JP3832051B2 - 楽音合成装置及び楽音合成方法 - Google Patents

楽音合成装置及び楽音合成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器の音源として用いられる楽音合成装置に関し、特に楽器音をデジタルサンプリングすることによって得られた波形データに対し、非線形変換を施して音色を加工する楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置として、メモリに記憶された楽音データを発音指示に応じて読み出し、読み出したデータに対して、テーブルに記憶された非線形変換特性を作用させ、波形形状を変形させ音色を変化させる楽音合成装置が開示されている(例えば、特開昭61−110199号公報)。
【0003】
以下、図面を参照しながら上述したような従来の楽音合成装置について説明する。
【0004】
図9は従来の楽音合成装置のブロック図である。91は予めピアノ等の楽器音をデジタルサンプリングすることによって得られた波形データを記憶する波形メモリ、92は発音開始フラグKONの発生時以降にシステムクロックSCK(サンプリング周波数に対応する速度で発生するクロック)の発生タイミングに同期して、波形メモリ91に記憶された波形データを読み出し出力する読み出し回路、93は読み出された波形データの振幅値をアドレス値として、予め記憶された非線形変換特性値を読み出す非線形変換テーブルである。なお、読み出し回路92は簡単なカウンタ回路を用いて構成できるので説明を省略する。
【0005】
図10は非線形変換テーブル93の変換特性図である。横軸xはテーブルアドレス値、縦軸yは変換特性値である。
【0006】
図11は波形メモリ91に記憶されたピアノ音の振幅周波数スペクトルを示す図であり、横軸に周波数、縦軸に振幅レベルを示している。また、図12は合成音データの振幅周波数スペクトルを示す図である。
【0007】
以上のように構成された従来の楽音合成装置について動作説明をする。まず打鍵等の発音指示に応じて、発音開始フラグKONが値1となり読み出し回路92は、波形メモリ91の0番地から順に、システムクロックSCKの周期に同期して波形データを読み出す。この時、打鍵された鍵盤の音高位置に応じたピッチデータが読み出し回路92に送出され、読み出し回路92はピッチデータに応じた読み出しステップ幅で波形メモリ91をアドレッシングするので、ピッチデータに応じた音高の波形データが発生される。この波形データは非線形変換テーブル93にアドレス値として入力され、図10に示す変換特性値が読み出される。ここで、非線形変換テーブル93に1次特性(縦軸をy、横軸をxとした場合、y=xとなる特性)が記憶されている場合、アドレス値として入力された波形データはそのままスルーで出力されることとなる。また、図10に示すような非線形特性、即ちアドレス値(入力レベル)が大きくなるにつれて、次第に飽和する特性の場合、入力された波形データの振幅周波数スペクトルの奇数次倍音が増幅されるような変換を受けることになる。即ち、図11に示した振幅周波数スペクトルが、図12に示したような振幅周波数スペクトルに変換される。このように、非線形変換テーブル93に記憶する変換特性の形状に合わせて、音色を変化させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の楽音合成装置では、波形メモリ91には、ピアノ等の楽器音をデジタルサンプリングされたものがそのまま記憶されているため、例えば、ピアノ音を録音するときに含まれてくる、暗騒音や残響音などの非周期的な成分(周期性の非常に弱い成分も含む)まで、波形メモリ91に含まれることになる。これらの非周期成分は、合成時にそのまま再現されると、音の定位感など、いわゆる音像のリアリティに反映する有意味な成分であるが、一旦、非線形変換テーブル等によってその形状が変形されてしまうと、聴感上意味をもたないノイズ成分になってしまう。一方、ピアノの弦振動などの倍音構造をもつ成分、即ち周期成分は、非線形テーブル93による波形形状の変形により、もともと存在していた倍音成分の特定成分(例えば奇数次成分)が増幅/減衰されることによって新たな倍音構造をもった波形に変化するので、ノイズが発生することなく波形形状が変化することとなる。このように、従来の楽音合成装置では、非周期成分に対しても波形形状の変形がなされていた為、ノイズの多い音色になってしまうという問題点を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明は、楽器音から少なくとも定常的な非周期成分を除いた成分に対応する波形データを記憶した第1の記憶手段と、楽器音中の定常的な非周期成分に対応する波形データを記憶した第2の記憶手段と、第1の記憶手段及び第2の記憶手段に記憶された波形データを読み出す読み出し手段と、第1の記憶手段から読みだされた周期波形の波形形状を変化させる非線形変換手段と、非線形変換手段の変換出力と第2の記憶手段から読み出された波形データとの混合処理を行う混合手段とを備え、第1の記憶手段から読み出された波形データ、即ち周期波形のみに非線形変換手段における波形形状の変形処理がなされ、周期波形の倍音構造が変化し、これに第2の記憶手段から読み出された波形データ、即ち非周期波形(例えば、ピアノなどの楽音を録音するときに一緒に録音される暗騒音や残響音などであり、音の定位感など、いわゆる音像のリアリティに関する有意味な成分)を混合し、所望の合成音を得ることとなる。従って、非周期成分の波形形状を変化させた結果得られる無意味な波形(ノイズ)を合成音に混入させることなく所望の合成音を合成することとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、ピアノなどの楽器音の周期波形と非周期波形をそれぞれ記憶した第1の波形メモリ及び第2の波形メモリと、発音指示及びピッチデータに応じてそれらに記憶された波形データを読み出す読み出し回路と、第1の波形メモリから読み出された周期波形の波形形状の変形を行う非線形変換手段と、非線形変換手段の変換出力と第2の波形メモリから読み出された非周期波形との加算を行う加算器とを備え、打鍵等の発音指示があった時、読み出し回路がピッチデータに応じた読み出しステップで第1の波形メモリから周期波形を読み出した後、非線形変換器において波形形状の変形処理がなされ、周期波形の倍音構造が変化した周期波形が得られる。そして、加算器におけて、この周期波形と、第2の波形メモリから読み出された非周期波形(例えば、ピアノなどの楽音を録音するときに一緒に録音される暗騒音や残響音などであり、音の定位感など、いわゆる音像のリアリティに関する有意味な成分)とが加算され、所望の合成音を得ることとなる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、特に説明のない限り従来と同様の構成要件には同一符号を付し、説明を省略する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における楽音合成装置の構成を示すブロック図である。図1において、11はピアノ等の楽器音をデジタルサンプリングすることによって得られた楽音の周期成分に相当する波形データを予め記憶する波形メモリ、12は同楽音の非周期成分に相当する波形データを予め記憶する波形メモリ、13は非線形変換テーブル93の変換結果と波形メモリ12から読み出された波形データ(非周期波形)との加算を行う加算器である。その他のブロックは従来の楽音合成装置と同様である。
【0013】
図2は、楽音を周期成分と非周期成分に分離するアルゴリズムを示すブロック図である。周期成分とは、ピアノの弦の振動などの周期性(倍音構造)を有する成分であり、一方、非周期成分とは、ハンマー音や残響成分、あるいは録音時の暗騒音といった、周期性のない、あるいは周期性の非常に弱い成分のことである。図2において、21は波形メモリ91から読み出された楽音波形の振幅レベルを減衰させる乗算器、22は同楽音波形の基本周期(音高に相当)に対応する遅延時間分データを遅延させる遅延器、23は遅延器22の出力レベルを減衰させる乗算器、24は乗算器21の出力と乗算器23の出力を加算する加算器である。25は乗算器21,23、遅延器22、加算器24からなる巡回型コムフィルタであり、26,27も同様の巡回型コムフィルタである。28は同楽音波形から乗算器30の出力である周期成分を減算する減算器、29は波形メモリ91から楽音波形を読み出す読み出し回路、30は巡回型コムフィルタ27の出力レベルを調整する乗算器である。なお、巡回型コムフィルタ25,26,27の回路構成は同一である。また巡回型コムフィルタ26,27の間に、同様の巡回型コムフィルタが複数段挿入されているものとする。
【0014】
図3は巡回型コムフィルタ25の伝達特性図である。なお、共振峰のレベルAは乗算器23の乗算係数aに、またレベルBは乗算器21の乗算係数bに対応する。また、周波数f0は、波形メモリ91から読み出される楽音波形の基本周期に対応する周波数である。
【0015】
図4は、ピアノ原音の周期成分の振幅周波数スペクトルを示すグラフであり、図5は、ピアノ原音の非周期成分の振幅周波数スペクトルを示すグラフであり、図6は、本実施の形態における楽音合成装置及び楽音合成方法によって出力される合成音データの振幅周波数スペクトルを示すグラフである。
【0016】
以上のように構成された楽音合成装置について動作説明をする。まず、予め図2に示す方法等で、楽音を周期成分と非周期成分に分離し、それぞれに対応する波形データを波形メモリ11,12に記憶しておくものとする。なお、分離についての詳細説明については、実施の形態2で述べる。鍵盤の打鍵等による発音指示により発音開始フラグKONが発生し、その発生タイミングを起点として読み出し回路92は波形メモリ11、12のアドレッシングを開始する。アドレス更新でのステップ幅はピッチデータに対応し、システムクロックSCK(サンプリング周期に対応するクロック)の周期に同期してアドレスの更新を行う。波形メモリ11からは楽音の周期成分に対応する波形データが読み出される。その波形データの振幅周波数スペクトルは図4に示すようなノイズフロアー成分のない、即ち倍音のみで構成される波形データである。そして非線形変換テーブル93において、波形形状の変形が行われ、従来の楽音合成装置のように、奇数次倍音が増幅された周期波形が得られる。一方波形メモリ12からは楽音の非周期成分に対応する波形データが読み出される。その波形データの振幅周波数スペクトルは図5に示すようなノイズフロアー成分だけの波形データである。この波形データは加算器13に送出され、非線形変換テーブル93の出力との加算が行われ、図6に示す振幅周波数スペクトルの合成音データが得られる。
【0017】
以上のように、本実施の形態によれば、図6に示す振幅周波数スペクトルの合成音データが得られ、図11に示すピアノ音とを比較すると、ノイズフロアーの成分は変化せず、倍音構造のみが変化することとなる。即ち、ピアノなどの楽音を録音するときに一緒に録音される暗騒音や残響音といった、音の定位感などの音像のリアリティに関する有意味な成分(波形形状を変形すると無意味なノイズ成分に変化するもの)は非線形変換テーブル93による波形形状の変形を受けず、そのままの波形が合成音データに反映されることとなり、聴感上好ましい音色変化(倍音構造のみの変化)を実現することができる。
【0018】
なお、非線形変換テーブル93は図10に示す変換特性のみならず、任意の変換特性をもたせてもよい。また、ピアノのハンマー音のような過渡的な(比較的短時間の)非周期成分は、非線形変換による波形形状の変形を行っても、ノイズの発生時間が極めて短時間なので、波形メモリ11が記憶する周期成分側に含ませるようにしてもさしつかえない。また、楽音は、いわゆる楽器音の全てをデジタルサンプリングしたものだけではなく、例えば、定常的な波形区間をルーピングしたり、あるいはサンプルを間引きしたりといった、いわゆる圧縮したものであっても構わない。また、音量の時間減衰情報は、波形メモリ11,12内の波形に含ませてもよいし、また、加算器13の後段などにいわゆるエンベロープを乗算する乗算器などを介挿して実現するようにしてもよい。また、非線形変換手段は、非線形変換テーブル93のようなテーブル参照タイプのみならず、非線形演算による非線形処理としてもよい。また、読み出し回路92は波形メモリ11,12を同時にしかも同じアドレス値でアドレッシングするが、それぞれの波形メモリに独立した読み出し回路を備えるようにしてもよい。
【0019】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図7は、本発明の実施の形態2による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。図7において、71は波形合成及び波形分離処理の両者を行うプロセッサ、72は波形データおよび非線形変換テーブル値を記憶するROM(読み出し専用メモリ)、73は波形データを記憶するRAM(読み書きメモリ)である。
【0021】
以上のように構成された楽音合成装置について動作説明をする。プロセッサ71は内部演算の処理アルゴリズムを内部のメモリ等に記憶したプログラマブルなプロセッサであり、例えばDSP(Digital Signal Processer)やCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ71は実施の形態1で説明した波形合成、即ち、図1に示す回路が行う処理をプログラマブルに実行するとともに、実施の形態1で説明した波形分離(実施の形態1では前処理工程であったもの)、即ち図2のアルゴリズムをプログラマブルに実行するものである。まず、音色指示データが指示されることにより、ROM72に記憶された、複数種類の楽音のうちの1種類(例えばピアノ音)が選択されて、プロセッサ71に読み込まれる。そして図2に示す楽音の分離処理がなされ、分離結果である周期成分と非周期成分のそれぞれに対応する波形データが抽出され、RAM73に一時記憶される。その後、発音開始フラグKONの発生タイミングを起点として、RAM73に記憶された波形データが読み出され、実施の形態1の図1で説明した動作と同じ動作をプロセッサ71内部で実行する。ここで、図2,3を用いて、楽音の分離処理について説明する。
【0022】
まず、波形メモリ91に記憶された楽音は読み出し回路29によって読み出され、巡回型コムフィルタ25,26,27によってフィルタリングされる。このフィルタリングにおける伝達特性が図3に示す特性である。巡回型コムフィルタ25における入力ゲインa(乗算器21における乗算係数)と図3のレベルAとの関係は、A(dB)=6×LOG2{1/(1−a)}である。また帰還ゲインb(乗算器21における乗算係数)と図3のレベルBとの関係は、B(dB)=6×LOG2bである。
【0023】
ここで、入力ゲインaと帰還ゲインbは巡回型コムフィルタ25,26,27で共通の値をとるものとし、直列接続する巡回型コムフィルタの総数をnとすると、巡回型コムフィルタ25,26,27で構成されるフィルタの伝達特性のピーク部分(共振峰)のレベル(Anとする)とディップ部分のレベル(Bn)はそれぞれ、An(dB)=6×n×LOG2{1/(1−a)}、Bn(dB)=6×n×LOG2bで表すことができる。
【0024】
このAn、Bnに従う伝達特性でフィルタリングすることにより、周期成分(倍音成分)を抜き取ることができる。そして乗算器30により、巡回型コムフィルタ27の振幅レベルを波形メモリ91から読み出される楽音の振幅レベルに概等しくなるように調整し、減算器28で減算することにより、非周期成分も抜き取ることができ、結果として、周期成分と非周期成分を分離することができる。
【0025】
なお、各巡回型コムフィルタで乗算係数a,bの値を異ならせてもよい。また、巡回型コムフィルタの総数は任意の段数であってもよい。
【0026】
以上のように、本実施の形態によれば、プロセッサ71が実施の形態1の図1で説明した合成処理と、図2で説明した分離処理を行うので、予め、楽音の周期成分と非周期成分のそれぞれに対応した波形データを準備するまでもなく、一般的に市販されているようなサンプルデータ(楽音をデジタルサンプリングした波形データやそれらを圧縮処理した波形データ)を用いて、実施の形態1と同様に、非線形変換による副次的ノイズを発生させることなく、聴感上好ましい音色変化(倍音構造のみの変化)を実現することができる。
【0027】
なお、非線形変換テーブルはROM72内に予め記憶させるのではなく、初期設定時等に外部からRAM73内に書き込むようにしてもよい。またROM72やRAM73はプロセッサ71の外付け回路ではなく、プロセッサ71の内部メモリを使用してもよい。
【0028】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3による楽音合成方法を示すフローチャートである。このフローチャートの処理内容について説明する。なお、このフローチャートは、パソコンや大型コンピュータなどのプログラマブルプロセッッサを搭載した装置などを用いて簡単に実現できるものであり、処理の流れは実施の形態2と同様である。まず、音色の選択指示があった後、波形をリードする。ここでいう波形とは、実施の形態1,2で扱った、例えばピアノ音などをデジタルサンプリングした波形である。次に巡回型コムフィルタなどのフィルタリング処理によりこの波形を周期波形と非周期波形に分離し、記憶させる。以上が分析処理である。
【0029】
次に合成開始指示があった後、分析処理で導出された周期波形をリードし、非線形変換がなされる。そして変換後の波形と、分析処理で導出された非周期波形とのミックスがなされ所望の合成音データの1サンプル点を求めることができる。そして、この合成処理を、分析処理で導出された周期波形あるいは非周期波形の全サンプル点について実行し、所望の合成音データの全てを導出することとなる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、非線形変換による副次的ノイズを発生させることなく、非線形変換の変換特性に応じた音色を自由につくることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下に記載されるような効果を奏する。
【0032】
読み出し手段が、第1の記憶手段に記憶された楽音の周期成分(楽器音から少なくとも定常的な非周期成分を除いた成分)に対応する波形データと、第2の記憶手段に記憶された楽音の非周期成分(主に楽器音中の定常的な非周期成分)に対応する波形データを読み出し、非線形手段が第1の記憶手段から読み出された波形データの波形形状を変化させ、混合手段が非線形変換手段の変換出力と第2の記憶手段から読み出された波形データとの混合処理を行うようにしたので、楽音中の周期成分が非線形変換手段によって波形形状が変形(倍音構造の変化)を受けるとともに、楽音に含まれる非周期成分、即ち録音時の暗騒音や残響音といった、音の定位感などの音像のリアリティに関する有意味な成分(波形形状を変形すると無意味なノイズ成分に変化するもの)は非線形変換手段による波形形状の変形を受けず、そのままの波形が合成音データに反映されることとなり、聴感上好ましい音色変化(倍音構造のみの変化)を実現することができる。
【0033】
また、選択手段が、第1の記憶手段に記憶された複数の楽器音に対応する複数の波形データのうち少なくとも1種類の波形データを選択し、読み出し手段が選択手段により選択された波形データを読み出し、分離手段が読み出された波形データを少なくとも定常的な非周期成分とそれ以外の成分にそれぞれ対応する少なくとも2種類の波形データ(非周期波形データと周期波形データ)に分離し第2の記憶手段に一時記憶させ、第2の読み出し手段が、周期波形データと非周期波形データを読み出し、非線形手段が第2の記憶手段から読み出されたうちの周期波形データの波形形状を変化させ、混合手段が非線形変換手段の変換出力と第2の記憶手段から読み出されたうちの非周期波形データとの混合処理を行うようにしたので、一般的に市販されているようなサンプルデータ(楽音をデジタルサンプリングした波形データやそれらを圧縮処理した波形データ)を用いて、非線形変換による副次的ノイズを発生させることなく、聴感上好ましい音色変化(倍音構造のみの変化)を実現することができる。
【0034】
また、デジタルサンプリングされた楽音を定常的な非周期成分とそれ以外の成分にそれぞれ対応する少なくとも2種類の波形データ(非周期波形データと周期波形データ)とに分離し、それぞれの波形データを記憶させ、記憶されたそれぞれの波形データを読み出し、読み出された周期波形データに対して非線形変換処理を施し、非線形変換処理によって得られた波形データと非周期波形データとを混合し、所望の合成音を合成するようにしたので、楽音中の周期成分が非線形変換処理によって波形形状が変形(倍音構造の変化)を受けるとともに、楽音に含まれる非周期成分、即ち録音時の暗騒音や残響音といった、音の定位感などの音像のリアリティに関する有意味な成分(波形形状を変形すると無意味なノイズ成分に変化するもの)は非線形変換手段による波形形状の変形を受けず、そのままの波形が合成音データに反映されることとなり、聴感上好ましい音色を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による楽音合成装置の構成を示すブロック図
【図2】同楽音合成装置の各波形メモリが記憶すべき周期波形,非周期波形の抽出方法を示すブロック図
【図3】同楽音合成装置の巡回型コムフィルタの伝達特性図
【図4】同楽音合成装置のピアノ音の周期成分の振幅周波数スペクトルを示す図
【図5】同楽音合成装置のピアノ音の非周期成分の振幅周波数スペクトルを示す図
【図6】同楽音合成装置が出力する合成音データの振幅周波数スペクトルを示す図
【図7】本発明の実施の形態2による楽音合成装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3による楽音合成方法を示すフローチャート
【図9】従来の楽音合成装置のブロック図
【図10】同楽音合成装置における非線形変換テーブルの変換特性図
【図11】同楽音合成装置のピアノ音の振幅周波数スペクトルを示す図
【図12】同楽音合成装置の合成音データの振幅周波数スペクトルを示す図
【符号の説明】
11,12 波形メモリ
13,24 加算器
21,23,30 乗算器
25,26,27 巡回型コムフィルタ
28 減算器
92 読み出し回路
93 非線形変換テーブル

Claims (3)

  1. 楽器音から少なくとも定常的な非周期成分を除いた成分に対応する波形データを記憶した第1の記憶手段と、楽器音中の定常的な非周期成分に対応する波形データを記憶した第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段に記憶された波形データを読み出す読み出し手段と、前記第1の記憶手段から読みだされた波形データの波形形状を非線形変換処理を施すことにより変化させる非線形変換手段と、前記非線形変換手段の変換出力と前記第2の記憶手段から読み出された波形データとの混合処理を行う混合手段とを備えた楽音合成装置。
  2. 複数の楽器音に対応する複数の波形データを記憶する第1の記憶手段と、前記複数の波形データのうち少なくとも1種類の波形データを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された波形データを読み出す第1の読み出し手段と、読み出された波形データを少なくとも定常的な非周期成分とそれ以外の成分にそれぞれ対応する少なくとも2種類の非周期波形データと周期波形データとに分離する分離手段と、前記分離手段によって生成された少なくとも2種類の波形データを一時記憶する第2の記憶手段と、発音開始を指示する発音開始指示手段と、前記発音開始指示手段の発音開始指示に応じて前記第2の記憶手段に記憶された少なくとも2種類の波形データを読み出す第2の読み出し手段と、前記第2の記憶手段から読み出された前記周期波形データに対して非線形変換を行う非線形変換手段と、前記非線形変換手段の変換出力と前記第2の記憶手段から読み出された前記非周期波形データとの混合処理を行う混合手段とを備えた楽音合成装置。
  3. デジタルサンプリングされた楽音を定常的な非周期成分とそれ以外の成分にそれぞれ対応する少なくとも2種類の非周期波形データと周期波形データとに分離し、それぞれの波形データを記憶させ、記憶されたそれぞれの波形データを読み出し、読み出された前記周期波形データに対して非線形変換処理を施し、前記非線形変換処理によって得られた波形データと前記非周期波形データとを混合し、所望の合成音を合成することを特徴とする楽音合成方法。
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