JP3494313B2 - 音源システム - Google Patents

音源システム

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JP3494313B2
JP3494313B2 JP12073094A JP12073094A JP3494313B2 JP 3494313 B2 JP3494313 B2 JP 3494313B2 JP 12073094 A JP12073094 A JP 12073094A JP 12073094 A JP12073094 A JP 12073094A JP 3494313 B2 JP3494313 B2 JP 3494313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディジタル的に高調
波(非整数次も含む)を合成して楽音を形成する高調波
合成型の音源システムに関し、特に自然な音質変化を伴
ったダイナミックス制御を実現した音源システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自然な音量(ダイナミック
ス)変化を伴う楽音を発生させるための種々の技術が考
えられている。簡易なものとして、楽音波形信号にエン
ベロープ信号を乗算して振幅制御(EG制御)するもの
がある。
【0003】また、そのような振幅制御に加え、フィル
タによる音質制御を行なうようにしたものがある。これ
は、例えば自然楽器を強いタッチで演奏した音を収録し
PCM(pulse code modulatio
n)化してPCMデータとしてメモリに記憶しておき演
奏時に読み出す方式の音源において、このPCMデータ
の読み出し時にタッチに応じたフィルタリングを行なう
ものである。
【0004】また、ダイナミックスの異なる2音を適当
な割合でミックスする方式も考えられる。例えば、強い
音のPCMデータと弱い音のPCMデータとをあらかじ
め記憶しておき、演奏時には、タッチに応じた割合でこ
れらのPCMデータをミックスして出力するものであ
る。
【0005】さらに、線形補間手法をベースとした音色
補間手法により自然なダイナミックスを得る技術が知ら
れている。これは、PCMデータで記憶しておくのでな
く高調波(非整数次も含む)の周波数とその振幅とを係
数(パラメータ)として複数記憶しておき、演奏時には
これらの係数の周波数および振幅に応じた正弦波波形を
合成して楽音波形出力を得る音源において、強いダイナ
ミックスの音の係数と弱いダイナミックスの音の係数と
を記憶しておき、演奏時のタッチに応じて係数を補間し
て楽音波形を生成するものである。時間的な変化を実現
するため、所定のフレーム時間ごとに、係数を変化させ
るようにして、自然なダイナミックスを得るようにす
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した楽音
波形信号を振幅制御する方式では、音量そのものは時間
的に変化するが、音色は変わらないので、音色変化も含
めて自然なダイナミックス変化は得られない。
【0007】振幅制御に加えてフィルタリングを行なう
方式によれば、フィルタリングにより音質制御がなされ
るので、上述の振幅制御のみのものよりは自然なダイナ
ミックス変化が得られる。しかし、フィルタリングの処
理では音質制御に限界がある。すなわち、時間変化して
いくダイナミックスのレベルに応じてフィルタの周波数
特性を変化させたいが、制御可能な係数が限られている
ため、所望の音質加工は難しいという問題がある。
【0008】上述の強い音のPCMデータと弱い音のP
CMデータとをミックスする方式では、ミックスする対
象となる2音の位相関係やピッチのずれ(時間変動も含
む)が問題となり、自然なミキシングができない。2音
の音質差が大きい場合には、聴感上、2音が遊離した感
じになったり汚く聞こえたりするため、実現には難があ
る。
【0009】上述の係数の線形補間により音色補間を行
い、音色変化も含めた自然なダイナミックスを得る方式
によれば、2音の線形補間処理によって中間ダイナミッ
クスが比較的自然な感じで再現できる。しかし、処理は
あくまでも係数の補間処理であるため、補間結果は対象
となる2音間に位置するものとなる。
【0010】したがって、例えばメゾフォルテmfとピ
アノpの強さの2音の間で補間するとすれば、mfから
pの間の強さの音は音色変化も含めて自然なダイナミッ
クス変化の音として再現できるが、mf以上の強さの音
やp以下の強さの音については、音量制御に頼らざるを
えない。特に、音量制御だけでは、一般に電子楽器でウ
ィークポイントとされる、自然な弱音の再生は実現でき
ない。
【0011】また、補間処理でダイナミックスを表現す
る場合、保持すべきダイナミックスのポイントを増やし
て対応することもできるが、保持すべきデータ量が増え
てしまうという問題がある。さらに、ダイナミックスが
大きくなる方に拡張していくことは容易だが、弱音に関
しては限界がある。ピアニッシッシモpppまでのデー
タを持ったとしても、音が自然に消えていく感じは再現
できない。
【0012】この発明は、高調波を合成して所望の楽音
波形信号を得るタイプの音源システムにおいて、より自
然な音質変化を伴ったダイナミックス制御を実現するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る音源シス
テムは、発生すべき楽音を構成する複数の高調波の周波
数および振幅に関する係数データの補間処理を行なっ
て、楽音合成用の係数データを出力する手段と、発生す
べき楽音を構成する複数の高調波の周波数および振幅に
関する係数データのイコライジング処理を前記補間処理
とは独立に行なって、楽音合成用の係数データを出力す
る手段と、入力したユーザ制御情報に基づいて、前記補
間処理による係数データと前記イコライジング処理によ
る係数データの何れか一方を選択する手段と、選択され
た係数データを用いて楽音波形を発生する手段とを備え
たことを特徴とする。
【0014】また、発生すべき楽音を構成する複数の高
調波の周波数および振幅に関する係数データであって、
該係数データを用いて楽音合成した結果の楽音が第1の
音量となるような第1の係数データを記憶するととも
に、入力したユーザ制御情報に基づいて前記第1の係数
データを出力する第1の記憶手段と、発生すべき楽音を
構成する複数の高調波の周波数および振幅に関する係数
データであって、該係数データを用いて楽音合成した結
果の楽音が前記第1の音量とは異なる第2の音量となる
ような第2の係数データを記憶するとともに、入力した
ユーザ制御情報に基づいて前記第2の係数データを出力
する第2の記憶手段と、入力したユーザ制御情報に基づ
いて、補間係数を出力する補間係数供給手段と、前記第
1の係数データと前記第2の係数データとを用いて、前
記補間係数に基づく補間を行ない、その補間結果の係数
データを出力する係数補間手段と、入力したユーザ制御
情報に基づいて、イコライジング係数を出力するイコラ
イジング係数供給手段と、前記第1の係数データまたは
前記第2の係数データの何れか一方のみを用いて、前記
イコライジング係数に基づくイコライジング処理を行な
い、その処理結果の係数データを出力するイコライジン
グ手段と、入力したユーザ制御情報に基づいて、前記係
数補間手段から出力された係数データまたは前記イコラ
イジング手段から出力された係数データの何れか一方を
選択出力する選択手段と、前記選択手段から出力された
係数データを用いて、楽音波形を発生する楽音波形発生
手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】前記ユーザ制御情報は、例えば、発生すべ
き楽音の音色を示す音色情報、楽音の発音開始時点から
の経過時間を示すフレーム時間、および楽音発生の強さ
を示すタッチ情報である。この場合、例えば、前記第1
および第2の記憶手段は、前記音色情報およびフレーム
時間に基づく係数データを出力し、前記補間係数供給手
段は、前記音色情報、フレーム時間、およびタッチ情報
に基づく補間係数を出力し、前記イコライジング係数供
給手段は、前記音色情報、フレーム時間、およびタッチ
情報に基づくイコライジング係数を出力し、前記選択手
段は、前記タッチ情報に基づいて前記選択を行なうよう
にするとよい。
【0016】さらに、前記第1の係数データは楽器を強
奏で演奏したときの楽音を再生するような係数データと
し、前記第2の係数データは楽器を弱奏で演奏したとき
の楽音を再生するような係数データとするとよい。
【0017】
【作用】補間処理による係数データとイコライジング処
理による係数データとを独立に得るようにし、入力した
ユーザ制御に基づいて何れかを用いるかを決定して楽音
を合成する。したがって、補間処理が適したダイナミッ
クスの範囲は補間処理による係数を用い、補間処理で補
えない範囲はイコライジング処理による係数を用いると
いった楽音波形の発生が可能である。
【0018】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0019】図1は、この発明の一実施例に係る音源シ
ステムを適用した楽音波形発生装置のブロック構成を示
す。また、図2は、この実施例における係数データの流
れと演算の概要を示す図である。
【0020】図1の楽音波形発生装置は、演奏操作子1
01、音色指定操作子102、制御部103、係数メモ
リ(CM)104、ピッチ制御部107、係数補間部1
08、補間/EQ処理判定部112、補間係数α供給部
113、イコライジング(EQ)係数供給部114、イ
コライジングレート供給部115、乗算器116、加算
器117、乗算部118,119、セレクタ120、お
よび正弦波群発生部121を備えている。
【0021】係数メモリ(CM)104は、強奏係数デ
ータ(fD)105、および弱奏係数データ(pD)1
06を備えている。また、係数補間部108は、乗算部
109,110、および加算部111を備えている。
【0022】演奏操作子101は、ユーザが演奏操作す
るための操作子であり、例えば鍵盤である。演奏操作子
101は、ユーザの演奏操作に応じて、鍵のオン/オフ
を示すキーオン情報、オンされた鍵の音高を示すキーコ
ード、および鍵をオンしたときのタッチ情報を出力す
る。音色指定操作子102は、ユーザが音色を指定する
ための操作子である。音色指定操作子102は、ユーザ
の音色指定操作に応じて、音色情報を出力する。
【0023】演奏操作子101からのキーオン情報、キ
ーコード、およびタッチ情報、並びに音色指定操作子1
02からの音色情報は、制御部103に入力する。制御
部103は、これらの情報を適宜加工して、音色を示す
音色情報TC、フレーム時間を示すフレーム時間FRT
IME、タッチを示すタッチ情報TOUCH、および音
高を示すピッチ情報PITCHを出力する。
【0024】フレーム時間FRTIMEとは、発音開始
時点(すなわち、キーオン時点)からの経過時間を所定
の時間ごとに区切り、各時間区間をそれぞれフレームと
呼ぶとき、現時点がどのフレームに属するかを示す値で
ある。フレーム時間FRTIMEは、初期値が1であ
り、初期値1から最終値kまでの範囲で順次増加する整
数値をとるものとする。
【0025】係数メモリ104は、制御部103からの
音色情報TCおよびフレーム時間FRTIMEを入力
し、これらに応じた強奏係数データfDおよび弱奏係数
データpDを出力する。
【0026】図2の211−1〜211−kは、図1の
係数メモリ104から読み出される強奏係数データfD
を示す。音色情報TCが与えられると、その音色に応じ
て係数メモリ104から読み出すべき一連の強奏係数デ
ータ211−1〜211−kが定まる。その一連の強奏
係数データ211−1〜211−kは、フレーム時間F
RAMEに応じて順番に出力される。
【0027】図2の211−1は、先頭のフレームにお
いて読み出される強奏係数データを示す。1フレームに
おいて読み出される強奏係数データは、周波数f1,f
2,…,fnとそれら各周波数における振幅m1,m
2,…,mnとの組データを複数組(この実施例ではn
組)、およびそれら複数組のデータの基本周波数FRP
ITCHからなるマトリックス状のデータである。基本
周波数FRPITCHとは、対応する周波数と振幅との
複数組のデータをそのまま用いて楽音を合成したとき
に、再現される楽音の周波数を示す。以後の各フレーム
で読み出される強奏係数データも同様のデータである。
【0028】図2の221−1〜221−kは、図1の
係数メモリ104から読み出される弱奏係数データpD
を示す。音色情報TCが与えられると、その音色に応じ
て係数メモリ104から読み出すべき一連の弱奏係数デ
ータ221−1〜221−kが定まる。その一連の弱奏
係数データ221−1〜221−kは、フレーム時間F
RAMEに応じて順番に出力される。
【0029】図2の221−1は、先頭のフレームにお
いて読み出される弱奏係数データを示す。これは、強奏
係数データ211−1と同様のものである。ただし、強
奏係数データfDは楽音をフォルテの強さで発音すると
きに用いて好適な係数データであり、弱奏係数データp
Dは楽音をピアニッシモの強さで発音するときに用いて
好適な係数データである。
【0030】再び図1を参照して、ピッチ制御部107
は、係数メモリ104からフレーム時間ごとに出力され
る強奏係数データおよび弱奏係数データを入力するとと
もに、制御部103からのピッチ情報PITCHを入力
する。ピッチ制御部107は、基本周波数FRPITC
H,FRPITCH′におけるデータであるこれらの係
数データを、最終的に発音すべき楽音の音高を示すピッ
チ情報PITCHに応じて加工する。
【0031】図2において、212は強奏係数データ2
11−1をピッチ制御部107においてピッチ制御した
出力の係数データを示し、222は弱奏係数データ22
1−1をピッチ制御部107においてピッチ制御した出
力の係数データを示している。
【0032】強奏係数データ211−1の周波数データ
f1,f2,…,fnには、β=PITCH/FRPI
TCHが乗算され、弱奏係数データ221−1の周波数
データf1′,f2′,…,fn′には、β′=PIT
CH/FRPITCH′が乗算されて、付番212,2
22に示すように出力される。各フレームごとに同様の
ピッチ制御がなされる。このようにピッチ制御された係
数データ212,222を用いて楽音を合成すれば、合
成された楽音は、ピッチ情報PITCHで示された音高
となることになる。
【0033】再び図1を参照して、ピッチ制御部107
から出力された強奏係数データと弱奏係数データは係数
補間部108に入力し、タッチに応じた補間がなされ
る。補間係数α,1−αは、以下のように供給される。
【0034】まず、補間係数α供給部113は、音色情
報TC、フレーム時間FRTIMEおよびタッチ情報T
OUCHを入力し、これらに応じた補間係数αを出力す
る。具体的には、補間係数α供給部113内には音色お
よびフレーム時間ごとに補間係数テーブルが用意されて
おり、まず音色情報TCおよびフレーム時間FRTIM
Eに応じて用いるべき補間係数テーブルを決定する。こ
の補間係数テーブルは、タッチ情報TOUCHの全値に
対応する補間係数を保持したテーブルであり、入力した
タッチ情報TOUCHの値に対応する補間係数αを出力
する。
【0035】補間係数α供給部113から出力された補
間係数αは、係数補間部108内の乗算部109に乗数
として入力する。また、補間係数αは、乗算器116で
「−1」と乗算され、その後加算器117で「+1」と
加算される。その結果、補間係数1−αが、係数補間部
108内の乗算部110に乗数として入力する。
【0036】係数補間部108の乗算部109において
は、ピッチ制御部107から出力された強奏係数データ
の各要素に補間係数αが乗算される。また、乗算部11
0においては、ピッチ制御部107から出力された弱奏
係数データの各要素に補間係数1−αが乗算される。乗
算部109,110の出力は、加算部111で対応する
要素ごとに加算される。
【0037】図2において、213は加算部111から
出力される補間結果を示す。ピッチ制御された強奏係数
データ212と弱奏係数データ222が補間係数α,1
−αにより補間されている。具体的には、例えば、強奏
係数データ212の周波数要素βf1と弱奏係数データ
222の周波数要素β′f1′が補間され、補間結果と
してαβf1+(1−α)β′f1′が出力されてい
る。また、振幅についても同様に、振幅要素m1とm
1′が補間され、補間結果としてαm1+(1−α)m
1′が出力されている。他の要素についても同様であ
る。
【0038】再び図1を参照して、係数補間部108か
ら出力された補間結果の係数データは、セレクタ120
の1側端子に入力する。
【0039】一方、ピッチ制御部107から出力された
弱奏係数データは、乗算部119に入力し、イコライジ
ング処理が施される。イコライジング係数は、以下のよ
うに乗算部119に供給される。
【0040】まず、イコライジング係数供給部114
は、音色情報TC、フレーム時間FRTIME、および
タッチ情報TOUCHを入力し、これらに応じたイコラ
イジング係数列EQCを出力する。具体的には、イコラ
イジング係数供給部114内には、音色、フレーム時
間、およびタッチごとにイコライジング係数テーブルが
用意されており、まず上記入力情報に応じて、用いるべ
きイコライジング係数テーブルを決定する。
【0041】このイコライジング係数テーブルは、各周
波数に対応するイコライジング係数EQCを保持したテ
ーブルであり、上記入力情報に応じて決定されたイコラ
イジング係数テーブルの係数データがすべて出力され
る。出力されるイコライジング係数列EQCは、周波数
fごとのイコライジング係数データの列であるので、こ
こでは関数の形式でEQC(f)と表記するものとす
る。
【0042】図4は、イコライジング係数供給部114
内のテーブルの例である。EQパターンインデックスと
は、音色情報TC、フレーム時間FRTIME、および
タッチ情報TOUCHに応じて定められるインデックス
である。EQパターンインデックスが定まると、出力す
べきイコライジング係数列EQC(f)のテーブルが1
つ定まるようになっている。
【0043】一方、イコライジングレート供給部115
は、音色情報TC、フレーム時間FRTIME、および
タッチ情報TOUCHを入力し、これらに応じたイコラ
イジングレートEQRを出力する。
【0044】乗算部118は、イコライジング係数供給
部114から出力されるイコライジング係数列EQC
(f)の各係数とイコライジングレート供給部115か
ら出力されるイコライジングレートEQRとを乗算し、
イコライジング係数列EQ(f)を出力する。乗算部1
18にてレートを乗算するのは、タッチなどに応じた感
度調整などのためである。
【0045】乗算部118から出力されたイコライジン
グ係数列EQ(f)は、乗算部119に乗数として入力
する。乗算部119では、ピッチ制御部107から出力
された弱奏係数データ中の振幅要素に対し、周波数ごと
にイコライジング係数EQ(f)を乗算し、イコライジ
ング処理を施す。
【0046】図2の223は、イコライジング処理を施
した結果を示す。周波数β′f1′の振幅m1′に、こ
の周波数に対応するイコライジング係数であるEQ
(β′f1′)が、乗算されている。他の周波数の振幅
に対しても同様に、対応するイコライジング係数が乗算
され、イコライジング処理が施されている。
【0047】再び図1を参照して、乗算部119からの
出力、すなわちイコライジング処理が施された係数デー
タはセレクタ120の0側端子に入力する。セレクタ1
20は、補間/EQ処理判定部112から出力されるセ
レクト信号が1のときは1側端子に入力した補間済みの
係数データ列を選択出力し、セレクト信号が0のときは
0側端子に入力したイコライジング処理済みの係数デー
タ列を選択出力する。
【0048】補間/EQ処理判定部112は、音色情報
TC、フレーム時間FRTIME、およびタッチ情報T
OUCHを入力し、これらに応じてセレクト信号を出力
する。具体的には、まず音色情報TCおよびフレーム時
間FRTIMEに応じて、補間/EQ判定関数が決定さ
れる。この補間/EQ判定関数は、タッチ情報TOUC
Hに応じて0または1のセレクト信号を出力する関数で
ある。
【0049】図3に補間/EQ判定関数の例を示す。横
軸がタッチ、縦軸が0または1のセレクト信号を示して
いる。横軸のタッチは、強弱記号で示している。この例
では、タッチがピアニッシモpp以下のとき0を出力
し、それを超えるタッチのとき1を出力することとな
る。これは、あらかじめ用意してある弱奏係数データ1
06がビアニッシモppであることを受け、それ以下の
タッチのときにイコライジング処理で対処するようにし
たものである。
【0050】図1において、セレクタ120は、上述し
たようなセレクト信号に応じて0側端子の入力と1側端
子の入力の何れかを選択出力する。したがって、タッチ
がピアニッシモ以下のときはイコライジング処理済みの
係数データ列(図2の223)が正弦波群発生部121
に入力し、タッチがピアニッシモを超えたときは補間済
みの係数データ列(図2の213)が正弦波群発生部1
21に入力する。
【0051】正弦波群発生部121は、入力した係数デ
ータ列を用いて、楽音波形信号を生成出力する。具体的
には、周波数をui 、振幅をvi としたとき、i=1か
らnまでのvi ・sin 2πui tの総和を求め、楽音波
形信号として出力する。図2の補間済みの係数データ列
213を用いる場合は、ui =αβfi +(1−α)
β′fi ′であり、vi =αmi +(1−α)mi ′で
ある。また、図2のイコライジング処理済みの係数デー
タ列223を用いる場合は、ui =β′fi ′であり、
vi =EQ(β′f1′)mi ′である。
【0052】上記実施例によれば、システムが備えてい
る弱奏係数データ固有のダイナミックス(ここではピア
ニッシモpp)を境界として、その強さを越えるタッチ
で演奏したときには係数の補間により楽音を発生し、そ
の強さを超えるタッチで演奏したときには係数のイコラ
イジング処理により楽音を発生する。したがって、2音
の係数の線形補間処理によって自然な音質変化を伴うダ
イナミックス制御が実現されるとともに、弱いタッチの
場合でも、弱奏係数データのみを用いた(強奏係数デー
タは用いない)イコライジング処理により自然な弱音の
再生が可能である。
【0053】なお、上記実施例では、音色情報TCおよ
びフレーム時間FRTIMEに基づいて、係数メモリ1
04から係数データfD,pDを読み出しているが、さ
らにタッチ情報TOUCHに応じて読み出す係数データ
を切り替えるようにしてもよい。図1で、強奏係数デー
タ105および弱奏係数データ106のブロックに点線
の矢印でタッチ情報TOUCHが入力しているのは、こ
れを意味したものである。
【0054】また、上記実施例では、タッチがピアニッ
シモ以下のときは係数データにイコライジング処理を施
し、ピアニッシモを超えるタッチのときは強奏係数デー
タと弱奏係数データの補間処理を行なっている(すなわ
ち、補間係数αの範囲は0<α)が、保持している強奏
係数データ105の強さ(フォルテ)以上の範囲をイコ
ライジング処理で対策するようにしてもよい。
【0055】さらに、異種の楽器音で上記実施例の強奏
係数データと弱奏係数データを構成するようにし、それ
らの係数データの補間処理で音色補間できる範囲は補間
処理で対処し、そのような音色補間で補えない範囲はイ
コライジング処理で楽音を発生するようにしてもよい。
【0056】また、上記実施例では、係数メモリ104
から読み出した係数をピッチ制御してから補間処理やイ
コライジング処理を行なっているが、ピッチ制御はどこ
で行なってもよい。例えば、最終的に正弦波群を発生す
る直前で行なってもよい。
【0057】補間処理は、実施例のような直線補間に限
らず、各種の曲線補間でもよい。また、2種以上の複数
の係数を補間して1つの楽音係数を生成するようにして
もよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、係数の補間処理とイコライジング処理を独立に行な
い、ユーザ制御情報に基づいて何れかを選択し、選択し
た係数を用いて楽音波形を発生するようにしているの
で、補間処理で補えない範囲をイコライジング処理で対
処することができ、どのような音量(ダイナミックス)
であっても自然な音色(音質)変化を伴う自然な音量制
御を実現することができる。
【0059】また、異種楽器間で補間を行なう場合も、
その補間で補えない範囲をイコライジング処理で補うよ
うにでき、全体として自然な音色変化を伴う音量制御が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る音源システムを適用
した楽音波形発生装置のブロック構成図
【図2】この実施例における係数データの流れと演算の
概要を示す図
【図3】補間/EQ判定関数の例を示す図
【図4】イコライジング係数供給部内のテーブルの例を
示す図
【符号の説明】
101…演奏操作子、102…音色指定操作子、103
…制御部、104…係数メモリ(CM)、105…強奏
係数データ(fD)、106…弱奏係数データ(p
D)、107…ピッチ制御部、108…係数補間部、1
09,110…乗算部、111…加算部、112…補間
/EQ処理判定部、113…補間係数α供給部、114
…イコライジング(EQ)係数供給部、115…イコラ
イジングレート供給部、116…乗算器、117…加算
器、118,119…乗算部、120…セレクタ、12
1…正弦波群発生部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発生すべき楽音を構成する複数の高調波の
    周波数および振幅に関する係数データの補間処理を行な
    って、楽音合成用の係数データを出力する手段と、 発生すべき楽音を構成する複数の高調波の周波数および
    振幅に関する係数データのイコライジング処理を前記補
    間処理とは独立に行なって、楽音合成用の係数データを
    出力する手段と、 入力したユーザ制御情報に基づいて、前記補間処理によ
    る係数データと前記イコライジング処理による係数デー
    タの何れか一方を選択する手段と、 選択された係数データを用いて楽音波形を発生する手段
    とを備えたことを特徴とする音源システム。
  2. 【請求項2】発生すべき楽音を構成する複数の高調波の
    周波数および振幅に関する係数データであって、該係数
    データを用いて楽音合成した結果の楽音が第1の音量と
    なるような第1の係数データを記憶するとともに、入力
    したユーザ制御情報に基づいて前記第1の係数データを
    出力する第1の記憶手段と、 発生すべき楽音を構成する複数の高調波の周波数および
    振幅に関する係数データであって、該係数データを用い
    て楽音合成した結果の楽音が前記第1の音量とは異なる
    第2の音量となるような第2の係数データを記憶すると
    ともに、入力したユーザ制御情報に基づいて前記第2の
    係数データを出力する第2の記憶手段と、 入力したユーザ制御情報に基づいて、補間係数を出力す
    る補間係数供給手段と、 前記第1の係数データと前記第2の係数データとを用い
    て、前記補間係数に基づく補間を行ない、その補間結果
    の係数データを出力する係数補間手段と、 入力したユーザ制御情報に基づいて、イコライジング係
    数を出力するイコライジング係数供給手段と、 前記第1の係数データまたは前記第2の係数データの何
    れか一方のみを用いて、前記イコライジング係数に基づ
    くイコライジング処理を行ない、その処理結果の係数デ
    ータを出力するイコライジング手段と、 入力したユーザ制御情報に基づいて、前記係数補間手段
    から出力された係数データまたは前記イコライジング手
    段から出力された係数データの何れか一方を選択出力す
    る選択手段と、 前記選択手段から出力された係数データを用いて、楽音
    波形を発生する楽音波形発生手段とを備えたことを特徴
    とする音源システム。
  3. 【請求項3】前記ユーザ制御情報が、発生すべき楽音の
    音色を示す音色情報、楽音の発音開始時点からの経過時
    間を示すフレーム時間、および楽音発生の強さを示すタ
    ッチ情報であり、 前記第1および第2の記憶手段は、前記音色情報および
    フレーム時間に基づく係数データを出力し、 前記補間係数供給手段は、前記音色情報、フレーム時
    間、およびタッチ情報に基づく補間係数を出力し、 前記イコライジング係数供給手段は、前記音色情報、フ
    レーム時間、およびタッチ情報に基づくイコライジング
    係数を出力し、 前記選択手段は、前記タッチ情報に基づいて前記選択を
    行なう請求項2に記載の音源システム。
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