JP3371469B2 - 楽音信号合成装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、楽音信号合成装置に関
し、特にループ回路中を信号を循環させ、信号循環に要
する遅延時間によって基本的に音高を制御する楽音信号
合成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】管、弦、あるいは膜等の振動体の振動を
利用する楽器においては、これらの振動体のある部分に
刺戟が与えられ、種々の振動が発生するが、振動体の定
在波と合致するものが残って振動を継続させる。 【0003】所定の遅延時間を有するループ回路を用い
ることにより、この楽音発生機構を電子的に実現するこ
とができる。ループ回路に初期刺戟としてインパルス等
の信号波形を注入すると、この信号波形はループ回路を
回って元の位置に戻ってくる。ループ回路を1回循環す
るのに必要な時間τは変化しないので、周期τで循環波
形が表れる。すなわち、周波数f=1/τの定在波が発
生する。 【0004】発生する定在波の振動数(周波数)は、ル
ープ回路中の遅延時間に支配される。所望の音高の楽音
を発生させるためには、遅延時間を任意に変化させるこ
とのできる遅延器が望まれる。遅延時間可変の遅延器と
してシフトレジスタを用いることができる。シフトレジ
スタを一定のクロック信号で駆動し、シフト段数を変化
させれば、シフト段数に応じた遅延時間を得ることがで
きる。 【0005】特公昭58−48109号公報は、このよ
うなシフトレジスタをループ回路中に有する楽音信号合
成装置を提案している。ループ回路には、遅延時間を支
配するシフトレジスタの他、音色やエンベロープを制御
できるフィルタも接続されている。 【0006】シフトレジスタを用いた遅延器は、シフト
段数に応じて遅延時間を変化させるが、その取り得る値
は離散的になる。シフトレジスタ駆動用のクロック信号
の周波数を細かく変化させれば、よりきめ細かな遅延時
間制御も不可能ではないが、回路構成が複雑化する。 【0007】図13は、シフトレジスタで構成された遅
延器を一定のクロック周波数で駆動し、かつシフトレジ
スタの遅延段数の変化の間を補間することのできる楽音
信号合成回路の例を示す。 【0008】ループ回路100は、注入された励振波形
を循環させ、楽音信号を形成するためのものであり、遅
延時間を主に支配する遅延器104、音色を定めるロー
パスフィルタ111、ループゲインを定め、発振を防止
する増幅(減衰)器112を含む。 【0009】遅延器104は、複数段の遅延器102と
1段の遅延器103の直列接続を含み、遅延器102の
下流でループ回路は第1信号路113と第2信号路11
4に分岐し、加算器109で合流している。 【0010】第1信号路113は、1段の遅延器103
と増幅(減衰)器107を含む。第2信号路114は、
増幅(減衰)器108を含む。したがって、第1信号路
の信号は、第2信号路の信号と比較して1段分余計に遅
延を受ける。 【0011】増幅器107、108は、重み付けを行な
うためのものであり、それぞれゲインα、(1−α)を
与えられる。すなわち、第1信号路113と第2信号路
114の信号を加算すると、α+(1−α)=1とな
る。 【0012】ループ回路100には、さらに加算器10
1が接続されており、励振波形発生部115からの励振
波形がループ回路100に加算器101で注入される。
励振波形発生部115から注入された励振波形は、ルー
プ回路100を循環し、ループ回路の所定の位置から出
力信号OUTとして導出される。図においては、加算器
101直後から出力信号OUTが導出されている。 【0013】第1信号路113を通過する信号は、遅延
器102の他、1段の遅延器103を通るため、より大
きな遅延時間を受ける。第1信号路113と第2信号路
114の信号が加算器109で加算されると、遅延時間
が異なる2つの信号が加算され、その中間的な遅延時間
を有するようになる。 【0014】増幅器107、108の計数αを変化させ
ることにより、加算器109から出力される信号波形の
遅延時間を連続的に変化させることができる。たとえ
ば、図の状態において、計数αを“1”から徐々に
“0”に変化させると、遅延時間は遅延器102、10
3の和から次第に遅延器102のみの遅延時間に変化す
る。 【0015】α=0の時には、第1信号路113は存在
しないのと同等であり、ループ回路100を循環する信
号波形は、第2信号路114のみを通る。ここで、第1
信号路113を遅延器102の最後から1段前に接続し
直すことにより、第1信号路と第2信号路の役割を交代
させることができる。このようにして、連続的に遅延時
間を変化させることができる。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】遅延段数が“1”異な
る複数の信号を加算することにより、実効的な小数段分
の遅延時間を変化させることはできるが、遅延段数が
“1”異なる信号を正の係数同士で重み付け加算する
と、1次ローパスフィルタを形成することになってしま
い、出力信号の周波数特性は、特に高音域で劣化してし
まう。さらに、ループ回路による楽音合成回路の場合、
高音域ほど減衰時間が短くなるという問題にまで発展し
てしまう。 【0017】本発明の目的は、広い周波数帯域でより均
一に遅延時間を連続的に変化させることのできるループ
回路型楽音信号合成装置を提供することである。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明の楽音信号合成装
置は、励振波形をループ手段に注入し、注入された励振
波形をループ手段内で循環させ、ループ手段の所定位置
から出力信号を導出する楽音信号合成装置であって、前
記ループ手段が、複数の段を含む遅延素子と、第1のオ
ールパスフィルタと、第2のオールパスフィルタと、前
記第1および第2のオールパスフィルタを前記遅延素子
の選択された異なる段に接続する可変接続手段と、前記
第1および第2のオールパスフィルタの出力において、
前記遅延素子入力に対して遅延時間が等しくなるように
オールパスフィルタおよび可変接続手段を制御する制御
手段と、前記第1および第2のオールパスフィルタの出
力を重み付け加算する重み付け加算手段とを含む。 【0019】 【作用】オールパスフィルタは、広い周波数帯域に亘っ
て均一な遅延時間を可変的に実現することができる。遅
延素子とオールパスフィルタを直列に接続し、遅延素子
の段間の補間をオールパスフィルタで行なえば、連続的
な遅延時間を実現することができる。 【0020】しかしながら、オールパスフィルタの遅延
時間を遅延素子の1段分変化させた後、遅延素子の遅延
段数を変化させ、オールパスフィルタの遅延時間を初期
状態に復帰させようとすると、オールパスフィルタの計
数変化が不連続となり、ノイズが生じてしまう。 【0021】また、オールパスフィルタのみで実現でき
る均一な遅延時間は制限があり、シフトレジスタで実現
させる遅延素子の段数(サンプリング周期)に換算して
高々2段分までの変化しか実現できない。 【0022】第1のオールパスフィルタと第2のオール
パスフィルタを並列に、かつ遅延素子の異なる段に接続
する。遅延素子での遅延段数が短い信号には、オールパ
スフィルタで長い遅延を与え、遅延素子での遅延段数が
長い信号には、オールパスフィルタで短い遅延を与え
る。 【0023】遅延素子とオールパスフィルタを合わせて
考えた時、2つのオールパスフィルタの出力信号は、同
一の遅延時間を有するように制御することができる。2
つの信号路において同一の遅延時間を実現することによ
り、遅延時間の等しい2つの信号の重み付け加算を行な
うことが可能となる。 【0024】オールパスフィルタの計数を不連続に変化
させなければならない時には、その信号路の重みを減少
させることにより、出力信号に与える影響を減少させる
ことができる。この処理をクロスフェードと呼ぶ。 【0025】また、重み付け加算する2つの信号は、ほ
ぼ同一の遅延時間を有するため、重み付け加算を行なっ
ても周波数特性、特に高音域での減衰時間の劣化を防止
することができる。 【0026】 【実施例】図1に、本発明の実施例による楽音信号合成
装置のハードウェア構成を示す。バス11に、楽音信号
合成プログラムを実行するためのCPU12、プログラ
ムを記憶するROM13、プログラムの実行に用いられ
るレジスタ類等を収容するRAM14、任意に楽音の音
高を変化させるためのピッチベンダ15、キーボード等
の演奏操作子16、音色スイッチ等の音色設定操作部1
7が接続されている。 【0027】さらに、デジタルシグナルプロセッサ(D
SP)21がバス11に接続され、その出力信号はデジ
タル/アナログ変換器28を通ってアナログ信号に変換
され、サウンドシステムに供給される。また、DSP2
1には信号処理用のデータRAM29が接続されてい
る。データRAM29は、たとえばDSP21のマイク
ロプログラムで遅延器を形成するために使用される。 【0028】DSP21は、マイクロプログラムを記憶
するためのマイクロプログラムRAM22、音色や励振
波形等の固定パラメータデータを記憶するための固定パ
ラメータデータRAM23、時間経過と共に変化するフ
ィルタ係数等を記憶するための時変パラメータデータR
AM24、時変パラメータデータを補間するためのパラ
メータ補間器25の並列接続を含み、バス11に接続さ
れている。パラメータ補間器25は、時変パラメータデ
ータRAM24にも接続され、時変パラメータデータの
補間を行なう。 【0029】演算処理部26は、マイクロプログラムR
AM22、固定パラメータデータRAM23、パラメー
タ補間器25に接続され、固定パラメータデータRAM
23から供給される固定パラメータやパラメータ補間器
25から供給される時変パラメータを用いて、マイクロ
プログラムRAM22に記憶されたマイクロプログラム
を実行し、楽音信号を合成する。なお、演算処理部26
の処理の際、レジスタやメモリとして信号処理用データ
RAM29が用いられる。 【0030】DSP21の機能は、CPU12からマイ
クロプログラムRAM22にマイクロプログラムを供給
することによって変更することができる。図2は、DS
P21がマイクロプログラムにしたがって実現する楽音
合成回路の処理を便宜上、ハードウェアのブロック図を
用いて実現したものである。 【0031】DSP21は、マイクロプログラムをfS
(たとえば50KHz)で繰り返し処理することによ
り、サンプリング周波数が50KHzの複数のハードウ
ェア部品が存在するのと同様の役目をしている。 【0032】励振波形発生部30は、ノイズ信号、単発
パルス、アタックを有する波形信号等の初期励振波形を
発生し、ループ回路40に接続された加算器31に供給
する。加算器31から供給された信号は、ループ回路4
0を循環する。 【0033】ループ回路40は、加算器31の後ろに出
力信号OUTを導出するための端子を有し、その後ろに
シフトレジスタで構成された遅延器32を有する。この
遅延の1段は、1サンプリング周期分の遅延である。遅
延器32のm1段目には第1信号路35が接続され、そ
の直前のm2段目には第2信号路36が接続されてい
る。 【0034】第1信号路35は、第1オールパスフィル
タAPF1、増幅器37を含み、加算器39に接続され
ている。第2信号路36は、第2のオールパスフィルタ
APF2、増幅器38を含み、加算器39に接続されて
いる。 【0035】すなわち、m1段目から出力された信号
は、第1信号路35に供給され、オールパスフィルタA
PF1、増幅器37を通って加算器39に供給される。
また、前段のm2段目から供給された信号は、第2信号
路36に供給され、オールパスフィルタAPF2、増幅
器38を通って加算器39に供給される。 【0036】オールパスフィルタAPF1、APF2
は、それぞれ遅延器32を構成するシフトレジスタの2
段分までの遅延時間を、係数apfc1、apfc2に
よって設定することができる。係数apfc2は、第2
のオールパスフィルタAPF2が第1のオールパスフィ
ルタAPF1よりも1段分長い遅延時間を実現するよう
に設定される。 【0037】たとえば、第1の信号路35は遅延器32
の奇数段に接続し、第2の信号路36はその隣の偶数段
に接続する。たとえば、第2のオールパスフィルタAP
F2は、1段分遅延時間が短い入力信号を受け、1段分
長い遅延を与えるため、その出力の位相は、第1のオー
ルパスフィルタAPF1と同一となる。 【0038】増幅器37、38に供給される係数Xc
1、Xc2は、第1のオールパスフィルタAPF1およ
び第2のオールパスフィルタAPF2から供給される楽
音信号を、どのような比率でミキシングするかを定め
る。 【0039】増幅器37、38でゲイン調整をされた2
つの信号は、加算器39で加算され、ローパスフィルタ
41に供給される。オールパスフィルタAPF1とAP
F2が与える楽音信号は、等しい遅延を有するため、ど
のような混合比で混合してもその遅延時間は同一であ
る。 【0040】発生する楽音のピッチを次第に高くする場
合は、遅延時間を次第に短くすることが必要である。こ
の場合、オールパスフィルタAPF1、APF2の与え
る遅延時間を次第に減少させる必要がある。 【0041】オールパスフィルタAPF1が与える遅延
時間が“0”になった時は、第1の信号路35を遅延器
32の2段前に接続しなおす。この際、オールパスフィ
ルタAPF1の遅延時間は、“0”から“2”に変化さ
せられる。この変化の際、オールパスフィルタAPF1
の供給する楽音信号に不連続が生じ、そのまま発音させ
るとノイズが発生する。 【0042】ここで、増幅器37の係数Xc1を“0”
と設定しておけば、オールパスフィルタAPF1の係数
が不連続に変化する際、その楽音は発生しない。その
後、増幅器37の係数Xc1を徐々に増大させれば、楽
音信号にノイズを発生させることなく、発生する楽音の
ピッチを次第に高めることができる。 【0043】次に、さらに遅延時間を短くしていき、オ
ールパスフィルタAPF2の接続を変化させる時には、
同様に増幅器38の係数Xc2を“0”にし、オールパ
スフィルタAPF2の係数apfc2の不連続な変化に
よるノイズを防止することができる。 【0044】このように、オールパスフィルタAPFの
接続を交互に付け替えつつ、その接続時の楽音信号の振
幅を“0”にするようにクロスフェード処理をすること
により、ノイズを発生させることなく、楽音信号のピッ
チを連続的に変化させることができる。 【0045】なお、ループ回路40が与える遅延時間
は、厳密には遅延器32の遅延時間、オールパスフィル
タAPF1、APF2の遅延時間、ローパスフィルタL
PF41の遅延時間、その他の構成要素の遅延時間の和
である。 【0046】図3は、オールパスフィルタAPFの構成
例を示す。加算器(減算器)48、遅延素子45、加算
器51が直列に接続され、遅延素子45の出力が増幅器
47を含むフィードバックループ46によって加算器4
8に帰還されている。 【0047】また、加算器48の出力(遅延素子45の
入力)が、増幅器50を含むフィードフォワードループ
49によって加算器51に接続されている。増幅器4
7、50には、それぞれ係数apfcが供給される。な
お、係数のapfcは正でも負でもよい。 【0048】このようなオールパスフィルタAPFによ
って実現される遅延時間は、遅延段数が、 Dapf=(1−apfc)/(1+apfc) と表現できる。 【0049】すなわち、遅延段Dに対してその小数に相
当する段数を実現することができる。図3(B)は、こ
のようなオールパスフィルタAPFの周波数特性を示
す。図中横軸は周波数を示し、縦軸は遅延時間を示す。 【0050】apfc=0のとき、全周波数領域で1サ
ンプリング周期分の均一な遅延特性を示す。また、ap
fc≒1(1未満)のとき、ほぼ遅延時間は“0”であ
る。また、apfcを負にしていくと、1サンプリング
周期以上の遅延時間を示すようになるが、2サンプリン
グ周期以上の領域は非常に特性が悪いことから、本実施
例では“2”までの範囲で用いることにする。 【0051】なお、上式から導出されるように、オール
パスフィルタAPFで実現すべき遅延段数が求まった後
は、オールパスフィルタAPFに供給する係数apfc
は、 apfc=(1−Dapf)/(1+Dapf) によって求めることができる。 【0052】図4は、ローパスフィルタ(LPF)41
として用いることのできるFIR型LPFの構成例を示
す。図の構成においては、8段の遅延素子が直列に接続
されて遅延器53を形成しており、遅延器53への入力
信号および遅延器53の各段の出力を増幅器54を介し
て累算器55で加算する。 【0053】FIR型LPFにおいては、増幅器54の
係数を、図に示すように対称的にすることにより、LP
Fでの遅延時間を周波数によらず一定にすることができ
る。図5は、楽音合成処理のメインルーチンを示すフロ
ーチャートである。まず、ステップA1でイニシャライ
ズ処理を行ない、各レジスタの初期状態設定等を行な
う。 【0054】次に、ステップA2に進み、操作子スキャ
ン処理を行なう。鍵盤等の操作子が操作された時は、こ
の操作子スキャン処理A2によってその検出が行なわれ
る。次に、ステップA3において、ボイスセット処理が
行なわれる。音色スイッチ等が操作された時は、その操
作に応じて音色を設定し、音色に対応したマイクロプロ
グラムやパラメータをDSPに転送する。 【0055】次に、ステップA4において、キーオン処
理を行なう。操作子スキャン処理A2において検出され
た操作子イベントがキーオンである場合には、そのキー
オンに対応した楽音発生等の処理を行なう。このキーオ
ン処理は、後により詳細に説明する。 【0056】次に、ステップA5において、キーオフ処
理を行なう。操作子スキャン処理A2で検出された操作
子イベントがキーオフである場合には、対応する楽音の
消音処理を行なう。 【0057】次に、ステップA6でピッチ操作子処理を
行なう。図1に示すハードウェア構成においてピッチベ
ンダ15を操作した時には、発生する楽音の音高を対応
して変化させる。この音高変化をピッチ操作子処理A6
において行なう。なお、この処理も、後により詳細に説
明する。 【0058】次に、ステップA7において、その他の処
理を行ない、ステップA2に戻る。図6は、キーオン処
理をより詳細に示す。キーオン処理がスタートすると、
ステップB1において、キーオンイベントがあるか否か
を判断する。キーオンイベントがない時には、NOの矢
印にしたがって直ちにリターンする。キーオンイベント
がある時は、YESの矢印にしたがってステップB2に
進み、押鍵された鍵のキーコードKCより所定の変換テ
ーブルを用いて発音すべき楽音の周波数Fを導出する。 【0059】次に、ステップB3において、遅延器、A
PFで実現すべきディレイ部の遅延段数を導出する。遅
延段数lengは、 leng=(fs /F)−Dlpf によって求めることができる。ここで、fs はDSP2
1のシステムのサンプリング周波数(Hz)であり、遅
延段数1段は1/fs となるのがデジタルシステムのき
まりである。DlpfはLPF41の遅延時間を段数に
対応して換算した数値である。なお、段数とは表現する
が、整数とは限らず、以下の議論では特に断らない限
り、小数部を含むものとする。 【0060】続いて、ステップB4において導出された
遅延段数を、どのように実現するかの遅延処理を行な
う。この遅延処理については、図7を参照して、後に詳
細に説明する。 【0061】ステップB4の後、ステップB5におい
て、デジタルシグナルプロセッサDSPに対して発音開
始指示を与える。このようにして、DSPにおいて、所
望の遅延時間を実現する。ステップB5の後、処理はリ
ターンする。 【0062】図7は、遅延処理の内容をより詳細に示
す。処理がスタートすると、ステップC1において、オ
ールパスフィルタAPF1、APF2を接続すべき遅延
器の接続位置を求める。遅延器APF1が接続される遅
延段m1は、 m1=INT〔(leng+1)/2〕×2−1 で求められ、オールパスフィルタAPF2が接続される
遅延段m2は、 m2=INT(leng/2)×2 で求められる。ここで、INT〔 〕は小数部を切り捨
てて整数部を取る演算を表す。 【0063】次に、ステップC2に進み、オールパスフ
ィルタAPF1の遅延段数および係数を求める。すなわ
ち、オールパスフィルタAPF1で実現すべき遅延段数
は、 d1=leng−m1 で求められる。 【0064】したがって、オールパスフィルタAPF1
に与える係数apfc1は、 apfc1=(1−d1)/(1+d1) となる。 【0065】次に、ステップC3において、同様にオー
ルパスフィルタAPF2で実現すべき遅延段数および係
数を求める。 d2=leng−m2 apfc2=(1−d2)/(1+d2) 次に、ステップC4において、オールパスフィルタAP
F1で実現する遅延段数d1が“1”より大きいか
“1”以下かを判断する。なお、遅延段数d1は0〜2
内で変化する。 【0066】遅延段数d1が“1”以下の場合は、ステ
ップC5に進み、増幅器37、38の係数Xc1、Xc
2を、 Xc1=d1 Xc2=1−Xc1 と設定する。 【0067】係数d1が“1”より大きい場合は、ステ
ップC6に進み、係数Xc1、Xc2を、 Xc1=2−d1 Xc2=1−Xc1 と定める。これにより、ノイズを発生する場合に“0”
となるクロスフェードのための係数Xc1、Xc2の値
が求まる。 【0068】このように、オールパスフィルタを接続す
べき遅延器の段数およびオールパスフィルタの係数、増
幅器の係数を求めた後、ステップC7に進み、遅延段数
leng、段数m1、m2、オールパスフィルタ係数a
pfc1、apfc2、増幅器係数Xc1、Xc2をD
SPへ送出する。その後、処理はリターンする。 【0069】なお、ステップC1で求められる整数m
1、m2は、遅延を段数で示した時の整数部を表し、ス
テップC2、C3で求められる係数d1、d2は、オー
ルパスフィルタAPFで実現されるべき遅延段数の小数
部を示すと見ることができる。 【0070】図8は、ピッチ操作子処理の内容を示す。
処理がスタートすると、ステップD1において、ピッチ
操作子の操作量mが変化するイベントが生じたか否かを
判断する。変化イベントが生じていない時は、NOの矢
印にしたがって直ちにリターンする。変化イベントが生
じている時は、YESの矢印にしたがってステップD2
に進む。 【0071】ステップD2では、変化イベントがキーオ
ン中か否かを判断する。キーオン中でない場合は、NO
の矢印にしたがって直ちにリターンする。ピッチを変化
すべき楽音が存在しないためである。キーオン中の場合
には、YESの矢印にしたがってステップD3に進む。 【0072】ここで、キーオン時にはFであった発音周
波数がピッチ操作子の変化イベントにより変化した周波
数F′を求める。 F′=Fexp(s・m) ここで、sは感度を示す。 【0073】ピッチ操作子の操作量mにしたがって、発
音すべき楽音の周波数を指数関数的に変化させることに
より、より聴感に一致した変化が得られる。このように
して、新たに発音周波数F′を求めた後、ステップD4
において、図7に示す遅延処理を行なうことにより、所
望の遅延時間を実現する条件設定等を求める。その後、
処理はリターンする。 【0074】図9は、以上のように、パラメータ等を設
定された条件下でDSPがDSPサイクル(=fS )に
したがって行なうDSP処理を示すフローチャートであ
る。処理がスタートすると、ステップE1においてキー
オン指示のイベントがあるか否かを判断する。イベント
がある場合は、YESの矢印にしたがってステップE2
に進み、発音開始処理を行なう。 【0075】キーオン指示イベントがない場合は、NO
の矢印にしたがってステップE3に進み、キーオフ指示
イベントがあるか否かを判断する。キーオフ指示イベン
トがある場合は、YESの矢印にしたがってステップE
4に進み、発音終了処理を行なう。キーオフ指示イベン
トがない場合は、NOの矢印にしたがってステップE4
はバイパスする。その後、ステップE5において楽音発
生の演算処理を行なう。すなわち、図2に示すようなデ
ジタル回路を構成して楽音合成の処理を行なう。 【0076】図10は、より具体的にピッチベンダが操
作され、発生する楽音信号のピッチを次第に上昇させる
場合の処理を説明するための回路図を示す。初期状態に
おいて、遅延器とオールパスフィルタで必要とされる遅
延段数は、leng=205.272であるとする。 【0077】図10(A)に示すように、奇数段目に接
続するオールパスフィルタAPF1は遅延器32の20
5段目58に接続し、遅延段数に換算してd1=0.2
72の遅延時間を発生させる。偶数段目に接続するオー
ルパスフィルタAPF2は、遅延器32の204段目5
6に接続し、遅延段数に換算してd2=1.272の遅
延時間を設定する。 【0078】また、オールパスフィルタAPF1に接続
される増幅器37の増幅係数は、オールパスAPF1の
遅延段数に合わせて0.272に設定する。他の増幅器
38の増幅係数は、1−0.272=0.728に設定
する。すなわち、増幅係数は両端遅延段数0.0と2.
0で“0”、中央の遅延段数1.0で“1”となる三角
波形とする。 【0079】このようにして、遅延器32の205段目
58の出力信号が、オールパスフィルタAPF1を通っ
て全体として遅延段数205.272段を実現し、0.
272に相当する振幅で加算器39に供給される。 【0080】また、遅延器32の204段目56の出力
信号は、他のオールパスフィルタAPF2に供給され、
全体として同様に205.272段に相当する遅延時間
を実現し、0.728に相当する振幅で加算器39に供
給される。 【0081】加算器39に供給される2つの信号は、共
に205.272段の遅延を有するため、同一のピッチ
を有する。したがって、加算によって周波数振幅特性が
劣化することを防止することができる。 【0082】発生する楽音のピッチを次第に上昇させる
ためには、遅延時間を減少させなければならない。遅延
時間を連続的に減少させるため、オールパスフィルタA
PF1、APF2の遅延段数を減少させる。 【0083】図10(B)に示すように、遅延段数d1
が“0”になるオールパスフィルタAPF1に関して
は、遅延段数が“0”になる時に増幅器37の増幅係数
が“0”になるように増幅係数を次第に減少させる。加
算器39に供給される2つの信号の和は、常に一定に保
たれるように、他の増幅器38の増幅係数はこれに伴っ
て増大させる。 【0084】図示した状態においては、オールパスフィ
ルタAPF1の遅延段数がd1=0となり、その出力を
供給される増幅器37の増幅係数が“0”となって、結
局オールパスフィルタAPF1の出力は加算器39には
供給されない。 【0085】他のオールパスフィルタAPF2の遅延段
数は、d2=1.0となり、その出力を供給される増幅
器38の増幅係数は1.00に設定されている。したが
って、遅延器32の204段目56の出力信号のみがオ
ールパスフィルタAPF2、増幅器38を経て加算器3
9に供給されて出力される。 【0086】ここで、図10(C)に示すように、オー
ルパスフィルタAPF1の接続を2段変更し、遅延器3
2の203段目57に接続する。また、オールパスフィ
ルタAPF1の遅延段数をd1=2.00に変更する。 【0087】図10(B)に示すように、遅延器32の
205段目にオールパスフィルタAPF1を接続し、そ
の遅延段数をd1=0とした場合と、オールパスフィル
タAPF1を遅延器32の203段目57に接続し、そ
の遅延段数をd1=2.00に設定した場合とでは、遅
延時間は同一であるが、オールパスフィルタの係数が異
なる。このため、その出力する楽音信号には不連続が生
じる。 【0088】しかしながら、オールパスフィルタAPF
1に接続された増幅器37の増幅係数が“0”に設定さ
れているため、加算器39に対してこの不連続な楽音信
号は供給されない。 【0089】次に、図10(D)に示すように、オール
パスフィルタAPF1、APF2の遅延段数を徐々に減
少させ、オールパスフィルタAPF1の出力を受ける増
幅器37の増幅係数は“0”から次第に増大させ、オー
ルパスフィルタAPF2の出力を受ける増幅器38の増
幅係数は“1”から徐々に減少させる。したがって、加
算器39は、再び2種類の信号を受けるようになる。 【0090】このように、オールパスフィルタの接続を
変更し、オールパスフィルタの遅延段数を不連続に変化
させる際には、その出力信号が実質的に楽音信号に影響
しないように増幅係数が減少させられる。 【0091】オールパスフィルタAPF1に接続された
増幅器の増幅係数を“0”にする場合を説明したが、さ
らに遅延段数を減少し、オールパスフィルタAPF2の
遅延段数d2=0となる場合には、他の増幅器38の増
幅係数を“0”に設定すればよい。前述のxc1、xc
2の計算により、そのように変化するようになってい
る。 【0092】なお、オールパスフィルタを接続換えする
場合、オールパスフィルタに接続された増幅器の増幅係
数は、必ずしも“0”に減少させなくても不連続が実質
的に発生しない程度の小さな値であればよい。 【0093】図11は、発生する楽音信号のピッチを次
第に減少させる場合を示すブロック図である。楽音信号
のピッチを減少させるためには、ループ回路全体での遅
延時間を増大させる必要がある。 【0094】図11(A)は、図10(A)と同等の初
期状態を示す。ただし、今回はオールパスフィルタでの
遅延時間を次第に増大させる。図11(B)は、オール
パスフィルタAPF1、APF2の遅延段数を次第に増
大させ、オールパスフィルタAPF2の遅延段数がd2
=2.00になった状態を示す。この場合、オールパス
フィルタAPF2に接続された増幅器38の増幅係数は
0.0になっている。なお、遅延器32の206段目6
1、207段目62も図示されている。 【0095】ここで、図11(B)の状態から図11
(C)の状態にオールパスフィルタAPF2の接続を変
更する。すなわち、オールパスフィルタAPF2は、2
04段目56から206段目61に接続を変更する。こ
の接続変更と同時に、オールパスフィルタAPF2の遅
延段数はd2=2.00からd2=0.0に変更され
る。 【0096】この変更により、オールパスフィルタAP
F2の出力信号には不連続が生ずるが、この出力信号を
受ける増幅器38の増幅係数が“0”に設定されている
ため、加算器37の受ける入力信号に変化は生じない。 【0097】次に、図11(D)に示すように、オール
パスフィルタAP1の遅延段数d1を徐々に増加させる
と共に、その出力信号を受ける増幅器37の増幅係数を
1.00から次第に減少させる。同時に、オールパスフ
ィルタAPF2の遅延段数d2も徐々に増加させ、その
出力信号を受ける増幅器38の増幅係数を徐々に増大さ
せる。 【0098】図10、図11の場合に共通に、遅延器3
2とオールパスフィルタAPF1が全体として形成する
遅延時間と、遅延器32とオールパスフィルタAPF2
が全体として形成する遅延時間は、常にほぼ同一の値に
保たれる。したがって、これら遅延時間がほぼ同一の2
つの信号を加算することによって、周波数特性の劣化を
防止することができる。 【0099】オールパスフィルタを用いると、周波数特
性の平坦な遅延を実現することができるが、その特性が
平坦な領域は比較的狭い。2つのAPFを遅延器の隣接
する異なる遅延段に接続し、交互に接続位置を変更する
ことにより、広い変化領域を確保することができる。 【0100】図12は、本発明の他の実施例によるルー
プ回路を有する楽音信号合成回路のブロック図を示す。
励振波形発生部30、加算器31、遅延器32、増幅器
37、38、加算器39、ローパスフィルタ41、増幅
器42は、図2に示す楽音合成回路と同等である。 【0101】本実施例においては、1段のオールパスフ
ィルタの代わりに、2段のオールパスフィルタの直列接
続が用いられている。すなわち、遅延器32のm2段目
にはオールパスフィルタAPF3、APF4が直列に接
続され、増幅器37にその出力信号を供給している。 【0102】また、遅延器32のm1段目には、オール
パスフィルタAPF5とAPF6が直列に接続され、増
幅器38に出力信号を供給している。遅延器32におい
て、m1段目は常に奇数段であり、m2段目は常に隣接
する偶数段目である。 【0103】したがって、2つのオールパスフィルタで
遅延器32の2段分までの遅延時間を実現すれば、全体
として遅延時間を連続的に変化させることができる。オ
ールパスフィルタ1個で実現すべき遅延時間の変化が小
さくなるため、より平坦な周波数特性を実現することが
できる。 【0104】なお、直列接続した2つのオールパスフィ
ルタの遅延時間は、たとえば同一量に設定することがで
きるが、必ずしも同一量に設定する必要はなく、たとえ
ば実現すべき遅延段数が1.1の場合、一方のオールパ
スフィルタで1段の遅延時間を実現し、他のオールパス
フィルタで0.1段の遅延時間を実現してもよい。 【0105】図3(B)に示すように、オールパスフィ
ルタの周波数特性は遅延段数が1段の時に最も平坦であ
るため、この遅延段数1段の場合を重点的に用いること
も好ましい。 【0106】2つのオールパスフィルタを直列接続する
場合を説明したが、遅延器に接続するオールパスフィル
タの段数は、1段、2段に制限されない。また、2組の
オールパスフィルタが接続される遅延器における段も、
隣接する奇数段と偶数段に制限されるものではない。遅
延器とオールパスフィルタの組合せを2組用い、全体と
して同一の遅延量を実現できるものであればよい。もち
ろん、2組以上のオールパスフィルタを用いても構わな
い。 【0107】なお、以上の実施例においては、周波数を
変化させる場合、回路定数を演算によって計算して求め
たが、計算の実行が遅い場合には、予め計算結果を記憶
したテーブルを用いてもよい。また、テーブルを用い、
かつテーブルにない中間値に対しては、補間を用いるこ
ともできる。 【0108】励振波形は、ノイズ波形や特定の波形を用
いる他、実際に楽器等においてサンプリングしたPCM
波形等を用いてもよい。以上実施例に沿って本発明を説
明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
たとえば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なこ
とは当業者に自明であろう。 【0109】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遅延器とオールパスフィルタの組合せで所望の遅延時間
を実現するため、楽音信号の周波数特性の劣化を防止す
ることができる。 【0110】また、2組のオールパスフィルタを遅延器
の異なる段に接続し、オールパスフィルタの接続切換の
際には、そのオールパスフィルタを通る楽音信号の振幅
を減少させることにより、オールパスフィルタの係数切
換に基づく楽音信号の不連続を防止することができる。
し、特にループ回路中を信号を循環させ、信号循環に要
する遅延時間によって基本的に音高を制御する楽音信号
合成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】管、弦、あるいは膜等の振動体の振動を
利用する楽器においては、これらの振動体のある部分に
刺戟が与えられ、種々の振動が発生するが、振動体の定
在波と合致するものが残って振動を継続させる。 【0003】所定の遅延時間を有するループ回路を用い
ることにより、この楽音発生機構を電子的に実現するこ
とができる。ループ回路に初期刺戟としてインパルス等
の信号波形を注入すると、この信号波形はループ回路を
回って元の位置に戻ってくる。ループ回路を1回循環す
るのに必要な時間τは変化しないので、周期τで循環波
形が表れる。すなわち、周波数f=1/τの定在波が発
生する。 【0004】発生する定在波の振動数(周波数)は、ル
ープ回路中の遅延時間に支配される。所望の音高の楽音
を発生させるためには、遅延時間を任意に変化させるこ
とのできる遅延器が望まれる。遅延時間可変の遅延器と
してシフトレジスタを用いることができる。シフトレジ
スタを一定のクロック信号で駆動し、シフト段数を変化
させれば、シフト段数に応じた遅延時間を得ることがで
きる。 【0005】特公昭58−48109号公報は、このよ
うなシフトレジスタをループ回路中に有する楽音信号合
成装置を提案している。ループ回路には、遅延時間を支
配するシフトレジスタの他、音色やエンベロープを制御
できるフィルタも接続されている。 【0006】シフトレジスタを用いた遅延器は、シフト
段数に応じて遅延時間を変化させるが、その取り得る値
は離散的になる。シフトレジスタ駆動用のクロック信号
の周波数を細かく変化させれば、よりきめ細かな遅延時
間制御も不可能ではないが、回路構成が複雑化する。 【0007】図13は、シフトレジスタで構成された遅
延器を一定のクロック周波数で駆動し、かつシフトレジ
スタの遅延段数の変化の間を補間することのできる楽音
信号合成回路の例を示す。 【0008】ループ回路100は、注入された励振波形
を循環させ、楽音信号を形成するためのものであり、遅
延時間を主に支配する遅延器104、音色を定めるロー
パスフィルタ111、ループゲインを定め、発振を防止
する増幅(減衰)器112を含む。 【0009】遅延器104は、複数段の遅延器102と
1段の遅延器103の直列接続を含み、遅延器102の
下流でループ回路は第1信号路113と第2信号路11
4に分岐し、加算器109で合流している。 【0010】第1信号路113は、1段の遅延器103
と増幅(減衰)器107を含む。第2信号路114は、
増幅(減衰)器108を含む。したがって、第1信号路
の信号は、第2信号路の信号と比較して1段分余計に遅
延を受ける。 【0011】増幅器107、108は、重み付けを行な
うためのものであり、それぞれゲインα、(1−α)を
与えられる。すなわち、第1信号路113と第2信号路
114の信号を加算すると、α+(1−α)=1とな
る。 【0012】ループ回路100には、さらに加算器10
1が接続されており、励振波形発生部115からの励振
波形がループ回路100に加算器101で注入される。
励振波形発生部115から注入された励振波形は、ルー
プ回路100を循環し、ループ回路の所定の位置から出
力信号OUTとして導出される。図においては、加算器
101直後から出力信号OUTが導出されている。 【0013】第1信号路113を通過する信号は、遅延
器102の他、1段の遅延器103を通るため、より大
きな遅延時間を受ける。第1信号路113と第2信号路
114の信号が加算器109で加算されると、遅延時間
が異なる2つの信号が加算され、その中間的な遅延時間
を有するようになる。 【0014】増幅器107、108の計数αを変化させ
ることにより、加算器109から出力される信号波形の
遅延時間を連続的に変化させることができる。たとえ
ば、図の状態において、計数αを“1”から徐々に
“0”に変化させると、遅延時間は遅延器102、10
3の和から次第に遅延器102のみの遅延時間に変化す
る。 【0015】α=0の時には、第1信号路113は存在
しないのと同等であり、ループ回路100を循環する信
号波形は、第2信号路114のみを通る。ここで、第1
信号路113を遅延器102の最後から1段前に接続し
直すことにより、第1信号路と第2信号路の役割を交代
させることができる。このようにして、連続的に遅延時
間を変化させることができる。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】遅延段数が“1”異な
る複数の信号を加算することにより、実効的な小数段分
の遅延時間を変化させることはできるが、遅延段数が
“1”異なる信号を正の係数同士で重み付け加算する
と、1次ローパスフィルタを形成することになってしま
い、出力信号の周波数特性は、特に高音域で劣化してし
まう。さらに、ループ回路による楽音合成回路の場合、
高音域ほど減衰時間が短くなるという問題にまで発展し
てしまう。 【0017】本発明の目的は、広い周波数帯域でより均
一に遅延時間を連続的に変化させることのできるループ
回路型楽音信号合成装置を提供することである。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明の楽音信号合成装
置は、励振波形をループ手段に注入し、注入された励振
波形をループ手段内で循環させ、ループ手段の所定位置
から出力信号を導出する楽音信号合成装置であって、前
記ループ手段が、複数の段を含む遅延素子と、第1のオ
ールパスフィルタと、第2のオールパスフィルタと、前
記第1および第2のオールパスフィルタを前記遅延素子
の選択された異なる段に接続する可変接続手段と、前記
第1および第2のオールパスフィルタの出力において、
前記遅延素子入力に対して遅延時間が等しくなるように
オールパスフィルタおよび可変接続手段を制御する制御
手段と、前記第1および第2のオールパスフィルタの出
力を重み付け加算する重み付け加算手段とを含む。 【0019】 【作用】オールパスフィルタは、広い周波数帯域に亘っ
て均一な遅延時間を可変的に実現することができる。遅
延素子とオールパスフィルタを直列に接続し、遅延素子
の段間の補間をオールパスフィルタで行なえば、連続的
な遅延時間を実現することができる。 【0020】しかしながら、オールパスフィルタの遅延
時間を遅延素子の1段分変化させた後、遅延素子の遅延
段数を変化させ、オールパスフィルタの遅延時間を初期
状態に復帰させようとすると、オールパスフィルタの計
数変化が不連続となり、ノイズが生じてしまう。 【0021】また、オールパスフィルタのみで実現でき
る均一な遅延時間は制限があり、シフトレジスタで実現
させる遅延素子の段数(サンプリング周期)に換算して
高々2段分までの変化しか実現できない。 【0022】第1のオールパスフィルタと第2のオール
パスフィルタを並列に、かつ遅延素子の異なる段に接続
する。遅延素子での遅延段数が短い信号には、オールパ
スフィルタで長い遅延を与え、遅延素子での遅延段数が
長い信号には、オールパスフィルタで短い遅延を与え
る。 【0023】遅延素子とオールパスフィルタを合わせて
考えた時、2つのオールパスフィルタの出力信号は、同
一の遅延時間を有するように制御することができる。2
つの信号路において同一の遅延時間を実現することによ
り、遅延時間の等しい2つの信号の重み付け加算を行な
うことが可能となる。 【0024】オールパスフィルタの計数を不連続に変化
させなければならない時には、その信号路の重みを減少
させることにより、出力信号に与える影響を減少させる
ことができる。この処理をクロスフェードと呼ぶ。 【0025】また、重み付け加算する2つの信号は、ほ
ぼ同一の遅延時間を有するため、重み付け加算を行なっ
ても周波数特性、特に高音域での減衰時間の劣化を防止
することができる。 【0026】 【実施例】図1に、本発明の実施例による楽音信号合成
装置のハードウェア構成を示す。バス11に、楽音信号
合成プログラムを実行するためのCPU12、プログラ
ムを記憶するROM13、プログラムの実行に用いられ
るレジスタ類等を収容するRAM14、任意に楽音の音
高を変化させるためのピッチベンダ15、キーボード等
の演奏操作子16、音色スイッチ等の音色設定操作部1
7が接続されている。 【0027】さらに、デジタルシグナルプロセッサ(D
SP)21がバス11に接続され、その出力信号はデジ
タル/アナログ変換器28を通ってアナログ信号に変換
され、サウンドシステムに供給される。また、DSP2
1には信号処理用のデータRAM29が接続されてい
る。データRAM29は、たとえばDSP21のマイク
ロプログラムで遅延器を形成するために使用される。 【0028】DSP21は、マイクロプログラムを記憶
するためのマイクロプログラムRAM22、音色や励振
波形等の固定パラメータデータを記憶するための固定パ
ラメータデータRAM23、時間経過と共に変化するフ
ィルタ係数等を記憶するための時変パラメータデータR
AM24、時変パラメータデータを補間するためのパラ
メータ補間器25の並列接続を含み、バス11に接続さ
れている。パラメータ補間器25は、時変パラメータデ
ータRAM24にも接続され、時変パラメータデータの
補間を行なう。 【0029】演算処理部26は、マイクロプログラムR
AM22、固定パラメータデータRAM23、パラメー
タ補間器25に接続され、固定パラメータデータRAM
23から供給される固定パラメータやパラメータ補間器
25から供給される時変パラメータを用いて、マイクロ
プログラムRAM22に記憶されたマイクロプログラム
を実行し、楽音信号を合成する。なお、演算処理部26
の処理の際、レジスタやメモリとして信号処理用データ
RAM29が用いられる。 【0030】DSP21の機能は、CPU12からマイ
クロプログラムRAM22にマイクロプログラムを供給
することによって変更することができる。図2は、DS
P21がマイクロプログラムにしたがって実現する楽音
合成回路の処理を便宜上、ハードウェアのブロック図を
用いて実現したものである。 【0031】DSP21は、マイクロプログラムをfS
(たとえば50KHz)で繰り返し処理することによ
り、サンプリング周波数が50KHzの複数のハードウ
ェア部品が存在するのと同様の役目をしている。 【0032】励振波形発生部30は、ノイズ信号、単発
パルス、アタックを有する波形信号等の初期励振波形を
発生し、ループ回路40に接続された加算器31に供給
する。加算器31から供給された信号は、ループ回路4
0を循環する。 【0033】ループ回路40は、加算器31の後ろに出
力信号OUTを導出するための端子を有し、その後ろに
シフトレジスタで構成された遅延器32を有する。この
遅延の1段は、1サンプリング周期分の遅延である。遅
延器32のm1段目には第1信号路35が接続され、そ
の直前のm2段目には第2信号路36が接続されてい
る。 【0034】第1信号路35は、第1オールパスフィル
タAPF1、増幅器37を含み、加算器39に接続され
ている。第2信号路36は、第2のオールパスフィルタ
APF2、増幅器38を含み、加算器39に接続されて
いる。 【0035】すなわち、m1段目から出力された信号
は、第1信号路35に供給され、オールパスフィルタA
PF1、増幅器37を通って加算器39に供給される。
また、前段のm2段目から供給された信号は、第2信号
路36に供給され、オールパスフィルタAPF2、増幅
器38を通って加算器39に供給される。 【0036】オールパスフィルタAPF1、APF2
は、それぞれ遅延器32を構成するシフトレジスタの2
段分までの遅延時間を、係数apfc1、apfc2に
よって設定することができる。係数apfc2は、第2
のオールパスフィルタAPF2が第1のオールパスフィ
ルタAPF1よりも1段分長い遅延時間を実現するよう
に設定される。 【0037】たとえば、第1の信号路35は遅延器32
の奇数段に接続し、第2の信号路36はその隣の偶数段
に接続する。たとえば、第2のオールパスフィルタAP
F2は、1段分遅延時間が短い入力信号を受け、1段分
長い遅延を与えるため、その出力の位相は、第1のオー
ルパスフィルタAPF1と同一となる。 【0038】増幅器37、38に供給される係数Xc
1、Xc2は、第1のオールパスフィルタAPF1およ
び第2のオールパスフィルタAPF2から供給される楽
音信号を、どのような比率でミキシングするかを定め
る。 【0039】増幅器37、38でゲイン調整をされた2
つの信号は、加算器39で加算され、ローパスフィルタ
41に供給される。オールパスフィルタAPF1とAP
F2が与える楽音信号は、等しい遅延を有するため、ど
のような混合比で混合してもその遅延時間は同一であ
る。 【0040】発生する楽音のピッチを次第に高くする場
合は、遅延時間を次第に短くすることが必要である。こ
の場合、オールパスフィルタAPF1、APF2の与え
る遅延時間を次第に減少させる必要がある。 【0041】オールパスフィルタAPF1が与える遅延
時間が“0”になった時は、第1の信号路35を遅延器
32の2段前に接続しなおす。この際、オールパスフィ
ルタAPF1の遅延時間は、“0”から“2”に変化さ
せられる。この変化の際、オールパスフィルタAPF1
の供給する楽音信号に不連続が生じ、そのまま発音させ
るとノイズが発生する。 【0042】ここで、増幅器37の係数Xc1を“0”
と設定しておけば、オールパスフィルタAPF1の係数
が不連続に変化する際、その楽音は発生しない。その
後、増幅器37の係数Xc1を徐々に増大させれば、楽
音信号にノイズを発生させることなく、発生する楽音の
ピッチを次第に高めることができる。 【0043】次に、さらに遅延時間を短くしていき、オ
ールパスフィルタAPF2の接続を変化させる時には、
同様に増幅器38の係数Xc2を“0”にし、オールパ
スフィルタAPF2の係数apfc2の不連続な変化に
よるノイズを防止することができる。 【0044】このように、オールパスフィルタAPFの
接続を交互に付け替えつつ、その接続時の楽音信号の振
幅を“0”にするようにクロスフェード処理をすること
により、ノイズを発生させることなく、楽音信号のピッ
チを連続的に変化させることができる。 【0045】なお、ループ回路40が与える遅延時間
は、厳密には遅延器32の遅延時間、オールパスフィル
タAPF1、APF2の遅延時間、ローパスフィルタL
PF41の遅延時間、その他の構成要素の遅延時間の和
である。 【0046】図3は、オールパスフィルタAPFの構成
例を示す。加算器(減算器)48、遅延素子45、加算
器51が直列に接続され、遅延素子45の出力が増幅器
47を含むフィードバックループ46によって加算器4
8に帰還されている。 【0047】また、加算器48の出力(遅延素子45の
入力)が、増幅器50を含むフィードフォワードループ
49によって加算器51に接続されている。増幅器4
7、50には、それぞれ係数apfcが供給される。な
お、係数のapfcは正でも負でもよい。 【0048】このようなオールパスフィルタAPFによ
って実現される遅延時間は、遅延段数が、 Dapf=(1−apfc)/(1+apfc) と表現できる。 【0049】すなわち、遅延段Dに対してその小数に相
当する段数を実現することができる。図3(B)は、こ
のようなオールパスフィルタAPFの周波数特性を示
す。図中横軸は周波数を示し、縦軸は遅延時間を示す。 【0050】apfc=0のとき、全周波数領域で1サ
ンプリング周期分の均一な遅延特性を示す。また、ap
fc≒1(1未満)のとき、ほぼ遅延時間は“0”であ
る。また、apfcを負にしていくと、1サンプリング
周期以上の遅延時間を示すようになるが、2サンプリン
グ周期以上の領域は非常に特性が悪いことから、本実施
例では“2”までの範囲で用いることにする。 【0051】なお、上式から導出されるように、オール
パスフィルタAPFで実現すべき遅延段数が求まった後
は、オールパスフィルタAPFに供給する係数apfc
は、 apfc=(1−Dapf)/(1+Dapf) によって求めることができる。 【0052】図4は、ローパスフィルタ(LPF)41
として用いることのできるFIR型LPFの構成例を示
す。図の構成においては、8段の遅延素子が直列に接続
されて遅延器53を形成しており、遅延器53への入力
信号および遅延器53の各段の出力を増幅器54を介し
て累算器55で加算する。 【0053】FIR型LPFにおいては、増幅器54の
係数を、図に示すように対称的にすることにより、LP
Fでの遅延時間を周波数によらず一定にすることができ
る。図5は、楽音合成処理のメインルーチンを示すフロ
ーチャートである。まず、ステップA1でイニシャライ
ズ処理を行ない、各レジスタの初期状態設定等を行な
う。 【0054】次に、ステップA2に進み、操作子スキャ
ン処理を行なう。鍵盤等の操作子が操作された時は、こ
の操作子スキャン処理A2によってその検出が行なわれ
る。次に、ステップA3において、ボイスセット処理が
行なわれる。音色スイッチ等が操作された時は、その操
作に応じて音色を設定し、音色に対応したマイクロプロ
グラムやパラメータをDSPに転送する。 【0055】次に、ステップA4において、キーオン処
理を行なう。操作子スキャン処理A2において検出され
た操作子イベントがキーオンである場合には、そのキー
オンに対応した楽音発生等の処理を行なう。このキーオ
ン処理は、後により詳細に説明する。 【0056】次に、ステップA5において、キーオフ処
理を行なう。操作子スキャン処理A2で検出された操作
子イベントがキーオフである場合には、対応する楽音の
消音処理を行なう。 【0057】次に、ステップA6でピッチ操作子処理を
行なう。図1に示すハードウェア構成においてピッチベ
ンダ15を操作した時には、発生する楽音の音高を対応
して変化させる。この音高変化をピッチ操作子処理A6
において行なう。なお、この処理も、後により詳細に説
明する。 【0058】次に、ステップA7において、その他の処
理を行ない、ステップA2に戻る。図6は、キーオン処
理をより詳細に示す。キーオン処理がスタートすると、
ステップB1において、キーオンイベントがあるか否か
を判断する。キーオンイベントがない時には、NOの矢
印にしたがって直ちにリターンする。キーオンイベント
がある時は、YESの矢印にしたがってステップB2に
進み、押鍵された鍵のキーコードKCより所定の変換テ
ーブルを用いて発音すべき楽音の周波数Fを導出する。 【0059】次に、ステップB3において、遅延器、A
PFで実現すべきディレイ部の遅延段数を導出する。遅
延段数lengは、 leng=(fs /F)−Dlpf によって求めることができる。ここで、fs はDSP2
1のシステムのサンプリング周波数(Hz)であり、遅
延段数1段は1/fs となるのがデジタルシステムのき
まりである。DlpfはLPF41の遅延時間を段数に
対応して換算した数値である。なお、段数とは表現する
が、整数とは限らず、以下の議論では特に断らない限
り、小数部を含むものとする。 【0060】続いて、ステップB4において導出された
遅延段数を、どのように実現するかの遅延処理を行な
う。この遅延処理については、図7を参照して、後に詳
細に説明する。 【0061】ステップB4の後、ステップB5におい
て、デジタルシグナルプロセッサDSPに対して発音開
始指示を与える。このようにして、DSPにおいて、所
望の遅延時間を実現する。ステップB5の後、処理はリ
ターンする。 【0062】図7は、遅延処理の内容をより詳細に示
す。処理がスタートすると、ステップC1において、オ
ールパスフィルタAPF1、APF2を接続すべき遅延
器の接続位置を求める。遅延器APF1が接続される遅
延段m1は、 m1=INT〔(leng+1)/2〕×2−1 で求められ、オールパスフィルタAPF2が接続される
遅延段m2は、 m2=INT(leng/2)×2 で求められる。ここで、INT〔 〕は小数部を切り捨
てて整数部を取る演算を表す。 【0063】次に、ステップC2に進み、オールパスフ
ィルタAPF1の遅延段数および係数を求める。すなわ
ち、オールパスフィルタAPF1で実現すべき遅延段数
は、 d1=leng−m1 で求められる。 【0064】したがって、オールパスフィルタAPF1
に与える係数apfc1は、 apfc1=(1−d1)/(1+d1) となる。 【0065】次に、ステップC3において、同様にオー
ルパスフィルタAPF2で実現すべき遅延段数および係
数を求める。 d2=leng−m2 apfc2=(1−d2)/(1+d2) 次に、ステップC4において、オールパスフィルタAP
F1で実現する遅延段数d1が“1”より大きいか
“1”以下かを判断する。なお、遅延段数d1は0〜2
内で変化する。 【0066】遅延段数d1が“1”以下の場合は、ステ
ップC5に進み、増幅器37、38の係数Xc1、Xc
2を、 Xc1=d1 Xc2=1−Xc1 と設定する。 【0067】係数d1が“1”より大きい場合は、ステ
ップC6に進み、係数Xc1、Xc2を、 Xc1=2−d1 Xc2=1−Xc1 と定める。これにより、ノイズを発生する場合に“0”
となるクロスフェードのための係数Xc1、Xc2の値
が求まる。 【0068】このように、オールパスフィルタを接続す
べき遅延器の段数およびオールパスフィルタの係数、増
幅器の係数を求めた後、ステップC7に進み、遅延段数
leng、段数m1、m2、オールパスフィルタ係数a
pfc1、apfc2、増幅器係数Xc1、Xc2をD
SPへ送出する。その後、処理はリターンする。 【0069】なお、ステップC1で求められる整数m
1、m2は、遅延を段数で示した時の整数部を表し、ス
テップC2、C3で求められる係数d1、d2は、オー
ルパスフィルタAPFで実現されるべき遅延段数の小数
部を示すと見ることができる。 【0070】図8は、ピッチ操作子処理の内容を示す。
処理がスタートすると、ステップD1において、ピッチ
操作子の操作量mが変化するイベントが生じたか否かを
判断する。変化イベントが生じていない時は、NOの矢
印にしたがって直ちにリターンする。変化イベントが生
じている時は、YESの矢印にしたがってステップD2
に進む。 【0071】ステップD2では、変化イベントがキーオ
ン中か否かを判断する。キーオン中でない場合は、NO
の矢印にしたがって直ちにリターンする。ピッチを変化
すべき楽音が存在しないためである。キーオン中の場合
には、YESの矢印にしたがってステップD3に進む。 【0072】ここで、キーオン時にはFであった発音周
波数がピッチ操作子の変化イベントにより変化した周波
数F′を求める。 F′=Fexp(s・m) ここで、sは感度を示す。 【0073】ピッチ操作子の操作量mにしたがって、発
音すべき楽音の周波数を指数関数的に変化させることに
より、より聴感に一致した変化が得られる。このように
して、新たに発音周波数F′を求めた後、ステップD4
において、図7に示す遅延処理を行なうことにより、所
望の遅延時間を実現する条件設定等を求める。その後、
処理はリターンする。 【0074】図9は、以上のように、パラメータ等を設
定された条件下でDSPがDSPサイクル(=fS )に
したがって行なうDSP処理を示すフローチャートであ
る。処理がスタートすると、ステップE1においてキー
オン指示のイベントがあるか否かを判断する。イベント
がある場合は、YESの矢印にしたがってステップE2
に進み、発音開始処理を行なう。 【0075】キーオン指示イベントがない場合は、NO
の矢印にしたがってステップE3に進み、キーオフ指示
イベントがあるか否かを判断する。キーオフ指示イベン
トがある場合は、YESの矢印にしたがってステップE
4に進み、発音終了処理を行なう。キーオフ指示イベン
トがない場合は、NOの矢印にしたがってステップE4
はバイパスする。その後、ステップE5において楽音発
生の演算処理を行なう。すなわち、図2に示すようなデ
ジタル回路を構成して楽音合成の処理を行なう。 【0076】図10は、より具体的にピッチベンダが操
作され、発生する楽音信号のピッチを次第に上昇させる
場合の処理を説明するための回路図を示す。初期状態に
おいて、遅延器とオールパスフィルタで必要とされる遅
延段数は、leng=205.272であるとする。 【0077】図10(A)に示すように、奇数段目に接
続するオールパスフィルタAPF1は遅延器32の20
5段目58に接続し、遅延段数に換算してd1=0.2
72の遅延時間を発生させる。偶数段目に接続するオー
ルパスフィルタAPF2は、遅延器32の204段目5
6に接続し、遅延段数に換算してd2=1.272の遅
延時間を設定する。 【0078】また、オールパスフィルタAPF1に接続
される増幅器37の増幅係数は、オールパスAPF1の
遅延段数に合わせて0.272に設定する。他の増幅器
38の増幅係数は、1−0.272=0.728に設定
する。すなわち、増幅係数は両端遅延段数0.0と2.
0で“0”、中央の遅延段数1.0で“1”となる三角
波形とする。 【0079】このようにして、遅延器32の205段目
58の出力信号が、オールパスフィルタAPF1を通っ
て全体として遅延段数205.272段を実現し、0.
272に相当する振幅で加算器39に供給される。 【0080】また、遅延器32の204段目56の出力
信号は、他のオールパスフィルタAPF2に供給され、
全体として同様に205.272段に相当する遅延時間
を実現し、0.728に相当する振幅で加算器39に供
給される。 【0081】加算器39に供給される2つの信号は、共
に205.272段の遅延を有するため、同一のピッチ
を有する。したがって、加算によって周波数振幅特性が
劣化することを防止することができる。 【0082】発生する楽音のピッチを次第に上昇させる
ためには、遅延時間を減少させなければならない。遅延
時間を連続的に減少させるため、オールパスフィルタA
PF1、APF2の遅延段数を減少させる。 【0083】図10(B)に示すように、遅延段数d1
が“0”になるオールパスフィルタAPF1に関して
は、遅延段数が“0”になる時に増幅器37の増幅係数
が“0”になるように増幅係数を次第に減少させる。加
算器39に供給される2つの信号の和は、常に一定に保
たれるように、他の増幅器38の増幅係数はこれに伴っ
て増大させる。 【0084】図示した状態においては、オールパスフィ
ルタAPF1の遅延段数がd1=0となり、その出力を
供給される増幅器37の増幅係数が“0”となって、結
局オールパスフィルタAPF1の出力は加算器39には
供給されない。 【0085】他のオールパスフィルタAPF2の遅延段
数は、d2=1.0となり、その出力を供給される増幅
器38の増幅係数は1.00に設定されている。したが
って、遅延器32の204段目56の出力信号のみがオ
ールパスフィルタAPF2、増幅器38を経て加算器3
9に供給されて出力される。 【0086】ここで、図10(C)に示すように、オー
ルパスフィルタAPF1の接続を2段変更し、遅延器3
2の203段目57に接続する。また、オールパスフィ
ルタAPF1の遅延段数をd1=2.00に変更する。 【0087】図10(B)に示すように、遅延器32の
205段目にオールパスフィルタAPF1を接続し、そ
の遅延段数をd1=0とした場合と、オールパスフィル
タAPF1を遅延器32の203段目57に接続し、そ
の遅延段数をd1=2.00に設定した場合とでは、遅
延時間は同一であるが、オールパスフィルタの係数が異
なる。このため、その出力する楽音信号には不連続が生
じる。 【0088】しかしながら、オールパスフィルタAPF
1に接続された増幅器37の増幅係数が“0”に設定さ
れているため、加算器39に対してこの不連続な楽音信
号は供給されない。 【0089】次に、図10(D)に示すように、オール
パスフィルタAPF1、APF2の遅延段数を徐々に減
少させ、オールパスフィルタAPF1の出力を受ける増
幅器37の増幅係数は“0”から次第に増大させ、オー
ルパスフィルタAPF2の出力を受ける増幅器38の増
幅係数は“1”から徐々に減少させる。したがって、加
算器39は、再び2種類の信号を受けるようになる。 【0090】このように、オールパスフィルタの接続を
変更し、オールパスフィルタの遅延段数を不連続に変化
させる際には、その出力信号が実質的に楽音信号に影響
しないように増幅係数が減少させられる。 【0091】オールパスフィルタAPF1に接続された
増幅器の増幅係数を“0”にする場合を説明したが、さ
らに遅延段数を減少し、オールパスフィルタAPF2の
遅延段数d2=0となる場合には、他の増幅器38の増
幅係数を“0”に設定すればよい。前述のxc1、xc
2の計算により、そのように変化するようになってい
る。 【0092】なお、オールパスフィルタを接続換えする
場合、オールパスフィルタに接続された増幅器の増幅係
数は、必ずしも“0”に減少させなくても不連続が実質
的に発生しない程度の小さな値であればよい。 【0093】図11は、発生する楽音信号のピッチを次
第に減少させる場合を示すブロック図である。楽音信号
のピッチを減少させるためには、ループ回路全体での遅
延時間を増大させる必要がある。 【0094】図11(A)は、図10(A)と同等の初
期状態を示す。ただし、今回はオールパスフィルタでの
遅延時間を次第に増大させる。図11(B)は、オール
パスフィルタAPF1、APF2の遅延段数を次第に増
大させ、オールパスフィルタAPF2の遅延段数がd2
=2.00になった状態を示す。この場合、オールパス
フィルタAPF2に接続された増幅器38の増幅係数は
0.0になっている。なお、遅延器32の206段目6
1、207段目62も図示されている。 【0095】ここで、図11(B)の状態から図11
(C)の状態にオールパスフィルタAPF2の接続を変
更する。すなわち、オールパスフィルタAPF2は、2
04段目56から206段目61に接続を変更する。こ
の接続変更と同時に、オールパスフィルタAPF2の遅
延段数はd2=2.00からd2=0.0に変更され
る。 【0096】この変更により、オールパスフィルタAP
F2の出力信号には不連続が生ずるが、この出力信号を
受ける増幅器38の増幅係数が“0”に設定されている
ため、加算器37の受ける入力信号に変化は生じない。 【0097】次に、図11(D)に示すように、オール
パスフィルタAP1の遅延段数d1を徐々に増加させる
と共に、その出力信号を受ける増幅器37の増幅係数を
1.00から次第に減少させる。同時に、オールパスフ
ィルタAPF2の遅延段数d2も徐々に増加させ、その
出力信号を受ける増幅器38の増幅係数を徐々に増大さ
せる。 【0098】図10、図11の場合に共通に、遅延器3
2とオールパスフィルタAPF1が全体として形成する
遅延時間と、遅延器32とオールパスフィルタAPF2
が全体として形成する遅延時間は、常にほぼ同一の値に
保たれる。したがって、これら遅延時間がほぼ同一の2
つの信号を加算することによって、周波数特性の劣化を
防止することができる。 【0099】オールパスフィルタを用いると、周波数特
性の平坦な遅延を実現することができるが、その特性が
平坦な領域は比較的狭い。2つのAPFを遅延器の隣接
する異なる遅延段に接続し、交互に接続位置を変更する
ことにより、広い変化領域を確保することができる。 【0100】図12は、本発明の他の実施例によるルー
プ回路を有する楽音信号合成回路のブロック図を示す。
励振波形発生部30、加算器31、遅延器32、増幅器
37、38、加算器39、ローパスフィルタ41、増幅
器42は、図2に示す楽音合成回路と同等である。 【0101】本実施例においては、1段のオールパスフ
ィルタの代わりに、2段のオールパスフィルタの直列接
続が用いられている。すなわち、遅延器32のm2段目
にはオールパスフィルタAPF3、APF4が直列に接
続され、増幅器37にその出力信号を供給している。 【0102】また、遅延器32のm1段目には、オール
パスフィルタAPF5とAPF6が直列に接続され、増
幅器38に出力信号を供給している。遅延器32におい
て、m1段目は常に奇数段であり、m2段目は常に隣接
する偶数段目である。 【0103】したがって、2つのオールパスフィルタで
遅延器32の2段分までの遅延時間を実現すれば、全体
として遅延時間を連続的に変化させることができる。オ
ールパスフィルタ1個で実現すべき遅延時間の変化が小
さくなるため、より平坦な周波数特性を実現することが
できる。 【0104】なお、直列接続した2つのオールパスフィ
ルタの遅延時間は、たとえば同一量に設定することがで
きるが、必ずしも同一量に設定する必要はなく、たとえ
ば実現すべき遅延段数が1.1の場合、一方のオールパ
スフィルタで1段の遅延時間を実現し、他のオールパス
フィルタで0.1段の遅延時間を実現してもよい。 【0105】図3(B)に示すように、オールパスフィ
ルタの周波数特性は遅延段数が1段の時に最も平坦であ
るため、この遅延段数1段の場合を重点的に用いること
も好ましい。 【0106】2つのオールパスフィルタを直列接続する
場合を説明したが、遅延器に接続するオールパスフィル
タの段数は、1段、2段に制限されない。また、2組の
オールパスフィルタが接続される遅延器における段も、
隣接する奇数段と偶数段に制限されるものではない。遅
延器とオールパスフィルタの組合せを2組用い、全体と
して同一の遅延量を実現できるものであればよい。もち
ろん、2組以上のオールパスフィルタを用いても構わな
い。 【0107】なお、以上の実施例においては、周波数を
変化させる場合、回路定数を演算によって計算して求め
たが、計算の実行が遅い場合には、予め計算結果を記憶
したテーブルを用いてもよい。また、テーブルを用い、
かつテーブルにない中間値に対しては、補間を用いるこ
ともできる。 【0108】励振波形は、ノイズ波形や特定の波形を用
いる他、実際に楽器等においてサンプリングしたPCM
波形等を用いてもよい。以上実施例に沿って本発明を説
明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
たとえば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なこ
とは当業者に自明であろう。 【0109】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遅延器とオールパスフィルタの組合せで所望の遅延時間
を実現するため、楽音信号の周波数特性の劣化を防止す
ることができる。 【0110】また、2組のオールパスフィルタを遅延器
の異なる段に接続し、オールパスフィルタの接続切換の
際には、そのオールパスフィルタを通る楽音信号の振幅
を減少させることにより、オールパスフィルタの係数切
換に基づく楽音信号の不連続を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による楽音信号合成装置のブ
ロック図である。 【図2】 図1の実施例におけるDSPで作成される楽
音合成回路を示すブロック図である。 【図3】 図2の回路におけるオールパスフィルタの構
成例とその特性を示すブロック図およびグラフである。 【図4】 図2の回路におけるローパスフィルタの構成
例を示すブロック図である。 【図5】 メインルーチンのフローチャートである。 【図6】 キーオン処理のフローチャートである。 【図7】 遅延処理のフローチャートである。 【図8】 ピッチ操作子処理のフローチャートである。 【図9】 DSP処理のフローチャートである。 【図10】 遅延量減少の場合のオールパスフィルタの
接続切換を説明するためのブロック図である。 【図11】 遅延量増加の場合のオールパスフィルタの
接続切換を説明するためのブロック図である。 【図12】 本発明の他の実施例による楽音信号合成装
置のDSPによって実現されるループ回路を示すブロッ
ク図である。 【図13】 従来の技術によるループ回路の構成例を示
すブロック図である。 【符号の説明】 11 バス、 12 CPU、 13 ROM、
14 RAM、15 ピッチベンダ、 16 演奏
操作子、 17 音色設定操作部、21 DSP、
22 マイクロプログラムRAM、 23 固定パ
ラメータデータRAM、 24 時変パラメータデー
タRAM、 25 パラメータ補間器、 26 演
算処理部、 28 デジタル/アナログ変換器、29
信号処理用データRAM、 30 励振波形発生
部、 31、39加算器、 32 遅延器、 3
5 第1信号路、 36 第2信号路、37、38
増幅器、 41 ローパスフィルタ(LPF)、
42 増幅器、 APF オールパスフィルタ
ロック図である。 【図2】 図1の実施例におけるDSPで作成される楽
音合成回路を示すブロック図である。 【図3】 図2の回路におけるオールパスフィルタの構
成例とその特性を示すブロック図およびグラフである。 【図4】 図2の回路におけるローパスフィルタの構成
例を示すブロック図である。 【図5】 メインルーチンのフローチャートである。 【図6】 キーオン処理のフローチャートである。 【図7】 遅延処理のフローチャートである。 【図8】 ピッチ操作子処理のフローチャートである。 【図9】 DSP処理のフローチャートである。 【図10】 遅延量減少の場合のオールパスフィルタの
接続切換を説明するためのブロック図である。 【図11】 遅延量増加の場合のオールパスフィルタの
接続切換を説明するためのブロック図である。 【図12】 本発明の他の実施例による楽音信号合成装
置のDSPによって実現されるループ回路を示すブロッ
ク図である。 【図13】 従来の技術によるループ回路の構成例を示
すブロック図である。 【符号の説明】 11 バス、 12 CPU、 13 ROM、
14 RAM、15 ピッチベンダ、 16 演奏
操作子、 17 音色設定操作部、21 DSP、
22 マイクロプログラムRAM、 23 固定パ
ラメータデータRAM、 24 時変パラメータデー
タRAM、 25 パラメータ補間器、 26 演
算処理部、 28 デジタル/アナログ変換器、29
信号処理用データRAM、 30 励振波形発生
部、 31、39加算器、 32 遅延器、 3
5 第1信号路、 36 第2信号路、37、38
増幅器、 41 ローパスフィルタ(LPF)、
42 増幅器、 APF オールパスフィルタ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】励振波形をループ手段に注入し、注入され
た励振波形をループ手段内で循環させ、ループ手段の所
定位置から出力信号を導出する楽音信号合成装置であっ
て、前記ループ手段が、 複数の段を含む遅延素子と、 第1のオールパスフィルタと、 第2のオールパスフィルタと、 前記第1および第2のオールパスフィルタを前記遅延素
子の選択された異なる段に接続する可変接続手段と、 前記第1および第2のオールパスフィルタの出力におい
て、前記遅延素子入力に対して遅延時間が等しくなるよ
うにオールパスフィルタおよび可変接続手段を制御する
制御手段と、 前記第1および第2のオールパスフィルタの出力を重み
付け加算する重み付け加算手段とを含む楽音信号合成装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13604193A JP3371469B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 楽音信号合成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13604193A JP3371469B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 楽音信号合成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06348277A JPH06348277A (ja) | 1994-12-22 |
JP3371469B2 true JP3371469B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=15165801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13604193A Expired - Fee Related JP3371469B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 楽音信号合成装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3371469B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
CN115841807A (zh) | 2021-09-21 | 2023-03-24 | 卡西欧计算机株式会社 | 乐音信号产生装置、乐音信号产生方法和存储介质 |
JP7424411B2 (ja) * | 2021-09-21 | 2024-01-30 | カシオ計算機株式会社 | 楽音信号発生装置、電子機器、楽音信号発生方法、及びプログラム |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP13604193A patent/JP3371469B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06348277A (ja) | 1994-12-22 |
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