JP3404850B2 - 音源装置 - Google Patents
音源装置Info
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- JP3404850B2 JP3404850B2 JP35328593A JP35328593A JP3404850B2 JP 3404850 B2 JP3404850 B2 JP 3404850B2 JP 35328593 A JP35328593 A JP 35328593A JP 35328593 A JP35328593 A JP 35328593A JP 3404850 B2 JP3404850 B2 JP 3404850B2
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- sine wave
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、正弦波合成によって
所望の波形を得るようにした音源装置に関する。
所望の波形を得るようにした音源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】正弦波を合成することによって楽音信号
を生成する装置においては、一般に、倍音関係にある正
弦波を合成する。そして、ある楽器(例えば、ピアノや
フルート等の自然楽器)の音を再生するときは、楽器の
音を短時間フーリエ変換した結果を用いて倍音周波数と
振幅値とを求め、これをもとに正弦波合成を行う。
を生成する装置においては、一般に、倍音関係にある正
弦波を合成する。そして、ある楽器(例えば、ピアノや
フルート等の自然楽器)の音を再生するときは、楽器の
音を短時間フーリエ変換した結果を用いて倍音周波数と
振幅値とを求め、これをもとに正弦波合成を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、楽器の音
は、一般に、アタック部(立上り部)と、それに続く持
続部を有しているが、持続部においては楽器自体の共振
により、存在する周波数成分は倍音(整数次倍音)が大
半をしめる。したがって、倍音のみの合成であっても、
原波形を良好に再現することができる。また、持続部に
おいては、周波数成分として倍音が大半を占め、かつ、
周波数領域で急峻な変化が無いため、フーリエ変換によ
り正しい倍音周波数および振幅値を求め易く、このこと
も、持続部における波形再現の精度を高める要因になっ
ている。
は、一般に、アタック部(立上り部)と、それに続く持
続部を有しているが、持続部においては楽器自体の共振
により、存在する周波数成分は倍音(整数次倍音)が大
半をしめる。したがって、倍音のみの合成であっても、
原波形を良好に再現することができる。また、持続部に
おいては、周波数成分として倍音が大半を占め、かつ、
周波数領域で急峻な変化が無いため、フーリエ変換によ
り正しい倍音周波数および振幅値を求め易く、このこと
も、持続部における波形再現の精度を高める要因になっ
ている。
【0004】しかしながら、アタック部においては、周
波数領域での急峻な変化があり、また、無視できないレ
ベルで倍音以外の周波数成分が存在する。このため、持
続部の場合と同様の手法によってアタック部の楽音合成
を行うと、波形再現性は極めて悪くなるという問題があ
った。
波数領域での急峻な変化があり、また、無視できないレ
ベルで倍音以外の周波数成分が存在する。このため、持
続部の場合と同様の手法によってアタック部の楽音合成
を行うと、波形再現性は極めて悪くなるという問題があ
った。
【0005】一方、波形を記憶して再現する方式やコン
ピュータでシュミレートして波形を合成する方法によれ
ば、アタック部の波形再現性を高くすることができる。
しかし、正弦波合成方式は、簡易な構成と原理で多様な
楽音を発生することができるというメリットを有してい
るため、この方法によるアタック部の再現性向上が望ま
れていた。
ピュータでシュミレートして波形を合成する方法によれ
ば、アタック部の波形再現性を高くすることができる。
しかし、正弦波合成方式は、簡易な構成と原理で多様な
楽音を発生することができるというメリットを有してい
るため、この方法によるアタック部の再現性向上が望ま
れていた。
【0006】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、アタック部分を正確に再現することができる
正弦波合成方式の音源装置を提供することを目的として
いる。
たもので、アタック部分を正確に再現することができる
正弦波合成方式の音源装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明にあっては、原波形を複数の
区間に区切ってフーリエ変換するとともに、前記原波形
の開始部については所定のレベルを超える周波数成分を
選択してそれらの位相、振幅、周波数を検出し、前記開
始部以後については倍音およびその付近の周波数成分を
抽出してそれらの振幅、周波数を検出する分析手段と、
前記分析手段によって検出された開始部の周波数成分の
位相、振幅、周波数、および開始部以後の周波数成分の
振幅、周波数を前記各区間毎にフレームデータとして記
憶する記憶手段と、前記各区間に対応するフレームデー
タを前記記憶部から順次読み出す読出手段と、前記読出
手段によって読み出されたフレームデータ内の各周波数
成分に対応する振幅、周波数に従ってサイン波を発生す
るとともに、フレームデータに位相が含まれる場合はこ
れに応じて前記サイン波の位相を制御する複数のサイン
波発生器と、前記各サイン波発生器の出力信号を合成す
る合成手段とを具備することを特徴とする。
に、請求項1に記載の発明にあっては、原波形を複数の
区間に区切ってフーリエ変換するとともに、前記原波形
の開始部については所定のレベルを超える周波数成分を
選択してそれらの位相、振幅、周波数を検出し、前記開
始部以後については倍音およびその付近の周波数成分を
抽出してそれらの振幅、周波数を検出する分析手段と、
前記分析手段によって検出された開始部の周波数成分の
位相、振幅、周波数、および開始部以後の周波数成分の
振幅、周波数を前記各区間毎にフレームデータとして記
憶する記憶手段と、前記各区間に対応するフレームデー
タを前記記憶部から順次読み出す読出手段と、前記読出
手段によって読み出されたフレームデータ内の各周波数
成分に対応する振幅、周波数に従ってサイン波を発生す
るとともに、フレームデータに位相が含まれる場合はこ
れに応じて前記サイン波の位相を制御する複数のサイン
波発生器と、前記各サイン波発生器の出力信号を合成す
る合成手段とを具備することを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明にあっては、
原波形の開始部における所定レベル以上の周波数成分の
位相、振幅、周波数および前記原波形の開始部以後の倍
音およびその付近の周波数成分の振幅、周波数を所定の
分析区間毎にフレームデータとして記憶する記憶手段
と、前記各区間に対応するフレームデータを前記記憶部
から順次読み出す読出手段と、前記読出手段によって読
み出されたフレームデータ内の各周波数成分に対応する
振幅、周波数に従ってサイン波を発生するとともに、フ
レームデータに位相が含まれる場合はこれに応じて前記
サイン波の位相を制御する複数のサイン波発生器と、前
記各サイン波発生器の出力信号を合成する合成手段とを
具備することを特徴とする。
原波形の開始部における所定レベル以上の周波数成分の
位相、振幅、周波数および前記原波形の開始部以後の倍
音およびその付近の周波数成分の振幅、周波数を所定の
分析区間毎にフレームデータとして記憶する記憶手段
と、前記各区間に対応するフレームデータを前記記憶部
から順次読み出す読出手段と、前記読出手段によって読
み出されたフレームデータ内の各周波数成分に対応する
振幅、周波数に従ってサイン波を発生するとともに、フ
レームデータに位相が含まれる場合はこれに応じて前記
サイン波の位相を制御する複数のサイン波発生器と、前
記各サイン波発生器の出力信号を合成する合成手段とを
具備することを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明にあっては、請求項
1または2記載の音源装置において、前記各区間のうち
最初の区間が前記開始部に対応し、かつ、当該最初の区
間は他の区間よりも長く設定されていることを特徴とす
る。
1または2記載の音源装置において、前記各区間のうち
最初の区間が前記開始部に対応し、かつ、当該最初の区
間は他の区間よりも長く設定されていることを特徴とす
る。
【0010】
【作用】まず、分析手段によって、原波形の開始部(ア
タック部)については、その周波数成分の振幅、周波数
および位相が検出され、開始部以降については周波数成
分の振幅と周波数だけが検出される。また、開始部にあ
っては、レベルによって周波数成分が選択され、開始部
以降については倍音およびその周辺の周波数成分が選択
される。
タック部)については、その周波数成分の振幅、周波数
および位相が検出され、開始部以降については周波数成
分の振幅と周波数だけが検出される。また、開始部にあ
っては、レベルによって周波数成分が選択され、開始部
以降については倍音およびその周辺の周波数成分が選択
される。
【0011】そして、分析手段によって検出された位
相、周波数、振幅がフレームデータととして記憶手段に
記憶され、これが読出手段によって区間順に読み出され
る。このようにして読み出されたフレームデータに従っ
てサイン波発生器がサイン波を発生し、このサイン波が
合成手段によって合成される。これにより、原波形の開
始部については、位相までも再現した周波数成分の合成
が行われ、結果的に、直交逆変換が行われる。したがっ
て、原波形の開始部は忠実に再現される。一方、開始部
以降は、位相情報もなく、倍音を中心にした周波数成分
の合成が行われるが、楽器音のアタック部以降は、楽器
自体の共鳴によって倍音成分がほとんどになるため、倍
音中心の合成であっても再現性は高い。
相、周波数、振幅がフレームデータととして記憶手段に
記憶され、これが読出手段によって区間順に読み出され
る。このようにして読み出されたフレームデータに従っ
てサイン波発生器がサイン波を発生し、このサイン波が
合成手段によって合成される。これにより、原波形の開
始部については、位相までも再現した周波数成分の合成
が行われ、結果的に、直交逆変換が行われる。したがっ
て、原波形の開始部は忠実に再現される。一方、開始部
以降は、位相情報もなく、倍音を中心にした周波数成分
の合成が行われるが、楽器音のアタック部以降は、楽器
自体の共鳴によって倍音成分がほとんどになるため、倍
音中心の合成であっても再現性は高い。
【0012】
A:発明の原理
始めに、この発明の原理について説明する。まず、図6
に示す(イ)は、楽器から発せられる音の原波形であ
り、例えば、ピアノの任意の鍵を一つ押した場合に得ら
れる波形である。図6(ロ)は、この発明において用い
る波形分析フレームを示しており、各分析フレームAF
1〜AFnにおいて個別に波形分析を行うようになって
いる。ただし、図示の例では、分析フレームAF2〜A
Fnはそれぞれ同じ長さであるが、分析フレームAF1
だけは長くなっている。これは波形の立ち上がり部分
(以下、アタック部という)は変化が大きいため、期間
が短いと良好な分析結果が得られないからである。ま
た、むやみに分析データを増やすことにもつながるの
で、聴感上問題の生じない範囲で期間を長めに設定す
る。
に示す(イ)は、楽器から発せられる音の原波形であ
り、例えば、ピアノの任意の鍵を一つ押した場合に得ら
れる波形である。図6(ロ)は、この発明において用い
る波形分析フレームを示しており、各分析フレームAF
1〜AFnにおいて個別に波形分析を行うようになって
いる。ただし、図示の例では、分析フレームAF2〜A
Fnはそれぞれ同じ長さであるが、分析フレームAF1
だけは長くなっている。これは波形の立ち上がり部分
(以下、アタック部という)は変化が大きいため、期間
が短いと良好な分析結果が得られないからである。ま
た、むやみに分析データを増やすことにもつながるの
で、聴感上問題の生じない範囲で期間を長めに設定す
る。
【0013】また、分析フレームAF1〜AFnにおい
ては、各々原波形のフーリエ解析を行い、代表的な周波
数成分を検出する。ただし、分析フレームAF1におい
ては、レベルの大きい周波数成分を選択するとともに、
各周波数成分の位相、振幅、周波数を検出するが(図7
(イ)参照)、分析フレームAF2〜AFnにおいて
は、倍音関係にある周波数成分を選択し、振幅と周波数
のみの検出を行う(図7(ロ)参照)。
ては、各々原波形のフーリエ解析を行い、代表的な周波
数成分を検出する。ただし、分析フレームAF1におい
ては、レベルの大きい周波数成分を選択するとともに、
各周波数成分の位相、振幅、周波数を検出するが(図7
(イ)参照)、分析フレームAF2〜AFnにおいて
は、倍音関係にある周波数成分を選択し、振幅と周波数
のみの検出を行う(図7(ロ)参照)。
【0014】以上のようにして、分析フレームAF1に
おいて求めた周波数、振幅および位相(初期位相)の各
情報、分析フレームAF2〜AFnにおいて求めた周波
数、振幅の各情報は、それぞれメモリ等に記憶される。
次に、図6(ハ)に示すF1〜Fnは、各々正弦波の加
算によって同図(イ)に示す原波形を合成する際の処理
単位期間となる合成フレームである。これら合成フレー
ムF1〜Fnは、各々分析フレームAF1〜AFnに対
応している。すなわち、合成フレームF1においては、
分析フレームAF1において求めた周波数、振幅および
位相を有した正弦波を合成し、また、合成フレームF2
〜Fnにおいては、各々分析フレームAF2〜AFnに
おいて求めた周波数および振幅を有した正弦波を合成す
る。
おいて求めた周波数、振幅および位相(初期位相)の各
情報、分析フレームAF2〜AFnにおいて求めた周波
数、振幅の各情報は、それぞれメモリ等に記憶される。
次に、図6(ハ)に示すF1〜Fnは、各々正弦波の加
算によって同図(イ)に示す原波形を合成する際の処理
単位期間となる合成フレームである。これら合成フレー
ムF1〜Fnは、各々分析フレームAF1〜AFnに対
応している。すなわち、合成フレームF1においては、
分析フレームAF1において求めた周波数、振幅および
位相を有した正弦波を合成し、また、合成フレームF2
〜Fnにおいては、各々分析フレームAF2〜AFnに
おいて求めた周波数および振幅を有した正弦波を合成す
る。
【0015】以上のように、原波形のアタック部につい
ては、原波形に含まれる正弦波の周波数、振幅および位
相までを再現して合成し、アタック部以降については周
波数と振幅だけを再現した正弦波を合成する。
ては、原波形に含まれる正弦波の周波数、振幅および位
相までを再現して合成し、アタック部以降については周
波数と振幅だけを再現した正弦波を合成する。
【0016】B:実施例の構成
次に、この発明の実施例について詳細に説明する。図1
は、この発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
り、図において、1は鍵盤等より構成される演奏操作子
である。また、2は各種音色を設定する際に操作される
音色設定操作子である。
は、この発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
り、図において、1は鍵盤等より構成される演奏操作子
である。また、2は各種音色を設定する際に操作される
音色設定操作子である。
【0017】3は装置各部を制御する制御部であり、演
奏操作子1の操作状態を検出し、操作されたキーを示す
キーコードKC、キーがオンされたことを示すキーオン
信号KONおよびキーオンの強さを示すタッチデータT
OUCHを発生するとともに、音色設定操作子2の操作
状態を検出し、指定された音色を示すトーンカラーTC
を発生する。
奏操作子1の操作状態を検出し、操作されたキーを示す
キーコードKC、キーがオンされたことを示すキーオン
信号KONおよびキーオンの強さを示すタッチデータT
OUCHを発生するとともに、音色設定操作子2の操作
状態を検出し、指定された音色を示すトーンカラーTC
を発生する。
【0018】次に、フレームデータ発生部5は、図2に
示すように、フレームデータメモリ5aとフレーム読出
制御部5bを有している。フレームデータメモリ5a
は、音色毎に設定されるエリアTONE1,TONE
2,TONE3……を有しており、各エリア内にはそれ
ぞれフレームデータFD1〜FDnが記憶されている。
フレームデータFD1は、同図に示すように、フレーム
の総数を示す総フレームナンバーデータTFRNO
(n)、フレームの期間を示すフレームタイムデータF
T1、波形分析時に抽出された正弦波の数(S1個)を
示す正弦波数データSINNO1(S1)が各々記憶さ
れており、また、波形分析フレームAF1で検出された
周波数、レベル(振幅レベル)および位相(初期位相)
のデータの組がS1個記憶されている。すなわち、(周
波数F1−1,レベルL1−1,位相θ−1)、(周波
数F1−2,レベルL1−2,位相θ−2)……(周波
数F1−S1,レベルL1−S1,位相θ−S1)から
なるデータの組が記憶されている。フレームデータFD
2〜FDnも上述したフレームデータFD1と同様のデ
ータから構成されているが、フレームの総数を示す総フ
レームナンバーデータTFRNO(n)および位相を示
すデータは含まれていない。
示すように、フレームデータメモリ5aとフレーム読出
制御部5bを有している。フレームデータメモリ5a
は、音色毎に設定されるエリアTONE1,TONE
2,TONE3……を有しており、各エリア内にはそれ
ぞれフレームデータFD1〜FDnが記憶されている。
フレームデータFD1は、同図に示すように、フレーム
の総数を示す総フレームナンバーデータTFRNO
(n)、フレームの期間を示すフレームタイムデータF
T1、波形分析時に抽出された正弦波の数(S1個)を
示す正弦波数データSINNO1(S1)が各々記憶さ
れており、また、波形分析フレームAF1で検出された
周波数、レベル(振幅レベル)および位相(初期位相)
のデータの組がS1個記憶されている。すなわち、(周
波数F1−1,レベルL1−1,位相θ−1)、(周波
数F1−2,レベルL1−2,位相θ−2)……(周波
数F1−S1,レベルL1−S1,位相θ−S1)から
なるデータの組が記憶されている。フレームデータFD
2〜FDnも上述したフレームデータFD1と同様のデ
ータから構成されているが、フレームの総数を示す総フ
レームナンバーデータTFRNO(n)および位相を示
すデータは含まれていない。
【0019】上述したエリアTONE1〜TONEn
は、トーンカラーTCによってそのいずれかが選択さ
れ、選択されたエリア内のフレームデータがフレーム読
出制御部5bの制御に従って順次読み出されるようにな
っている。フレーム読出制御部5bは、キーオン信号K
ONが供給された時点から読出制御を開始し、フレーム
タイムデータFT1,FT2……に示される期間だけ、
それぞれのフレームデータの読み出しを行うようになっ
ている。フレームデータメモリFRMから読み出された
周波数、レベル、位相の各データ(以下、これらのデー
タを総括的に示す場合に、各々記号F,L,θを用い
る)は、正弦波合成部6に供給される。ただし、この実
施例における周波数データFは、波形分析時において分
析した原波形の周波数を分析時のピッチで正規化したも
のになっている。
は、トーンカラーTCによってそのいずれかが選択さ
れ、選択されたエリア内のフレームデータがフレーム読
出制御部5bの制御に従って順次読み出されるようにな
っている。フレーム読出制御部5bは、キーオン信号K
ONが供給された時点から読出制御を開始し、フレーム
タイムデータFT1,FT2……に示される期間だけ、
それぞれのフレームデータの読み出しを行うようになっ
ている。フレームデータメモリFRMから読み出された
周波数、レベル、位相の各データ(以下、これらのデー
タを総括的に示す場合に、各々記号F,L,θを用い
る)は、正弦波合成部6に供給される。ただし、この実
施例における周波数データFは、波形分析時において分
析した原波形の周波数を分析時のピッチで正規化したも
のになっている。
【0020】正弦波合成部6は、図2に示す構成になっ
ており、n個のサイン波発生器SWG1〜SWGk、こ
れらの出力信号を加算する加算器6a、およびキーコー
ドをピッチデータに変換するKC−PITCHテーブル
6bを有している。
ており、n個のサイン波発生器SWG1〜SWGk、こ
れらの出力信号を加算する加算器6a、およびキーコー
ドをピッチデータに変換するKC−PITCHテーブル
6bを有している。
【0021】次に、図3は、サイン波発生器SWG1〜
SWGkの構成を示すブロック図である。図において、
10は、サイン波形を1周期分記憶しているウェーブメ
モリであり、位相発生器11が発生するアドレス(サイ
ン波形の位相に対応する)に応じた波高値を出力する。
12は周波数データFとピッチデータPITCHとを乗
算する乗算器である。その乗算結果は、正規化された周
波数データFを、押下されたキーの音高に対応させた値
となる。位相発生器11は、キーオン信号KONが供給
されたタイミングから、乗算器12の乗算結果に対応し
た間隔でアドレスをインクリメントし、1周期分のアド
レスを超える場合には、再び元に戻ってアドレス更新を
行う。すなわち、サイン波形の1周期分のアドレスを循
環する。なお、ウェーブメモリ10に、補間回路を付加
し、読み出されたデータを補間して出力するようにして
もよい。また、ウェーブメモリ10に、1/2周期分あ
るいは1/4周期分のサイン波を記憶し、これを符号や
読み出し方向を代えて読み出すようにしてもよい。
SWGkの構成を示すブロック図である。図において、
10は、サイン波形を1周期分記憶しているウェーブメ
モリであり、位相発生器11が発生するアドレス(サイ
ン波形の位相に対応する)に応じた波高値を出力する。
12は周波数データFとピッチデータPITCHとを乗
算する乗算器である。その乗算結果は、正規化された周
波数データFを、押下されたキーの音高に対応させた値
となる。位相発生器11は、キーオン信号KONが供給
されたタイミングから、乗算器12の乗算結果に対応し
た間隔でアドレスをインクリメントし、1周期分のアド
レスを超える場合には、再び元に戻ってアドレス更新を
行う。すなわち、サイン波形の1周期分のアドレスを循
環する。なお、ウェーブメモリ10に、補間回路を付加
し、読み出されたデータを補間して出力するようにして
もよい。また、ウェーブメモリ10に、1/2周期分あ
るいは1/4周期分のサイン波を記憶し、これを符号や
読み出し方向を代えて読み出すようにしてもよい。
【0022】以上の構成により、ウェーブメモリ10か
らはサイン波が出力され、その周波数は、波形分析時に
おいて検出されたサイン波の周波数Fを、押下キーの音
高に適合化させたものとなる。
らはサイン波が出力され、その周波数は、波形分析時に
おいて検出されたサイン波の周波数Fを、押下キーの音
高に適合化させたものとなる。
【0023】次に、13は位相発生器PGが出力するア
ドレスに位相データθを加える加算器であり、この加算
器13によって位相データθが加算されると、ウェーブ
メモリ10の読み出しアドレスが位相データθ分だけシ
フトされる。この結果、ウェーブメモリ10から出力さ
れるサイン波の位相は、位相データθに対応したものと
なる。
ドレスに位相データθを加える加算器であり、この加算
器13によって位相データθが加算されると、ウェーブ
メモリ10の読み出しアドレスが位相データθ分だけシ
フトされる。この結果、ウェーブメモリ10から出力さ
れるサイン波の位相は、位相データθに対応したものと
なる。
【0024】15はトーンカラーTCに対応して予め設
定された信号を発生するFM信号発生器であり、その出
力信号は加算器14によって位相発生器PGが発生する
アドレス信号に加算される。アドレス信号が、FM信号
発生器15の出力信号によって修飾されると、ウェーブ
メモリ10から出力されるサイン波は、周波数変調を受
けることになる。この場合、FM信号発生器15は、ト
ーンカラーTCに応じて、例えば、ビブラート等の効果
音に対応する信号を発生する。また、ビブラートに限ら
ず、FM変調により複雑なスペクトルを得られるにして
もよい。
定された信号を発生するFM信号発生器であり、その出
力信号は加算器14によって位相発生器PGが発生する
アドレス信号に加算される。アドレス信号が、FM信号
発生器15の出力信号によって修飾されると、ウェーブ
メモリ10から出力されるサイン波は、周波数変調を受
けることになる。この場合、FM信号発生器15は、ト
ーンカラーTCに応じて、例えば、ビブラート等の効果
音に対応する信号を発生する。また、ビブラートに限ら
ず、FM変調により複雑なスペクトルを得られるにして
もよい。
【0025】次に、20はレベルテーブルであり、押下
キーの強さを示すタッチデータTOUCHに対応する信
号LEG(大きさは0〜1)を出力する。レベルテーブ
ル20は、サイン波発生器SWG1〜SWGnのいずれ
か一つに設けられているが、その出力信号LEGは、他
のサイン波発生器において用いられるようになってい
る。また、レベルテーブル21の変換特性は、タッチデ
ータTOUCHの大きさに比例する特性や、飽和曲線、
指数曲線に沿った特性が設定され、そのいずれかがトー
ンカラーTCによって選択されるようになっている。こ
のレベルテーブル21は、キーオン信号KONが供給さ
れた時点からタッチデータTOUCHの変換を開始す
る。
キーの強さを示すタッチデータTOUCHに対応する信
号LEG(大きさは0〜1)を出力する。レベルテーブ
ル20は、サイン波発生器SWG1〜SWGnのいずれ
か一つに設けられているが、その出力信号LEGは、他
のサイン波発生器において用いられるようになってい
る。また、レベルテーブル21の変換特性は、タッチデ
ータTOUCHの大きさに比例する特性や、飽和曲線、
指数曲線に沿った特性が設定され、そのいずれかがトー
ンカラーTCによって選択されるようになっている。こ
のレベルテーブル21は、キーオン信号KONが供給さ
れた時点からタッチデータTOUCHの変換を開始す
る。
【0026】また、信号LEGは、乗算器21によって
レベルデータLと乗算され、乗算器21の出力信号は乗
算器22によってサイン波に乗算される。これにより、
サイン波発生器SWG1〜SWGnから出力されるサイ
ン波はレベルデータLおよびタッチデータTOUCHに
応じたレベルになる。
レベルデータLと乗算され、乗算器21の出力信号は乗
算器22によってサイン波に乗算される。これにより、
サイン波発生器SWG1〜SWGnから出力されるサイ
ン波はレベルデータLおよびタッチデータTOUCHに
応じたレベルになる。
【0027】27は、AM信号発生器であり、トーンカ
ラーTCに対応して予め設定された信号(例えば、0.
2〜30Hz程度の正弦波)を発生する。24はトーン
カラーTCに応じたノイズ信号を発生するノイズ発生器
である。AM信号発生器27およびノイズ発生器24の
各出力信号は、加算器25,26によってレベルテーブ
ル20の出力信号LEGに加算され、ウェーブメモリ1
0から読み出されるサイン波の振幅を修飾する。この場
合、AM信号発生器27の出力信号は、例えば、トレモ
ロなどの効果を奏する信号にし、ノイズ発生器24の出
力信号は振幅に揺らぎを与えるような信号にするとよ
い。なお、ノイズ発生器24の出力信号をウェーブメモ
リ10のアドレス修飾に用い、FM変調による効果を奏
するように構成してもよい。
ラーTCに対応して予め設定された信号(例えば、0.
2〜30Hz程度の正弦波)を発生する。24はトーン
カラーTCに応じたノイズ信号を発生するノイズ発生器
である。AM信号発生器27およびノイズ発生器24の
各出力信号は、加算器25,26によってレベルテーブ
ル20の出力信号LEGに加算され、ウェーブメモリ1
0から読み出されるサイン波の振幅を修飾する。この場
合、AM信号発生器27の出力信号は、例えば、トレモ
ロなどの効果を奏する信号にし、ノイズ発生器24の出
力信号は振幅に揺らぎを与えるような信号にするとよ
い。なお、ノイズ発生器24の出力信号をウェーブメモ
リ10のアドレス修飾に用い、FM変調による効果を奏
するように構成してもよい。
【0028】以上がサイン波発生器SWG1〜SWGk
の構成であり、これらから出力されるサイン波SIN1
〜SINkは、図2に示す加算器6aによって加算さ
れ、信号WAVEとして出力される。
の構成であり、これらから出力されるサイン波SIN1
〜SINkは、図2に示す加算器6aによって加算さ
れ、信号WAVEとして出力される。
【0029】次に、図1に示すエンベロープ付与部30
は、信号WAVEにエンベロープを付与する回路であ
り、同図の破線内にその構成を示す。音色フィルタ30
bは、信号WAVEに対して音色対応のフィルタリング
を行う回路であり、トーンカラーTCによってフィルタ
特性が選択されるようになっている。30aは、エンベ
ロープジェネレータであり、音色に対応するエンベロー
プ曲線をトーンカラーに従って選択し、タッチデータT
OUCHに対応したレベルで読み出す。この読み出し動
作は、キーオン信号KONが供給された時点から行われ
る。エンベロープジェネレータ30aの出力信号EG
は、乗算器30cにおいて、音色フィルタ30bを通過
した信号WAVEに乗算される。乗算器30cの出力信
号は、楽音信号OUTとして外部に出力される。
は、信号WAVEにエンベロープを付与する回路であ
り、同図の破線内にその構成を示す。音色フィルタ30
bは、信号WAVEに対して音色対応のフィルタリング
を行う回路であり、トーンカラーTCによってフィルタ
特性が選択されるようになっている。30aは、エンベ
ロープジェネレータであり、音色に対応するエンベロー
プ曲線をトーンカラーに従って選択し、タッチデータT
OUCHに対応したレベルで読み出す。この読み出し動
作は、キーオン信号KONが供給された時点から行われ
る。エンベロープジェネレータ30aの出力信号EG
は、乗算器30cにおいて、音色フィルタ30bを通過
した信号WAVEに乗算される。乗算器30cの出力信
号は、楽音信号OUTとして外部に出力される。
【0030】一方、図1に示す40は、前述した波形分
析を行う分析部である。この実施例においては、FFT
(高速フーリエ変換)が用られ、制御部3から解析開始
を示す信号STARTが供給されると、入力音(原波
形)の分析を開始する。そして、分析結果として得られ
るフレームデータFD1〜FDnをフレームデータメモ
リ5aの選択されているエリア(TONE1,TONE
2……のいずれか)に書き込む。この場合、波形分析フ
レームの長さ、および数については、制御部3からの指
定によって決定されるようになっている。なお、これに
ついては、予め固定化し、処理を単純化してもよい。
析を行う分析部である。この実施例においては、FFT
(高速フーリエ変換)が用られ、制御部3から解析開始
を示す信号STARTが供給されると、入力音(原波
形)の分析を開始する。そして、分析結果として得られ
るフレームデータFD1〜FDnをフレームデータメモ
リ5aの選択されているエリア(TONE1,TONE
2……のいずれか)に書き込む。この場合、波形分析フ
レームの長さ、および数については、制御部3からの指
定によって決定されるようになっている。なお、これに
ついては、予め固定化し、処理を単純化してもよい。
【0031】C:実施例の動作
次に、上記構成によるこの実施例の動作を説明する。
波形分析動作
始めに、分析部40の動作について図4を参照して説明
する。ステップSP1において入力音のサンプリングを
行い、取り込みが完了したか否かをステップSP2にお
いて判断する。完了していない場合は、ステップSP
1,2を循環する。そして、入力音の取込が完了する
と、入力音のピッチPが検出され、次いで、波形分析フ
レーム毎にFFT解析が行われる(ステップSP3,
4)。
する。ステップSP1において入力音のサンプリングを
行い、取り込みが完了したか否かをステップSP2にお
いて判断する。完了していない場合は、ステップSP
1,2を循環する。そして、入力音の取込が完了する
と、入力音のピッチPが検出され、次いで、波形分析フ
レーム毎にFFT解析が行われる(ステップSP3,
4)。
【0032】そして、ステップSP5に進み、FFTの
解析結果として得られる各周波数スペクトルをピッチデ
ータPで正規化する。すなわち、各周波数は、分析時の
ピッチPに対する相対値として記録される。次に、ステ
ップSP6に進み、分析フレームFD1のFFT結果の
うち、レベルの大きい順に周波数成分を抽出する。この
場合、抽出する数「S1」は、サイン波発生器SWG1
〜SWGkの数以下である。また、FFTの分析結果
は、各周波数成分毎に複素数によって示され、ステップ
SP6における分析結果は、周波数(正規化されたも
の)、レベルおよび位相(tan-1(虚部/実部))に
より構成される。
解析結果として得られる各周波数スペクトルをピッチデ
ータPで正規化する。すなわち、各周波数は、分析時の
ピッチPに対する相対値として記録される。次に、ステ
ップSP6に進み、分析フレームFD1のFFT結果の
うち、レベルの大きい順に周波数成分を抽出する。この
場合、抽出する数「S1」は、サイン波発生器SWG1
〜SWGkの数以下である。また、FFTの分析結果
は、各周波数成分毎に複素数によって示され、ステップ
SP6における分析結果は、周波数(正規化されたも
の)、レベルおよび位相(tan-1(虚部/実部))に
より構成される。
【0033】そして、ステップSP7においては、ステ
ップSP6と同様にしてフレームデータFD2〜FDn
を作成する。ただし、倍音およびその付近の周波数スペ
クトルを抽出し、位相についてのFFT解析結果は破棄
する。以上のようにして、作成されたフレームデータF
D1〜FDnは、それぞれフレームデータメモリ5a
(図2参照)に記憶される。
ップSP6と同様にしてフレームデータFD2〜FDn
を作成する。ただし、倍音およびその付近の周波数スペ
クトルを抽出し、位相についてのFFT解析結果は破棄
する。以上のようにして、作成されたフレームデータF
D1〜FDnは、それぞれフレームデータメモリ5a
(図2参照)に記憶される。
【0034】波形合成動作
次に、波形合成動作について説明する。今、図5に示す
時刻t1において、あるキーが押下されると、同図
(イ)に示すように、キーオン信号KONが立ち上が
る。この結果、トーンカラーTCに対応するフレームデ
ータFD1が読み出され、サイン波発生器SWG1〜S
WG(S1)が、周波数データF1−1〜F1−S1、
レベルデータL1−1〜L1−S1および位相データθ
1−1〜θ1−S1に応じたサイン波を発生し、これら
が加算器6aによって合成される。これにより、分析時
において検出された周波数成分の各々について、位相ま
でも再現した正弦波が合成される。したがって、原波形
のアタック部に極めて近い波形が合成される。
時刻t1において、あるキーが押下されると、同図
(イ)に示すように、キーオン信号KONが立ち上が
る。この結果、トーンカラーTCに対応するフレームデ
ータFD1が読み出され、サイン波発生器SWG1〜S
WG(S1)が、周波数データF1−1〜F1−S1、
レベルデータL1−1〜L1−S1および位相データθ
1−1〜θ1−S1に応じたサイン波を発生し、これら
が加算器6aによって合成される。これにより、分析時
において検出された周波数成分の各々について、位相ま
でも再現した正弦波が合成される。したがって、原波形
のアタック部に極めて近い波形が合成される。
【0035】そして、合成フレームF1が終了する時刻
taにおいては、フレームデータFFD2が読み出さ
れ、上述の場合と同様にして、サイン波発生器SWG1
〜SWG(S2)が、周波数データF2−1〜F2−S
2、レベルデータL2−1〜L2−S2に応じたサイン
波を発生し、これらが加算器6aによって合成される。
この場合、原波形の位相までは再現していないが、合成
される各サイン波は、倍音とその付近に対応するもので
あるため、アタック部以降の波形再現には十分なものと
なる。以後、同様にして、合成フレームF3,F4……
についてサイン波の合成を行っていく。そして、最後の
合成フレームFnに達すると、以後はフレームデータF
Dnに対応したサイン波の合成が行われる。一方、エン
ベロープ付与部30によるエンベロープ制御動作によ
り、例えば、音色がピアノの場合は、発生される楽音信
号OUTの振幅は除々に小さくなり、また、キーがオフ
される時刻t2以降においては急速な減衰制御がなされ
る。また、音色がオルガンの場合は、キーオフ時刻t2
において楽音信号OUTは停止される。
taにおいては、フレームデータFFD2が読み出さ
れ、上述の場合と同様にして、サイン波発生器SWG1
〜SWG(S2)が、周波数データF2−1〜F2−S
2、レベルデータL2−1〜L2−S2に応じたサイン
波を発生し、これらが加算器6aによって合成される。
この場合、原波形の位相までは再現していないが、合成
される各サイン波は、倍音とその付近に対応するもので
あるため、アタック部以降の波形再現には十分なものと
なる。以後、同様にして、合成フレームF3,F4……
についてサイン波の合成を行っていく。そして、最後の
合成フレームFnに達すると、以後はフレームデータF
Dnに対応したサイン波の合成が行われる。一方、エン
ベロープ付与部30によるエンベロープ制御動作によ
り、例えば、音色がピアノの場合は、発生される楽音信
号OUTの振幅は除々に小さくなり、また、キーがオフ
される時刻t2以降においては急速な減衰制御がなされ
る。また、音色がオルガンの場合は、キーオフ時刻t2
において楽音信号OUTは停止される。
【0036】また、時刻t3において、再びキーオン信
号KONが立ち上がると、この時点から再び上述した場
合と同様のサイン波合成が行われる。そして、比較的早
い時刻t4においてキーオフされると、フレームデータ
はFD3までしか読み出されない。しかし、この時点で
楽音信号が消滅しても、原波形に含まれる倍音を再現し
たサイン波による合成であるため、楽音の不自然さはな
い。
号KONが立ち上がると、この時点から再び上述した場
合と同様のサイン波合成が行われる。そして、比較的早
い時刻t4においてキーオフされると、フレームデータ
はFD3までしか読み出されない。しかし、この時点で
楽音信号が消滅しても、原波形に含まれる倍音を再現し
たサイン波による合成であるため、楽音の不自然さはな
い。
【0037】ところで、楽器の消音直前の音に含まれる
倍音が発音初期のもとは異なる場合がある。この種の楽
器音を合成する場合に、上述のように比較的早い時期に
キーオフがされると、消音直前のフレームデータ以外の
データを用いたまま消音されてしまう。しかしながら、
この場合であっても、エンベロープ制御によって楽音信
号OUTは急速に0になるので、聴感上の不自然さはな
い。また、比較的早い時刻にキーオフされた場合には、
キーオフ時から番号の大きなフレームデータを用いるよ
うに構成してもよい。このように構成すれば、音の立ち
下がりはより自然になる。
倍音が発音初期のもとは異なる場合がある。この種の楽
器音を合成する場合に、上述のように比較的早い時期に
キーオフがされると、消音直前のフレームデータ以外の
データを用いたまま消音されてしまう。しかしながら、
この場合であっても、エンベロープ制御によって楽音信
号OUTは急速に0になるので、聴感上の不自然さはな
い。また、比較的早い時刻にキーオフされた場合には、
キーオフ時から番号の大きなフレームデータを用いるよ
うに構成してもよい。このように構成すれば、音の立ち
下がりはより自然になる。
【0038】D:実施例の効果
上述した実施例においては、エンベロープジェネレー
タ30a(図1参照)による一般的なエンベロープ制御
に、AM信号発生器27やノイズ発生器24による小刻
みな振幅変調を加えることができるので、趣のある楽音
信号を作成することができる。例えば、図8(イ)に示
すような一般的なエンベロープをエンベロープジェネレ
ータ30aが与え、同図(ロ)に示すような振幅変調を
AM信号発生器27が与えるようにすると、最終的に
は、同図(ハ)に示すようなエンベロープとなる。この
ようなエンベロープは、例えば、バイオリンなどの音色
を合成する際には極めて自然な聴感を与える。
タ30a(図1参照)による一般的なエンベロープ制御
に、AM信号発生器27やノイズ発生器24による小刻
みな振幅変調を加えることができるので、趣のある楽音
信号を作成することができる。例えば、図8(イ)に示
すような一般的なエンベロープをエンベロープジェネレ
ータ30aが与え、同図(ロ)に示すような振幅変調を
AM信号発生器27が与えるようにすると、最終的に
は、同図(ハ)に示すようなエンベロープとなる。この
ようなエンベロープは、例えば、バイオリンなどの音色
を合成する際には極めて自然な聴感を与える。
【0039】上述した実施例においては、原波形を分
析する分析部40と、分析結果を用いて波形の再合成を
行うフレームデータ発生部5、正弦波合成部6を有して
いるので、任意の音を収音して再生する、いわゆるサン
プラーとして用いることもできる。
析する分析部40と、分析結果を用いて波形の再合成を
行うフレームデータ発生部5、正弦波合成部6を有して
いるので、任意の音を収音して再生する、いわゆるサン
プラーとして用いることもできる。
【0040】本実施例においては、設定した音色に応
じて、サイン波の一つ毎に周波数変調(FM信号発生器
15)および振幅変調(AM信号発生器27、ノイズ発
生器24)をかけることができ、しかも、音色フィルタ
30b、エンベロープジェネレータ30aによる信号修
飾も行えるので、原波形の再合成だけでなく、趣のある
種々の楽音信号の作成が可能である。
じて、サイン波の一つ毎に周波数変調(FM信号発生器
15)および振幅変調(AM信号発生器27、ノイズ発
生器24)をかけることができ、しかも、音色フィルタ
30b、エンベロープジェネレータ30aによる信号修
飾も行えるので、原波形の再合成だけでなく、趣のある
種々の楽音信号の作成が可能である。
【0041】E:変形例
波形分析結果に応じたフレームデータをROMに記憶
させ、これをフレームデータメモリ5aとして用いても
良い。この場合には、分析部40を省き、波形合成装置
として用いる。また、フレームデータメモリ5aをRA
M等で構成する場合は、既に作成されたフレームデータ
を、インターフェイスを介してフレームデータメモリ5
aに書き込むように構成してもよい。
させ、これをフレームデータメモリ5aとして用いても
良い。この場合には、分析部40を省き、波形合成装置
として用いる。また、フレームデータメモリ5aをRA
M等で構成する場合は、既に作成されたフレームデータ
を、インターフェイスを介してフレームデータメモリ5
aに書き込むように構成してもよい。
【0042】上述の実施例においては、レベルテーブ
ル20によるレベル制御を全てのサイン波について一様
に行ったが、これを個別に行うように構成してもよい。
ル20によるレベル制御を全てのサイン波について一様
に行ったが、これを個別に行うように構成してもよい。
【0043】上述の実施例においては、アタック部の
分析は、波形分析フレームAF1でおこない、また、合
成は合成フレームF1で行ったが、アタック部を2以上
の区間に分けて分析、合成してもよい。
分析は、波形分析フレームAF1でおこない、また、合
成は合成フレームF1で行ったが、アタック部を2以上
の区間に分けて分析、合成してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、正弦波合成方式を用いつつ、アタック部分を正確に
再現することができる。
ば、正弦波合成方式を用いつつ、アタック部分を正確に
再現することができる。
【図1】 この発明の一実施例の構成を示すブロック図
である。
である。
【図2】 同実施例におけるフレームデータ発生部5お
よび正弦波合成部6の構成を示すブロック図である。
よび正弦波合成部6の構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施例におけるサイン波発生器の構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図4】 同実施例の分析処理を示すフローチャートで
ある。
ある。
【図5】 同実施例の波形合成処理を説明するためのタ
イミングチャートである。
イミングチャートである。
【図6】 この発明の原理を説明するためのタイミング
チャートである。
チャートである。
【図7】 この発明の周波数領域における解析を示すた
めのグラフである。
めのグラフである。
【図8】 上記実施例におけるエンベロープ制御の一態
様を示す波形図である。
様を示す波形図である。
5a……フレームデータメモリ(記憶手段)、5b……
フレーム読出制御部(読出手段)、6a……加算器(合
成手段)、40……分析部(分析手段)、SWG1〜S
WGk……サイン波発生器。
フレーム読出制御部(読出手段)、6a……加算器(合
成手段)、40……分析部(分析手段)、SWG1〜S
WGk……サイン波発生器。
フロントページの続き
(72)発明者 岩本 和秀
静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株
式会社内
(72)発明者 大野 寿昭
静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株
式会社内
(72)発明者 梅内 達夫
静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株
式会社内
(56)参考文献 特開 平5−85278(JP,A)
特開 昭55−43552(JP,A)
特開 昭52−8816(JP,A)
特開 平6−161460(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G10H 1/00 - 7/00
Claims (3)
- 【請求項1】 原波形を複数の区間に区切ってフーリエ
変換するとともに、前記原波形の開始部については所定
のレベルを超える周波数成分を選択してそれらの位相、
振幅、周波数を検出し、前記開始部以後については倍音
およびその付近の周波数成分を抽出してそれらの振幅、
周波数を検出する分析手段と、 前記分析手段によって検出された開始部の周波数成分の
位相、振幅、周波数、および開始部以後の周波数成分の
振幅、周波数を前記各区間毎にフレームデータとして記
憶する記憶手段と、 前記各区間に対応するフレームデータを前記記憶手段か
ら順次読み出す読出手段と、 前記読出手段によって読み出されたフレームデータ内の
各周波数成分に対応する振幅、周波数に従ってサイン波
を発生するとともに、フレームデータに位相が含まれる
場合はこれに応じて前記サイン波の位相を制御する複数
のサイン波発生器と、 前記各サイン波発生器の出力信号を合成する合成手段と
を具備することを特徴とする音源装置。 - 【請求項2】 原波形の開始部における所定レベル以上
の周波数成分の位相、振幅、周波数および前記原波形の
開始部以後の倍音およびその付近の周波数成分の振幅、
周波数を所定の分析区間毎にフレームデータとして記憶
する記憶手段と、 前記各区間に対応するフレームデータを前記記憶手段か
ら順次読み出す読出手段と、 前記読出手段によって読み出されたフレームデータ内の
各周波数成分に対応する振幅、周波数に従ってサイン波
を発生するとともに、フレームデータに位相が含まれる
場合はこれに応じて前記サイン波の位相を制御する複数
のサイン波発生器と、 前記各サイン波発生器の出力信号を合成する合成手段と
を具備することを特徴とする音源装置。 - 【請求項3】 前記各区間のうち最初の区間が前記開始
部に対応し、かつ、当該最初の区間は、他の区間よりも
長く設定されていることを特徴とする請求項1または2
記載の音源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35328593A JP3404850B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 音源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35328593A JP3404850B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 音源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07199951A JPH07199951A (ja) | 1995-08-04 |
JP3404850B2 true JP3404850B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=18429805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35328593A Expired - Fee Related JP3404850B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 音源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3404850B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4492932B2 (ja) * | 2004-02-20 | 2010-06-30 | 株式会社河合楽器製作所 | 演奏音判定装置および演奏音判定プログラムおよび該プログラムを記録した媒体 |
WO2005081222A1 (ja) * | 2004-02-20 | 2005-09-01 | Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho | 演奏指示に従って演奏された自然楽器の楽音判定装置、楽音判定プログラムおよび該プログラムを記録した媒体 |
JP4672474B2 (ja) * | 2005-07-22 | 2011-04-20 | 株式会社河合楽器製作所 | 自動採譜装置及びプログラム |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP35328593A patent/JP3404850B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07199951A (ja) | 1995-08-04 |
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---|---|---|---|
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