明する。第一に
挙げる例は入力信号が複数になった場合である。このと
きは図1に示すの構成要素のうち、デジタルトリガ回路
3と波形表示制御回路8において複数入力からの選択を
する設定(いわゆるトリガソースの設定等)が付加さ
れ、またデジタルトリガ回路3には複数入力による並列
論理パターンを選択できる手段が加わる。第二に挙げる
例は表示のための波形メモリ5におけるデータの更新を
外部トリガ信号例えば電源周波数等に同期させる場合で
ある。これには2通りあり、まずは外部信号をトリガコ
ンパレータに入力する。このトリガコンパレータの出力
信号である1ビットのデータ信号を、波形信号のデータ
信号と同様の動作で1ビットのメモリに記憶しする。さ
らに、入力信号のデータの更新が止まったときの読みだ
し動作(データ転送)時にデータ転送制御回路4の制御
タイミングに同期してこの1ビットのメモリの信号を読
み出してデジタルトリガ回路3の入力とするという方法
がある。他の方法としては入力信号のデータの更新が止
まったときの読みだし動作(データ転送)時に、入力さ
れている外部トリガ信号の出力パルス(実施にあたって
は安定した一定周波数を有する信号を用いる必要があ
る)をn倍に逓倍したクロックをデータ転送制御回路4
の動作クロックとすると同時に外部信号のトリガコンパ
レータ出力をデジタルトリガ回路3の入力とするという
ものがある。第三に挙げる例は指定時刻に測定を行う場
合である。このときは、波形メモリ2への書込み開始の
制御に、時計の時刻指定機能を付加することで実現す
る。
【0013】
【発明の効果】本発明により、画面更新停止後の波形デ
ータからデータ変化の注目したい部分のパターンを簡単
に読み出すことが可能な波形記憶装置を実現することが
可能となる。なお、以下に具体的な効果を説明する。第
1の効果としては、波形メモリ2から波形メモリ5への
データの転送を一定の定められた速度で水平軸(時間
軸)に沿って繰り返し実行し、転送中のデータに対して
デジタルトリガ回路3による再トリガをかけ、そのトリ
ガ信号に係わる設定された範囲の波形を観測できるよう
した。第2の効果としては、第1の効果のため、入力信
号のデータの更新を停止した後も、リアルタイムに信号
が入力されているのと同様の動作でトリガの調整を行う
ことで波形の注目したい部分を切り出して観測できる。
記憶データ長が長い場合は、従来の画面の拡大及びスク
ロールによる観測と比較し、操作性が非常によくなる。
第3の効果としては、データ処理速度の高速化がある。
たとえば入力信号のサンプルレートが100MHzサンプ
リングで、1秒に渡る現象を記憶するある場合は、その
データ長は108ワードになる。これを10[マイクロ
−秒]の窓(1[マイクロ−秒/div])で観測する
と、全データ長のうち1/105をその画面で観測して
いることになる。これの画面をスクロールすると、10
5枚分の表示波形を観測することになるから、観測者が
注目したい部分を探し出すのは容易ではない。従って、
操作上の処理時間が非常にかかることになる。よって、
本発明のデジタルトリガを用いれば、転送速度を10M
ワード/秒とすると、10秒で全てのデータを観測及び
処理を行うことになる。よってデータ処理の高速化がは
かれる。第4の効果としては、再現性の悪い現象も確実
に捕らえられるということである。現象の発生が再現し
にくい場合にも、十分長時間に渡るデータを記憶して観
察を行うから、リアルタイムで観測するのと同等の操作
で確実に観測をおこなうことが可能である。具体的には
1MHzサンプリングで100Mワードを記憶すると10
0秒に渡る現象が、確実に観測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】基本動作の説明図である。
【図3】本発明に係る動作を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 AD変換器 2,5 波形メモリ 3 デジタルトリガ回路 4 データ転送制御回路 5 第2の波形メモリ 6 メモリアクセス制御手段 7 データマルチプレクサ 8 波形表示制御回路 9 表示装置 10 トリガ条件設定部 11 水平軸条件設定部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力した信号をデジタル値に変換するアナ
    ログ/デジタル変換器と、 前記アナログ/デジタル変換器からの波形データを格納
    する第1の波形メモリと、 前記第1の波形メモリからの波形データのうち選択され
    たものを格納する第2の波形メモリと、 前記第1の波形メモリおよび第2の波形メモリにおける
    読込と書込みの制御を行うメモリアクセス制御手段と、 基準値または基準となる論理パターンを設定するトリガ
    条件設定部と、 第1の波形メモリから読みだされる波形データの個数及
    び画面上の表示における時間軸の設定などを行う水平軸
    条件設定部と、 前記第1の波形メモリに記憶されている波形データを入
    力し、前記トリガ条件設定部において設定された基準値
    または基準となる論理パターンと比較し、トリガ信号を
    出力するデジタルトリガ回路と、 前記デジタルトリガ回路からのトリガ信号と水平軸条件
    設定部からの信号を入力し、第1の波形メモリから第2
    の波形メモリに格納する波形データの転送の制御を行う
    データ転送制御回路と、 第1の波形メモリからの波形データと第2の波形メモリ
    からの波形データを選択して出力するデータマルチプレ
    クサとを設け、前記第1の波形メモリから第2の波形メ
    モリへのデータ転送と表示を第1の波形メモリの全記憶
    領域、又は部分領域に渡って繰り返し行うことを特徴と
    する波形記憶装置。
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