JPH09154588A - Vegf結合性ポリペプチド - Google Patents

Vegf結合性ポリペプチド

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JPH09154588A
JPH09154588A JP8211892A JP21189296A JPH09154588A JP H09154588 A JPH09154588 A JP H09154588A JP 8211892 A JP8211892 A JP 8211892A JP 21189296 A JP21189296 A JP 21189296A JP H09154588 A JPH09154588 A JP H09154588A
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dna
flt
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Masashi Shibuya
正史 渋谷
Masaji Okamoto
雅次 岡本
Mikio Niwa
幹夫 丹羽
Tomoe Matsumoto
友恵 松本
Makoto Asano
誠 浅野
Toshiaki Segawa
俊章 瀬川
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Toagosei Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/71Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for growth factors; for growth regulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形ガンその他の血管新生を伴う疾病の治療
に利用可能な、低分子のVEGF阻害剤を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 VEGFレセプターFLTの細胞外領域
の第1イムノグロブリン様ドメイン及び第2イムノグロ
ブリン様ドメインを含み、かつ第6イムノグロブリン様
ドメイン及び第7イムノグロブリン様ドメインを含まな
いポリペプチドが、VEGF阻害活性を有することを見
い出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管新生阻害剤と
して有用なポリペプチド、およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】幾つかの疾病では、その症状や病因と密
接に関連した病理的血管新生を伴うことが知られてい
る。中でも代表的な疾病は固形ガンで、ガン組織が直径
1〜2mmを越えて増殖するためには、既存血管から新
生血管が延びてガン組織まで到達することが必要であり
(J. Folkman, J.Natl. Cancer Inst., 82:4 (199
0))、また血管がガン組織に到達するとガン組織の増殖
が爆発的に加速される。また、糖尿病性網膜症では網膜
に病理的血管新生を伴い、それが原因でしばしば失明す
ることがある。更に慢性関節リューマチ、乾癬、血管
腫、強皮症、血管新生緑内障などの疾病においても病理
的血管新生を伴い、それが主な症状の一つとなっている
(J. Folkman, N. Engle. J. Med., 320:1211 (198
9))。従って血管新生を阻害する物質はガンや前述の疾
病の治療に利用できる可能性がある。
【0003】血管内皮細胞は血管の最も内側の層を形成
している細胞である。血管新生は血管内皮細胞が成長因
子や生理活性物質または機械的損傷などの刺激を受け
て、増殖することによって行われる。直接または間接的
に血管内皮細胞の増殖を刺激する成長因子として、bF
GF(basic Fibroblast Growth Factor)、aFGF
(acidic Fibroblast Growth Factor)、VEGF(Vas
cular Endothelial cell Growth Factor)、PD−EC
GF(Platelet-Derived Endothelial Cell GrowthFact
or)、TNF−α(Tumour Necrosis Factor-α)、P
DGF(Platelet Derived Growth Factor)、EGF
(Epidermal Growth Factor)、TGF−α (Transfor
ming Growth Factor-α)、TGF−β(Transforming
Growth Factor-β)、HGF(Hepatocyte Growth Fact
or)が知られている(L. Diaz-Flores et al., Histol.
Histopath., 9:807 (1994))。特にVEGFは、血管内
皮細胞に極めて特異的に作用する点で他の成長因子と区
別できる。言い換えれば、VEGFのレセプターは、血
管内皮細胞以外ではごく限られた細胞でしか発現してい
ない。
【0004】VEGFは分子量4万〜4万5千の糖タン
パク質で2量体として存在する(P.W. Leung et al., S
cience 246:1306 (1989)、P. J. Keck et al., Scienc
e:246:1319(1989))。VEGFはVEGFレセプターに
結合することによって作用し、細胞の増殖を促進し、ま
た膜透過性を促進する。
【0005】VEGFとガンとの関係を示唆する以下の
ような報告がある。多くのガン細胞はVEGFを分泌す
る(S. Kondo et al., Bichem. Biophys. Res. Commu
n., 194:1234(1993))。ガン組織切片を抗VEGF抗体
で染色するとガン組織およびその周辺の新生血管が強く
染色される(H. F. Dvorak et al., J. Exp. Med. 174:
1275(1991).、L. F. Brown at al., Cancer Res., 53:4
727 (1993))。VEGFレセプターの一つが遺伝的に不
活化されたマウスでは移植されたガンの増殖が抑制され
る(B. Millauer et al., Nature, 367:576 (1994))。
抗VEGF中和抗体が担ガンマウスに対して抗腫瘍活性
を示す(K. J. Kim et al., Nature, 362:841 (1993)、
S. Kondo et al., Bichem. Biophys. Res. Commun., 19
4:1234(1993))。以上の事実から、ガン細胞が分泌する
VEGFが腫瘍血管新生において主要な役割を果してい
ると考えられる。
【0006】VEGFのレセプターは、ヒトではFLT
(M. Shibuya, et al., Oncogene,5:519 (1990))とK
DR(B. I. Terman et al., Bichem. Biophys. Res. C
ommun., 187:1579 (1992))の2種類が知られている。
FLTの細胞外領域は、図1に示されるような7つのイ
ムノグロブリン様ドメインからなる構造を有している
(C. DeVries et al., Science, 255:989 (1992))。F
LTに関しては、可溶性型レセプターのcDNAがクロ
ーニングされている(R. L. Kendal and K. A. Thomas,
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 90:10705 (199
3))。このcDNAによりコードされるポリペプチド
は、FLTの細胞外領域の7つあるイムノグロブリン様
ドメインのうち、第1〜第6イムノグロブリン様ドメイ
ンと対応しており、本来のFLTと同程度の親和性でV
EGFと結合しVEGF活性を阻害した。また、KDR
についても遺伝子工学的に発現させた細胞外領域の第1
〜第6ドメインがVEGFに結合することが知られてい
る(R. L. Kendal et al., Bichem. Biophys. Res. Com
mun., 201:326 (1994))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】マウスの抗VEGF中
和モノクローナル抗体は抗腫瘍性を示すことから、抗ガ
ン剤として利用可能であると期待できる。しかしなが
ら、マウスの抗体を人に投与するとマウス抗体に対する
ヒト抗体が産生され、中和されたりアナフィラキシーシ
ョックを引き起こしたりする場合がある。このようなこ
とを回避するためには、マウス抗体のキメラ化(S. L.
Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci.U. S. A., 8
1:6851 (1989))やヒト化を行い、中和能を損なわない
ようにしながらマウス抗体のアミノ酸配列をヒト抗体の
アミノ酸配列に近づける必要がある。そのためには高度
の技術と知識、経験、労力が必要であり、成果はケース
バイケースで必ずしも成功するとは限らない。またこの
方法でも100%はヒト化できない。他の方法としては
ヒト抗体そのものを産生するトランスジェニックマウス
を用いて免疫する方法があるが(S. Wagner et al., Nu
cleic Acid Res., 22:1389(1994))、やはり高度の専門
的な技術が必要である。
【0008】前述のように、VEGFレセプターの細胞
外領域は、VEGFに対し特異的に高親和性で結合しV
EGF活性を阻害できるので、血管新生阻害剤として利
用することが考えられる。しかも元々ヒト由来のポリペ
プチドであるために人に投与しても抗体出現率は低いこ
とが期待できる。しかしながら本来体内に多量に存在し
ないポリペプチドを投与すると極めて速やかに代謝され
てしまうことが報告されている。例えば、HIVのレセ
プターであるCD4の可溶性型の血中半減期は15分で
あり(D. J. Capon et al., Nature, 337:525 (198
9))、インターフェロンγの場合は血中半減期は30分
であった(I. Rutenfranz and H. Kirchner,J. Interfe
ron Res., 8:573 (1988))。
【0009】血中半減期を延長する方法として、抗体分
子のような血中半減期の長い分子との融合ポリペプチド
を遺伝子工学的に作成し利用する方法が知られている。
CD4の例では抗体IgG1のFc領域とのキメラにし
た場合に血中半減期が15分から48時間に延長された
(D. J. Capon et al., Nature, 337:525 (1989))。ま
た抗体のFc領域との融合ポリペプチドにすることによ
って抗体が持っているエフェクター機能、即ち捕体依存
性細胞障害活性(D. B. Amos et al., Transplantatio
n, 7:220 (1969))および抗体依存性細胞障害活性(A.
Y. Liu et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 84:
3439 (1987))を誘導できる効果も期待できる。更にF
c領域を介して2量体化されるので、1分子が2箇所で
リガンドに結合できるようになるため、膜表面や細胞外
マトリクスなどの固相上のリガンドに結合する場合には
親和性が見かけ上、格段に向上する効果も期待できる。
【0010】抗体との融合ポリペプチドを利用する場合
には、融合により分子量が大きくなるので、元のポリペ
プチドは分子量が小さいことが望ましい。何故なら、分
子量が大きいと遺伝子操作で融合ポリペプチドを生産す
る組換え宿主を作成する際に、扱うDNAの分子量が大
きくなるからである。一般に導入するDNAの分子量が
大きい程、宿主への導入効率が悪くなり、組換え体が得
られる頻度が低下する。また一般に生産させようとする
組換えポリペプチドの分子量が大きい程、産生量が低く
なる傾向がある。更に固形ガンの治療に利用する場合に
は、分子量の大きいポリペプチドは患部への浸潤性が悪
いことが報告されている(D. M. Lane et al., Br. J.
Cancer, 70:521 (1994))。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、VEGF
を特異的に阻害することにより血管新生を阻害できるポ
リペプチド、特にVEGFレセプターの細胞外領域に関
するポリペプチドのうち分子量が小さいポリペプチドを
見いだすことを目的として鋭意努力した。その結果、F
LTの細胞外領域の第1イムノグロブリン様ドメインお
よび第2イムノグロブリン様ドメインを含むポリペプチ
ドがVEGFに特異的かつ高親和性で結合し、VEGF
活性を阻害できることを見いだした。なお、本明細書に
おいて「ポリペプチド」とは、アミノ酸同士がペプチド
結合によって共有結合しているもの一般を指し、長さの
制限はないものとする。
【0012】本発明のポリペプチドには、FLTの細胞
外領域の第1イムノグロブリン様ドメインおよび第2イ
ムノグロブリン様ドメインのみからなるものの他に、他
のドメインを含んでいるものも含まれる。例えば、第1
イムノグロブリン様ドメイン〜第4イムノグロブリン様
ドメインの全てを含むポリペプチド、第1イムノグロブ
リン様ドメイン〜第5イムノグロブリン様ドメインの全
てを含むポリペプチドも本発明のポリペプチドに含まれ
る。なお、第1イムノグロブリン様ドメイン〜第6イム
ノグロブリン様ドメインの全てを含むポリペプチドまた
は第1イムノグロブリン様ドメイン〜第7イムノグロブ
リン様ドメインの全てを含むポリペプチドは、分子量が
大きすぎるので「組換えDNA技術による発現が行い易
く、患部への浸潤も速やかである」という本願発明の効
果を充分に奏し得ないものであると考えられ、本願発明
のポリペプチドからは除外される。なお、FLTの各ド
メインの境界は明確に区別されるものではないが、本明
細書においては各ドメインは、それぞれ、以下の残基番
号のアミノ酸配列を含むドメインと定義される。[な
お、残基番号は、配列番号:1のものと同じである。即
ち、成熟FLTのN末端(配列番号1の1位の「Se
r」)から数えた残基番号を示す。] 第1イムノグロブリンドメイン 1〜110 第2イムノグロブリンドメイン 111〜208 第3イムノグロブリンドメイン 209〜311 第4イムノグロブリンドメイン 312〜407 第5イムノグロブリンドメイン 408〜535 第6イムノグロブリンドメイン 536〜640 第7イムノグロブリンドメイン 641〜736 更に本発明は、上記FLTの細胞外領域と他のタンパク
質(例えば、イムノグロブリンのFc領域)とが融合し
たポリペプチドも含む。
【0013】
【発明の実施の形態】これらのペプチドは次のような手
順を経て生産することができる。ヒト血管内皮細胞、例
えばヒト臍帯由来血管内皮細胞(岩城硝子、森永乳業、
クラボウなどから販売)を培養し酸性フェノール法(P.
Chomzynski and N. Sacchi, Anal. Biochem., 162:156
(1987))により全RNAを抽出し、オリゴdTセルロ
ースによってポリ(A)+RNAを調製する。これを鋳
型として逆転写酵素とオリゴdT(12〜16)プライ
マーを用いて1本鎖cDNAまたは2本鎖cDNAを合
成する。ポリ(A)+RNAの調製法、cDNAの調製
法については「J. Sambrook et al.,”Molecular Clon
ing”,Cold Spring Harbor Laboratly Press, 1989」に
従って行うことができる。また市販のポリ(A)+RN
A調製試薬(Oligotex-dT30、宝酒造製)やcDNA合
成キット(ファルマシアバイオシステム社 製)を用い
ても行うことができる。既にcDNAライブラリーから
クローニングされたfltcDNAがある場合は、直
接、発現させようとする領域のDNAを適当な制限酵素
で切り出し、発現ベクターに導入してもよい。
【0014】次に得られたcDNAを鋳型としてPCR
法(「”PCR Protocols”, Academic Press Inc., 199
0」参照)により目的部分のDNAを増幅することがで
きる。例えば、以下のようなプライマーを使用すればよ
い。プライマーDNAはDNA合成機(アプライドバイ
オシステムズ製、日本ミリポアリミテッド製など)で合
成するか、カスタムDNAを注文することができる(サ
ワディテクノロジー社)。例えば第1イムノグロブリン
様ドメイン〜第4イムノグロブリン様ドメインをコード
するcDNAを得る場合は、 上流プライマー:5'-N(3〜5)X(6)CGTCGCGCTCACCATGGT
CAG-3'(配列番号:2) 下流プライマー:5'-N(3〜5)Y(6)TTATTCGTAAATCTGGGG
TTTCAC-3'(配列番号:3)を用いればよい。
【0015】配列中、NはA、C、G、Tの何れか、X
またはYは制限酵素認識配列、括弧内の数字は塩基数を
表す。具体的には、N(3〜5)はA、C、G、Tの何れか
が3〜5個存在することを示し、X(6)またはY(6)は、
6塩基を認識する制限酵素の認識部位を示す。これらの
制限酵素認識配列は、増幅しようとするDNA断片およ
びそれを挿入しようとするベクターには存在しない配列
にすることが望ましい。配列番号:1に記載の塩基配列
を参考にして適宜下流プライマーを設計し、所望のC末
端をコードするDNA断片を増幅することができる。ま
た発現ベクターに組み込まれた時には、ポリペプチドの
コーディング配列はプロモーターに対して順方向に配置
していなければならない。プライマー配列中、fltD
NA配列と対応する部分は必ずしも21塩基に限定する
必要はなく17〜25塩基程度でもよい。PCRの条件
は前述の「PCR Protocols」記載の標準的条件でよい
が、鋳 型の量やプライマー配列によって反応の進み方
が異なるので、効率よく行うために、各パラメーター
(例えばMg++濃度、アニーリング温度、延長反応時
間、サイクル数など)を適宜変更し、至適化することが
できる。PCRに使用するDNAポリメラーゼは、Ta
qポリメラーゼよりプルーフリーディング(3’エクソ
ヌクレアーゼ)活性のあるPfuポリメラーゼ(Strata
gene社)かTaqポリメラーゼにPfuポリメラーゼを
添加したものを用いた方が、PCR増幅時の信頼性(Fi
derity)が増す(W. M. Barnes, Proc. Natl. Acad. Sc
i. U. S. A.,91:2216 (1994))。
【0016】この場合のPCRで増幅しようとするDN
A断片は配列が既知なので、増幅後アガロースゲル電気
泳動でサイズを確認し、またゲルより回収して、適当な
制限酵素で消化し、その電気泳動パターンを調べること
により目的のDNA断片が得られたかどうか判断するこ
とができる。アガロースゲル電気泳動、DNA断片のゲ
ルからの回収、制限酵素による切断は前述の「Molecula
r Cloning」に従って行うことができる。またDNAの
ゲルからの回収には市販のグラスビーズを利用したキッ
ト(例えばPrep-A-Gene、バイオラッド社)を使用する
ことができる。
【0017】回収したDNA断片は、X(6)およびY(6)
を切断できる制限酵素で断片の両端を消化し、フェノー
ル処理により除タンパクを行い、エタノール沈澱し、適
当なバッファー、例えばTE(10mM Tris-HCl(pH7.5)/1
mM EDTA)に溶かす。同様にして適当な発現ベクターの
クローニング用部位を、X(6)およびY(6)を切断できる
制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動を行い、ベ
クターDNAを回収する。このようにすることによって
X(6)およびY(6)切断部位間の小さな断片を除くことが
できる。これらの挿入しようとするDNA断片および切
断したベクターDNAを例えば、ベクターDNA:挿入
DNA断片の比が1:5〜1:10になるように加え、
T4DNAリガーゼを用いてライゲーション反応を行
う。ライゲーション産物を大腸菌コンピテント細胞に加
え、形質転換を行い、ベクターにコードされた選択マー
カー(例えば、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性な
ど)に対応する抗生物質を含む培地でまず抗生物質耐性
の形質転換体を選択する。
【0018】発現ベクターにDNA断片が挿入された組
換え体は、抗生物質耐性の各形質転換体が持つプラスミ
ドの制限酵素切断パターンを調べて選択する。または各
形質転換体を菌体ごと鋳型として、挿入しようとするD
NA断片を増幅したプライマーを用いてPCRすること
により、目的とするDNA断片が増幅されるか否かで組
換え体かどうか調べることができる。これらの大腸菌の
組換え体を得る一連の操作は前述の「Molecular Clonin
g」に従って行うことができる。
【0019】本発明のポリペプチドを生産させるために
様々な宿主を利用することができる。例えばEscherichi
a coli、Pseudomonos属細菌、Bacillus subtilis、 Bac
illus brevis、Bacillus liqueniformis、Bacillus thu
ringensisなどのグラム陰性またはグラム陽性細菌、Pic
hia pastoris、Schizosaccharomyces pombe、Saccharom
ises cerevisiaeなどのような酵母、Aspergillus属のよ
うな真菌類、Sf9(Spodoptera frugiperda由来)、Sf2
1、TN5(Trichoplusia ni由来)、BN4(Bombyxmoli由
来)などのような昆虫細胞、CHO(cninese hamster ova
ry由来)、C OS細胞(サル腎臓由来)などのような
ほ乳類細胞が利用できる。ベクターは宿主の種によって
それぞれ適したベクターを利用すればよい。最終的な形
質転換細胞を得る前に、本発明のポリペプチドを生産し
ようとする宿主と大腸菌とのシャトルベクターを用い、
一度大腸菌で組換えDNAを得るのがより容易であろ
う。本発明のポリペプチドを生産する組換え宿主を得る
ための形質転換方法は、大腸菌ではコンピテント細胞、
Bacillus属ではコンピテント細胞法(K. Bott and G.
A. Willson, J. Bacteriol., 94:562 (1967))、プロト
プラスト法(M. Mandel and A. Higa, J. Mol. Biol.,
53:159(1970))、酵母ではプロトプラスト法(M.Broker
et al., BioTechniques, 5:516 (1987))、昆虫細胞お
よびほ乳類細胞ではリポフェクチン法(R. W. Malone e
t al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 86:6077 (1
989))、リン酸カルシウム法(F. L. Graham and A. J.
van der Eb, Virology, 52:456 (1973))により行うこ
とができる。またエレクトロポレーション法(BIORAD社
パンフレット等参照)は前述の全ての細胞に応用可能で
ある。
【0020】基本的には使用する宿主内で複製可能なプ
ラスミドまたはウイルスDNAを用い、発現させたい部
分をコードするDNAをその宿主内で機能する強力なプ
ロモーターの下流に組入れればよい。発現させようとす
る遺伝子に翻訳開始コドンがない場合にはこれを付加す
る必要がある。また原核細胞を宿主に用いる場合はリボ
ソーム結合配列が(J. R. MacLaughlin et al., J. Bio
l. Chem., 256:11283(1981))必要である。宿主染色体
DNAの一部を有し、宿主内で複製できないベクターを
用いて宿主染色体と相同組換えを起こさせ、宿主染色体
内にベクターごと組込む方法も利用することができる
(特開平4−278092号公報、D. J.King et al.,
Biochem. J., 281:317 (1992))。また培養細胞ではな
く、動物または植物固体を宿主とする方法も利用可能で
ある。例えばカイコのウイルスであるBmNPVの組換えウ
イルスを作成しカイコに接種することにより、培養細胞
を宿主とする場合に比べ、より高い生産性でカイコ体液
からポリペプチドが得られるであろう(河合秀樹、下群
洋一郎、バイオインダストリー、8:39 (1991) )。pSV
系ベクターの組換え体で形質転換したマウスミエローマ
細胞をSCIDマウスやヌードマウスの腹腔に移植し腹水か
ら、組換えポリペプチドを回収することも可能であろ
う。本発明のDNAを用いたトランスジェニック動物
(G. Wright at al., Bio/Technology, 9:830 (1991))
またはトランスジェニック植物(M. Owen etal., Bio/T
echnology, 10:790 (1992))を宿主として利用すること
も可能であろう。
【0021】本発明のポリペプチドを細胞外に分泌させ
るには、真核細胞を宿主に用いる場合はFLTのシグナ
ルペプチドコーディング部分をそのまま使用すればよ
い。細菌では使用する宿主の分泌ポリペプチドのシグナ
ルペプチドをコードするDNAを利用することができる
であろう。例えば、大腸菌では外膜タンパク質であるOm
pA、OmpF、フォスファターゼであるPhoA、マルトース結
合タンパク質であるMalB、Bacillus属では塩基配列が既
知のアミラーゼ、アルカリフォスファターゼ、セリンプ
ロテアーゼなどのシグナルペプチドをコードするDNA
を利用することができる。また細胞内に発現させる場合
には開始コドン以外のシグナルペプチドコーディング部
分を除いて利用すればよい。細菌の細胞内で外来性のポ
リペプチドを高発現させた場合にはしばしば封入体の形
成が起こるが、その場合は8M尿素で可溶化後、数μg
/mlのポリペプチド濃度まで希釈し透析により徐々に
尿素を除くことで活性の何割かが回収できるであろう。
また、大腸菌内で、大腸菌チオレドキシンを同時に高発
現させることにより、封入体を生じさせにくくさせるこ
とも可能である。
【0022】前述のような方法で得られた本発明のポリ
ペプチドは、一般的な生化学的方法により精製すること
ができる。例えば硫酸アンモニウム沈澱、イオン交換ク
ロマトグラフィー、ゲル濾過、疎水性クロマトグラフィ
ーなどを利用することができる。本発明のポリペプチド
はヘパリン親和性を有するので、ヘパリン樹脂によるア
フィニティクロマトグラフィーを利用することができ
る。他のポリペプチドとの融合ポリペプチドの場合は、
相手のポリペプチドが有する特性を利用して精製するこ
とが可能である(M. Uhlen et al., Methods Enzymol.,
185:129 (1990))。例えば融合ポリペプチドの相手が抗
体のFc領域である場合にはプロテインAセファロース
またはプロテインGセファロース(E. Harlow and D. L
ane, "Antibodies", Cold Spring Harbor Laboratoly P
ress,1988)、グルタチオントランスフェラーゼ(GS
T)である場合にはグルタチオンセファロース(D. B.
Smith and F. S. Johnson, Gene, 67:31 (1988))、ク
ロラムフェニコールトラン スフェラーゼである場合に
はクロラムフェニコールセファロース、ヒスチジンオリ
ゴマーである場合にはNi++-NTA(nitryltriacetic acid)
アガロースを用いたアフィニティクロマトグラフィー
(F. H. Arnold, Bio/Tecnology, 9:151 (1991) )を利
用することができる。
【0023】本発明のポリペプチドを含む画分は本ポリ
ペプチドに反応する抗体を用いたEIAまたはウェスタ
ン解析によって検出することができる。本発明のポリペ
プチドと反応する抗体は、N末端より24番目〜30番
目にアミノ酸配列に対応するオリゴペプチドを合成し、
牛血清アルブミンまたはKLH(keyhole lymphet hemoc
yanine)などのキャリアータンパク質とのコンジュゲイ
トを作成しウサギなどに標準的な方法で免疫することで
得られる(E. Harlow anr D. Lane, "Antibodies", Col
d Spring Harbor Press,1988)。また本発明ポリペプチ
ドと他のポリペプチドとの融合ポリペプチドを大腸菌で
生産し、前述のように融合相手のポリペプチドの特性を
利用して精製して免疫原として用いても本発明のポリペ
プチドに反応する抗体は得られる。
【0024】本発明のポリペプチドはVEGFに結合す
るので、その活性を指標として精製することもできる。
例えばEIA用に抗体固相化プレートを調製するのと同
様の要領で、精製前の本発明のポリペプチドを含む溶液
を適当に希釈し、96穴のポリスチレン製マイクロタイ
タープレートをコートしてブロッキング処理したプレー
トを作成する。このプレートはVEGFを特異的に結合
するので、125I標識VEGFを使用すればウェルに残
る放射活性から結合が確認できる。本発明のポリペプチ
ドを精製するために行ったクロマトグラフィーの画分と
125I−VEGFをプレインキュベートしてからこのプ
レートのウェルに移し、残る放射活性を測定する。その
画分に本発明のポリペプチドが存在すればプレインキュ
ベーション中にVEGFに結合し、プレート上の本発明
のポリペプチドと拮抗してプレートに結合しにくくなる
ことで存在が確認できる。
【0025】本発明のポリペプチドはVEGFに高い親
和性(Kd=5x10-11程度)で結合してVEGFがVEGF
レセプターに結合することを阻害する。従って本発明の
ポリペプチドは低濃度でVEGF活性を阻害することが
できる。本発明のポリペプチドはVEGF活性を阻害す
るのでVEGF刺激による血管内皮細胞の増殖を阻害す
る。また、本発明のポリペプチドはVEGFによる血管
透過性促進を阻害する。更に、本発明のポリペプチドは
インビボでVEGFによる血管新生を阻害し、本腫瘍の
増殖を阻害する。
【0026】
【実施例】I.第1〜第4イムノグロブリン様ドメインおよび第1
〜第5イムノグロブリン様ドメインからなるポリペプチ
ドに関する実施例 [実施例1] FLT細胞外領域を発現する組換えバキ
ュロウイルスの作成 1)FLTの第1〜第4イムノグロブリン様ドメインを
発現する組換えウイルスの作成 基本的にはサンブルック(J. Sambrook)らの「Molecul
ar Cloning」に記載された方法に従い図2に示す手順で
ベクターの構築を行った。FLTの第1〜第4イムノグ
ロブリン様ドメインを発現する組換えウイルスを得るた
めに、プラスミドpflt3−7(M. Shibuya et al.,
Oncogene, 5:519 (1990))のDNAを制限酵素Eco
RIおよびNdeIで消化し、アガロースゲル電気泳動
により分離した約1.6kbpのEcoRI-NdeI
DNA断片を調製した。一方プラスミドpME18SN
eoのDNAを制限酵素EcoRIおよびXhoIで消
化し、アガロースゲル電気泳動により分離した約5.5
kbpのEcoRI−XhoIDNA断片を調製した。
NdeI末端をXhoI末端に変換するためにアダプタ
ーとして、「5'TATTAATGATCTAGATGAC 3'」(配列番号:
4)と「5'TCGAGTCATTCTAGATCATTAA 3'」(配列番号:
5)のオリゴヌクレオチドを室温で混合し、更に前記
「1.6kbpのEcoRI-NdeIDNA断片」と
「5.5kbpのEcoRI−XhoI DNA断片」
とを混合してT4DNAリガーゼを用いて連結反応を行
い、大腸菌に導入した。得られた組換えプラスミドDN
AをEcoRIおよびNotIで消化し、得られた1.
6kbpのDNA断片を回収し、pVL1393(Phar
Mingen社)のEcoRI/NotI部位に導入した。こ
のプラスミドDNAを精製し、ポヘドリンコード領域を
欠失したバキュロウイルスDNAであるBaculoGold(Ph
arMingen社)を用いてマニュアルに従って組換えウイル
スを得た。この組換えバキュロウイルスを「B4N」と
名付けた。組換えバキュロウイルス「B4N」をSf9
細胞を用いてマニュアルに従って増幅し、以降の実験に
使用した。なお、「B4N」はFLTのN末端から45
7残基までのアミノ酸配列をコードするDNAを含んで
いる。
【0027】2)FLTの第1〜第5イムノグロブリン
様ドメインを発現する組換えウイルスの作成 基本的にはサンブルック(J. Sambrook)らの「Molecul
ar Cloning」に記載された方法に従い図3に示す手順で
ベクターの構築を行った。プラスミドpflt3−7D
NAをEcoRIおよびHindIIIで切断し、1.9
kbpのEcoRI−HindIIIDNA断片を調製し
た。HindIII末端をXhoIに変換するためにアダ
プターとして、オリゴヌクレオチド「5'AGCTTTTAATGATC
TAGAATGAC3'」(配列番号:6)と「5'TCGAGTCATTCTAGA
TCATTAAA 3'」(配列番号:7)とを混合して加え、前
述のプラスミドpME18SNeoの5.5kbpのE
coRI−XhoI DNA断片と連結し、これを用い
て大腸菌を形質転換し、組換えプラスミドを得た。得ら
れた組換えプラスミドDNAをEcoRIおよびNot
Iで消化し、得られた1.9kbpのDNA断片を回収
し、pVL1393(PharMingen社)のEcoRI/N
otI部位に導入した。このプラスミドDNAを精製
し、ポヘドリンコード領域を欠失したバキュロウイルス
DNAであるBaculoGold(PharMingen社)を用いてマニ
ュアルに従って組換えウイルスを得た。この組換えバキ
ュロウイルスを「B5N」と名付けた。組換えバキュロ
ウイルス「B5N」をSf9細胞を用いてマニュアルに
従って増幅し、以降の実験に使用した。なお、「B5
N」はFLTのN末端から560残基までのアミノ酸配
列をコードするDNAを含んでいる。
【0028】[実施例2] 発現産物の免疫化学的解析 昆虫細胞HiFive(Invitrogen Corp.製)をExC
ell400培地(岩城硝子社製)で培養し、組換えバ
キュロウイルス「B4N」または「B5N」を感染させ
培養上清を回収した。このサンプルをSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動しウェスタンブロッティングを
行った。1次抗体にウサギ抗FLT細胞外領域ポリクロ
ーナル抗体を用い、2次抗体としてアルカリフォスファ
ターゼ標識抗ウサギIgG使用し、NTB(Nitroblue t
etazolium chrolide)/BCI P(5-Bromo-4-chrolo-3-
indolylphosphate p-toluidine salt)(Gibco BRL製)
で発色させた。その結果この抗体との特異的な反応性が
確認された(図4)。レーン1はB4N感染細胞培養上
清2μl、レーン2はB4N感染細胞抽出液10μl、
レーン3はB5N感染細胞培養上清2μl、レーン4は
B5N感染細胞抽出液10μlを泳動したものである。
免疫化学的に反応したバンドの移動度は予想される分子
量と一致した。以後これらの産物を「4N−FLT」お
よび「5N−FLT」と称する。また培養上清サンプル
中におよそ2μg/mlの「4N−FLT」または「5
N−FLT」が含まれていると判定された。
【0029】[実施例3] 発現産物のVEGFとの親
和性 HiFive細胞に組換えウイルス「B4N」または
「B5N」を感染させ、得られた培養上清をPBSで4
倍に希釈しマイクロタイタープレート(「イムロン2」
ダイナテック社製)のウェルに100μl入れ4℃で一
夜置き、ウエルから除去した。ウェルをPBS−0.1
%BSAで3回洗浄し、次にPBS−1%BSAを25
0μl入れ、室温で2時間放置しブロッキングした。ウ
ェルの中の液を捨て、100μl中に比活性66,000cpm/n
gの125I−VEGF165(VEGFのN末端から165
番目までの残基からなるペプチド/アマシャム社製)20
280cpmに非標識のVEGF165を0〜15000pg混合した溶
液を入れ室温で3時間放置した。ウェルの中の液を捨て
PBS−0.1%BSAで3回洗浄し、各ウェルに残っ
た放射活性ををγカウンターで測定しスカッチャード解
析を行った(図5)。図5A、Bはそれぞれ「B4N」
「B5N」発現培養上清をコートしたプレートを用いた
結果である。この時にコントロールウイルス感染Sf9
細胞の培養上清でコートしたプレートには125I−VE
GF165はほとんど結合しないので、結合放射活性は挿
入遺伝子からの発現産物への125I−VEGF165の結合
であると考えられる。「B4N」または「B5N」感染
細胞の培養上清中の発現産物のVEGF165に対する親
和性は共にKd(解離定数)がおよそ3〜4.5×10
-11でありFLT(J. Waltenberger, et al., J. Biol.
Chem., 269:26988 (1994))または可溶性型FLT(R.
L. Kendal and K. A. Thomas, Proc. Natl., Acad.Sc
i., U. S. A., 90:10705 (1993))について報告されて
いる値に近かった。
【0030】[実施例4] 発現産物によるVEGFの
生物活性の阻害 1)VEGFの透過性促進活性の阻害 VEGFの透過性促進活性に対する「4N−FLT」ま
たは「5N−FLT」の阻害効果を調べた。モルモット
の心臓内に0.5mlの1%エバンスブルー色素液を注
入し、30分後にVEGFと共に0.2mlの「4N−
FLT」または「5N−FLT」発現培養上清を剃毛し
た皮下に注入し、更に30分後に色素の漏出を観察した
(表1)。この結果から「4N−FLT」および「5N
−FLT」はVEGFの透過性促進活性を阻害すること
が明らかになった。
【0031】
【表1】 4N−FLTおよび5N−FLTのVEGF透過性促進活性対する阻害効果 サンプル 色素漏出(相対値) ───────────────────────────────── PBS 0 % 10 ng VEGF/0.2 ml 100 % 10 ng VEGF+Ca.400 ng 4N-FLT/0.2 ml 5% 10 ng VEGF+Ca.400 ng 5N-FLT/0.2 ml <5% ────────────────────────────────── 2)ラット類洞壁内皮細胞のVEGF依存性増殖の阻害 VEGF依存性の増殖に対する「4N−FLT」または
「5N−FLT」の阻害効果を調べた。ラットの肝臓よ
り記載の方法で類洞壁内皮細胞を調製し、24穴プレー
トに104/ウェルで撒き、表2に示したサンプル存在
下で4日間培 養し、ウェル内の細胞数を測定した。表
2の細胞数の欄の数値は撒いた直後の細胞数を100と
表した時の相対値である。「4N−FLT」「5N−F
LT」のサンプルはそれぞれの組換えウイルス感染Hi
Five培養上清を使用し、含有量はウェスタン解析の
結果を元に算出した。この結果から「4N−FLT」お
よび「5N−FLT」はVEGFの内皮細胞増殖活性を
投与量依存的に阻害することがわかる。
【0032】
【表2】 「4N−FLT」および「5N−FLT」のラット肝類洞壁内皮細胞の VEGF依存性増殖阻害活性 VEGF濃度 4N−FLT濃度 5N−FLT濃度 細胞数 (ng/ml) (ng/ml) (ng/ml) ──────────────────────────────── 0 0 0 0 1 0 0 260 1 40 0 40 1 100 0 44 1 0 40 27 1 0 100 28 3 0 0 300 3 40 0 191 3 100 0 69 3 0 40 221 3 0 100 83 ───────────────────────────────── II.第1〜第2イムノグロブリン様ドメインからなる
ポリペプチドに関する実施例 [実施例5]FLT細胞外領域(EDF)と反応するポ
リクローナル抗体の作成 1)ヒト臍帯由来血管内皮細胞(HUVEC)cDNA
の調製 HUVEC(クラボウ製)約1×107個の細胞に1m
lのISOGEN(和光純薬工業製)を加えペッスルで
細胞を破砕し更に9mlのISOGENを加え5分間振
とうした。この溶液に1mlのクロロフォルムを添加し
1分間振とうし、10,000rpmで10分間遠心
し、上清液を回収し、1/10容の3M酢酸ナトリウム
(pH5.2)を添加して混合し更に2.5容のエタノ
ールを添加した。遠心して沈澱を回収し、75%エタノ
ールで沈澱を洗浄し乾燥して100μlの加熱滅菌した
純水に溶解した。102μgのRNAが得られた。この
溶液に10%SDSを1μl添加し100μlの「Olig
otex-dT30(宝酒造製)」を添加し65℃で5分間保温
した後、氷中にて急冷した。この溶液に20μlの5M
塩化ナトリウムを混合し37℃で10分間保温した。こ
の懸濁液を15,000rpmで15分間遠心し、沈澱
を100μlの加熱滅菌した純水に懸濁し65℃で5分
間保温した。この懸濁液を15,000rpmで15分
間遠心した上清を回収してエタノール沈澱を行った。乾
燥した沈澱を20μlの加熱滅菌した純水に溶解し、H
UVECポリ(A)+RNAとした。以下この溶液を用
いファルマシアのcDNA合成キットを用い、マニュア
ルに従ってオリゴdTでプライミングされたHUVEC
2重鎖cDNA溶液100μlを得た。
【0033】2)FLT細胞外領域(EDF)コーディ
ングDNAのクローニング 1)で得たHUVEC由来cDNAを鋳型として、以下
の条件でPCRを行った。
【0034】
【表3】 反応液組成(100μl中) PCRの反応条件 10 μlTaq buffer(Promega社製) 1) 95℃、1分を1サイクル 2.5 mM MgCl2 2) 94℃、1分、56℃、1分、 4μl HUVEC cDNA 72℃、2.5分を34サイクル 各0.1 mM dNTPs 3) 72℃、7分を1サイクル 200 nM プライマー1 200 nM プライマー2 2.5 U Taq ポリメラーゼ(Promega社製) プライマー配列は、以下の通りである。 プライマー1: 5'-CTCGGATCCGGATCTAGTTCAGGTTCAAAA-3'
(配列番号:8) プライマー2: 5'-CTCGAATTCACTCCAGATTAGACTTGTCCGA-3'
(配列番号:9) 「プライマー1」の下線部は成熟FLTのN末端コーデ
ィング配列に、「プライマー2」の下線部は、FLT細
胞外領域C末端コーディング配列に対応する。
【0035】反応液200μlをミネラルオイルを除く
ために等量のクロロフォルムで処理し、水層を回収し、
10%SDSを4μl添加し、60℃で5分間保温し
た。この溶液を等量のTE飽和フェノールで処理した水
層を回収し、エタノール沈澱しDNA断片を回収した。
乾燥した沈澱を30μlのTEに溶解し、アガロースゲ
ル電気泳動にかけた。およそ2.2kbpのDNA断片
を切り出し、「Prep-A-Gene」(BIORAD製)を使用しマ
ニュアルに従いDNAを回収した。回収したDNA断片
をHincII、HindIII、HhaIまたはPstIで消化し、切断パ
ターンがFLT細胞外領域コーディングDNAの塩基配
列から予想されるパターンと一致することを確認した。
次にこのDNA断片をEcoRIおよびBamHIで消化し、その
反応液を等量のTE飽和フェノールで処理し、水層から
「Prep-A-Gene」を用いてEcoRI、BamHI消化DNA断片
を回収した。同様にプラスミドベクターpGEX2T
(ファルマシアバイオシステム製)1μgをEcoRIおよ
びBamHIで消化し、その反応液を等量のTE飽和フェノ
ールで処理し、その水層から「Prep-A-Gene」を用いてE
coRI、BamHI消化pGEX2TDNAを回収した。
【0036】このようにして得られたDNA断片とプラ
スミドDNAを10:1のモル比で混合し、ライゲーシ
ョン(ライゲーションキット、宝酒造製)を行った。こ
のライゲーション溶液を用いて大腸菌JM109のコン
ピテントセル(宝酒造製)を形質転換し、75μg/m
lのアンピシリンを含む2×TY培地(1l中16gト
リプトン、10g酵母エキス、5g塩化ナトリウム、
1.5g寒天)にプレーティングし37℃で一夜培養し
た。出現するアンピシリン耐性コロニーを爪楊枝で突
き、前述のPCR反応液から鋳型を除いた溶液15μl
に移し、サイクル数を30回にして前述と同様にPCR
を行った。PCR後の反応液をアガロースゲル電気泳動
し、2.2kbpのバンドを与えるコロニーから更にシ
ングルコロニーを単離し、少量の培養液からプラスミド
DNAを調製した。(「J. Sambrook,et al.,"Molecula
r Cloning", Cold Spring Harbor Laboratory Press,19
89」の方法に従った。)これらのプラスミドDNAをBa
mHIおよびEcoRIで消化し、2.2kbpのDNA断片が
生じることを確認した。これらのプラスミドDNAの一
つを前記「primer1」または「primer2」を用いて配列決
定を行い(「J. Sambrook,et al.,"Molecular Clonin
g", Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989」の方
法に従った)、上流および下流から約150塩基の配列
を調べたところ、FLT細胞外領域(EDF)コーディ
ングDNAの塩基配列と一致した。
【0037】3)GST−EDF融合ポリペプチドの調
製 前述の塩基配列の一部を確認したプラスミドを有する大
腸菌クローンを500mlの50μg/mlアンピシリ
ンを含む2×TY培地で、30℃で振とう培養を行い、
波長600nmの吸光度が1.0に達した時にIPTG
を0.1mMとなるように添加し、更に20時間培養し
た。遠心して細胞を回収し、グルタチオンセファロース
(ファルマシアバイオシステム)を用いてマニュアルに
記載された方法に従って、純度60%程度のGST−E
DF融合ポリペプチドを約7.1mg調製した。レムリ
法でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動した結
果、この融合ポリペプチドは分子量60,000であ
り、GSTの分子量28,000を差し引くと融合ポリ
ペプチドの相手の分子量は32,000程度である。グ
ルタチオンセファロースに結合することからGST部分
はほとんど分解していないと考えられるので、EDFの
N末端側が分子量32,000程度残り、EDFの後半
部が欠失していると考えられた。
【0038】4)GST−EDF融合ポリペプチドに対
する抗体の調製 上記3)で調製したGST−EDF融合ポリペプチドを
フロイントコンプリートアジュバントと混合し、ウサギ
1羽につきGST−EDF融合ポリペプチドを初回20
0μg、以後2週間ごとに100μgずつ、7回皮下に
免疫した。抗原をコートしたプレートによって力価測定
を行った結果、血清を64,000倍以上希釈しても十
分な免疫反応があった。ウサギ2羽の血清から「E. Har
low andD. Lane」の「Antibodies」に記載された方法に
従い、150mgのIgG画分を得た。
【0039】[実施例6]EDFおよびその部分断片を
発現する組換えバキュロウイルスの作成 1)EDFおよびその部分断片を発現する組換えバキュ
ロウイルスの作成用組換えトランスファーベクターの構
築 プラスミドpflt3−7(M. Shibuya et al., Oncog
ene, 5:519 (1990))を鋳型として以下の条件でPCR
を行った。
【0040】
【表4】 反応液組成(100μl中): 反応条件 10μl Pfu buffer#1 (Stratagene社製) 1) 95℃ 1分 3サイクル 1 μg pflt3-7 55℃ 1分 0.1 mM dNTPs 75℃ 2.5分 200 nM プライマー3 2) 94℃ 1分 30サイクル 200 nM プライマー4 55℃ 1分 5 U Pfu polymerase (Stratagene社製) 75℃ 2.5分 3) 75℃ 5分 1サイクル 上記反応に用いたプライマー配列は、以下の通りであ
る。 プライマー3:5'-TTTCTCGGATCCTATAAATATGGTCAGCTACTGGG
ACACC-3'(配列番号:10) プライマー4:5'-GTGGTGGTGGTGGTGGTGACGCTCCAGATTAGACT
TGTCCGA-3'(配列番号:11) 「プライマー3」の下線部は成熟FLTのN末端コーデ
ィング配列に、「プライマー4」の下線部は、FLT細
胞外領域C末端コーディング配列に対応する。
【0041】またポリアデニレーションシグナルを含む
DNA断片を得るために、プラスミドpRc/RSV
(Invitrogen corp.製)を鋳型として牛成長ホルモン遺
伝子由来のポリアデニレーションシグナルを含むDNA
(0.3kbp)を得るために以下の条件でPCRを行
った。
【0042】
【表5】 反応液組成(100μl中): 反応条件 10μl Pfu buffer#1(Stratagene) 1) 95℃ 1分 3サイクル 1 μg pRc/RSV 55℃ 1分 0.1 mM dNTPs 75℃ 0.5分 200 nM プライマー5 2) 94℃ 1分 30サイクル 200 nM プライマー6 55℃ 1分 5 U Pfu polymerase (Stratagene) 75℃ 0.5分 3) 75℃ 5分 1サイクル 上記反応に用いたプライマー配列は、以下の通りであ
る。 プライマー5:5'-CACCACCACCACCACCACTAACTAGAGCTCGCTGA
TC-3'(配列番号:12) プライマー6:5'-TTCTCGAATTCTCCCCAGCATGCCTGC-3'(配
列番号:13) 「プライマー5」「プライマー6」の下線部は、pRc/RS
Vのウシ成長ホルモン遺伝子由来のポリアデニレーショ
ンシグナルの前後に対応する。
【0043】得られた各々の反応液 200μlを等量のク
ロロフォルムで処理し、水層を回収し、0.5%SDS、0.1M
Tris-HCl(pH6.8)、5 mM EDTA、200μg/mlプロテネース
K(proteinase K)となるように各試薬を添加し、37
℃で30分間保温した。これらの溶液をTE飽和フェノ
ールで処理し、水層をエタノール沈澱し、EDFをコー
ドするDNA断片およびポリアデニレーションシグナル
を含むDNAをTEに溶解した。これらのDNA溶液を
アガロースゲル電気泳動にかけ、各々から2.2kb
p、0.3kbpのDNA断片を回収し、各々50μl
のTE溶液とした。次にこれらのDNA断片をPCRに
より融合させる(R. Higuchi, "PCR Protocols", Acade
mic Press Inc.,177 (1990)参照)ために以下の条件で
PCRを行った。
【0044】
【表6】 反応液組成(100μl中): 反応条件 10μl Pfu buffer #1 (Stratagene) 1) 95℃ 1分 3サイクル 4μl EDF coding DNA 58℃ 1分 0.25 μl poly A signal DNA 75℃ 0.5分 0.1 mM dNTPs 2) 94℃ 1分 30サイクル 200 nM プライマー3 55℃ 1分 200 nM プライマー6 75℃ 0.5分 1サイクル 5 U Pfu polymerase (Stratagene) 3) 75℃ 5分 得られた反応液 200μlを等量のクロロフォルムで処理
し、水層を回収し、0.5%SDS、0.1M Tris-HCl(pH6.8)、5
mM EDTA、200μg/mlプロテネースKとなるように各試
薬を添加し、37℃で30分間保温した。この溶液をT
E飽和フェノールで処理し、水層をエタノール沈澱し、
DNAをTEに溶解した。このDNA溶液をアガロース
ゲル電気泳動にかけ、EDFをコードするDNA断片と
ポリアデニレーションシグナルを含むDNA断片が融合
したと考えられる2.5kbpのDNA断片を回収し5
0μlのTE溶液として調製した。このDNA断片の両
端をBamHIおよびEcoRIで消化したDNA断片を調製し
た。一方組換えバキュロウイルス用トランスファーベク
ターであるプラスミドpVL1393(PharMingen社)
の1μgをBamHIおよびEcoRIで切断したものを実施例5
の2)に記載したのと同様の方法で調製した。このプラ
スミドDNAとプラスミドpflt3−7からPCRに
より増幅したEDFをコードするDNA断片をBamHIお
よびEcoRIで消化したDNA断片をモル比およそ1:5
で混合し、ライゲーションキット(宝酒造製)で処理
し、大腸菌JM109のコンピテントセルに形質転換
し、実施例5の2)に記載したのと同様の方法で組換え
プラスミドを有するクローンを6種選択した。各クロー
ンの3mlの培養液からアルカリ法でプラスミドDNA
を調製し、塩基配列の決定を行い、挿入断片の上流約3
00塩基と下流約500塩基を調べたところ正しい配列
は2種類のクローン由来のプラスミドであった。これら
のプラスミドを「pEDFH10」および「pEDFH
11」と名付けた。これらのプラスミドを持つ大腸菌を
50μg/mlのアンピシリンを含む100mlの2×
TY培地で37℃で1夜培養し、回収した菌体からアル
カリ法(「J. Sambrook,et al.,"Molecular Cloning",
Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989」の記載に
従う)でプラスミドDNAを抽出し、マニュアルに従っ
てイオン交換カラム(Diagen GimbH、QIAGEN社製)で精
製し、各々200μlのTEに溶解した約 100μgの
プラスミドDNAを得た。
【0045】2)EDFおよびその部分断片を発現する
組換えバキュロウイルスの作成 TMN−FH培地(PharMingen社製)で培養した80%
コンフルエンシーの状態のSf9細胞(Invitrogen Cor
p.社製)をピペッティングで剥し、2x106個の細胞
を直径60mmのディッシュに撒き30分放置して表面
に吸着させた後、培地を無血清培地であるEx−Cel
l400(岩城硝子製)2mlに置換した。「pEDF
H10」または「pEDFH11」を8μl(4μg)、
欠失バキュロウイルスDNA(BaculoGold、PharMingen
社製)2μl(40ng)を16μl中に混合した溶液
と、リポフェクチンを滅菌純水で2倍希釈した溶液16
μlとを混合し15分放置した後、全量32μlを前述の
ディッシュに添加し混合した。このディッシュを湿潤箱
に入れ27℃で6時間30rpmで振とう培養した後、
培地を2.5mlのTMN−FHに置換し27℃で5日
間静置培養した。培地を回収し遠心した上清をオリジナ
ルウイルスストック(それぞれ「BEDFH10」、
「BEDFH11」と称する)とした。「Invitrogen c
orp.」のマニュアルに従いプラークアッセイを行った結
果、これらのウイルスタイターは共におよそ3×106
であった。各々のウイルスについて2クローンずつ
(「BEDFH 10」からは「BEDFH101」
「BEDFH102」、「BEDFH11」からは「B
EDFH111」「BEDFH112」)プラーク単離
を行い、Invitrogen corp. のマニュアルに従って4段
階に増幅したウイルス溶液約200ml(タイターはお
よそ5×107/ml)を得た。
【0046】[実施例7]組換えウイルス感染Sf9細
胞発現産物の解析 1)125I−VEGF121との共有結合架橋産物 上記の組換えウイルスをm.o.i.0.3(m.o.i.とはウイ
ルス粒子:細胞数の比のこと)で感染させたSf9細胞
2×105に、125I−VEGF121(150,000cpm/ng)を
180,000cpm添加し、100μlのPBS−
0.1%BSA中で室温で1時間置いた。遠心により2
回、同バッファーで洗浄し、再度100μlのPBS−
0.1%BSAに懸濁した。この溶液に50mMジサク
シニルスベレート(disuccinylsuberate)/ジメチルスル
ホキシド(dimethylsulfoxide)を1/10容混合し室温
で40分間置いた後、1M Tris-HCl(pH6.8)を1/10容
混合した。このサンプルをレムリ法で還元条件でSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、オート
ラジオグラフィによりシグナルを検出した(図7)。プ
ラスミド「pEDFH10」を用いて作成した組換えウ
イルスである「BEDFH10」から分離した2クロー
ンの感染細胞では、分子量130,000の共有結合架
橋産物が検出できた(図7A、レーン1、2)のに対し
て、プラスミド「pEDFH11」を用いて作成した組
換えウイルスである「BEDFH11」から分離した2
クローンの感染細胞では分子量50,000の共有結合
架橋産物が観察された(図7A、レーン3、4)。一
方、EDFをコードするDNAをプロモーターとは逆向
きに挿入した組換えトランスファーベクターを用いて作
成したコントロールウイルス感染細胞では共有結合架橋
産物は検出できなかった。図7Bのレーン1はコントロ
ールウイルス感染細胞を使用し、レーン2は「BEDF
H11」感染細胞を使用し、レーン3はレーン2の反応
に214倍の非標識VEGFを添加したサンプルであ
る。VEGF121モノマーの分子量が20,000であ
るので、それぞれの共有結合架橋産物の分子量から差し
引くと、110,000と30,000である。このこ
とから「BEDFH10」感染細胞はEDFの全長を生
産しており「BEDFH11」感染細胞はEDFの断片
を発現していると考えられた。「BEDFH11」から
発現されるEDFの断片を「EDFΔ11」と名付け
た。
【0047】2)VEGFとの親和性 Sf9細胞に組換えウイルス「BEDFH10」または
「BEDFH11」をm.o.i.5で感染させ、7日間培養
した培養上清をマイクロタイタープレート(イムロン
2、ダイナテック社製)のウェルに100μl入れ4℃
で一夜置いた。 その後ウェルの中の液を捨て、PBS
−0.1%BSAで3回洗浄し、次にPBS−1%BS
Aを250μl入れ、室温で2時間放置しブロッキング
した。ウェルの中の液を捨て、100μl中に比活性78,
000cpm/ngの125I−VEGF165(アマシャム社製)1
1300cpmに非標識のVEGF165を0〜1250
0pg混合した溶液を入れ室温で3時間放置した。ウェ
ルの中の液を捨てPBS−0.1%BSAで3回洗浄
し、各ウェルに残った放射活性をγカウンターで測定し
スカッチャード解析を行った(図8)。図8A、Bはそ
れぞれEDFまたは「EDFΔ11」の発現培養上清を
コートしたプレートを用いた結果である。この時にコン
トロールウイルス感染Sf9細胞の培養上清でコートし
たプレートには125I−VEGF165ほとんど結合しない
ので、結合放射活性は挿入遺伝子からの発現産物への
125I−VEGF165の結合であると考えられる。「BE
DFH10」または「BEDFH11」感染細胞の培養
上清中の発現産物のVEGF165に対する親和性は共に
Kd(解離定数)がおよそ5×10-11でありFLT
(J. Waltenberger, et al., J. Biol. Chem., 269:269
88 (1994))または可溶性型FLT(R. L. Kendal and
K. A. Thomas, Proc. Natl., Acad. Sci., U. S. A., 9
0:10705 (1993))について報告されている値に近かっ
た。
【0048】3)組換えトランスファーベクターへの挿
入DNAの塩基配列解析 プラスミド「pEDFH10」および「pEDFH1
1」にクローニングしたDNAの塩基配列を確認するた
めに塩基配列の決定を行った結果、「pEDFH10」
の挿入DNAのFLT細胞外領域と対応する領域の塩基
配列はFLTと完全に一致していた。「pEDFH1
1」の挿入DNAのFLT細胞外領域と対応する領域の
塩基配列はFLTと比較して、配列番号:1で1053
番目のCが欠失していた。その結果、オープンリーディ
ングフレームが配列番号:1のFLTアミノ酸配列のー
22番から246番までに対応するようになっていた。
この部分はFLTの第一ドメインと第二ドメインを含ん
でいる。
【0049】4)発現産物の精製 100mlの三角フラスコに30mlTMN−FHを入
れ27℃、70rpmで培養したSf9細胞90ml
(1.5×106/ml)に組換えウイルス「BEDF
H10」または「BEDFH11」をm.o.i.5で感染さ
せ、20時間後に遠心して培地を60ml(30ml×
2)のEx−cell405(岩城硝子製)に置換して
48時間培養し、1/100容の330mMフェニルメ
チルスルフォニルフルオライド(phenylmethylsulfonyl
fluoride)/エタノールと1/1000容の100μg/ml
アンチパイン(antipain)、200μg/mlアプロチニン(apr
otinin)、200μg/mlロイペプチン(leupeptin)を添加し
上清を回収した。「BEDFH10」感染細胞の培養上
清は「Immercible CX-10」(日本ミリポアリミテッド
製)で8倍濃縮し、20 mM Tris-HCl(pH7.8)/50 mM KCl
/0.1% ノニデット(Nonidet)P-40/1 mM イミダゾール
-塩酸(pH7.8)で平衡化したNi++-NTA(QIAGEN、Diagen G
imbH)を添加して4℃で1時間混合した。10,000
rpmで遠心して沈澱に30mlの150 mM KCl/0.1%
ノニデット P-40/40 mM イミダゾール-塩酸(pH7.8)を添
加し4℃で15分間混合し、遠心して沈澱を回収し、更
に2回同バ ッファーで洗浄した。沈澱に0.2mlの2
50 mM イミダゾール-塩酸(pH7.8)を 添加し室温で15
分間混合し遠心して上清を回収した。再度沈澱に0.2
mlの250 mMイミダゾール-塩酸(pH7.8)を添加し同様に
して上清を回収し、前回の上清と併せて精製EDFサン
プルとした。「BEDFH11」感染細胞の培養上清は
0.3MになるようNaClを添加してFPLC(ファ
ルマシアバイオシステム製)でヘパリンカラム(ファル
マシアバイオシステム製)を用いて分画した。サンプル
負荷のあと0.1Mリン酸バッファー(pH7.0)−
0.3M NaClで280nmの吸光度が十分下がる
まで洗浄し、0.3−1.0M NaClのリニアグラ
ディエントで溶出した。280nmの吸収がある画分を
回収しVEGFアフィニティクロマトグラフィーを行っ
た。PBSでサンプルを2倍に希釈して、1.4mgの
VEGFをセファロース4Bに共有結合したカラム0.
4mlに負荷した。20mlのPBS−0.5M Na
Clでカラムを洗浄し、10mM酢酸ナトリウム(pH
4.0)で、0.05mlの2M Tris-HCl(pH8.0)を入
れたチューブに0.5ml/チューブで溶出した。各フ
ラクションをレムリ法でSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動後、銀染色した(図9A、レーン番号はフラ
クション番号と一致)。また各フラクションをPBS−
0.1%BSAで10倍希釈して、等容の125I−VE
GF165と混合し、1時間後に100μlの混合液を実施
例3の2)で使用したマイクロタイタープレートでVE
GFの 結合を調べた。その結果、電気泳動で共有結合
架橋実験での予想とほぼ一致する分子量35,000バ
ンドが観察されたフラクションにVEGFの結合阻害が
見られた(図9B)。
【0050】5)免疫化学的解析 EDFまたは「EDFΔ11」をSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動し、「E. Harlow and D. Lane」の
「Antibodies」に記載の方法に従ってウェス タンブロ
ティングを行った。1次抗体として実施例1の4)の抗
体を2μg/mlで使用し、2次抗体としてアルカリフォス
ファターゼ標識抗ウサギIgG(E. Y. Laboratories)
を5000倍希釈して使用し、NTB(Nitroblue tetaz
olium chrolide)/BCIP(5-Bromo-4-chrolo-3-indol
ylphosphste p-toluidine salt)(Gibco BRL社製)で発
色させた。その結果、約35kdの単一バンドが観察さ
れ、この抗体との特異的な反応性が確認された(図10
B)。以上のことから「EDFΔ11」はFLTのN末
端267に相当するポリペプチドであることがわかっ
た。図10Aにおいてレーン1はヘパリンカラム後のサ
ンプル、レーン2はVEGFアフィニティクロマトグラ
フィー後のサンプルを電気泳動して銀染色したものであ
る。図10Bは、図10Aと同じサンプルでウェスタン
ブロットを行った図である。
【0051】6)VEGFの生物活性の阻害 VEGFによるヒト臍帯由来血管内皮細胞(HUVE
C)のチミジン取り込み促進に対する「EDF」発現培
養上清、「4N−FLT」発現培養上清または「EDF
Δ11」発現培養上清による阻害を調べた。HUVEC
(クラボウ社製)を96穴コラーゲンコートプレート
(岩城硝子製)に3000個/ウェル/100μl(E
GM−UV培地、クラボウ製)で撒き、37℃、5%C
2で24時間培養する。PBSで2回洗浄し、20n
g/mlのVEGF165を50μlとサンプル50μlを
ウェルに添加して4日間培養した。50μCi/2nm
oles/mlの3H−チミジンを10μlウェルに添加
して更に24時間培養した。PBSで2回洗浄した後、
トリプシン/EDTAで細胞を剥し、セルハーベスター
(Cambridge Technology Inc.製)でグラスフィルター
に回収し液体シンチレーションカウンターで放射活性を
測定した(図6)。対照として用いた野生株(wt)ウイ
ルス感染培養上清をサンプルとして添加した場合に比
べ、組換えウイルスを用いた「EDF」「4N−FL
T」「EDFΔ11」発現培養上清を添加した場合は、
有意にVEGF依存性チミジン取り込みが阻害された。
この結果から「EDF」「4N−FLT」または「ED
FΔ11」は、VEGFによるHUVECのチミジン取
り込みの促進、即ちDNA合成の促進を阻害することが
明らかになった。
【0052】III.第1〜第2イムノグロブリン様ドメ
インとヒトIgG1−Fc領域との融合タンパク質に関
する実施例 [実施例8] 1)ヒトIgG1−Fc cDNAの単離 IgG生産株であるヒトリンフォブラストーマ、IM9
(大日本製薬)をRPMI1640培地で培養した上清を、Huma
n IgG subclass profile kit(Zymed)を用いて調べたと
ころ、ヒトIgG1を生産していることがわかった。4
x107個のIM9細胞から、IIの[実施例5]
(1)記載と同様の方法でcDNA溶液を調製した。こ
のcDNAから、表7に示す条件で2段階のPCRによ
りヒトIgG1−Fc cDNA断片を増幅した。
【0053】
【表7】 反応液組成(100μl中) PCR反応条件 10 μlLA-PCR buffer(宝酒造) 1)95℃、1分を1サイクル 各 0.1 mM dNTPs 2)94℃、1分、56℃、1分 2 μl cDNA溶液 72℃、1分を20サイクル 200 nM プライマー7 3)プライマー9、10を200μM 200 nM プライマー8 添加し、94℃、1分、56 5.0 U ExTaq ポリメラーゼ(宝酒造) ℃、1分、72℃、1分を 15サイクル 4)72℃、7分を1サイクル プライマー配列は、以下の通りである。 プライマー7:5'-TCTTGTGACAAAACTCACACATGC-3'(配列番号:14) プライマー8:5'-CGGAGACAGGGAGAGGCTCTTCTG-3'(配列番号:15) プライマー9:5'-GAGCCCAAATCTTGTGACAAAA-3'(配列番号:16) プライマー10:5'-TTCTCGGATCCTTATTTACCCGGAGACAGGGA-3'(配列番号:17) Bam STP hIgG1-Fc term プライマー10の「Bam」は制限酵素BamHI認識配列、「ST
P」は終止コドン、「hIgG1-Fc term」はヒトIgG1
Fcコーディング領域のC末端部分を意味する。ただし
プライマー8とプライマー10はアンチセンス鎖である。
ヒトIgG1−Fcコーディング領域とプライマー位置
の対応を図11に示した。PCR反応液をIIの[実施
例5](2)の記載と同様の方法で処理し、アガロース
ゲル電気泳動にかけ、約700bpのDNA断片を切り
出し、フィルターチューブSUPEREC-01(宝酒造)で遠心
しDNAを回収した。このDNA断片の AvaI、HpaII、
RsaI、SmaIの各制限酵素切断パターン(表8)を調べ、
既報のヒトIgG1−FccDNA配列(J.W. Ellison,
B. J. Berson and L. E. Hood, Nucleic Acid Res., 1
0:4071 (1982))と合致することを確認した。
【0054】
【表8】 ──────────────────────────────── 生じたDNA断片のサイズ(bp) ──────────────────────────────── Intact 700 AvaI 380,280 HpaII 300,190,110,110 RsaI 300,200,75,75 SmaI 480,280 ──────────────────────────────── [実施例9]第1〜第2イムノグロブリン様ドメインと
ヒトIgG1−Fc領域との融合タンパク質の発現系の
構築 1)大腸菌外膜タンパク質 OmpA のシグナルペプチドコ
ーディングDNAの単離 大腸菌株HB101を3mlの2xTY培地で37℃、
一夜培養し、遠心して菌体を回収し、0.5mlのTE
バッファー(10mM Tris−HCl(pH7.
5)/1mMEDTA)に懸濁した。20mg/mlの
卵白リゾチームを25μl加えて室温に15分置き、溶
菌させた後、50μlの10%SDSと0.5mlTE
飽和フェノールを加え、5分間激しく振とうし、遠心し
て水層を回収し、当量のクロロホルムで処理し、フェノ
ールを除いた。2容のエタノールを加えDNAを沈澱さ
せ、70%エタノールで洗浄し、乾燥後、沈澱を200
μlの20μg/mlのRNaseA溶液に溶解し、大
腸菌ゲノムDNA溶液とした。これを鋳型として表9の
条件でPCRを行い、OmpA のシグナルペプチドコーデ
ィングDNAを増幅した。
【0055】
【表9】 反応液組成(100μl中) PCR反応条件 10 μlLA-PCR buffer(宝酒造) 1)95℃、1分を1サイクル 各 0.1 mM dNTPs 2)94℃、1分、56℃、1分 2 μl大腸菌ゲノムDNA 72℃、1分を35サイクル 200 nM プライマー11 3)72℃、7分を1サイクル 200 nM プライマー12 5.0 U ExTaq ポリメラーゼ(宝酒造) プライマー配列は、以下の通りである。 プライマー11:5'-TAACCTGGCGATAACGAGGCGCAAATAATGAAAAAG -3'(配列番号:18 ) trx term SD omp init プライマー12:5'-CTGAACTAGATTTCGGAGCGGCCTGCGCTA-3'(配列番号:19) mflt omp SP term プライマー11の「trx term」は大腸菌チオレドキシン遺
伝子(trxA)コーディング末端部分、「SD」は、omp A
のリボソーム結合配列、「omp init」は、omp Aの開始
コドン周辺を意味する。プライマー12の「mflt」は成熟
FLTのN末端コーディング領域、「omp SP term」
は、Omp Aシグナルペプチドコーディング領域末端部分
を意味する。ただし、プライマー12はアンチセンス鎖で
ある。なおチオレドキシン遺伝子に関する配列は、「B.
J. Wallace and S. R. Kushner, Gene32:399 (1984)」
を、omp Aに関する配列は「E. Beck and E. Bremmer, N
ucleicAcid Res., 8:3011(1980)」を参考とした。この
PCR反応液を前述と同様に処理し、得られたDNA断
片をOmp AシグナルペプチドDNAとした(図12、図
14)。
【0056】(2)大腸菌チオレドキシン遺伝子の増幅
と単離 前述のように、大腸菌で外来性タンパク質を高発現させ
ると不溶性の封入体となり易いことが知られている。封
入体を変性・可溶化・再活性化するのは回収率が悪く労
力を要する。このような場合に大腸菌内で、大腸菌チオ
レドキシンを同時に高発現させると、外来性タンパク質
が正常なフォールディング構造をとることができ、封入
体が生じにくくなることが報告されている(T. Yasukaw
a et al., J. Biol. Chem. 270:25328(1995))。そこで
チオレドキシンを同時に高発現させるために遺伝子を単
離した。
【0057】以下の条件でPCRを行い、大腸菌チオレ
ドキシン遺伝子を増幅した。
【0058】
【表10】 反応液組成(100μl中) PCR反応条件 10 μlLA-PCR buffer(宝酒造) 1)95℃、1分を1サイクル 各 0.1 mM dNTPs 2)94℃、1分、56℃、1分 2 μl大腸菌ゲノムDNA 72℃、1分を35サイクル 200 nM プライマー13 3)72℃、7分を1サイクル 200 nM プライマー14 5.0 U ExTaq ポリメラーゼ(宝酒造) プライマー配列は、以下の通りである。 プライマー13:5'-TTCTCGAATTCCCTGTGGAGTTATATATGAGC-3'(配列番号:20) Eco SD trx init プライマー14:5'-GCCTCGTTATCGCCAGGTTAGCGTCGAGGA-3'(配列番号:21) ompSD trx term プライマー13の「Eco」は制限酵素 EcoRI の認識切断部
位、「SD」は、大腸菌チオレドキシン遺伝子のリボソー
ム結合配列、「trx init」は、trxAの開始コドン周辺を
意味する。プライマー14の「ompSD」は、omp Aのリボソ
ーム結合配列を意味する。プライマー14はアンチセンス
鎖である。このPCR反応液を前述と同様に処理し、得
られたDNA断片をチオレドキシンDNAとした(図1
2、図14)。
【0059】(3)FLT第1〜第2イムノグロブリン
様ドメインコーディングDNAとヒトIgG1−Fc領
域コーディングDNAの融合 EDFΔ11バキュロ発現ベクターpEDFH11を鋳
型として表11の条件でPCRを行い、FLT第1〜第
2イムノグロブリン様ドメインコーディングDNAを増
幅し、前述と同様にして精製し、EDF12 DNAと
した(図13)。
【0060】
【表11】 反応液組成(100μl中) PCR反応条件 10 μlLA-PCR buffer(宝酒造) 1)95℃、1分を1サイクル 各 0.1 mM dNTPs 2)94℃、1分、56℃、1分 0.8 μg pEDFH10 DNA 72℃、1分を20サイクル 200 nM プライマー15 3)72℃、7分を1サイクル 200 nM プライマー16 5.0 U ExTaq ポリメラーゼ(宝酒造) プライマー配列は、以下の通りである。 プライマー15:5'-CGCTCCGAAA TCTAGTTCAGGTTCAAAATT-3'(配列番号:22) ompSP term mFLT プライマー16:5'-TTTgTCACAAgATTTgggCTCT gTgCTTATTTggACATCTAT-3' hIgG-Fc hinge 214-FLT-208 (配列番号:23) プライマー16の「hIgG-Fc hinge」はヒトIgG1のヒン
ジコーディングDNA、「214-FLT-208」はFLTの2
08位〜214位のアミノ酸コーディングDNAを意味
する。プライマー16はアンチセンス鎖である。
【0061】このようにして得たFLT第1〜第2イム
ノグロブリン様ドメインコーディングDNA(EDF12 DN
A)と[実施例8]の(1)で得られたIgG1−Fc
cDNAを鋳型として用い、表12の条件で組換えPC
R(R. Higuchi, In "PCR Protocols", ed. by M. A. I
nnis et al., Academic Press Inc. (1990))を行い、
両DNA断片を融合・増幅し、これまでと同様に精製
し、EDF12Fc DNAとした(図13、図1
4)。
【0062】
【表12】 反応液組成(100μl中) PCR反応条件 10 μlLA-PCR buffer(宝酒造) 1)95℃、1分を1サイクル 各 0.1 mM dNTPs 2)94℃、1分、56℃、1分 0.1 μg EDF12 DNA 72℃、1分を25サイクル 0.1 μg hIgG Fc cDNAFc DNA 3)72℃、7分を1サイクル 200 nM プライマー15 200 nM プライマー10 5.0 U ExTaq ポリメラーゼ(宝酒造) (4)発現ベクターの作製 [実施例9]の(1)のOmp AシグナルペプチドDNA
と[実施例9]の(2)のチオレドキシンDNAと[実
施例9]の(3)のEDF12Fc DNAを鋳型とし
て用い、表13の条件で組換えPCRを行い、3つのD
NA断片を融合・増幅し精製した(図13、図14)。
図13においてレーンM、1、2、3はそれぞれ、分子
量スタンダード、EDF12 DNA、IgG1 Fc D
NA、EDF12Fc DNAである。図14の「E
c」、「Bm」はそれぞれ、制限酵素EcoRI、BamHIの認識
配列の存在箇所を表す。
【0063】
【表13】 反応液組成(100μl中) PCR反応条件 10 μlLA-PCR buffer(宝酒造) 1)95℃、1分を1サイクル 各 0.1 mM dNTPs 2)95℃、1分、15分間か 0.1 μg Omp A シグナルペプチド DNA けて55℃まで下げ、更に 0.1 μg チオレドキシン DNA 55℃、2分、72℃、 0.1 μg EDF12Fc DNA 2.5分を3サイクル 200 nM プライマー13 3)94℃、1分、56℃、1分 200 nM プライマー10 72℃、2.5分を 5.0 U ExTaq ポリメラーゼ(宝酒造) 22サイクル 4)72℃、7分を1サイクル このようにして得られた約1.7KbpのDNA断片
は、プライマー10とプライマー13に含められた EcoRI
と BamHI 認識切断配列を末端に持つ。この1.7Kb
pの融合DNA断片をEcoRIとBamHIで消化した。一方、
大腸菌発現ベクターpTTQ18((株)アマシャムジ
ャパン製)をEcoRIとBamHIで消化した。これらの制限酵
素消化反応液を[実施例5]の(2)と同様の方法で処
理し、DNAを回収した。ライゲーションキット(宝酒
造製)を用い、ベクター:インサートのモル比3:1で
連結反応を行った。この反応液と大腸菌JM109のコンピ
テントセル(宝酒造製)を用いて形質転換を行い、アン
ピシリン含有寒天培地にて生育する形質転換体を選択し
た。更にこの中から[実施例5]の(2)と同様の方法
で、1.7Kbpの挿入DNAを持つ組換え体が数クロ
ーン得られ、その一つをJM109(pEDF12Fc)とした。
【0064】図12レーンM、1、2、3、4、5、6
はそれぞれ、分子量スタンダード、チオレドキシンDN
A、Omp A シグナルペプチドDNA、EDF12Fc
DNA、チオレドキシンDNA−Omp A シグナルペプチ
ドDNA-EDF12Fc DNA融合断片、pEDF12Fc D
NAのEcoRI+BamHI消化、pTTQ18 DNAのEcoRI+BamHI消化
である。(丸印は未消化プラスミドである。) [実施例10]発現した融合タンパク質の解析 (1)粗抽出液の調製 JM109(pEDF12Fc)を70mlの100μg/mlのアン
ピシリンを含む2xTY培地で、37℃で振とう培養を
おこない、波長600nmの吸光度が1.0に達した時
にIPTGを0.5mM添加し、更に12時間培養し
た。培養終了後、培養液を急冷し、培養液にプロテアー
ゼインヒビターとして、33μM pAPMSF(和光
純薬工業)を70μlを添加し、遠心して菌体を回収し
た。菌体を5mlの10mM Tris−HCl(pH
8.0)/33nM pAPMSFに懸濁し、ソニケー
ターを用いて菌体の95%以上を超音波破砕した。これ
を10,000xgで20分遠心し、沈澱を5mlの
0.1M Tris−HCl(pH8.0)/1M K
Cl/33nM pAPMSF/5mM EDTA/1
%TritonX100/0.1%Nonidet−P
40に溶解し、20,000xgで遠心して不溶成分を
除いた上清を粗抽出液として以下の解析に用いた。同時
に対照としてベクター部分のみを持つJM109(pTTQ18)か
ら同様にして粗抽出液を調製した。
【0065】(2)EIAによる融合タンパク質発現の
確認 VEGFと抗ヒトIgG抗体を用いたサンドイッチEI
Aによって確認した。VEGFコートプレートを作成す
るために、VEGF165(R&D社製)を50ng/m
lになるようにPBSで希釈し、イムロン2マイクロタ
イタープレートに1ウェル当たり100μl分注し、4
℃で一夜置いた後、[実施例7]の(2)と同様にして
ブロッキングした。JM109(pTTQ18)およびJM109(pEDF12F
c)の粗抽出液をPBS/0.1%BSAで20倍希釈し
た溶液100μlを、ウェルに加え室温で1時間置いた
後、ウェルをPBS/0.1%BSAで6回洗浄した。
次にPBS/0.1%BSAで1000倍希釈したペル
オキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体(MBL製#IM−
0837)を100μl、ウェルに加え室温で1時間放
置し、上述のようにウェルを6回洗浄した。この後、ペ
ルオキシダーゼ基質溶液(20mM酢酸ナトリウム(p
H5.2)、0.01%過酸化水素、オルトフェニレン
ジアミンタブレット(和光純薬製)1錠/20ml)1
00μlをウェルに加え、室温で30分呈色反応を行
い、更に100μlの2N硫酸を加えて反応を停止し、
492nmの吸光度を測定した。その結果、組換え体JM
109(pEDF12Fc)抽出液は対照と比較して強く発色した
(表14)。これはVEGFと抗ヒトIgG抗体とのサ
ンドイッチEIAであるので、この結果から組換え体抽
出液中に、VEGFに結合し、かつ抗ヒトIgG抗体と
結合する分子が含まれることが示唆された。
【0066】
【表14】 ──────────────────────────────── 20倍希釈粗抽出液 JM109(pTTQ18) JM109(pEDF12Fc) ──────────────────────────────── 吸光度(492nm) 0.118 1.056 ──────────────────────────────── (3)組換えタンパク質の分子量の確認 組換えタンパク質の分子量を調べるため、[実施例7]
の(5)と同様の方法で粗抽出液をウェスタンブロット
にかけた。粗抽出液をレムリ法でSDS−ポリアクリル
アミド電気泳動し、PDVF膜にエレクトロブロット
し、ブロッキングした後、1次抗体として、抗ヒトIg
1−Fcモノクローナル抗体(MBL#IM−028
0)0.4μg/mlで、2次抗体としてアルカリフォ
スファターゼ標識抗マウスIgG(Zymed製)を4
000倍希釈して使用した。その結果、JM109(pEDF12F
c)粗抽出液のレーンにのみ、還元条件でおよそ分子量6
000の免疫化学的に反応するバンドが検出された(図
15)。図15においてレーン1、2のサンプルはそれ
ぞれ、JM109(pTTQ18)粗抽出液、JM109(pEDF12Fc)粗抽出
液である。予想される組換え体は446アミノ酸残基で
あるので、妥当なサイズである。
【0067】(4)125VEGF165との共有結合架橋産
物の解析 組換えタンパク質とVEGFとの結合複合体の分子量を
調べるため、各粗抽出液100μlと125VEGF165
140,000cpmを混合し、2時間室温で置いた
後、サンブルックらの「Molecular Cloning」記載の方
法で、プロテインAセファロース(ファルマシア製)を
用いて免疫沈降し、[実施例7]の(1)と同様の方法
で架橋反応を行った。沈澱物をSDS−ポリアクリルア
ミド電気泳動し、オートラジオグラフィーによりシグナ
ルを検出した(図16)。その結果、対照抽出液ではV
EGFの弱いシグナルのみが検出される(レーン2)の
に対し、組換え体JM109(pEDF12Fc)の抽出液では、還元
条件で分子量がおよそ152万の架橋産物が検出された
(レーン1)。この結果から、組換えタンパク質はVE
GFに結合し安定な複合体を形成でき、プロテインAと
も結合することがわかる。
【0068】(5)組換えタンパク質のVEGF親和性
の測定 組換えタンパク質のVEGFに対する結合親和性を知る
ために[実施例7]の(1)と同様の方法でスカッチャ
ード解析(N=3)を行った(図17A、B)。イムロ
ン2にプロテインA(カッペル製)20μg/mlを1
ウェル当たり150μlでコートし、ブロッキングした
後、粗抽出液を1ウェル当たり150μl加え、室温で
1時間置いた。PBS/0.1%BSA/1mM ED
TA/0.25%ジェラチン/0.1%Nonidet
−P40で3回洗浄した。125VEGF165を洗浄する時
も同じバッファーで洗浄した。その結果、組換えタンパ
ク質はEDFと同程度のVEGF親和性を有しているこ
とが示された。
【0069】以上の結果から本実施例の組換えタンパク
質であるFLT第1〜第2イムノグロブリン様ドメイン
−ヒトIgG1 Fc融合タンパク質は、EDFと同程度
に高親和的にVEGFと結合し、ヒトIgG1 Fc特異
的なモノクローナル抗体によって認識され、またプロテ
インAとも結合するというヒトIgG1 Fcの生化学的
特性を有していることが示された。また本融合タンパク
質は、EDFのVEGF親和性という生化学的特性が、
融合によっても損なわれていないことから、EDFと同
様にVEGFに結合し、VEGFの活性を阻害できると
考えられる。
【0070】
【発明の効果】本発明のポリペプチドはVEGF刺激に
よる血管新生を阻害することができるので固形ガンその
他の病理的血管新生を伴う疾病の治療に利用できる。ま
た、ヒト由来のアミノ酸からなるのでヒトに長期投与し
ても抗体ができにくい。更に、従来のポリペプチド(R.
L. Kendal and K. A. Thomas, Proc. Natl., Acad. Sc
i., U. S. A., 90:10705 (1993))より分子量が小さい
ので組換えDNAによる発現が行い易く、患部への浸潤
も速やかである。
【0071】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1899 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:ヒト 細胞の種類:胎盤組織 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:250..1899 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置: 250..315 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:316..1899 配列 GCGGACACTCCTCTCGGCTCCTCCCCGGCAGCGGCGGCGGCTCGGAGCGGGCTCCGGGGC 60 TCGGGTGCAGCGGCCAGCGGGCCTGGCGGCGAGGATTACCCGGGGAAGTGGTTGTCTCCT 120 GGCTGGAGCCGCGAGACGGGCGCTCAGGGCGCGGGGCCGGCGGCGGCGAACGAGAGGACG 180 GACTCTGGCGGCCGGGTCGTTGGCCGGGGGAGCGCGGGCACCGGGCGAGCAGGCCGCGTC 240 GCGCTCACCATG GTC AGC TAC TGG GAC ACC GGG GTC CTG CTG TGC GCG 288 Met Val Ser Tyr Trp Asp Thr Gly Val Leu Leu Cys Ala -20 -15 -10 CTG CTC AGC TGT CTG CTT CTC ACA GGA TCT AGT TCA GGT TCA AAA TTA 336 Leu Leu Ser Cys Leu Leu Leu Thr Gly Ser Ser Ser Gly Ser Lys Leu -5 1 5 AAA GAT CCT GAA CTG AGT TTA AAA GGC ACC CAG CAC ATC ATG CAA GCA 384 Lys Asp Pro Glu Leu Ser Leu Lys Gly Thr Gln His Ile Met Gln Ala 10 15 20 GGC CAG ACA CTG CAT CTC CAA TGC AGG GGG GAA GCA GCC CAT AAA TGG 432 Gly Gln Thr Leu His Leu Gln Cys Arg Gly Glu Ala Ala His Lys Trp 25 30 35 TCT TTG CCT GAA ATG GTG AGT AAG GAA AGC GAA AGG CTG AGC ATA ACT 480 Ser Leu Pro Glu Met Val Ser Lys Glu Ser Glu Arg Leu Ser Ile Thr 40 45 50 55 AAA TCT GCC TGT GGA AGA AAT GGC AAA CAA TTC TGC AGT ACT TTA ACC 528 Lys Ser Ala Cys Gly Arg Asn Gly Lys Gln Phe Cys Ser Thr Leu Thr 60 65 70 TTG AAC ACA GCT CAA GCA AAC CAC ACT GGC TTC TAC AGC TGC AAA TAT 576 Leu Asn Thr Ala Gln Ala Asn His Thr Gly Phe Tyr Ser Cys Lys Tyr 75 80 85 CTA GCT GTA CCT ACT TCA AAG AAG AAG GAA ACA GAA TCT GCA ATC TAT 624 Leu Ala Val Pro Thr Ser Lys Lys Lys Glu Thr Glu Ser Ala Ile Tyr 90 95 100 ATA TTT ATT AGT GAT ACA GGT AGA CCT TTC GTA GAG ATG TAC AGT GAA 672 Ile Phe Ile Ser Asp Thr Gly Arg Pro Phe Val Glu Met Tyr Ser Glu 105 110 115 ATC CCC GAA ATT ATA CAC ATG ACT GAA GGA AGG GAG CTC GTC ATT CCC 720 Ile Pro Glu Ile Ile His Met Thr Glu Gly Arg Glu Leu Val Ile Pro 120 125 130 135 TGC CGG GTT ACG TCA CCT AAC ATC ACT GTT ACT TTA AAA AAG TTT CCA 768 Cys Arg Val Thr Ser Pro Asn Ile Thr Val Thr Leu Lys Lys Phe Pro 140 145 150 CTT GAC ACT TTG ATC CCT GAT GGA AAA CGC ATA ATC TGG GAC AGT AGA 816 Leu Asp Thr Leu Ile Pro Asp Gly Lys Arg Ile Ile Trp Asp Ser Arg 155 160 165 AAG GGC TTC ATC ATA TCA AAT GCA ACG TAC AAA GAA ATA GGG CTT CTG 864 Lys Gly Phe Ile Ile Ser Asn Ala Thr Tyr Lys Glu Ile Gly Leu Leu 170 175 180 ACC TGT GAA GCA ACA GTC AAT GGG CAT TTG TAT AAG ACA AAC TAT CTC 912 Thr Cys Glu Ala Thr Val Asn Gly His Leu Tyr Lys Thr Asn Tyr Leu 185 190 195 ACA CAT CGA CAA ACC AAT ACA ATC ATA GAT GTC CAA ATA AGC ACA CCA 960 Thr His Arg Gln Thr Asn Thr Ile Ile Asp Val Gln Ile Ser Thr Pro 200 205 210 215 CGC CCA GTC AAA TTA CTT AGA GGC CAT ACT CTT GTC CTC AAT TGT ACT 1008 Arg Pro Val Lys Leu Leu Arg Gly His Thr Leu Val Leu Asn Cys Thr 220 225 230 GCT ACC ACT CCC TTG AAC ACG AGA GTT CAA ATG ACC TGG AGT TAC CCT 1056 Ala Thr Thr Pro Leu Asn Thr Arg Val Gln Met Thr Trp Ser Tyr Pro 235 240 245 GAT GAA AAA AAT AAG AGA GCT TCC GTA AGG CGA CGA ATT GAC CAA AGC 1104 Asp Glu Lys Asn Lys Arg Ala Ser Val Arg Arg Arg Ile Asp Gln Ser 250 255 260 AAT TCC CAT GCC AAC ATA TTC TAC AGT GTT CTT ACT ATT GAC AAA ATG 1152 Asn Ser His Ala Asn Ile Phe Tyr Ser Val Leu Thr Ile Asp Lys Met 265 270 275 CAG AAC AAA GAC AAA GGA CTT TAT ACT TGT CGT GTA AGG AGT GGA CCA 1200 Gln Asn Lys Asp Lys Gly Leu Tyr Thr Cys Arg Val Arg Ser Gly Pro 280 285 290 295 TCA TTC AAA TCT GTT AAC ACC TCA GTG CAT ATA TAT GAT AAA GCA TTC 1248 Ser Phe Lys Ser Val Asn Thr Ser Val His Ile Tyr Asp Lys Ala Phe 300 305 310 ATC ACT GTG AAA CAT CGA AAA CAG CAG GTG CTT GAA ACC GTA GCT GGC 1296 Ile Thr Val Lys His Arg Lys Gln Gln Val Leu Glu Thr Val Ala Gly 315 320 325 AAG CGG TCT TAC CGG CTC TCT ATG AAA GTG AAG GCA TTT CCC TCG CCG 1344 Lys Arg Ser Tyr Arg Leu Ser Met Lys Val Lys Ala Phe Pro Ser Pro 330 335 340 GAA GTT GTA TGG TTA AAA GAT GGG TTA CCT GCG ACT GAG AAA TCT GCT 1392 Glu Val Val Trp Leu Lys Asp Gly Leu Pro Ala Thr Glu Lys Ser Ala 345 350 355 CGC TAT TTG ACT CGT GGC TAC TCG TTA ATT ATC AAG GAC GTA ACT GAA 1440 Arg Tyr Leu Thr Arg Gly Tyr Ser Leu Ile Ile Lys Asp Val Thr Glu 360 365 370 375 GAG GAT GCA GGG AAT TAT ACA ATC TTG CTG AGC ATA AAA CAG TCA AAT 1488 Glu Asp Ala Gly Asn Tyr Thr Ile Leu Leu Ser Ile Lys Gln Ser Asn 380 385 390 GTG TTT AAA AAC CTC ACT GCC ACT CTA ATT GTC AAT GTG AAA CCC CAG 1536 Val Phe Lys Asn Leu Thr Ala Thr Leu Ile Val Asn Val Lys Pro Gln 395 400 405 ATT TAC GAA AAG GCC GTG TCA TCG TTT CCA GAC CCG GCT CTC TAC CCA 1584 Ile Tyr Glu Lys Ala Val Ser Ser Phe Pro Asp Pro Ala Leu Tyr Pro 410 415 420 CTG GGC AGC AGA CAA ATC CTG ACT TGT ACC GCA TAT GGT ATC CCT CAA 1632 Leu Gly Ser Arg Gln Ile Leu Thr Cys Thr Ala Tyr Gly Ile Pro Gln 425 430 435 CCT ACA ATC AAG TGG TTC TGG CAC CCC TGT AAC CAT AAT CAT TCC GAA 1680 Pro Thr Ile Lys Trp Phe Trp His Pro Cys Asn His Asn His Ser Glu 440 445 450 455 GCA AGG TGT GAC TTT TGT TCC AAT AAT GAA GAG TCC TTT ATC CTG GAT 1728 Ala Arg Cys Asp Phe Cys Ser Asn Asn Glu Glu Ser Phe Ile Leu Asp 460 465 470 GCT GAC AGC AAC ATG GGA AAC AGA ATT GAG AGC ATC ACT CAG CGC ATG 1776 Ala Asp Ser Asn Met Gly Asn Arg Ile Glu Ser Ile Thr Gln Arg Met 475 480 485 GCA ATA ATA GAA GGA AAG AAT AAG ATG GCT AGC ACC TTG GTT GTG GCT 1824 Ala Ile Ile Glu Gly Lys Asn Lys Met Ala Ser Thr Leu Val Val Ala 490 495 500 GAC TCT AGA ATT TCT GGA ATC TAC ATT TGC ATA GCT TCC AAT AAA GTT 1872 Asp Ser Arg Ile Ser Gly Ile Tyr Ile Cys Ile Ala Ser Asn Lys Val 505 510 515 GGG ACT GTG GGA AGA AAC ATA AGC TTT TAT ATC ACA GAT GTG CCA AAT 1920 Gly Thr Val Gly Arg Asn Ile Ser Phe Tyr Ile Thr Asp Val Pro Asn 520 525 530 535 GGG TTT CAT GTT AAC TTG GAA AAA ATG CCG ACG GAA GGA GAG GAC CTG 1968 Gly Phe His Val Asn Leu Glu Lys Met Pro Thr Glu Gly Glu Asp Leu 540 545 550 AAA CTG TCT TGC ACA GTT AAC AAG TTC TTA TAC AGA GAC GTT ACT TGG 2016 Lys Leu Ser Cys Thr Val Asn Lys Phe Leu Tyr Arg Asp Val Thr Trp 555 560 565 ATT TTA CTG CGG ACA GTT AAT AAC AGA ACA ATG CAC TAC AGT ATT AGC 2064 Ile Leu Leu Arg Thr Val Asn Asn Arg Thr Met His Tyr Ser Ile Ser 570 575 580 AAG CAA AAA ATG GCC ATC ACT AAG GAG CAC TCC ATC ACT CTT AAT CTT 2112 Lys Gln Lys Met Ala Ile Thr Lys Glu His Ser Ile Thr Leu Asn Leu 585 590 595 ACC ATC ATG AAT GTT TCC CTG CAA GAT TCA GGC ACC TAT GCC TGC AGA 2160 Thr Ile Met Asn Val Ser Leu Gln Asp Ser Gly Thr Tyr Ala Cys Arg 600 605 610 615 GCC AGG AAT GTA TAC ACA GGG GAA GAA ATC CTC CAG AAG AAA GAA ATT 2208 Ala Arg Asn Val Tyr Thr Gly Glu Glu Ile Leu Gln Lys Lys Glu Ile 620 625 630 ACA ATC AGA GAT CAG GAA GCA CCA TAC CTC CTG CGA AAC CTC AGT GAT 2256 Thr Ile Arg Asp Gln Glu Ala Pro Tyr Leu Leu Arg Asn Leu Ser Asp 635 640 645 CAC ACA GTG GCC ATC AGC AGT TCC ACC ACT TTA GAC TGT CAT GCT AAT 2304 His Thr Val Ala Ile Ser Ser Ser Thr Thr Leu Asp Cys His Ala Asn 650 655 660 GGT GTC CCC GAG CCT CAG ATC ACT TGG TTT AAA AAC AAC CAC AAA ATA 2352 Gly Val Pro Glu Pro Gln Ile Thr Trp Phe Lys Asn Asn His Lys Ile 665 670 675 CAA CAA GAG CCT GGA ATT ATT TTA GGA CCA GGA AGC AGC ACG CTG TTT 2400 Gln Gln Glu Pro Gly Ile Ile Leu Gly Pro Gly Ser Ser Thr Leu Phe 680 685 690 695 ATT GAA AGA GTC ACA GAA GAG GAT GAA GGT GTC TAT CAC TGC AAA GCC 2448 Ile Glu Arg Val Thr Glu Glu Asp Glu Gly Val Tyr His Cys Lys Ala 700 705 710 ACC AAC CAG AAG GGC TCT GTG GAA AGT TCA GCA TAC CTC ACT GTT CAA 2496 Thr Asn Gln Lys Gly Ser Val Glu Ser Ser Ala Tyr Leu Thr Val Gln 715 720 725 GGA ACC TCG GAC AAG TCT AAT CTG GAG 2523 Gly Thr Ser Asp Lys Ser Asn Leu Glu 730 配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CGTCGCGCTC ACCATGGTCA G 21 配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTATTCGTAA ATCTGGGGTT TCAC 24 配列番号:4 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TATTAATGAT CTAGATGAC 19 配列番号:5 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TCGAGTCATT CTAGATCATT AA 22 配列番号:6 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 AGCTTTTAAT GATCTAGAAT GAC 23 配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TCGAGTCATT CTAGATCATT AAA 23 配列番号:8 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTCGGATCCG GATCTAGTTC AGGTTCAAAA 30 配列番号:9 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTCGAATTCA CTCCAGATTA GACTTGTCCG A 31 配列番号:10 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTTCTCGGAT CCTATAAATA TGGTCAGCTA CTGGGACACC 40 配列番号:11 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GTGGTGGTGG TGGTGGTGAC GCTCCAGATT AGACTTGTCC GA 42 配列番号:12 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CACCACCACC ACCACCACTA ACTAGAGCTC GCTGATC 37 配列番号:13 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTCTCGAATT CTCCCCAGCA TGCCTGC 27 配列番号:14 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TCTTGTGACA AAACTCACAC ATGC 24 配列番号:15 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CGGAGACAGG GAGAGGCTCT TCTG 24 配列番号:16 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GAGCCCAAAT CTTGTGACAA AA 22 配列番号:17 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTCTCGGATC CTTATTTACC CGGAGACAGG GA 32 配列番号:18 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TAACCTGGCG ATAACGAGGC GCAAATAATG AAAAAG 36 配列番号:19 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTGAACTAGA TTTCGGAGCG GCCTGCGCTA 30 配列番号:20 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTCTCGAATT CCCTGTGGAG TTATATATGA GC 32 配列番号:21 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GCCTCGTTAT CGCCAGGTTA GCGTCGAGGA 30 配列番号:22 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CGCTCCGAAA TCTAGTTCAG GTTCAAAATT 30 配列番号:23 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTTGTCACAA GATTTGGGCT CTGTGCTTAT TTGGACATCT AT 42
【図面の簡単な説明】
【図1】FLT細胞外領域のドメインの構成を表す模式
図である。
【図2】4N−FLTを発現する組換えバキュロウイル
スの構築過程の概要を示す図である。
【図3】5N−FLTを発現する組換えバキュロウイル
スの構築過程の概要を示す図である。
【図4】B4NまたはB5N組換えバキュロウイルスを
感染させた細胞の培養上清および抽出液のウェスタンブ
ロットを示す図である。
【図5】4N−FLTまたは5N−FLTとVEGF断
片との相互作用に関するスカッチャード解析を示す図で
ある。
【図6】HUVECのVEGF依存性チミジン取り込み
促進のEDF、4N−FLTまたはEDFΔ11発現培
養上清による阻害を示す図である。
【図7】EDFまたはEDFΔ11を発現する組換えバ
キュロウイルスを感染させた細胞と125I−VEGF121
との共有結合架橋産物の電気泳動後のオートラジオフラ
フィーを示す図である。
【図8】EDFまたはEDFΔ11とVEGF断片との
相互作用に関するスカッチャード解析を示す図である。
【図9】EDFΔ11の精製過程のVEGFアフィニテ
ィクロマトグラムと各フラクションの電気泳動パターン
を示す図である。
【図10】精製EDFΔ11の電気泳動パターンとウェ
スタン解析を示す図である。
【図11】ヒトイムノグロブリンIgG1のFc領域の
模式図と、単離するのに用いたプライマーの位置の対応
を示す図である。
【図12】PCRで増幅・精製したDNAと制限酵素切
断した組換えプラスミドのアガロースゲル電気泳動パタ
ーンを示す図である。
【図13】PCRで増幅・精製したDNAのアガロース
ゲル電気泳動パターンを示す図である。
【図14】各DNA断片の単離からFLT第1〜第2−
ヒトIgG1-Fc発現組換えプラスミド構築までの過程
の概略を示す図である。
【図15】組換え大腸菌粗抽出液の抗ヒトIgG1-Fc
モノクローナル抗体によるウェスタンブロットを示す図
である。
【図16】組換え大腸菌粗抽出液と125I−VEGF165
の共有結合架橋産物のSDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動パターンを示す図である。
【図17】Aは組換え大腸菌粗抽出液と125I−VEG
165結合曲線、Bはそのスカッチャード解析を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 A61K 37/02 ADU C12P 21/02 AED G01N 33/53 C12N 5/00 B //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 松本 友恵 茨城県つくば市大久保2番東亞合成株式会 社つくば研究所内 (72)発明者 浅野 誠 茨城県つくば市大久保2番東亞合成株式会 社つくば研究所内 (72)発明者 瀬川 俊章 茨城県つくば市大久保2番東亞合成株式会 社つくば研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VEGFに結合してVEGFの活性を阻
    害することができる、FLTの細胞外領域の第1イムノ
    グロブリン様ドメインおよび第2イムノグロブリン様ド
    メインを含み、かつ第6イムノグロブリン様ドメインお
    よび第7イムノグロブリン様ドメインを含まないポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリペプチドをコードす
    るDNA。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のDNAを含むベクタ
    ー。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のベクターを保持する形
    質転換体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のポリペプチドからなる医
    薬。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリペプチドからなる分
    析試薬。
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