JP2993331B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2993331B2
JP2993331B2 JP5262360A JP26236093A JP2993331B2 JP 2993331 B2 JP2993331 B2 JP 2993331B2 JP 5262360 A JP5262360 A JP 5262360A JP 26236093 A JP26236093 A JP 26236093A JP 2993331 B2 JP2993331 B2 JP 2993331B2
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明 山内
康之 梅山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は楽音生成装置に関し、特
に発音すべき楽音の音色を操作子により制御できる楽音
生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】遅延フィードバック型の音源は、ループ
回路中にパラメータ可変の遅延回路、フィルタ回路等を
含む。種々のパラメータの変更によって、生成される音
色を広い範囲で変化させることができる。その際、フィ
ードバック型音源の特性上から、パラメータの変更によ
り劇的な音色変化が行われることがある。
【0003】このようなパラメータを直接操作子で制御
すれば、表情豊かに演奏することが可能である。一方、
操作子によって表現力が向上するということは、逆から
観ると、演奏の難易度が上がるということになる。特
に、演奏の初心者にとっては、幅の広い表情を1つの操
作子で制御するということは必ずしも求められるもので
はない。
【0004】例えば、音色を大幅に変化させる場合には
広いパラメータ変化域が必要であっても、1つの演奏内
では所定の特徴を有する音色を維持しつつ微妙に音色を
変化させたい場合がある。このような場合操作子によっ
てパラメータを変化させ過ぎると音色が予期しない変化
を示してしまう。
【0005】1つのパラメータを好適に変化させられる
範囲は、演奏者の熟練度や演奏の環境によって決まり、
求められる音色変化の範囲は一定でない。したがって、
操作子がパラメータを変化することができる範囲を可変
設定可能とすることが望ましい。
【0006】しかし、その様なことを実現するために
は、操作子の位置とパラメータの値との対応関係に工夫
を凝らさなければ、実用困難である。図2は、従来の遅
延フィードバック型音源に対して操作子でパラメータを
制御する大略図である。
【0007】音源3は、楽音の周波数特性を調整するた
めのローパスフィルタ(LPF)、周波数変化に対して
非線型の変化を与えるオールパスフィルタ(APF)、
楽音の音高を定める遅延(ディレイ)素子を含むループ
回路を有する。このループ回路に励振波形を投入する
と、その励振波形はループ内を循環し、楽音波形を発生
する。
【0008】発生する楽音の音色を変化させるときに
は、ループ回路内の各種フィルタの係数を変化させる。
例えば、ピアノのような減衰音を発生させる場合とバイ
オリンのような持続音を発生させる場合とではループの
ゲインを定めるローパスフィルタの減衰項係数は大きな
変化を示す。
【0009】音色は音色スイッチで選択でき、1つの音
色を選択すると、ループ回路の各種パラメータが音色に
合わせて選択され、設定される。しかし、同じ種類の楽
器でも演奏方法により又楽器の個性により色々な変化が
ある。このような変化を演奏者の意志に基づいて実現す
るため補助的な操作子1が設けられている。例えば、パ
ラメータの1つを制御するために補助的な操作子1が設
けられている。演奏者が操作子1を操作すると、ループ
回路の所定のパラメータが変化する。
【0010】このように音源3を操作子1で制御すると
演奏しながら表情豊かに音色を実時間で変化させること
ができる。各パラメータの変化範囲は予め定められる。
パラメータ変化範囲の最小値をPrmMIN、最大値を
PrmMAXとする。このパラメータを操作子で制御す
る場合、操作子の位置の可変範囲をパラメータの変化範
囲と対応させる。
【0011】すなわち、操作子情報が最小値、最大値に
なったとき、つまり、操作子情報をMIDIで扱うとし
た場合に0、127の値となるときには、パラメータの
値がPrmMIN、PrmMAXとなるように決める。
ただし、操作子の位置を表す変化情報は0から127の
間とする。
【0012】操作子を0から127まで動かすと、0の
ときはパラメータにPrmMINが送られる。操作子が
127のときは、パラメータにPrmMAXが送られ
る。音色を表情豊かに変化させるためには、このパラメ
ータの変化する範囲をできるだけ広く取るように作成す
ることが期待される。その様に作成すれば、演奏の習熟
度の高い演奏者にとっては、表情を豊かに演奏すること
が可能になる。しかし、演奏習熟度のさほど高くない演
奏者にとっては、過剰に広い音色変化は演奏機能を持て
余すだけとなる。
【0013】例えば、ループゲインを大きく減少させる
と、ループ回路内の信号の減衰が速まり、減衰し過ぎて
楽音が発生しなくなることもある。このような状況とす
ると習熟度の低い演奏者はパラメータを適切にコントロ
ールできなくなり、かえって再現性のない陳腐な演奏を
するのみとなってしまう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】楽音生成装置におい
て、音源が生成する楽音信号の音色を変化させるために
は、操作子を用いて音源に供給するパラメータを変化さ
せることにより行う。従来は、操作子によるパラメータ
の変化範囲が、かなり広く取られていて、習熟度の低い
演奏者にとってはパラメータ変更を行いにくいものとし
ていた。
【0015】また、複数の音色を有する電子楽器では、
音色毎に操作子によるパラメータの変化範囲を異ならせ
ることができないために、音色の種類によっては人間の
聴覚には感じない楽音にまで変化されてしまい、演奏の
初心者にとっては扱い辛いものになってしまう。
【0016】本発明の目的は、発音すべき楽音の音色を
操作子によって変化させる変化範囲を演奏者の意志に基
づいて可変にできる楽音生成装置を提供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音生成装置
は、音色を選択する音色選択手段と、操作位置に従っ
て、楽音信号の音色を制御するための音色制御データを
出力する操作子手段と、前記操作子手段の操作範囲の少
なくとも3つの位置であってかつ全ての位置よりも少な
い数の位置に各々対応した変換パラメータを前記音色選
択手段で選択可能な音色毎に記憶した記憶手段と、第1
モードと第2モードのいずれかを設定するモード設定手
段と、前記音色選択手段で選択された音色に対応する変
換パラメータを前記記憶手段から読み出し、該読み出さ
れた変換パラメータおよび前記操作子手段から出力され
る音色制御データを用いて演算することにより音色制御
データを音色データに変換する変換手段と、前記変換手
段で変換される音色データに基づき楽音信号を発生する
楽音信号生成手段とを有し、前記変換手段は、前記モー
ド設定手段で第1モードが選択された場合には前記少な
くとも3つの位置に対応した変換パラメータを用いて前
記音色制御データを前記音色データに変換し、前記モー
ド設定手段で第2モードが選択された場合には前記少な
くとも3つの位置のうちの中間の位置を除く位置に対応
した変換パラメータを用いて前記音色制御データを前記
音色データに変換する
【0018】
【作用】操作子手段の操作子位置を表す音色制御データ
を変換手段により、所定範囲内の数値に変換することが
できるので、楽音信号生成手段に供給する音色データ
変化範囲を限定することができる。したがって、楽音信
号生成手段により生成される楽音信号の音色は所定の範
囲のみで変化する。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の実施例による電子楽器を示
す。音源3は、楽音の周波数特性を調整するためのロー
パスフィルタ(LPF)、周波数変化に対して非線型の
変化を与えるオールパスフィルタ(APF)、楽音の音
高を定める遅延(ディレイ)素子を含むループ回路を有
する。このループ回路に励振波形を投入すると、その励
振波形はループ内を循環し、楽音波形を発生する。
【0020】発生する楽音の音色を変化させるときに
は、ループ回路内の各種フィルタの係数を変化させる。
例えば、ピアノのような減衰音を発生させる場合とバイ
オリンのような持続音を発生させる場合とではループの
ゲインを定めるローパスフィルタの減衰項係数は大きな
変化を示す。
【0021】音色は音色スイッチで選択でき、1つの音
色を選択すると、ループ回路の各種パラメータが音色に
合わせて選択され、設定される。音源3は、パラメータ
の変更により、生成する音色を変えることができる。操
作子1は、音色を変化させるために演奏者が指示を与え
る操作子である。操作子1を操作するとその操作位置に
対応して例えば0〜127の操作子情報が出力される。
この操作子情報は、直接音源3のパラメータには反映さ
れないで、MAX/MIN変換回路2を介して、音源3
に入力される。
【0022】MAX/MIN変換回路2は、操作子1か
ら入力された操作子情報に対して、指定された所定の関
係にあるパラメータを出力し、音源3に与える。ここ
で、MAX/MIN変換回路は、入力する操作子情報に
対して出力するパラメータの値(最大値/最小値)の関
係を可変設定することができる。このため、演奏者の習
熟度や演奏環境によって、パラメータの変化範囲を最適
のものに設定すること等が可能となる。したがって、操
作子1を制御することにより、必要範囲内で音源3の音
色を変化させることができる。
【0023】MAX/MIN変換回路2は、1つの操作
子情報により複数のパラメータを同時に発生することが
できる。音源の全てのパラメータの値を変化させる必要
はなく、操作子によって制御したい所定のパラメータの
みを効率的に変化させることができる。また、元の音色
情報を保ったまま、操作子により演奏者の希望や演奏環
境に対応した修正が容易となるメリットもある。
【0024】図3は、操作子情報をMAX/MIN変換
する変換例1を示す。操作子は、その位置に応じて、0
から127まで変化する操作子情報を供給する。音源回
路の対応するパラメータの変化領域の最小値をPrmM
INとし、最大値をPrmMAXとする。MAX/MI
N変換回路2を挿入しない場合は、操作子情報が0のと
きパラメータはPrmMINに設定され、操作子情報が
127のときパラメータはPrmMAXに設定されるこ
とになる。
【0025】MAX/MIN変換回路2は操作子情報が
0のときCntMINを発生し、操作子情報が127の
ときCntMAXを発生する。ここで、MAX/MIN
変換回路2の出力の変化幅は音源回路3のパラメータの
変化幅よりも小さく設定される。
【0026】ただし、CntMAXとCntMIN自体
の値の大小関係は必ずしもMAX>MINである必要は
ない。操作子の情報を大きくするほどパラメータの値を
小さくすることも可能である。
【0027】図3(A)において、操作子によるパラメ
ータの変化を中央の値付近のみで変化させる変換例を示
す。操作子情報の最大値127を変換することにより設
定される値をCntMAXとし、操作子情報の最小値0
を変換することにより設定される値をCntMINとす
る。
【0028】CntMAXをPrmMAXとPrmMI
Nで規定されるパラメータ変化域の中央値よりもやや大
きい値に設定し、CntMINをこの中央値よりもやや
小さい値に設定を行う。操作子を最大位置に移動した場
合には、変換されたCntMAXが出力され、操作子を
最小位置に移動した場合には、変換されたCntMIN
が出力される。その間の範囲は、操作子の位置に応じて
CntMAXとCntMINの間で補間された値が出力
される。
【0029】図3(B)は、0から127まで操作子情
報を変化させたときにMAX/MIN変換回路2が変換
出力する値を示すグラフである。CntMINとCnt
MAXの間の値を直線補間を行った場合には、図に示す
ようにCntMINからCntMAXまでの変化は直線
的に変化する。その時の変化は、パラメータ変化域の中
央値付近のみを細かく変化することになる。
【0030】操作子から0が指示されたときには、Cn
tMINが変換出力され、操作子から64付近が指示さ
れたときには、パラメータ変化域の中央値付近が変換出
力され、操作子から127が指示されたときには、Cn
tMAXが変換出力される。
【0031】このような変換を行うと、操作子の操作
は、パラメータ変化域の中央付近を微妙に音色変化させ
ることになる。これは、音色変化には乏しいが、操作子
の位置が少々ずれてもあまり音色が変化しないために安
定した演奏が可能になる。そのため、習熟度の高くない
演奏者や、音色の大きな変化を期待しない演奏環境にお
いては、微妙な音色変化を付けやすくなる。実際には、
このような設定が望まれる場合も少なくない。
【0032】図4は、操作子情報をMAX/MIN変換
する変換例2を示す。図4(A)は、操作子によるパラ
メータの変化を最大値付近のみで変化させる変換例を示
す。CntMAXをパラメータ変化域の最大値に設定
し、CntMINをパラメータ変化域の最大値よりもや
や小さい値に設定を行う。
【0033】図4(B)は、0から127まで操作子情
報を変化させたときに変換出力する値を示すグラフであ
る。CntMINとCntMAXの間の値を直線補間を
行った場合には、図に示すようにCntMINからCn
tMAXまでの変化は直線的にパラメータ変化域の最大
値付近を細かく変化することになる。
【0034】操作子から0が指示されたときには、Cn
tMINが変換出力され、操作子から127が指示され
たときには、最大値を示すCntMAXが変換出力され
る。例えば、バイオリン等の持続音の場合、ループゲイ
ンは1に極めて近い値に設定される。ピアノ等の減衰音
の場合ループゲインは0.7〜0.8程度に設定され
る。操作子によってループゲインを例えば[0.7
1.0]で可変とすると、持続音が減衰音に変わってし
まったり、予期せぬ変化を示すことがあり得る。持続音
を発生させる場合ループゲインは小さくしすぎないよう
に最大値の近くに制限することが好ましい。
【0035】図5は、操作子情報をMAX/MIN変換
する変換例3を示す。図5(A)は、操作子の中央位置
に対応してCntCNTRを設けた例を示す。操作子が
0の位置にあるときにはCntMINに変換し、操作子
が127の位置にあるときにはCntMAXに変換し、
さらに操作子が64の位置にあるときにはCntCNT
Rに変換する。
【0036】CntMAXをパラメータ変化域最大値に
設定し、CntMINもパラメータ変化域の最大値に設
定し、CntCNTRをパラメータ変化域の最小値に設
定を行う。つまり、操作子が0では、最大値を示すCn
tMAXに変換され、操作子が64では、最小値を示す
CntMINに変換され、操作子が127では最大値を
示すCntCNTRに変換される。
【0037】図5(B)は、0から127まで操作子情
報を変化させたときに変換出力する値を示すグラフであ
る。CntMINからCntCNTRまでの間を直線補
間し、CntCNTRからCntMAXまでの間を直線
補間した場合を示す。
【0038】操作子の0から64までの変化に対して
は、CntMINからCntCNTRまでの変化に対応
し、操作子の64から127までの変化に対しては、C
ntCNTRからCntMAXまでの変化に対応する。
【0039】つまり、操作子を0から64まで変化させ
ると、変換後の値は直線的に最大値から最小値まで変化
する。また、操作子を64から127まで変化させる
と、変換後の値は直線的に最小値から最大値まで変化す
る。なお、最小値と最大値を逆にしてもよいことは自明
であろう。
【0040】この変換はこれだけでもおもしろい効果を
得ることができるが、さらに複数の音色を重ねてレイヤ
ードボイスを構成したときに、それぞれの音色で異なる
操作子の動きによる変化を実現しておくと、音色のクロ
スフェード効果によって複雑な変化も簡単に実現でき
る。
【0041】以上のように、CntCNTRを設けるこ
とにより、CntMINからCntCNTRまでと、C
ntCNTRからCntMAXまでを別々に補間するこ
とができるので、CntMINからCntCNTRまで
と、CntCNTRからCntMAXまでを異なる変化
に設定することができる。
【0042】図6は、電子楽器のシステム構成例を示
す。演奏操作子15は、演奏を行う際に演奏者が操作す
る操作子である。例えば複数の鍵を有する鍵盤であり、
押鍵や離鍵等の操作を行うことにより、音高情報や押鍵
速度、押鍵圧力等の鍵操作情報の信号を出力する。
【0043】音色選択操作子14は、音色スイッチ等の
音色選択を行うための指示を与える操作子である。楽音
パラメータ操作子16は、音色変化を行うためのn個の
操作子を有し、楽音合成部17の種々のパラメータの変
更操作を行うことができ、生成される音色を変化させ
る。楽音パラメータ操作子16は、例えば、ホイール、
ジョイスティック、スライダ、ペダル等により構成され
る。
【0044】CPU11は、バス19を介して、音色選
択操作子14から信号を読み出し、得られた信号に応じ
た音色パラメータを楽音合成部17に供給する。また、
楽音パラメータ操作子16の操作子情報を読み出し、選
択された音色に応じて操作子情報の変換が行われ、楽音
合成部17に供給される音色パラメータに変化を加え
る。
【0045】CPU11は、バス19を介して、演奏操
作子15から得られた鍵操作情報を楽音合成部17に供
給する。楽音合成部17は、供給されるパラメータに応
じて様々な音色の楽音信号を生成する。生成された楽音
信号は、サウンドシステム18に供給され、楽音が発生
する。楽音合成部17はハードウェアあるいはデジタル
シグナル プロセッサ(DSP)等を用いて構成され
る。
【0046】ROM12は演算プログラムを記憶してい
る。CPU11はこの演算プログラムに従って、RAM
13に備えられたレジスタやバッファメモリ等のワーキ
ングメモリを用いて楽音信号合成のための各種演算処理
を行う。
【0047】CPU11は、バス19を介してROM1
2、RAM13、音色選択操作子14、演奏操作子1
5、楽音パラメータ操作子16、楽音合成部17の制御
を行う。
【0048】図8は、楽音信号を生成する楽音合成回路
を示す。楽音合成回路は、第1系列楽音合成部20aと
第2系列楽音合成部20bの2つの楽音合成部を有す
る。第1楽音合成部20aでは、演奏操作子に応じてK
ON(キーオン)信号、KC(キーコード)信号、TO
UCH(タッチ)信号が励振波形発生部21aに入力さ
れる。KON信号は、鍵盤の押鍵操作により発生するキ
ーオンを表す。KC信号は、押離鍵操作が行われた鍵の
音高を示すキーコードを表す。TOUCH信号は、鍵盤
上の押離鍵速度を示すキータッチを表す。
【0049】励振波形発生部21aは、KON信号、K
C信号、TOUCH信号に応じて、励振波形を生成す
る。また、選択された音色に応じて予め設定されたパラ
メータWAVE1により、生成する波形を決定する。例
えば、波形メモリに数種類の波形が記憶されており、入
力されたパラメータWAVE1に応じて、その中の1つ
がメモリから読み出されて、励振波形が生成される。ま
た、波形メモリを用いずに、ノイズ波形を発生させるこ
とにより、励振波形を形成してもよい。
【0050】励振波形発生部21aにて生成された波形
は、加算器27aにおいて、ディレイ回路23aから出
力されるフィードバック信号と加算される。加算された
信号は、LPF(low pass filter)2
2aに入力される。LPF22aには、予め設定されて
いるパラメータLPFCOEF1が係数C11と加算され
て入力される。その加算された信号に応じて、LPF2
2aのカットオフ周波数、ループゲイン等が決定され
る。係数C11は、楽音パラメータ操作子に基づいて生成
される係数である。係数Cの生成回路については、後に
説明する。
【0051】LPF22aにおいてフィルタリングされ
た信号は、HPF(high pass filte
r)25aとAPF(all pass filte
r)24aに供給される。
【0052】APF24aは、周波数特性に非直線性を
もたせるためのフィルタである。APF24aには、予
め設定されているパラメータAPFCOEF1が係数C
13と加算されて入力される。その加算された信号に応じ
て、APF24aの非直線特性等が決定される。係数C
13は、楽音パラメータ操作子に基づいて生成される係数
である。APF24aから出力された信号は、ディレイ
回路23aに入力される。
【0053】ディレイ回路23aは、所定の遅延時間だ
け遅延された信号を出力する。ディレイ回路23aに
は、音高信号(KC)に基づいて選択された(厳密には
さらにAPF、LPFの遅延量を考慮して決定する)パ
ラメータDLYT1が係数C12と加算されて入力され
る。その加算された信号に応じて、遅延時間等が決定さ
れる。係数C12は、楽音パラメータ操作子に基づいて生
成される係数である。
【0054】ディレイ回路23aから出力された信号は
フィードバック信号として、加算器27aにおいて、励
振波形発生部21aで生成された波形信号と加算され
る。HPF25aは、LPF24aにて出力された信号
に対して、直流成分をカットし、フィルタリングによる
音色加工を行う。HPF25aには、予め設定されてい
るパラメータHPFCOEF1が係数C14と加算されて
入力される。その加算された信号に応じて、HPF25
aのカットオフ周波数等が決定される。係数C14は、楽
音パラメータ操作子に基づいて生成される係数である。
HPF25aから出力された信号は、ボリューム調整用
増幅器26aに入力される。
【0055】増幅器26aには、予め設定されているパ
ラメータVOL1が係数C15と乗算されて入力される。
その乗算された信号に応じて、LPF22aから出力さ
れた信号の増幅が行われる。係数C15は、楽音パラメー
タ操作子に基づいて生成される係数である。増幅器26
aから出力された信号は、加算器28に入力される。
【0056】第2系列楽音合成部20bは、第1系列楽
音合成部20aと同じ構成を有する。演奏操作子による
KON信号、KC信号、TOUCH信号が、励振波形発
生部21bに入力される。そして、加算器27b、LP
F22b、APF24b、ディレイ回路23b、HPF
25bを介して、増幅器26bから出力される信号は、
加算器28に供給される。
【0057】ただし、第2楽音合成部20bにおいて供
給されるパラメータと係数Cは、第1楽音合成部20a
とは異なる。励振波形発生部21bには、パラメータW
AVE2が供給される。LPF22bには、パラメータ
LPFCOEF2と係数C21が供給される。APF24
bには、パラメータAPFCOEF2と係数C24が供給
される。ディレイ回路23bには、パラメータDLYT
2と係数C22が供給される。HPF25bには、パラメ
ータHPFCOEF2と係数C24が供給される。増幅器
26bには、パラメータVOL2と係数C25が供給され
る。
【0058】加算器28には、第1系列楽音合成部20
aからの出力信号と第2系列楽音合成部20bからの出
力信号が入力され、その加算信号が楽音合成回路の出力
信号となる。
【0059】以上、フィルタ等の回路において供給され
るパラメータに対して、係数Cを加算する場合を例に説
明したが、これらは乗算等の他の演算手段でもよい。増
幅器26a,26bに供給されるパラメータVOL1,
VOL2に関しては、ボリューム制御を行うので、人間
の聴感上の理由から係数Cを乗算するのが好ましい。
【0060】以上説明した楽音合成回路の各パラメータ
をそれぞれ独立の操作子で制御してもよいが、複数の操
作子の操作位置を相互に関連させて各パラメータの値を
制御するようにしてもよい。制御すべきパラメータの変
更等を容易に行えるようになり、操作子の数を節約でき
る。また、感覚的量を表す1つの操作子を操作すると、
その効果を実現するため複数のパラメータが変化するよ
うにもできる。
【0061】図7は、係数Cの生成回路を示す。n個の
楽音パラメータ操作子の操作子情報からCntMAX、
CntMINまたはCntCNTRを用いて、CONT
ROL1〜CONTROLnのn個の値に変換される。
【0062】図は、係数Cklを生成する例を示す。係数
klは、図8の楽音合成回路に供給される係数に対応す
る。kは系列の番号を表す。つまり、第1系列楽音合成
部の係数Cであれば1を示し、第2系列楽音合成部の係
数Cであれば2を示す。また、lは楽音合成回路中にお
いて供給されるフィルタ等の回路種類1〜5を表す。
【0063】変換された信号CONTROL1〜CON
TROLnは、n個の増幅器MP1〜MPnにそれぞれ
入力される。増幅器MP1〜MPnの増幅率は、それぞ
れパラメータS1kl 〜Snkl によって制御される。
【0064】増幅器MPは、入力信号に対してパラメー
タSに応じた重み付けをする。増幅器MP1〜MPnの
出力は、それぞれXOR(排他的論理和)回路EX1〜
EXnに入力される。
【0065】XOR回路EX1〜EXnには、増幅器M
P1〜MPnからの信号とパラメータINV1kl 〜IN
nkl とがそれぞれ入力される。例えば、XOR回路E
X1には、増幅器MP1の出力信号とパラメータINV
1kl が入力される。パラメータINVは、選択された音
色毎に予め設定されているパラメータである。
【0066】XOR回路EXは、パラメータINVに応
じて、増幅器MPの出力がそのまま出力するか、または
増幅器MPの出力を反転して出力するかを決定する。X
OR回路EX1〜EXnからのn個の出力は、加算器A
Dに入力される。加算器ADは、n個の入力信号の加算
を行い、係数Cklを出力する。出力された係数Cklは、
楽音合成回路に供給され、係数に応じた音色変化が行わ
れる。
【0067】なお、回路中の増幅器MP1〜MPnは、
入力のCONTROL1〜CONTROLnのそれぞれ
に対する感度を決めることができる。増幅器MPに供給
されるパラメータSは重み付けの大きさを表し、重み付
けが大きいほどそれに対応する操作子からの入力値CO
NTROLを大きく反映させることになる。
【0068】例えば、パラメータSとして“0”または
“1”を用いた場合には、パラメータS=0であれば対
応する入力値CONTROLの操作子には無関係に係数
Cが生成され、パラメータS=1であれば対応する入力
値CONTROLの操作子に依存して係数Cが生成され
る。つまり、n個の操作子において、係数Cklを変化さ
せるために用いる操作子にのみ対応するパラメータS
1kl 〜Snkl を1とし、それ以外を0とすれば、各操作
子に別々の音色変化の効果を割り当てることができる。
【0069】回路中のXOR回路EXは、供給されるパ
ラメータINVのビットが立っていれば入力値の反転を
行い、ビットが立っていなければ反転を行わない。入力
値の反転を行うことにより、操作子の変化方向を逆にす
ることができる。つまり、操作子を大きくするほど係数
Cを小さくする方向に変化させる機能を有する。
【0070】図9は、選択された音色毎に設定された音
色パラメータを記憶するメモリを示す。音色パラメータ
は、選択対象となる音色の数だけ用意されている。そし
て、音色選択操作子により選択された音色に対応する音
色パラメータがメモリから読み出されて、楽音合成部に
供給される。
【0071】音色パラメータPARGは、第1系列楽音
合成部に対応するパラメータPARG1と、第2系列楽
音合成部に対応するパラメータPARG2と、MAX/
MIN変換パラメータを有する。
【0072】第1系列パラメータPARG1は、図8の
第1楽音合成部に供給される5つのパラメータWAVE
1,LPFCOEF1,APFCOEF1,HPFCO
EF1,VOL1を有する。さらに図7の係数Cの生成
回路に供給されるパラメータS111 〜Sn15 とパラメー
タINV111 〜INVn15 を有し、それぞれn個の操作
子に対応する第1系列楽音合成部の回路種類1〜5に対
応するパラメータである。
【0073】第2系列パラメータPARG2は、図8の
第2楽音合成部に供給される5つのパラメータWAVE
2,LPFCOEF2,APFCOEF2,HPFCO
EF2,VOL2を有する。さらに図7の係数Cの生成
回路に供給されるパラメータS121 〜Sn25 とパラメー
タINV121 〜INVn25 を有し、それぞれn個の操作
子に対応する第2系列楽音合成部の回路種類1〜5に対
応するパラメータである。
【0074】MAX/MIN変換パラメータは、n個の
楽音パラメータ操作子の位置を表す信号からMAX/M
IN変換を行う際に用いるパラメータCntMAX1〜
CntMAXn、パラメータCntMIN1〜CntM
INn、パラメータCntCNTR1〜CntCNTR
nおよびパラメータCNTRON1〜CNTRONnを
有する。
【0075】各パラメータは、それぞれのn個の操作子
に対応して設けられている。CntMAXとCntMI
Nは、それぞれ操作子の最大位置と最小位置に対応して
変換が行われ、CntCNTRは例えば操作子の中央位
置に対応する。これらの値に基づいて操作子情報から制
御用情報が変換出力される。
【0076】パラメータCNTRONは、CntCNT
Rを変換に用いるか否かを表すパラメータである。用い
るのであれば、CntMAX、CntMINおよびCn
tCNTRの3つのパラメータに基づいて変換を行う。
用いないのであれば、CntMAXおよびCntMIN
の2つのパラメータに基づいて変換を行う。
【0077】図10は、楽音パラメータ操作子のMAX
/MIN変換処理を行う際においてRAM上に確保され
るレジスタを示す。RAM上には、各操作子に対応して
n組のレジスタが確保される。図には、第n操作子に対
応するレジスタの組の例を示す。なお、RAMは、第1
操作子から第n操作子までのn組の同様なレジスタの組
を有する。
【0078】まず、図9に示すメモリに記憶された音色
パラメータより、第n操作子に対応するMAX/MIN
変換パラメータCntMAXn、CntMINn、Cn
tCNTRnおよびCNTRONnを読み出し、それぞ
れのレジスタに格納する。
【0079】レジスタCntMAXn、CntMINn
およびCntCNTRnは、操作子の位置を表す信号と
同様に0から127の範囲内の値をとる。レジスタCN
TRONnは、0であればCntCNTRを用いずに変
換を行い、1であればCntCNTRを用いて変換を行
う。
【0080】また、RAMは、その他にレジスタCTR
LnとレジスタCONTROLnを有する。レジスタC
TRLnには、第n操作子の位置を読み出した操作値が
格納される。レジスタCONTROLnには、レジスタ
CTRLnの入力値に対してMAX/MIN変換の演算
を行った後の値が格納される。
【0081】図11は、CPUが行う電子楽器処理のメ
インルーチンを示すフローチャートである。ステップP
1から処理はスタートし、ステップP2においてレジス
タ類の初期化等の初期設定を行う。
【0082】ステップP3では、各種操作子のイベント
を検出する。CPUは、音色選択操作子、演奏操作子お
よび楽音パラメータ操作子のイベントの検出を行い、各
操作子の状態をチェックする。
【0083】ステップP4では、音色選択処理および音
色パラメータの編集処理を行う。詳細は後述する。次
に、ステップP5では、楽音パラメータ操作子のMAX
/MIN変換を行う。詳細は後述する。
【0084】ステップP6では、楽音合成部で生成され
た楽音信号の発音処理を行う。選択された音色に対し
て、楽音パラメータ操作子で変化を加えられた音色が、
楽音合成部において生成出力される。出力された信号
は、ディジタル信号からアナログ信号に変換され、アン
プにより信号増幅される。増幅された楽音信号は、スピ
ーカに供給され発音される。
【0085】ステップP7では、その他の操作子に応じ
たパラメータの設定処理やメインルーチンの終了処理等
の演奏に必要なその他の処理を行う。そして、ステップ
P3へと進み、処理を繰り返す。
【0086】図12は、図11のステップP4の音色選
択処理および音色パラメータの編集処理の詳細を示すフ
ローチャートである。ステップQ1から処理はスタート
し、ステップQ2において音色選択操作子のイベントが
生じているか否かのチェックを行う。イベントがあれば
ステップQ3へ進み、イベントがなければバイパスして
ステップQ4へ進む。
【0087】ステップQ3では、音色選択操作子により
指定された音色パラメータPARGをメモリから読み出
して、そのうちの第1系列音色パラメータPARG1を
第1系列楽音合成部または係数Cの生成回路に転送し、
第2系列音色パラメータPARG2を第2系列楽音合成
部または係数Cの生成回路に転送する。そして、MAX
/MIN変換パラメータをRAM上のレジスタに転送す
る。その後、ステップQ4へ進む。
【0088】ステップQ4では、編集モードであるか否
かをチェックする。音色選択操作子中にある音色パラメ
ータ編集モードの操作子により、編集モードと演奏モー
ドを切り替えることができる。編集モードであれはステ
ップQ5へ進み、演奏モードであればステップQ6へ進
み、図11のメインルーチンの処理へ戻る。
【0089】ステップQ5では、音色選択操作子により
選択されている音色のパラメータPARGの変更等の編
集操作処理を行う。演奏者は、音色パラメータ中の任意
のパラメータを所望の値に変更することが可能である。
その後、ステップQ6へ進み、図11のメインルーチン
の処理へ戻る。
【0090】図13は、図11のステップP5の音色パ
ラメータ操作子のMAX/MIN変換処理の詳細を示す
フローチャートである。ステップR1から処理はスター
トし、ステップR2においてカウンタレジスタiに0を
セットする。
【0091】ステップR3では、カウンタレジスタiの
値をインクリメントする。次に、楽音パラメータ操作子
の第i操作子の位置を表す操作値CTRLiを取り込
む。操作値CTRLiは、操作子の位置に応じて0から
127までの値をとる。
【0092】ステップR5では、レジスタCNTRON
iの値が0か否かをチェックする。レジスタCNTRO
Niは、第i操作子においてMAX/MIN変換を行う
際にパラメータCntCNTRを用いるか否かを表す。
レジスタCNTRONiが0であればステップR6へ進
み、パラメータCntMAXおよびCntMINを用い
て変換を行う。一方、レジスタCNTRONiが1であ
ればステップR7,R8,R9へ進み、パラメータCn
tMAX、CntMINおよびCntCNTRを用いて
変換を行う。
【0093】ステップR6では、レジスタCntMAX
iおよびレジスタCntMINiの値を用いて、次式に
よりレジスタCTRLiの値から変換値CONTROL
iを演算する。この式は、CntMINiとCntMA
Xiの2点を結ぶ直線式であり、その2点の間の値を直
線補間により求める。
【0094】
【数1】CONTROLi=CntMINi+(Cnt
MAXi−CntMINi)×CTRLi/127 なお、レジスタCntMAXiおよびレジスタCntM
INiには、メモリに記憶された音色パラメータPAR
Gのうち第i操作子に対応するMAX/MIN変換パラ
メータの値が格納されている。
【0095】演算により求められた変換値CONTRO
Liは、レジスタCONTROLiに格納される。その
後、ステップR10へ進む。ステップR7は、パラメー
タCntCNTRを用いて変換を行うと判断された後の
処理であり、レジスタCTRLiの値が64以下である
か否かをチェックする。CntCNTRiは、操作値C
TRLiが64の値に対応して設定され、CntCNT
Riを境界にして、2つの処理に分岐する。
【0096】レジスタCTRLiが64以下であればス
テップR8へ進み、CntMINiからCntCNTR
iまでの間の補間を行う。一方、レジスタCTRLiが
64以下でなけれステップR9へ進み、CntCNTR
iからCntMAXiまでの間の補間を行う。
【0097】ステップR8では、レジスタCntMIN
iおよびレジスタCntCNTRiの値を用いて、次式
によりレジスタCTRLiの値から変換値CONTRO
Liを演算する。この式は、CntMINiとCntC
NTRiの2点から、直線補間を行う式である。
【0098】
【数2】CONTROLi=CntMINi+(Cnt
CNTRi−CntMINi)×CTRLi/64 なお、レジスタCntCNTRiには、メモリに記憶さ
れた音色パラメータPARGのうちのCntCNTRi
の値が格納されている。
【0099】演算により求められた変換値CONTRO
Liは、レジスタCONTROLiに格納される。その
後、ステップR10へ進む。ステップR9では、レジス
タCntMAXiおよびレジスタCntCNTRiの値
を用いて、次式によりレジスタCTRLiの値から変換
値CONTROLiを演算する。この式は、CntMA
XiとCntCNTRiの2点から、直線補間を行う式
である。
【0100】
【数3】CONTROLi=CntCNTRi+(Cn
tMAXi−CntCNTRi)×(CTRLi−6
4)/64 演算により求められた変換値CONTROLiは、レジ
スタCONTROLiに格納される。その後、ステップ
R10へ進む。
【0101】ステップR10では、レジスタCONTR
OLiに格納された値を係数Cの生成回路に転送し、係
数Cを生成する。生成された係数Cは、楽音合成回路に
供給される。
【0102】そして、ステップR11において、カウン
タレジスタiがnであるか否かをチェックする。カウン
タレジスタiがnでなければ、ステップR3へ進み次の
操作子についての処理を同様に繰り返す。一方、カウン
タレジスタiがnであれば、n個の操作子全ての処理が
終了したので、ステップR12へ進み図11のメインル
ーチンの処理へ戻る。
【0103】なお、CntMAX、CntCNTRまた
はCntMINの間を直線補間することにより、変換値
CONTROLを求めたが、指数関数等の他の関数によ
り補間を行ってもよい。また、テーブルを用いた表引き
による補間でもよく、実際に実時間で計算してもよい。
人間の感覚は物理量に対して対数的に変化する場合が多
く、指数関数を用いれば、人間の聴覚にあった変化を行
う場合に有効である。
【0104】CntCNTRは、必ずしも操作子の操作
値64に対応させるものではなく、任意の操作値に対応
させることができる。また、CntCNTRは1つであ
る必要はなく、複数設けてもよい。複数設けることによ
り、それぞれ間を別々に補間を行うことができるので、
複雑な細かな変化に対応させることができる。
【0105】CntMAXとCntMINは、値の大小
関係を意味するものではなく、CntMAXよりもCn
tMINを大きな値に設定してもよい。これにより、操
作子を移動させることにより、増加の変化と減少の変化
の両方を実現可能である。
【0106】操作子の位置を示す操作値CTRL1〜C
TRLnをMAX/MIN変換回路に入力し、変換値C
ONTROL1〜CONTROLnを得ていたが、これ
に加えて、係数Cの生成回路が出力する係数Cの値をさ
らにMAX/MIN変換回路に入力してもよい。これに
より、係数Cに対して変化範囲を制限し、楽音合成回路
に供給することができる。また、操作子の操作値CTR
L1〜CTRLnに対しては、MAX/MIN変換を行
わず、係数Cに対してだけMAX/MIN変換を行うよ
うにしてもよい。
【0107】本実施例では、遅延フィードバック型の音
源を例に説明したが、これに限られず、どんな音源であ
っても有効である。以上のように、楽音パラメータ操作
子からの音色変更操作に対して音色毎に特有のパラメー
タ変化幅を設定することにより、例えば音の減衰速度が
速すぎて音にならないような音色に変更されることを防
ぐことができる。また、CntCNTRを用いることに
より操作子の移動位置に応じて異なる変化を実現するこ
とができる。また、音源の制御に限らず、各種データの
入力処理(自動演奏のデータ入力等)にも適用可能であ
る。
【0108】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組合わせ等が可能なことは当業者に自
明であろう。
【0109】
【発明の効果】操作子手段からの音色変更操作に対して
音色毎に特有の音色データの変化幅を設定することがで
きるので、例えば音の減衰速度が速すぎて音にならない
ような音色に変更されるのを防ぐことができる。
【0110】これにより、演奏者の熟練度によりパラメ
ータの変化範囲を変更することができ、音色の種類によ
ってパラメータの変化範囲を異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による操作子で音色を操作す
る電子楽器を示す大略図である。
【図2】 従来の操作子で音色を操作する電子楽器の大
略図である。
【図3】 操作子情報をMAX/MIN変換する変換例
1を示す概念図である。図3(A)は、操作子によるパ
ラメータの変化をパラメータ変化範囲の中央の値付近の
みで変化させる変換例を示し、図3(B)は、0から1
27まで操作子情報を変化させたときに変換出力する値
を示すグラフである。
【図4】 操作子情報をMAX/MIN変換する変換例
2を示す概念図である。図4(A)は、操作子によるパ
ラメータの変化をパラメータ変化範囲の最大値付近のみ
で変化させる変換例を示し、図4(B)は、0から12
7まで操作子情報を変化させたときに変換出力する値を
示すグラフである。
【図5】 操作子情報をMAX/MIN変換する変換例
3を示す概念図である。図5(A)は、CntMINと
CntMAXの他にCntCNTRを設けた例を示し、
図5(B)は、0から127まで操作子情報を変化させ
たときに変換出力する値を示すグラフである。
【図6】 電子楽器のシステム構成例を示すブロック図
である。
【図7】 係数Cの生成回路を示す回路図である。
【図8】 楽音信号を生成する楽音合成回路を示す回路
図である。
【図9】 選択された音色毎に設定された音色パラメー
タを記憶するメモリを示すメモリマップである。
【図10】 楽音パラメータ操作子のMAX/MIN変
換処理を行う際においてRAM上に確保されるレジスタ
を示す概略図である。
【図11】 CPUが行う電子楽器処理のメインルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図12】 図11のステップP4の音色選択処理およ
び音色パラメータの編集処理の詳細を示すフローチャー
トである。
【図13】 図11のステップP5の音色パラメータ操
作子のMAX/MIN変換処理の詳細を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 操作子、 2 MAX/MIN変換回路、 3
音源、 11 CPU、 12 ROM、 1
3 RAM、 14 音色選択操作子、15 演奏操
作子、 16 楽音パラメータ操作子、 17 楽
音合成部、18 サウンドシステム、 19 バス、
21 励振波形発生部、22 LPF、 23
ディレイ回路、 24 APF、 25 HPF、
26 増幅器、 27,28 加算器、 MP
増幅器、 EXXOR回路、 AD 加算器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−225398(JP,A) 特開 平4−133100(JP,A) 特開 平5−265460(JP,A) 特開 平2−296296(JP,A) 特開 平3−230197(JP,A) 特開 昭60−86597(JP,A) 特開 平5−173560(JP,A) 実開 平3−90293(JP,U) 実開 平2−1794(JP,U) 実開 平2−1792(JP,U) 特許2504261(JP,B2) 特公 平4−29078(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10H 1/00 - 7/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音色を選択する音色選択手段と、 操作位置に従って、楽音信号の音色を制御するための音
    色制御データを出力する操作子手段と、 前記操作子手段の操作範囲の少なくとも3つの位置であ
    ってかつ全ての位置よりも少ない数の位置に各々対応し
    た変換パラメータを前記音色選択手段で選択可能な音色
    毎に記憶した記憶手段と、 第1モードと第2モードのいずれかを設定するモード設
    定手段と、 前記音色選択手段で選択された音色に対応する変換パラ
    メータを前記記憶手段から読み出し、該読み出された変
    換パラメータおよび前記操作子手段から出力される音色
    制御データを用いて演算することにより音色制御データ
    を音色データに変換する変換手段と、 前記変換手段で変換される音色データに基づき楽音信号
    を発生する楽音信号生成手段とを有し、 前記変換手段は、前記モード設定手段で第1モードが選
    択された場合には前記少なくとも3つの位置に対応した
    変換パラメータを用いて前記音色制御データを前記音色
    データに変換し、前記モード設定手段で第2モードが選
    択された場合には前記少なくとも3つの位置のうちの中
    間の位置を除く位置に対応した変換パラメータを用いて
    前記音色制御データを前記音色データに変換する楽音生
    成装置。
  2. 【請求項2】前記モード設定手段は、前記音色設定手段
    で選択された音色に応じて前記第1モードと前記第2モ
    ードのいずれかを設定することを特徴とする請求項1記
    載の楽音生成装置。
  3. 【請求項3】前記操作子手段は、複数の操作子を有し、 前記記憶手段は、前記各操作子毎独立に前記変換パラメ
    ータを記憶し、 前記変換手段は、前記各操作子毎独立に前記音色制御デ
    ータを前記音色データに変換する請求項1記載の楽音生
    成装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の楽音生成装置において、さ
    らに、 演奏操作に従って、少なくとも楽音信号の音高を制御す
    るための音高データを出力する演奏操作子を有し、前記
    楽音信号生成手段は、遅延手段とフィルタ手段との直列
    接続を有し、前記音高制御データおよび前記音高データ
    に応じて前記遅延手段及び前記フィルタ手段が制御され
    る楽音生成装置。
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