JP2994957B2 - 食品包装用2分割容器 - Google Patents

食品包装用2分割容器

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JP2994957B2 JP6124651A JP12465194A JP2994957B2 JP 2994957 B2 JP2994957 B2 JP 2994957B2 JP 6124651 A JP6124651 A JP 6124651A JP 12465194 A JP12465194 A JP 12465194A JP 2994957 B2 JP2994957 B2 JP 2994957B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なる種類の調理済食
品を一体に形成された別々の容器内に収納するための改
良された食品包装用2分割容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、予め調理した食物を密封容器に収
納し、食する直前に内容物を電子レンジのようなマイク
ロ波加熱により温めるタイプの食品包装体が普及してい
る。一般に、この種の食品包装体は調理済食品をトレー
もしくはカップ状の容器内に収納し、開口部を蓋材で密
封したのち、加熱殺菌して市販に供されている。
【0003】最近では、市場の要求から包装する食品類
も多様化し、一体に形成された分割容器に異なる種類の
調理済食品を別々に収納する形態が多くなってきてい
る。例えば、片方の容器に炊飯のような主食類を収納
し、隣接する別の容器内にカレー等の副食類を収納する
タイプのものである。
【0004】これらの食品包装用2分割容器において
は、マイクロ波等を用いて殺菌処理する際に、密封容器
内で水分が蒸発し内圧が高まるが、主食類と副食類とで
は水蒸気の発生度合が異なるため容器内圧に変動を生じ
る。例えば、収納する調理済食品が炊飯とカレー調理品
であるような場合には、前者の蒸発媒体は水分のみであ
るため、その内圧は各温度の飽和水蒸気圧+1.03kg
/cm2を越えることはないが、後者は水分のほかに油分を
含むため相対的に加熱温度が上昇して水分蒸発量が増大
し、より内圧が高くなる。この結果、容器フランジ部と
蓋材との接着による密封性が破壊されてシール洩れを生
じる現象を招くことがある。とくに、内圧が飽和水蒸気
圧+1.03kg/cm2を越える場合にシール洩れが問題と
なる。
【0005】しかし、上記のシール洩れ現象を防止する
ために密封性を余り強固にすると、蓋材を開封する際の
剥離抵抗が大きくなって実用性の面で問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、異な
る種類の調理済食品を一体に形成された別々の容器内に
収納密閉するにあたり、マイクロ波加熱時に高い内圧と
なる容器側の圧力を緩和して安定した密封性を確保し、
更に易開封性を付与することができる食品包装用2分割
容器を提供しようとするところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による食品包装用2分割容器は、異なる種類
の調理済食品を別々の容器内に収納し、フランジ面に蓋
材を接着して密封する一体型2分割容器において、加熱
時、収納した調理済食品の水分蒸発に伴う容器内圧が飽
和水蒸気圧+1.03kg/cm2を越える側の容器に対する
蓋材を落し蓋形状とし、容器構成が、最内層にシール層
を有する2層以上の多層シートからなり、容器本体の開
口部周縁にフランジ部が形成された2分割容器であっ
て、前記シール層と該シール層に隣接する隣接層の層間
剥離強度Aが0.5〜2.5kg/15mm で、前記隣接層と
その外層との層間剥離強度Bに対してB>Aの関係にあ
り、かつ容器本体の初期開封部にあたるフランジ部の外
縁面部位に微小凹部を形成すると共に、蓋材開封時にお
ける容器本体の初期開封部分にあたる容器側面とフラン
ジ内縁との境界位置に局所的にシール層の欠落部を形成
し、前記微小凹部を含むフランジ部と蓋材間を容器本体
のシール層と隣接層の層間剥離強度Aより高い接着強度
にシールしたことを構成上の特徴とする。
【0008】図1は、本発明に係る食品包装用2分割容
器を示した側断面図であり、容器1および容器2とが一
体に分割形成されている。各容器内部には、例えば容器
1に主食類3、容器2には副食類4といった異なる種類
の調理済食品が収納されており、容器フランジ面は蓋材
で密封されている。蓋材の形状は、加熱時、収納した調
理済食品の水分蒸発に伴う容器内圧が飽和水蒸気圧+
1.03kg/cm2以下の容器1に対しては平面蓋5であ
り、前記容器内圧が飽和水蒸気圧+1.03kg/cm2を越
える側の容器2に対しては落し蓋6となっている。
【0009】容器内圧が飽和水蒸気圧+1.03kg/cm2
を越える側の容器の蓋材を落し蓋形状とする理由は、こ
れ以下の内圧では平面蓋でもシール洩れを生じることは
ないが、容器内圧が飽和水蒸気圧+1.03kg/cm2を越
えるとシール部分の破壊を生じるので、落し蓋構造とす
ることにより上部に膨張して内圧の増大を緩和するため
の機能をもたせるためである。落し蓋の段差は限定され
るものではなく、収納する調理済食品の種類や容量に応
じて適宜に定められる。
【0010】上記構成の食品包装用2分割容器に易開封
性を付与するには、容器が最内層にシール層を有する2
層以上の多層シートからなり、容器本体の開口部周縁に
フランジ部が形成された2分割容器であって、前記シー
ル層と該シール層に隣接する隣接層の層間剥離強度Aが
0.5〜2.5kg/15mm で、前記隣接層とその外層との
層間剥離強度Bに対してB>Aの関係にあり、かつ容器
本体の初期開封部分にあたるフランジ部の外縁面部位に
微小凹部を形成すると共に、蓋材開封時における容器本
体の初期開封部分にあたる容器側面とフランジ内縁との
境界位置に局所的にシール層の欠落部を形成し、前記微
小凹部を含むフランジ部と蓋材間を容器本体のシール層
と隣接層の層間剥離強度Aより高い接着強度にシールす
る構造とする。
【0011】図2は本発明の食品包装用2分割容器(開
口状態)を斜視図として示したもので、7はフランジ
部、8は各容器に形成されたシール層の欠落部、9は微
小凹部である。本発明において、容器本体の初期開封部
分にあたる容器側面とフランジ内縁との境界位置とは、
蓋材を引張り上げて開封する際に剥離抵抗が最も大きく
なる容器凹部の側面とフランジ内縁との境界位置を指
す。したがって、2分割容器の場合には、図2に示すよ
うにシール層の欠落部8は各容器についてそれぞれ存在
する。しかし、微小凹部9は最初の初期開封部にあたる
フランジ部の外縁面部位のみに形成することで足りる。
【0012】図3は初期開封部分に相当するフランジ部
分の拡大断面図で、10は蓋材のシーラント層、11は
容器本体のシール層、12はシール層に隣接する隣接
層、13は隣接層に一体成形されている外層、14はシ
ール部分である。なお、フランジ部7の形状は、外周縁
部が下方に変曲するリム部を有するスカートフランジ形
状を呈している。
【0013】容器本体を構成する多層シートとしては任
意のものが用いられる。シール層11にはヒートシール
が可能な熱可塑性樹脂を用いることができ、例えばポリ
エチレン(以下「PE」という)、ポリプロピレン(以
下「PP」という)、ポリエチレンテレフタレート(以
下「PET」という)、ポリスチレン(以下「PS」と
いう)、ポリカーボネート(以下「PC」という)、エ
チレン酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」という)、
アイオノマー、ポリビニルアルコール共重合体(以下
「EVOH」という)等の各種単体樹脂のほか、これら
の樹脂を任意に数種配合したものも用いることができ
る。この隣接層12についてもシール層11との層間剥
離強度が2.5kg/15mm 以下であれば任意の樹脂を用い
ることができる。層組合せの例を挙げると、PPがシー
ル層11である場合に、隣接層12としてPE、PPと
PEの混合物、エチレン−プロピレン共重合体等を任意
に選択することができる。また、PETがシール層11
である場合に隣接層12としてPETとPEまたはPP
の混合物、EVA等を任意に選択することができる。こ
れらのシール層11、隣接層12は、隣接層の外側に一
体成形される外層13を含めて、任意に選択される。
【0014】隣接層12の外側に一体形成される外層1
3としては、例えば容器に保存性を持たせるバリア層と
してEVOHや塩化ビニリデン共重合体(以下「PVD
C」という)を配置したり、強度向上や水蒸気バリアを
目的とした外層として更にPP等を積層してもよく、こ
れらの層間を強固に接着するために各種の接着剤を使用
しても良い。なお、隣接する層としてはプラスチックに
限らず任意の金属層も用いることができるし、またこれ
らの金属層は他の機能層としても使用することができ
る。
【0015】したがって、容器本体1の多層体構成とし
ては、シール層/隣接層/中間層/バリア層/最外層
が、PP/PE/PP/EVOH/PP、PP/PP+
PE/PP/EVOH/PP、PE/PP/PE+PP
/EVOH/PP、PET/EVA/PP/EVOH/
PP、PC/EVA+PP/PP/EVOH/PP、P
ET/EVA/PS/EVOH/PSなどの組合せを例
示することができる。なお、これら多層構成においてE
VOHと他の樹脂層との間は、例えば不飽和カルボン酸
変性ポリエチレン、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレ
ン、不飽和カルボン酸変性ポリスチレンなどの接着性樹
脂により接着される。
【0016】蓋材には、フランジ部のシール層11とシ
ール可能なものであれば任意の樹脂フイルムを用いるこ
とができるが、とくにシール層11と強固に密着する材
質のシーラント層10を有することが好ましい。多層構
成の蓋材としては、例えばシーラント層10にPC、P
E、PP、PET、PS、EVA、アイオノマー、EV
OHの各種単体樹脂のほか、これら樹脂を任意に数種配
合したものを用いることができる。しかし、シーラント
層10を構成する樹脂は容器本体のシール層11と同一
にすることが好ましい。バリア層としてはEVOH、P
VDC、ナイロン(以下「Ny」という)が使用でき、
その他の補強層にはNy、PET、PP等が用いられ
る。
【0017】これらシーラント層、バリア層および補強
層は、用途に応じた任意の組合せが可能である。蓋材の
多層構成(右側がシーラント層)としては、例えばNy
/EVOH/PP、PET/EVOH/Ny/PP、N
y/PP、Ny/PE、Ny/PET、Ny/EVOH
/PET、PET/PVDC/PP、PP/EVOH/
PETなどが挙げられる。
【0018】本発明による易開封性の容器構成は、シー
ル層11と隣接層12の層間剥離強度Aが0.5〜2.
5kg/15mm で、隣接層12とその外層13との層間剥離
強度Bに対してB>Aの関係にあることが第1の要件と
なる。この要件は、容器に易開封性を付与するための前
提的要件となるもので、シール層11と隣接層12の層
間剥離強度Aが隣接層12とその外層13との層間剥離
強度Bより大きくなり、また2.5kg/15mm を越える
と、開封時の剥離抵抗が増して円滑な開封性が損なわ
れ、また界面剥離強度Aが0.5kg/15mm 未満になると
密封性が低下する。
【0019】易開封性に寄与する主要な要件は、容器本
体の初期開封部分にあたるフランジ部7の外縁面部位に
微小凹部9を形成すると共に、蓋材開封時における容器
本体の初期開封部分にあたる容器側面とフランジ内縁と
の境界位置に局所的にシール層の欠落部8を形成した点
にあり、この微小凹部9とシール層の欠落部8の形成に
より密封性を減退させずに優れた易開封機能が付与され
る。
【0020】微小凹部9は、フランジ部7の表面に均等
で微細な無数の凹状パターンとして形成され、その凹状
点の数には限定はない。該微小凹部9は、蓋材を最初に
開封するシール部分14の外側の部位に形成されるが、
この形成部位が余りにフランンジ部の内周方向に食い込
むと耐内圧性の減退を招く。したがって、微小凹部9の
形成位置はフランジ巾の50%の範囲より内側に食い込
まないように設定することが好ましく、より好ましくは
初期開封部分のフランジ突出面(図2参照)に形成す
る。
【0021】シール層の欠落部8は、フランジ周回方向
の長さが2mm以上で、フランジ垂直方向の幅が4mm以下
になるように設計することが好ましい。フランジ周回方
向の長さが2mm未満では開封時の剥離抵抗を低下させる
ことが困難となり、またフランジ垂直方向の幅が4mmを
越えると密封性を減退させる原因となる。最適な欠落部
8の寸法形状は、フランジ周回方向の長さが3〜10mm
で、フランジ垂直方向の幅が2〜3mmの範囲である。
【0022】微小凹部9を含むフランジ部7と蓋材は、
最終的に相互のフランジ部のシール層11と蓋材のシー
ラント層10を重ね合わせて少なくとも微小凹部9の一
部を含むように接着することによりシール部分14が形
成されるが、この部位の接着強度は、容器フランジのシ
ール層11と隣接層12の層間剥離強度Aより高くす
る。
【0023】上記の食品包装用2分割容器を製造するた
めには、次の方法が採られる。まず予め共押出法、ドラ
イラミネート法、共押出ラミネート法、サーマルラミネ
ート法等により成形された最内層にシール層を有する2
層以上の多層シートを、加熱帯域を通して連続的に金型
上に供給し、2つの容器が分割フランジ部を挟んで一体
に形成された2分割容器形状に加熱成形する。ついで、
シール層の欠落部8を形成する部位の内周面が部分的に
フランジ巾より内周方向に張り出す突出部を有し、その
他の内周面がフランジ内縁と同等以内にある形状のリン
グ状抑え部材を用いて直ちにフランジ面を押圧する。押
圧時、リング状抑え部材の突出部で押圧されたフランジ
部の断面は、溶融あるいは軟化状態の隣接層がフランジ
内縁側の無圧力の方向に押し出され、この部分を被覆し
ていた薄いシール層が破られて局所的に欠落部8が形成
される。このようにして、図2および図3に示すよう
に、蓋材開封時における容器本体の初期開封部分にあた
る容器側面とフランジ内縁との境界位置に局所的にシー
ル層の欠落部8が形成される。この際、欠落部8のフラ
ンジ周回方向の長さおよびフランジ垂直方向の幅は、リ
ング状抑え板に形成する突出部の寸法と押圧力によって
調整することができる。
【0024】引き続き、シール層の欠落部8を形成した
フランジ部の外縁面部位を、例えば超音波処理を利用し
た加圧など適宜な方法で処理して微小凹部9を形成す
る。超音波処理する方法は、微小凹部を有する超音波ホ
ーンヘッドを用いて均等で微細な無数の凹状点が形成で
きるため、本発明の目的に最も有効に適用することがで
きる。形成される微小凹部9の形状は、ピッチ間隔0.
4〜1.0mm、深さ10〜100μの範囲にあることが
好ましい。
【0025】次に、各容器内に種類の異なる所定の調理
済食品を充填したのち、容器本体のフランジ部に蓋材シ
ートを重ね、最終的に一体に接着して密封する。この
際、蓋材シートとして、予め加熱時に収納した調理済食
品の水分蒸発に伴う容器内圧が飽和水蒸気圧+1.03
kg/cm2を越える容器側の蓋材を落し蓋形状に加熱成形し
たものとし、容器内圧が飽和水蒸気圧+1.03kg/cm2
以下の容器側には平面蓋形状の蓋材を接着する。フラン
ジ部と蓋材との接着には、公知のヒートシール法、超音
波シール法、高周波シール法等の方法が適宜に適用され
る。
【0026】
【作用】本発明に係る食品包装用2分割容器を、マイク
ロ波加熱により殺菌処理すると、収納した調理済食品か
ら水分が蒸発して容器内に充満し、内圧が上昇する。片
方の容器にシール洩れが生じるような飽和水蒸気圧+
1.03Kg/cm2を越える内圧が発生すると、図4のよう
にその容器側の落し蓋6が上方に膨張し、内圧を巧みに
緩和する。この作用により、加熱時においても常に安定
した密封性が確保される。
【0027】図5は、上記の食品包装用2分割容器に易
開封性のシール層欠落部を形成した際の開封状況を模式
的に示した説明図である。平面蓋5の開封端部を上方に
引っ張り上げて図2の矢印方向に開封すると、まず微小
凹部9における容器本体のシール層11とと蓋材のシー
ラント層10の間で剥離し、該微小凹部9の任意の弱化
部分でシール層11カットされたのちフランジ部のシー
ル層11と隣接層12の層間で剥離する。この際、シー
ル層11と隣接層12の層間剥離強度Aは0.5〜2.
5kg/15mm の範囲で、隣接層12とその外層13との層
間剥離強度Bに対してB>Aの関係にあるため、層間剥
離は円滑に進行する。この層間剥離がシール層の欠落部
8に至ると、剥離抵抗は解放される。欠落部8を過ぎた
以後の開封は、比較的弱い引き裂き破壊力を介してフラ
ンジ内縁部あるいはフランジシール部分の最内縁部に沿
って伝播的に進行する。開封が容器2の初期開封部分に
差し掛かると層間剥離は再び引っ張り破壊力に変わる
が、この位置にもシール層の欠落部8が形成されている
ため、容易に蓋材が分離される。
【0028】上記の作用で、優れた蓋材の開封が可能に
なるが、微小凹部9はフランジ部の外縁面部位に形成さ
れており、シール層の欠落部8は容器本体の初期開封部
分にあたる容器側面とフランジ内縁との境界位置に局所
的に設置されていて、シール層の隣接層に達するような
切り込みとして形成されるものではないから、内圧を受
けた際にシール洩れが発生する現象が生じることもな
い。したがって、優れた密封性と開封性とを同時に付与
することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0030】実施例1、比較例1 最内層に膜厚60μのポリプロピレン(PP)からなるシー
ル層を備え、これにポリエチレン(PE)の隣接層(膜厚:
20μ)、ポリプロピレン(PP)の中間層 (膜厚:300 μ)
、エチレン−ビニルアルコール共重合体の(EVOH)バリ
ア層 (膜厚:100μ) およびポリプロピレン(PP)の最外層
(膜厚:500μ) を共押出法により積層した多層シート
を、間接加熱式の圧空成形機にセットされた金型で成形
し、図1、2に示すような容器部分が中心で2分割され
た直径200mm、フランジ巾6mm、高さ45mmの2分割
容器に溶融成形した。この容器1に炊飯を入れ、容器2
には調理カレー汁を入れたのち、延伸したポリアミド
(厚さ30μ)シートにポリプロピレン(PP)のシーラン
ト層(膜厚50μ)をドライラミネートして形成された
蓋材を接着した。この際、容器1には平面蓋5が、容器
2には段差5mmの落し蓋6が被さるように熱成形された
蓋材を容器フランジ部7に重ね、面圧15kg/cm2、温
度200℃、時間1秒の条件で2回に亘って熱封止し
た。
【0031】このようにして食品包装した2分割容器に
つき、加圧マイクロ波殺菌をおこなった。この際、容器
1は内圧が3.0kg/cm2以下、炊飯の温度は120℃で
あり平面蓋5は変形しなかったが、容器2の内温は13
0℃に昇温し、内圧は3.0kg/cm2を越えて落し蓋6が
図4のように上部に膨張変形した。しかし、いずれの容
器もシール洩れは認められず、完全な密封性が保持され
た。
【0032】比較のために、容器1および容器2ともに
平面蓋を接着した以外は上記実施例と同様にして食品包
装した容器について、同一条件でマイクロ波殺菌したと
ころ容器2のシール部分にシール洩れ現象が認められ
た。
【0033】実施例2〜4 共押出法により作製された表1に示す組成と表2に示す
層間剥離強度を備える多層シートを用い、実施例1と同
様に2分割容器形状に成形した。ついで、直ちにフラン
ジ部の上部を欠落部形成部位の内周面に長さ10mm、巾
4mmの突出部を有し、その他の内周面がフランジ巾と同
一寸法のリング状抑え部材により面圧10 kg/cm2 で押
圧し、蓋材開封時における容器本体の初期開封部分にあ
たる容器側面とフランジ内縁との境界位置(2箇所)に
フランジ周回方向の長さが4mmで、フランジ垂直方向の
巾) が2mmのシール層の欠落部8を形成した(図2)。
【0034】ついで、図2に示すようにフランジ部の初
期開封部分の突出部位に微小凹部9を形成した。微小凹
部の形成には、ピッチ間隔0.6mmの微小突起を有する
超音波ホーンヘッドを用い、出力2kw(使用エネルギ
ー:225J)、加圧力338Pa、時間0.3秒の条件に設定
して、深さ40μの凹状点が無数に点在する微小凹部と
して形成した。
【0035】このようにして形成した2分割容器に、実
施例1と同様に調理済食品を収納したのち、容器1には
平面蓋5が、また容器2には落し蓋6が被さるように蓋
材を熱封止した。得られた食品包装容器につき、蓋材を
開封したところ、いずれの容器も初期開封部分にあたる
容器側面とフランジ内縁との境界位置でピール抵抗感が
高まることなく、容易に開封が進行し、開封面の状態も
極めて良好であった。
【0036】
【表1】 〔表注〕( )内は層厚 (μ) 、PP+EVA の混合比率は
PP20:EVA80(%) 、PP+PEの混合比率はPP80:PE20(%)
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば異なる種
類の調理済食品を別々の容器内に収納した一体型2分割
容器において、加熱時、収納した調理済食品の水分蒸発
に伴う容器内圧が飽和水蒸気圧+1.02kg/cm2を越え
る側の容器を落し蓋で密封することにより、マイクロ波
での加熱殺菌する際に安定した密封性が保証される食品
包装用2分割容器を提供することが可能となる。更に、
前記の容器において、初期開封部分にあたるフランジ部
の外縁面部位に微小凹部を形成し、かつ初期開封部分に
あたる容器側面とフランジ内縁との境界位置に局所的な
シール層の欠落部を形成させた構造とすることにより、
優れたシール安定性と共に円滑な開封性を付与すること
ができるから、優れた実用効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品包装用2分割容器の全体を示
した断面図である。
【図2】本発明の容器形態を示した斜視図である。
【図3】本発明に係る容器の初期開封部分側のフランジ
部を拡大した断面図である。
【図4】本発明に係る食品包装用2分割容器の加熱状態
を示した側面図である。
【図5】本発明容器の開封状況を模式的に示したフラン
ジ部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 容器 2 容器 3 主食類 4 副食類 5 平面蓋 6 落し蓋 7 フランジ部 8 シール層の欠落部 9 微小凹部 10 蓋材のシーラント部 11 フランジ部のシール層 12 隣接層 13 外層 14 シール部分

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる種類の調理済食品を別々の容器内
    に収納し、フランジ面に蓋材を接着して密封する一体型
    2分割容器において、加熱時、収納した調理済食品の水
    分蒸発に伴う容器内圧が飽和水蒸気圧+1.03kg/cm2
    を越える側の容器に対する蓋材を落し蓋形状とし、容器
    構成が、最内層にシール層を有する2層以上の多層シー
    トからなり、容器本体の開口部周縁にフランジ部が形成
    された2分割容器であって、前記シール層と該シール層
    に隣接する隣接層の層間剥離強度Aが0.5〜2.5kg
    /15mm で、前記隣接層とその外層との層間剥離強度Bに
    対してB>Aの関係にあり、かつ容器本体の初期開封部
    にあたるフランジ部の外縁面部位に微小凹部を形成する
    と共に、蓋材開封時における容器本体の初期開封部分に
    あたる容器側面とフランジ内縁との境界位置に局所的に
    シール層の欠落部を形成し、前記微小凹部を含むフラン
    ジ部と蓋材間を容器本体のシール層と隣接層の層間剥離
    強度Aより高い接着強度にシールしてなることを特徴と
    する食品包装用2分割容器。
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