JP2992640B2 - ヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna並びにそれらの製法 - Google Patents

ヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna並びにそれらの製法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA、及び該DNAを組み込んだ形質発現ベ
クターを用いて製造し得るポリペプチド並びに該DNA及
びポリペプチドの製造法等に関する。
単球走化性因子(以下、MCFと記す)は、例えばヒト
単球系細胞をリポポリサッカライド(LPS)と共に培養
したとき産生誘される生理活性物質で、単球を動員する
活性や単球の有する腫瘍細胞増殖抑制作用を増強させる
活性化作用を有しており、単球が動員され更に活性化さ
れることにより、ある種の細菌感染症や癌の治療薬とし
ての臨床応用が期待される。
本発明者のうち、松島綱治、ジュスト オッペンハイ
ム等はヒト単球系白血病細胞を適当な誘導剤の存在下で
培養し、その培養上清中より、いわゆる天然型ヒトMCF
を単離した。そして、その天然型ヒトMCFを解析し、そ
の部分アミノ酸配列を解明すると共に、その分子量は約
15kDaと決定した。
本発明者等は、この天然型ヒトMCFの部分アミノ酸配
列に基づいて、ヒトMCFをコードするcDNAの単離に成功
し、このクローン化cDNAの塩基配列の解析により、ヒト
MCF前駆体の全アミノ酸配列を解明し、そのC末端側の7
6残基のアミノ酸からなるヒトMCFの分子量は、約9kDaと
計算される低分子量のポリペプチドであることを明らか
にした。
更に、このクローン化DNA及びその主要部を組み込ん
だ形質発現ベクターを作製し、これを用いて、ヒトMCF
活性を有するポリペプチドを製造することができること
が判明し、本発明を完成した。
本発明の第1の目的は、ヒトMCF活性を有し、下記の
アミノ酸配列[I]又はその主要部の配列を有するポリ
ペプチドをコードするDNA及びその製法を提供すること
にある。
(但し、式[I]中Χは、Ala又はThrである。) 本発明の第2の目的は、上記DNAを組み込んだ形質発
現ベクターを用いて製造し得る上記式[I]で示される
アミノ酸配列又はその主要部の配列を有し、ヒトMCF活
性を有するポリペプチドを提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記ポリペプチドの遺伝子工
学的手法による製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、以下の記載から明らかになるで
あろう。
本発明によれば、ヒトMCF活性を有し、式[I]で示
されるアミノ酸配列又はその主要部の配列を有するポリ
ペプチドをコードするDNA(以下単に本発明のDNAと記
す)を用い、遺伝子組み換え技術を応用して、ヒトMCF
の活性を有し、式[I]で示されるアミノ酸配列又はそ
の主要部の配列を有するポリペプチド(以下単に本発明
のポリペプチドと記す)を製造することができる。
本発明のDNAのうち、式[I]で示されるアミノ酸配
列を有するポリペプチドをコードするDNA(以下ヒトMCF
をコードするDNAと略記することもある)の具体的塩基
配列としては、下記の式[A]で示される塩基配列から
なるDNAが挙げられる。
(但し、式[A]中Yは、C又はTであり、Rは、G又
はAである。) ヒトMCFをコードするDNAは、実施例1に記載の方法又
はそれに準じた方法に従って単離することが出来る。更
に、化学的に全合成してもよい。ヒトMCFの主要部のア
ミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAは、
ヒトMCFをコードするDNAの余分な領域又は欠損している
領域を、例えば適当な制限酵素による切断及び/又は化
学合成オリゴデオキシリボヌクレオチドの結合による修
復や部位特異的変異誘導法(Kunkel,T.A.ら,Methods in
Enzymol.,154巻、367頁、1987年等)等の方法により製
造することができる。
本発明のポリペプチド生産用の形質発現ベクターは、
遺伝子組み換え技術及び形質発現に関する基本的理論
(例えば、Maniatis,T.ら、Molecular Cloning,a labor
atory manual;Cold Spring Harbor Laboratory出版,198
2年を参照)に則り、本発明のDNAの5′末端(上流側)
に翻訳開始コドンATGを、かつ3′末端(下流側)には
終止コドンを有するDNA断片を作製し、これを適当なプ
ロモーター(例えばtrplacphoS、PL、SV40初期プ
ロモーター等)及びSD配列に続いて結合させ、更にこれ
を宿主中で増殖可能な適当なベクター(例えばプラスミ
ドpBR322等)に組み込むことにより作製することができ
る。
好ましいSD配列から翻訳開始コドンまでの塩基配列と
しては、下記式[B]で示される塩基配列が挙げられ
る。
但し、式[B]中、Χ′は(A)xを意味し、xは1
〜5である。Y′は(A)y(T)zを意味し、yは0
〜3を、zは0又は1である。
この形質発現ベクターを適当な宿主、例えば大腸菌に
コーエンらの方法(Cohen,S.N.ら,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USA,69巻,2110頁,1972年)に準じて導入することに
より形質転換体を得ることができる。
本発明のポリペプチドは、この形質転換体の培養、該
形質発現ベクターを用いた転写・翻訳系により製造する
ことができる。本発明のポリペプチドは、粗製物から除
核酸処理、塩析、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰
イオン交換クロマトグラフィー、限外過、ゲル過操
作、必要に応じて透析、電気泳動、ヘパリン・担体カラ
ムを用いるクロマトグラフィー、抗体カラムを用いるア
フィニティー クロマトグラフィー等の方法及びその組
み合せにより精製できる。
遺伝子組み換え技術により製造されるポリペプチドの
N末端には、製造系等の違いによって翻訳開始コドンに
由来するメチオニン残基が付加される場合がある。この
ようなポリペプチドも、ヒトMCF活性を有する限り、本
発明のポリペプチドに含まれる。
本発明に係わるポリペプチドとは、前記式[I]で示
されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又はそのアミ
ノ酸配列の主要部の配列を含むポリペプチドであり、な
んらかのMCF活性、例えば単球を動員する作用或いは単
球の有する腫瘍細胞増殖抑制作用を増強させる活性化作
用を示すポリペプチドを意味する。又、ヒトMCFをコー
ドするDNAの対立遺伝子変異体DNAがコードするポリペプ
チド及びその主要部のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドも包含される。又、前記式[I]で示されるアミノ酸
配列を有するポリペプチドのN末端に他のアミノ酸又は
ペプチド、例えばヒトMCF前駆体ポリペプチドの前駆部
分のC末端側の一部に相当するアミノ酸又はペプチドが
付加したポリペプチドも、本発明のポリペプチドに包含
される。
遺伝子組み換え技術の応用により製造される本発明の
ポリペプチドの諸性状については、以下の方法により分
析できる。
分子量は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により、分子量既知蛋白標準品(ファルマシア社、スウ
ェーデン)の移動度との対比により算出する。アミノ酸
配列は、エドマン分解法により決定できる。即ち、本発
明のポリペプチドを、フルマーの方法(Fullmer,C.S.,A
nal.Biochem.,142巻,336頁,1984年)に従って、尿素存
在下での2−メルカプトエタノール処理にて分子内のジ
スルフィド結合を開裂させ、Cys残基を4−ビニルピリ
ジン処理にて、ピリジルエチル化ポリペプチドを調製す
る。更に、ピリジルエチル化ポリペプチドをメタロエン
ドペプチダーゼ(EC3.4.24)等にて消化し、得られたペ
プチド断片をシンクロパック(SynChropak)RP−Pカラ
ム(シンクロム社、米国)を用い、トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配溶出による高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)にて単離する。このピリジルエ
チル化ポリペプチド及び各ペプチド断片のN末端部のア
ミノ酸配列をプロテイン シークエンサー自動分析装置
(アプライド バイオシステム社、米国)を用いて解析
する。
単球走化性活性は、ボイデン走化性活性検定槽(Boyd
en chemotaxis chambey:ニューロ・プローブ社、米国)
を用いて検定できる。即ち、ポリカーボネート膜(孔径
8μm:ヌクレオポア社、米国)で隔てた一方の室に本発
明のポリペプチド液を入れ、他室にヒト単核球を入れ
る。37℃にて加温の後、膜の検体液室側の面に移動した
細胞数を、メタノール固定及びギムザ染色の後、顕微鏡
下にて計測する。本発明のポリペプチドの稀釈及び培養
用培地には、0.5%ウシ血清アルブミン含有培養培地RPM
I−1640培地を用いればよい。
腫瘍細胞増殖抑制活性は、次ぎの方法にて検出でき
る。即ち、ヒト単球や単球/マクロファージ様細胞を96
穴培養プレートに播き、37℃で培養後、浮遊性細胞を除
去し、プレート粘着性細胞を準備する。この粘着性細胞
に本発明のポリペプチド液及び標的腫瘍細胞(例えば、
ヒト悪性黒色腫細胞A375細胞:ATCC株番号CRL−1619)を
添加し、37℃にて3日間培養する。培養終了の6〜24時
間前に、トリチウム標識チジミンを添加し、標的腫瘍細
胞内への取り込み量の低下により評価する。本発明のポ
リペプチドの希釈及び培養用培地には、5%ウシ胎児血
清含有PRMI−1640培地を用いればよい。
本発明のポリペプチドの製剤化に際しては、賦形剤や
安定化剤を添加するのが好ましい。安定化剤としては、
例えばアルブミン、グロブリン、ゼラチン、プロタミ
ン、プロタミン塩、グルコース、ガラクトース、キシロ
ース、マンニトール、グルクロン酸、トレハロース、デ
キストラン、ヒドロキシエチルデンプン、非イオン界面
活性剤等が挙げられる。
尚、本明細書では記載の簡略化のために以下の記号を
使用する。
A アデニン C シトシン G グアニン T チミン RNA リボ核酸 mRNA 伝令RNA DNA デオキシリボ核酸 cDNA 相補性DNA sscDNA 単鎖cDNA dscDNA 二重鎖cDNA ATP アデノシン三リン酸 dATP デオキシアデノシン三リン酸 dCTP デオキシシチジン三リン酸 dGTP デオキシグアノシン三リン酸 dTTP デオキシチミジン三リン酸 SD配列 シャイン・ダルガーノ配列 kb キロ塩基 kbp キロ塩基対 bp 塩基対 LPS リポポリサッカライド EDTA エチレンジアミン四酢酸 DTT ジチオスレイトール kDa キロダルトン SDS ラウリル硫酸ナトリウム MOPS 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン
酸 以下に実施例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
実施例1 ヒトMCFをコードするDNAの単離 ヒト前骨髄性白血病細胞株HL−60細胞(ATCC株番号CC
L−240)を組織培養用シャーレ(90x16mm)に、培養液1
mlあたり約百万個の細胞密度で播いた。培養液には、10
%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地を用い、ホルボール
−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)及びビタ
ミンA酸を、それぞれ最終濃度として500ng/ml及び1μ
g/mlになるように添加した。この培養液中で、37℃、5
%炭酸ガス含有空気中、湿度90〜100%にて、2日間培
養した。培養終了後、培養液及び非付着性細胞を吸引除
去した。シャーレに付着した分化細胞を、LPS及びシク
ロヘキシミドを、それぞれ最終濃度として10μg/ml及び
1μg/mlになるように添加した10%ウシ胎児血清含有RP
MI−1640培地中で、上記と同条件下で、更に6時間培養
した。培養終了後、培養液を吸引除去し、シャーレ上に
残った細胞を、0.5%ラウロイルサルコシン酸ナトリウ
ム、5mMクエン酸ナトリウム及び0.1M 2−メルカプトエ
タノールを含む6Mグアニジルチオシアネート液にて溶解
し、均質化した。この液を0.1M EDTAを含む5.7M塩化セ
シウム水溶液上に重層し、超遠心分離機(日立工機、RP
27−2ローター)にて26,500rpmで20時間遠心分離する
ことにより、全RNAをペレットとして得た。この全RNAペ
レットを、0.35M塩化ナトリウム、20mMトリス及び20mM
EDTAを含む7M尿素液の少量に溶解し、エタノールを添加
し沈澱として回収した。
この全RNAを、1mM EDTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4)に溶解し、65℃で5分間加熱した。これに塩
化ナトリウムを最終濃度として0.5Mになるように添加し
たのち、予め1mM EDTA及び0.5M塩化ナトリウムを含む10
mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)にて平衡化したオリゴ(d
T)セルロースカラムに負荷し、同カラムに吸着したmRN
Aを、1mM EDTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に
て溶出することにより単離した。
上記で得られたmRNAを鋳型として、グブラーとホフマ
ンの方法(Gene,25巻,263頁,1983年)に準じてcDNAを合
成した。即ち、mRNAの約6μgを蒸留水に溶解(6μg/
6μl)し、これに0.6μlの100mM水酸化メチル水銀水
溶液を添加し、室温で10分間放置した。次いで、約20単
位のRNA分解酵素阻害剤(RNasin,プロメガ バイオテク
社、米国)を含む0.5M 2−メルカプトエタノール液の1.
8μlを添加した。室温で5分間放置の後、10mM塩化マ
グネシウム、1.25mM dGTP、1.25mM dATP、1.25mM dTT
P、0.5mM dCTP、0.17μM α−32−dCTP(放射比活性6,0
00Ci/mmole)、4μgのオリゴ(dT)12〜18、120単位
のトリ骨髄性白血病ウイルス由来逆転写酵素(バイオ・
ラッド社、米国)を含む32μlの50mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.3)を添加し、42℃で60分間反応させた後、0.5M
EDTA液の2μlを添加して反応を停止させた。この反応
液に、フェノール/クロロホルム混液(1:1)を添加
し、反応生成物(sscDNAとmRNAの複合体)を、水層に抽
出した。その水槽に酢酸アンモニウムを最終濃度として
2.5Mになるように添加し、更にエタノールを加えること
により、上記複合体を沈澱として回収した。
この反応生成物(sscDNAとmRNAの複合体)を、二次合
成緩衝液[組成:5mM塩化マグネシウム、10mM硫酸アンモ
ニウム、100mM塩化カリウム、0.15mM β−ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド、40μM dGTP、40μM dATP、
40μM dTTP、40μM dCTP、5μgのウシ血清アルブミ
ン、1.25単位の大腸菌リボヌクレアーゼH、24単位の大
腸菌DNAポリメラーゼIを含む20mMトリス塩酸緩衝液(p
H7.5)]の100μlに溶解した。これを12℃で60分間反
応させた後、2.5単位の大腸菌DNAリガーゼを添加し、更
に22℃で60分間反応させた。EDTAを添加することによ
り、反応を停止させた。反応生成物(dscDNA)は、フェ
ノール/クロロホルム混液(1:1)による抽出及びエタ
ノール処理により、沈澱として回収した。
この反応生成物(dscDNA)を、オリゴ(dC)鎖付加緩
衝液[組成:2mM塩化コバルト、0.2mM DTT、0.1mM dCTP
及び10単位のターミナル デオキシヌクレオチジル ト
ランスフェラーゼを含有する100mMカコジル酸ナトリウ
ム(pH7.2)]の100μlに溶解し、37℃で30分間反応さ
せることにより、dscDNAの3′末端にオリゴ(dC)鎖を
付加させた。反応生成物[オリゴ(dC)鎖付加dscDNA]
は、フェノール/クロロホルム混液(1:1)による抽出
及びエタノール処理により、沈澱として回収した。
上記のオリゴ(dC)鎖付加dscDNAを、オリゴ(dG)鎖
付加pBR322,Pst I−cut(ベセスダ リサーチ ラボラ
トリーズ、米国)とともに、アニーリング緩衝液[組
成:1mM EDTA及び100mM塩化ナトリウムを含む10mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.4)]中に溶解混合し、65℃で10分
間、57℃で2時間、更に45℃で2時間反応させることに
より、オリゴ(dC)鎖とオリゴ(dG)鎖を結合させ、環
状二重鎖の組み換えプラスミドを調製した。
上記の組み換えプラスミドを、次の方法に従って大腸
菌HB101株に導入しヒトcDNAライブラリーを作製した。
即ち、大腸菌HB101株をL培地[組成:1%トリプトン、
0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、0.1%ブドウ
糖(pH7.2)]に接種し、濁度(波長600nmの吸光度)が
約0.5に達するまで、30℃で培養した。この培養菌体液
を氷水中で30分間静置したのち、遠心分離にて菌体を採
取した。この菌体を50mM塩化カルシウム液中に再懸濁さ
せ、氷水中で60分間静置したのち、遠心分離にて菌体を
採取し、これを20%グリセリンを含む50mM塩化カルシウ
ム液中に懸濁させた。この菌体液に上記の組み換えプラ
スミド溶液を添加混合し、氷水中で20分間、室温で10分
間反応させたのち、L培地を添加して37℃で60分間振盪
培養した。その菌体液の一定量を、6.25μg/ml濃度のテ
トラサイクリンを含むL培地寒天平板(寒天濃度1.5
%)に播き、37℃で一夜培養し、テトラサイクリン耐性
クローンを選択して、ヒトcDNAライブラリーとした。
このヒトcDNAライブラリーから、ヒトMCFをコードす
るcDNAを、下記の化学合成オリゴデオキシリボヌクレオ
チドをプローブとして用い、ハナハンとメセルソンの方
法(Gene,10巻,63頁,1980年)に準じたコロニー・ハイ
ブリダイゼーション法により選択した。
即ち、ヒト培養細胞株THP−1細胞から単離された、
いわゆる天然型ヒトMCFの部分アミノ酸配列、Met−Asp
−His−Leu−Asp−Lys−Gln−Thr−Gln−Thr−Pro−Lys
−Thr、に基づいて下記式[1]〜[4]で示される4
種類のオリゴデオキシリボヌクレオチドを化学合成し、
プローブとして用いた。
但し、上記式中、YはT及びCを意味し、RはA及び
Gを意味し、NはT,C,A及びGを意味する。従って、式
[1]で示されるプローブは、8種類のDNA(14−mer)
の混合物であり、式[2]〜[4]で示されるプローブ
は、いずれも16種類のDNA(14−mer)の混合物である。
上記式[1]〜[4]のそれぞれの合成プローブ(10
0pmole)について、γ−32P−ATP(50pmole相当量:比
活性5,000Ci/mmole)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ
(10単位)を用いる基本反応条件下で、32Pにて末端標
識をした。
ヒトcDNAライブラリーの中から、式[1]と[2]の
プローブを混ぜたもの又は、式[3]と[4]のプロー
ブを混ぜたものの2種類の混合プローブのいずれのプロ
ーブとも結合する塩基配列を含むクローンを検索した。
コロニー・ハイブリダイゼーションの条件は、36℃で40
時間とした。その結果、約3.6万クローンの中から、35
クローンが選択された。これら一次選択されたクローン
から単離したcDNAについて、各種制限酵素を用いた制限
酵素地図解析を行い、いずれも共通の塩基配列を含むも
のであることを確認した。
最終的に選択した3種類の組み換えプラスミド(プラ
スミド番号:pHMCF7、pHMCF25及びpHMCF29)について、
その塩基配列をジデオキシ法にて決定した。pUC18及びp
UC19をクローニングベクターとし、TaKaRa 7−DEAZAシ
ークエンスキット(宝酒造)を用い、操作手順書(宝酒
造編)に従って実施した。
ヒトMCF前駆体をコードする塩基配列及び塩基配列か
ら演繹されるアミノ酸配列を、第1表にまとめて示す。
pHMCF7及びpHMCF29に組み込まれたヒトMCF前駆体をコー
ドする塩基配列は、第1表に示した配列中、塩基番号10
5及び226番目の塩基がそれぞれT及びGであった。一
方、pHMCF25に組み込まれたヒトMCF前駆体をコードする
塩基配列中、塩基番号105及び226番目の塩基は、それぞ
れC及びAであった。
第1表中、数字は塩基番号を示す。括弧内の数字はア
ミノ酸番号を示す。***は、翻訳終止コドンを意味す
る。塩基番号1〜297番目迄の塩基配列は、ヒトMCF前駆
体をコードする塩基配列、塩基番号70〜297番目迄の塩
基配列(式[A]で示される塩基配列に相当)は、ヒト
MCFをコードする塩基配列である。塩基番号105番目のY
は、C又はTである。塩基番号226番目のRは、G又は
Aである。アミノ酸番号1〜99番目迄のアミノ酸配列
は、ヒトMCF前駆体のアミノ酸配列(式[II]で示され
るアミノ酸配列に相当)、アミノ酸番号24〜99番目迄の
アミノ酸配列(式[I]で示されるアミノ酸配列に相
当)は、ヒトMCFのアミノ酸配列である。アミノ酸番号7
6番目のアミノ酸(Χ)は、Ala又はThrである。
実施例2 ヒトMCFポリペプチドの製造 (1)形質発現プラスミドpHMC076の構築 第1表に示すヒトMCF前駆体ポリペプチドの第24〜99
番目のアミノ酸配列、即ち式[I]で示されるアミノ酸
配列(但し、式[I]中、ΧはAlaである)を有するポ
リペプチドを生産するための形質発現プラスミドを、以
下の方法で構築した。即ち、実施例1に記載のプラスミ
ドpHMCF7から制限酵素Pst Iによる消化にて、第1表に
示すヒトMCF前駆体ポリペプチドの全領域をコードする
塩基配列を含む大きなDNA断片を単離した。このDNA断片
をM13mp18ファージベクター(宝酒造)のポリリンカー
領域にある制限酵素Pst Iの切断部位の領域に挿入し
た。この組み換えファージDNAを用い、クンケルらの方
法(Kunkel,T.A.ら,Methods in Enzymol.,154巻,367頁,
1987年)に準じた部位特異的変異誘導法により、ヒトMC
F前駆体ポリペプチドのN末端から第23番目のAlaと第24
番目のGlnをコードするコドンの間に の塩基配列を、更に該前駆体ポリペプチドのC末端アミ
ノ酸であるThrに続く翻訳終止コドン(TGA)と3′非翻
訳領域の塩基配列との間に の塩基配列を挿入した。部位特異的変異誘導には、MUTA
−GENEインビトロ ムタジェネシス キット(バイオ・
ラッド社)を用い、操作手順書(バイオ・ラッド社編)
に従って行った。即ち、上記の組み換えファージDNAを
大腸菌JM105株に感染させ、これを培養してファージを
採取した。次いで、このファージを大腸菌CJ236株に感
染させるとともに、ウリジン(1μg/ml)及びクロラム
フェニコール(20μg/ml)を含有する2xTY培地[組成:
1.6%トリプトン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウ
ム]中、37℃で5時間培養し、その培養上清からウラシ
ルが導入された単鎖ファージDNAを単離した。
別途、下記式[5]及び[6]で示される塩基配列を
有する2種類の変異誘導プライマーを常法に従って化学
合成した。
この変異誘導プライマーの5′末端にリン酸基を付加
し、このリン酸化プライマーを先に調製したウラシルが
導入された単鎖ファージDNAとアニール緩衝液[組成:2m
M塩化マグネシウム及び50mM塩化ナトリウムを含む20mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.4)]中、70℃で10分間反応さ
せたのち、1分間に1℃の割合で30℃まで徐々に冷却す
ることにより、変異誘導プライマーをファージDNAに結
合させた。次いで、合成緩衝液[組成:各0.4mMのデオ
キシヌクレオシド三リン酸(dGTP,dCTP,dATP,dTTP)、
0.75mM ATP、3.75mM塩化マグネシウム及び1.5mM DTTを
含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)]中、氷中に5分
間、25℃で5分間及び37℃で90分間の反応条件下で、T4
DNAポリメラーゼを作用させ鋳型のファージDNAに対し
て相補的なDNAを合成し、その末端をT4 DNAリガーゼに
て結合させ、反応を−20℃での凍結にて停止させること
により、環状二重鎖DNAを作製した。これを大腸菌JM105
株に感染させ、その各クローンについてそれぞれ培養
し、培養菌体から変異型複製型二重鎖DNAを単離した。
単離した変異型複製型二重鎖DNAの塩基配列が意図した
塩基配列に変換されていることを、上記の培養上清から
単離した単離DNAを用いた塩基配列の解析(ジデオキシ
法)により確認した。
次いで、変異型複製型二重鎖DNAから制限酵素Dra Iと
Xho Iによる消化にて、ヒトMCFポリペプチドをコードす
る領域を含むDNA断片を切り出した。このDNA断片を、MC
F(Dra I−Xho I)断片という。
別途、参考例1に記載の形質発現ベクターpEP205から
制限酵素Dra IとXho Iを用いて、アンピシリン耐性遺伝
子及び複製開始点を含む大きなDNA断片(この断片を、E
P205 vector−DNA断片という)を切り出し、これを上記
のMCF(Dra I−Xho I)断片とT4 DNAリガーゼを用いて
結合させることにより、ヒトMCF生産用形質発現プラス
ミドpHMC076を構築した。
形質発現プラスミドpHMC076を、実施例1に記載の方
法に準じて、大腸菌HB101株に導入した。該プラスミド
が導入された形質転換体を、25μg/ml濃度のアンピシリ
ンを含むLB培地寒天平板(寒天濃度1.5%)で、37℃に
て一夜培養し、アンピシリン耐性クローンを選択するこ
とにより得た。このアンピリシン耐性クローン、即ち形
質転換体を大腸菌HB101/pHMC076と名付けた。
(2)ヒトMCFポリペプチドの製造 上記で得た形質転換体(大腸菌HB101/pHMC076)を培
養し、常法に従って形質発現プラスミドpHMC076を抽出
し、塩化セシウム・エチジウムブロミド超遠心分離法に
て精製した(Maniatis,T.ら,Molecular Cloning,a labo
ratory manual;75〜96頁,Cold Spring Harbor Laborato
ry出版,1982年)。上記の形質発現プラスミドDNAを用
い、原核細胞由来DNA翻訳キット(Prokaryotic DNA−Di
rected Translation Kit、商品コード番号N.380、アマ
シャム社)にて、ヒトMCFポリペプチドを生産した。形
質発現プラスミド及び上記の翻訳キットを用いたポリペ
プチドの生産は、該キットに添付の操作手順書に従い、
必要に応じて、リボヌクレアーゼ阻害剤(ヒト胎盤由
来:アマシャム社)を添加した。
このヒトMCFポリペプチドがヒト単球に対する走化性
活性を有することを、前記の方法に従って確認した。
ヒトMCFポリペプチドは、次ぎの方法により精製され
る。即ち、硫酸アンモニウムを70%飽和になるように添
加し、静置ののち遠心分離により沈澱を採取する。この
沈澱を蒸留水に溶解させ、5mMリン酸塩緩衝化生理食塩
液(pH6.5)に対して透析したのちセファクリルS−200
カラム(ファルマシア社)を用いるゲル過に付し、SD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析にて、ヒトMCF
ポリペプチドを含む画分を集める。これを、20mMリン酸
塩緩衝液(pH6.5)に対して透析し、同緩衝液にて平衡
化したCM−セファロース(ファルマシア社)に負荷し、
同カラムに吸着したヒトMCFポリペプチドを、塩化ナト
リウムの濃度勾配(0〜0.5M)にて溶出する。ヒトMCF
ポリペプチドの溶出画分を集め限外過にて濃縮したの
ち、トヨパール HW−55(東ソー)を用いるゲル過に
より精製することにより、ヒトMCFポリペプチドの精製
品を得ることができる。
ヒトMCFポリペプチドの分子量は、SDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動法により、約13±1kDaと求められ
た。
実施例3 ヒトMCF活性を有するポリペプチドの製造 (1)形質発現プラスミドの構築 第1表に示すヒトMCF前駆体ポリペプチドのアミノ酸
配列(但し、第1表中のΧはAlaである)のN末端から
第27又は30番目のアミノ酸をN末端とするヒトMCF活性
を有するポリペプチド、即ち実施例2に記載のヒトMCF
ポリペプチドのN末端部分が欠失した種々のポリペプチ
ド生産用の形質発現プラスミドを構築した。
即ち、実施例2に記載の形質発現プラスミドpHMC076
から制限酵素Spe IとSal Iにより、実施例2に記載のMC
F(Dra I−Xho I)断片を含む大きなDNA断片を単離し、
これをM13mp19ファージベクター(宝酒造)のポリリン
カー領域にある制限酵素Sal IとXba Iの切断部分の領域
に挿入して組み換えファージDNAを作製した。この組み
換えファージDNAを鋳型とし、下記の種々の化学合成変
異誘導プライマーを用い、実施例2に記載の部位特異的
変異誘導法に従って、MCF(Dra I−Xho I)断片の塩基
配列中、ヒトMCFポリペプチドのN末端部分のアミノ酸
をコードする塩基配列を部分的に欠失させ、これを実施
例2に記載のEP205 vector−DNA断片と結合させること
により、構築した。
この部位特異的変異誘導に用いる変異誘導プライマー
の塩基配列は、下記の通りである。
第1表に示したヒトMCF前駆体ポリペプチドの第27〜9
9番目のアミノ酸配列(但し、第1表中のΧはAlaであ
る)(以下、N3−MCFポリペプチドと略す)を有するポ
リペプチド生産用形質発現プラスミド構築の場合、 ヒトMCF前駆体ポリペプチドの第30〜99番目のアミノ
酸配列(但し、第1表中のΧはAlaである)(以下、N6
−MCFポリペプチドと略す)を有するポリペプチド生産
性形質発現プラスミド構築の場合、 である。
実施例2に記載の方法に従って、それぞれの変異型複
製型二重鎖DNAを作製し単離した。次いで、それぞれの
変異型複製型二重鎖DNAから制限酵素Dra IとXho Iによ
る消化にて、該ポリペプチドをコードする塩基配列を含
むDNA断片を単離した。これらの各DNA断片を、形質発現
ベクターpEP205由来のEP205 vector−DNA断片と結合さ
せることにより、それぞれのポリペプチド生産用の形質
発現プラスミドを構築した。
N3−MCFポリペプチド生産用形質発現プラスミドをpHM
C073と名付け、N6−MCFポリペプチド生産用形質発現プ
ラスミドをpHMC070と名付けた。
各形質発現プラスミドを、前記の方法に従って、大腸
菌HB101株に導入し、形質転換体を得た。
(2)ヒトMCF活性を有するポリペプチドの製造 上記で得た形質転換体(大腸菌HB101/pHMC073及び大
腸菌HB101/pHMC070)を培養し、実施例2に記載の方法
に水違って各形質発現プラスミドを単離した、これらの
形質発現プラスミドを用い、実施例2に記載の方法に従
って、N3−MCFポリペプチド及びN6−MCFポリペプチドを
製造し、それらのヒト単球に対する走化性活性を確認し
た。
N3−MCFポリペプチド及びN6−MCFポリペプチドの分子
量、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析によ
り、いずれも約12±1kDaと求められた。但し、前者のポ
リペプチドの泳動距離はやや短く、後者のポリペプチド
よりも若干高分子量であった。
参考例1 形質発現ベクターpEP205の構築 プラスミドpBR322を、制限酵素Ava IとPvu IIにて消
化し、得られた大きな断片(約3.7kbp)を単離した。こ
のDNA断片の両端を、DNAポリメラーゼI(クレノー フ
ラグメント)及びdGTP、dATP、dCTP及びdTTPを用いて平
滑末端としたのち、T4DNAリガーゼにて結合させること
により、プラスミドpBR322の複製開始点近傍のコピー数
制限領域を欠失させたプラスミド ベクター(pBRS6と
いう)を作製した。
このベクターpBRS6を、制限酵素Pst IとEcoR Iにて消
化し、アンシピリン耐性遺伝子の上流領域を含む小さな
DNA断片(約0.75kbp)を単離した。このDNA断片をAmp
(Pst I−EcoR I)断片という。
このAmp(Pst I−EcoR I)断片を、実施例2に記載し
た方法に従ってM13mp18ファージ ベクター(宝酒造)
に挿入した。この組み換えファージDNAを用い、実施例
2に記載の方法による部位特異的変異誘導法により、Am
p(Pst I−EcoR I)断片中の一塩基(A)を他の塩基
(G)に変換することにより、制限酵素Dra Iの切断認
識配列(TTTAAA)を消去した。
即ち、ウラシルが導入された単鎖ファージDNAを、上
記の組み換えファージDNAを感染させた大腸菌CJ236株の
培養上清から単離した。
別途、下記式[7]で示される塩基配列を有する変異
誘導プライマーを常法に従って化学合成した。
この変異誘導プライマーの5′末端にリン酸基を付加
し、このリン酸化変異誘導プライマーを、上記のウラシ
ルが導入された単離ファージDNAと結合させ、実施例2
に記載の方法に従って、目的とする変異型複製型二重鎖
DNAを単離した。
この変異型複製型二重鎖DNAから制限酵素Pst IとEcoR
Iによる消化にて、Amp(Pst I−EcoR I)断片に対応し
制限酵素Dra Iの切断認識配列が消去されたDNA断片(変
異Amp(Pst I−EcoR I)断片という)を単離した。この
変異Amp(Pst I−EcoR I)断片を、前記のベクターpBRS
6から制限酵素EcoR IとPst Iにて切り出される大きなDN
A断片にT4 DNAリガーゼを用いて結合させることによ
り、プラスミド ベクターpBRS6の塩基配列中、アンピ
シリン耐性遺伝子領域に存在する制限酵素Dra Iの切断
認識配列が消去されたプラスミドを作製し、これをpBRS
601と名付けた。
更に、このプラスミド ベクターpBRS601を、制限酵
Dra Iによる消化にて得られた大きなDNA断片に、Sma
Iリンカー(宝酒造)をT4 DNAリガーゼにて結合させる
ことにより、新規プラスミド ベクターを作製した。こ
の新規プラスミド ベクターは、プラスミドpBR322の変
異誘導体であり、その塩基配列中、制限酵素Dra Iの切
断認識基塩基配列が完全に消去されたものであり、pBRS
602と名付けた。尚、Sma Iリンカーの塩基配列は下記の
とおりである。
更に、この新規ベクターpBRS602より、制限酵素Aat I
IとSal Iにて消化して得られる大きなDNA断片を単離し
た[この断片を、pBRS602(Aat II−Sal I)断片とい
う]。
別途に参考例2に記載したヒト インターロイキン1
α生産用形質発現プラスミドpHIPH383aから制限酵素Aat
IIとSal Iによる消化にて単離したDNA断片、即ちトリ
プトファン プロモーター領域及びヒト インターロイ
キン1αをコードする領域を含むDNA断片(trp promote
r/IL1α−DNA断片という)を単離した。このtrp promot
er/IL1α−DNA断片を、pBRS602(Aat II−Sal I)断片
とT4 DNAリガーゼを用いて結合させることにより、新規
の発現プラスミドを構築した。この発現プラスミドをpE
P205と名付けた。
参考例2 形質発現ベクターpHIPH383aの構築 ヒト インターロイキン1α前駆体ポリペプチドをコ
ードするクローン化cDNAは、ヨーロッパ公開特許第0188
920号に記載の方法に従って単離した。
このヒト インターロイキン1αcDNAが組み込まれた
組み換えプラスミドpHL4(Furutani,Y.ら,Nucleic Acid
s Res.,13巻,5869頁,1985年)から、制限酵素Pst Iによ
る消化にて、cDNA領域を切り出し、更に制限酵素EcoR I
BstN Iにて消化し、成熟型ヒト インターロイキン1
αをコードする領域の中央部に相当する約411bpのDNA断
片を単離した。このDNA断片は、ヨーロッパ公開特許第0
188920号の第5表記載の塩基番号第398〜808番目の塩基
配列に相当する。
このDNA断片に、下記の式[8]及び[9]で示され
る2種類の化学合成オリゴデオキシリボヌクレオチド
アダプターをT4 DNAリガーゼを用いて結合させた。ここ
で得られたDNA断片を、SD−IL1断片という。
式[8]の化学合成オリゴデオキシリボヌクレオチド
アダプターとは、下記式[a]〜[e]で示される5
種類のDNA断片を、順次結合させて作製したDNAアダプタ
ーである。
式[9]の化学合成オリゴヌクレオチド アダプター
の塩基配列は、次の通りである。
別途に、形質発現ベクターpEP302(Furutani,Y.ら,Nu
cleic Acids Res.,13巻,5869頁,1985年)を、制限酵素H
pa IとBamH Iにて消化し、大腸菌トリプトファン プロ
モーター領域部分及びアンピシリン耐性遺伝子を含む大
きなDNA断片(以下、EP302 vector−DNA断片という)を
単離した。
このEP302 vector−DNA断片を、上記のSD−IL1断片
と、T4 DNAリガーゼを用いて結合させることにより、成
熟型ヒト インターロイキン1αポリペプチド生産用の
形質発現プラスミドpHIPH383aを構築した。
フロントページの続き (72)発明者 山吉 迪子 大阪府豊中市西緑丘3丁目8番14号 (72)発明者 松島 綱治 アメリカ合衆国メリーランド州21701 フレデリック,ストーンゲートドライブ 178 (72)発明者 ジュスト・オッペンハイム アメリカ合衆国メリーランド州 20892 ベセスダ,ウインターベリーピーエ ル.7601 (56)参考文献 特開 平3−187380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 GenBank/EMBL/DDBJ BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列〔II〕: (上記配列中、ΧはAla又はThrを意味する)からなるヒ
    ト単球走化性因子前駆体ポリペプチドをコードするDNA
    又はその対立遺伝子変異体DNAにおいて、その5′末端
    側の24ないし29個のコドンが欠失したヌクレオチド配列
    を有するDNA。
  2. 【請求項2】請求項1記載のDNAが挿入された発現ベク
    ターで形質転換された宿主細胞を用いることを特徴とす
    るヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチドを製造
    する方法。
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