JPH0792978A - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

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JPH0792978A
JPH0792978A JP5187626A JP18762693A JPH0792978A JP H0792978 A JPH0792978 A JP H0792978A JP 5187626 A JP5187626 A JP 5187626A JP 18762693 A JP18762693 A JP 18762693A JP H0792978 A JPH0792978 A JP H0792978A
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JP
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data
harmonic
waveform
sine wave
musical tone
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Application number
JP5187626A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Ota
文章 太田
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電子楽器において正弦波合成方式で
楽音信号を発生する楽音発生装置に関し、非整数倍音や
ゆらぎ含んだ高音質の楽音が得られる楽音発生装置を提
供することを目的とする。 【構成】 複数周期の楽音波形を高速フーリエ変換して
得られる各高調波毎の位相データと倍音レベルデータと
を記憶した記憶手段11と、該記憶手段に記憶されたデ
ータに基づき正弦波合成法により楽音信号を生成する正
弦波合成装置17とにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器において正弦
波合成方式で楽音信号を発生する楽音発生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、波形合成方式を採用した楽音発生
装置の1つとして、正弦波合成法を用いたものが知られ
ている。この正弦波合成法は、フーリエ級数展開の式を
用い、正弦波でなる基音とその複数次の整数倍音を加算
することにより任意の楽音波形を作り出す周知のもので
ある。
【0003】即ち、この正弦波合成法を用いた楽音発生
装置は、基音と有限個の整数倍音データのレベル(振
幅)を制御して1周期分の波形データを生成し、この1
周期分の波形データに基づいて楽音信号を生成すること
により所定の楽音を発生するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかるフーリエ級数展
開の式によれば、倍音次数を無限大までとって全ての高
調波を加算すれば、理論的には、周期性を有するあらゆ
る波形を実現できる。しかしながら、実際に電子楽器に
適用する楽音を合成する場合は、ハードウエア量や処理
時間等の関係から倍音次数は有限個に限らざるを得ない
ので、自然楽器の音を忠実に再現することは困難であっ
た。
【0005】このことは、見方を変えれば、有限個の整
数倍音を用いて波形合成を行っている従来の正弦波合成
法では、自然楽器音に含まれる非整数倍音を無視してし
まっているということができる。従って、正弦波合成法
により作成された波形データに基づき楽音を生成して
も、発生される楽音が単調になってしまうという欠点が
あった。
【0006】上記欠点を除去するために、従来は、各倍
音のレベルを時間的に変化させる等して単調さを軽減す
る工夫は行われてきたが、自然楽器音の特徴を決定する
重要な要素の1つである非整数倍音を生成することは困
難であった。
【0007】また、自然楽器では、或る音高の楽音を発
音した場合に、正確に一定ピッチで発音される訳ではな
く、所定のゆらぎ(周波数の変動)を含んでいるのが一
般的である。
【0008】しかしながら、上記従来の正弦波合成法で
作成された1周期の波形データを繰り返し読み出して発
音する場合は、上記ゆらぎに関する要素が楽音に反映さ
れる余地がなく、正確に一定ピッチで発音されるので、
機械的な音しか発音できないという問題があった。
【0009】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、非整数倍音やゆらぎ含んだ高音質の
楽音が得られる楽音発生装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の楽音発生装置は、複数周期の楽音波形を高
速フーリエ変換して得られる各高調波毎の位相データと
倍音レベルデータとを記憶した記憶手段と、該記憶手段
に記憶された倍音レベルデータに基づき所定の高調波に
対する高調波エンベロープ信号を発生する高調波エンベ
ロープ発生手段と、前記記憶手段に記憶された前記位相
データ及び倍音レベルデータに基づき前記所定の高調波
に対応する正弦波信号を発生し、該正弦波信号と、前記
記憶手段に記憶された前記所定の高調波に対応する位相
データ及び倍音レベルデータ、並びに前記高調波エンベ
ロープ発生手段で発生された前記所定の高調波に対応す
るエンベロープ信号とを演算する演算手段と、該演算手
段の演算結果を各高調波毎に加算して波形データを生成
する波形データ生成手段と、該波形データ生成手段で生
成された波形データに基づき楽音信号を発生する楽音信
号発生手段、とを具備したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明においては、例えば原音を高速フーリエ
変換して位相データや倍音レベルデータを得るに際し、
複数周期の楽音波形データを対象にして高速フーリエ変
換を行う。そして、得られた各高調波の位相データや倍
音レベルデータに基づいて楽音を発生するようにしてい
る。
【0012】例えば1つの音の発生に際し、256倍音
までの再現が要求される楽音発生装置であれば、上記高
速フーリエ変換の対象とする複数周期として例えば8周
期をとった場合には、8×256=2048倍音までを
再現すれば良い。この場合、本楽音発生装置が256倍
音までを再現するものと考えれば、例えば図3に示すよ
うに、8倍音が基本周波数となり、従来の正弦波合成法
を用いた楽音発生装置でいう2倍音、3倍音、4倍音、
…等の等間隔倍音は、16倍音、32倍音、48倍音、
…に対応させることができる。
【0013】このことは、上記2048倍音のうち、8
の倍数でない倍音は非整数倍音であることを意味する。
即ち、本発明では、整数倍音の他、非整数倍音をも制御
して楽音を発生することができる。
【0014】また、本発明においては、複数周期の波形
を高速フーリエ変換して位相データ、倍音レベルデータ
を作成するので、原音に含まれるゆらぎを反映した楽音
を得ることができる。例えば、或る時刻において図4
(A)に示すようなスペクトルを有する楽音が、所定時
間後には同図(B)に示すように、基本周波数の2倍の
周波数(16倍音)の部分で非整数倍音(17倍音)の
振幅が大きくなり、基本周波数の2倍音のピッチが変化
するような場合を忠実に再現できる。このことは、原音
に含まれるゆらぎを再現できることを意味する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の楽音発生装置の実施例につき
図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、
正弦波合成に関係する構成及び動作を中心に説明する。
【0016】図1は、本発明の楽音発生装置が適用され
た電子楽器の概略構成を示すブロック図である。本電子
楽器を構成する主要素である中央処理装置(以下、「C
PU」という)10、リードオンリメモリ(以下、「R
OM」という)11、ランダムアクセスメモリ(以下、
「RAM」という)12、操作子インタフェース回路1
4、鍵盤インタフェース回路16及び正弦波合成装置1
7は、システムバス30を介して相互に接続されてい
る。
【0017】CPU10は、ROM11に格納されてい
る制御プログラムに従って、本電子楽器の全体を制御す
るものである。例えば、CPU10は押鍵に対し発音チ
ャネルを割り当てるアサイナ処理、正弦波合成装置17
に対して所定のデータを送って所定の楽音を発生させる
発音処理等を行う。
【0018】ROM11は、上述したCPU10を動作
させるための制御プログラムが記憶されている他、CP
U10が各種処理に用いる種々の固定データが記憶され
ている。このROM11の記憶内容は、システムバス3
0を介してCPU10によりアクセスされる。即ち、C
PU10は、システムバス30を介してROM11から
制御プログラム(命令)を読み出して解釈・実行すると
共に、所定の固定データを読み出して演算処理に使用す
る。
【0019】また、このROM11は記憶手段に対応す
るものであり、所定の楽音波形を高速フーリエ変換して
得られた各高調波毎の位相データ及び倍音レベルデータ
が記憶されている。これら各データは、楽音信号を生成
する際に、CPU10により読み出されて正弦波合成装
置17に送られる(詳細は後述する)。
【0020】RAM12は、制御プログラムの実行に必
要な種々のデータを一時記憶するものであり、例えばデ
ータバッファ、レジスタ、フラグ等の各領域が定義され
ている。このRAM12の記憶内容は、システムバス3
0を介してCPU10によりアクセスされる。操作子1
3から取り込まれたパネルデータ、鍵盤15から取り込
まれたキーデータ等もこのRAM12に一時的に記憶さ
れ、必要に応じてCPU10により読み出されて各種処
理に使用される。
【0021】操作子13は、本電子楽器に各種動作を指
示する各種スイッチ、及び各スイッチのオン/オフ状態
を示す例えばLED等で構成される表示器(いずれも図
示しない)を備えている。上記各スイッチには、リズム
選択スイッチ、音色選択スイッチ、音響効果選択スイッ
チ、音量コントロールスイッチ等が含まれている。
【0022】なお、上記操作子13は、例えば、電子楽
器に設定すべき各種パラメータを数値で入力するための
データ入力装置、及び各種メッセージや本楽音発生装置
の状態等を表示するための例えばLCDで構成される文
字表示器(何れも図示しない)等をにより構成すること
もできる。
【0023】この操作子13は、操作子インタフェース
回路14を介してCPU10に接続されている。操作子
インタフェース回路14は、上記操作子13の各スイッ
チのオン/オフ状態をスキャンし、パネルデータとして
CPU10に送出する。このパネルデータは、CPU1
0の制御の下にRAM12に記憶され、所定のタイミン
グで参照されて各種処理、例えばリズム選択処理、音色
選択処理、音響効果選択処理、音量コントロール処理等
のトリガーに使用される。
【0024】鍵盤15は、演奏者が楽音の音程を指示す
る複数のキーと、このキーに連動して開閉するキースイ
ッチにより構成される。この鍵盤15は鍵盤インタフェ
ース回路16に接続されている。
【0025】鍵盤インタフェース回路16は、上記鍵盤
15のキースイッチの状態をスキャンし、キーのオン/
オフ状態を示すキーデータとして出力する。このキーデ
ータは、システムバス30を介してCPU10に送ら
れ、CPU10の制御の下にRAM12に記憶される。
【0026】このRAM12に記憶されたキーデータ
は、所定のタイミングで参照され、イベントのあったキ
ーを特定するキーナンバ及びキーの押下の強さ(速さ)
を示すタッチデータを生成するために使用される。この
キーナンバ及びタッチデータは、後述するように、更に
周波数データ及びエンベロープデータに変換されて正弦
波合成装置17に送られ、キーオン/キーオフに伴う発
音/消音処理等に用いられる。
【0027】正弦波合成装置17はCPU10から送ら
れてくる所定のデータに従ってデジタル楽音信号を発生
するものである。この正弦波合成装置17で発生された
デジタル楽音信号は、D/A変換器18に送られる。こ
の正弦波合成装置17の詳細については後述する。
【0028】D/A変換器18は、正弦波合成装置17
から送られてきたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号
に変換するものである。このD/A変換器18が出力す
るアナログ楽音信号は、増幅器19に送出される。
【0029】増幅器19は、入力されたアナログ楽音信
号を所定の増幅率で増幅して出力する周知のものであ
る。この増幅器19で所定の増幅が行われたアナログ楽
音信号は、スピーカ20に供給される。スピーカ20
は、電気信号としてのアナログ楽音信号を音響信号に変
換する周知のものである。このスピーカ20により、鍵
盤15のキーの押下に対応した楽音に、ペダル14の踏
み込み量に対応した音響効果が付加されて放音されるこ
とになる。
【0030】次に、上記正弦波合成装置17について、
図2に示したブロック図を参照しながら詳細に説明す
る。
【0031】この正弦波合成装置17は、フーリエ級数
の時間軸の原点t=0に対して点対称となる波形信号の
時に用いられる式、 を使用している。ここで、nは高調波の次数を示し、w
は本発明で扱う高調波次数の最大値、Tは1周期時間、
θnは第n高調波における位相遅れを示す。
【0032】今、1つの実施例として、8周期の楽音波
形に基づき正弦波合成する場合を考えてみる。なお、例
えば16周期や32周期等のように、より多くの周期の
楽音波形を用いても良いことは勿論であり、この場合
は、より精度が向上する。
【0033】8周期の正弦波合成で従来装置における2
56倍音に相当する倍音までの高調波を再現するとする
と、8×256=2048で、全部で2048倍音を制
御することになる。
【0034】この2048倍音を、図3に示すように、
周波数の低い方から1倍音、2倍音、3倍音、…、20
48倍音と呼ぶことにすると、この正弦波合成装置で
は、8倍音が基本周期の倍音で、従来の正弦波合成装置
で呼ぶところの2倍音、3倍音、4倍音、…等の等間隔
倍音は、16倍音、32倍音、28倍音、…となり、こ
れ以外の倍音は、全て非整数倍音として扱うことができ
る。
【0035】そして、これらの倍音を適切な初期位相、
エンベロープのデータで制御すれば従来の正弦波合成で
は実現できなかった、又は実現できたとしても自在には
制御が不可能であった、非整数倍音や、ゆらぎを簡単に
制御できる。
【0036】実際に、倍音のレベル、初期位相、エンベ
ロープの各データを得る方法としては、次のような方法
を採ることができる。
【0037】即ち、先ず、ピアノ等の自然楽器の音をP
CM(パルスコード変調)録音する。次いで、これを複
数周期の正弦波合成装置に合うようにリサンプリングす
る。例えば、そのシステムが8周期の正弦波合成で、基
本周波数である1倍音の1周期長(1周期のサンプル
数)が256であるとすれば、8周期では2048サン
プルとなる。そこで、ピアノのPCM波形も8周期で2
048になるようにリサンプリングして基本周波数を一
致させる。そして、先頭から2048サンプルずつ高速
フーリエ変換(以下、「FFT解析」という)を行う。
【0038】最初のFFT解析結果より初期位相データ
と、初期倍音レベルデータを得る。次いで、同様にして
2回目以降のFFT解析結果より倍音レベルデータを得
る。このようにして得られた初期位相データ、初期倍音
レベルデータ、2回目以降の倍音レベルデータは、各高
調波毎に上述したROM11の中に記憶される。
【0039】上記正弦波合成装置の一例を図2に示して
ある。なお、正弦波合成についての詳しい技術的な内容
については、例えば特開昭52−27621号公報に説
明してあるので参照されたい。ここでは、正弦波合成装
置17の簡単な例を示すに止める。
【0040】図2において、サンプル指定データはCP
U10から与えられるものであり、本正弦波合成装置1
7の基音の1周期が2048サンプルで構成されている
ので、1〜2048の値が与えられる。このサンプル指
定データは、アドレス発生装置52において、正弦波テ
ーブル53に与えるアドレスを生成するために使用され
る。
【0041】高調波指定データはCPU10から与えら
れるものであり、本正弦波合成装置17は2048の高
調波まで合成するので、1〜2048の値が与えられ
る。この高調波指定データは、アドレス発生装置52、
高調波位相データレジスタ54、高調波係数レジスタ5
5、及び高調波エンベロープ発生装置56に与えられる
ようになっている。
【0042】上記アドレス発生装置52は、CPU10
から与えられたサンプル指定データと高調波位相データ
レジスタから与えられた位相データとに基づき、正弦波
テーブル53中の読み出すべき位置を示すアドレスを生
成し、正弦波テーブル53に与える。
【0043】正弦波テーブル53は、正弦波を形成する
ための波形データを記憶するものである。この正弦波テ
ーブル53の先頭から順次アドレスをインクリメントし
ながらデータを読み出すと、正弦波を構成するデータが
得られるようになっている。アドレス発生装置52から
アドレスが与えられることにより正弦波テーブル53か
ら読み出された波形データは、乗算器57に送られる。
【0044】上記高調波位相データレジスタ54は、各
高調波の初期位相データ(上掲した式(1)におけるθ
n)を一時記憶するものであり、CPU10からセット
される。この高調波位相データレジスタ54の内容はア
ドレス発生装置52に送られ、各サンプルにおける正弦
波テーブル53の読み出し位置(位相)を決定するため
に使用される。また、高調波位相データレジスタ54の
内容は乗算器57に送られて所定のサンプルにおいて生
成される波形データに位相を反映させるために使用され
る。
【0045】また、高調波係数レジスタ55は、高調波
係数(上掲した式(1)におけるbn)を一時記憶する
ものであり、CPU10からセットされる。この高調波
係数レジスタ55の内容は乗算器55に送られて生成さ
れる波形データに高調波係数を反映するために使用され
る。
【0046】また、高調波エンベロープ発生装置56は
高調波エンベロープ発生手段に対応するものであり、各
高調波に付すべきエンベロープを生成する。この高調波
エンベロープ発生装置56においてエンベロープを生成
するためのデータはCPU10から与えられる。この高
調波エンベロープ発生装置56で発生されたエンベロー
プデータは、乗算器57に送られる。
【0047】乗算器57は演算手段に対応するものであ
り、上記正弦波テーブル53から読み出された正弦波の
1サンプルを構成する波形データ、高調波位相データレ
ジスタ54から与えられる高調波位相データ(初期位相
データ)、高調波係数レジスタ55から与えられる高調
波係数(倍音レベルデータ)及び高調波エンベロープ発
生装置56で発生されたエンベロープデータを乗算する
ものである。この乗算器57における乗算結果は、1つ
のサンプルにおける1つの高調波の波形データである。
この乗算器57の出力は加算器58に送られる。
【0048】加算器58は、上記乗算器57から送られ
てくる波形データとメモリ59に記憶されている波形デ
ータとを加算するものである。この加算器58による加
算結果は、再びメモリ59に格納される。メモリ59
は、加算器58の加算結果を一時記憶する。このメモリ
59は、上記加算器58と相まって波形データ生成手段
としての累算器を構成するものである。
【0049】即ち、上記加算器58とメモリ59とによ
り構成される累算器により、1つのサンプル値における
全高調波(2048の高調波)が累積加算される。この
メモリ59に累積加算された内容は、1つのサンプル値
における全高調波の累積加算が済んだ時点で、RAMA
60又はRAMB61に交互に送られる。
【0050】RAMA60及びRAMB61は、各サン
プルにおける累算結果を一時記憶するものであり、上述
したようにメモリ59が出力するデータがRAMA60
又はRAMB61に交互に記憶される。このRAMA6
0及びRAMB61の出力は波形読出回路62に供給さ
れる。波形読出回路62は楽音信号発生手段の一部に対
応するものであり、上記RAMA60又はRAMB61
から交互に波形データを読み出して波形補間回路63に
送る。
【0051】かかる構成により、メモリ59からRAM
A60又はRAMB61へ波形データを書き込むタイミ
ングと波形読出回路62がRAMA60又はRAMB6
1から波形データを読み出すタイミングの衝突を避ける
ことができ、波形データの高速な処理が可能となってい
る。この波形読出回路62における読出速度は、CPU
10から送られてくるキーナンバに基づいて作成された
周波数データに従う。これにより、鍵盤15で指定され
た音高の楽音が発生されることになる。この波形読出回
路62で読み出された波形データは、波形補間回路63
に送られる。
【0052】波形補間回路63は楽音信号発生手段の一
部に対応するものであり、RAMA60又はRAMB6
1から読み出された波形データの補間をとるものであ
る。この補間により、各サンプル間の波形データの移行
が滑らかに推移できるものとなっている。この波形補間
回路63で補間がとられた波形データは乗算器64に送
られる。
【0053】エンベロープジェネレータ65は楽音信号
発生手段の一部に対応するものであり、CPU10から
送られてくる音色データやタッチデータに基づき、所定
音色のエンベロープを生成するものである。このエンベ
ロープジェネレータ65で生成されたエンベロープデー
タは上記乗算器64に送られる。
【0054】乗算器64は楽音信号発生手段の一部に対
応するものであり、この乗算器64では、波形補間回路
62から送られてくる波形データとエンベロープジェネ
レータ65から送られて来るエンベロープデータとを乗
算することによりエンベロープが付加されたデジタル楽
音信号を生成する。この乗算器64の出力が、正弦波合
成装置17の出力としてD/A変換器18(図1参照)
に送られてアナログ楽音信号に変換され、更に増幅器1
9及びスピーカ20を介して放音されることになる。
【0055】次に、上記構成の正弦波合成装置17の動
作につき説明する。
【0056】正弦波合成装置17では、楽音発生が指示
されると、先ず、第1サンプルを合成する。サンプル指
定データ及び高調波指定データとしては「1」が与えら
れる。また、1倍音の初期位相データが高調波位相デー
タレジスタ54に与えられる。これにより、1倍音の初
期位相データに応じた正弦波の1サンプル目の波形デー
タがアドレス発生装置52及び正弦波テーブル53を介
して発生される。この波形データに対して1倍音の高調
波係数(倍音レベルデータ)及び高調波エンベロープデ
ータが乗算されてメモリ59に格納される。
【0057】次に、第1サンプルの2倍音目のデータを
1倍音目と同様にして合成する。そして、メモリ59に
格納されている1倍音目のデータと2倍音目のデータと
を加算してメモリ59の同じ位置に書き込む。
【0058】この処理を2048倍音まで繰り返すと第
1サンプルのデータが完成する。これをRAMA60の
1サンプル目に書き込み、更に第2サンプル、第3サン
プルと同様に作成し、第2048サンプルまで完了する
と1周期分の波形データが完成する。
【0059】次いで、RAMA60に作成された波形デ
ータを波形読出回路62が読み出す。波形読出回路62
で読み出された波形データは波形補間回路63に送られ
て補間され、更にエンベロープジェネレータ65からの
エンベロープデータに従ってエンベロープが付加されて
D/A変換器18に送られる。
【0060】一方、波形読出回路62がRAMA60か
ら波形データを読み出している間に、次の波形データの
生成が行われる。そして、1周期分の波形データがRA
MB61に生成されると、この波形データを波形読出回
路62が読み出す。波形読出回路62で読み出された波
形データは、上記と同様に波形補間回路63に送られて
補間され、更にエンベロープジェネレータ65からのエ
ンベロープデータに従ってエンベロープが付加されてD
/A変換器18に送られる。
【0061】波形読出回路62がRAMA61から波形
データを読み出している間に、次の1周期分の波形デー
タが作成されてRAMA60に書き込まれる。以下、上
記動作を繰り返し実行し、時間経過とともに変化するデ
ジタル楽音信号が生成されることになる。
【0062】以上詳述したように、本実施例によれば、
原音を高速フーリエ変換して位相データや倍音レベルデ
ータを得るに際し、複数周期の楽音波形データを対象に
して高速フーリエ変換を行い、得られた各高調波の位相
データや倍音レベルデータに基づいて楽音を発生するよ
うにしているので、整数倍音の他、非整数倍音に基づく
楽音を発生することができるものとなっている。
【0063】また、複数周期を高速フーリエ変換して位
相データ、倍音レベルデータを作成するので、原音に含
まれるゆらぎを反映した楽音を得ることができるものと
なっている。
【0064】なお、上記の実施例では、説明を簡単にす
るために、8周期の楽音波形を高速フーリエ変換して2
048個の倍音を制御する構成とし、具体的な音域と制
御すべき倍音数との関係は示さなかったが、本発明を実
際の電子楽器に適用する場合は、制御する倍音数は次の
ようにして決定することができる。
【0065】即ち、例えば8倍音が基本周波数であっ
て、この基本周波数をA1(=55Hz)とした時に、
例えば20KHzまで音を出そうとすると、約360倍
音が必要となる。従って、360×8=2880倍音を
制御する構成とすれば良い。
【0066】また、1周期が256サンプル程度であれ
ば、サンプリングノイズが発生するおそれがある。かか
るサンプリングノイズを防止するためには、1周期が5
12サンプル程度にすれば良い。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、非整数倍音やゆらぎ含んだ高音質の楽音が得られる
楽音発生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る楽音発生装置が適用された電子楽
器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る楽音発生装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明に係る楽音発生装置の動作を説明するた
めの図である。
【図4】本発明に係る楽音発生装置の動作を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
10 CPU 11 ROM 12 RAM 13 操作子 14 操作子インタフェース回路 15 鍵盤 16 鍵盤インタフェース回路 17 正弦波合成装置 18 D/A変換器 19 増幅器 20 スピーカ 30 システムバス 52 アドレス発生装置 53 正弦波テーブル 54 高調波位相データレジスタ 55 高調波係数レジスタ 56 高調波エンベロープ発生装置 57,64 乗算器 59 メモリ 60,61 RAM 62 波形読出回路 63 波形補間回路 65 エンベロープジェネレータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数周期の楽音波形を高速フーリエ変換
    して得られる各高調波毎の位相データと倍音レベルデー
    タとを記憶した記憶手段と、 該記憶手段に記憶された倍音レベルデータに基づき所定
    の高調波に対する高調波エンベロープ信号を発生する高
    調波エンベロープ発生手段と、 前記記憶手段に記憶された前記位相データ及び倍音レベ
    ルデータに基づき前記所定の高調波に対応する正弦波信
    号を発生し、該正弦波信号と、前記記憶手段に記憶され
    た前記所定の高調波に対応する位相データ及び倍音レベ
    ルデータ、並びに前記高調波エンベロープ発生手段で発
    生された前記所定の高調波に対応するエンベロープ信号
    とを演算する演算手段と、 該演算手段の演算結果を各高調波毎に加算して波形デー
    タを生成する波形データ生成手段と、 該波形データ生成手段で生成された波形データに基づき
    楽音信号を発生する楽音信号発生手段、 とを備えたことを特徴とする楽音発生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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