JP2003255951A - 波形処理方法および装置 - Google Patents

波形処理方法および装置

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JP2003255951A JP2002058082A JP2002058082A JP2003255951A JP 2003255951 A JP2003255951 A JP 2003255951A JP 2002058082 A JP2002058082 A JP 2002058082A JP 2002058082 A JP2002058082 A JP 2002058082A JP 2003255951 A JP2003255951 A JP 2003255951A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自然楽器の楽音を記録した波形データを読み出
して楽音生成する波形メモリ音源では、ディジタルフィ
ルタなどを用いて音色を調整する方法が知られている
が、それでは所望の音色を得るのに不十分な場合があ
る。例えば、ピアノ波形などで、中域が速く減衰しすぎ
てやせて聞こえる場合にその減衰を遅らせたい場合があ
るがディジタルフィルタだけではそのような調整はでき
ない。 【解決手段】入力した原波形データを周波数分析して、
複数の周波数成分ごとの位相変化データと振幅変化デー
タとを取得する。周波数成分を指定し、処理すべき範囲
を指定し、さらに時間軸方向の伸縮比を指定して、周波
数成分ごとの加工を行なう。加工後波形を合成して波形
データを得る。これにより楽音を発生する。任意の周波
数成分の任意の範囲の時間軸方向に波形を伸縮すること
ができるので、ユーザは、微妙なニュアンスも含めて音
色を所望の通りに調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、波形処理方法お
よび装置に関し、例えば電子楽器などの楽音を発生する
装置に適用する楽音波形の分析・合成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、楽音信号を生成するための、
いわゆる波形メモリ音源が知られている。波形メモリ音
源では、楽音発生指示に応じて波形メモリから所定の波
形データを読み出すことにより楽音信号を生成し出力す
る。波形メモリから読み出した波形データの音色はディ
ジタルフィルタなどを用いて調整することができる。
【0003】また、波形メモリ音源には、自然楽器の楽
音を入力して波形データを波形メモリに記録し、その波
形データを読み出して楽音生成するものが知られてい
る。例えば、特開2001−265350に記載の楽音
信号分析・合成方法では、入力した楽音波形を分析して
時間軸上で連続している周波数成分(決定論的周波数成
分)を分離し、この決定論的周波数成分のみに基づいて
決定論的波形データを生成し、原波形データから決定論
的波形データを減算してノイズ成分を取り出し、このノ
イズ成分からノイズ成分波形データを作成する。決定論
的波形データからは、アタック部およびループ部の波形
データ(周期成分波形データ)を作成する。楽音合成時
には、この周期成分波形データとノイズ成分波形データ
を用いて楽音を合成・出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のディジタルフィ
ルタなどを用いて音色を調整する方法では、所望の音色
を得るのに不十分な場合がある。例えば、ピアノ波形な
どで、中域が速く減衰しすぎてやせて聞こえる場合にそ
の減衰を遅らせたい場合があるが、ディジタルフィルタ
だけではそのような調整はできない。
【0005】また、特開2001−265350に記載
の方法では、自然なノイズ成分の付与は可能だが、記録
した波形データを加工できるわけではないので、所望の
通りの音色に調整することはできない。
【0006】この発明は、上述の従来技術における問題
点に鑑み、ユーザが微妙なニュアンスも含めて音色を所
望の通りに調整することができるような波形処理方法お
よび装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、原波形データを入力するス
テップと、入力した原波形データを周波数分析すること
により、該原波形データの有する複数の周波数成分の各
成分ごとの位相変化データまたは周波数変化データと振
幅変化データとを取得するステップと、ユーザの操作に
応じて、前記複数の周波数成分のうちの1ないし複数を
指定する成分指定データ、処理すべき振幅データの範囲
を指定する範囲指定データ、および時間軸方向の伸縮を
制御する伸縮制御データを入力するステップと、前記複
数の周波数成分のうちの前記成分指定データにより指定
された成分の位相変化データまたは周波数変化データと
振幅変化データから、前記範囲指定データの指定する範
囲を処理対象範囲として抽出するステップと、抽出され
た処理対象範囲の位相変化データまたは周波数変化デー
タと振幅変化データとを、それぞれ、前記伸縮制御デー
タに基づいて伸縮して出力するとともに、該処理対象範
囲外の位相データまたは周波数変化データと振幅変化デ
ータについては伸縮せずに出力する波形処理ステップ
と、前記波形処理ステップから出力された複数の周波数
成分の位相変化データまたは周波数変化データと振幅変
化データとから、新たな波形データを合成する波形合成
ステップとを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、原波形データを入
力する手段と、入力した原波形データを周波数分析する
ことにより、該原波形データの有する複数の周波数成分
の各成分ごとの位相変化データまたは周波数変化データ
と振幅変化データとを取得する手段と、ユーザの操作に
応じて、前記複数の周波数成分のうちの1ないし複数を
指定する成分指定データ、処理すべき振幅データの範囲
を指定する範囲指定データ、および時間軸方向の伸縮を
制御する伸縮制御データを入力する手段と、前記複数の
周波数成分のうちの前記成分指定データにより指定され
た成分の位相変化データまたは周波数変化データと振幅
変化データから、前記範囲指定データの指定する範囲を
処理対象範囲として抽出する手段と、抽出された処理対
象範囲の位相変化データまたは周波数変化データと振幅
変化データとを、それぞれ、前記伸縮制御データに基づ
いて伸縮して出力するとともに、該処理対象範囲外の位
相データまたは周波数変化データと振幅変化データにつ
いては伸縮せずに出力する波形処理手段と、前記波形処
理手段から出力された複数の周波数成分の位相変化デー
タまたは周波数変化データと振幅変化データとから、新
たな波形データを合成する波形合成手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の実
施の形態を説明する。
【0010】図1は、この発明の実施の形態に係る波形
分析・合成システムの全体構成を示す。このシステム
は、中央処理装置(CPU)101、リードオンリメモ
リ(ROM)102、ランダムアクセスメモリ(RA
M)103、ドライブ装置104、MIDIインターフ
ェース106、パネルスイッチ107、パネル表示器1
08、書込回路111、アクセス管理部112、波形メ
モリ113、音源114、サウンドシステム115、お
よびバスライン120を備える。
【0011】CPU101は、このシステムの全体の動
作を制御する処理装置である。ROM102は、CPU
101が実行する各種の制御プログラムおよび定数デー
タなどを格納した不揮発性メモリである。RAM103
は、CPU101が実行するプログラムのロード領域や
ワーク領域に使用する揮発性メモリである。ドライブ装
置104は、CD−ROMあるいはハードディスク(H
D)などの外部記憶装置を接続する装置である。MID
Iインターフェース106は、外部のMIDI機器と接
続するためのインターフェースである。パネルスイッチ
107は、このシステムの外部パネル上に設けられた各
種の操作子である。パネル表示器108は、このシステ
ムの外部パネル上に設けられた各種の情報を表示するた
めのディスプレイである。
【0012】書込回路111は、外部から入力した波形
データを波形メモリ113に書き込む処理を行なう回路
である。アクセス管理部112は、書込回路111、C
PU101、および音源114からの波形メモリ113
に対するアクセス要求を調停する制御を行なう。波形メ
モリ113は、外部から入力した波形データを記憶する
記憶装置である。音源114は、CPU101の指示に
応じて波形メモリ113にアクセスし所定の波形データ
を読み出して楽音信号を生成する。サウンドシステム1
15は、音源114から出力される楽音信号に基づいて
放音する。
【0013】図1のシステムは、鍵盤などを備えた電子
楽器として構成してもよいし、汎用のパーソナルコンピ
ュータに音源ボードなどを接続して構成することもでき
る。
【0014】図1のシステムにおいて、パネルスイッチ
107は、録音スイッチ、分析スイッチ、編集スイッ
チ、および演奏スイッチなどを含む。ユーザは、これら
のスイッチを操作することで、以下のような処理を行な
うことができる。
【0015】図2は、図1のシステムにおける操作の手
順の概要を示す。ステップ201で、波形データを用意
する。これは、ユーザが録音スイッチなどを操作して指
示を与えることにより、外部から入力した楽音の波形デ
ータを、書込回路111およびアクセス管理部112に
よって波形メモリ113に記録する処理である。ステッ
プ202で、記録した波形データを分析する。これは、
分析スイッチなどを操作することにより、当該波形デー
タを周波数分析する処理である。ステップ203で、分
析結果に基づいて音源波形を合成する。これは、編集ス
イッチなどを操作することにより、分析結果を編集し、
音源波形を合成して再び波形メモリに書き込む処理であ
る。次にステップ204で、合成した音源波形を使用し
て演奏を行なう。これは、演奏スイッチなどを操作する
ことにより、該音源波形を選択し、入力するMIDIデ
ータなどに基づいて該音源波形を使用した楽音を生成し
て放音する処理である。
【0016】図3は、図1のシステムによる波形データ
合成までの流れを示す。これは図2のステップ202お
よび203におけるシステムの処理の流れを示す図であ
る。301は、ステップ201で波形メモリ113に記
録された波形データを示す。306は、合成された新波
形データを示す。周波数分析部302、加工処理部30
3、ユーザ指示入力部304、および波形合成部305
は、図1のROM102あるいはRAM103上の所定
のプログラムをCPU101が実行することで実現して
いる。
【0017】周波数分析部302は、原波形データ30
1を入力して、周波数分析を行なう。この周波数分析
は、原波形データ301に対して、その基音のピッチ周
期のほぼ8倍程度の長さの窓関数を用いてFFT解析を
行なうことにより周波数成分を解析するものである。窓
関数の位置を時間軸上で少しずつシフトしながら同様の
周波数成分の解析を繰り返す。これにより、原波形デー
タ301全体に対して時間軸上の周波数成分の変化が得
られる。このようにして得られた一連の周波数成分は、
時間軸上で連続している成分(決定論的周波数成分)
と、それ以外の切れ切れの成分とに分類される。これら
の周波数成分のうち決定論的周波数成分のみに基づいて
作成した決定論的波形データ(STF成分)は加工処理
部303に入力する。決定論的周波数成分以外の切れ切
れの成分に基づく波形データはResidual成分(残留波
形)として波形合成部305に入力する。なお、実際の
処理では、Residual成分(残留波形)は、原波形データ
301から上述の決定論的波形データを減算した残余波
形から作成する。加工処理部303に入力するSTF成
分の波形データは、時間軸上で連続している周波数成分
であるから、基音、2倍音、3倍音、…というように基
音と各倍音のデータに分かれている。
【0018】図8は、自然楽器のピアノの楽音を周波数
分析部302で分析して取得した分析例を示す。基音と
各倍音についての振幅変化データ、すなわち基音と各倍
音のエンベロープが得られている。それぞれの倍音のエ
ンベロープのグラフにおいて縦軸は振幅の強さを表す。
なお、周波数分析部302から加工処理部303に入力
するのは、図8のような振幅変化データのほか、位相変
化データ(周波数変化データと見ることもできる)があ
る。位相変化データも、基音と各倍音のそれぞれの位相
変化データからなる。
【0019】図3に戻って、加工処理部303は、入力
したSTF成分の波形データをユーザ指示に応じて加工
する処理を行なう。ユーザ指示入力部304は、ユーザ
の指示を入力し加工処理部303に渡す。特に、この実
施形態の加工処理では、周波数成分ごとに振幅変化デー
タと位相変化データの加工を行なうことができる。これ
により、例えば「高い倍音ほど早く減衰するような波形
にしたい」というような要求にも応えることができ、微
妙な音色の調整を行なえる。加工処理部303とユーザ
指示入力部304については、図4で詳述する。
【0020】波形合成部305は、加工処理部303か
ら入力した加工処理後のSTF成分の波形データと周波
数分析部302から入力したResidual成分の波形データ
を合成し、新波形データ306を生成する。この合成処
理は、加工処理を経た周波数成分ごとの振幅変化データ
と位相変化データを合成して、演奏時に利用できる形式
の波形データとする処理である。新波形データ306
は、再び波形メモリに格納され、演奏時にはユーザの指
示に応じて読み出され楽音生成に利用される。なお、新
波形データ306の形式は、演奏時に利用できるもので
あればどのようなものでもよい。例えば、STF成分の
波形データとResidual成分の波形データとを別データと
して波形メモリに保持しておき、演奏時に混合してもよ
い。
【0021】図4に、ユーザ指示入力部304と加工処
理部303の詳細な構成を示す。ユーザ指示入力部30
4は、処理範囲指定部401および伸縮指定部402を
備える。加工処理部303は、処理範囲検出部411、
振幅変化データ伸縮部412、位相変化データ伸縮部4
13を備える。
【0022】処理範囲指定部401は、加工処理部30
3に入力したSTF成分の波形データのうち、基音ある
いはどの倍音成分の加工を行なうかの指定、およびその
成分のどの範囲を加工するかの指定を行なう。伸縮指定
部402は、処理範囲指定部401で指定した処理範囲
に対しどの程度の伸縮を行なうかその伸縮比を指定す
る。
【0023】これらの指定部401,402による指定
の仕方は任意の方式でよい。例えば、加工制御する対象
の基音あるいは倍音成分の指定は、3倍音上といった
倍音番号で指定する方法、この時間に消えてしまって
いる倍音といった時間で指定する方法などがある。ま
た、処理範囲(時間的な範囲または位置の範囲)の指定
は、時間で指定する方法(図9で後述)、レベルで
指定する方法(図10で後述)、アタックの最大値か
ら倍音が消えるまでというように指定する方法(図11
で後述)などがある。また、これらを指定する際のユー
ザインターフェースも任意である。処理範囲の指定で
は、(本システムがマウスなどのポインティングデバイ
スを備えているのであれば)波形を表示し、マウスなど
で処理範囲を指定するようにしてもよい。
【0024】処理範囲検出部411は、入力したSTF
成分の波形データのうちから処理範囲指定部401で指
定された成分の指定された処理範囲を検出する。振幅変
化データ伸縮部412は、入力したSTF成分の波形デ
ータのうち振幅変化データを入力し、処理範囲検出部4
11で検出された処理範囲に対し、伸縮指定部402で
指定された伸縮比の伸縮加工を実行する。位相変化デー
タ伸縮部413は、入力したSTF成分の波形データの
うち位相変化データを入力し、処理範囲検出部411で
検出された処理範囲に対し、伸縮指定部402で指定さ
れた伸縮比の伸縮処理を実行する。振幅変化データ伸縮
部412および位相変化データ伸縮部413の出力は、
加工後の波形データを示すものとして波形合成部305
に入力する。
【0025】次に、加工処理部303およびユーザ指示
入力部304による加工処理の具体例を説明する。
【0026】図9は、処理対象の範囲を時間の範囲で指
定する例を示す。901は、加工処理を行なう対象とし
てユーザが指定した周波数成分の波形データ(例えば3
倍音の波形データ)を示す。この波形データ901に対
し、時間位置911から912というように時間で処理
範囲を指定できる。さらに、この処理範囲913に対し
て、伸縮指定部402で伸縮比が指定される。
【0027】図10は、処理対象の範囲をレベルの範囲
で指定する例を示す。1001は、加工処理を行なう対
象としてユーザが指定した周波数成分の波形データを示
す。この波形データ1001に対し、レベル位置101
1から1012というようにレベルの範囲で処理範囲を
指定できる。さらに、この処理範囲1013に対して、
伸縮指定部402で伸縮比が指定される。
【0028】図11は、処理対象の範囲をアタック最大
値からこの倍音成分が消えるまでというように指定する
例を示す。1101は、加工処理を行なう対象としてユ
ーザが指定した周波数成分の波形データを示す。この波
形データ1101に対し、アタック最大値の位置は11
11である。また、レベルが0(あるいは所定値以下に
なった位置でもよい)になる位置は1112である。こ
れにより処理範囲1113が指定できる。さらに、この
処理範囲1113に対して、伸縮指定部402で伸縮比
が指定される。
【0029】図12〜図14は、図9のように処理範囲
を指定した後、加工処理を行なった結果の例を示す。こ
れらの図において、図9と同じ番号は同じものを示す。
【0030】図12は、指定された処理範囲913内を
リサンプリングすることにより伸縮した例である。12
03は処理範囲913を伸長する範囲を示し、1201
はその終端位置を示す。原波形901のうち処理範囲9
13の部分1204は、伸長範囲1203まで伸長さ
れ、結果として太線で示す波形1205のようになる。
【0031】図5は、加工処理部303の振幅変化デー
タ伸縮部412による処理例を示し、特に図12のよう
なリサンプリングにより伸縮する処理例を示す。501
は振幅変化データのサンプル間隔を伸縮する処理であ
る。これにより図12の処理範囲913内の原波形デー
タ1204の各サンプルの間隔が伸長され、全体の長さ
が範囲1203に伸長される。502はサンプル間隔を
伸長した各サンプルを一定間隔でリサンプリング(補間
処理)する処理である。このような補間処理を行なうこ
とにより、図12の原波形1204が加工後波形120
5のように伸長される。
【0032】図13は、伸縮処理を行なった後、所定の
オフセットを加算した例を示す。図12のように伸長を
行なった後、オフセット分1305を加算し波形データ
1306のような結果を得ている。
【0033】図14は、さらにディケイを付与した例を
示す。加算するオフセット分1405は、ディケイ部が
付与できるように途中から減衰する曲線としている。こ
れにより、加工後波形1406にはディケイ部が付与さ
れている。
【0034】図6は、ディケイ付与の処理例を示す。図
14では、ディケイが付与できるような変化カーブを持
つオフセット1405を加算することによりディケイを
付与したが、図6のようにディケイ付与部603を設け
てもよい。オフセット発生部602により発生したオフ
セットが加算器601で入力波形に加算され、その後デ
ィケイ付与部603でディケイ部が付与され、図14の
1406に示すようなディケイが付与された加工後波形
を得る。
【0035】図15は、図4の位相変化データ伸縮部4
13による位相の伸縮の例を示す。1501は、原波形
データ301を分析した結果、ある周波数成分における
波形の位相変化データを示す。この位相変化データ15
01は、原波形の時間長さに応じた時間位置1512ま
でのデータである。周波数分析部302におけるFFT
分析は基本波のほぼ8周期ほどの長さの時間窓関数を用
いて行なうので、原波形にビブラートなどの周波数の変
化が含まれる場合は、その周波数の変化が「ゆらぎ」と
して検出される。そのため、位相変化データ1501の
ようにグラフには「ゆらぎ」が現れている。
【0036】いま、図9や図12で説明したように、指
定した周波数成分の指定した処理範囲の波形を時間軸方
向に伸長するとする。このとき、その処理範囲の波形の
位相変化データが図15の1501であるとする。この
位相変化データ1501は、時間位置1512までしか
ないので、この波形を伸長する場合には、位相変化デー
タについても伸長した時間位置まで伸長する必要があ
る。太線1522は、処理対象の範囲である時間位置1
511から1512までの位相変化データを、時間位置
1513まで、伸長したデータを示す。
【0037】図7に、リサンプリングによる位相の伸縮
の手順の例を示す。ステップ701では、元の処理対象
範囲の位相変化データ(図15の位置1511から15
12の範囲の位相変化データ1501)を微分する。こ
れは周波数に変換することに相当する。次にステップ7
02で、ステップ701で求めた周波数データをリサン
プリングにより補間して目的の長さ(図15の位置15
13までの長さ)に伸長する。次にステップ703で、
元の位相の基点(図15の1521)からリサンプルし
た周波数で積分する。ステップ704で、伸長した位相
変化データ(図15の1522)を得る。
【0038】図16は、位相変化データの伸縮の別の例
を示す。位相変化データ1601が、位置1602まで
しかない場合、その直前の所定範囲の位相変化データの
傾きを求め、それを延長することにより位置1602以
降の位相変化データを作成する。原点から位置1602
までの位相変化データ1601の傾きの平均で延長して
もよい。
【0039】図17は、ピアノの4倍音のエンベロープ
をアタックの最大値から倍音が消えるまでの範囲を処理
範囲として指定し、伸長した例である。1701が原波
形、1702が伸長した波形である。図18は、これに
ディケイ部を付加したものである。1801が原波形、
1802が付与したいディケイ部の基準となるカーブで
ある。このディケイ部のカーブ1802にしたがって、
伸長したエンベロープを補正した結果が波形1803で
ある。
【0040】上記実施の形態によれば、記録した楽音波
形の周波数成分ごとに、処理範囲を指定して時間軸方向
に伸縮する加工を行なうことができるので、微妙な音色
の調整を行なうことができる。例えば、ピアノなどの自
然楽器の楽音から記録した波形データについて複数の倍
音を同じように伸長すると不自然なことが多い。これに
対し、高い倍音ほど早く減衰するように加工してやると
自然な楽音が得られる。上記実施形態のシステムによれ
ば、倍音の番号に応じて、あるいは周波数が高ければ高
いほど、伸長の割合を小さくするように加工することが
できる。
【0041】また、エンベロープを時間軸方向に伸長す
るとそのディケイが長くなり、それが不自然な場合もあ
る。上記実施形態のシステムでは、ディケイ部を付与す
ることもできるので、ある減衰にしたがって伸長したの
ち、ディケイ部を付与して、自然な楽音になるようにで
きる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、記録した楽音波形の周波数成分を指定し、その処理
範囲を指定して時間軸方向に伸縮する加工を行なうよう
にしているので、任意の周波数成分の任意の範囲の時間
軸方向に波形を伸縮することができる。これにより、ユ
ーザは、微妙なニュアンスも含めて音色を所望の通りに
調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る波形分析・合成シ
ステムの全体構成図
【図2】図1のシステムにおける操作の手順の概要図
【図3】波形データ合成までの流れを示す図
【図4】ユーザ指示入力部と加工処理部の詳細な構成図
【図5】リサンプリングにより伸縮する処理例を示す図
【図6】ディケイ付与の処理例を示す図
【図7】リサンプリングによる位相の伸縮の手順の例を
示す図
【図8】自然楽器のピアノの楽音を周波数分析部で分析
して取得した分析例を示す図
【図9】処理対象の範囲を時間の範囲で指定する例を示
す図
【図10】処理対象の範囲をレベルの範囲で指定する例
を示す図
【図11】処理対象の範囲をアタック最大値からこの倍
音成分が消えるまでというように指定する例を示す図
【図12】指定された処理範囲内をリサンプリングする
ことにより伸縮した例を示す図
【図13】伸縮処理を行なった後、所定のオフセットを
加算した例を示す図
【図14】ディケイを付与した例を示す図
【図15】位相変化データ伸縮部による位相の伸縮の例
を示す図
【図16】位相変化データの伸縮の別の例を示す図
【図17】ピアノの4倍音のエンベロープをアタックの
最大値から倍音が消えるまでの範囲を処理範囲として指
定し伸長した例を示す図
【図18】ディケイ部を付加した例を示す図
【符号の説明】
101…中央処理装置(CPU)、102…リードオン
リメモリ(ROM)、103…ランダムアクセスメモリ
(RAM)、104…ドライブ装置、106…MIDI
インターフェース、107…パネルスイッチ、108…
パネル表示器、111…書込回路、112…アクセス管
理部、113…波形メモリ、114…音源、115…サ
ウンドシステム、120…バスライン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原波形データを入力するステップと、 入力した原波形データを周波数分析することにより、該
    原波形データの有する複数の周波数成分の各成分ごとの
    位相変化データまたは周波数変化データと振幅変化デー
    タとを取得するステップと、 ユーザの操作に応じて、前記複数の周波数成分のうちの
    1ないし複数を指定する成分指定データ、処理すべき振
    幅データの範囲を指定する範囲指定データ、および時間
    軸方向の伸縮を制御する伸縮制御データを入力するステ
    ップと、 前記複数の周波数成分のうちの前記成分指定データによ
    り指定された成分の位相変化データまたは周波数変化デ
    ータと振幅変化データから、前記範囲指定データの指定
    する範囲を処理対象範囲として抽出するステップと、 抽出された処理対象範囲の位相変化データまたは周波数
    変化データと振幅変化データとを、それぞれ、前記伸縮
    制御データに基づいて伸縮して出力するとともに、該処
    理対象範囲外の位相データまたは周波数変化データと振
    幅変化データについては伸縮せずに出力する波形処理ス
    テップと、 前記波形処理ステップから出力された複数の周波数成分
    の位相変化データまたは周波数変化データと振幅変化デ
    ータとから、新たな波形データを合成する波形合成ステ
    ップとを備えたことを特徴とする波形処理方法。
  2. 【請求項2】原波形データを入力する手段と、 入力した原波形データを周波数分析することにより、該
    原波形データの有する複数の周波数成分の各成分ごとの
    位相変化データまたは周波数変化データと振幅変化デー
    タとを取得する手段と、 ユーザの操作に応じて、前記複数の周波数成分のうちの
    1ないし複数を指定する成分指定データ、処理すべき振
    幅データの範囲を指定する範囲指定データ、および時間
    軸方向の伸縮を制御する伸縮制御データを入力する手段
    と、 前記複数の周波数成分のうちの前記成分指定データによ
    り指定された成分の位相変化データまたは周波数変化デ
    ータと振幅変化データから、前記範囲指定データの指定
    する範囲を処理対象範囲として抽出する手段と、 抽出された処理対象範囲の位相変化データまたは周波数
    変化データと振幅変化データとを、それぞれ、前記伸縮
    制御データに基づいて伸縮して出力するとともに、該処
    理対象範囲外の位相データまたは周波数変化データと振
    幅変化データについては伸縮せずに出力する波形処理手
    段と、 前記波形処理手段から出力された複数の周波数成分の位
    相変化データまたは周波数変化データと振幅変化データ
    とから、新たな波形データを合成する波形合成手段とを
    備えたことを特徴とする波形処理装置。
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