JP2893112B2 - ヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna - Google Patents

ヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチド及びそれをコードするdna

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA、及び該DNAを組み込んだ形質発現ベ
クターで形質転換した形質転換体を用いて製造し得るポ
リペプチド並びに該ポリペプチドの製造法等に関する。
単球走化性因子(以下、MCFと記す)は、例えば、ヒ
ト単球系細胞をリポポリサッカライド(LPS)と共に培
養したとき産生誘導される生理活性物質で、単球を動員
する活性や単球の有する腫瘍細胞増殖抑制作用を増強さ
せる活性化作用を有しており、単球が動員され更に活性
化されることにより、ある種の細菌感染症や癌の治療薬
としての臨床応用が期待される。
本発明者のうち、松島綱治、ジュスト オッペンハイ
ム等はヒト単球系白血病細胞を適当な誘導剤の存在下で
培養し、その培養上清中より、いわゆる天然型ヒトMCF
を単離した。そして、その天然型ヒトMCFを解析し、そ
の部分アミノ酸配列を解明すると共に、その分子量は約
15kDaと決定した。
本発明者等は、この天然型ヒトMCFの部分アミノ酸配
列に基づいて、ヒトMCFをコードするcDNAの単離に成功
し、このクローン化cDNAの塩基配列の解析により、ヒト
MCF前駆体の全アミノ酸配列を解明し、そのC末端側の7
6残基のアミノ酸からなるヒトMCFの分子量は、約9kDaと
計算される低分子量のポリペプチドであることを明らか
にした。
更に、このクローン化DNA及びその主要部を組み込ん
だ形質発現ベクターを作製し、これを用いて形質転換し
た形質転換体を培養することにより、ヒトMCF活性を有
するポリペプチドを製造することができることが判明
し、本発明を完成した。
本発明の第1の目的は、ヒトMCF活性を有し、下記の
アミノ酸配列[I]又はその主要部の配列を有するポリ
ペプチドをコードするDNAを提供することにある。
(但し、式[I]中xは、Ala又はThrである。) 本発明の第2の目的は、上記DNAを組み込んだ形質発
現ベクターで形質転換した宿主を用いて製造し得る上記
式[I]で示されるアミノ酸配列又はその主要部の配列
を有し、ヒトMCF活性を有するポリペプチドを提供する
ことにある。
本発明の第3の目的は、上記ポリペプチドの遺伝子工
学的手法による製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、以下の記載から明らかになるで
あろう。
本発明によれば、ヒトMCF活性を有し、式[I]で示
されるアミノ酸配列又はその主要部の配列を有するポリ
ペプチドをコードするDNA(以下単に本発明のDNAと記
す)を用い、遺伝子組み換え技術を応用して、ヒトMCF
の活性を有し、式[I]で示されるアミノ酸配列又はそ
の主要部の配列を有するポリペプチド(以下単に本発明
のポリペプチドと記す)を製造することができる。
本発明のDNAのうち、式[I]で示されるアミノ酸配
列を有するポリペプチドをコードするDNA(以下ヒトMCF
をコードするDNAと略記することもある)の具体的塩基
配列としては、下記の式[A]で示される塩基配列から
なるDNAが挙げられる。
(但し、式[A]中Yは、C又はTであり、Rは、G又
はAである。) ヒトMCFをコードするDNAは、実施例1に記載の方法又
はそれに準じた方法に従って単離することが出来る。更
に、化学的に全合成することも可能である。ヒトMCFの
主要部のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードす
るDNAは、ヒトMCFをコードするDNAの余分な領域又は欠
損している領域を、例えば適当な制限酵素による切断及
び/又は化学合成オリゴデオキシリボヌクレオチドの結
合による修復や部位特異的変異誘導法(Kunkel,T.A.ら,
Methods in Enzymol.,154巻,367頁,1987年等)等の方法
により製造することができる。
本発明のポリペプチド生産用の形質発現ベクターは、
遺伝子組み換え技術及び形質発現に関する基本的理論
(例えば、Maniatis,T.ら,Molecular Cloning,a labora
tory manual;Cold Spring Harbor Laboratory出版,1982
年を参照)に則り、本発明のDNAの5′末端(上流側)
に翻訳開始コドンATGを、かつ3′末端(下流側)には
終止コドンを有するDNA断片を作製し、これを適当なプ
ロモーター(例えばtrplacphoS、PL、SV40初期プ
ロモーター等)及びSD配列に続いて結合させ、更にこれ
らを宿主中で増殖可能な適当なベクター(例えばプラス
ミドpBR322等)に組み込むことにより作製することがで
きる。
好ましいSD配列から翻訳開始コドンまでの塩基配列と
しては、下記式[B]で示される塩基配列が挙げられ
る。
但し、式[B]中、X′は(A)xを意味し、xは1
〜5である。Y′は(A)y(T)zを意味し、yは0
〜3を、zは0又は1である。
この形質発現ベクターを適当な宿主、例えば大腸菌に
コーエンらの方法(Cohen,S.N.ら,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USA,69巻,2110頁,1972年)に準じて導入することに
より形質転換体を得ることができる。
本発明のポリペプチドは、この形質転換体を適当な培
養条件で培養することにより製造することができる。
この培養物を、例えばリゾチーム消化と凍結融解、超
音波破砕、フレンチプレス等により破壊したのち、遠心
分離又は過することにより該ポリペプチド含有抽出液
を得ることができる。この抽出液から除核酸処理、塩
析、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換ク
ロマトグラフィー、限外過、ゲル過操作、必要に応
じて透析、電気泳動、抗体カラムを用いるアフィニティ
ークロマトグラフィー等の方法を組み合せることにより
本発明のポリペプチドを精製することができる。
遺伝子組み換え技術により製造されるポリペプチドの
N末端には、宿主等の違いによって翻訳開始コドンに由
来するメチオニン残基が付加される場合がある。このよ
うなポリペプチドも、ヒトMCF活性を有する限り、本発
明のポリペプチドに含まれる。
本発明に係わるポリペプチドとは、前記式[I]で示
されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又はそのアミ
ノ酸配列の主要部の配列を含むポリペプチドであり、な
んらかのMCF活性、例えば単球を動員する作用或いは単
球の有する腫瘍細胞増殖抑制作用を増強させる活性化作
用を示すポリペプチドを意味する。又、ヒトMCFをコー
ドするDNAの対立遺伝子変異体DNAがコードするポリペプ
チド及びその主要部のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドも包含される。又、前記式[I]で示されるアミノ酸
配列を有するポリペプチドのN末端に他のアミノ酸又は
ペプチド、例えばヒトMCF前駆体ポリペプチドの前駆部
分の一部に相当するアミノ酸又はペプチドが付加したポ
リペプチドも、本発明のポリペプチドに包含される。
遺伝子組み換え技術の応用により製造した本発明のポ
リペプチドの諸性状については、以下の方法により分析
できる。
分子量は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により、分子量既知蛋白標準品(ファルマシア社、スウ
ェーデン)の移動度との対比により算出する。アミノ酸
配列は、エドマン分解法により決定できる。即ち、本発
明のポリペプチドを、フルマーの方法(Fullmer,C.S.,A
nal.Biochem.,142巻,336頁,1984年)に従って、尿素存
在下での2−メルカプトエタノール処理にて分子内のジ
スルフィド結合を開裂させ、Cys残基を4−ビニルピリ
ジン処理にて、ピリジルエチル化ポリペプチドを調製す
る。更に、ピリジルエチル化ポリペプチドをメタロエン
ドペプチダーゼ(EC3.4.24)等にて消化し、得られたペ
プチド断片をシンクロパック(SynChropak)RP−Pカラ
ム(シンクロム社、米国)を用い、トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配溶出による高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)にて単離する。このピリジルエ
チル化ポリペプチド及び各ペプチド断片のN末端部分の
アミノ酸配列をプロテイン シークエンサー自動分析装
置(アプライド バイオシステム社、米国)を用いて解
析する。
単球走化性活性は、ボイデン走化性活性検定槽(Boyd
en chemotaxis chamber:ニューロ・プローブ社、米国)
を用いて検定できる。即ち、ポリカーボネート膜(孔径
8μm:ヌクレオボア社、米国)で隔てた一方の室に本発
明のポリペプチド液を入れ、他室にヒト単核球を入れ
る。37℃にて加温の後、膜の検体液室側の面に移動した
細胞数を、メタノール固定及びギムザ染色の後、顕微鏡
下にて計測する。本発明のポリペプチドの希釈及び培養
用培地には、0.5%ウシ血清アルブミン含有培養培地RPM
I−1640培地を用いればよい。
腫瘍細胞増殖抑制活性は、次ぎの方法にて検定でき
る。即ち、ヒト単球や単球/マクロファージ様細胞を96
穴培養プレートに播き、37℃で培養後、浮遊性細胞を除
去し、プレート粘着性細胞を準備する。この粘着性細胞
に本発明のポリペプチド液及び標的腫瘍細胞(例えば、
ヒト悪性黒色腫細胞A375細胞:ATCC株番号CRL−1619)を
添加し、37℃にて3日間培養する。培養終了の6〜24時
間前に、トリチウム標識チミジンを添加し、標的腫瘍細
胞内への取り込み量を低下により評価する。本発明のポ
リペプチドの希釈及び培養用培地には、5%ウシ胎児血
清含有RPMI−1640培地を用いればよい。
本発明のポリペプチドの製剤化に際しては、賦形剤や
安定化剤を添加するのが好ましい。安定化剤としては、
例えばアルブミン、グロブリン、ゼラチン、プロタミ
ン、プロタミン塩、グルコース、ガラクトース、キシロ
ース、マンニトール、グルクロン酸、トレハロース、デ
キストラン、ヒドロキシエチルデンプン、非イオン界面
活性剤等が挙げられる。
尚、本明細書では記載の簡略化のために以下の略号を
使用する。
A アデニン C シトシン G グアニン T チミン RNA リポ核酸 mRNA 伝令RNA DNA デオキシリボ核酸 cDNA 相補性DNA sscDNA 単鎖cDNA dscDNA 二重鎖cDNA ATP アデノシン三リン酸 dATP デオキシアデノシン三リン酸 dCTP デオキシシチジン三リン酸 dGTP デオキシグアノシン三リン酸 dTTP デトキシチミジン三リン酸 SD配列 シャイン・ダルガーノ配列 kb キロ塩基 kbp キロ塩基対 bp 塩基対 LPS リポポリサッカライド EDTA エチレンジアミン四酢酸 DTT ジチオスレイトール kDa キロダルトン SDS ラウリル硫酸ナトリウム MOPS 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸 以下に実施例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
実施例1 ヒトMCFをコードするDNAの単離 ヒト前骨髄性白血病細胞株HL−60細胞(ATCC株番号CC
L−240)を組織培養用シャーレ(90×16mm)に、培養液
1mlあたり約百万個の細胞密度で播いた。培養液には、1
0%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地を用い、ホルボー
ル−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)及びビ
タミンA酸を、それぞれ最終濃度として500ng/ml及びμ
g/mlになるように添加した。この培養液中で、37℃、5
%炭酸ガス含有空気中、湿度90〜100%にて、2日間培
養した。培養終了後、培養液及び非付着性細胞を吸引除
去した。シャーレに付着した分化細胞を、LPS及びシク
ロヘキシミドを、それぞれ最終濃度として10μg/ml及び
1μg/mlになるように添加した10%ウシ胎児血清含有RP
MI−1640培地中で、上記と同条件下で、更に6時間培養
した。培養終了後、培養液を吸引除去し、シャーレ上に
残った細胞を、0.5%ラウロイルサルコシン酸ナトリウ
ム、5mMクエン酸ナトリウム及び0.1M 2−メルカプトエ
タノールを含む6Mグアニジルチオシアネート液にて溶解
し、均質化した。この液を0.1M EDTAを含む5.7M塩化セ
シウム水溶液上に重層し、超遠心分離機(日立工機、RP
27−2ローター)にて26,500rpmで20時間遠心分離する
ことにより、全RNAをペレットとして得た。この全RNAペ
レットを、0.35M塩化ナトリウム、20mMトリス及び20mM
EDTAを含む7M尿素液の少量に溶解し、エタノールを添加
し沈澱として回収した。
この全RNAを、1mM EDTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4)に溶解し、65℃で5分間加熱した。これに塩
化ナトリウムを最終濃度として0.5Mになるように添加し
たのち、予め1mM EDTA及び0.5M塩化ナトリウムを含む10
mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)にて平衡化したオリゴ(d
T)セルロースカラムに負荷し、同カラムに吸着したmRN
Aを、1mM EDTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に
て溶出することにより単離した。
上記で得られたmRNAを鋳型として、グブラーとホフマ
ンの方法(Gene,25巻,263頁,1983年)に準じてcDNAを合
成した。即ち、mRNAの約6μgを蒸留水に溶解(6μg/
6μl)し、これに0.6μlの100mM水酸化メチル水銀水
溶液を添加し、室温で10分間放置した。次いで、約20単
位のRNA分解酵素阻害剤(RNasin,プロメガ バイオテク
社、米国)を含む0.5M 2−メルカプトエタノール液の1.
8μlを添加した。室温で5分間放置の後、10mM塩化マ
グネシウム、1.25mM dGTP、1.25mM dATP、1.25mM dTT
P、0.5mM dCTP、0.17μM α−32p−dCTP(放射比活性
6,000Ci/mmole)、4μgのオリゴ(dt)12〜18、120
単位のトリ骨髄性白血病ウイルス由来逆転写酵素(バイ
オ・ラッド社、米国)を含む32μlの50mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.3)を添加し、42℃で60分間反応させた後、
0.5M EDTA液の2μlを添加して反応を停止させた。こ
の反応液に、フェノール/クロロホルム混液(1:1)を
添加し、反応生成物(sscDNAとmRNAの複合体)を、水層
に抽出した。その水層に酢酸アンモニウムを最終濃度と
して2.5Mになるように添加し、更にエタノールを加える
ことにより、上記複合体を沈澱として回収した。
この反応生成物(sscDNAとmRNAの複合体)を、二次合
成緩衝液[組成:5mM塩化マグネシウム、10mM硫酸アンモ
ニウム、100mM塩化カリウム、0.15mM β−ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド、40μM dGTP、40μM dAT
P、40μM dTTP、40μM dCTP、5μgのウシ血清アルブ
ミン、1.25単位の大腸菌リボヌクレアーゼH、24単位の
大腸菌DNAポリメラーゼIを含む20mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)]の100μlに溶解した。これを12℃で60分間
反応させた後、2.5単位の大腸菌DNAリガーゼを添加し、
更に22℃で60分間反応させた。EDTAを添加することによ
り、反応を停止させた。反応生成物(dscDNA)は、フェ
ノール/クロロホルム混液(1:1)による抽出及びエタ
ノール処理により、沈澱として回収した。
この反応生成物(dscDNA)を、オリゴ(dC)鎖付加緩
衝液[組成:2mM塩化コバルト、0.2mM DTT、0.1mM dCTP
及び10単位のターミナル デオキシヌクレオチジル ト
ランスフェラーゼを含有する100mMカコジル酸ナトリウ
ム(pH7.2)]の100μlに溶解し、37℃で30分間反応さ
せることにより、dscDNAの3′末端にオリゴ(dC)鎖を
付加させた。反応生成物[オリゴ(dC)鎖付加dscDNA]
は、フェノール/クロロホルム混液(1:1)による抽出
及びエタノール処理により、沈澱として回収した。
上記のオリゴ(dC)鎖付加dscDNAを、オリゴ(dG)鎖
付加pBR322,PstI−cut(ベセスダ リサーチ ラボラ
トリーズ、米国)とともに、アニーリング緩衝液[組
成:1mM EDTA及び100mM塩化ナトリウムを含む10mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.4)]中に溶解混合し、65℃で10分
間、57℃で2時間、更に45℃で2時間反応させることに
より、オリゴ(dC)鎖とオリゴ(dG)鎖を結合させ、環
状二重鎖の組み換えプラスミドを調製した。
上記の組み換えプラスミドを、次の方法に従って大腸
菌HB101株に導入しヒトcDNAライブラリーを作製した。
即ち、大腸菌HB101株をL培地[組成:1%トリプトン、
0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、0.1%ブドウ
糖(pH7.2)]に接種し、濁度(波長600nmの吸光度)が
約0.5に達するまで、30℃で培養した。この培養菌体液
を氷水中で30分間静置したのち、遠心分離にて菌体を採
取した。この菌体を50mM塩化カルシウム液中に再懸濁さ
せ、氷水中で60分間静置したのち、遠心分離にて菌体を
採取し、これを20%グリセリンを含む50mM塩化カルシウ
ム液中に懸濁させた。この菌体液に上記の組み換えプラ
スミド溶液を添加混合し、氷水中で20分間、室温で10分
間反応させたのち、L培地を添加して37℃で60分間振盪
培養した。その菌体液の一定量を、6.25μg/ml濃度のテ
トラサイクリンを含むL培地寒天平板(寒天濃度1.5
%)に播き、37℃で一夜培養し、テトラサイクリン耐性
クローンを選択して、ヒトcDNAライブラリーとした。
このヒトcDNAライブラリーから、ヒトMCFをコードす
るcDNAを、下記の化学合成オリゴデオキシリボヌクレオ
チドをプローブとして用い、ハナハンとメセルソンの方
法(Gene,10巻,63頁,1980年)に準じたコロニー・ハイ
ブリダイゼーション法により選択した。
即ち、ヒト培養細胞株THP−1細胞から単離された、
いわゆる天然型ヒトMCFの部分アミノ酸配列、Met−Asp
−His−Leu−Asp−Lys−Gln−Thr−Gln−Thr−Pro−Lys
−Thr、に基づいて下記式[1]〜[4]で示される4
種類のオリゴデオキシリボヌクレオチドを化学合成し、
プローブとして用いた。
但し、上記式中、YはT及びCを意味し、RはA及びG
を意味し、NはT,C,A及びGを意味する。従って、式
[1]で示されるプローブは、8種類のDNA(14−mer)
の混合物であり、式[2]〜[4]で示されるプローブ
は、いずれも16種類のDNA(14−mer)の混合物である。
上記式[1]〜[4]のそれぞれの合成プローブ(10
0pmole)について、γ−32p−ATP(50pmole相当量:比
活性5,000Ci/mmole)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ
(10単位)を用いる基本反応条件下で、32pにて末端標
識をした。
ヒトcDNAライブラリーの中から、式[1]と[2]の
プローブを混ぜたもの又は、式[3]と[4]のプロー
ブを混ぜたものの2種類の混合プローブのいずれのプロ
ーブとも結合する塩基配列を含むクローンを検索した。
コロニー・ハイブリダイゼーションの条件は、36℃で40
時間とした。その結果、約3.6万クローンの中から、35
クローンが選択された。これら一次選択されたクローン
から単離したcDNAについて、各種制限酵素を用いた制限
酵素地図解析を行い、いずれも共通の塩基配列を含むも
のであることを確認した。
最終的に選択した3種類の組み換えプラスミド(プラ
スミド番号:pHMCF7、pHMCF及びpHMCF29)について、そ
の塩基配列をジデオキシ法にて決定した。pUC18及びpUC
19をクローニングベクターとし、TaKaRa 7−DEAZAシー
クエンスキット(宝酒造)を用い、操作手順書(宝酒造
編)に従って実施した。
ヒトMCF前駆体をコードする塩基配列及び塩基配列か
ら演繹されるアミノ酸配列を、第1表にまとめて示す。
pHMCF7及びpHMCF29に組み込まれたヒトMCF前駆体をコー
ドする塩基配列は、第1表に示した配列中、塩基番号10
5及び226番目の塩基が、それぞれT及びGであった。一
方、pHMCF25に組み込まれたヒトMCF前駆体をコードする
塩基配列中、塩基番号105及び226番目の塩基は、それぞ
れC及びAであった。
第1表中、数字は塩基番号を示す。括弧内の数字はア
ミノ酸番号を示す。***は、翻訳終止コドンを意味す
る。塩基番号1〜297番目迄の塩基配列は、ヒトMCF前駆
体をコードする塩基配列、塩基番号70〜297番目迄の塩
基配列(式[A]で示される塩基配列に相当)は、ヒト
MCFをコードする塩基配列である。塩基番号105番目のY
は、C又はTである。塩基番号226番目のRは、G又は
Aである。アミノ酸番号1〜99番目迄のアミノ酸配列
は、ヒトMCF前駆体のアミノ酸配列(式[II]で示され
るアミノ酸配列に相当)、アミノ酸番号24〜99番目迄の
アミノ酸配列(式[I]で示されるアミノ酸配列に相
当)は、ヒトMCFのアミノ酸配列である。アミノ酸番号7
6番目のアミノ酸(X)は、Ala又はThrである。
実施例2 ヒトMCFポリペプチドの製造 (1)形質発現プラスミドpHMC076の構築 第1表に示すヒトMCF前駆体ポリペプチドの第24〜99
番目のアミノ酸配列、即ち式[I]で示されるアミノ酸
配列(但し、式[I]中、XはAlaである)を有するポ
リペプチドを生産するための形質発現プラスミドを、以
下の方法で構築した。即ち、実施例1に記載のヒトMCF
をコードするcDNAが組み込まれたプラスミドpHMCF7から
制限酵素PstIによる消化にて、第1表に示すヒトMCF前
駆体ポリペプチドの全領域をコードする塩基配列を含む
大きなDNA断片を単離した。このDNA断片をM13mp18ファ
ージベクター(宝酒造)のポリリンカー領域にある制限
酵素PstIの切断部位の領域に挿入した。この組み換え
ファージDNAを用い、クンケルらの方法(Kunkel,T.A.
ら,Methods in Enzymol.,154巻,367頁,1987年)に準じ
た部位特異的変異誘導法により、ヒトMCF前駆体ポリペ
プチドのN末端から第23番目のAlaと第24番目のGlnをコ
ードするコドンの間に の塩基配列を、更に該前駆体ポリペプチドのC末端アミ
ノ酸であるThrに続く翻訳終止コドン(TGA)と3′非翻
訳領域の塩基配列との間に の塩基配列を挿入した。部位特異的変異誘導には、MUTA
−GENEインビトロ ムタジェネシス キット(バイオ・
ラッド社)を用い、操作手順書(バイオ・ラッド社編)
に従って行った。即ち、上記の組み換えファージDNAを
大腸菌JM105株に感染させ、これを培養してファージを
採取した。次いで、このファージを大腸菌CJ236株に感
染させるとともに、ウリジン(1μg/ml)及びクロラム
フェニコール(20μg/ml)を含有する2xTY培地[組成:
1.6%トリプトン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウ
ム]中、37℃で5時間培養し、その培養上清からウラシ
ルが導入された単鎖ファージDNAを単離した。
別途、下記式[5]及び[6]で示される塩基配列を
有する2種類の変異誘導プライマーを常法に従って化学
合成した。
この変異誘導プライマーの5′末端にリン酸基を付加
し、このリン酸化プライマーを先に調製したウラシルが
導入された単鎖ファージDNAとアニール緩衝液[組成:2m
M塩化マグネシウム及び50mM塩化ナトリウムを含む20mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.4)]中、70℃で10分間反応さ
せのち、1分間に1℃の割合で30℃まで徐々に冷却する
ことにより、変異誘導プライマーをファージDNAに結合
させた。次いで、合成緩衝液[組成:各0.4mMのデオキ
シヌクレオシド三リン酸(dGTP,dCTP,dATP、dTTP)、0.
75 mM ATP、3.75mM塩化マグネシウム及び1.5mM DTTを含
む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)]中、氷中に5分
間、25℃で5分間及び37℃で90分間の反応条件下で、T4
DNAポリメラーゼを作用させ鋳型のファージDNAに対し
て相補的なDNAを合成し、その末端をT4 DNAリガーゼに
て結合させ、反応を−20℃での凍結にて停止させること
により、環状二重鎖DNAを作製した。これを大腸菌JM105
株に感染させ、その各クローンについてそれぞれ培養
し、培養菌体から変異型複製型二重鎖DNAを単離した。
単離した変異型複製型二重鎖DNAの塩基配列が意図した
塩基配列に変換されていることを、上記の培養上清から
単離した単鎖DNAを用いた塩基配列の解析(ジデオキシ
法)により確認した。
次いで、変異型複製型二重鎖DNAから制限酵素DraIと
XhoIによる消化にて、ヒトMCFポリペプチドをコードす
る領域を含むDNA断片を切り出した。このDNA断片を、MC
F(DraI−XhoI)断片という。
別途、参考例1に記載の形質発現ベクターpEP205から
制限酵素DraIとXhoIを用いて、アンピシリン耐性遺伝
子及び複製開始点を含む大きなDNA断片(この断片を、E
P205 vector−DNA断片という)を切り出し、これを上記
のMCF(DraI−XhoI)断片とT4 DNAリガーゼを用いて結
合させることにより、ヒトMCF生産用形質発現プラスミ
ドpHMC076を構築した。
形質発現プラスミドpHMC076を、実施例1に記載の方
法に準じて、大腸菌HB101株に導入した。該プラスミド
が導入された形質転換体を、25μg/ml濃度のアンピシリ
ンを含むLB培地寒天平板(寒天濃度1.5%)で、37℃に
て一夜培養し、アンピシリン耐性クローンを選択するこ
とにより得た。このアンピシリン耐性クローン、即ち形
質転換体を大腸菌HB101/pHMC076と名付け、式[I]で
示されるアミノ酸配列(但し、式[I]中、Xは、Ala
である)を有するヒトMCFポリペプチドの生産菌とし
た。
(2)ヒトMCFポリペプチドの製造 上記で得たヒトMCFポリペプチドの生産菌、大腸菌HB1
01/pHMC076をLB培地にて37℃で一夜培養したのち、その
菌体液を約100倍量の栄養培地[組成:1.5%リン酸二ナ
トリウム・12水塩、0.3%リン酸一カリウム、0.1%塩化
アンモニウム、2mg/l ビタミンB1、0.5%カザミノ酸、
2mM硫酸マグネシウム、0.1mM塩化カルシウム、1%トリ
プトン、0.5%酵母エキス、1%塩化ナトリウム、0.4%
グリセリン]に接種し、更にインドール−3−アクリル
酸を最終濃度20μg/mlになるように添加したのち、35〜
37℃で20〜30時間培養する。菌体を遠心分離により採取
し、0.1%リゾチーム及び30mM塩化ナトリウムを含む50m
Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁させる。氷水中で30
分間静置したのちドライアイス/エタノール浴での凍結
と37℃での融解を繰り返して菌体を破壊し、これに1/50
容量の10%ポリエチレンイミンを加えて静置ののち遠心
分離にて菌体残査等を除いた抽出液を得る。この抽出液
に硫酸アンモニウムを70%飽和になるように添加し、静
置ののち遠心分離により沈澱を採取する。この沈澱を蒸
留水に溶解させ、5mMリン酸塩緩衝化生理食塩液(pH6.
5)に対して透析したのちセファクリルS−200カラム
(ファルマシア社)を用いるゲル過に付し、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動分析して、ヒトMCFポリ
ペプチドを含む画分を集める。これを、20mMリン酸塩緩
衝液(pH6.5)に対して透析し、同緩衝液にて平衡化し
たCM−セファロース(ファルマシア社)に負荷し、同カ
ラムに吸着したヒトMCFポリペプチドを、塩化ナトリウ
ムの濃度勾配(0〜0.5M)にて溶出する。ヒトMCFポリ
ペプチドの溶出画分を集め限外過にて濃縮したのち、
トヨパールHW−55(東ソー)を用いるゲル過により精
製することにより、ヒトMCFポリペプチドの精製品を得
ることができる。
実施例3 ヒトMCF活性を有するポリペプチドの製造 (1)形質発現プラスミドの構築 第1表に示すヒトMCF前駆体ポリペプチドのアミノ酸
配列(但し、第1表中のXはAlaである)のN末端から
第27又は30番目のアミノ酸をN末端とするヒトMCF活性
を有するポリペプチド、即ち実施例2に記載のヒトMCF
ポリペプチドのN末端部分が欠失した種々のポリペプチ
ド生産用の形質発現プラスミドを構築した。
即ち、実施例2に記載の形質発現プラスミドpHMC076
から制限酵素SpeIとSalIにより、実施例2に記載のMC
F(DraI−XhoI)断片を含む大きなDNA断片を単離し、こ
れをM13mp19ファージベクター(宝酒造)のポリリンカ
ー領域にある制限酵素SalIとXbaIの切断部位の領域に
挿入して組み換えファージDNAを作製した。この組み換
えファージDNAを鋳型とし、下記の種々の化学合成変異
誘導プライマーを用い、実施例2に記載の部位特異的変
異誘導法に従って、MCF(DraI−XhoI)断片の塩基配列
中、ヒトMCFポリペプチドのN末端のアミノ酸をコード
する塩基配列を部分的に欠失させ、これを実施例2に記
載のEP205 vector−DNA断片と結合させることにより、
構築した。
この部位特異的変異誘導に用いる変異誘導プライマー
の塩基配列は、下記の通りである。
第1表に示したヒトMCF前駆体ポリペプチドの第27〜9
9番目のアミノ酸配列(但し、第1表中のXはAlaであ
る)を有するポリペプチド生産用形質発現プラスミド構
築の場合、 ヒトMCF前駆体ポリペプチドの第30〜99番目のアミノ
酸配列(但し、第1表中のXはAlaである)を有するポ
リペプチド生産用形質発現プラスミド構築の場合、 である。
実施例2に記載の方法に従って、それぞれの変異型複
製型二重鎖DNAを作製し単離した。次いで、それぞれの
変異型複製型二重鎖DNAから制限酵素DraIとXhoIによ
る消化にて、該ポリペプチドをコードする塩基配列を含
むDNA断片を単離した。これらの各DNA断片を、形質発現
ベクターpEP205由来のEP205 vector−DNA断片と結合さ
せることにより、それぞれのポリペプチド生産用の形質
発現プラスミドを構築した。
(2)ヒトMCF活性を有するポリペプチドの製造 前項で作製した形質発現プラスミドを用い、実施例2
に記載の方法に従って、大腸菌HB101株に導入し形質転
換体を作製する。次いで、これらの形質転換体を用い、
実施例2に記載の方法に従って、ヒトMCF活性を有する
ポリペプチドを製造することができる。
上記の形質発現プラスミドDNAを用い、原核細胞由来D
NA翻訳キット(Prokartyotic DNA−Directed Translati
on Kit、アマシャム社)にて、試験管内でポリペプチド
を合成することができる。形質発現プラスミドDNAは、
常法に従って抽出し、塩化セシウム・エチジウムブロミ
ド超遠心分離法にて精製した(Maniatis,T.ら,Molecula
r Cloing,a laboratory manual;75〜96頁,Cold Spring
Harbor Laboratory出版,1982年)。形質発現プラスミド
及び上記の翻訳キットを用いたポリペプチドの生産は、
該キットに添付の操作手順書に従い、トリチウム標識ロ
イシンを用いる系を採用し、かつ転写・翻訳反応系に、
リボヌクレアーゼ阻害剤(ヒト胎盤由来:アマシャム
社)を添加する。生産産物は、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(Laemmli,U.K.,Nature,227巻,680頁,19
70年)ののちオートラジオグラフィー解析、生物活性に
より同定する。
参考例1 形質発現ベクターpEP205の構築 プラスミドpBR322を、制限酵素AvaIとPvuIIにて消化
し、得られた大きな断片(約3.7kbp)を単離した。この
DNA断片の両端を、DNAポリメラーゼI(クレノー フラ
グメント)及びdGTP、dATP、dCTP及びdTTPを用いて平滑
末端としたのち、T4 DNAリガーゼにて結合させることに
より、プラスミドpBR322の複製開始点近傍のコピー数制
御領域を欠失させたプラスミド ベクター(pBRS6とい
う)を作製した。
このベクターpBRS6を、制限酵素PstIとEcoRIにて消
化し、アンピシリン耐性遺伝子の上流領域を含む小さな
DNA断片(約0.75kbp)を単離した。このDNA断片をAmp
(PstI−EcoRI)断片という。
このAmp(PstI−EcoRI)断片を、実施例2に記載した
方法に従ってM13mp18ファージ ベクター(宝酒造)に
挿入した。この組み換えファージDNAを用い、実施例2
に記載の方法による部位特異的変異誘導法により、Amp
(PstI−EcoRI)断片中の一塩基(A)を他の塩基
(G)に変換することにより、制限酵素DraIの切断認
識配列(TTTAAA)を消去した。
即ち、ウラシルが導入された単鎖ファージDNAを、上
記の組み換えファージDNAを感染させた大腸菌CJ236株の
培養上清から単離した。
別途、下記式[7]で示される塩基配列を有する変異
誘導プライマーを常法に従って化学合成した。
この変異誘導プライマーの5′末端にリン酸基を付加
し、このリン酸化変異誘導プライマーを、上記のウラシ
ルが導入された単鎖ファージDNAと結合させ、実施例2
に記載の方法に従って、目的とする変異型複製型二重鎖
DNAを単離した。
この変異型複製型二重鎖DNAから制限酵素PstIとEcoR
Iによる消化にて、Amp(PstI−EcoRI)断片に対応し制
限酵素DraIの切断認識配列が消去されたDNA断片(変異
Amp(PstI−EcoRI)断片という)を単離した。この変異
Amp(PstI−EcoRI)断片を、前記のベクターpBRS6から
制限酵素EcoRIとPstIにて切り出される大きなDNA断片
にT4 DNAリガーゼを用いて結合させることにより、プラ
スミド ベクターpBRS6の塩基配列中、アンピシリン耐
性遺伝子領域に存在する制限酵素DraIの切断認識配列
が消去されたプラスミドを作製し、これをpBRS601と名
付けた。
更に、このプラスミド ベクターpBRS601を、制限酵
DraIによる消化にて得られた大きなDNA断片に、SmaI
リンカー(宝酒造)をT4 DNAリガーゼにて結合させるこ
とにより、新規プラスミド ベクターを作製した。この
新規プラスミド ベクターは、プラスミドpBR322の変異
誘導体であり、その塩基配列中、制限酵素DraIの切断
認識塩基配列が完全に消去されたものであり、pBRS602
と名付けた。尚、SmaIリンカーの塩基配列は下記のとお
りである。
更に、この新規ベクターpBRS602より、制限酵素AatII
SalIにて消化して得られる大きなDNA断片を単離した
[この断片を、pBR602(AatII−SalI)断片という]。
別途に参考例2に記載したヒト インターロイキン1
α生産用形質発現プラスミドpHIPH383aから制限酵素Aat
IIとSalIによる消化にて単離したDNA断片、即ちトリプ
トファン プロモーター領域及びヒト インターロイキ
ン1αをコードする領域を含むDNA断片(trp promoter/
IL1α−DNA断片という)を単離した。このtrp promoter
/IL1α−DNA断片を、pBRS602(AatII−SalI)断片とT4
DNAリガーゼを用いて結合させることにより、新規の発
現プラスミドを構築した。この発現プラスミドをpEP205
と名付けた。
参考例2 形質発現ベクターpHIPH383aの構築 ヒト インターロイキン1α前駆体ポリペプチドをコ
ードするクローン化cDNAは、ヨーロッパ公開特許第0188
920号に記載の方法に従って単離した。
このヒト インターロイキン1αcDNAが組み込まれた
組み換えプラスミドpHL4(Furutani,Y.ら,Nucleic Acid
s Res.,13巻,5869頁,1985年)から、制限酵素PstIによ
る消化にて、cDNA領域を切り出し、更に制限酵素EcoRI
BstNIにて消化し、成熟型ヒト インターロイキン1
αをコードする領域の中央部に相当する約411bpのDNA断
片を単離した。このDNA断片は、ヨーロッパ公開特許第0
188920号の第5表記載の塩基番号第398〜808番目の塩基
配列に相当する。
このDNA断片に、下記の式[8]及び[9]で示され
る2種類の化学合成オリゴデオキシリボヌクレオチド
アダプターをT4 DNAリガーゼを用いて結合させた。ここ
で得られたDNA断片を、SD−IL1断片という。
式[8]の化学合成オリゴデオキシリボヌクレオチド
アダプターとは、下記式[a]〜[e]で示される5
種類のDNA断片を、順次結合させて作製したDNAアダプタ
ーである。
式[9]の化学合成オリゴヌクレオチド アダプター
の塩基配列は、次の通りである。
別途に、形質発現ベクターpEP302(Furutani,Y.ら,Nu
cleic Acids Res.,13巻,5869頁,1985年)を、制限酵素H
paIとBamHIにて消化し、大腸菌トリプトファン プロ
モーター領域部分及びアンピシリン耐性遺伝子を含む大
きなDNA断片(以下、EP302 vector−DNA断片という)を
単離した。
このEP302 vector−DNA断片を、上記のSD−IL1断片
と、T4 DNAリガーゼを用いて結合させることにより、成
熟型ヒト インターロイキン1αポリペプチド生産用の
形質発現プラスミドpHIPH383aを構築した。
フロントページの続き (72)発明者 松島 綱治 アメリカ合衆国メリーランド州21701 フレデリック,ストーンゲートドライブ 178 (72)発明者 ジュスト・オッペンハイム アメリカ合衆国メリーランド州20892 ベセスダ,ウインターベリーピーエル. 7601

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列: (但し、上記配列中、XはAla又はThrである)からなる
    ヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチドをコード
    するDNA。
  2. 【請求項2】N末端の1ないし6個のアミノ酸残基が場
    合により欠失されている以下のアミノ酸配列: (但し、上記配列中、XはAla又はThrである)からなる
    ヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチドをコード
    するDNA。
  3. 【請求項3】以下のアミノ酸配列: (但し、上記配列中、XはAla又はThrである)またはそ
    の対立遺伝子変異型(但し、該対立遺伝子変異型は少な
    くとも70個のアミノ酸残基を含む)からなるヒト単球走
    化性因子活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    DNAが挿入された発現ベクターで形質転換された宿主細
    胞を用いることを特徴とするヒト単球走化性因子活性を
    有するポリペプチドを製造する方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のアミノ酸配列またはその対
    立遺伝子変異型(但し、該対立遺伝子変異型は少なくと
    も70個のアミノ酸残基を含む)からなるヒト単球走化性
    因子活性を有するポリペプチド。
  6. 【請求項6】N末端の1ないし6個のアミノ酸残基が場
    合により欠失されている請求項2記載のアミノ酸配列か
    らなるヒト単球走化性因子活性を有するポリペプチド。
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DK90901711.3T DK0452391T3 (da) 1989-01-01 1990-01-02 Polypeptid med human monocyt-kemotaktisk faktoraktivitet og et DNA, der koder for polypeptidet
AT90901711T ATE155526T1 (de) 1989-01-01 1990-01-02 Polypeptid mit einer aktivität des menschlichen monocyten chemotaktischen faktors und dna, kodierend für das polypeptid
DE69031071T DE69031071T2 (de) 1989-01-01 1990-01-02 Polypeptid mit einer aktivität des menschlichen monocyten chemotaktischen faktors und dna, kodierend für das polypeptid
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