JP2812348B2 - 楽音波形信号形成装置 - Google Patents

楽音波形信号形成装置

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JP2812348B2 JP4081531A JP8153192A JP2812348B2 JP 2812348 B2 JP2812348 B2 JP 2812348B2 JP 4081531 A JP4081531 A JP 4081531A JP 8153192 A JP8153192 A JP 8153192A JP 2812348 B2 JP2812348 B2 JP 2812348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子楽器などに用い
られる楽音波形信号形成装置に関し、特に波形信号を循
環させて所望の楽音波形信号を形成する循環信号路を有
する楽音波形信号形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自然楽器をシミュレートした
物理モデルを用いて楽音波形信号を形成する装置が知ら
れている。例えば、特開平3−58095号公報には、
バイオリンやビオラなどの擦弦楽器をシミュレートした
楽音波形信号形成装置が開示されている。
【0003】これは、波形信号を循環させる循環信号路
中に直列に第1および第2の信号遅延手段を設け、一
方、外部からの起動制御信号(擦弦楽器の弓速度に相当
する信号)は第1および第2の信号遅延手段の各間の循
環信号路上の各波形信号と合成し非線形変換して、再び
第1および第2の信号遅延手段の各間の循環信号路上に
出力するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では、循環信号路中に注入される信号は非線形変換手
段により非線形変換されたものである。この非線形変換
は、弓を弦に擦りつけた場合に、弓速度が小さいときに
は弓と弦の間における摩擦力は主に静止摩擦係数により
支配されて弦速度は弓速度とほぼ同じになるが、弓速度
が大きくなると前記摩擦力は主に動摩擦係数により支配
されて弦速度は弓速度より遅くなる、という現象をシミ
ュレートするために行なう変換である。そのため、非線
形変換手段の入出力特性は、入力(弓速度)が一定の範
囲にあるときはほぼ比例する出力(弦速度)とし、入力
が限界値を越えるとその位置で低い値の出力に落ち込む
ような特性となっている。言換えれば、所定の限界値で
不連続となるような特性を有している。
【0005】そして、このような特性を有する非線形変
換手段により非線形変換された波形信号が循環信号路中
に注入されるため、この循環信号路から得られる楽音波
形信号も高周波成分の多い鋸波状の非線形な波形とな
り、最終的に放音される楽音の音質が自然でなくなった
り、しばしば折り返しノイズ発生の原因となるという問
題点があった。
【0006】この発明は、上述の従来例における問題点
に鑑み、波形信号を循環させて所望の楽音波形信号を形
成する循環信号路を有する楽音波形信号形成装置におい
て、非線形波形を循環信号路中に注入することにより引
き起こされていた音質の不自然さやノイズの発生を抑
え、自然でノイズの少ない楽音波形信号を形成できるよ
うにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明に係る楽音波形信号形成装置は、波形信号
を循環させる循環信号路と、前記循環信号路中に設けら
れた1個以上の信号遅延手段と、外部からの駆動信号を
入力するとともに、前記循環信号路上における波形信号
を入力して、該駆動信号と該波形信号とを合成し合成信
号を出力する入力手段と、前記入力手段から出力される
前記合成信号に非線形変換を施す非線形変換手段と、前
記非線形変換手段から出力される非線形変換後出力信号
をフィルタリングして、前記循環信号路上に出力するフ
ィルタリング手段と、1つの制御信号を入力する制御信
号入力手段と、前記1つの制御信号に基づいて、前記非
線形変換手段における非線形変換の特性、および前記フ
ィルタリング手段におけるフィルタリングの特性を、連
動して制御する特性制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】前記フィルタリング手段としては、例えば
所定のカットオフ周波数を有し高い周波数成分を遮断
(あるいは減衰)するローパスフィルタを用いるとよ
い。また、フィルタはFIR(Finite Impu
lse Response:有限インパルス応答)ある
いはIIR(Infinite Impulse Re
sponse:無限インパルス応答)など、どのような
形式のものでもよい。前記フィルタリング手段の特性
は、前記非線形変換手段における制御に連動して決定さ
れる。すなわち、外部から入力した1つの制御信号に基
づいて、非線形変換の入出力特性と前記フィルタリング
手段のフィルタ特性の両者が連動して制御される。
【0009】非線形変換にヒステリシス特性を付与すれ
ば、より自然な音質を得ることができる。ヒステリシス
特性を付与するためには、前記非線形変換後出力信号を
前記フィルタリング手段によりフィルタリングした出力
を再び非線形変換手段の入力側にフィードバック(正帰
還)させるとよい。このようなヒステリシス特性を付与
するためのフィードバック構造を設けた場合は、このフ
ィードバック構造において異常発振が起きないように前
記フィルタリング手段の特性を決定する。また、非線形
変換にヒステリシス特性を付与するためには、非線形変
換後出力信号を前記フィルタリング手段とは異なる別の
フィルタリング手段を介してフィードバックさせてもよ
い。
【0010】
【作用】前記非線形変換手段から出力される非線形変換
後出力信号はそのまま循環信号路上に出力されるのでは
なく、その非線形変換後出力信号をフィルタリングした
後、循環信号路上に出力される。したがって、例えば非
線形変換された波形信号から高い周波数成分を除去して
循環信号路上に出力すれば、自然でノイズの少ない楽音
波形信号が形成できる。
【0011】前記フィルタリング手段の特性を前記非線
形変換手段における非線形変換の特性の制御に連動させ
て制御しているので、きめ細かな音色の制御が可能とな
る。また、非線形変換にヒステリシス特性を付与すれ
ば、より自然な音質を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0013】図1は、この発明の一実施例に係る楽音波
形信号形成装置を適用した電子楽器のブロック構成を示
す。この実施例は、擦弦楽器をシミュレートした物理モ
デルにこの発明を適用したものである。
【0014】この実施例の電子楽器は、演奏操作子1、
設定操作子2、パラメータ発生部3、遅延回路5,6、
乗算器7,8、フィルタ9,10、加算器11,12、
加算器13、励振部14、および乗算器15を備えてい
る。遅延回路5,6、乗算器7,8、フィルタ9,1
0、加算器11,12、加算器13、励振部14、およ
び乗算器15により、楽音波形信号形成装置が形成され
ている。
【0015】演奏操作子1は、音階に対応した複数の鍵
を有する鍵盤であり、演奏者の鍵盤の操作に応じて発音
指示信号、音高情報およびタッチ情報などの演奏情報を
出力する。なお、鍵盤でなく別の操作装置、例えば擦弦
楽器の弓と弦を擦りつける動作を模倣できるような操作
装置を用いてもよい。設定操作子2は、音色選択スイッ
チなどのスイッチを備え、選択されている音色を表す音
色情報を出力する。パラメータ発生部3は、演奏情報お
よび音色情報を入力し、これらの情報に応じて、発生す
べき楽音波形信号を規定する種々のパラメータを発生出
力する。
【0016】閉ループ回路4は、擦弦楽器の弦に対応し
て楽音波形信号を循環させる循環信号路であり、図のよ
うに直列に接続された遅延回路5,6、乗算器7,8、
フィルタ9,10および加算器11,12により構成さ
れている。
【0017】遅延回路5,6は、それぞれに入力するパ
ラメータD1,D2に応じて遅延時間が可変制御される
ようになっている。ループ回路4は擦弦楽器の弦に相当
し、遅延回路5,6における遅延時間は弦の長さに相当
する。したがって、パラメータD1,D2によって遅延
回路5,6における各遅延時間を制御することにより、
発生する楽音の音高が制御される。パラメータ発生部3
は、演奏操作子1から入力した音高情報に応じてこれら
の遅延時間D1,D2を決定し、遅延回路5,6に向け
て出力する。
【0018】フィルタ(ローパスフィルタ)9,10
は、それぞれに入力するパラメータF1,F2に応じて
フィルタ特性が可変制御されるようになっている。フィ
ルタ9,10のフィルタ特性を変更することにより、種
々の弦の振動特性をシミュレートし、これにより楽音の
音色を変更することができる。パラメータ発生部3は、
演奏操作子1から入力したタッチ情報および設定操作子
2から入力した音色情報に応じて、これらのフィルタ特
性パラメータF1,F2を決定しフィルタ9,10に向
けて出力する。
【0019】乗算器7,8は、ループ回路4を循環する
波形信号に「−1」を乗算することにより、同信号の位
相をπだけずらす。乗算器7,8は、弦の両固定端にお
ける終端条件を実現するものである。
【0020】フィルタ9,10の各出力側におけるルー
プ回路4上の波形信号は、それぞれ加算器13に入力
し、加算される。加算結果は、入力信号INとして励振
部14に入力する。これにより、弓と弦との接触部が弦
上を進行する振動波によって変位することをシミュレー
トしている。
【0021】励振部14は、弓を弦に擦り付けたときの
弦の変位状態をシミュレートする。励振部14には、擦
弦楽器における弓の移動速度(弓速)に相当する弓速信
号E、弓移動時に弓から弦に付与される圧力を表す弓圧
信号TBLC、励振部14内部にあるフィードバックル
ープ(図2を参照して後述する)のゲインを規定するフ
ィードバックゲインFG、および弦上を現在進行してい
る振動波を表す加算器13からの入力信号INが入力す
る。そして、弓速Eかつ弓圧TBLCの状態で弓を弦に
擦り付けたときの弦の変位状態を表す出力信号OUTを
出力する。また、励振部14は、入力信号INにより、
弦上を既に進行中の振動波が弦の変位状態にどのように
影響するかについてもシミュレートする。
【0022】励振部14に入力する弓速E、弓圧TBL
CおよびフィードバックゲインFGは、パラメータ発生
部3が発生する。特に、弓速Eは演奏操作子1から入力
したタッチ情報などに応じて、弓圧TBLCは演奏操作
子1から入力したタッチ情報や設定操作子2から入力し
た音色情報などに応じて、フィードバックゲインFGは
演奏操作子1から入力したタッチ情報や設定操作子2か
ら入力した音色情報などに応じて、それぞれ決定され出
力される。また、これらのパラメータは、演奏操作子1
から発音指示信号が出力されている間、出力される。
【0023】励振部14から出力される弦の変位状態を
表す出力信号OUTは、乗算器15に入力し、定数1/
2と乗算される。乗算結果は、ループ回路4中に設けら
れている加算器11,12を介して、ループ回路4に出
力されるようになっている。
【0024】ループ回路4からの楽音波形信号の出力
は、加算器11の出力側から取るようになっている。こ
の楽音波形信号の出力は、不図示のサウンドシステムに
入力し、これにより実際に放音が実施される。なお、楽
音波形信号の出力は、ループ回路4のどの位置から取っ
てもよい。また、複数箇所から出力を取り出し、合成し
て用いてもよい。さらに、取り出した出力信号に対し、
所定のフォルマントを付与するなどの後処理を行ないサ
ウンドシステムに入力するようにしてもよい。
【0025】図2は、励振部14の詳細なブロック構成
を示す。励振部14は、加算器21、非線形(NL)変
換部22、フィルタ(ローパスフィルタ)23、乗算器
24、およびフィルタパラメータ供給部25を備えてい
る。
【0026】加算器21は、励振部14に入力した弓速
Eおよび入力信号INと乗算器24の出力とを加算す
る。加算器21の出力は、入力信号NLIとしてNL変
換部22に入力する。NL変換部22は、入力信号NL
Iを非線形変換して弓の移動による弦の変位状態をシミ
ュレートした非線形変換後出力NLOを出力する。な
お、NL変換部22の入出力特性は、弓圧TBLCに応
じて変更制御されるようになっている。NL変換部22
の入出力特性については後に詳細に説明する。
【0027】NL変換部22からの非線形変換後出力N
LOは、フィルタ23に入力する。フィルタ23は、所
定のカットオフ周波数を有するローパスフィルタであ
り、これにより非線形変換後出力NLO中の高い周波数
成分は遮断(あるいは減衰)される。このフィルタ23
を通った信号が、励振部14の出力信号OUTとして出
力される。
【0028】なお、フィルタ23の入出力特性は、フィ
ルタパラメータ供給部25から与えられるフィルタパラ
メータに応じて変更制御される。フィルタパラメータ供
給部25は、弓圧TBLCを入力し、この値に応じてフ
ィルタパラメータを生成出力する。したがって、弓圧T
BLCに応じてフィルタ23の入出力特性が決定され、
これにより弓圧TBLCに応じた音色の変化が実現でき
る。上述したように、NL変換部22の入出力特性も弓
圧TBLCに応じて変更制御されるので、結果として、
NL変換部22の入出力特性の変更制御に連動してNL
変換部22の入出力特性が変更制御されることとなる。
なお、フィルタパラメータ供給部25において、さらに
弓速Eに応じてフィルタパラメータを生成し出力するよ
うにしてもよい。また、さらに音高に応じてフィルタパ
ラメ−タを変えるようにしてもよい。
【0029】フィルタ23の出力は、出力信号OUTと
して出力されるとともに、乗算器24を介して加算器2
1にフィードバックされている。このフィードバックに
より、非線形変換にヒステリシス特性が付与される。こ
のようなヒステリシス特性の付与により、弓速に応じて
摩擦係数が変化する擦弦楽器の弓と弦との関係がよりよ
くシミュレートされ、最終的に得られる楽音が擦弦楽器
の楽音に近いものとなる。乗算器24は、フィルタ23
の出力にフィードバックゲインFGを乗算するもので、
これによりヒステリシスの幅が変更制御される。
【0030】図3は、上述のNL変換部22の入出力特
性の一例を示すグラフである。横軸は入力NLI、縦軸
は出力NLOを示す。NL変換部22の入出力特性は、
弓圧TBLCに応じて変更される。ここでは、弓圧TB
LCが小さいとき実線のようになだらかな入出力特性を
示し、弓圧TBLCが徐々に大きくなるにつれて破線か
ら一点鎖線、二点鎖線のようなより急峻な入出力特性を
示すようになっている。
【0031】このような特性のNL変換により、弓を弦
に擦りつけた場合に、弓速度が小さいときには弓と弦の
間における摩擦力は主に静止摩擦係数により支配されて
弦速度は弓速度とほぼ同じ(ここでは向きが反対となる
ような特性とした)になるが、弓速度が大きくなると前
記摩擦力は主に動摩擦係数により支配されて弦速度は弓
速度より遅くなるという現象をシミュレートしている。
【0032】図4は、フィルタ23の入出力特性の一例
を示すグラフである。横軸はフィルタ23への入力の
値、縦軸は出力の値を示す。フィルタ23の入出力特性
は、弓圧TBLCに応じて変更される。ここでは、弓圧
TBLCが小さいとき実線のようななだらかな入出力特
性を示し、弓圧TBLCが徐々に大きくなるにつれて破
線から一点鎖線、二点鎖線のようなより急峻な入出力特
性を示すようになっている。
【0033】図3および図4から分かるように、また上
述したように、NL変換部22の入出力特性およびフィ
ルタ23の入出力特性は、連動して、ともに弓圧TBL
Cに応じて変更制御される。これにより、弓圧が小さい
ときはNL変換部22の入出力特性は図3の実線のよう
に高い周波数成分が比較的少ないので、フィルタ23の
入出力特性も比較的なだらかとし、逆に弓圧が大きいと
きはNL変換部22の入出力特性は図3の二点鎖線のよ
うに高い周波数成分が多いのでフィルタ23の入出力特
性も急峻なものとして高い周波数成分を遮断するような
制御が可能となる。また意識的に、弓圧が小さいときフ
ィルタ23の入出力特性を急峻なものとして高い周波数
成分を遮断し、弓圧が大きいときフィルタ23の入出力
特性をなだらかなものとして高い周波数成分を出力する
ような制御を行うこともできる。すなわち、弓圧に応じ
た多様な音色の変更制御が実現できる。
【0034】次に、上記のように構成された実施例の電
子楽器の動作を説明する。
【0035】まず、演奏者の鍵盤の操作に応じて、演奏
操作子1から発音指示信号、音高情報およびタッチ情報
などの演奏情報が出力される。設定操作子2からは、音
色情報が出力される。パラメータ発生部3は、これらの
情報に応じて各種のパラメータを出力する。それらのパ
ラメータのうち励振部14に入力した弓速Eは、加算器
21を介してNL変換部22に入力し、非線形変換され
る。非線形変換後の出力信号NLOは、フィルタ23に
よりフィルタリングされ、例えば高周波成分を遮断する
などの処理が行なわれる。フィルタ23の出力は励振部
14の出力OUTとして、乗算器15および加算器1
1,12を介してループ回路4上に出力される。
【0036】ループ回路4上に出力された信号は、この
ループ回路4上を循環する。このとき遅延回路5,6の
遅延時間(パラメータD1,D2)により、ループ回路
4上を循環する波形信号の音高が決定される。ループ回
路4中にはフィルタ9,10が設けられており、循環す
る波形信号に対し弦の特性に応じた周波数特性が付与さ
れる。また、循環する波形信号は、加算器13を介して
励振部14の加算器21に入力し弓速Eと加算されてN
L変換部22に入力するので、弓と弦との接触部が弦上
を進行する振動波によって変位することがシミュレート
される。さらに、励振部14の出力は乗算器24を介し
て加算器21にフィードバックされ、これにより非線形
変換の入出力特性にヒステリシス特性を付与している。
ループ回路4を循環する楽音波形信号は加算器11の出
力側から取出され、後段のサウンドシステムに入力す
る。
【0037】図5は、NL変換部22の回路例を示す。
この図のNL変換部22は、n個の変換テーブル31−
1,31−2,…,31−n、n個の乗算器32−1,
32−2,…,32−n、係数発生部33、および加算
器34を備えている。n個の変換テーブル31−1,3
1−2,…,31−nは、入力した入力信号NLIに応
じたそれぞれの値を出力する。それらの出力は、各々乗
算器32−1,32−2,…,32−nにおいて係数k
1,k2,…,knと乗算される。これらの係数k1,
k2,…,knは、係数発生部33が弓圧TBLCに基
づいて出力する。乗算器32−1,32−2,…,32
−nの出力は加算器34にて加算される。
【0038】変換テーブル31−1,31−2,…,3
1−nのそれぞれの内容および係数発生部で発生する係
数k1,k2,…,knを適当に選択することにより、
図3のような入出力特性を実現することができる。
【0039】図6は、NL変換部22の別の回路例を示
す。この図のNL変換部22は、除算器41、変換テー
ブル42、乗算器43、および係数発生部44を備えて
いる。係数発生部44は、弓圧TBLCに基づいて、除
算器41の除数および乗算器43の乗数となる係数を出
力する。変換テーブル42は、例えば図3に示した入出
力特性を実現する。入力信号NLIは、除算器41で係
数発生部44から出力される係数で除算され、変換テー
ブル42で非線形変換され、乗算器43で係数発生部4
4から出力される係数と乗算され、出力信号NLOとし
て出力される。したがって、このNL変換部22の入出
力特性は、変換テーブル42の入出力特性と相似形とな
る。なお、点線45のように弓圧TBLCで直接変換テ
ーブル42の特性を変更制御するようにしてもよい。
【0040】上記実施例によれば、非線形変換した出力
信号NLOをフィルタ23を介してループ回路4に注入
している。したがって、例えばフィルタ23として所定
の高周波成分を遮断するローパスフィルタを用いれば、
非線形変換後の出力信号NLOから高周波成分が除かれ
るので、ループ回路4から取出した楽音波形信号は自然
でかつ折り返しノイズを含まない。また、フィルタ23
の出力は加算器21へとフィードバックしているので、
非線形変換にヒステリシス特性を付与することができ、
より自然な楽音波形信号が形成できる。
【0041】なお、上記実施例では擦弦楽器をシミュレ
ートした物理モデルにこの発明を適用した例を説明した
が、擦弦楽器のモデルには限らない。また、上記実施例
では、励振部はループ回路の外にある例を説明したが、
励振部がループ回路の一部を構成するようにしてもよ
い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、波形信号を循環させて所望の楽音波形信号を形成す
る循環信号路を有する楽音波形信号形成装置において、
非線形変換後の波形信号をフィルタリングした後、循環
信号路中に注入しているので、音質の不自然さやノイズ
の発生を抑え、自然でノイズの少ない楽音波形信号を形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る楽音波形信号形成
装置を適用した電子楽器のブロック構成図
【図2】 励振部の詳細なブロック構成図
【図3】 非線形変換部の入出力特性の一例を示すグラ
【図4】 フィルタの入出力特性の一例を示すグラフ
【図5】 非線形変換部の回路例(その1)
【図6】 非線形変換部の回路例(その2)
【符号の説明】
1…演奏操作子、2…設定操作子、3…パラメータ発生
部、5,6…遅延回路、7,8…乗算器、9,10…フ
ィルタ、11,12…加算器、13…加算器、14…励
振部、15…乗算器、21…加算器、22…非線形(N
L)変換部、23…フィルタ、24…乗算器、25…フ
ィルタパラメータ供給部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波形信号を循環させる循環信号路と、 前記循環信号路中に設けられた1個以上の信号遅延手段
    と、 外部からの駆動信号を入力するとともに、前記循環信号
    路上における波形信号を入力して、該駆動信号と該波形
    信号とを合成し合成信号を出力する入力手段と、 前記入力手段から出力される前記合成信号に非線形変換
    を施す非線形変換手段と、 前記非線形変換手段から出力される非線形変換後出力信
    号をフィルタリングして、前記循環信号路上に出力する
    フィルタリング手段と、1つの制 御信号を入力する制御信号入力手段と、 前記1つの制御信号に基づいて、前記非線形変換手段に
    おける非線形変換の特性、および前記フィルタリング手
    段におけるフィルタリングの特性を、連動して制御する
    特性制御手段とを備えたことを特徴とする楽音波形信号
    形成装置。
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