JPH0320797A - サンプリング装置 - Google Patents
サンプリング装置Info
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- JPH0320797A JPH0320797A JP1065963A JP6596389A JPH0320797A JP H0320797 A JPH0320797 A JP H0320797A JP 1065963 A JP1065963 A JP 1065963A JP 6596389 A JP6596389 A JP 6596389A JP H0320797 A JPH0320797 A JP H0320797A
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Landscapes
- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野]
この発明はサンプリングされた音響信号を表わす波形デ
ータを繰り返し読み出すループ読出し機能を有するサン
プリング電子楽器に関する.[従来技術とその問題点] 従来より、サンプリング機能を備えた電子楽器が知られ
ている.この種のサンプリング電子楽器にあっては,メ
モリ容量が限られているため,持続音を発生するために
は、メモリの指定されるループスタートアドレスからル
ープエンドアドレスまでに記憶された波形データを繰り
返して読み出すためのループ読出し機能を有している.
そしてこの種のループ読出し機能を有するサンプリング
電子楽器では,従来より,2つの異なる波形データをメ
モリより同時に繰り返して読み出し、それぞれを互いに
フェードイン、フェードアウトするように演算処理して
新たな1つの波形データを得るようにしたいわゆるクロ
スフェ一ドループ処理が行われているものがある.しか
しながら、このようなクロスフェ一ドループ処理による
と,位相および振幅の異なる2つの波形データを加算す
ることから、互いに干渉が起こり、打ち消し合う結果,
音量レベルに変化が生じ、それがループ処理に伴なう所
定のループR期で繰り返されて,「音ゆれ」という現象
が発生するという問題がある. そしてこのようなクロスフェードループ処理を有効に行
うためには、波形データ列の中からループ処理に適した
区間,つまり良い音質が期待できる区間をループ区間と
して設定する必要が有ることから、比較的長い時間に渡
る波形データが要求されるため,大きいメモリ容量の記
憶手段が必要とされるという問題がある. また、各種のパーカッション系の音響信号のように、ア
タック部分のレベルが大きく鋭く,リリース部分のレベ
ル変化が急な波形データの場合は、SN比を良くするた
め,ループ区間を多くの次数の倍音を含んだアタック部
分に設定することから,生成する楽音が高調波成分を多
く含んだ硬い音質のものとなってしまう.逆に,ピアノ
のような減衰系の音響信号に係る波形データの場合は、
音質の特徴を出すために、ループ区間をサスティン部分
,あるいはリリース部分に設定することから低いレベル
の波形データをループ処理することになり、生成する楽
音が量子化ノイズに関するSN比が悪いものとなってし
まうという問題がある. [発明の目的] この発明は、上記問題点を解決するためになされたもの
で,サンプリング音を表わす波形データをループ読出し
することによって楽音を生成する際に、不要な音ゆれが
発生せず,また、音質を調整したり、量子化ノイズによ
るSN比を改善することが可能なサンプリング電子楽器
を得ることをn的とする. [発明の要点] この発明は、このような目的を達成するため、読出手段
によって記憶手段のループスタートアドレスからループ
エンドアドレスまでに記憶された波形データを読み出し
て、この読み出した波形データの有するスペクトルを第
1の演算手段によって抽出し,この抽出したスペクトル
をスペクトル記憶手段に記憶し、この記憶したスペクト
ルを修正手段によって修正し,この修正したスペクトル
に基づいて第2の演算手段によって修正波形データを生
成し、読出手段によって上記記憶手段の所定アドレスか
ら上記ループスタートアドレスの1つの前のアドレスま
でを読み出して、この読み出した波形データと上記第2
の演算手段によって生或した修正波形データとを合成手
段によって5時間により変化する所定の比率で互いに加
算合成して合成波形データを生成し,上記読出手段によ
り上記記憶手段の先頭アドレスから上記所定アドレスの
lつ前のアドレスまでを読み出した波形データと、上記
合或手段により生成した上記合戊データと、J一記第2
の演算手段により繰り返して生成した上記修正波形デー
タとに対応する楽音を楽音生成手段により生或するよう
にしたことを要点とする. またこの発明は上記第2の演算手段により生成した修正
波形データを記憶する修正波形データ記憶手段をさらに
有し、上記読出手段により上記記憶−f段の所定アドレ
スからループスタートアドレスの1つ前のアドレスまで
を読み出した波形データと,上記修正波形データ記憶手
段より読み出した修正波形データとを,上記合成手段に
よって,時IInに変化する所定の比率で互いに加算合
成して合成波形データを生成するようにしたことを要点
とする. またこの発明は,上記修正手段が、上記mlの演算手段
より抽出したスペクトルを表示する表示手段を有するよ
うにしたことを要点とする.さらにこの発明は、アドレ
ス設定手段をさらに有し,上記ループスタートアドレス
および上記ループエンドアドレス、または上記所定アド
レスの少なくともいずれかを任意に設定し得るようにし
たことを要点とする. [実施例] 以下図面を参照してこの発明の実施例について述べる. 第1図はこの発明の実施例に係るサンプリング電子楽器
の全体回路構成を示す,図において,CPUIはマイク
ロコンピュータの中央処理装置であり、ROM2にスト
アされるプログラムに従ってこの電子楽器の各種動作を
制御する.マイクロフォン3から入力される楽音信号は
アンプ4により増幅され,フィルタ5によってサンプリ
ング周波数の半分の周波数以上の周波数帯域戊分がカッ
トされてA/D!換:s6に加えられる.CPU1より
のサンプリング開始指示の下にA/D変換s6は、フィ
ルタ5を経た一定レベル以上の楽音信号入力を所定時間
だけサンプリングし、デジタル変換された波形データが
RAM7におけるメモリM1に記憶される. 操作子部8の操作子を操作するとCPUlの制御の下で
.メモリM1に記憶された全波形データが例えば液晶パ
ネルなどから成る表示部9の表示画而9−1に波形表示
される(tJS2図参照).表示画而9−1には波形と
ともに、点MLI.L2が表示されるが,この点MLI
.L2はそれぞれメモリMlのアドレスAI .アドレ
スA2に対応しており,vk述するようなスペクトル抽
出のためのディスクリートeフーリエ変換(以下DFT
と称する)を行ラ区間を表示するものである.操作子部
8の操作によってDFT実行を行うと、CPUIにより
メモリMlよりアドレスAからアドレスA+ −1まで
に記憶された波形データが読み出され、CPUIの演算
!I!能によって例えば矩形窓である窓関数に基づ<D
FTが実行される.このDFTの結果得られた振幅スペ
クトルおよび位相スペクトルのデータ(この位相スペク
トルのデータは初期値データ)がメモリM2の所定のエ
リアにストアされ、振幅スペクトルは表示部9の表示画
面9−1において第3図に示すよラに表示される.第3
図において第2図と同一の参照符号を付したものは同一
機能を有するものであり、左端のスペクトルは波形デー
タの直流成分を示し、その右隣りのスペクトルはDFT
区間を工周期と見なした場合の基音(1次倍音)のスペ
クトルを示し、以下順に各次数に対応する倍音のスペク
トルを示す. 第4図は操作子部8における操作子の1種としての4l
lのカーソルキーC1〜C4の,この楽器のパネル面(
図示しない)上の配置の1例を示す.カーソルキーCK
IまたはカーソルキーCK2のオン操作によって、第2
図に示した表示画面9−1上のカーンルC−2を左右に
移動させることによって、任意のDFT区間及び元波形
と修正波形との合成開始ポイント(後述)を設定するこ
とができ、この区間を示すデータが、アドレスAI .
アドレスA2としてRAM7におけるメモリM2の所定
のエリアに記憶される.またこのカーソルキーCKIと
カーソルキーCK2のオン操作によって,第3図に示し
た表示画面9−1上のカーソルC−3を左右に移動させ
て,振幅値を修正させたい任意のスペクトルを選択し,
次にカーソルCK3とカーソルCK4のオン操作によっ
てそのJIi輻値を表示画面9−1を見ながら増大また
は減少させる. 続いて操作子部8の操作によって逆ディスクリート●フ
ーリエ変換(以下IDFTと称する)の実行を指示する
と,CPUIにおける演算機能によってIDFTが実行
され、先に実行したDFTと同じ区間分だけの波形デー
タが修正波形データとしてメモυM2の所定のエリアに
ストアされる. ここで,メモリM2にストアする上記波形データの量子
化ノイズに対するSN比を上げるためには、メモリM2
のビット数を最大限度まで使用すればよく,波形データ
の振幅の最大値mをサンプリングビット数から定まるサ
ンプリング入力可能な信号レベルの最大値Vと一致させ
ればよい.そのためには、上記IDFT実行後の波形デ
ータの振幅の最大値mを一旦記憶しておき,各振幅スペ
クトルの振幅値をV/m倍した上で,もう一度IDFT
を実行する. 上記IDFTの実行後の波形データを表示部9に表示さ
せると例えば第2図に示したように表示され、この表示
された波形において,波形の先頭部から点線L1までは
メモリMlにストアされている元波形データに対応する
ものであり,点線L1から点線L?までの区間は前述し
た修正波形データに対応するものである.また、再生時
はカーンルC−2の位乙は,上述したようにメモリM2
にストアされたIDFT後の波形データをどのタイミン
グで読み出すか(発音させるか)を決めるものであり、
このカーソルC−2の位置は操作子部8のカーソルキー
CKI.CK2の操作によって任意に設定できる.また
この位置はメモリM1のアドレスAO と対応するもの
であり,この設定値はRAM7におけるメモリM3の所
定のエリアにストアされる.さらにこのメモリM3には
、CPUIがメモリMl. メモリM2より読み出した
波形データに対してエンベロープ処理を施すためのエン
ベロープデータを始め楽音生戊用の各種パラメータが予
め記憶されているものとする. 鍵g110は演奏者が所望の音高を指定して演奏操作を
行うものであり、この演奏操作がなされると、CPUI
はメモリMl、メモリM2に記憶した波形データを上記
音高指定に対応する速度で読み出す. CPUIはまずメモリMlに記憶された波形データを先
頭アドレスから前述したアドレスADの1つ前,つまり
アドレス(Ao−1)までを順次読み出し、この読み出
された波形データは、CPUIの制御の下で前述したエ
ンベロープ処理(例えば先頭アドレスからアドレス(A
o −1)まで,エンベロープ値のMAX値を乗算する
)を受けた後,D/A変換器1lに加えられる.またC
PUIは続いて、メモリMlに記憶された波形データに
おける前述したアドレスAOからアドレスAI の1つ
前,つまりアドレス(A+1)までと、メモリM2に記
憶された波形データにおける先頭アドレスからアドレス
(A2−A+)までとを同時に読み出す.ここでメモリ
Mlから読み出された波形データはラッチ回路Llにラ
ッチされ、メモリM2から読み出された波形データはラ
ッチ回路L2にラッチされる.ラッチ回路Ll及びL2
からの波形データは夫々乗算器l2及びl3に入力し、
CPUIからの係数データにより乗算された後、加算器
14にて加算される.この乗算及び加算処理については
後述するが、一方の波形から他方の波形へとクロスさせ
ると共にエンベロープ波形データを付加するためのもの
である.また、続いてCPUIは、メモリM2に記憶さ
れた波形データ(先頭アドレスからアドレスA2 −A
+ )までを繰り返し読み出す.D/A変換器11にて
アナログ変換された楽音信号は、フィルタ15にて所定
のフィルタリング処理がなされた後、アンプ16.スビ
ーカl7を経て楽音として放音される. 次に,上記構成の実施例の動作について,CPUlの制
御の下でなされるメモリMlおよびメモリM2より読み
出した波形データに対する前記演算処理の動作を中心に
述べる. メモリMlおよびメモリM2からそれぞれ読み出された
2つの波形データに対して,乗算器12.13および加
算器l4において次式に基づく演算処理がなされる. W(A)=E(t)lIl+ (A)・CI−X(A)
)+ECt)Wz(A−A+ )・X(A)ここで.W
(A)はアドレスAにおけるエンペロープ制御された
波形データの値.W+(A)はメモリMlにストアされ
た元波形データのアドレスAにおける波形データの値,
W2(A−A+)はメモリM2にストアされたIDFT
実行後の波形データの先頭アドレスを0としたときのア
ドレス(A−A+ )における波形データの値.X(A
)は, X(A)=(A−Ao)/(A+−^0)ただしAo
(A(A+なる式で算出される偵である. E (t)
は,時間tにおけるエンベロープデータである.ここで
上記Vl2 (A−A+)において、A−A+ は負の
値となるが、負のアドレスにおけるW2の値はW2
(− 1)=W2 (A2 −A+ − 1)W
2 ( 2)=W2 (A2 −AI −2)
のようにループ状に定義するものとする.なお、ここで
はX (A)を上記のように直線によって表わしたが、
一般にはX (Ao ) =0. X(A+)=1であ
るような関数であればよく、例えば のような式で算出される値でもよく、メモリMl,メモ
リM2からそれぞれ読み出された異なる波形データをク
ロスフェードさせて、つまり一方のメモリMlから読み
出した元波形データを徐々にフェードアウトさせ,他方
のメモリM2から読み出した修正波形データを徐々にフ
ェードインさせることによって異なる2つの波形データ
を自然につなげるための処理がなされるのである.通常
、元波形データと修正波形データとをなめらかにつなげ
たいときは、Aoの位置をアタック部分に設定し,元波
形データのアタック部分を損ないたくないときは、AO
の位置をサスティン部分,リリース部分に設定すれば
よい. このように上記実施例においては、サンプリングした元
波形データと、この元波形データの所定の区間をDFT
L,、さらにスペクトルに修正を加えた上でIDFTL
,て得た修正波形データとをクロスフェードさせてつな
ぎ,このIDFTLて得た修正波形データをループさせ
て読み出するようにしている.つまり、異なる波形デー
タをクロスフェードさせたものをループさせて読み出し
ているのではなく,ループさせているのは修正波形デー
タのみであるので,ループ操作により2つの波形データ
による干渉が起こることがなく、不要な汗のゆれが生じ
ることがない.かつ元波形データの修正によって例えば
高調波成分をカットして音質を調整し,さらに必要に応
じてSN比を改善した修正波形データ、つまりループ操
作に適した波形データを得ることができるので、ループ
に適した波形データを得るために長いサンプリング時間
により大量の波形データをメモリさせる必要がなく,シ
たがってサンプリング音を表わす波形データを記憶して
おくためのメモリMlのメモリ容量が少なくて済む. なお上記実施例では、メモリMlにストアした元波形デ
ータに対してDFTを実行した後、その振幅スペクトル
のみの修正を行っているが,位相スペクトルを修正する
ことも可能である.一般に、位相スペクトルを変化させ
ると,各倍音の位相が変わることにより,元の波形デー
タと修正後の波形データとを混合した場合、各倍音の振
幅が干渉によって増減して不要に変化してしまい,極端
な場合として,ある倍音の位相が元の波形と修正波形と
で反転してしまうとその倍音の振幅が打ち消し合って0
になってしまうことがある.また位相が反転していなく
ても、位相のズレによって各倍音の振幅が不要な増減を
生じて音ゆれが発生してしまう. しかし、位相スペクトルを適切に修正することによって
,例えば非整数次倍音の波形データをループさせる際に
有効となる.すなわち、例えば基本周期のlO周期分を
ループさせるべき波形データとして設定すると、ループ
波形データは整数次倍盲の他にl/10倍音、2/10
倍音・・・・・・(N+n/10)倍音を含む.元波形
データが例えば2.91倍音を含んでいた場合は、これ
を2.8=(2+9/10)倍音で置!1′換えても音
質は殆ど変わらないと考えられる.ループ区間の波形デ
ータに1jfDFT処理を行うと、2.81倍音は2.
9倍音とその他の倍音に分解されるが、その他の倍音は
原理的には振幅スペクトルの修正によって除去できる. このようにしてアタック部分では2.91倍音、ループ
区間では2.9倍音という倍音のMき換えが可能となる
が、それでもやはり,ループ区間に入る部分で音質が変
化してしまうため、上記実施例ではクロスフェードによ
る混合を行ってこのような音質の変化を防止している.
しかしながら、2.111倍音と2.9倍音との違い(
振動数の違い)が2波形データのクロス部分で「ラなり
」を生じることがあり、この発明の変形実施例として,
位相スペクトルをも修正することによりこの各倍音ごと
の「うなり」を最も小さくすることが考えられる. また上記実施例では,元波形データに対してDFTを実
行して抽出したスペクトルを修正して,ざらにIDFT
を実行した結果の波形データをメモリM2にストアして
いるが.このIDFTを充分速く実行できる場合は,I
DFTの処理を楽音信号の発生時に,つまり演奏中にリ
アルタイムで行うことができる.この場合にはメモリM
2にはDFT実行後のスペクトルのデータのみをストア
しておけばよく、IDFT実行後の波形データをメモリ
M2にストアしておく必要がないので,メモリM2のメ
モリ容量が少なくて済む.さらに上記実施例では,元波
形データに対してDFTを実行し、さらにその結果に対
してIDFTを実行しているが、このようなフーリエ変
換あるいは逆フーリエ変換に限らず,元の波形データか
らスペクトルを抽出し,さらにこのスペクトル成分から
元の波形データを生成し得る演算方法であれば、他の種
類の演算に基づく方法を実行するようにしてもよい. なお上記実施例では,この発明を鍵盤楽器に適用してい
るが,この発明は、鍵盤楽器に限らず、電子弦楽器、電
子管楽器など全ての種類のサンプリング電子楽器に適用
可能である. [発明の効果J 以上述べたように請求項l記藏の発明は、読出手段によ
って記懐手段のループスタートアドレスからループエン
ドアドレスまでに記憶された波形データを読み出して、
この読み出した波形データの有するスペクトルを第1の
演算手段によって抽出する.この抽出したスペクトルを
スペクトル記憶手段に記憶し,更にこの記憶したスペク
トルを修正手段によって修正する.この修正したスペク
トルに基づいて第2の演算手段によって修正波形データ
を生成する.読出手段によって上記記憶手段の所定アド
レスから上記ループスタートアドレスの1つの前のアド
レスまでを読み出して、この読み出した波形データと上
記第2の演算手段によって生成した修正波形データとを
合戊手段によって、時間により変化する所定の比率で互
いに加算合成して合成波形データを生成する.上記読出
手段により上記記憶手段の先頭アドレスから上記所定ア
ドレスの1つ前のアドレスまでを読み出した波形データ
に基づいて、更に,上記合成手段により生成した上記合
成データに基づいて,史に2上記第2の演算手段により
生成した修正波形データを繰り返して楽音を生成するよ
うにした.したがって,サンプリング音を表わす波形デ
ータをループ読出しして楽音を生成する際に、異なる波
形データを混合して得られた波形データがループ読出し
されることがないため,異なる波形データの干渉がルー
プ周期によって繰り返えされることに起因する不要な音
ゆれが発生しない.また、元波形データのスペクトルを
修正して得た修正波形データをループ読出しして楽音を
生戊するのであるから,振幅スペクトルの修正によれば
高調波成分のカットなどによる音質の調整や、レベルの
低い波形データのレベルアップなどによるSN比の改善
が図れる他、さらに位相スペクトルをも脩正することに
よって各倍音ごとの「うなり』を小さくすることも可能
なサンプリング電子楽器が得られる. また請求項2記截の9A明は上記第2の演算手段により
生成した修正波形データを記憶する修正波形データ記憶
手段をさらに有し、上記読出手段により上記記憶手段の
所定アドレスからループスタートアドレスの1つ前のア
ドレスまでを読み出した波形データと、上記修正波形デ
ータ記憶手段より読み出した修正波形データとを,上記
合成手段によって,時間に変化する所定の比率で互いに
加算合成して合成波形データを生成するようにした. また請求項3記載の発明は、上記修正手段が、上記第1
の演算手段より抽出したスペクトルを表示する表示手段
を有するようにしたので、演奏者は、表示手段の表示を
眼で確認しながら,スペクトルの修正を容易に行うこと
ができる.さらに請求項4記載の発明は、アドレス設定
手段をさらに有し,上記ループスタートアドレスおよび
上記ループエンドアドレス、または上記所定アドレスの
少なくともいずれかを任、aに設定し得るようにしたの
で、演奏者は,記憶させた波形データおよび修正した修
正波形データを加算合成する区間を任意に設定でき、さ
らに修正波形データをループさせる区間を任意に設定で
きるので,所望の音色の楽音をより容易に得ることがで
きる. 〜C4を示す図である. l・・・・・・CPU、3・・・・・・マイクロフォン
、6・・・・・・A/D変換器、8・・・・・・操作子
部、9・・・・・・表示部,9−1・・・・・・表示画
面、11・・・・・・D/A変換器、l2、l3・・・
・・・乗算器、l4・・・・・・加算器、Ml,M2.
M3・・・・・・メモリ.
ータを繰り返し読み出すループ読出し機能を有するサン
プリング電子楽器に関する.[従来技術とその問題点] 従来より、サンプリング機能を備えた電子楽器が知られ
ている.この種のサンプリング電子楽器にあっては,メ
モリ容量が限られているため,持続音を発生するために
は、メモリの指定されるループスタートアドレスからル
ープエンドアドレスまでに記憶された波形データを繰り
返して読み出すためのループ読出し機能を有している.
そしてこの種のループ読出し機能を有するサンプリング
電子楽器では,従来より,2つの異なる波形データをメ
モリより同時に繰り返して読み出し、それぞれを互いに
フェードイン、フェードアウトするように演算処理して
新たな1つの波形データを得るようにしたいわゆるクロ
スフェ一ドループ処理が行われているものがある.しか
しながら、このようなクロスフェ一ドループ処理による
と,位相および振幅の異なる2つの波形データを加算す
ることから、互いに干渉が起こり、打ち消し合う結果,
音量レベルに変化が生じ、それがループ処理に伴なう所
定のループR期で繰り返されて,「音ゆれ」という現象
が発生するという問題がある. そしてこのようなクロスフェードループ処理を有効に行
うためには、波形データ列の中からループ処理に適した
区間,つまり良い音質が期待できる区間をループ区間と
して設定する必要が有ることから、比較的長い時間に渡
る波形データが要求されるため,大きいメモリ容量の記
憶手段が必要とされるという問題がある. また、各種のパーカッション系の音響信号のように、ア
タック部分のレベルが大きく鋭く,リリース部分のレベ
ル変化が急な波形データの場合は、SN比を良くするた
め,ループ区間を多くの次数の倍音を含んだアタック部
分に設定することから,生成する楽音が高調波成分を多
く含んだ硬い音質のものとなってしまう.逆に,ピアノ
のような減衰系の音響信号に係る波形データの場合は、
音質の特徴を出すために、ループ区間をサスティン部分
,あるいはリリース部分に設定することから低いレベル
の波形データをループ処理することになり、生成する楽
音が量子化ノイズに関するSN比が悪いものとなってし
まうという問題がある. [発明の目的] この発明は、上記問題点を解決するためになされたもの
で,サンプリング音を表わす波形データをループ読出し
することによって楽音を生成する際に、不要な音ゆれが
発生せず,また、音質を調整したり、量子化ノイズによ
るSN比を改善することが可能なサンプリング電子楽器
を得ることをn的とする. [発明の要点] この発明は、このような目的を達成するため、読出手段
によって記憶手段のループスタートアドレスからループ
エンドアドレスまでに記憶された波形データを読み出し
て、この読み出した波形データの有するスペクトルを第
1の演算手段によって抽出し,この抽出したスペクトル
をスペクトル記憶手段に記憶し、この記憶したスペクト
ルを修正手段によって修正し,この修正したスペクトル
に基づいて第2の演算手段によって修正波形データを生
成し、読出手段によって上記記憶手段の所定アドレスか
ら上記ループスタートアドレスの1つの前のアドレスま
でを読み出して、この読み出した波形データと上記第2
の演算手段によって生或した修正波形データとを合成手
段によって5時間により変化する所定の比率で互いに加
算合成して合成波形データを生成し,上記読出手段によ
り上記記憶手段の先頭アドレスから上記所定アドレスの
lつ前のアドレスまでを読み出した波形データと、上記
合或手段により生成した上記合戊データと、J一記第2
の演算手段により繰り返して生成した上記修正波形デー
タとに対応する楽音を楽音生成手段により生或するよう
にしたことを要点とする. またこの発明は上記第2の演算手段により生成した修正
波形データを記憶する修正波形データ記憶手段をさらに
有し、上記読出手段により上記記憶−f段の所定アドレ
スからループスタートアドレスの1つ前のアドレスまで
を読み出した波形データと,上記修正波形データ記憶手
段より読み出した修正波形データとを,上記合成手段に
よって,時IInに変化する所定の比率で互いに加算合
成して合成波形データを生成するようにしたことを要点
とする. またこの発明は,上記修正手段が、上記mlの演算手段
より抽出したスペクトルを表示する表示手段を有するよ
うにしたことを要点とする.さらにこの発明は、アドレ
ス設定手段をさらに有し,上記ループスタートアドレス
および上記ループエンドアドレス、または上記所定アド
レスの少なくともいずれかを任意に設定し得るようにし
たことを要点とする. [実施例] 以下図面を参照してこの発明の実施例について述べる. 第1図はこの発明の実施例に係るサンプリング電子楽器
の全体回路構成を示す,図において,CPUIはマイク
ロコンピュータの中央処理装置であり、ROM2にスト
アされるプログラムに従ってこの電子楽器の各種動作を
制御する.マイクロフォン3から入力される楽音信号は
アンプ4により増幅され,フィルタ5によってサンプリ
ング周波数の半分の周波数以上の周波数帯域戊分がカッ
トされてA/D!換:s6に加えられる.CPU1より
のサンプリング開始指示の下にA/D変換s6は、フィ
ルタ5を経た一定レベル以上の楽音信号入力を所定時間
だけサンプリングし、デジタル変換された波形データが
RAM7におけるメモリM1に記憶される. 操作子部8の操作子を操作するとCPUlの制御の下で
.メモリM1に記憶された全波形データが例えば液晶パ
ネルなどから成る表示部9の表示画而9−1に波形表示
される(tJS2図参照).表示画而9−1には波形と
ともに、点MLI.L2が表示されるが,この点MLI
.L2はそれぞれメモリMlのアドレスAI .アドレ
スA2に対応しており,vk述するようなスペクトル抽
出のためのディスクリートeフーリエ変換(以下DFT
と称する)を行ラ区間を表示するものである.操作子部
8の操作によってDFT実行を行うと、CPUIにより
メモリMlよりアドレスAからアドレスA+ −1まで
に記憶された波形データが読み出され、CPUIの演算
!I!能によって例えば矩形窓である窓関数に基づ<D
FTが実行される.このDFTの結果得られた振幅スペ
クトルおよび位相スペクトルのデータ(この位相スペク
トルのデータは初期値データ)がメモリM2の所定のエ
リアにストアされ、振幅スペクトルは表示部9の表示画
面9−1において第3図に示すよラに表示される.第3
図において第2図と同一の参照符号を付したものは同一
機能を有するものであり、左端のスペクトルは波形デー
タの直流成分を示し、その右隣りのスペクトルはDFT
区間を工周期と見なした場合の基音(1次倍音)のスペ
クトルを示し、以下順に各次数に対応する倍音のスペク
トルを示す. 第4図は操作子部8における操作子の1種としての4l
lのカーソルキーC1〜C4の,この楽器のパネル面(
図示しない)上の配置の1例を示す.カーソルキーCK
IまたはカーソルキーCK2のオン操作によって、第2
図に示した表示画面9−1上のカーンルC−2を左右に
移動させることによって、任意のDFT区間及び元波形
と修正波形との合成開始ポイント(後述)を設定するこ
とができ、この区間を示すデータが、アドレスAI .
アドレスA2としてRAM7におけるメモリM2の所定
のエリアに記憶される.またこのカーソルキーCKIと
カーソルキーCK2のオン操作によって,第3図に示し
た表示画面9−1上のカーソルC−3を左右に移動させ
て,振幅値を修正させたい任意のスペクトルを選択し,
次にカーソルCK3とカーソルCK4のオン操作によっ
てそのJIi輻値を表示画面9−1を見ながら増大また
は減少させる. 続いて操作子部8の操作によって逆ディスクリート●フ
ーリエ変換(以下IDFTと称する)の実行を指示する
と,CPUIにおける演算機能によってIDFTが実行
され、先に実行したDFTと同じ区間分だけの波形デー
タが修正波形データとしてメモυM2の所定のエリアに
ストアされる. ここで,メモリM2にストアする上記波形データの量子
化ノイズに対するSN比を上げるためには、メモリM2
のビット数を最大限度まで使用すればよく,波形データ
の振幅の最大値mをサンプリングビット数から定まるサ
ンプリング入力可能な信号レベルの最大値Vと一致させ
ればよい.そのためには、上記IDFT実行後の波形デ
ータの振幅の最大値mを一旦記憶しておき,各振幅スペ
クトルの振幅値をV/m倍した上で,もう一度IDFT
を実行する. 上記IDFTの実行後の波形データを表示部9に表示さ
せると例えば第2図に示したように表示され、この表示
された波形において,波形の先頭部から点線L1までは
メモリMlにストアされている元波形データに対応する
ものであり,点線L1から点線L?までの区間は前述し
た修正波形データに対応するものである.また、再生時
はカーンルC−2の位乙は,上述したようにメモリM2
にストアされたIDFT後の波形データをどのタイミン
グで読み出すか(発音させるか)を決めるものであり、
このカーソルC−2の位置は操作子部8のカーソルキー
CKI.CK2の操作によって任意に設定できる.また
この位置はメモリM1のアドレスAO と対応するもの
であり,この設定値はRAM7におけるメモリM3の所
定のエリアにストアされる.さらにこのメモリM3には
、CPUIがメモリMl. メモリM2より読み出した
波形データに対してエンベロープ処理を施すためのエン
ベロープデータを始め楽音生戊用の各種パラメータが予
め記憶されているものとする. 鍵g110は演奏者が所望の音高を指定して演奏操作を
行うものであり、この演奏操作がなされると、CPUI
はメモリMl、メモリM2に記憶した波形データを上記
音高指定に対応する速度で読み出す. CPUIはまずメモリMlに記憶された波形データを先
頭アドレスから前述したアドレスADの1つ前,つまり
アドレス(Ao−1)までを順次読み出し、この読み出
された波形データは、CPUIの制御の下で前述したエ
ンベロープ処理(例えば先頭アドレスからアドレス(A
o −1)まで,エンベロープ値のMAX値を乗算する
)を受けた後,D/A変換器1lに加えられる.またC
PUIは続いて、メモリMlに記憶された波形データに
おける前述したアドレスAOからアドレスAI の1つ
前,つまりアドレス(A+1)までと、メモリM2に記
憶された波形データにおける先頭アドレスからアドレス
(A2−A+)までとを同時に読み出す.ここでメモリ
Mlから読み出された波形データはラッチ回路Llにラ
ッチされ、メモリM2から読み出された波形データはラ
ッチ回路L2にラッチされる.ラッチ回路Ll及びL2
からの波形データは夫々乗算器l2及びl3に入力し、
CPUIからの係数データにより乗算された後、加算器
14にて加算される.この乗算及び加算処理については
後述するが、一方の波形から他方の波形へとクロスさせ
ると共にエンベロープ波形データを付加するためのもの
である.また、続いてCPUIは、メモリM2に記憶さ
れた波形データ(先頭アドレスからアドレスA2 −A
+ )までを繰り返し読み出す.D/A変換器11にて
アナログ変換された楽音信号は、フィルタ15にて所定
のフィルタリング処理がなされた後、アンプ16.スビ
ーカl7を経て楽音として放音される. 次に,上記構成の実施例の動作について,CPUlの制
御の下でなされるメモリMlおよびメモリM2より読み
出した波形データに対する前記演算処理の動作を中心に
述べる. メモリMlおよびメモリM2からそれぞれ読み出された
2つの波形データに対して,乗算器12.13および加
算器l4において次式に基づく演算処理がなされる. W(A)=E(t)lIl+ (A)・CI−X(A)
)+ECt)Wz(A−A+ )・X(A)ここで.W
(A)はアドレスAにおけるエンペロープ制御された
波形データの値.W+(A)はメモリMlにストアされ
た元波形データのアドレスAにおける波形データの値,
W2(A−A+)はメモリM2にストアされたIDFT
実行後の波形データの先頭アドレスを0としたときのア
ドレス(A−A+ )における波形データの値.X(A
)は, X(A)=(A−Ao)/(A+−^0)ただしAo
(A(A+なる式で算出される偵である. E (t)
は,時間tにおけるエンベロープデータである.ここで
上記Vl2 (A−A+)において、A−A+ は負の
値となるが、負のアドレスにおけるW2の値はW2
(− 1)=W2 (A2 −A+ − 1)W
2 ( 2)=W2 (A2 −AI −2)
のようにループ状に定義するものとする.なお、ここで
はX (A)を上記のように直線によって表わしたが、
一般にはX (Ao ) =0. X(A+)=1であ
るような関数であればよく、例えば のような式で算出される値でもよく、メモリMl,メモ
リM2からそれぞれ読み出された異なる波形データをク
ロスフェードさせて、つまり一方のメモリMlから読み
出した元波形データを徐々にフェードアウトさせ,他方
のメモリM2から読み出した修正波形データを徐々にフ
ェードインさせることによって異なる2つの波形データ
を自然につなげるための処理がなされるのである.通常
、元波形データと修正波形データとをなめらかにつなげ
たいときは、Aoの位置をアタック部分に設定し,元波
形データのアタック部分を損ないたくないときは、AO
の位置をサスティン部分,リリース部分に設定すれば
よい. このように上記実施例においては、サンプリングした元
波形データと、この元波形データの所定の区間をDFT
L,、さらにスペクトルに修正を加えた上でIDFTL
,て得た修正波形データとをクロスフェードさせてつな
ぎ,このIDFTLて得た修正波形データをループさせ
て読み出するようにしている.つまり、異なる波形デー
タをクロスフェードさせたものをループさせて読み出し
ているのではなく,ループさせているのは修正波形デー
タのみであるので,ループ操作により2つの波形データ
による干渉が起こることがなく、不要な汗のゆれが生じ
ることがない.かつ元波形データの修正によって例えば
高調波成分をカットして音質を調整し,さらに必要に応
じてSN比を改善した修正波形データ、つまりループ操
作に適した波形データを得ることができるので、ループ
に適した波形データを得るために長いサンプリング時間
により大量の波形データをメモリさせる必要がなく,シ
たがってサンプリング音を表わす波形データを記憶して
おくためのメモリMlのメモリ容量が少なくて済む. なお上記実施例では、メモリMlにストアした元波形デ
ータに対してDFTを実行した後、その振幅スペクトル
のみの修正を行っているが,位相スペクトルを修正する
ことも可能である.一般に、位相スペクトルを変化させ
ると,各倍音の位相が変わることにより,元の波形デー
タと修正後の波形データとを混合した場合、各倍音の振
幅が干渉によって増減して不要に変化してしまい,極端
な場合として,ある倍音の位相が元の波形と修正波形と
で反転してしまうとその倍音の振幅が打ち消し合って0
になってしまうことがある.また位相が反転していなく
ても、位相のズレによって各倍音の振幅が不要な増減を
生じて音ゆれが発生してしまう. しかし、位相スペクトルを適切に修正することによって
,例えば非整数次倍音の波形データをループさせる際に
有効となる.すなわち、例えば基本周期のlO周期分を
ループさせるべき波形データとして設定すると、ループ
波形データは整数次倍盲の他にl/10倍音、2/10
倍音・・・・・・(N+n/10)倍音を含む.元波形
データが例えば2.91倍音を含んでいた場合は、これ
を2.8=(2+9/10)倍音で置!1′換えても音
質は殆ど変わらないと考えられる.ループ区間の波形デ
ータに1jfDFT処理を行うと、2.81倍音は2.
9倍音とその他の倍音に分解されるが、その他の倍音は
原理的には振幅スペクトルの修正によって除去できる. このようにしてアタック部分では2.91倍音、ループ
区間では2.9倍音という倍音のMき換えが可能となる
が、それでもやはり,ループ区間に入る部分で音質が変
化してしまうため、上記実施例ではクロスフェードによ
る混合を行ってこのような音質の変化を防止している.
しかしながら、2.111倍音と2.9倍音との違い(
振動数の違い)が2波形データのクロス部分で「ラなり
」を生じることがあり、この発明の変形実施例として,
位相スペクトルをも修正することによりこの各倍音ごと
の「うなり」を最も小さくすることが考えられる. また上記実施例では,元波形データに対してDFTを実
行して抽出したスペクトルを修正して,ざらにIDFT
を実行した結果の波形データをメモリM2にストアして
いるが.このIDFTを充分速く実行できる場合は,I
DFTの処理を楽音信号の発生時に,つまり演奏中にリ
アルタイムで行うことができる.この場合にはメモリM
2にはDFT実行後のスペクトルのデータのみをストア
しておけばよく、IDFT実行後の波形データをメモリ
M2にストアしておく必要がないので,メモリM2のメ
モリ容量が少なくて済む.さらに上記実施例では,元波
形データに対してDFTを実行し、さらにその結果に対
してIDFTを実行しているが、このようなフーリエ変
換あるいは逆フーリエ変換に限らず,元の波形データか
らスペクトルを抽出し,さらにこのスペクトル成分から
元の波形データを生成し得る演算方法であれば、他の種
類の演算に基づく方法を実行するようにしてもよい. なお上記実施例では,この発明を鍵盤楽器に適用してい
るが,この発明は、鍵盤楽器に限らず、電子弦楽器、電
子管楽器など全ての種類のサンプリング電子楽器に適用
可能である. [発明の効果J 以上述べたように請求項l記藏の発明は、読出手段によ
って記懐手段のループスタートアドレスからループエン
ドアドレスまでに記憶された波形データを読み出して、
この読み出した波形データの有するスペクトルを第1の
演算手段によって抽出する.この抽出したスペクトルを
スペクトル記憶手段に記憶し,更にこの記憶したスペク
トルを修正手段によって修正する.この修正したスペク
トルに基づいて第2の演算手段によって修正波形データ
を生成する.読出手段によって上記記憶手段の所定アド
レスから上記ループスタートアドレスの1つの前のアド
レスまでを読み出して、この読み出した波形データと上
記第2の演算手段によって生成した修正波形データとを
合戊手段によって、時間により変化する所定の比率で互
いに加算合成して合成波形データを生成する.上記読出
手段により上記記憶手段の先頭アドレスから上記所定ア
ドレスの1つ前のアドレスまでを読み出した波形データ
に基づいて、更に,上記合成手段により生成した上記合
成データに基づいて,史に2上記第2の演算手段により
生成した修正波形データを繰り返して楽音を生成するよ
うにした.したがって,サンプリング音を表わす波形デ
ータをループ読出しして楽音を生成する際に、異なる波
形データを混合して得られた波形データがループ読出し
されることがないため,異なる波形データの干渉がルー
プ周期によって繰り返えされることに起因する不要な音
ゆれが発生しない.また、元波形データのスペクトルを
修正して得た修正波形データをループ読出しして楽音を
生戊するのであるから,振幅スペクトルの修正によれば
高調波成分のカットなどによる音質の調整や、レベルの
低い波形データのレベルアップなどによるSN比の改善
が図れる他、さらに位相スペクトルをも脩正することに
よって各倍音ごとの「うなり』を小さくすることも可能
なサンプリング電子楽器が得られる. また請求項2記截の9A明は上記第2の演算手段により
生成した修正波形データを記憶する修正波形データ記憶
手段をさらに有し、上記読出手段により上記記憶手段の
所定アドレスからループスタートアドレスの1つ前のア
ドレスまでを読み出した波形データと、上記修正波形デ
ータ記憶手段より読み出した修正波形データとを,上記
合成手段によって,時間に変化する所定の比率で互いに
加算合成して合成波形データを生成するようにした. また請求項3記載の発明は、上記修正手段が、上記第1
の演算手段より抽出したスペクトルを表示する表示手段
を有するようにしたので、演奏者は、表示手段の表示を
眼で確認しながら,スペクトルの修正を容易に行うこと
ができる.さらに請求項4記載の発明は、アドレス設定
手段をさらに有し,上記ループスタートアドレスおよび
上記ループエンドアドレス、または上記所定アドレスの
少なくともいずれかを任、aに設定し得るようにしたの
で、演奏者は,記憶させた波形データおよび修正した修
正波形データを加算合成する区間を任意に設定でき、さ
らに修正波形データをループさせる区間を任意に設定で
きるので,所望の音色の楽音をより容易に得ることがで
きる. 〜C4を示す図である. l・・・・・・CPU、3・・・・・・マイクロフォン
、6・・・・・・A/D変換器、8・・・・・・操作子
部、9・・・・・・表示部,9−1・・・・・・表示画
面、11・・・・・・D/A変換器、l2、l3・・・
・・・乗算器、l4・・・・・・加算器、Ml,M2.
M3・・・・・・メモリ.
Claims (4)
- (1)サンプリング音を表わす波形データを記憶する記
憶手段を有し、この記憶手段の指定されるループスター
トアドレスからループエンドアドレスまでに記憶された
上記波形データを読出手段によって繰り返し読み出して
、対応する楽音を生成するループ読出し機能を有するサ
ンプリング電子楽器において、 上記読出手段によって、上記記憶手段の上記ループスタ
ートアドレスから上記ループエンドアドレスまでに記憶
された上記波形データを読み出して、この読み出した波
形データの有するスペクトルを演算により抽出する第1
の演算手段と、この第1の演算手段により抽出したスペ
クトルを記憶するスペクトル記憶手段と、 このスペクトル記憶手段に記憶されたスペクトルを修正
する修正手段と、 この修正スペクトルにより修正されたスペクトルに基づ
いて修正波形データを演算によって生成する第2の演算
手段と、 上記読出手段によって上記記憶手段の所定アドレスから
上記ループスタートアドレスの1つ前のアドレスまでを
読み出して、この読み出した波形データと、上記第2の
演算手段によって生成した修正波形データとを時間によ
り変化する所定の比率で互いに加算合成して合成波形デ
ータを生成する合成手段と、 上記読出手段により上記記憶手段の先頭アドレスから上
記所定アドレスの1つ前のアドレスまでを読み出した波
形データに基づく楽音を生成し、上記合成手段にて生成
した合成波形データに基づく楽音を生成し、上記第2の
演算手段にて生成された修正波形データを繰り返して楽
音を生成する楽音生成手段と、 を備えたことを特徴とするサンプリング電子楽器。 - (2)上記第2の演算手段によって生成された修正波形
データを記憶する修正波形データ記憶手段をさらに有し
、上記合成手段は、上記読出手段によって上記記憶手段
の所定アドレスからループスタートアドレスの1つ前の
アドレスまでを読み出した波形データと、上記修正波形
データ記憶手段より読み出した修正波形データとを時間
により変化する所定の比率で互いに加算合成して合成波
形データを生成するものであることを特徴とする請求項
1記載のサンプリング電子楽器。 - (3)上記修正手段は、上記第1の演算手段により抽出
したスペクトルを表示する表示手段を有するものである
ことを特徴とする請求項1記載のサンプリング電子楽器
。 - (4)上記サンプリング電子楽器は、更に上記ループス
タートアドレスおよび上記ループエンドアドレス、また
は上記所定アドレスの少なくともいずれかを任意に設定
し得るアドレス設定手段を有することを特徴とする請求
項1記載のサンプリング電子楽器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1065963A JP2621466B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | サンプリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1065963A JP2621466B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | サンプリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0320797A true JPH0320797A (ja) | 1991-01-29 |
JP2621466B2 JP2621466B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=13302155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1065963A Expired - Lifetime JP2621466B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | サンプリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2621466B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1989
- 1989-03-20 JP JP1065963A patent/JP2621466B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US5420934A (en) * | 1992-03-26 | 1995-05-30 | Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho | Electronic sound processing system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2621466B2 (ja) | 1997-06-18 |
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